JP3649783B2 - 厨芥処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は厨芥処理機に関する。さらに詳しくは一般家庭または業務用の厨芥から発生する生ごみなどの厨芥を処理する厨芥処理機であって、厨芥を加熱乾燥などにより処理する際に発生する可燃性ガスを含む臭気ガスを効率よくかつ安全に脱臭する触媒脱臭手段を有する厨芥処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、厨芥を乾燥処理する際に発生する臭気ガスを触媒により脱臭する各種の厨芥処理機が提案されている(たとえば、特開平5−96271号公報参照)。この厨芥処理機は、厨芥を撹拌する撹拌手段および処理後の厨芥を排出する排出口を有する厨芥乾燥室と、触媒およびヒーターを備えた脱臭装置と、厨芥乾燥時の水蒸気を処理する凝縮装置と、送風装置とから構成されている。また、前記厨芥乾燥室、凝縮装置、送風装置および脱臭装置は、順に循環経路によって連通されている。
【0003】
このような従来の厨芥処理装置を用いて厨芥処理するばあい、まず、厨芥が厨芥乾燥室に投入され、撹拌手段で撹拌される。それとともに脱臭装置のヒータと送風装置によってえられた熱風によって、加熱乾燥される。このとき発生する臭気ガスおよび水蒸気は、熱風が循環装置と脱臭装置とのあいだ、および脱臭装置と厨芥乾燥室とのあいだを循環するあいだに処理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来の厨芥処理装置には、可燃性を有する危険物を投入することに対しての安全対策が基本的になされてない。
【0005】
すなわち、前記従来の厨芥処理機における脱臭装置のヒータ温度は、触媒の種類や加熱方式(触媒そのものを加熱する方式、臭気ガス自身を加熱する方式)などによって異なるが、通常400℃以上で設定される。この温度は、可燃ガスに対して危険で、ある一定範囲濃度(爆発範囲)において、可燃性ガスの発火点である。
【0006】
たとえば、日本酒などに含まれるエタノールのガスは、爆発範囲3.3〜19体積%、発火点417℃である(「ガス安全取扱データブック、日本酸素株式会社およびマチソンガスプロダクツ共編、丸善株式会社出版、p.30」など参照)。
【0007】
つまり、爆発範囲の濃度内の可燃ガスが400℃以上に加熱されたヒータまたは触媒を通過すれば、爆発または引火が起こり、乾燥室と触媒とのあいだの経路の樹脂やゴム管などが燃えるという問題が発生する。また、乾燥室と触媒とのあいだの経路に燃える物がなくても、熱によりガスが膨脹し、圧力により処理機の蓋などが破損するばあいもある。
【0008】
本発明は前記従来技術の問題点を解決するものであり、厨芥処理により発生する可燃性ガスを含む臭気ガスを効率よくかつ安全に脱臭できる触媒脱臭手段を備えた小型の厨芥処理機を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、厨芥処理により発生する臭気ガスに可燃性ガスが含まれているときに厨芥処理を自動停止するなどして装置の安全性を向上させることができる小型の厨芥処理機を提供することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明(請求項1)の厨芥処理機は、厨芥を処理する処理室、および該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための加熱手段を有する触媒脱臭手段を備えた厨芥処理機であって、前記触媒脱臭手段の上流側に、可燃性ガスによる爆発現象に伴う炎の逆流を防止するための防止フィルタが設けられてなることを特徴とする。
【0011】
また、前記防止フィルタが複数の貫通孔を有する板状を呈するのが好ましい。
【0012】
前記防止フィルタの貫通孔の深さが該貫通孔の直径の2倍以上であるのが好ましい。
【0013】
前記貫通孔の直径が2.0〜3.0mmの範囲であるのが好ましい。
【0014】
