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JP3625246B2 - 水性被覆組成物 - Google Patents
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JP3625246B2 - 水性被覆組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性被覆組成物に関するものであり、さらに詳しくは、貯蔵安定性に優れ、硬度、耐水性、耐汚染性、耐候性に優れた皮膜を形成する水性被覆組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗料としては、溶剤系塗料が主流であったが、溶剤系塗料は、引火、中毒を引き起こす可能性があり、また、環境汚染の危険性があるため、近年、水性塗料への移行が急速に進んでいる。しかし、水性塗料は耐候性、耐水性等の塗膜性能が溶剤系塗料と比べると低位であり、解決すべき課題が多いのが現状である。
【0003】
これらの課題の解決を目的とした水性塗料の開発は種々行われている。例えば、水性塗料用の樹脂としては、乳化重合より得られるアクリル系樹脂のエマルションが、得られる塗膜の耐候性等が比較的良好であるという特徴を有することから多く検討されている。例えば、特開昭54−144432号公報には、アルデヒド基又はケト基に基づくカルボニル基を含有するアクリル型樹脂のエマルションと2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン化合物からなる樹脂組成物が提案されており、常温で塗膜形成が可能であり、かつ一液型として使用できるという優れた特徴を有するが、得られる塗膜の耐水性が不十分であるという問題点を有するとともに、塗膜が屋外で暴露された場合において、ほこり、煤煙、砂などによって汚染されやすいという問題点を有する。
【0004】
塗膜の耐水性向上を目的とした水性塗料の開発は種々行われており、その一つとして、乳化重合によって得られる加水分解性シリル基を有するアクリル系樹脂のエマルションが知られている。しかし、これは、加水分解性シリル基の加水分解や縮合が乳化重合中に促進されるため、エマルション中に凝集体が生成したり、重合中に反応系がゲル化しやすく、エマルションの製造安定性に劣るという問題点を有する。
【0005】
これらの問題点を解決する方法として、例えば、特開平2−67324号公報には、フリーラジカル重合可能な官能性と自己縮合架橋の可能なシラン官能性との両者を含むシランモノマーと、カチオン開始可能な線状ポリシロキサン前駆体を使用することが提案されており、特開平3−227312号公報には、特定のメタクリル酸アルキルエステルと特定の官能基を有するアクリル酸エステルを使用することが提案されており、特開平3−227313号公報には、乳化重合時にシアノ基を有する重合性単量体を使用することが提案されているが、これらのエマルションではハイソリッド化が困難であったり、エマルションの組成や乳化重合条件の制約が大きいという問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、水性塗料として、ポリシロキサン系水性塗料の開発も種々行われてきている。このようなシリコーン系水性塗料の原料となるポリシロキサン樹脂は、耐熱性、撥水性および耐候性に優れており、塗料用樹脂として有用な特徴を持つ。しかし、ポリシロキサン樹脂を主成分とする水性塗料の実用化に際してはまだいくつかの課題が残されており、一般の塗料用途に広く利用される迄には至っていないのが現状である。
【0007】
例えば、特公昭63−23212号公報には、ポリシロキサンの側鎖に複数のアルコール性水酸基を導入した樹脂を用いた水溶性塗料の製造方法が示されている。しかし、このように完全に水に溶解するタイプのポリシロキサンを用いた塗料は、塗膜特性を向上させるためにポリシロキサン樹脂を高分子量化する必要があり、この場合に塗料粘度が高くなり、その塗装性が低下するという問題点を有する。さらに、この塗料より形成した塗膜は、親水性の官能基を大量に有するために、塗膜の撥水性や耐水性が低いという問題点を有する。
【0008】
また、水性塗料の性能を向上させる手段として、無機物を含有させる方法も提案されている。例えば、特公平1−41180号公報には、ビニルシランとアクリル系モノマーを共重合した水性エマルションにコロイダルシリカを含有させた被覆組成物が提案されており、塗膜の耐熱性、耐水性、密着性に優れるという特徴を有する。しかし、この被覆組成物は、該水性エマルションの固形分100重量部に対して、固形分含量500〜20000重量部という比較的多量のコロイダルシリカを必要とするために、貯蔵安定性が劣るという問題点を有する。これに対して、コロイダルシリカ固形分含量を500重量部未満とした場合には、貯蔵安定性は改善される傾向にあるが、硬度などの塗膜性能が低下するという問題点を有する。
【0009】
