JP3630982B2 - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類の周波数の高周波電力を用いてプラズマを生起するプラズマ処理方法に関する。また、本発明は、放電を生起する際のこれらの電力の印加の手順を一定のシーケンスで制御して放電生起を自動制御する方法に関する。本発明は、ロール・ツー・ロール方式を用いた光起電力素子を大量生産する場合に効果的に適用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、マイクロ波あるいはVHFを真空室に導入すると同時に、RFを用いたRFバイアスを基体又は真空室空間に印加することによりプラズマを生起し、CVDやエッチング、アッシング等のプラズマ処理を行うことが知られている。
【0003】
このようなプラズマ処理として、RFバイアスを併用するマイクロ波プラズマCVD法による堆積膜形成方法を光起電力素子の作製に適用した例がある。例えば、特開平8−51228号公報においては、マイクロ波プラズマ放電生起の手段として、放電領域に原料ガスを導入して低圧に保ち、前記放電領域にマイクロ波電力とRF電力の両方を導入することで、放電を生起させる方法が記載されている。該公報には、マイクロ波によって得られたプラズマにRF高周波をバイアスとして作用させることによって、堆積膜の膜質を向上させる効果があり、さらにDCバイアスに比較してRFバイアスではスパークが起こりにくく、より高い高周波エネルギーをプラズマに作用させることができる為、高品質の堆積膜が得られると記載されている。
【0004】
また、近年ではVHF領域の周波数を有する高周波を用いたVHFプラズマCVD法も検討されている。例えば、特開平7−245269号公報では、VHFプラズマCVD法を用い、高い処理速度で比較的大面積の基体へ均一に堆積膜を形成することが可能であるとしている。この周波数域においては、RFプラズマCVD法に比べて原料ガスの利用効率が高く、堆積膜の形成速度を高くできるという利点がある。さらに、VHF放電はマイクロ波放電と比較して、可能な放電条件(圧力、投入電力、原料ガス組成等)の範囲が広いため、堆積膜の膜質制御をする上で自由度が大きいという利点もある。VHFプラズマCVD法は、アモルファスシリコン膜の堆積にも適するが、特に、微結晶シリコン膜を堆積する場合に、成膜条件の自由度の大きいVHFプラズマCVDを用いて結晶粒径や結晶粒界の構造を最適化することで、良質の堆積膜を得ることが期待できる。
【0005】
マイクロ波プラズマCVDおよびRFプラズマCVDを用いて大面積の素子を作製する方法としては、米国特許4,400,409号あるいは特開平3−30419号公報においてロール・ツー・ロール方式の光起電力素子形成方法および装置が開示されている。前記の装置では、複数のグロー放電領域を設け、所望の幅で十分に長い帯状基体を、前記グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って前記帯状基体の長手方向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を有する素子を連続形成することができると記載されている。
【0006】
特開平7−41954にはRFバイアスを用いないマイクロ波プラズマ処理装置において、プラズマ放電が停止した状態を検知し、プラズマ放電を自動復帰する方法が記載されている。該方法では、放電停止状態の検知は、放電空間の圧力、放電時の反射波パワー、放電空間における電位、又は放電空間における電流値をモニターすることによっている。また、放電の復帰手段としては放電維持パワーよりも大きいマイクロ波電力を導入するか、真空室内圧を放電維持圧力よりも低くしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プラズマ放電の生起及び維持を自動化させる場合には以下のような問題点があった。
▲1▼最初に第1の高周波電力によるプラズマ放電を生起させる際に、適当な大きさの第2の高周波電力を投入しながら成膜条件時の電力よりも過大な第1の高周波電力を放電領域に投入する必要があるが、電力投入の順序および第2の高周波のインピーダンス整合の調整タイミングが不適当であると、放電領域でスパークが発生したり、インピーダンス整合がずれて放電が消滅したりすること等によって円滑な放電生起が困難となることがわかった。このため実際には人間の勘に頼った生起方法となり、マイクロ波プラズマ放電を再現性良く生起させる手順が定まらなかったために、自動装置を設計することが難しかった。
▲2▼第1の高周波電力によるプラズマ放電を開始した後、成膜中に何らかの原因で放電が消滅した場合、▲1▼で示した理由により放電を再び生起させることが困難となる場合があった。このため、放電の再生起に時間がかかり、堆積膜に不良部分が発生し、歩留まりを低下させる原因となっていた。
▲3▼同一の放電領域の中へ複数の導入手段から第1及び/又は第2の高周波電力を導入することで堆積膜の均一化と大面積化を図っている装置の場合、いずれかの導入手段によるの放電のみが消滅してしまう場合がある。
【0008】
このように部分的に放電が消滅した状態では、堆積膜の膜厚が不均一になったり、膜厚不足になったりして不良部分となるため、歩留まりを低下させていた。
【0009】
また、本発明にはもう一つの課題がある。即ち、前記ロール・ツー・ロール方式のプラズマCVD装置を用いて光起電力素子を作製する場合、多数の放電領域が長手方向に一列に設置されるため装置が長大になり、原料ガス供給系および排気系や電力供給系等が複雑になる傾向がある。素子性能の再現性や装置の操作性を向上させるためには、該装置の動作をできる限り自動化することが望ましい。また、素子を大量生産し製造コストの削減を図る場合、該装置全体を自動的に運転して稼働率や歩留まりを向上させることが必須である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第2の高周波電力(例えばRF)をバイアスとして併用する第1の高周波電力(例えば、マイクロ波、VHF)によるプラズマ放電の円滑な生起を自動装置で行うプラズマ処理装置を提供する。また処理中に放電が消滅した場合にこれを検知して放電を自動的に生起させる事が可能なプラズマ処理装置を提供する。また、処理中にプラズマ強度を測定しながら第1の高周波投入電力を自動装置で随時調整することによって安定したプラズマ処理を維持する。
【0011】