前記防止フィルタの下流側に温度センサが設けられており、該温度センサによって測定される温度が所定温度をこえたとき、厨芥処理を自動停止するのが好ましい。
【0015】
前記温度センサに連動する警報手段をさらに具備してなるのが好ましい。
【0016】
第2発明(請求項6)の厨芥処理機は、厨芥を処理する処理室、および該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための加熱手段を有する触媒脱臭手段を備えた厨芥処理機であって、前記触媒脱臭手段内の上流側に、爆発による圧力変化を感知して弁が開き、前記触媒脱臭手段内の圧力を緩和する圧力調整弁が設けられてなることを特徴とする。
【0017】
前記圧力調整弁の開放を検知するための開放検知手段がさらに設けられており、前記開放検知手段が前記圧力調整弁の開放を検知したとき、厨芥処理が自動停止するのが好ましい。
【0018】
前記開放検知手段に連動する警報手段をさらに具備してなるのが好ましい。
【0019】
第3発明(請求項8)の厨芥処理機は、厨芥を処理する処理室、および該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための加熱手段を有する触媒脱臭手段を備えた厨芥処理機であって、前記触媒脱臭手段内の上流側に、可燃性ガスによる爆発現象に伴う炎の逆流防止フィルタと、爆発による圧力変化を感知して弁が開き、前記触媒脱臭手段内の圧力を緩和する圧力調整弁とがそれぞれ設けられてなることを特徴とする。
【0020】
第4発明(請求項10)の厨芥処理機は、厨芥を処理する処理室と、該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための触媒脱臭手段とを有する厨芥処理機であって、前記処理室内に少なくとも可燃性ガスを検知するためのセンサが設けられ、該センサによって検知された濃度が所定濃度をこえたときに、厨芥処理の自動停止をするように構成されてなることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1発明(請求項1)においては、触媒脱臭手段の上流側に可燃ガスによる爆発現象に伴う炎の逆流を防止する防止フィルタが構成されているので、臭気ガスを従来と同様、効率よく脱臭でき、可燃ガスが触媒層やヒータに流れて爆発現象に伴う炎の逆流が発生しても、防止フィルタで阻止される。
【0023】
この防止フィルタは、複数の貫通孔を有する板状を呈するのが好ましく、たとえばステンレスなどの金属製材料などで形成されている。
【0024】
この防止フィルタの貫通孔の直径および厚さは、炎がフィルタの上流側に到達しないことを重視して、つぎの式が成り立つように設計されるのが好ましい。
【0025】
貫通孔の深さ≧n×貫通孔の直径(ただし、2≦n≦3)
通常、この貫通孔の直径は、2.0〜3.2mm程度になるように設計されるのが好ましい。
【0026】
また、前記防止フィルタの下流側に設けられた温度センサが、爆発現象発生時の所定温度をこえる温度を検知したとき、安全のために厨芥処理を自動停止するとともに、使用者に対して、かかる爆発現象が発生したことに関する警報をランプおよび/またはブザーなどの種々の警報手段によって警報を発するので、安全に厨芥処理できるため好ましい。
【0027】
第2発明(請求項6)においては、触媒脱臭手段の臭気ガスを加熱するヒータの前にガス流路内の圧力を調整することができる圧力調整弁が設けられているので、爆発現象に伴う炎の逆流によるガスの膨脹で触媒脱臭手段内部の圧力が増加しても、かかる圧力調整弁によって所定の圧力以下になるように圧力調整されるため、圧力による処理機の破損を回避できる。
【0028】
前記触媒脱臭手段の圧力調整弁付近に前記圧力調整弁の開放を検知するための開放検知手段として、フォトセンサなどを設けておけば、圧力調整弁が作動すれば、そのセンサを感知して、処理機が自動停止し、警告ランプおよびブザーに知らせるので、安全に厨芥処理できるため好ましい。
【0029】
また、第3発明(請求項8)のように、前記炎の逆流防止フィルタおよび圧力調整弁の両方を具備することにより、より安全に厨芥処理を行なうことができる。