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れ、硬度、耐水性、耐汚染性、耐候性に優れた塗膜を形成する塗料用水性被覆組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の従来技術の問題点に鑑み、塗料用水性被覆組成物について鋭意検討した結果、本発明に至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明の要旨とするところは、ジメチルシロキサンを繰り返し単位とする重合体ブロック(A)、ビニル重合性単量体を繰り返し単位とする重合体ブロック(B)、および該重合体ブロック(A)と該重合体ブロック(B)に共重合したケイ素含有グラフト交叉単位(C)から構成されるグラフトブロック共重合体(I)のエマルションと、下記一般式(1)で示されるシラン化合物によって表面処理されたコロイダルシリカ(II)を含有し、成分(II)の固形分含量が成分(I)100重量部に対して1〜300重量部であることを特徴とする水性被覆組成物にある。
【0012】
【化2】
Figure 0003625246
【0013】
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、Rは水素原子又はエーテル結合を含みうる炭素数1〜10の炭化水素基、nは0〜2の整数を示す。)
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水性被覆組成物は、グラフトブロック共重合体(I)を界面活性剤を存在させた水性媒体中に乳化分散させたエマルション中に、さらに特定のシラン化合物によって表面処理されたコロイダルシリカ(II)を含有させたものである。
【0015】
本発明の水性被覆組成物を構成するグラフトブロック共重合体(I)は、ジメチルシロキサンを繰り返し単位とする重合体ブロック(A)(以下、重合体ブロック(A)という)、ビニル重合性単量体を繰り返し単位とする重合体ブロック(B)(以下、重合体ブロック(B)という)およびケイ素含有グラフト交叉単位(C)(以下、グラフト交叉単位(C)という)から構成され、グラフト交叉単位(C)が、少なくとも1個のシロキサン結合を介して重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)の両者に共重合されている。
【0016】
グラフト交叉単位(C)と重合体ブロック(B)との共重合は、グラフト交叉単位(C)の原料となるグラフト交叉剤中のビニル重合性官能基及び/又はメルカプト基と重合体ブロック(B)の原料となるビニル重合性単量体とをラジカル共重合することによって達成できる。
【0017】
本発明のグラフトブロック共重合体(I)を構成する重合体ブロック(A)は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシラン類や、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ジメチルサイクリックス(ジメチルシロキサン環状オリゴマー3〜7量体混合物)等のジメチルシロキサン環状オリゴマー類や、ジメチルジクロロシラン等を原料として合成することができる。得られる樹脂の熱安定性等の性能やコストを考慮すると、重合体ブロック(A)の原料として最も好適なのは、ジメチルシロキサン環状オリゴマーである。
【0018】
また、本発明の重合体ブロック(A)の重量平均分子量は10,000以上であることが好ましい。重量平均分子量が10,000未満では、得られる塗膜の耐久性が低下する傾向にあるためである。より好ましくは50,000以上である。
【0019】
本発明のグラフトブロック共重合体(I)における重合体ブロック(B)を構成するビニル重合性単量体としては、公知のラジカル重合可能な単量体を用いることができる。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸n−ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸n−ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等のヒドロキシアルキル基を有するビニル重合性単量体、メタクリルアミド、アクリルアミド、クロトンアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有ビニル単量体、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニル単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体、ブタジエン等のオレフィン系単量体等が挙げられる。これらの成分は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。また、必要に応じて、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート等の架橋剤を使用することができる。
【0020】
また、ビニル重合性単量体として、アルコキシシラン化合物を使用し、重合体ブロック(B)中にアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を導入することによって、塗膜の硬度をさらに向上させることができる。
【0021】
アルコキシシラン化合物の使用量は、重合体ブロック(B)を構成するビニル重合性単量体100重量部に対して20重量部以下であることが好ましい。これは、アルコキシシラン化合物の使用量が30重量部を超えると、得られる水性被覆組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にあるためである。より好ましくは、0.5〜10重量%の範囲である。
【0022】
本発明のエマルションに使用されるアルコキシシラン化合物としては、以下の一般式(2)〜(7)に示されるものを挙げることができる。
