JP3642468B2 - シート体搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ装置またはこれらの複合機に備えられる原稿自動給紙装置などとして適用されるシート体搬送装置に係る。特に、シート体をトレイにセット(載置)する際の作業性を良好に確保するための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機やファクシミリ装置等に備えられた原稿自動給紙装置は、原稿トレイ上に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ取り出して原稿読み取り部に搬送している。
【0003】
一般的な原稿トレイは固定式である。このため、原稿トレイ上に載置可能な原稿枚数は、原稿トレイの上面と原稿取り出し側に配設された取り出しローラ(一般にピックアップローラと呼ばれている)との間の空間の寸法によって決定される。
【0004】
図16は、一般的な原稿自動給紙装置の内部構成を示している。この図に示すように、原稿トレイaの排出側(図中右側)には、この原稿トレイaの上面との間に所定間隔を存した上方にピックアップローラbが配設されている。このため、この種の原稿自動給紙装置では、この原稿トレイaの上面とピックアップローラbとの間に形成された空間cに原稿を差し入れることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の原稿自動給紙装置では、原稿トレイaとピックアップローラbとの間の空間cの高さ寸法よりも大きな寸法をもって積層された原稿を原稿トレイa上に載置することはできなかった。
【0006】
このため、原稿1枚あたりの厚さ寸法によって載置可能な原稿枚数が変動することになる。また、この原稿トレイaとピックアップローラbとの間の空間cの高さ寸法は比較的小さいため、図17に示すように、先端部が巻き上がっている(カールしている)原稿dを適切に載置することが困難であった。また、このカールした原稿dは先端が変形しているため、適切な位置に載置されていない場合には、原稿dを1枚ずつ給紙する際の給紙タイミングにずれが生じ、これが用紙ジャムの原因となってしまう可能性があった。
【0007】
また、カールしている原稿の載置を容易にするものとして、特開平10−194502号公報に開示されている画像形成装置がある。この画像形成装置は、上下に変位可能なガイド板を原稿から離れた位置に配置させ、原稿の先端部に押圧力が集中して原稿に斜行が発生してしまうといった状況を回避できるようにしている。
【0008】
しかし、この公報に開示されているものでも、先端部がカールしている原稿を原稿トレイ上に載置しようとした場合には、このカールが原因で載置枚数を十分に得ることはできず、ユーザが希望する枚数分だけの原稿を原稿トレイ上に載置することはできなかった。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シート体(原稿)をトレイ上に載置する際に、トレイとピックアップローラとの間の空間の高さ寸法を大きく確保できるようにし、これによってトレイに載置可能なシート体の枚数の増大を図ることができるシート体搬送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記目的を達成するために、本発明は、シート体を載置トレイに載置する際には、この載置トレイを下側に移動させ、これによって載置トレイとピックアップローラとの間の空間を拡大させることができるようにしている。
【0011】
−解決手段−
具体的に、本発明が講じた手段は、複数枚のシート体が載置される載置トレイと、この載置トレイのシート体排出側の上方に配設されて載置トレイからシート体を順に取り出すピックアップローラとを備えたシート体搬送装置を前提としている。このシート体搬送装置に対し、載置トレイ上面とピックアップローラとの間隔寸法が可変となるように、載置トレイのシート体排出側の端部を水平軸回りに回動自在に支持する。また、付勢手段によって、載置トレイに上側への付勢力を与える。そして、上記水平軸の配設位置をピックアップローラよりもシート体排出側に設定する。また、ピックアップローラの配設位置を、上記付勢手段の載置トレイに対する付勢位置よりもシート体排出側に設定する。そして、上記載置トレイに対する付勢手段の付勢位置よりも反シート体排出側の位置を押し込むことにより載置トレイ上面とピックアップローラとの間隔寸法を大きくする構成としている。そして、上記載置トレイの下面に、シート体を搬送するための第1搬送ローラを配設する。この第1搬送ローラの下側に、水平軸回りに回動自在なレバーを配設し、このレバーに、上記第1搬送ローラとの間でシート体を挟持搬送する第2搬送ローラを回転自在に支持させる。そして、付勢手段が、上記レバーに対して上方へ付勢する付勢力を与えて第2搬送ローラ及び第1搬送ローラを介して載置トレイに付勢力を与えるようにしている。
【0012】
この特定事項により、載置トレイに比較的多数のシート体を載置する場合には、付勢手段の付勢力に抗して載置トレイを下方に移動させる。この移動は、例えばユーザが載置トレイを下方へ押し込むことにより行われる。この載置トレイの移動により、載置トレイ上面とピックアップローラとの間隔寸法が拡大し、載置トレイとピックアップローラとの間の空間へのシート体の差し入れ作業が比較的容易に行える。載置トレイの押し込みを解除すると、付勢手段の付勢力によって載置トレイは上方へ移動(復帰)し、これによって載置トレイとピックアップローラとの間にシート体が挟み込まれる。この状態でピックアップローラを回転駆動させることにより、シート体が順に取り出されることになる。このように、載置トレイとピックアップローラとの間隔寸法が可変であるため、多数のシート体を載置することが可能である。また、先端部がカールしているシート体であっても載置トレイへの載置動作が比較的容易に行える。
【0013】
特に、載置トレイの回動中心から離れた位置を押し込むことにより比較的小さな押し込み力であっても載置トレイとピックアップローラとの間隔寸法を大きく確保することが可能になる。
【0014】
また、既存の部材である各搬送ローラを有効利用して付勢手段の付勢力を載置トレイに与えることが可能になる。また、載置トレイが如何なる回動位置にあっても各搬送ローラによるシート体の挟持力を安定して得ることができるため、シート体の搬送動作も安定して行うことができる。
【0015】
また、載置トレイの上面に当接して、この載置トレイの上昇位置を規制する規制部材を設けた場合には、付勢手段の付勢力によって載置トレイが必要以上に上方へ移動してしまうといった状況を回避することができる。