【0030】
第4発明(請求項10)においては、処理室内に少なくとも可燃性ガスを検知するためのセンサが設けられ、該センサによって検知された濃度が所定のレベル以上になったときに、厨芥処理の自動停止をするように構成されてなるため、安全に厨芥処理を行なうことができる。
【0031】
第5発明(請求項11)においては、処理室内に少なくとも可燃性ガスを検知するためのセンサが設けられ、該センサによって検知された濃度が所定のレベル以上になったときに、処理室内部における強制通風量が増大するように構成されてなるため、ガス濃度が薄められ、安全に厨芥処理を行なうことができる。
【0032】
つぎに本発明の厨芥処理機を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の厨芥処理機の一実施例の構成を説明するブロック図、図2は図1の厨芥処理機の断面説明図、図3は図2の触媒脱臭手段の要部拡大断面説明図、図4は本発明の厨芥処理機の他の実施例である圧力調整弁を有する触媒脱臭手段の断面説明図、図5は図1の凝縮水収集部および脱臭剤を示すドレイン管の部分断面図、図6は本発明の厨芥処理機の運転制御を行なうためのシステムを示すブロック図、図7は図6のシステムを用いた緊急停止動作を示すフローチャート、図8は図6のシステムを用いた強制通風流量増大動作を示すフローチャート、図9は図1の臭気センサによって検知される臭気レベルの変化を処理時間の経過に沿って示すグラフである。
【0033】
図1において、1は処理室として厨芥を加熱乾燥処理する乾燥室、2は乾燥室1で発生した臭気ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮手段、3は凝縮手段2で凝縮された水分を蓄える凝縮水タンク、4は送風手段、5は厨芥から発生した臭気成分の脱臭を行なう触媒脱臭手段、6は乾燥室1と凝縮手段2とを接続する配管、7は凝縮手段2と送風手段4とを連通する配管、8は送風手段4と触媒脱臭手段5とを連通する配管、9は脱臭した処理ガスを排出する排出管である。
【0034】
乾燥室1は気密に形成され、外気を乾燥室1へ取り入れる空気取入れ口が設けられている。乾燥室1に吸入された外気と乾燥室内部で発生した水蒸気および臭気成分などからなるガスは配管6を経て凝縮手段2に送られ、ここで水蒸気が凝縮され、凝縮水は凝縮水タンク3にためられる。一方、水蒸気が除去された臭気ガスは、配管7を経て送風手段4に吸引され、配管8を介して触媒脱臭手段5に送られ、ここで脱臭され最終的に、排出管9から外部に放出される。
【0035】
乾燥室1で厨芥を加熱乾燥する方式としては、温度乾燥方式や、厨芥を下部からヒータで加熱する下部加熱方式などを採用することができる。加熱温度は有毒ガスの発生または乾燥時間の短縮などを考慮して100〜120℃程度が好ましい。また乾燥室1に直接導入される空気は、絶対湿度が低いばあい、厨芥の乾燥時間の短縮にも役立つ。
【0036】
つぎに、図1の厨芥処理機の構成をさらに具体的に説明する。図2に示すように、厨芥を乾燥処理する乾燥室1は処理機本体10内に形成され、厨芥を入れたゴミ容器11を収容する空間を有し、上部は蓋12で覆われ、室内は蓋12に取り付けられたパッキン30で気密性が保持されている。ゴミ容器11は乾燥室1と脱着可能に構成され、その底部に撹拌羽根13に設けられている。この撹拌羽根13は、乾燥室1の底部を貫通した従動軸14が連結されている。撹拌羽根13は駆動モータ15により間欠駆動され、正転、反転が交互に繰り返されてゴミ容器11内の厨芥を撹拌し、厨芥の温度が均一になるようにすることにより、効率よく乾燥する。前記従動軸14と駆動モータ15とは駆動モータ15に連結された減速装置16、カップリング機構17を介して連結されている。
【0037】
ゴミ容器11の材質としては、腐食しにくいステンレス鋼または厨芥の炭化物がこびりつかないようにフッ素樹脂などのコーティングを施した鋼などの金属材料が採用されるのが好ましい。
【0038】