本発明は、第1の高周波電力と該第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力とを用いてプラズマ処理する方法であって、処理時の電力よりも小さな第2の高周波電力をインピーダンス整合器を介して処理室に導入した後、処理時の電力よりも大きな第1の高周波電力を該処理室に導入してプラズマを生起する放電生起工程と、前記第1の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に低下させ、続いて前記第2の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に上昇させた後、プラズマ強度が所定値になるように前記第1の高周波電力の大きさを調整する調整工程と、前記インピーダンス整合器を整合動作させるとともに、プラズマ強度が処理時の目標値になるように前記第1の高周波電力の値を調整して、被処理基体をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、を有することを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、プラズマ処理室と、該プラズマ処理室に第1の高周波電力を導入する手段と、該プラズマ処理室に該第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を導入する手段と、該プラズマ処理室に処理ガスを導入する手段と、該処理室を減圧する手段と、該処理室に生起するプラズマの強度を測定する測定手段と、プラズマ放電を制御する放電制御装置とを有するプラズマ処理装置であって、 前記放電制御装置は、処理時の電力よりも小さな第2の高周波電力をインピーダンス整合器を介して処理室に導入した後、処理時の電力よりも大きな第1の高周波電力を該処理室に導入してプラズマを生起する放電生起工程と、前記第1の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に低下させ、続いて前記第2の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に上昇させた後、プラズマ強度が所定値になるように前記第1の高周波電力の大きさを調整する調整工程と、前記インピーダンス整合器を整合動作させるとともに、プラズマ強度が処理時の目標値になるように前記第1の高周波電力の値を調整して、被処理基体をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、が行われるように制御する手段を有することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0013】
前記プラズマ処理工程においてプラズマ放電の消滅を検知した場合に、前記インピーダンス整合器を初期状態に設定し、再び放電生起工程を行うことが好ましく、上記装置は、そのための検知手段、制御手段を有していることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
なお、以下の実施の形態では、第1の高周波としてマイクロ波、第2の高周波としてRFを用いた場合について述べるが、第1の高周波としてVHFを用いても、同様の作用効果が得られる。本明細書中で、RFとは1MHz以上20MHz未満の周波数を有する高周波、VHFとは20MHz以上1GHz未満の周波数を有する高周波、マイクロ波とは1GHz以上10GHz未満の周波数を有する高周波を指す。
【0016】
図1は本発明による成膜装置自動化のためのプラズマ放電制御装置の構成の一例を示すブロック図である。放電制御装置101は、入力器、出力器、演算器(いずれも不図示)を有しており、入力器にはバイアス棒109にかかる電圧の直流成分を接地した際に流れる電流値Idcの検出回路107、装置全体の成膜制御装置100が接続され、出力器には第1の高周波電力を生成する手段としてのマイクロ波発振器104、第2の高周波電力を生成する手段としてのRF発振器105、整合器106、マスフローコントローラ(以下MFCと略す)103および排気調整バルブ108が接続される。
【0017】
放電制御装置101は、入力器からのIdc測定値に基づいて、放電領域102に導入されるマイクロ波電力、RF電力、ガス流量、排気バルブの開度を調整する機能と、整合器の固定動作/自動整合動作を切り替える機能を有する。整合器106の出力にはバイアス棒109が接続される。
【0018】
〔装置の実施形態〕
以下に、本発明のプラズマ処理方法を実現するプラズマ処理装置の具体例を図2を用いて説明する。
【0019】
真空容器201内には、概ね直方体形状の成膜容器202と基体200とで構成される放電領域203が配置されている。基体200は帯状基体でもよく、その場合帯状基体200は紙面に垂直な方向へ搬送される。真空容器201と成膜容器202は電気的に接続されており、アース電位にある。
【0020】
また、帯状基体を所望の成膜温度にまで加熱する基体加熱ヒーター204、ガス供給手段(不図示)から供給される原料ガスを成膜室へ導入する原料ガス導入管205、真空ポンプ等の排気手段(不図示)により成膜室を排気する排気管206、排気コンダクタンスを調整するための排気調整バルブ207、マイクロ波発振器208からのマイクロ波電力を成膜容器に供給するアプリケータ209、RF発振器210からのRF波バイアス電力をプラズマに印加するバイアス棒212が設置されている。
【0021】
RF発振器210とバイアス棒212の間には整合器211が接続され、マッチング/チューニングの2つのパラメータを変化させることで、RF発振器とバイアス棒とのインピーダンス整合がとれるように調整できる。また、整合器211はそれ自体で自動的に前記パラメータを調整して整合動作を行う機能を有する。
【0022】
成膜容器202の壁面の一部はメッシュ状に穴が開いており、成膜容器202内にプラズマおよび電磁波を閉じ込めるとともに、分解された原料ガスを排出できるようになっている。
【0023】