【0016】
載置トレイ及びその周辺部分の具体構成として、載置トレイから取り出されてシート体を搬送する搬送路、この搬送路を搬送されるシート体の画像を読み取る画像読取手段を備えさせる。また、上記搬送路に、載置トレイから取り出されたシート体を画像読取手段に搬送する主搬送路と、画像読取手段によって画像が読み取られたシート体を表裏反転させて画像読取手段に向かって再搬送する副搬送路とを備えさせる。そして、これら搬送路と載置トレイとをユニット化させている。
【0017】
このユニット化により、載置トレイ及びその周辺部分の部品点数が削減でき、且つ装置の組立作業性も容易になる。また、シート体の搬送中にシート詰まりが発生した場合にシート体を除去するための作業も容易になる。
【0018】
シート体の載置量を検出可能とする構成として、載置トレイに載置されたシート体の載置量を検出する検出手段を設ける。また、この検出手段を、最大サイズのシート体が載置トレイに載置された状態においてこのシート体の側方に位置させている。
【0019】
また、検出されたシート体の載置量に応じた制御を行うための構成として、検出手段により検出されたシート体の載置量が所定量を越えているとき、警告を発すると共にシート体の取り出し動作を禁止する一方、シート体の載置量が所定量以下であるとき、シート体の取り出し動作を許容する警告手段を備えさせている。
【0020】
このため、シート体の載置量が所定量を越えていることを検出手段が検出すると、警告手段が警告を発してユーザにシート体の載置枚数を削減するように指示する。また、この状態ではピックアップローラの駆動を禁止する等してシート体の取り出し動作は行われない。一方、シート体の載置量が所定量以下であることを検出手段が検出するとピックアップローラの駆動を許容してシート体の取り出し動作が可能になる。このように、ピックアップローラによるシート体の取り出し動作が良好に行えない可能性がある場合におけるシート体の取り出しを禁止することで、装置の信頼性を確保している。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るシート体搬送装置を複写機の原稿自動給紙部に適用した場合について説明する。
【0022】
−複写機の全体構成の説明−
図1は本形態に係る複写機1の内部構成の概略を示している。この図1のように、本複写機1は、画像読取手段としてのスキャナ部2、プリント部3及び本形態の特徴部分である上記原稿自動給紙部4を備えている。以下、各部について説明する。
【0023】
<スキャナ部2の説明>
スキャナ部2は、透明なガラス等で成る原稿台41上に載置されたシート体としての原稿の画像や原稿自動給紙部4により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って画像データを作成する部分である。このスキャナ部2は、露光光源21、複数の反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子(CCD)26を備えている。
【0024】
上記露光光源21は、原稿自動給紙部4の原稿台41上に載置された原稿や原稿自動給紙部4を搬送される原稿に対して光を照射するものである。各反射鏡22,23,24は、図1に破線で光路を示すように、原稿からの反射光を一旦図中左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、結像レンズ25に向かうように図中右方向に反射させるようになっている。
【0025】
原稿の画像読み取り動作として、上記原稿台41上に原稿が載置された場合には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置と仮想線で示す位置との間を原稿台41に沿って水平方向に走査して、原稿の画像を読み取ることになる。一方、原稿自動給紙部4を搬送される原稿を読み取る場合には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置に固定され、後述する原稿自動給紙部4の原稿読取部42を原稿が通過する際にその画像を読み取ることになる。
【0026】
上記各反射鏡22,23,24で反射されて結像レンズ25を通過した光は光電変換素子26に導かれ、この光電変換素子26において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換されるようになっている。
【0027】
<プリント部3の説明>
プリント部3は、画像形成系31と転写紙搬送系32とを備えている。
【0028】
画像形成系31は、レーザスキャニングユニット31a及びドラム型の感光体31bを備えている。レーザスキャニングユニット31aは、上記光電変換素子26において変換された原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射するものである。感光体31bは、図1中に矢印で示す方向に回転し、レーザスキャニングユニット31aからのレーザ光が照射されることによってその表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0029】
また、感光体31bの外周囲には、上記レーザスキャニングユニット31aの他に、現像装置31c、転写チャージャ31d、図示しないクリーニング装置、除電器31e、主帯電器31fが周方向に亘って順に配設されている。現像装置31cは、感光体31bの表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像に現像するものである。転写チャージャ31dは、感光体31bの表面に形成されたトナー像を転写紙5に転写するものである。クリーニング装置は、トナー転写後において感光体31bの表面に残留したトナーを除去するようになっている。除電器31eは、感光体31bの表面の残留電荷を除去するものである。主帯電器31fは、静電潜像が形成される前の感光体31bの表面を所定の電位に帯電させるようになっている。
【0030】
このため、転写紙5に画像を形成する際には、主帯電器31fによって感光体31bの表面が所定の電位に帯電され、レーザスキャニングユニット31aが原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射する。その後、現像装置31cが感光体31bの表面にトナーによる可視像に現像し、転写チャージャ31dによって、トナー像が転写紙5に転写される。更に、その後、感光体31bの表面に残留したトナーはクリーニング装置によって除去されると共に、感光体31bの表面の残留電荷が除電器31eによって除去される。これにより、転写紙5への画像形成動作(印字動作)の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚の転写紙5,5,…に対して連続的に画像形成を行うことができるようになっている。