乾燥室1の底部に、発熱体が埋め込まれて面状に放熱面が形成されたシーズヒータ18が設けられ、ゴミ容器11の底面を広く加熱する下部加熱方式としている。そのため、厨芥を効率よく加熱し、少ない消費電力で効率よく乾燥できる。このシーズヒータ18によりゴミ容器11の底部温度を100〜120℃の範囲の温度に、通常は約105℃にコントロールする。加熱温度は高ければ高い程、乾燥時間を短くできるが、高くしすぎると厨芥が炭化しやすくなる。またゴミ容器11内に塩化ビニル樹脂やナイロンなどのプラスチックが混入しても105℃前後ではガス化することがないので、塩化ビニル樹脂の分解による塩素含有ガスの発生や他のプラスチックの分解による有害ガスの発生はない。
【0039】
乾燥室1の底および側壁の内側に、ゴミ容器11およびシーズヒータ18を覆うように断熱材20が設けられている。かかる断熱材20により、放熱損失を減らすようにされている。
【0040】
蓋12の中央部分に乾燥室1に連通する空気取入れ口21が設けられ、この空気取入れ口21に逆止弁21aが設けられ、臭気ガスを漏らすことなく外気が吸入される。乾燥室1の側壁に排気口22が設けられ、乾燥室1で発生するガスを配管および凝縮器入り口23を通して凝縮手段2に送るようにされている。空気取入れ口21に逆止弁21aを設けるのは、逆止弁21aがないと、厨芥を撹拌するとき多量のガスを発生し、送風手段4の能力を上回ると、空気取入れ口21から外部に臭気が漏れる可能性があるためである。逆止弁21aを設けることによって送風手段の能力を小さくできる。
【0041】
また乾燥室1内へ直接外気を吸入するのは、外気は絶対湿度が低く、それにより厨芥の乾燥速度が速められるためである。
【0042】
凝縮手段2は熱交換器24、ドレイン管25、冷却空気を循環するプロペラファン26とから構成されている。さらにドレイン管25の内部には図2の紙面垂直方向に沿って2層に分けられた脱臭剤44a、44b(図5参照)が設置されている。熱交換器24は箱型、蛇管など適宜のものでよく、熱伝導率、耐食性のよいアルミニウム合金、銅合金などでつくられている。熱交換器24の下端にはドレイン管25が接続され、ガス中の水蒸気など凝縮分はドレイン管25内のろうと形の凝縮水収集部43で集められ、一方の脱臭剤44bのみを選択的に通過するようになっている。通過した凝縮水の臭気はかなり軽減され、そして凝縮水タンク3に集められる。臭気ガスは凝縮水同様、2層に分けられた脱臭剤44a、44bのいずれか一方を適宜通過する。脱臭剤44a、44bを通過したガスの臭気はほとんどなくなり、残った臭気については、後の触媒脱臭手段で完全になくなる。凝縮手段2で臭気ガスはほとんど無臭に近くなるので、触媒脱臭への負担を少なくすることができる。この脱臭剤44a、44bはカートリッジ式で交換可能である。脱臭剤44a、44bはドレイン管25の内側面に固定板45およびシール材46などで固定され、この部分での臭気漏れなどはドレイン管25内が送風手段4で負圧状態となっているため問題はない。
【0043】
脱臭剤44a、44bには物理吸着を利用した活性炭やモレキュラーシーブなど、そして化学反応を利用した鉄フタロシアニン化合物または酸化銅などが有効である。
【0044】
前述のような凝縮器内の脱臭剤で臭気をほとんど除去するので、触媒脱臭手段5の触媒量を減らすことができる。よってコストダウンにつながる。また、排水の臭いはこの脱臭剤によって除去されるので、排水を捨てるとき不快感がなくなる。また、脱臭剤による脱臭手段を2層に分離し、一方を臭気ガス専用、もう一方を臭気ガスおよび排液用に分けることによる効果は以下に示されるとおりである。もし、2層に分けないばあい、全体が排液によって濡れ、臭気ガスが通過しにくくなる。その結果、脱臭層の手前の圧力が高くなり、臭気ガスが排液を押し出し、排液が充分に脱臭されなくなってしまう。そこで、上記のとおり2層に分ければ、臭気ガスは別の層を通ることができるので、排液はもう一方の脱臭層で充分に脱臭される。
【0045】