整合器211とバイアス棒212の途中にはIdc検出回路216が接続されている。Idc検出回路216は、チョークコイル213と抵抗器214で構成され、(前述したように、)バイアス棒212にかかる直流成分の電流値がIdc出力215に出力電圧として出力される。バイアス棒212にはRF電力が印加されるが、イオン種よりも電子の方がはるかに質量が小さいために、RF電界による力でバイアス棒に到達する粒子は電子の方が過剰となり、バイアス棒が直流的にフロートの場合はバイアス棒は負に帯電する。チョークコイル213で直流成分だけをアースに接地した場合はチョークコイル213に電流(Idc)が流れる。このIdcはプラズマの電離度にほぼ比例の関係にあるため、Idcをプラズマ強度とみなすことができる。Idc検出回路としては、抵抗器214を用いてチョークコイルを流れる直流のIdc電流値を電圧に変換してIdc出力215へ出力し、プラズマ強度を測定する。また、これを放電生起検出手段として用いるときは、しきい値を設けてIdcがしきい値以上になれば放電が生起したと判断すればよく、しきい値以下になれば放電が消滅あるいは一部消滅したと判断すればよい。
【0024】
また、図2の装置では、2個のアプリケータ209を用いてマイクロ波プラズマ放電をおこなっている。このようにアプリケータを複数個用いてマイクロ波を複数の方向から印加することにより、基体200の膜特性(基体として帯状基体を用いた場合その幅方向の膜特性)を均一に保ちながら、成膜面積を大面積化することができる。アプリケータを複数個用いる場合、すべてではなくそのうちの一部のアプリケータによって放電しているプラズマが消滅する場合がある。このときにはプラズマ強度が低下して前記Idc検出回路の出力が低下するため、Idcにしきい値を設けることでプラズマの一部消滅が検出できる。
【0025】
次に、図1の前記放電制御装置101の動作を図3のフローチャートに示し、図1を参照しながら説明する。
【0026】
(準備段階)
ステップ1では、成膜制御装置100から放電制御装置101へ起動信号が発せられる。
【0027】
ステップ2では、放電制御装置101が制御する以外の、その他の成膜パラメータが準備できるまで待機する。例えば、帯状基体の温度、原料ガスの流量、放電領域の圧力が規定量になるまで待機する。
【0028】
ステップ3では、整合器106のマッチング/チューニングのパラメータを、初期値に設定し固定する。この初期値は、成膜の安定時に最終的にインピーダンス整合された時点での値であって、予め実験的に決定しておく。放電生起の初期段階において整合器106のパラメータを固定することによって、自動整合動作の不良によって放電を消滅させてしまうようなことがなくなる。さらに整合器160のパラメータを初期値に設定しておくことによって、放電生起直後もほぼインピーダンスが整合された状態になる。以上の理由により再現性が良くかつ円滑な放電生起が可能となる。
【0029】
(放電生起段階)
ステップ4では、RF発振器105から少量のRF電力をバイアス棒109に印加する。このときのRF電力を目標値1とする。マイクロ波放電に好適な成膜条件においては、RF電力のみでは放電は生起しないため、この時点では、入射されたRF電力のほとんどがRF発振器105側へ反射される状態となる。
【0030】
ステップ5では、成膜容器102内にマイクロ波電力を印加する。ステップ8にて、測定されたIdc測定値がしきい値1を超えた場合に、放電が生起したと認識する。放電が生起するまでの間、ステップ5にてマイクロ波実効電力を徐々に増加させる。
【0031】
放電生起の手順を、図2に基づいて説明する。原料ガス導入管205を通して原料ガスを放電領域203に導入し、排気調整バルブ207の開度を制御して放電領域203を所定の圧力に保つ。まず、バイアス棒212にRF電力を少量印加する。好ましくは成膜条件時の10%以下の電力を印加する。次に、マイクロ波電力をアプリケータ209により印加する。成膜条件時の電力と同じかそれ以上のマイクロ波電力を印加することで、プラズマが生起する。プラズマが生起したかどうかは、後述のプラズマ強度測定手段にて確認できる。また、プラズマが生起した直後の時点では、通常、成膜条件時よりも過大なマイクロ波電力が印加されている。この時点でRFバイアス電力を上昇させると、スパーク等が起きやすく、またプラズマを消滅させやすいため、RFバイアス電力はこの時点では上昇させないのである。
【0032】
ステップ6では、印加されるマイクロ波電力が最大値に達した後にある時間が経過してもなお、放電が生起しなかった場合には、この成膜条件では放電困難であるとみなし、ステップ7にて放電生起をより容易にするために、放電領域102の圧力を上昇させる処置を取る。圧力を上昇させる方法としては2種類あり、1つめはMFC103を調節して成膜領域102に導入する原料ガスの流量を増加させる。複数種の原料ガスを用いている場合、増加させるガスはいずれの種類でもよいが、そのなかでもとりわけ流量を変化させてもIdc測定値の変化量が少ないH2ガスを増加させることが望ましい。2つめの処置方法は、排気調整バルブ108の開度を下げることにより、成膜領域102内部の圧力を上昇させる。
【0033】
(調整段階)
放電が生起し、Idc測定値がしきい値1を超えたことを検出した後、ステップ9にてMFC103を調整しガス流量、または排気調整バルブ108開度を調整して圧力を規定値に戻す。
【0034】
ステップ10では、マイクロ波実効電力を目標値2まで徐々に低下させる。目標値2は、安定放電した成膜条件時に投入される電力と同等でもよいが、この段階は放電安定化までの過渡期であるので、放電の消滅を防止するために成膜条件時の電力よりも若干大きくすることがより好ましい。具体的には、成膜時の電力の100〜200%の電力とすることが好ましく、120〜180%の電力とすることがより好ましい。この値は、実験的に決定する。
【0035】
ステップ11では、RF実効電力を目標値3まで徐々に上昇させる。目標値3は、安定放電した成膜条件時に投入される電力と同等の値とすることが好ましいが、異常放電を防止するために、若干低い値としてもよい。具体的には、成膜条件時の電力の70%〜100%の電力とすることが好ましい。マイクロ波電力を低下させたこの時点で、RFバイアス電力を上昇させることで、スパーク等の発生がなくなり、安定した放電を持続させることができる。
【0036】
ステップ12では、プラズマ強度を制御して成膜条件時の目標値の近傍、望ましくは目標値の100〜150%になるようにステップ13にてマイクロ波実効電力を調整する。ここで、プラズマ強度の制御方法としては2種類あり、前者はIdc測定値が目標値3の近傍になるようにマイクロ波入射電力を調整する方法である。後者はマイクロ波電力の実効値=(入射電力−反射電力)が目標値4近傍になるようにマイクロ波入射電力を調整する方法である。以上のいずれかの方法で、マイクロ波電力を低下させる。
【0037】