【0031】
一方、転写紙搬送系32は、用紙カセット33や用紙トレイ34に収容された転写紙5,5,…を1枚ずつ搬送して上記画像形成系31による画像形成を行わせると共に、画像形成された転写紙5を排紙トレイ35へ排出するものである。
【0032】
この転写紙搬送系32は、主搬送路36と反転搬送路37とを備えている。主搬送路36は、一端が分岐されて用紙カセット33及び用紙トレイ34の排出側にそれぞれ対向していると共に他端が排紙トレイ35に対向している。反転搬送路37は、一端が転写チャージャ31dの配設位置よりも上流側(図中下側)で主搬送路36に繋がっていると共に、他端が転写チャージャ31dの配設位置よりも下流側(図中上側)で主搬送路36に繋がっている。
【0033】
主搬送路36の上流端(用紙カセット33や用紙トレイ34の排出側に対向する部分)には断面が半円状のピックアップローラ36a,36aが配設されている。このピックアップローラ36a,36aの直下流側には給紙ローラ36b,36bが配設されている。このピックアップローラ36a及び給紙ローラ36bの回転により、用紙カセット33または用紙トレイ34に収容されている転写紙5,5,…を1枚ずつ間欠的に主搬送路36に給紙できるようになっている。
【0034】
この主搬送路36における転写チャージャ31dの配設位置よりも上流側には、転写紙5の通過を検知するためのレジスト検知スイッチ36c及びレジストローラ36d,36dがそれぞれ配設されている。このレジストローラ36d,36dは、感光体31b表面のトナー像と転写紙5との位置合わせを行いながら転写紙5を搬送するものである。主搬送路36における転写チャージャ31dの配設位置よりも下流側には、転写紙5に転写されたトナー像を加熱により定着させるための一対の定着ローラ36e,36e及び転写紙5が定着ローラ36e,36eを通過したことを検知するための定着検知スイッチ36fがそれぞれ配設されている。主搬送路36の下流端には、転写紙5を排紙トレイ35に排紙するための一対の排紙ローラ36g,36g及び転写紙5の排紙を検知するための排紙検知スイッチ36hがそれぞれ配設されている。
【0035】
主搬送路36に対する反転搬送路37の上流端の接続位置には分岐爪38が配設されている。この分岐爪38は、図1に実線で示す第1位置と仮想線で示す第2位置との間で水平軸回りに回動自在となっている。この分岐爪38が第1位置にあるときには転写紙5が排紙トレイ35へ排紙され、第2位置にあるときには転写紙5が反転搬送路37へ供給されるようになっている。反転搬送路37の複数箇所には搬送ローラ37a,37a,…が配設されており、転写紙5が反転搬送路37に供給された場合には、これら搬送ローラ37a,37a,…によって転写紙5が搬送され、レジストローラ36dの上流側で転写紙5が反転されて再び転写チャージャ31dに向かって主搬送路36を搬送されるようになっている。つまり、転写紙5の裏面に対して画像形成が行えるようになっている。
【0036】
<原稿自動給紙部4の説明>
次に、本形態の特徴とする原稿自動給紙部4について説明する。
【0037】
この原稿自動給紙部4は、所謂自動両面原稿搬送装置として構成されている。図2は、本原稿自動給紙部4及びその周辺部分を示す概略図である。また、図3は、原稿自動給紙部4の斜視図である。この原稿自動給紙部4は、載置トレイとしての原稿トレイ43、中間トレイ44、原稿排紙トレイ45及び各トレイ43,44,45間で原稿6,6,…を搬送する原稿搬送系46を備えており、これら各トレイ43,44,45及び原稿搬送系46がユニット化されている。
【0038】
上記原稿搬送系46は、搬送系ケーシング4A内に収容されており、原稿トレイ43に載置された原稿6,6,…を、原稿読取部42を経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ搬送するための主搬送路47と、中間トレイ44上の原稿6を主搬送路47に供給するための副搬送路48とを備えている。
【0039】
主搬送路47の上流端(原稿トレイ43の排出側に対向する部分)には一対の原稿ピックアップローラ47a,47bが配設されている。一方(図中右側)の原稿ピックアップローラ47bの下側にはさばき板47cが配設されており、各原稿ピックアップローラ47a,47bの回転に伴って原稿トレイ43上の原稿6,6,…のうちの1枚がこの原稿ピックアップローラ47bとさばき板47cとの間を通過して主搬送路47に給紙されるようになっている。
【0040】
本形態の特徴の一つは、上記原稿トレイ43が水平軸回りに回動自在に支持されていることにある。詳しくは、原稿トレイ43における原稿搬送系46側の端部(図2の右側端部)が水平軸43aによって搬送系ケーシング4Aに対して回動自在(図3の矢印参照)に支持されている。この水平軸43aの配設位置は上記原稿ピックアップローラ47aよりも原稿排出側(図2中の右側)に設定されている。この原稿トレイ43が上側に回動した状態では原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ47aとの間の空間Bの高さ寸法が比較的小さくなる一方、原稿トレイ43が下側に回動した状態では原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ47aとの間の空間Bの高さ寸法が比較的大きくなる構成となっている。つまり、原稿トレイ43の回動位置に応じて、原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ43との間の空間Bの高さ寸法が可変となる構成である。
【0041】
主搬送路47と副搬送路48との合流部分(図中A部分)には原稿6の通過を検知するための原稿入紙センサ47dが配設されている。更に、この原稿入紙センサ47dの配設位置よりも下流側にはPSローラ47e,47eが配設されている。このPSローラ47e,47eは、原稿6の先端とスキャナ部2の画像読み取りタイミングとを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するものである。つまり、このPSローラ47e,47eは原稿6が供給された状態でその原稿6の搬送を一旦停止し、上記タイミングを調整して原稿読取部42に供給するようになっている。
【0042】