【0023】
【化3】
Figure 0003625246
【0024】
【化4】
Figure 0003625246
【0025】
【化5】
Figure 0003625246
【0026】
【化6】
Figure 0003625246
【0027】
【化7】
Figure 0003625246
【0028】
【化8】
Figure 0003625246
【0029】
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基、Rは水素原子またはエーテル結合を含みうる炭素数1〜10の炭化水素基、Rは水素原子またはメチル基、nは0〜2の整数、pは1〜10の整数、qは0〜10の整数を表す。)
上記一般式(2)の具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
【0030】
上記一般式(3)の具体例としては、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
【0031】
上記一般式(4)の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルエチルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、イソプロペニルトリメトキシシラン、イソプロペニルメチルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、9−デセニルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0032】
上記一般式(5)の具体例としては、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン(p−トリメトキシシリルスチレン)、p−ビニルフェニルトリエトキシシラン、p−ビニルフェニルトリイソプロポキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン、p−ビニルフェニルエチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルプロピルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルフェニルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン、o−ビニルフェニルトリメトキシシラン、o−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、m−ビニルフェニルトリメトキシシラン、o−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−イソプロペニルフェニルトリメトキシシラン、p−イソプロペニルフェニルメチルジメトキシシラン、m−イソプロペニルフェニルトリメトキシシラン、m−イソプロペニルフェニルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
【0033】
上記一般式(6)の具体例としては、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルプロピルビニルエーテル等を挙げることができる。
【0034】
上記一般式(7)の具体例としては、11−トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等を挙げることができる。
【0035】
上記のアルコキシシラン化合物の中で好ましいものは、(2)〜(4)のメルカプト基及び/又はエチレン性不飽和基を有するアルコキシシラン化合物であり、中でもγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランが特に好ましい。これらの成分は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0036】
また、ビニル重合性単量体として、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロ−ル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ダイアセトンアクリレ−ト、ダイアセトンメタクリレ−ト、アセトニルアクリレート、アクリルオキシアルキルプロペナール、メタクリルオキシアルキルプロペナール等のアルデヒド基又はケト基に基づくカルボニル基を有するビニル単量体を使用し、重合体ブロック(B)中にカルボニル基を導入し、さらに水性被覆組成物中に2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン化合物(III)を含有させることによって、塗膜の硬度、低温硬化性、耐溶剤性等をさらに向上させることができる。
【0037】
この場合、アルデヒド基又はケト基に基づくカルボニル基を有するビニル単量体の使用量は、重合体ブロック(B)を構成するビニル重合性単量体100重量部に対して30重量部以下であることが好ましい。これは、30重量部を超えると、塗膜性能向上の効果がこれ以上得られず、逆に塗膜の耐水性が低下する傾向にあるためである。より好ましくは、1〜10重量部の範囲である。この範囲において、塗膜の耐水性、耐溶剤性が特に良好となる。
【0038】