この段階ではRFのインピーダンス整合が暫定としての初期値にあるために整合が理想的でなく過渡期にあるため、放電の消滅を防止するためにプラズマ強度を成膜時の目標値よりも若干高め具体的には目標値の100〜150%に調整することが望ましい。図2に示したように複数のアプリケータ209からマイクロ波を印加している場合は、堆積膜の膜厚および膜質が均一になるように、それぞれのアプリケータへ印加するマイクロ波実効電力の比を適宜調整するとよい。
【0038】
ステップ14ではRF電力を成膜条件時の目標値となるように調整するとともに、整合器106の動作を、固定動作から自動整合動作へと移行させる。高周波発振器と負荷の間のインピーダンスを自動的に整合する方法は一般的に行われているが、本発明のようにマイクロ波乃至VHFプラズマ中にバイアス電力としてRFを印加する場合、マイクロ波乃至VHFプラズマを生起させて安定させるまでの間は、プラズマの状態が不安定なために、RFの自動整合が不安定となる。そこで、プラズマが安定した時点、すなわちマイクロ波電力が成膜時の目標値になるよう調整が終了した時点以降で自動整合動作へ移行させることで、整合器を常に安定に動作させることが可能となる。
【0039】
(安定放電段階)
ステップ15では、最終的にプラズマ強度が成膜時の目標値になるようにマイクロ波電力を調整する。プラズマ強度の制御方法はステップ12と同様であるが、Idc測定値が目標値4になるように、またはマイクロ波電力の実行値が目標値5になるように、成膜中に常にプラズマ強度の測定を行い、ステップ17にてマイクロ波入射電力を調整する。
【0040】
ステップ16では、Idc検出回路によって成膜中に放電が消滅したことを認識した場合、ステップ3へ戻って、再び放電生起の動作を行う。しきい値2を設け、Idc測定値がしきい値2を下回ると放電が消滅したと認識する。
【0041】
さらに、安定放電段階において放電が消滅したことがIdc検出回路107によって確認された場合には、再び放電生起段階に戻って放電させることで、連続成膜装置を停止することなく継続して成膜することができる。
【0042】
(立ち下げ段階)
ステップ18では、成膜装置全体の制御装置100から成膜終了の指令を受けると、ステップ19にて放電制御装置101の立ち下げ動作を行い、マイクロ波電力、RFバイアス電力を停止する。
【0043】
ステップ20では、放電制御装置101の動作終了信号を成膜装置全体の制御装置100へ返す。
【0044】
(光起電力素子への適用例)
次に、本発明の方法をロール・ツー・ロール方式のプラズマCVD装置に適用してpin接合を有する光起電力素子を作成する例を図4を用いて説明する。
【0045】
図4において、400は帯状基体、401は送出し容器、402は送出しボビン、403は巻取り容器、404は巻取りボビン、405は第1ドープ層形成容器、406はi層形成容器、407は第2ドープ層形成容器、408は基体加熱ヒーター、409はガス加熱ヒーター、410はガスゲート、411は原料ガス導入管、412はゲートガス導入管、413はガス排気口、414は排気調整バルブ、415は搬送ローラー、416はカソード、417はRF発振器、418はマイクロ波発振器、419は導波管、420はマイクロ波アプリケータ、421はバイアス棒である。また、i層形成容器406にはマイクロ波プラズマCVD法で堆積膜を形成する成膜容器422が内蔵され、ドープ層形成容器405および407にはRFCVD法で堆積膜を形成する成膜容器423および424が内蔵される。425〜427は放電領域である。
【0046】
それぞれの容器401、403、405〜407はガスゲート410によって接続されている。帯状基体400は、送出し容器401から巻取り容器403に搬送される間に3つの堆積膜形成容器405〜407を通過して、その表面に3層の機能性堆積膜、例えばpin構造の光起電力素子用半導体膜が形成される。
【0047】
帯状基体400は、半導体膜作成時に必要とされる温度において変形、歪みが少なく、所望の強度を有し、導電性を有するものであることが好ましい。前記帯状基体の厚さとしては、搬送時に張力を加えられても形状を維持する強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペース等を考慮して可能な限り薄い方が望ましい。前記帯状基体の幅については特に制限されることはなく、半導体膜作製手段あるいは作製容器等のサイズによって決定される。前記帯状基体の長さについては特に制限されることはないが、ロール状に巻き取られる程度の長さであることが好ましい。また、長尺のものを溶接等によってさらに長尺化したものであってもよい。
【0048】
各形成容器405〜407内で基体加熱ヒーター408によって帯状基体400は所定の成膜温度にまで加熱される。また、ガス供給手段(不図示)から原料ガス導入管411を通して供給される原料ガスは放電領域425〜427へ供給され、ガス排気口413を通して排気手段(不図示)によって排気される。排気調整バルブ414によって排気速度を調整することで、放電領域425〜427内を所望の圧力に維持する。
【0049】
マイクロ波CVD法を用いる形成容器406内の放電領域426には、マイクロ波発振器418から導波管419を通して原料ガスにマイクロ波電力を印加するアプリケータ420と、プラズマにRF電力を印加するバイアス棒421が設けられ、供給された原料ガスを分解してマイクロ波CVD法による堆積膜の形成がおこなわれる。また、2個のアプリケータ420を用いることで、帯状基体400の幅方向における堆積膜特性の均一性を向上させている。便宜上、これら2個のアプリケータ420が設置されている方向を、それぞれフロント側、リア側と呼ぶことにする。
【0050】
RFCVD法を用いる形成容器405および407内の放電領域425、427には、原料ガスにRF電力を印加するカソード416が設けられ、RFCVD法による堆積膜の形成がおこなわれる。また、原料ガス導入管411から導入された原料ガスをガス加熱ヒーター409で加熱することで堆積膜特性の向上を図っている。加熱ヒーター408および409で成膜容器422〜424を加熱することで、成膜前に成膜容器422〜424をベーキングし、不純物ガスを低減することができる。
【0051】
ガスゲート410は、各容器401、403、405〜407を分離独立させ、かつ、前記帯状基体400をそれらの中を貫通させて連続的に搬送する目的で設けたものである。また、異なる組成の良質な薄膜を多層形成するために、ゲートガス導入管412からゲートガスを導入することで、隣り合う容器の原料ガスが混合することを防いで、雰囲気的に分離独立させることができる。ゲートガスとしては、H2、He、Ar等が用いられる。