原稿読取部42は、プラテンガラス42aと原稿押え板42bとを備え、PSローラ47e,47eから供給された原稿6がプラテンガラス42aと原稿押え板42bとの間を通過する際に、上記露光光源21からの光がプラテンガラス42aを通過して原稿6に照射されるようになっている。この際、上記スキャナ部2による原稿画像データの取得が行われる。上記原稿押え板42bの背面(上面)にはコイルスプリング42cによる付勢力が付与されている。これにより、原稿押え板42bがプラテンガラス42aに対して所定の押圧力をもって接触しており、原稿6が原稿読取部42を通過する際にプラテンガラス42aから浮き上がることを阻止している。
【0043】
原稿読取部42の下流側には、搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hが備えられている。原稿読取部42を通過した原稿6が搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hを経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ排紙される構成となっている。尚、上記各ローラ47e,47f,47g,47hのうち図2中で回転方向に矢印を付したものが駆動ローラであって、それに接触するローラが従動ローラとなっている。
【0044】
本形態の特徴の一つは上下一対の原稿排紙ローラ47g,47hの配設状態にある。本発明でいう第1搬送ローラとしての上側の原稿排紙ローラ47gは、原稿トレイ43の下部に取り付けられ、水平軸回りに回転可能となっている。また、この原稿排紙ローラ47gの外周面の一部は原稿トレイ43の下面から下側に臨んでいる。
【0045】
一方、本発明でいう第2搬送ローラとしての下側の原稿排紙ローラ47hは、その長手方向の両端部分が回動レバー49によって水平軸回りに回転自在に支持されている。この原稿排紙ローラ47hは回動レバー49における図2中左端に支持されている。また、この回動レバー49は、図2中の右端が搬送系ケーシング4Aによって水平軸49a回りに回動自在に支持されている。このため、回動レバー49の回動に伴って下側の原稿排紙ローラ47hが上下に移動する構成となっている(図2の矢印参照)。更に、回動レバー49には図2中の時計回り方向に回動するような付勢力が与えられている。この付勢力を与えるための本発明でいう付勢手段としては、回動レバー49の下面を上方に付勢する図示しないコイルスプリングや、回動レバー49の回動中心である水平軸49aに装着された同じく図示しないスプリングが採用される。この付勢力により下側の原稿排紙ローラ47hが上側の原稿排紙ローラ47gを上方に押圧し、この押圧力により原稿トレイ43が上記水平軸43aを回動中心として上方へ撥ね上げられる構成となっている。
【0046】
尚、原稿トレイ43を上方へ撥ね上げるための付勢力を、上記スプリングとは個別に設けられ原稿トレイ43に対して直接的に付勢力を付与するスプリングにより得るようにしてもよい。つまり、このスプリングの付勢力が原稿トレイ43の下面を上方へ押圧するように構成するものである。この構成によれば、原稿トレイ43を上方に押圧する付勢力と、各原稿排紙ローラ47g,47h間での原稿6の挟持力を得るための付勢力とを個別のスプリングによって得ることになる。
【0047】
また、上記搬送系ケーシング4Aには、原稿トレイ43の回動位置を規制するための規制部材としてのリブ4Bが設けられている。このリブ4Bは、搬送系ケーシング4Aにおいて原稿トレイ43の上面に対向する部分であって、原稿トレイ43に原稿6が載置された状態において原稿6に接触しない位置(図3における上記空間Bの奥側端)に設けられている。つまり、このリブ4Bに原稿トレイ43の上面が当接した位置で原稿トレイ43の上方への回動位置が規制されるようになっている。
【0048】
これにより、図4に示すように原稿トレイ43に外力が作用していない状態から、ユーザが原稿トレイ43を下側に押さえ込むと、図5に示すように、上記スプリングの付勢力に抗して原稿トレイ43が下方へ回動し(図5の矢印参照)、これによって原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ47aとの間の空間Bの高さ寸法が、その押さえ込み量だけ拡大されるようになっている。この時、回動レバー49は図中反時計回り方向に回動される。また、この押さえ込み力を解除すれば、スプリングの付勢力によって回動レバー49が図中時計回り方向に回動し、これに伴って原稿トレイ43は元の位置(図4に示す位置)に戻り、その上面がリブ4Bに当接して位置規制される構成となっている。従って、原稿トレイ43に原稿6が載置されていない状態にあっては、原稿トレイ43が必要以上に上方へ移動してしまうことが回避され、複写機1のコンパクト化に寄与できる。
【0049】
図2の如く、原稿排紙ローラ47g,47hと中間トレイ44との間には中間トレイ揺動板44aが配設されている。この中間トレイ揺動板44aは、中間トレイ44側の端部が揺動中心とされて、図2に実線で示す位置(ポジション1)と仮想線で示す位置(ポジション2)との間で揺動可能となっている。中間トレイ揺動板44aがポジション1にある場合には原稿排紙ローラ47g,47hから排紙された原稿6は原稿排紙トレイ45へ回収される。一方、中間トレイ揺動板44aがポジション2にある場合には原稿排紙ローラ47g,47hから排紙された原稿6は中間トレイ44へ排出されるようになっている。この中間トレイ44への排紙時には、図2に仮想線で示すように、原稿6の端縁(図中の右端縁)が原稿排紙ローラ47g,47h間に挟持された状態となっており、この状態から原稿排紙ローラ47gが逆回転することによって原稿6が副搬送路48に供給され、この副搬送路48を経て再び主搬送路47に送り出されるようになっている。この原稿排紙ローラ47gの逆回転動作は、主搬送路47への原稿6の送り出しと画像読み取りタイミングとを調整して行われる。これにより、原稿6の裏面の画像が原稿読取部42によって読み取られるようになっている。
【0050】
−複写機1の動作説明−
次に、上述の如く構成された複写機1の複写動作を図7〜図10のフローチャートに沿って説明する。本複写機1の複写動作としては、原稿6の片面のみを読み取る「片面読取処理」と、原稿6の両面を読み取る「両面読取処理」とがある。
【0051】
図7は、複写機1の複写動作全体の概略を示している。先ず、ユーザから複写処理の印字要求がなされると(ステップST1)、印字枚数、印字倍率、用紙サイズ等の各種条件の設定が行われると共に、原稿の読み取りモード選択(片面原稿と両面原稿との選別)、印字モード選択(片面印字と両面印字との選別)が行われる(ステップST2)。
【0052】
