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JP3634066B2 - 回転センサ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの発熱温度の変化を利用してエンジンの回転数を検出するエンジン用回転センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
模型飛行機用のエンジンは、エンジン本体の頭部にエンジンプラグ(一般にグロープラグと呼ばれる)を設け、これに所定の電流を流して始動する方式が一般的である。グロープラグは、プラグ本体内に絶縁材を介して芯材を設け、芯材の端にコイルが接続されて成る。
【0003】
エンジン始動時には、一般に芯材が+極となるように電源を与え、コイルの発熱によりエンジンの燃焼室内に導入された燃料を点火爆発させる。電源は外部から一時的に又は模型用エンジンに搭載されるバッテリーから供給される。
【0004】
かかるエンジンの回転数は、エンジン出力軸の回転をタコジェネレータやフォトセンサなどで測るか、あるいはエンジン内部に磁気素子を設けて磁気の変化により測定する方法が知られている。これらは全てエンジンの機能とは無関係にエンジンに対して付加的に設けられるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のエンジン回転数を検出する手段は、一長一短があり、必ずしも満足できるものではない。例えば、タコジェネレータはエンジン改造を要しコストアップの要因となり、磁気素子は温度上昇による素子の劣化などが問題となる。
【0006】
そこで、先に本出願人は上記問題を解決する手段として、エンジンの発熱変化によりグロープラグに流れる電流の変化を検出回路で検出するようにした回転センサを提案した(特願平7−61091号)。
【0007】
上記回転センサは検出回路の電源からコイルに電流を流すことによってエンジンの発熱による変化を電流の変化として捉えて回転数を検出するものであるが、この検出信号では熱的な変化を捉える感度が不十分であり、回転数を検出する際の精度が十分でないという問題がある。
【0008】
この発明は、熱変化を電気的な変化に変換して回転数を検出する際の上記問題を、熱電素子のゼーベック効果を利用して解決し、正確な回転数を検出することのできる回転センサを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決する手段として、エンジンに取付けられるグロープラグのプラグ本体と、上記プラグ本体に絶縁材を介して保持される芯材と、この芯材の下端に取付けられた熱電素子と、エンジン内で一端が上記熱電素子の端に接続され他端がプラグ本体に短絡して配設されたコイルとを有するグローブプラグに対し、上記芯材とプラグ本体間に検出回路を接続し、エンジン運転時に検出回路からコイルに対しエンジン始動時に流す電流より微弱な電流を流し、エンジン内の温度変化に伴うコイルの電流抵抗の変化による出力電圧の変化に、熱電素子の熱起電力による変化を加算して検出し、エンジン回転数を測定するように構成した回転センサとしたのである。
【0010】
上記回転センサの構成において、前記プラグ本体のエンジン内に挿入される側の端に他の熱電素子を接合して設け、前記コイル他端を上記他の熱電素子の端に接続し、前記熱電素子と他の熱電素子のそれぞれの熱起電力による変化を電気抵抗の変化による出力電圧の変化に加算して検出するように構成してもよい。
【0011】
かかる構成とした上記発明の回転センサは、グロープラグをエンジンの点火プラグとして使用すると共に回転数を検出するためのセンサとしても共用せんとするものである。グロープラグにはエンジン始動時にエンジンを起動、回転させるための加熱温度が必要であり、一般にはグロープラグに一時的に外部から接続される電源回路の電流を加熱コイルに通電することにより加熱コイルを加熱してエンジンを起動、回転させる。
【0012】
このようにして起動、回転されるエンジンに使用されることを前提として、グロープラグに検出回路を設けて回転センサとしても利用する。検出回路は電源を有し、その微弱電流をグロープラグの加熱コイルに通電すると、エンジンの爆発燃焼時とそれ以外の行程とではエンジン内部の温度が変化し加熱コイルの温度もそれに伴ってエンジン回転数に比例して変化する。従って、加熱コイルの抵抗が変化し、これに通電している出力電圧が抵抗の変化によって変化する。このため、上記出力電圧の変化を検出すればエンジン回転数を検出できるのである。
【0013】