【0052】
以上に説明した装置の原料ガス供給手段(不図示)、排気手段(不図示)、基体加熱ヒーター408、ガス加熱ヒーター409、RF発振器417、マイクロ波発振器418、帯状基体を搬送させるモーター(不図示)はシーケンサーやコンピュータ等の成膜制御装置(不図示)によって制御され、プログラムによって自動運転できる。
【0053】
前記自動運転の各工程を図4を参照して説明する。帯状基体400が巻かれた送出しボビン402を送出し容器401にセットし、空の巻取りボビン404を巻取り容器403にセットし、各成膜容器422〜424の清掃、メンテナンスを大気中でおこなった後、自動工程が開始される。
1)排気工程
排気手段により、全ての形成容器401、403、405〜407を1Torr程度の圧力にまで減圧する。
2)加熱工程
基体加熱ヒーター408およびガス加熱ヒーター409により、成膜容器422〜424を所定の温度にまで加熱する。この加熱は成膜容器422〜423および形成容器405〜407の壁面に吸着した水分、酸素等の不純物ガスを脱離させるベーキングの目的がある。
3)成膜工程
原料ガス導入管411から原料ガスを、ゲートガス導入管412からゲートガスを導入し、帯状基体400一定の速度で搬送させながら、成膜容器422〜424でプラズマ放電を開始させて、連続的に帯状基体400に膜を堆積させる。また、この工程において、形成容器406においては前述した本発明のマイクロ波放電制御装置を動作させて、自動的にマイクロ波プラズマ放電を生起させる。帯状基体400が巻取りボビン404に所定の位置まで巻き取られた時点で、全てのプラズマ放電を停止させる。また、搬送も停止させる。
4)冷却工程
各成膜容器422〜424を、清掃、メンテナンス可能な温度にまで放冷することで冷却する。成膜時には成膜容器422〜424内に副次的に発火性の反応堆積物が溜まることがあるため、容器を大気開放した時に発火しないように予め冷却する。
5)パージ工程
各形成容器401、403、405〜407を大気開放する前に内部の原料ガスを窒素ガスに置換する。
6)ベント工程
大気圧になるまで窒素ガスを各形成容器401、403、405〜407に導入する。
【0054】
以上の自動工程が終了した後、巻取りボビン404に巻き取られた帯状基体400を取り出す。この後、不図示の膜堆積装置によって帯状基体400上に透明電極膜を堆積することで薄膜光起電力素子が完成する。
【0055】
なお、本発明はプラズマCVD以外のプラズマ処理、例えばプラズマエッチング等にも適用することができる。
【0056】
【実施例】
(実施例1)
図1の構成の自動制御装置の構成を備えた、図4に示したロール・ツー・ロール方式のプラズマCVD装置を用い、図3に示す手順に従って、自動工程により、以下の条件で帯状基体の表面上に、pin型アモルファスシリコンの光起電力素子を作製した。以下、図3および図4を参照して説明する。なお、本実施例では、第1の高周波電力としてマイクロ波電力を、第2の高周波電力としてRF電力を用いた。
【0057】
帯状基体400としては、予め不図示のロール・ツー・ロール方式のスパッタ式膜形成装置で帯状基体400上に裏面反射層としてアルミニウムの薄膜(厚さ0.1μm)と、酸化亜鉛(ZnO)の薄膜(厚さ1.0μm)を堆積してある幅350mm、長さ300m、厚さ0.2mmのSUS430を使用した。
【0058】
帯状基体400を、送出し容器401から送出され、ガスゲート410で接続された3つの成膜容器405〜407を通過して、巻取り容器403で巻き取られるようにセットした。
【0059】
各容器401、403、405〜407を排気調整バルブ414を通して不図示の排気手段により1Torr台まで排気した後、引き続き排気しながらガス導入管411、412からHeガスをそれぞれ100sccmづつ流し、排気調整バルブ414を制御して、各容器401、403、405〜407の圧力を不図示の圧力計で測定して1.0Torrに保った。さらに、基体加熱ヒーター408とガス加熱ヒーター409をそれぞれ300℃に加熱して、この状態のまま5時間ベーキングを行って不純物ガスを脱離させた。
【0060】
次に、ガス導入管411、412から流していたHeガスを停止し、不図示のガス混合器から表1に示す組成の原料ガスを、原料ガス導入管411から各成膜容器422〜424へ導入した。各ガスゲートにはゲートガス導入管412からH2ガスをそれぞれ1000sccm流した。帯状基体400の搬送速度は1000mm/minとした。高周波電力投入手段については、マイクロ波CVD法を用いる成膜容器422では、発振周波数2.45GHzのマイクロ波発振器418から導波管419、マイクロ波アプリケータ420を介して成膜領域にマイクロ波電力を印加するとともに、発振周波数13.56MHzのRF発振器417から整合器428を介してバイアス棒421にバイアス電力を印加した。バイアス棒421としては、SUS304からなる直径20mm、長さ30cmの円柱状の棒を用いた。また、RF高周波CVD法を用いる成膜容器423、424では、RF発振器417から整合器428を介してカソード416へRF電力を印加した。このようにして放電領域425〜427にプラズマ放電を生成し、帯状基体400上にn型アモルファスシリコン膜、i型アモルファスシリコンゲルマニウム膜、p型微結晶シリコン膜を連続的に形成した。各成膜容器の安定成膜時の成膜条件は表1に示す条件とした。
【0061】
本実施例では、図3のステップ15〜17における、成膜中のプラズマ強度の制御方法を、Idc測定値(目標値4)が3.5Aで一定となるようにマイクロ波入射電力を調整する方法とした。プラズマが消滅したことを検知するIdc測定値(しきい値2)を3.0Aに設定した。また、プラズマを生起させる前に印加する高周波バイアス電力(目標値1)は50Wとし、最初にプラズマが生起したときのマイクロ波実効電力は、フロント側とリア側それぞれで、おおよそ800Wと800Wであった。この時のIdc測定値は2.0Aであったため、プラズマの生起を検知するIdc測定値(しきい値1)を1.5Aと定めた。
【0062】
また、ステップ6におけるプラズマ生起困難時のタイムアウト時間を5秒に設定したが、本実施例では5秒以内にプラズマが生起したため、ステップ7は実行されなかった。目標値2はフロント側、リア側共に300W、目標値3は800Wとした。