さらに、前記脱臭剤を有する凝縮器は、厨芥処理によってエタノールのガスなどの可燃性ガスが発生したばあいでもガス濃度を効果的に減少させるため、爆発現象を未然に防止させることができる。具体的には、アルコール度数50度のウォッカが100ml程度処理される厨芥に含まれているばあい、まず、凝縮器本来の凝縮作用によって、約半分程度の濃度にまで減少させる。たとえば、処理容器内部ではエタノールのガスの濃度が6.3体積%であるのに対し、凝縮器通過後の濃度は約3.1体積%まで低下する。
【0046】
さらに、凝縮器内部の脱臭フィルタ(とくに臭気ガスのみが通過するフィルタ側)の脱臭作用により、残りの9割以上の可燃性ガスが捕えられるため、最終的な濃度は、約0.3体積%以下にまで減少させることができる。したがって、爆発範囲3.3〜19体積%を大きく下回り、爆発現象は発生しない。
【0047】
凝縮水タンク3は、本体10の底部に脱着可能に設けられ、その一端部の上部にタンク入口3aが形成されている。ドレインパイプ25を通った凝縮水はタンク入口3aから凝縮水タンク3にたまる。さらにドレインパイプ25を通って水蒸気などが除去されたガスは、配管7を通って送風手段である送風ファン4に吸引され、触媒脱臭手段5へ送られる。
【0048】
また、送風ファン4は常時ガスを送風できるようにされ、その送風能力は厨芥を処理するとき単位時間当たり厨芥から発生する平均水蒸気量より多い量とされている。というのは、あまり風量を多くすると乾燥室1内の温度が下がったり、凝縮手段2での水の回収を効率よくできなかったり、触媒脱臭手段5中の触媒の能力が下がる惧れがあるからである。送風ファン4および冷却用のプロペラファン26は冷却および送風モータ27で駆動されている。
【0049】
前記触媒脱臭手段5は、図3に示されるように、触媒層31、ガスを加熱するためのニクロムヒータ32、および爆発現象に伴う炎の逆流防止フィルタ33を一つのユニットになるように、形成されている。さらに、防止フィルタ33のニクロムヒータ32側には温度センサ34が設けられている。図1に示されるように送風ファン4を介して凝縮手段2と連通した配管7、8を経て凝縮水タンク3から吸引された臭気ガスは、まず前記防止フィルタ33の貫通孔33aを通過して、ニクロムヒータ32で加熱され触媒層31において酸化分解され無臭ガスにされる。ニクロムヒータ32を通過後の臭気ガスの温度は400〜500℃が最適で、臭気ガスを効率よく脱臭できる。触媒層31としては白金系、白金−パラジウム系またはニッケル系などの酸化触媒を使用することができる。
【0050】
この触媒層31は、軸方向の内壁によって内部が複数の室に区画された筒であれば、各小室の形状などは種々変更されうる。たとえば、六角形断面の孔を複数個形成することによりハニカム構造にしてもよい。
【0051】
防止フィルタ33としては、臭気ガスの流通を阻害せずに、爆発現象に伴う炎の逆流を効果的に防止するために、たとえば複数の貫通孔を有する板状を呈するものが用いられる。
【0052】
たとえば、図3(a)〜(c)に示される防止フィルタ33は、複数の貫通孔33aが穿設された銅、ステンレス、インコネルなどの金属製円板である。
【0053】
この防止フィルタの貫通孔の直径および厚さは、炎がフィルタ上流側に到達しないことを重視して、つぎの式が成り立つように設計されるのが好ましい。
【0054】
貫通孔33aの深さ≧貫通孔の直径 (ただし、2≦n≦3)
通常、この貫通孔33aの直径は、2.0〜3.2mm程度になるように設計されるのが好ましい。かかる直径のばあい、貫通孔33aの深さは、前式より4.0〜9.6mmをこえる程度になるように設計されるのが好ましい。さらに具体的にいえば、貫通孔の直径が2.0mmを採用すれば孔の深さは4.0〜6.0mm以上を採用すればよく、好ましくは10mm程度が採用される。
【0055】
なお、ここでいう貫通孔の深さとは、貫通孔の直円筒部分の深さのことをいう。すなわち、貫通孔全体の形状が直円筒形状を呈するのであれば、貫通孔全体の深さを指す。一方、NC加工などによって貫通孔を穿設するばあい、貫通孔前後の縁をバリ取りすることにより、図3(c)に示されるテーパ状の縁を有する貫通孔33aがえられる。このばあいの貫通孔33aの深さは、直円筒部分の深さDを示す。
