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JP3627185B2 - 加工粉砕茶の製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕茶葉の耐光性、保存性、流動性および水やお湯に対する分散性を改善することが可能な、加工粉砕茶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
抹茶や煎茶粉などの粉砕茶葉は、家庭では主に飲料用として、また製菓などの加工食品分野では、主に風味付けや色付けを目的に添加剤として利用されている。しかし、これらの粉砕茶葉は、光によって退色し、保存温度を低くしないと香味や色が変化し易く、また流動性が悪いために主に加工食品分野での計量や粉末混合等の操作性を悪くしたり、さらに水やお湯に対する分散性が悪いため、特に少量の水やお湯に添加した場合に継子を形成しやすいという問題があった。
【0003】
粉砕茶葉の光や温度による香味の劣化や退色の問題に対しては、粉砕茶葉を小分けして、空気が入らないように密封包装し、冷蔵庫などの冷暗所に保存する方法が用いられている。しかし開封を繰り返したり、或いは冷蔵庫からの出し入れに伴って結露が発生すると香味が著しく低下するなど、十分な方法ではない。また、抹茶の保存性と水分散性を改善するため、抹茶にサイクロデキストリンと水を加えて混練した後に噴霧乾燥し、得られた粉末品を造粒機にかけて所定の大きさに造粒する方法(特公平7−46969号公報)が提唱されている。しかし、造粒操作によって水分散性は改善されるが、風味の劣化を生じるなど、十分な効果は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粉砕茶葉の耐光性、保存性、流動性および水やお湯に対する分散性を改善することが可能な、加工粉砕茶を得ることを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するための鋭意研究の結果、乾燥助剤を含む水性溶媒中に粉砕茶葉を分散させ、好ましくは茶葉分散液のpHを6.0〜7.2に調整したり、炭酸ガスを0.005〜2.5%(W/W)の範囲で溶解した後に噴霧乾燥することにより、耐光性、保存性、流動性および水やお湯に対する分散性を改善できる加工粉砕茶を提供できることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、乾燥助剤を含む水性溶媒中に粉砕茶葉を分散させ、好ましくは茶葉分散液のpHを6.0〜7.2に調整したり、炭酸ガスを0.005〜2.5%(W/W)の範囲で溶解した後に、噴霧乾燥することを特徴とする加工粉砕茶の製造方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳しく説明する。本発明の加工粉砕茶は、茶葉分散工程と乾燥工程により製造できる。
【0008】
茶葉分散工程とは、乾燥助剤を含む水性溶媒中に、粉砕茶葉を分散させる工程である。ここでいう粉砕茶葉とは、茶葉を石臼あるいはボールミルなどの粉砕機により、粉砕したものであり、特に限定するものではないが、1〜15ミクロンのサイズが好ましい。本発明で使用できる茶葉は、いかなるものでも構わないが、たとえば、煎茶、玉露、碾茶(碾茶を粉砕したものを抹茶という。)、かぶせ茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉類、麦、はと麦、玄米、大豆、そばなどの穀物茶類、どくだみ、霊芝、ギムネマ、バナバ、イチョウ葉、モロヘイヤ、ラカンカ、プアール、アルファルファ、よもぎ、マテ、ギャバロン、朝鮮人参、杜仲、ルイボス、アロエなどの健康茶類、その他としてラベンダー、ペパーミント、レモングラス、カモミールなどのハーブや、シソ、ウメなどがあげられる。これらの茶葉は単独で使用してもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0009】