一方、上記検出回路からの電流の熱抵抗変化による出力電圧の変化とは別に、グロープラグの加熱コイル中にはエンジン内部温度の変化に伴なって熱起電力が生じる。従って、エンジンが始動しその爆発燃焼時とそれ以外の行程とにおいてエンジン内部の温度が変化すると加熱コイルに生ずる熱起電力もそれに伴ってエンジン回転数に比例して変化する。これは、芯材にコイルを接続した一般的なグロープラグでも、芯材(鉄)やプラグ本体(鉄)とコイル(白金とロジウムの合金)は金属材料が異なるためコイル中には熱起電力が発生し、エンジンの回転に伴なって変化するのである。従って、この熱起電力の変化を測定すれば回転数を測定できることとなる。勿論、熱起電力の変化による測定は上記検出回路から測定電流を供給して測定する場合の検出電流に加算して回転数を検出することについては言うまでもない。
【0014】
上記熱起電力による回転数の測定原理を図4の(a)の比較例を参照して数式を用いて説明すると次の通りである。図において芯材とプラグ本体の材質をA(鉄)、熱伝能(ゼーベック効果における熱起電力を生じる能力を表わす係数)をα、コイルの材質をB(白金、ロジウムの合金)、熱伝能をαとし、各部接合面の温度をT〜Tとする(但し、T=T=室温)。
【0015】
このとき発生する熱起電力εは矢印方向の電流を正とすると、次式で表わされる。
【0016】
【数1】
Figure 0003634066
【0017】
上式から分るように、プラグ本体とコイルの金属材料が異なるから(α−α)は有限の値を有し、(T−T)はエンジン回転に比例して運転サイクル中に変動するから、熱起電力εを測定することによりエンジン回転数の測定ができる。
【0018】
しかし、上記比較例のプラグによる熱起電力の発生原理のままでは、発生する熱起電力が微弱過ぎるから、第1の発明では芯材とコイル間に熱電素子を、第2の発明ではさらにコイル他端をプラグ本体端部に設けた他の熱電素子にそれぞれ接続して上記微弱電流に対し熱電素子による熱起電力の電流を加算することにより、より大きな熱起電力を検出し、回転数の検出精度を格段に向上させている。その理由について図4の(b)、(c)を参照して数式で説明すると次の通りである。
【0019】
図4(b)に示すように(第1の発明)、熱電素子の材質をC、熱電能をαとすると、熱起電力εは次式となる。
【0020】
Figure 0003634066
比較例の熱起電力εとの差Δεは、
Δε=ε−ε=(α−α)(T−T ′)
ここで、着火直後はT>T′であるから、α>αとなる、即ち芯材、プラグ本体の材料(鉄)と異なる金属材で熱伝能係数がαより大きい金属材料Cを選定すれば、熱起電力を増加させることができることが分る。又、熱電素子の形状を工夫し1サイクル内での両端の温度差の変動量を大きくすればS/N比の向上により、より容易にエンジン回転数を計測できる。
【0021】
なお、熱起電力の電流iの流れる方向を逆向きとする場合は、α>αとなる金属材料Cを選択すればよいことは言うまでもない。
【0022】
さらに、図4の(c)に示す場合(第2の発明)は、熱起電力εIIは次式で表わされる。
【0023】
Figure 0003634066
第1の発明の場合の熱起電力εとの差Δε′は
Δε′=εII−ε=(α−α)(T−T′)
となる。着火直後はT>T′だからα>αとなる金属材料Dを他の熱電素子として選定すれば、第1の発明の場合よりさらに大きな熱起電力が得られることが分る。
【0024】
【実施の形態】
以下この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態の回転センサの要部概略図である。この実施形態の回転センサは、測定のために供給される測定電流とゼーベック効果に基づく熱起電力のそれぞれの加熱コイルにおける熱抵抗変化という2つの異なる測定方法による測定量を加算して測定し、より高精度で回転数を検出するためのものである。理解し易くするため測定電流と熱起電力による測定について、構成、作用を各別に説明する。まず測定電流による変化は次の構成部により測定される。
【0025】
10はグロープラグ部、20は検出回路である。グロープラグ部10は、図示のように一般に用いられているグロープラグそのものであり、芯材11の下端に加熱コイル12が接続され、両者を絶縁材13、14を介してプラグ本体15内に保持し、プラグカバー16で閉じられている。なお、17については熱起電力の変化による測定において後で説明する。
【0026】
芯材11は導電性の金属材であり、鉄製のものが使用されている。加熱コイル12は、例えば白金とロジウムを主成分とする合金材から作られている。絶縁材13、14は、高温での耐性を有する例えば絶縁セラミックスあるいは無機物質材を用いる。プラグ本体は鉄製の高温導電材であればよい。