【0063】
成膜工程として連続的に膜形成を約5時間おこない、全長300mの帯状基体のうち、250mにPin接合を有する半導体層を形成することができた。以後、半導体層が得られた250mの部分を有効部分と呼ぶことにする。
【0064】
上記の手順で得られた半導体層を堆積した帯状基体を巻取り容器403から取り出し、不図示のスパッタ方式の膜形成装置でITO(インジウム錫酸化物)透明導電膜(膜厚800Å)を形成した後、帯状基体400を不図示の切断機によって送り出しながら搬送方向に100mmごとに切断してサンプルとし、Agのペーストをスクリーン印刷することにより集電電極を形成して、図5の模式断面図に示す光起電力素子を作製した。図5において、500は帯状基体、501は裏面反射層、502はn型半導体層、503はi型半導体層、504はp型半導体層、505はITO透明導電膜、506は集電電極である。
【0065】
形成された光起電力素子の特性評価を、AM値1.5、エネルギー密度100mW/cm2の擬似太陽光を照射したときの光電変換率ηを測定して評価をおこなった。表2にその評価結果を示す。また、帯状基体の有効部分250mのうち、10m毎にサンプルを抽出して測定し、26個のサンプル特性の最大値と最少値の差を均一性として評価した。サンプルの有効面積は350mm×100mmであった。
【0066】
また、成膜中にプラズマが消滅したことによる堆積膜不良部分以外の割合、即ち良品の割合を良品率として評価した。プラズマの消滅回数もカウントした。
【0067】
(比較例1)
本例では、図1に示す放電制御装置101を用いずに、実施例1と同様の成膜をおこなった。表1に示す成膜条件も同様である。実施例1と相違する点は、マイクロ波発振器、RF発振器、MFC、排気調整バルブを手動操作にて制御したこと、整合器106を常に自動整合動作するように設定したこと、の2点である。評価方法は実施例1と同様である。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
以上の実験から、次に示す結果が得られた。
1)比較例1では、成膜中にプラズマが消滅して、放電の再生起をおこなった場合に、手動で操作をおこなったことと、整合器106の動作が不安定になって再生起に時間がかかったために、不良部分が多く発生して良品率が低下した。放電の生起から安定までの時間は平均して180秒であった。一方、実施例1では、放電の再生起は円滑におこなわれたため、放電の生起から安定までの時間は平均して40秒であり、良品率が向上した。
2)比較例1では、成膜中のプラズマ強度を、Idc測定値を目視で確認しながらマイクロ波実効電力を調整したために、精度良く調整できず、均一性が低下した。一方、実施例1では、放電制御装置101でIdc測定値をマイクロ波実効電力にフィードバックすることで、前記電力の精度が向上し、均一性が向上した。
【0071】
(実施例2)
本実施例では、図3のステップ15〜17における、成膜中のプラズマ強度の制御方法を、マイクロ波実効電力(目標値5)が250Wで一定となるようにマイクロ波入射電力を調整する方法とした。その他の装置構成は、実施例1と同様とした。安定成膜時の成膜条件は表3に示す条件とした。
【0072】
また、本実施例では、ステップ6において、マイクロ波電力が電源の最大出力に達してから5秒間経過してもなお放電が生起しなかったため、ステップ7においてH2ガスを1500sccmにまで増加させることで放電が生起できた。この時の放電領域の圧力は15mTorrであった。この後、ステップ9にてH2ガスを表1に示す流量にまで減少させた。評価方法は実施例1と同様である。
【0073】
(比較例2)
本例では、図1に示す放電制御装置101を用いずに、実施例2と同様の成膜をおこなった。表3に示す成膜条件も同様である。実施例2と相違する点は、マイクロ波発振器、RF発振器、MFC、排気調整バルブを手動操作にて制御したこと、整合器106を常に自動整合動作するように設定したこと、の2点である。評価方法は実施例1と同様である。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
以上の実験から、比較例2と比べて実施例2の均一性は高く、マイクロ波実効電力を一定としてプラズマ強度の調整をおこなうことによっても、成膜初期から成膜終了時まで、安定した特性を得ることができることがわかった。また、放電の生起から安定までの時間は、比較例2では平均して190秒、実施例2では平均して40秒であったため、不良部分が減少して良品率が向上した。
【0077】
(実施例3)
本実施例では、プラズマ処理するための第1の高周波として、VHFを用いた。図4に示す装置との装置構成上の相違点を、図6を用いて説明する。なお、図6中の図4と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。図6は、図4の成膜容器422に代えて用いられる成膜容器601及びその関連部材を説明するための模式的な概略上面図である。図6に示すように、マイクロ波発振器418に代えて発振周波数100MHzのVHF発振器602を、導波管419に代えて同軸ケーブル603及び整合器604を、マイクロ波アプリケータ420に代えて棒状アンテナ605を用いている点が図4に示す装置とは異なる。また、棒状アンテナ605はバイアス棒421と同じ寸法形状であり、放電領域606においてバイアス棒421と平行に設置した。前記アンテナとバイアス棒421との間隔は帯状基体搬送方向へ15mmとした。その他の装置構成は、実施例1と同様とした。安定成膜時の成膜条件は表5に示すものとした。
【0078】
本実施例では、図3のステップ15〜17における、成膜中のプラズマ強度の制御方法を、Idc測定値(目標値4)が3.0Aで一定となるようにVHF入射電力を調整した。また、しきい値1を1.0A、しきい値2を2.5A、バイアス電力の目標値1を50Wとして成膜をおこなった。評価方法は実施例1と同様である。評価結果を表6に示す。
【0079】
【表5】
【0080】
(比較例3)
本例では、図1に示す放電制御装置101を用いずに実施例3と同様の成膜を行った。表5に示す成膜条件も同様である。実施例3と相違する点は、VHF発振器、RF発振器、MFC、排気調整バルブを手動操作にて制御したこと、整合器106を常に自動整合動作するように設定したこと、の2点である。評価方法は実施例1と同様である。評価結果を表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】