その後、ユーザにより原稿トレイ43上に複数枚の原稿6,6,…が載置される(ステップST3)。本形態では、この原稿6,6,…の載置動作に特徴がある。つまり、図4に示すように、未だ原稿トレイ43上に原稿6,6,…が載置されていない状態では、回動レバー49から原稿トレイ43に作用する押圧力によって、この原稿トレイ43は上方へ撥ね上げられた状態であり、その上面がリブ4Bに当接して位置規制されている。
【0053】
この状態からユーザが原稿トレイ43を下方へ押し下げると、図5に示すように、上記スプリングの付勢力に抗して原稿トレイ43は図中右端の水平軸43a回りに下側に回動する。この際、原稿トレイ43の回動中心である水平軸43aから離れた位置(図5における原稿トレイ43の左端位置)を押し込むようにすれば比較的小さな押し込み力であっても原稿トレイ43を回動させることが可能である。この原稿トレイ43の回動により、原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ47aとの間の空間Bの高さ寸法は、その押さえ込み量だけ拡大する。従って、比較的多数の原稿6,6,…や先端がカールしている原稿6,6,…であっても容易に空間Bに差し入れることができ原稿トレイ43の上面にセットすることが可能になる。
【0054】
原稿6,6,…のセット後、ユーザの原稿トレイ43に対する押し下げ力を解除すると、スプリングの付勢力によって原稿トレイ43は元の位置に向かって回動(復帰)する。この復帰動作により、図6に示すように、原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ47aとの間で原稿6を挟持される。この際、リブ4Bの先端は原稿トレイ43の上面に接触していない。
【0055】
この状態からスタートスイッチが押されることにより、原稿自動給紙部4及びスキャナ部2による原稿読取処理(ステップST4)、プリント部3による印字処理(ステップST7)が並行される。
【0056】
原稿読取処理が開始されると、ステップST5において、全ての原稿6,6,…を読み取ったか否かが判断される。つまり、原稿トレイ43上の全ての原稿6,6,…の画像データがスキャナ部2に読み取られたか否かを判断する。全ての原稿6,6,…の画像データを読み取った後(両面読取処理の場合は、全ての原稿の両面を読み取った後)は、原稿排紙トレイ45に全ての原稿6,6,…が排紙されたか否かを判断し(ステップST6)、この全ての原稿6,6,…が排紙されると、原稿自動給紙部4及びスキャナ部2の1ジョブが終了する。
【0057】
この動作と並行する印字処理においては、ステップST8において、次印字の有無が判断される。つまり、レーザスキャニングユニット31aから感光体31bの表面に照射すべきレーザ光の原稿画像データが未だ存在するか否かを判断する。次印字が無いと判断されると、画像形成された転写紙5の全てが排紙トレイ35に排出されたか否かを判断する(ステップST9)。最終の画像形成処理(印字処理)が行われた転写紙5が排紙トレイ35へ排出されると、プリント部3の1ジョブが終了する。
【0058】
<片面読取処理>
次に、原稿自動給紙部4及びスキャナ部2による原稿読取処理のうち「片面読取処理」について図8のフローチャートに沿って詳細に説明する。
【0059】
この「片面読取処理」では、先ず、中間トレイ揺動板44aがポジション1(図2に実線で示すポジション)にあるか否かを判定する(ステップST11)。中間トレイ揺動板44aがポジション1にないときには、この中間トレイ揺動板44aを揺動させてポジション1に位置させる(ステップST19)。
【0060】
その後、原稿ピックアップローラ47a,47bの駆動により原稿トレイ43から1枚の原稿6(最上部の原稿)が取り出され、主搬送路47に搬送される(ステップST12)。この際、PSローラ47eは停止しており、原稿6がPSローラ47eに達すると、原稿6の搬送は一旦停止される(ステップST13)。その後、原稿6の先端とスキャナ部2の画像読み取りタイミングとを調整してPSローラ47eが駆動し、原稿6は再搬送されて原稿読取部42に供給される(ステップST14)。原稿6が原稿読取部42を通過する際、露光光源21からの光が原稿6に照射され、その反射光が光電変換素子26に入射されることにより、原稿画像データの取得が行われる(ステップST15)。
【0061】
ステップST16では、この取得された原稿画像データを図示しない制御部のメモリに入力するか否かを判定する。この判定は、上記ステップST2(図7)において印字枚数を設定した際に、シングル印字(今回取得した原稿画像データにより印字される転写紙5は1枚のみ)であるのか、マルチ印字(複数枚の転写紙5,5,…への同一画像の印字)であるのかを判別することにより行われる。つまり、マルチ印字の場合には、複数枚の転写紙5,5,…に対して同一の画像形成動作を行う必要があるために、原稿画像データをメモリに入力して記憶させておく必要がある。このステップST16でYESに判定された場合には原稿画像データをメモリに入力してプリント部3によるマルチ印字動作が行われる。これに対し、ステップST16でNOに判定された場合には原稿画像データをメモリに入力することなしに画像処理してレーザスキャニングユニット31aに送信し(ステップST20)、プリント部3によるシングル印字動作が行われる。
【0062】
このような画像処理動作が行われている間に原稿6は、搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hにより搬送されて原稿排紙トレイ45に排紙される(ステップST17)。
【0063】
以上の動作により、1枚の原稿6に対する「片面読取処理」が終了する。この動作を連続的に行うことによって複数枚の原稿6,6,…に対して「片面読取処理」が順次行われていく。
【0064】
このような「片面読取処理」は、原稿6の片面にしか画像情報がないときは勿論、両面に画像情報があってもユーザの読み取り要求が片面のみである場合にも行われる。
【0065】
<両面読取処理>
次に、原稿自動給紙部4及びスキャナ部2による原稿読取処理のうち「両面読取処理」について図9及び図10のフローチャートに沿って詳細に説明する。この「両面読取処理」は、原稿トレイ43に原稿6を載置した状態において、その原稿6の上側を向いている面(表面)を読み取る「表面読取工程」と、原稿6の下側を向いている面(裏面)を読み取る「裏面読取工程」と、原稿6が原稿排紙トレイ45に排紙された際の原稿6の表裏面の向きを適切な向きにするための「空搬送工程」が順に行われる。
【0066】