上記の有機ヒドラジン化合物(III)の使用量は、グラフトブロック共重合体(I)中のアルデヒド基又はケト基に基づくカルボニル基のモル数(i)と、有機ヒドラジン化合物(III)中のヒドラジン残基のモル数(ii)の比率が、0.05≦(ii)/(i)≦5の範囲とすることが好ましい。(ii)/(i)が0.05未満である場合には、架橋反応の進行が不十分となり、形成される塗膜の耐水性や耐溶剤性が低下する傾向にある。また、5を越える場合には、未反応の有機ヒドラジン化合物の残留により、塗膜の外観や耐水性が低下する傾向にある。より好ましくは、0.5≦(ii)/(i)≦2の範囲であり、この範囲において、塗膜の外観、耐水性、耐溶剤性が特に良好となる。
【0039】
上記有機ヒドラジン化合物(III)の具体例としては、2〜10個、特に4〜6個の炭素原子を含有するジカルボン酸ジヒドラジド、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドおよびイタコン酸ジヒドラジドや、2〜4個の炭素原子を有する脂肪族の水溶性ジヒドラジン、例えば、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等を挙げることができる。これらの中でもアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが好ましい。また、これらは2種以上を併用してもよい。
【0040】
重合体ブロック(B)は、グラフトブロック共重合体(I)中、50〜98重量%の範囲で含有されるのが好ましい。重合体ブロック(B)の含有量が50重量%未満の場合には、樹脂組成物から形成した塗膜の強度、耐久性が低下する傾向にある。また、重合体ブロック(A)の含有量が98重量%を超える場合には、塗膜の耐水性、耐ブロッキング性が低下する傾向にある。さらに好ましくは、70〜95重量%の範囲である。
【0041】
本発明のグラフトブロック共重合体(I)を構成するグラフト交叉単位(C)は、得られる塗膜の透明性を確保するのに必要な構成単位であり、本発明のグラフトブロック共重合体(I)におけるグラフト交叉単位(C)の含有量は、本発明のグラフトブロック共重合体(I)中のケイ素原子を基準にして、1〜50モル%の範囲であることが好ましい。これは、グラフト交叉単位(C)の含有量が1モル%未満であると、得られる樹脂塗膜の透明性が低下する傾向にあり、50モル%を超えると原料コストの点で不利になることに加えて、縮合時に脱離するアルコールなどの副生物がエマルションの安定性や取り扱い性、さらには塗膜性能が低下する傾向にあるためである。より好ましくは1.5〜40モル%の範囲であり、さらに好ましくは、3〜20モル%の範囲である。含有量が3モル%以上の場合には、得られる塗膜の透明性が極めて良好となり、含有量が20モル%以下の場合には、乳化重合の際のラテックス安定性が良好となる。
【0042】
本発明のグラフト交叉単位(C)を構成するグラフト交叉剤としては、分子中に1個以上の加水分解性シリル基、及び1個以上のビニル重合性官能基又はメルカプト基を含有する化合物を挙げることができる。加水分解性シリル基としては、重合反応性、取扱いの容易さ、コスト等を考慮すると、アルコキシシリル基が好ましい。グラフト交叉剤の具体例としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシアルキルシラン類、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアクリロキシアルキルシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプトアルキルシラン類等が挙げられるが、中でもビニル重合反応性、コストなどを考慮するとメタクリロキシアルキルシラン類及びアクリロキシアルキルシラン類及びメルカプトアルキルシラン類が特に好ましい。これらの成分は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0043】
グラフトブロック共重合体(I)のエマルションを好適に製造することができる製造方法について以下に説明するが、この方法に特に限定されるものではない。
【0044】
グラフトブロック共重合体(I)のエマルションは、環状ジメチルシロキサンオリゴマー及びビニル重合性官能基及び/又はメルカプト基を含有する多官能アルコキシシランからなるグラフト交叉剤を酸性乳化剤の存在下で乳化重合し、中和した後に、ビニル重合性単量体をラジカル重合開始剤の存在下でグラフト共重合することによって好適に製造することができる。
【0045】
環状ジメチルシロキサンオリゴマーおよびグラフト交叉剤の合計量と、水との比率は任意に選択できるが、重量比にて1:1〜1:9の範囲が好ましい。
【0046】
酸性乳化剤は、環状ジメチルシロキサンオリゴマーを開環できるものであれば特に限定されないが、重合に適した酸性乳化剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。酸性乳化剤の使用量は、目的とするエマルションの粒子径、固形分量、重合温度および他の界面活性剤の併用により変化するが、シロキサンの重合を速やかに進行させるためには環状ジメチルシロキサンオリゴマーとグラフト交叉剤の合計量に対して0.5重量%以上用いるのが好ましい。
【0047】
環状ジメチルシロキサンオリゴマーとグラフト交叉剤の乳化重合温度は、特に限定されないが、反応率を上げ、より速やかに重合を進行させるためには、少なくとも一度は60℃以上の熱履歴を受けることが好ましく、さらに好ましくは75℃以上である。