【0056】
臭気ガス中に爆発範囲濃度内に達した可燃性ガス、たとえばエタノールガス(爆発範囲3.3〜19体積%、発火点423℃)を含むばあい、エタノールガスはニクロムヒータ32および触媒層31で発火し、爆発現象が発生する。
【0057】
その爆発現象に伴う炎の逆流は送風ファン4やその他の経路を延焼させる原因になるが、本発明では、爆発現象に伴う炎の逆流を防止するための防止フィルタ33が設けられているので、他への延焼は阻止される。さらに、爆発現象防止フィルタ33のニクロムヒータ側に温度センサ34が取り付けられているので、爆発現象の影響で温度が100℃以上になれば、温度センサに接続されたマイクロコンピュータ(マイコン)(図示せず)などにより、処理機を緊急停止させ、使用者にアラーム用ブザーまたは警告ランプ(図示せず)などで異常を知らせるので、常に安全に厨芥を処理することができる。
【0058】
前記実施例では、防止フィルタを設けることにより、爆発現象に伴う炎の逆流を防止していたが、その他にも、種々の炎の逆流を防止する手段が採用されうる。
【0059】
図4に示される触媒脱臭手段5は、触媒層31とガスを加熱するためのニクロムヒータ32と該ヒータ32の前に圧力調整弁35とを一つのユニットとして形成されている。さらに、そのユニットの外部に圧力調整弁35の作動状態を常にモニタするためのフォトセンサ36が備えられている。送風ファン4を通過してきた臭気ガスは、前記実施例と同様に、触媒脱臭手段5によって酸化分解され無臭ガスにされる。なお、図示していないが、触媒脱臭手段5以外の他の構成要素は、前記実施例と共通している。
【0060】
臭気ガス中に爆発範囲濃度内に達した可燃ガス、たとえばブタンガス(爆発範囲1.8〜8.4体積%、発火点430℃)を含むばあい、ブタンガスはニクロムヒータ32および触媒層31で発火し、爆発現象が発生する。その現象は送風ファン4やその他の経路を延焼したり、圧力で破損させたりするが、本発明では圧力調整弁35が設けられている。したがって、爆発現象によるガスの膨脹はここで緩和されるとともに、ガス濃度が減少するので、炎の逆流は阻止される。また、圧力調整弁35を常にフォトセンサ36でモニタしている。そのため、圧力調整弁35が圧力変化を感知し、弁が開くと、フォトセンサの照射光は通常と異なる反射となり、受光されず、これによって弁が開放されたことが感知される。このときフォトセンサ36に接続されたマイコン(図示せず)などにより、処理機を緊急停止させ、使用者にアラーム用のブザーまたは警告ランプなどで異常を知らせるので、常に安全に厨芥を処理することができる。
【0061】
なお、前記2つの実施例には、触媒脱臭手段に、炎の逆流を防止するための防止フィルタか、または圧力調整弁のいずれか一方のみを設けた例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記防止フィルタおよび圧力調整弁の両方を具備してもよい。そのばあい、爆発現象が発生しても防止フィルタによって炎の逆流が防止されるとともに圧力調整弁によってガスの膨脹が緩和され、しかもガスの濃度も減少するため、より安全に厨芥処理を行なうことができる。
【0062】
さらに、図2の乾燥室1内上部の蓋12の部分に少なくとも可燃性ガスを検知できる臭気センサ51が設置されれば、図7〜8に示される手段で緊急停止または強制通風を行なうことができる。一般に4人家族で1日に発生する生ゴミは約700gで、その生ゴミを標準的に作成し、この処理機で乾燥処理したばあい、その臭気センサ51のレベル変化は図9の点線で示される。しかし、可燃性ガスを含む生ゴミを投入したばあい、臭気センサ51のレベル変化は図9の実線で示し、かなりのレベル差がある。そして、エタノールの爆発危険濃度の3.3体積%のとき、臭気センサ51による検出レベルは4.5Vであった。よって、臭気レベルにおいての安全、不安全の境界を4.4Vに定めた。
【0063】