先ず、「表面読取工程」では、原稿ピックアップローラ47a,47bの駆動により原稿トレイ43から1枚の原稿6(最上部の原稿)が取り出され、主搬送路47に搬送される(ステップST21)。この際、PSローラ47eは停止しており、原稿6がPSローラ47eに達すると、原稿6の搬送は一旦停止される(ステップST22)。次に、中間トレイ揺動板44aがポジション2(図2に仮想線で示すポジション)にあるか否かを判定する(ステップST23)。中間トレイ揺動板44aがポジション2にないときには、この中間トレイ揺動板44aを揺動させてポジション2に位置させる(ステップST44)。
【0067】
その後、原稿6の先端とスキャナ部2の画像読み取りタイミングとを調整してPSローラ47eが駆動し、原稿6は原稿読取部42に供給される(ステップST24)。
【0068】
原稿6が原稿読取部42に供給されると、原稿6の表面(原稿読取部42に達した状態では下側を向いている面)の原稿画像データの取得が行われる(ステップST25)。この取得された原稿6の表面の原稿画像データは制御部のメモリに入力され記憶される(ステップST26)。このとき記憶される画像データは画像処理された状態にある。この表面の原稿画像データは制御部のメモリに入力され記憶される。メモリへ表面原稿画像データを記憶させる理由は、プリント部3における転写紙5へ印字動作として、裏面画像の印字を行った後に、表面画像の印字を行うことを可能にするためである。つまり、この動作により、表面画像の印字動作を行った後にそのまま転写紙5を排紙トレイ35に排紙すれば、転写紙5の表面を下向き(フェイスダウン状態)にして排出することができるようにするためである。
【0069】
このような画像処理動作が行われている間に原稿6は、搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hにより搬送され、中間トレイ揺動板44aにガイドされて中間トレイ44に導かれる(ステップST27)。この中間トレイ44に導かれた原稿6は、その搬送方向の後端縁(図2における右端縁)が原稿排紙ローラ47g,47h間に挟持された状態で停止している(ステップST28、図2の仮想線参照)。以上が、「表面読取工程」である。
【0070】
次に、「裏面読取工程」について説明する。この工程では、先ず、原稿排紙ローラ47gが上記「表面読取工程」の場合とは逆回転することによって原稿6が副搬送路48に搬送される(ステップST29)。この副搬送路48を搬送された原稿6は主搬送路47に導かれ、上記の場合と同様に、この原稿6がPSローラ47eに達すると、原稿6の搬送が一旦停止された後(ステップST30)、PSローラ47eが駆動し、原稿6は原稿読取部42に供給される(ステップST31)。この際に、原稿読取部42に供給された原稿6は、上記「表面読取工程」の場合とは上下面が反転された状態となっている。つまり、裏面側がプラテンガラス42aに対面することになる。原稿6が原稿読取部42に供給されると、原稿6の裏面の原稿画像データの取得が行われる(図10のステップST32)。この取得された原稿6の裏面の原稿画像データは制御部において画像処理された後、レーザスキャニングユニット31aに送信される(ステップST33)。
【0071】
このような画像処理動作が行われている間に原稿6は、搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hにより搬送され、中間トレイ揺動板44aにガイドされて中間トレイ44に導かれる(ステップST34)。この中間トレイ44に導かれた原稿6は、上述した場合と同様に、その搬送方向の後端縁が原稿排紙ローラ47g,47h間に挟持された状態となっている(ステップST35)。以上が、「裏面読取工程」である。
【0072】
次に、「空搬送工程」について説明する。この工程では、先ず、原稿排紙ローラ47gが上記「表面読取工程」の場合とは逆回転することによって原稿6が副搬送路48に搬送される(ステップST36)。この副搬送路48を搬送された原稿6は主搬送路47に導かれる。この際、主搬送路47に設けられた原稿入紙センサ47dによって原稿6の後端縁が通過したか否かが検出される(ステップST37)。原稿6の後端縁が通過したことが検出されると、ステップST38において、次の原稿6の有無が判定される。つまり、原稿トレイ43上に原稿6が残っているか否かが判定される。次の原稿6があるときには、原稿ピックアップローラ47a,47bが駆動して、原稿トレイ43から1枚の原稿(次原稿)6が取り出され、主搬送路47に搬送される(ステップST39)。そして、この原稿6は、PSローラ47eに達した時点で一旦停止され、スキャナ部2の画像読み取りタイミングが来るまで待機する(ステップST40)。
【0073】
表裏面の読取動作が終了している原稿6の通過が原稿入紙センサ47dによって検出された時点では、中間トレイ揺動板44aがポジション1(図2に実線で示すポジション)にあるか否かが判定されている(ステップST41)。中間トレイ揺動板44aがポジション1にないときには、この中間トレイ揺動板44aを揺動させてポジション1に位置させる(ステップST45)。
【0074】
この状態で、表裏面の読取動作が終了している原稿6は、搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hにより搬送される。ステップST42では、この原稿6が原稿読取部42を通過したか否かが判定され、この通過が確認された後は、この原稿6が中間トレイ揺動板44aによってガイドされて原稿排紙トレイ45に排紙されることになる(ステップST43)。以上が、「空搬送工程」である。
【0075】
また、この通過が確認された際には、図9のステップST23に戻って中間トレイ揺動板44aをポジション2に位置させ、この状態で、次の原稿6(PSローラ47eで一旦停止されている原稿6)の搬送が再開され、この原稿6の表面が原稿読取部42によって読み取られることになる。
【0076】
以上の動作により、「両面読取処理」における1枚の原稿6に対する両面の画像データの取得及び次の原稿6の原稿読取部42への供給が行われる。この動作を連続的に行うことによって複数枚の原稿6,6,…に対して両面読取処理が順次行われていく。
【0077】
−実施形態の効果−
以上説明したように、本形態では、原稿トレイ43を回動可能とし、原稿6,6,…を載置する際には、原稿トレイ43を下方へ押し下げて、原稿トレイ43の上面と原稿ピックアップローラ47aとの間の空間Bの高さ寸法を拡大できるようにしている。このため、比較的多数の原稿6や先端がカールしている原稿6,6,…であっても容易に原稿トレイ43にセットすることができ、原稿6,6,…をセットする際の作業性を良好に確保することができる。また、先端がカールした原稿6,6,…を原稿トレイ43の適切な位置に載置することができるので、原稿6を1枚ずつ取り出す際の給紙タイミングにずれが生じて用紙ジャムが発生するといった従来の不具合を解消することが可能である。
【0078】
−変形例−
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。本例は、上記実施形態の構成に加えて、原稿トレイ43に載置される原稿量が適切であるか否かを判別し、原稿6,6,…の載置量が多過ぎる場合には、そのことをユーザに警告するようにしたものである。以下、具体的な構成について説明する。
【0079】
図11に示すように、本例に係る原稿自動給紙部4は、原稿トレイ43の上面から上方に突出するレバー7を備えている。また、搬送系ケーシング4Aには、このレバー7に対向する位置にフォトセンサ8が配設されている。つまり、原稿トレイ43の回動位置に応じてフォトセンサ8に対するレバー7の相対位置が変化する構成となっている。図11〜図14は、原稿トレイ43の回動位置が変化した場合をそれぞれ示しており、各図の(a)は原稿自動給紙部4の全体を示す図であり、(b)は原稿トレイ43の回動位置に応じたフォトセンサ8に対するレバー7の相対位置を示している。また、これら図11〜図14ではリブ4Bを省略している。
【0080】
図11に示すように、原稿トレイ43上に原稿6が載置されていない状態では、レバー7がフォトセンサ8を覆い隠している。この状態ではフォトセンサ8はON状態となる。
【0081】
一方、図12に示すように、原稿トレイ43上に原稿6が載置されている状態において、この原稿6,6,…の量が非常に多い場合には、原稿トレイ43の下方への回動量が大きくなり、それに伴ってレバー7がフォトセンサ8から離脱し、この状態ではフォトセンサ8がOFF状態となる。
【0082】
更に、図13及び図14に示すように、原稿トレイ43上に原稿6が載置されている状態において、この原稿6の量が適量である場合には、レバー7がフォトセンサ8の一部分を覆い隠し、この状態ではフォトセンサがON状態となるようになっている。このようにして、レバー7及びフォトセンサ8により本発明でいう検出手段が構成されている。
【0083】
また、図11(b)に示すように、本例の複写機1における制御ユニット11には警告手段12が備えられている。この警告手段12は、上記レバー7及びフォトセンサ8により検出された原稿6,6,…の載置量が所定量を越えているとき(フォトセンサ8がOFF状態であるとき)には、図示しない表示パネル等に警告を発し、ユーザに原稿載置量を削減するよう指示すると共に、原稿ピックアップローラ47a,47bの駆動を禁止して原稿6の取り出し動作が行われないようにする。また、この警告手段12は、原稿6,6,…の載置量が所定量以下であるとき(フォトセンサ8がON状態であるとき)には原稿ピックアップローラ47a,47bの駆動を許容して原稿6,6,…の取り出し動作を可能にするようになっている。
【0084】
次に、本例における「片面読取処理」の複写動作を図15のフローチャートに沿って説明する。
【0085】
先ず、ユーザから原稿読み取り要求がなされ(ステップST51)、ユーザにより、原稿トレイ43が下側に回動されて、この原稿トレイ43上に複数枚の原稿6,6,…が載置された後(ステップST52)、原稿読み取りスタートスイッチが押される(ステップST53)。
【0086】
この際、原稿トレイ43の回動位置に応じてレバー7がフォトセンサ8を覆い隠しているか否かが検出され(ステップST54)、これによって原稿載置量が適正か否かが判定される(ステップST55)。そして、図12に示すように、原稿載置量が多過ぎる場合(レバー7がフォトセンサ8から離脱している場合)には図示しない表示パネル等に警告を発し、ユーザに原稿載置量を削減するよう指示する(ステップST60)。また、この際、原稿ピックアップローラ47a,47bの駆動が禁止されるため原稿6の取り出し動作は行われない。
【0087】
ユーザが原稿載置量を削減したり、ステップST55での原稿載置量が適正である場合(レバー7がフォトセンサ8を覆い隠している場合)には、原稿ピックアップローラ47a,47bの駆動により原稿トレイ43から1枚の原稿6が取り出され(ステップST56)、原稿読取部42を通過する際に原稿画像データの取得が行われる(ステップST57)。
【0088】
読み取られた原稿6は、搬送ローラ47f,47f及び原稿排紙ローラ47g,47hにより搬送されて原稿排紙トレイ45に排紙される(ステップST58)。その後、原稿トレイ43上に次の原稿が有るか否かが判定され(ステップST59)、次原稿が有る場合にはステップST56に戻る。
【0089】
この動作を連続的に行うことによって複数枚の原稿6,6,…に対して「片面読取処理」が順次行われていく。
【0090】
このように本例によれば、原稿載置量が過剰であるときには、警告を発すると共に原稿6,6,…の排紙動作を禁止するようにしている。このため、原稿6,6,…の取り出し動作が良好に行えない可能性がある場合における原稿6,6,…の取り出しを禁止することで、複写機1の信頼性を確保することができる。
【0091】
−その他の実施形態−
上述した実施形態及び変形例では、本発明に係るシート体搬送装置を複写機1の原稿自動給紙部4として適用した場合について説明した。本発明は、これに限らず、ファクシミリ装置または複写機とファクシミリ装置との複合機、更にはスキャナ装置、スキャナ装置と複写機やファクシミリ装置との複合機などに対しても適用可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、シート体を載置トレイに載置する際には、この載置トレイを下側に移動させ、これによって載置トレイとピックアップローラとの間の空間を拡大させることができるようにしている。このため、載置トレイを下側に移動させた状態では、載置トレイとピックアップローラとの間の空間へのシート体の差し入れ作業を比較的容易に行うことができる。つまり、多数のシート体を載置トレイへ載置する際の作業が比較的容易に行え、ユーザの要求に応じた枚数のシート体を載置トレイへ載置することが可能になる。また、先端部がカールしているシート体であっても載置トレイへ容易に且つ適切に載置することができる。その結果、シート体を1枚ずつ取り出す際の給紙タイミングにずれが生じて用紙ジャムが発生するといった不具合を解消することが可能である。
【0094】
載置トレイを上下方向に移動自在とする構成として、載置トレイにおけるシート体排出側の端部を水平軸回りに回動自在に支持しているので、ユーザが載置トレイの回動中心から離れた位置を押し込むことにより比較的小さな押し込み力であっても載置トレイとピックアップローラとの間隔寸法を大きく確保することが可能になり、操作性が良好に確保できる。