粉砕茶葉の分散に使用する水性溶媒としては、単なる水道水、脱イオン水、蒸留水でもよく、これらに糖類、ゼラチン、カゼイン、植物蛋白、アラビアガム、乳化剤類、アルコール類、アスコルビン酸などの抗酸化剤類などを、適宜添加したものでもよい。水温は、特に限定するものではないが、1℃以上30℃以下が、さらには、1℃以上20℃以下の範囲が好ましい。この範囲内であれば、分散工程中における粉砕茶葉の風味劣化や退色の度合いが小さくなる。
【0010】
乾燥助剤は、デキストリンやトレハロースなどの周知の粉末化基材を使用することが出来る。デキストリンを使用する場合は、平均重合度が4〜15が好ましく、この範囲よりも平均重合度が高いと、粉砕茶葉を分散させる際の粘度が高くなって均一な分散液を調整し難く、またこの範囲よりも平均重合度が低いと、乾燥後にケーキングするなどの問題を生じることがある。また、乾燥助剤にサイクロデキストリンを用いてもよく、その方が、香気成分などの安定化に対して効果があるため好ましい。使用できるサイクロデキストリンは、グルコース単位が6個から8個より成る環状構造を有するものであればいずれでもよく(グルコース単位が6個のものをα−サイクロデキストリン、7個のものをβ−サイクロデキストリン、8個のものをγ−サイクロデキストリンという。)、例えば、非分岐サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン(グルコシルサイクロデキストリン、マルトシルサイクロデキストリンなど)、サイクロデキストリン誘導体(ジメチルサイクロデキストリン、トリメチルサイクロデキストリン、ヒドロキシエチルサイクロデキストリン、ヒドロキシプロピルサイクロデキストリンなど)などでもよい。上記に例示した乾燥助剤は、単独で使用しても良いが、複数の混合物として使用しても構わない。
【0011】
粉砕茶葉の分散液を調整するにあたっては、粉砕茶葉1重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.75〜3重量部に相当する乾燥助剤を加え、3〜20重量部の水性溶媒中に分散させることが必要である。乾燥助剤の量が、上記した範囲よりも少ない場合は、乾燥助剤による粉砕茶葉の被覆効果が小さく、逆に多い場合は、乾燥助剤による被覆効果は高まり、光や温度に対して安定になるが、喫食にあたって乾燥助剤の呈味が目立つようになるため好ましくない。また、水性溶媒の量が上記した範囲より少なくなると、粉砕茶葉を添加した際に継子を形成しやすくなる。しかし水性溶媒の量が多過ぎても、その後の乾燥工程に要する時間が長くなるなどの問題を生じるようになる。また、分散の方法は、ホモジナイザー、プロペラ型攪拌機などの周知の撹拌方法を使用すればよい。
【0012】
得られた茶葉分散液は、そのまま次工程にて噴霧乾燥してもよいが、pH調整剤を添加し、茶葉分散液のpHを6.0〜7.2に、さらに好ましくは、6.2〜6.8に調整した後に噴霧乾燥する方がよい。茶葉分散液のpHを上記範囲内にすることにより、乾燥中あるいは乾燥後においても粉砕茶葉の光や温度に対する安定性を、より改善できるようになる。茶葉分散液のpHが6.0未満では、pH調整の効果が現れ難く、逆に、pHが7.2を越えた状態で噴霧乾燥すると、粉砕茶葉の色が黒っぽく変化するばかりか、pH調整剤が風味に影響を及ぼし、喫食事に異味異臭を感じることがある。この際、使用できるpH調整剤は、周知のものを使用できるが、例えば、炭酸水素ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、苛性ソーダなどを例示できる。
【0013】
乾燥工程では、常法により噴霧乾燥を行えばよいが、噴霧乾燥の前に、茶葉分散液中に炭酸ガスを、0.005〜2.5%(W/W)の範囲で溶解することにより、流動性および水分散性がさらに改善された顆粒状の加工粉砕茶を得ることができる。この範囲よりも炭酸ガス溶解量が少ない場合は、好適な顆粒にならず、逆に炭酸ガスの溶解量が多過ぎても、噴霧乾燥時に顆粒品が割れるなどの問題を生じ易くなる。