以上の実験から、次に示す結果が得られた。
1)比較例3では、成膜中にプラズマが消滅して、放電の再生起を行なった場合に、手動で操作を行なったことと、整合器106の動作が不安定になって再生起に時間がかかったために、不良部分が多く発生して良品率が低下した。放電の生起から安定までの時間は平均して200秒であった。一方、実施例3では、放電の再生起は円滑に行われたため、放電の生起から安定までの時間は30秒であり、良品率が向上した。
2)比較例3では、成膜中のプラズマ強度をIdcを目視で確認しながらVHF実効電力を調整したために、精度良く調整出来ず、均一性が低下した。一方、実施例3では、放電制御装置でIdc測定値をVHF実効電力にフィードバックすることで、前記電力の精度が向上し、均一性が向上した。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、自動装置を用いて自動的にプラズマ放電を再現性良くかつ円滑に生起させ、安定化させることができる。放電が消滅しても速やかに再生起させることができる。この方法を帯状基体上に光起電力素子を形成する装置に適用した場合全自動運転が可能となり、光起電力素子の生産性向上とコストダウンに寄与する。さらに、帯状基体の全長にわたって安定した光起電力特性を得ることができ、不良部分を最少にできるため、歩留まりが向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による成膜自動化のためのマイクロ波放電制御装置の装置構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明のプラズマ処理装置の一例を示す模式的な概略断面図である。
【図3】図1に示すプラズマ放電制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明のプラズマ処理方式をロール・ツー・ロール方式のプラズマCVD装置をに適用した場合の一例を示す模式的な概略断面図である。
【図5】光起電力素子の構造の一例を示す模式的な概略断面図である。
【図6】VHFを用いたプラズマ処理装置について説明するための模式的な概略上面図である。
【符号の説明】
100 成膜制御装置
101 放電制御装置
102、203、425〜427 放電領域
103 マスフローコントローラー(MFC)
104、208、418 マイクロ波発振器
105、210、417 RF発振器
106、211、428 整合器
107、216 Idc検出回路
108 排気調整バルブ
109、212、421 バイアス棒
200、400、500 帯状基体
201 真空容器
202、422〜424、601 成膜容器
204、408 基体加熱ヒーター
205、411 原料ガス導入管
206、413 排気管
207、414 排気調整バルブ
209、420 アプリケータ
213 チョークコイル
214 抵抗器
215 Idc出力
401 送出し容器
402 送出しボビン
403 巻取り容器
404 巻取りボビン
405 n層形成容器
406 i層形成容器
407 p層形成容器
409 ガス加熱ヒーター
410 ガスゲート
412 ゲートガス導入管
415 搬送ローラー
416 カソード
419 導波管
501 裏面反射層
502 n型層
503 i型層
504 p型層
505 ITO透明電極
506 集電電極
602 VHF発振器
603 同軸ケーブル
604 整合器
605 棒状アンテナ
606 放電領域
Claims (29)
- 第1の高周波電力と該第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力とを用いてプラズマ処理する方法であって、
処理時の電力よりも小さな第2の高周波電力をインピーダンス整合器を介して処理室に導入した後、処理時の電力よりも大きな第1の高周波電力を該処理室に導入してプラズマを生起する放電生起工程と、
前記第1の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に低下させ、続いて前記第2の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に上昇させた後、プラズマ強度が所定値になるように前記第1の高周波電力の大きさを調整する調整工程と、
前記インピーダンス整合器を整合動作させるとともに、プラズマ強度が処理時の目標値になるように前記第1の高周波電力の値を調整して、被処理基体をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、を有することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 前記プラズマ処理工程においてプラズマ放電の消滅を検知した場合に、前記インピーダンス整合器を初期状態に設定し、再び放電生起工程を行うことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記調整工程において前記第1の高周波電力を処理時の値の近傍に低下させることにより処理時の値の100%〜200%とし、前記第2の高周波電力を処理時の値の近傍に上昇させることにより処理時の値の70%〜100%とすることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記調整工程において前記プラズマ強度の所定値が、プラズマ強度の処理時の目標値の100%〜150%であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記第2の高周波電力の印加手段とアース電位との間に流れる電流の直流成分を検知することにより、前記プラズマ強度を測定することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記第1の高周波電力の入射電力と反射電力との差を検知することにより、前記プラズマ強度を測定することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記放電生起工程において、処理ガス導入量を増大させて処理室内圧を上昇させた後にプラズマを生起することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記放電生起工程において、排気調整バルブの開度を減少させて処理室内圧を上昇させた後にプラズマを生起することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記インピーダンス整合器の初期状態は、プラズマ処理工程において前記第2の高周波電力の反射電力が最小の値をとるような状態であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記放電生起工程、調整工程、プラズマ処理工程は、この順に自動的に行われることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記放電生起工程において導入する第2の高周波電力の大きさは、プラズマ処理工程において導入する該第2の高周波電力の大きさの10%以下であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記第1の高周波電力はマイクロ波周波数又はVHF周波数の高周波電力であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 前記第2の高周波電力はRF周波数の高周波電力であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ処理室と、該プラズマ処理室に第1の高周波電力を導入する手段と、該プラズマ処理室に該第1の高周波電力よりも周波数の低い第2の高周波電力を導入する手段と、該プラズマ処理室に処理ガスを導入する手段と、該処理室を減圧する手段と、該処理室に生起するプラズマの強度を測定する測定手段と、プラズマ放電を制御する放電制御装置とを有するプラズマ処理装置であって、
前記放電制御装置は、
処理時の電力よりも小さな第2の高周波電力をインピーダンス整合器を介して処理室に導入した後、処理時の電力よりも大きな第1の高周波電力を該処理室に導入してプラズマを生起する放電生起工程と、
前記第1の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に低下させ、続いて前記第2の高周波電力の大きさを処理時の値の近傍に上昇させた後、プラズマ強度が所定値になるように前記第1の高周波電力の大きさを調整する調整工程と、
前記インピーダンス整合器を整合動作させるとともに、プラズマ強度が処理時の目標値になるように前記第1の高周波電力の値を調整して、被処理基体をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、
が行われるように制御する手段を有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記プラズマ処理工程においてプラズマ放電の消滅を検知する検知手段と、該検知手段がプラズマ放電の消滅を検知した場合に、前記インピーダンス整合器を初期状態に設定し、再び放電生起工程を行うように制御する手段と、を有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記調整工程において前記第1の高周波電力を処理時の値の近傍に低下させる際に該第1の高周波電力を処理時の値の100%〜200%に制御する手段と、前記第2の高周波電力を処理時の値の近傍に上昇させる際に該第2の高周波電力を処理時の値の70%〜100%に制御する手段とを有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記調整工程における前記プラズマ強度の所定値を、プラズマ強度の処理時の目標値の100%〜150%に制御する手段を有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記第2の高周波電力の印加手段とアース電位との間に流れる電流の直流成分を検知することにより前記プラズマ強度を測定する手段を有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1の高周波電力の入射電力と反射電力との差を検知することにより前記プラズマ強度を測定する手段を有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記放電生起工程において処理ガス導入量を増大させて処理室内圧を上昇させた後にプラズマを生起する手段を有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記放電生起工程において、排気調整バルブの開度を減少させて処理室内圧を上昇させた後にプラズマを生起する手段を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記インピーダンス整合器の初期状態はプラズマ処理工程において前記第2の高周波電力の反射電力が最小の値をとるような状態に設定されていることを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記放電制御装置は、前記放電生起工程、調整工程、プラズマ処理工程を、この順に自動的に行わうように制御することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記放電生起工程において導入する第2の高周波電力の大きさを、プラズマ処理工程において導入する該第2の高周波電力の大きさの10%以下に制御する手段を有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1の高周波電力を導入する手段は、マイクロ波周波数又はVHF周波数の高周波電力を導入する手段であることを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記第2の高周波電力を導入する手段は、RF周波数の高周波電力を導入する手段であることを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1の高周波電力の導入手段は複数のアプリケータを有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 前記第1の高周波電力の導入手段はアンテナを有することを特徴とする請求項14記載のプラズマ処理装置。
- 請求項14記載のプラズマ処理装置を少なくとも一つ含む複数のプラズマ処理装置が連結され、該複数のプラズマ処理装置の内部を帯状の被処理基体が延通していることを特徴とするプラズマ処理装置。
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