【0027】
検出回路20は、電池21と検出部22と増幅部23から成る。検出部22は3つの抵抗r、r、rをブリッジ回路のように形成したものである。増幅部23はオペアンプが用いられる。
【0028】
以上の構成部による測定ではエンジン回転数を次のようにして検出する。グロープラグ部10は、一般のグロープラグそのものであり、エンジンを回転させるための点火プラグとして使用される。エンジンを始動させるときは、外部電源から、あるいは図1中の電池21を用いて点火する。この点火は外部電源による場合は芯材11に電源の一方を、プラグ本体15に他方を接続する電気的なコード接続を行ない、加熱コイル12を加熱する。
【0029】
エンジンが始動すると外部電源を外しても、加熱コイル12がエンジンの断熱圧縮と爆発燃焼とにより内部温度が上昇し、通電がなくても加熱状態を一定時間保持している。このため、回転数が極端に遅くならない限り次の点火爆発まで加熱コイル12の加熱状態が保持されており、これによりグロープラグは電気的に通電しなくてもエンジンを回転させることができるのである。
【0030】
上述したようなエンジンの燃焼行程では、グロープラグの加熱コイル12の温度は爆発燃焼時に温度が上がり、それ以外の行程では温度が下がる。そこで、上記グロープラグを通常の点火プラグとして使用すると同時にエンジン回転数を検出するための回転センサとしても利用する。このため、爆発燃焼に必要な大きな電流ではなく、それとは無関係に検出回路20の電池21からグロープラグ部10へ微弱な電流を流す。
【0031】
このような、微弱な電流をグロープラグ部10へ流すと、抵抗の変化が電圧の変化として現れる。この変化は当然エンジンの回転数に比例する。このため、上記電圧の変化を検出回路20の増幅部23で増幅して波形を成形しパルス信号に対応させると、このパルス数を計測することによりエンジン回転数を検出できるのである。
【0032】
この場合、2サイクルエンジンでは1回転で1パルス、4サイクルエンジンでは2回転で1パルス、ロータリエンジンでは1回転で1パルスの信号となることは言うまでもない。
【0033】
次に、熱起電力に基づく測定は、図1のグロープラグ部10に熱電素子17を設け、検出回路20の増幅部23で検出信号を増幅する構成部によって行なわれる。勿論、この測定により生じる熱起電力の電流は検出回路20の電池21からの測定電流に加算して測定電流の変化を増大させるように加算することは言うまでもない。熱電素子17は、芯材11の下端にスポット溶接又はメッキ等により取付けられている。
【0034】
この構成部では熱電素子としては芯材11、プラグ本体15(いずれも鉄)と異なる金属材であれば種々のものを採用できる。例えば、クロメル、銅、白金、アルメル、ニッケル、コンスタンタンなどである。これらは、いずれも後で説明するように、熱電能が鉄と異なることが前提である。芯材とプラグ本体、加熱コイル、及び熱電素子の熱電能をそれぞれα、α、αで表わす。
【0035】
この構成部では前述したように、芯材11(α)に対しコイル12を熱電素子17(α)を介して接続しており、芯材11にコイル12を直接接続した場合に生ずる熱起電力の微弱な電流の変化に加えて熱電素子17による熱起電力が加算されて発生する。従って、この加算された熱起電力の電流変化がエンジンの回転に比例することを利用して回転数を検出する。しかも、燃焼時とそれ以外の時の変化に対応する検出電流の差が大きく(鋭く)現われて検出精度が高くなる。上記電流の変化は、検出回路20の増幅部23により増幅して波形を成形しパルス信号に対応させると、このパルス数を計測することによりエンジン回転数を検出できるのである。
【0036】
この場合、図4の(b)に示すように、上記微弱な電流と熱電素子による熱起電力の電流の和iが矢印の方向に流れるようにするためには熱電素子17の材料として熱電能がα>αとなるもの、即ち例えばクロメルを選ぶことになる。しかし、電流iは逆方向であってもよいから、その場合は銅、白金、アルメル、ニッケル、コンスタンタンのいずれかを選ぶこともできる。これは、各金属材料の熱電能αの大小が次のような関係だからである。
【0037】
クロメル>鉄>銅>白金>アルメル>ニッケル>コンスタンタン
以上のように2つの異なる構成部により回転数を測定する方法を説明したが、上記測定は別々に行なわれるのではなく同時に両測定を行ない両検出信号を加算して検出信号を増大させることにより各個別の測定よりも回転数をより高精度で測定できることは言うまでもない。
【0038】