【0048】
得られるシロキサン重合体エマルションの粒子径は、原料の予備分散の度合い、乳化剤量、重合温度および原料の供給方法によって制御できる。例えば、粒子径の小さいエマルションは、原料と水を乳化剤の存在下でホモジナイザーなどの高シェア発生装置により予備乳化するか、原料または予備乳化液を水中に滴下するか、乳化剤を増量するか、重合温度を上昇させるかのいずれかの方法あるいはこれらの方法を適宜組み合わせることにより得ることができる。
【0049】
得られたシロキサン重合体のエマルションは強い酸性であるので、シロキサンの重合終了後に中和する必要がある。中和に使用される塩基性化合物は、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン等が挙げられる。これら塩基性化合物を直接、又は水溶液でエマルションに添加し中和を行う。
【0050】
続いて行われるビニル重合性単量体のグラフト共重合に用いるラジカル重合開始剤は、公知のものが利用できる。具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウム又はロンガリットの組み合わせ、t−ブチルハイドロパーオキサイドやクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイドからなる酸化剤と、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸鉄処方/スルホキシレート処方の混合処方等の還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤等が挙げられる。
【0051】
ラジカル重合開始剤の添加量は、通常、ビニル重合性単量体の全量に対して0.01〜10重量%の範囲とすることが好ましいが、重合の進行や反応の制御を考慮に入れると、0.1〜5重量%の範囲が特に好ましい。また、重合開始剤の活性付与のために硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等のキレート化剤を用いることができる。
ビニル重合性単量体の仕込み方法は、特に制限されず、一括仕込み、滴下、あるいは、一部をあらかじめ仕込んだ後に残りを滴下する等のいずれの方法でもよい。滴下する場合には、そのまま滴下しても、乳化剤の存在下で予備乳化してから滴下しても良い。また、ビニル重合性単量体のグラフト共重合時又はグラフト共重合終了時に乳化剤を追加添加しても良い。重合温度は特に限定されないが、通常40〜90℃の範囲である。
【0052】
予備乳化又は追加添加に用いられる乳化剤は公知のものが使用でき、具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のスルホン酸塩系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルフォスフェートナトリウム塩等のリン酸塩系乳化剤、オレイン酸カリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸カリウム等のカルボン酸系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等のノニオン系乳化剤、スルホン酸塩系乳化剤、リン酸塩系乳化剤、カルボン酸塩系乳化剤等のアニオン系乳化剤が挙げられる。これら乳化剤は、単独又は2種以上を併用してもよい。特に、アニオン系乳化剤の使用が、コロイダルシリカを均一に分散させることができることから好ましい。これら乳化剤の使用量は、通常、ビニル重合性単量体100重量部に対して0.5〜10重量部程度である。
【0053】
また、連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物を挙げることができる。これら連鎖移動剤の使用量は、通常、ラジカル重合性化合物100重量部に対して1重量部以下である。
【0054】
さらに、乳化重合の際には、必要に応じて公知の各種電解質、pH調整剤等をを使用することができる。
【0055】
本発明のエマルション粒子径は、製造条件により任意に変更できるが、通常、平均粒子径が0.01〜1μm程度とすることが好ましい。
【0056】
本発明の水性被覆組成物は、特定のシラン化合物で表面処理された比較的少量のコロイダルシリカ(II)を使用することによって、耐水性、耐汚染性、硬度、さらに耐候性等の塗膜性能を向上させることができる。
【0057】
本発明の水性被覆組成物中における(II)成分の固形分含量は、上記水性エマルションを構成する重合体成分100重量部に対して1〜300重量部の範囲であることが必要である。これは、1重量部未満では、塗膜の硬度、耐水性、耐汚染性が不十分となる傾向にあり、300重量部を超えると、水性被覆組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にあるためである。好ましくは1〜150重量部の範囲である。
【0058】
本発明に用いる表面処理前のコロイダルシリカとしては、水を分散媒とした各種の市販品を使用することができるが、平均粒子径が300nm以下のものが好ましい。300nmを超えるものを使用すると、得られる塗膜の透明性や剛性(弾性率)、耐熱性が低位になる傾向にあるためでり、より好ましくは1〜80nmの範囲である。
【0059】
本発明においては、これらコロイダルシリカを上記一般式(1)で示されるシラン化合物で表面処理を行う。
【0060】