【0095】
載置トレイに付勢手段の付勢力を作用させる構成として、シート体を搬送するための一対の搬送ローラのうち、一方を載置トレイの下面に設け、他方を回動自在なレバーに備えさせ、このレバーに対して上方への付勢力を与えるようにした場合には、既存の部材である各搬送ローラを有効利用して付勢手段の付勢力を載置トレイに与えることが可能になる。また、一つの付勢手段によって、載置トレイを上側へ付勢する付勢力と、各搬送ローラ間でのシート体の挟持力とを得ることが可能になる。更に、載置トレイが如何なる回動位置にあっても各搬送ローラによるシート体の挟持力を安定して得ることができるため、シート体の搬送動作も安定して行うことができ、シート体の搬送動作に支障を来すこと無しに上記効果を得ることができる。
【0096】
また、載置トレイの上面に当接して、この載置トレイの上昇位置を規制する規制部材を設けた場合には、付勢手段の付勢力によって載置トレイが必要以上に上方へ移動してしまうといった状況を回避することができ、シート体を載置していない状態での装置のコンパクト化を図ることができる。
【0097】
シート体を搬送する搬送路と載置トレイとをユニット化させた場合には、載置トレイ及びその周辺部分の部品点数が削減でき、且つ装置の組立作業性も容易になる。また、シート体の搬送中にシート詰まりが発生した場合のシート体の除去作業も容易に行うことが可能になり、使い勝手が良好な装置を提供することができる。
【0098】
載置トレイに載置されたシート体の載置量を検出する検出手段を設け、その載置量が所定量を越えているときに、警告を発すると共にシート体の取り出し動作を禁止するようにした場合には、シート体の取り出し動作が良好に行えない可能性がある場合におけるシート体の取り出しを禁止することで、装置の信頼性を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機の内部構成の概略を示す図である。
【図2】原稿自動給紙部及びその周辺部分を示す概略図である。
【図3】原稿自動給紙部の斜視図である。
【図4】原稿トレイに原稿が載置されていない状態を示す図2相当図である。
【図5】原稿トレイが押し下げられた状態を示す図2相当図である。
【図6】原稿トレイに原稿が載置された状態を示す図2相当図である。
【図7】複写機の複写動作全体の概略を示すフローチャート図である。
【図8】片面読取処理動作を示すフローチャート図である。
【図9】両面読取処理動作の一部を示すフローチャート図である。
【図10】両面読取処理動作の一部を示すフローチャート図である。
【図11】変形例において原稿トレイに原稿が載置されていない状態を示す図2相当図である。
【図12】変形例において原稿トレイ上の原稿載置量が過剰である状態を示す図2相当図である。
【図13】変形例において原稿トレイに適量の原稿が載置された状態の一例を示す図2相当図である。
【図14】変形例において原稿トレイに適量の原稿が載置された状態の他の例を示す図2相当図である。
【図15】変形例における片面読取処理動作を示すフローチャート図である。
【図16】従来の原稿自動給紙部を示す概略図である。
【図17】従来の原稿自動給紙部に、カールした原稿を載置した状態を示す図である。
【符号の説明】
12 警告手段
2 スキャナ部(画像読取手段)
4B リブ(規制部材)
43 原稿トレイ(載置トレイ)
43a 水平軸
47 主搬送路
47a 原稿ピックアップローラ
47g 原稿排紙ローラ(第1排出ローラ)
47h 原稿排紙ローラ(第2排出ローラ)
48 副搬送路
49 回動レバー
49a 水平軸
6 原稿(シート体)
7 レバー(検出手段)
8 フォトセンサ(検出手段)
Claims (5)
- 複数枚のシート体が載置される載置トレイと、この載置トレイのシート体排出側の上方に配設されて載置トレイからシート体を順に取り出すピックアップローラとを備えたシート体搬送装置において、
上記載置トレイは、載置トレイ上面とピックアップローラとの間隔寸法が可変となるように、シート体排出側の端部が水平軸回りに回動自在に支持されていると共に、付勢手段によって上側への付勢力を受けており、
上記水平軸の配設位置はピックアップローラよりもシート体排出側に設定されていると共に、ピックアップローラの配設位置は上記付勢手段の載置トレイに対する付勢位置よりもシート体排出側に設定されていて、
上記載置トレイに対する付勢手段の付勢位置よりも反シート体排出側の位置を押し込むことにより載置トレイ上面とピックアップローラとの間隔寸法を大きくする構成となっており、
上記載置トレイの下面には、シート体を搬送するための第1搬送ローラが配設されている一方、
この第1搬送ローラの下側には、水平軸回りに回動自在なレバーが配設されており、このレバーには、上記第1搬送ローラとの間でシート体を挟持搬送する第2搬送ローラが回転自在に支持されていて、
上記付勢手段は、上記レバーに対して上方へ付勢する付勢力を与えて第2搬送ローラ及び第1搬送ローラを介して載置トレイに付勢力を与えるようになっていることを特徴とするシート体搬送装置。 - 請求項1記載のシート体搬送装置において、
載置トレイの上面に当接して、この載置トレイの上昇位置を規制する規制部材が設けられていることを特徴とするシート体搬送装置。 - 請求項1または2記載のシート体搬送装置において、
載置トレイから取り出されてシート体を搬送する搬送路、この搬送路を搬送されるシート体の画像を読み取る画像読取手段を備え、
上記搬送路は、載置トレイから取り出されたシート体を画像読取手段に搬送する主搬送路と、画像読取手段によって画像が読み取られたシート体を表裏反転させて画像読取手段に向かって再搬送する副搬送路とを備え、
これら搬送路と載置トレイとがユニット化されていることを特徴とするシート体搬送装置。 - 請求項1〜3のうち一つに記載のシート体搬送装置において、
載置トレイに載置されたシート体の載置量を検出する検出手段が設けられており、この検出手段は、最大サイズのシート体が載置トレイに載置された状態においてこのシート体の側方に位置していることを特徴とするシート体搬送装置。 - 請求項4記載のシート体搬送装置において、
検出手段により検出されたシート体の載置量が所定量を越えているとき、警告を発すると共にシート体の取り出し動作を禁止する一方、シート体の載置量が所定量以下であるとき、シート体の取り出し動作を許容する警告手段を備えていることを特徴とするシート体搬送装置。
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