図2は第2実施形態の回転センサの概略図である。この実施形態では芯材11(α)に加熱コイル12(α)を熱電素子17(α)を介して接続しているのに加えて、プラグ本体の下端に他の熱電素子18(α)を設け、これに加熱コイル12の他端を接続した構成としている。その他は第1実施形態と同じであり、同じ構成部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
この実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、検出回路20から測定電流を供給して測定することは勿論であり、さらに2つの熱電素子17、18により増大した熱起電力による検出電流を加算してさらに高精度で回転数を測定する。この場合、図4の(c)に示す矢印方向に電流iを流すとすると、熱電素子17(α)は第1実施形態の場合と同じ金属材料を選択し、さらにもう1つの熱電素子18(α)はα>αとなる金属材料、即ち銅、白金、アルメル、ニッケル、又はコンスタンタンを選択する。
【0040】
勿論第1実施形態の場合と同様に、図示の矢印方向と逆方向に電流iを流してもよいから、その場合は熱電素子18(α)は、反対にクロメルを選択してもよい。
【0041】
なお、上記いずれの実施形態の回転センサに対しても、2サイクルエンジンでは1回転で1パルス、4サイクルエンジンでは2回転で1パルス、ロータリエンジンでは1回転で1パルスの信号となることは言うまでもない。
【0042】
図3に上記実施形態の回転センサを応用する一例を示している。Aは波形成形器、Bはカウンタ、Cは表示器、Dはマイクロコンピュータを用いた電子制御回路、Eは例えば電子ガバナである。エンジン1は上記電子制御回路Dにより制御されて回転軸2のプロペラ3を回転する。
【0043】
回転センサの検出回路からの出力電圧は、波形成形器Aで波形成形してパルス波を発生させ、このパルス波のパルス数をカウンタBでカウントして回転数が検出される。この回転数は必要に応じて表示器Cに表示すると共に電子制御回路Dへ送られる。
【0044】
電子制御回路Dでは上記回転数の信号を受けるとその内部プログラムに従って電子ガバナEの開度を決定するための演算を行ない、その演算結果に基づいて制御信号を出力し、電子ガバナEを制御する。これによってエンジンへの燃料の供給がコントロールされ最適な状態でエンジンを回転させることができる。
【0045】
【効果】
以上詳細に説明したように、この発明の回転センサはエンジンの点火用のグロープラグを利用し、その芯材に熱電素子を設けてこれにコイルを接続し、このコイルに検出回路から電流を供給すると共に、熱電素子による熱起電力をコイルによる熱起電力に付加して発生させ、検出回路からの電流と熱起電力のコイルにおける熱抵抗の変化により回転数を検出するようにしたから、エンジン回転数を検出するためにエンジンを特別な構造に改造する必要もなく、極くシンプルな検出回路と熱電素子を設けるだけでエンジン回転数を直接的に検出でき、コストアップの増大を極力抑制し得るという種々の利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の回転センサの要部概略ブロック図
【図2】第2実施形態の回転センサの要部概略ブロック図
【図3】回転センサの使用方法の説明図
【図4】回転センサとしての測定方法を説明する図
【符号の説明】
10 グロープラグ部
11 芯材
12 加熱コイル
13 絶縁材
14 絶縁材
15 プラグ本体
16 プラグカバー
17 熱電素子
18 熱電素子
20 検出回路
21 電池
22 抵抗
23 増幅部

Claims (2)

  1. エンジンに取付けられるグロープラグのプラグ本体と、上記プラグ本体に絶縁材を介して保持される芯材と、この芯材の下端に取付けられた熱電素子と、エンジン内で一端が上記熱電素子の端に接続され他端がプラグ本体に短絡して配設されたコイルとを有するグローブプラグに対し、上記芯材とプラグ本体間に検出回路を接続し、エンジン運転時に検出回路からコイルに対しエンジン始動時に流す電流より微弱な電流を流し、エンジン内の温度変化に伴うコイルの電流抵抗の変化による出力電圧の変化に、熱電素子の熱起電力による変化を加算して検出し、エンジン回転数を測定するように構成した回転センサ。
  2. 前記プラグ本体のエンジン内に挿入される側の端に他の熱電素子を接合して設け、前記コイル他端を上記他の熱電素子の端に接続し、前記熱電素子と他の熱電素子のそれぞれの熱起電力による変化を電気抵抗の変化による出力電圧の変化に加算して検出するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の回転センサ。
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