上記一般式(1)で示されるシラン化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、トリエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメトキシフェニルシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジエトキシフェニルシラン等を挙げることができる。これらは単独または2種以上を併用して使用することができるが、特にトリメトキシメチルシランが好ましい。
【0061】
コロイダルシリカをシラン化合物で表面処理する方法としては、グラフトブロック共重合体(I)のエマルションに、コロイダルシリカ、及び上記シラン化合物から選ばれる少なくとも一種のシラン化合物を添加し、室温〜100℃の温度で任意の時間撹拌する方法が挙げられる。
【0062】
また別の方法としては、予めコロイダルシリカ、及びシラン化合物の少なくとも一種を室温〜100℃の温度で任意の時間撹拌することによって得られた、シラン化合物で表面処理されたコロイダルシリカをグラフトブロック共重合体(I)のエマルション中に添加する方法等が挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
【0063】
コロイダルシリカを表面処理する際に使用されるシラン化合物の量は、コロイダルシリカの固形分含量100重量部に対して、1〜60重量部の範囲であることが好ましい。これは、1重量部未満では、得られる塗膜の耐候性が不十分となる傾向にあり、60重量部を超えると、水性被覆組成物の貯蔵安定性や得られる塗膜の耐水性、耐汚染性が不十分となる傾向にあるためである。より好ましくは5〜40重量部の範囲である。
【0064】
また、本発明の水性被覆組成物の重合体成分含有率は20〜70重量%の範囲であることが好ましい。重合体成分含有率が20重量%未満であると、得られる塗膜の膜厚が薄くなってしまい、塗装作業性が低下する傾向にある。また、70重量%を超えると、系の粘度が著しく上昇する傾向にあり、安定なエマルションを得ることが困難になる傾向にある。より好ましくは、30〜60重量%の範囲である。
【0065】
本発明の水性被覆組成物において、水性エマルションとコロイダルシリカを混合させる方法としては、乳化重合によって得られる重合体の水性エマルションにコロイダルシリカ分散液を混合させる方法が好ましい。また、コロイダルシリカを含有した水系媒質中でラジカル重合性化合物を乳化重合して水性エマルションを得るという方法でもよいが、この方法では、製造工程は簡便になるものの、重合安定性が低くなりやすい傾向にある。
【0066】
本発明の水性被覆組成物には、必要に応じて顔料や紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤等の各種添加剤等を含んでもよく、さらに他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤、メラミン類等の硬化剤と混合して用いてもよい。
【0067】
本発明の樹脂組成物は、刷毛塗装、ロール塗装、スプレー塗装等の方法で塗布することができ、常温で放置又は50〜200℃に加熱することにより硬化させることができる。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
【0069】
また、実施例および比較例における性能の評価は以下に示す方法を用いて行った。
【0070】
(1)透明性
ガラス板上にスポット状の塗膜を形成させ、その透明性を目視判定
○:透明
△:半透明
×:白濁
(2)硬度
三菱鉛筆ユニ使用(45度の角度で塗膜を引っかいて硬度を測定)
(3)耐水性
50℃の温水に100時間浸漬後、塗膜外観を目視判定した。さらに、浸漬後の60−60度鏡面反射率(以下60°グロス)を光沢値として測定し、塗膜形成直後の60°グロス(初期光沢値)で割ることにより光沢保持率(光沢値/光沢保持率)を算出した。
○:変化なし
△:膨れが若干ある以外は変化なし
×:膨れ、ツヤ引けが顕著にみられる
(4)耐汚染性
カーボンブラックと水を20/80の重量比でよく混合したカーボンペーストを塗膜に塗りつけ、60℃で30分間加熱した後、流水で洗浄し、カーボンの付着状態を目視判定した。
○:カーボンペースト塗布前と変化なし
△:若干跡が残る
×:著しく跡が残る
(5)貯蔵安定性
水性被覆組成物を室温で1ヶ月静置した後の状態を目視判定
○:変化なし
×:凝集、ゲル化
(6)耐候性
塗膜形成直後の60度グロスを初期光沢として測定し、サンシャイン型ウェオザメーター(スガ試験機(株)製:WEL−SUN−DC型)を使用して曝露試験を行った(降雨サイクル:12分/時間、ブラックパネル温度:63±3℃)。曝露1000時間の60度グロスを光沢値として測定し、光沢保持率を算出した。
【0071】
[製造例1]
ジメチルサイクリックス(環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7量体混合物)90部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン(グラフト交叉剤)10部、脱イオン水300部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)0.5部からなる組成物をホモミキサーで予備混合した後に、ホモジナイザーによって200kg/cmの圧力で剪断し、強制乳化してシリコーン原料エマルションを得た。
【0072】
次いで、脱イオン水100部およびドデシルベンゼンスルホン酸(酸性乳化剤)10部を撹拌機、コンデンサー、温度制御装置および滴下ポンプを備えたフラスコに仕込み、フラスコ内の温度を85℃に保ちながら3時間かけて上記のシリコーン原料エマルションを滴下した。滴下終了後、さらに1時間加熱、撹拌を続けた後、得られたエマルションを室温まで冷却し、ドデシルベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムにより中和してシリコーンエマルション(以下SEm)を得た。得られたシリコーンの数平均分子量(GPC測定値)は、約10万であった。
【0073】
【実施例1】
SEmを500部、脱イオン水164部および過硫酸カリウム2.4部を撹拌機、コンデンサー、温度制御装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたフラスコに仕込み、70℃に昇温した後に、窒素雰囲気下で撹拌しながら、メタクリル酸メチル(以下MMA)168部、メタクリル酸n−ブチル(以下n−BMA)168部、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下2−EHA)44部およびメタクリル酸(以下MAA)8部、ダイアセトンアクリルアミド(以下DAAm)12部の混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で1時間保持し、さらに80℃に昇温して1時間保持した。反応液を室温まで冷却し、アンモニア水により中和してグラフトブロック共重合体エマルションを得た。重合は安定に進行し、凝集物の生成も見られなかった。
【0074】
次いで、平均粒子径が10〜20nmのコロイダルシリカ水分散液(シリカ含有量20重量%、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスO)500重量部に、メチルトリメトキシシラン50部添加し、60℃で1時間撹拌することによって得られた、表面処理されたコロイダルシリカの水分散液を上記の水性エマルションに撹拌しながら添加した。
【0075】
この後、アジピン酸ジヒドラジド(以下ADH)7.6部、ブチルセロソルブ(以下BC)100部を撹拌しながら添加し、さらに30分間撹拌を行い、水性被覆組成物を得た。
【0076】
この水性被覆組成物を試験鋼板上にバーコーター#40を用いて塗布し、室温で30分間放置した後、70℃で3時間硬化させた。得られた塗膜は平滑、透明で強靭なものであり、光度計で測定した塗膜の60°グロス値は83であった。得られた塗膜の評価結果を表1に示す。
【0077】
【実施例2〜実施例6】
組成を表1のように変更する以外は、実施例1と同様にして水性被覆組成物を製造し、さらにこれを用いて塗膜を得た。得られた水性被覆組成物の特性を表1に示す。
【0078】
【比較例1〜比較例3】
組成を表1のように変更する以外は、実施例1と同様にして水性被覆組成物を製造し、さらにこれを用いて塗膜を得た。得られた水性被覆組成物の特性は表1に示すように実施例に比べて劣っていた。
【0079】
【表1】
Figure 0003625246
【0080】
1)信越化学(株)製、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2)信越化学(株)製、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
3)日産化学工業(株)製、コロイダルシリカ水分散液(固形分20重量%)
4)住友化学(株)製、水溶性メラミン(メラミン固形分80重量%)
【0081】
【発明の効果】
本発明の水性被覆組成物は、貯蔵安定性に優れ、硬度、耐水性、耐汚染性に優れた皮膜を与え、水性エマルション塗料用樹脂として様々な塗料用途に用いることができるものであり、工業上非常に有益なものである。

Claims (3)

  1. ジメチルシロキサンを繰り返し単位とする重合体ブロック(A)、ビニル重合性単量体を繰り返し単位とする重合体ブロック(B)、および該重合体ブロック(A)と該重合体ブロック(B)に共重合したケイ素含有グラフト交叉単位(C)から構成されるグラフトブロック共重合体(I)のエマルションと、下記一般式(1)で示されるシラン化合物によって表面処理されたコロイダルシリカ(II)を含有し、成分(II)の固形分含量が成分(I)100重量部に対して1〜300重量部であることを特徴とする水性被覆組成物。
    Figure 0003625246
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、Rは水素原子又はエーテル結合を含みうる炭素数1〜10の炭化水素基、nは0〜2の整数を示す。
  2. 重合体ブロック(B)がアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を含有することを特徴とする、請求項1記載の水性被覆組成物
  3. 重合体ブロック(B)がアルデヒド基又はケト基に基づくカルボニル基を含有するグラフトブロック共重合体(I)のエマルションと、2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン化合物(III)からなることを特徴とする請求項1記載の水性被覆組成物。
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