【0014】
以上のような工程により、耐光性、保存性、流動性および水やお湯に対する分散性を改善できる加工粉砕茶を得ることが出きる。
【0015】
【実施例】
次に、試験例及び実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0016】
(試験例1)
分岐デキストリン(商品名:BLD(12)、参松工業(株)製)400gを、15℃の冷水5kgに溶解後、抹茶500gを添加して、ホモジナイザーにより分散させた。その後、炭酸水素ナトリウムの添加量を変えることで、表1の通り、分散液のpHが異なる試験液を各々、約5.9kgづつ調整した。プレート式熱交換機を用いて85℃で10秒間加熱殺菌した後に、チャンバー温度90℃の条件で噴霧乾燥し、加工粉砕茶A〜Jを得た。これらの乾燥物中の、原料抹茶含有率は、約56%であり、平均粒径は75ミクロン以下であった。
【0017】
【表1】
Figure 0003627185
【0018】
得られた加工粉砕茶A〜Jの色調、風味、耐光性および保存性を評価した(表1参照)。色調は目視観察により、風味は冷水に対し原料抹茶濃度として0.25g/150ccになるように添加し分散させた後に、官能検査により評価した。耐光性は、透明な包材(ポリエチレン製、5センチ四方)に5gの試験品(加工粉砕茶A〜H、原料抹茶)を入れて密封包装した後に日光に晒し、色調の変化を目視観察することで評価した。また、保存性は、同様に試験品を透明な包材に入れ密封包装した後に、常温・室内で1ヶ月保存後に、上記した方法に従って、色調、風味を調べ、評価した。その結果、乾燥助剤を含む水性溶媒中に原料抹茶を分散させた後に噴霧乾燥した加工粉砕茶Aは、原料抹茶と比較して色調がやや劣るが、殆ど同様の風味を有しており、さらに耐光性や保存性が良好であった。また、茶葉分散液のpHを6.0〜7.2に調整した後に噴霧乾燥を行った加工粉砕茶C〜Iは、さらに色調、耐光性あるいは保存性が改善されていた。また、加工粉砕茶A〜Jの流動性および冷水に対する分散性は、原料抹茶と比較して、いずれも良好であった。
【0019】
(試験例2)
試験例1の茶葉分散液Gを、試験例1に準じて噴霧乾燥するに際し、茶葉分散液中に炭酸ガスを2.5%(W/W)になるように溶解した後に噴霧乾燥を行い、顆粒状の加工粉砕茶K(平均粒径は、約350ミクロン)を得た。加工粉砕茶Kの色調、風味、耐光性および保存性を評価したところ、加工粉砕茶Gと同様であったが、流動性がより良くなり、さらに水に対する分散性もより改善され、冷水であっても、継子を生成することなく容易に分散させることが可能であった。
【0020】
(実施例1)
デキストリン(商品名:パインデックス#2、松谷化学工業(株)製)875gを、15℃の冷水5kgに溶解後、粉砕緑茶225gを添加して、ホモジナイザーにより分散させた。その後、炭酸水素ナトリウムを添加して、pH6.2の茶葉分散液を約5.9kg調整した。プレート式熱交換機を用いて85℃で10秒間加熱殺菌した後に、炭酸ガスを0.005%(W/W)になるように溶解し、チャンバー温度90℃の条件で噴霧乾燥し、加工粉砕茶Lを得た。これらの乾燥物中の、原料抹茶含有率は、約25%であり、平均粒径は約150ミクロンであった。試験例1に準じて、評価したところ、原料粉砕緑茶の色調や風味を殆ど損なうことなく、耐光性、保存性、流動性および水分散性を改善できた。
【0021】
【発明の効果】
本発明を用いれば、耐光性、保存性、流動性および水やお湯に対する分散性を改善できる加工粉砕茶を得ることが出きる。

Claims (1)

  1. 乾燥助剤を含む水性溶媒中に粉砕茶葉を分散させ、得られた茶葉分散液のpHを6.0〜7.2に調整した後に噴霧乾燥することを特徴とする加工粉砕茶の製造方法。
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