前記臭気センサ51を有する厨芥処理機は、図6に示すようなブロック図で運転制御され、緊急停止のためのフローチャートは図7に示す。また、強制通風流量を増大させて問題を回避するフローチャートは図8に示す。この強制通風流量の増大量としては、通常流量の2倍以上あればよい。濃度の面でみると、酒(エタノール50%)を約50mlぐらい投入すると乾燥室1内のエタノール濃度は通常流量5リットル/分で約5体積%となり、充分に爆発範囲内に入る。しかし、その流量をたとえば2倍にすれば、乾燥室1内のエタノール濃度は半分となり、爆発範囲外なので、危険を回避できる。このとき、流量に応じて、乾燥ヒータおよび触媒ヒータ温度は、最適温度になるよう常に制御される。
【0064】
前述の図7に示される緊急停止動作および/または図8に示される強制通風流量増大動作は図6に示すマイコンによって一括して運転制御される。
【0065】
前記説明においては、本発明を、厨芥を加熱乾燥処理する厨芥処理機を別にとって説明したが、本発明は微生物により厨芥を処理する厨芥処理機にも適用できるものである。
【0066】
【発明の効果】
第1発明(請求項1)によれば、触媒脱臭手段の上流側に炎の逆流を防止する防止フィルタが構成されているので、臭気ガスに可燃ガスが含まれているばあい、可燃ガスによる爆発が発生しても、この防止フィルタで阻止でき、処理機自体に延焼や爆発などの問題は発生しない。したがって、安全に厨芥処理が可能となる。
【0067】
また、可燃ガスによる爆発が発生したとき、防止フィルタで阻止できるが、さらに安全性を重視する点で、防止フィルタのニクロムヒータ側に温度センサを設置しておけば、爆発発生時温度センサ付近が高温となり、センサが感知して、処理機を緊急停止させることができる。また、この緊急停止を使用者にブザーまたは警告ランプなどで知らせることができるので、厨芥処理を常に安全に行なうことができる。
【0068】
第2発明(請求項6)によれば、触媒脱臭手段の上流側に圧力調整弁が構成されているので、臭気ガスに可燃ガスが含まれているばあい、爆発が発生し、ガスが熱膨脹を起こしても、圧力調整弁が作動し、圧力が緩和されるとともに、ガス濃度が減少する。よって処理機自体の爆発などは発生せず、常に安全に厨芥処理が可能となる。
【0069】
また、圧力調整弁に対し、フォトセンサが設置されておれば、触媒脱臭手段内の爆発現象による圧力変化をそのセンサが感知し、処理機を緊急停止させることができる。またこの緊急停止を使用者にブザーまたは警告ランプなどで知らせることができるので、厨芥処理をいつも安全に行なうことができる。
【0070】
また、第3発明(請求項8)のように、前記炎の逆流防止フィルタおよび圧力調整弁の両方を具備することにより、より安全に厨芥処理を行なうことができる。
【0071】
第4発明(請求項10)においては、処理室内に少なくとも可燃性ガスを検知するためのセンサが設けられ、該センサによって検知された濃度が所定のレベル以上になったときに、厨芥処理の自動停止をするように構成されてなるため、安全に厨芥処理を行なうことができる。
【0072】
第5発明(請求項11)においては、処理室内に少なくとも可燃性ガスを検知するためのセンサが設けられ、該センサによって検知された濃度が所定のレベル以上になったときに、処理室内部における強制通風量が増大するように構成されてなるため、安全に厨芥処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨芥処理機の一実施例の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1の厨芥処理機の断面説明図である。
【図3】図2の触媒脱臭手段の要部拡大断面説明図である。
【図4】本発明の厨芥処理機の他の実施例である圧力調整弁を有する触媒脱臭手段の断面説明図である。
【図5】図1の凝縮水脱臭部および脱臭剤を示すドレイン管の部分断面図である。
【図6】本発明の厨芥処理機の運転制御を行なうためのシステムを示すブロック図である。
【図7】図6のシステムを用いた緊急停止動作を示すフローチャートである。
【図8】図6のシステムを用いた強制通風流量増大動作を示すフローチャートである。
【図9】図1の臭気センサによって検知される臭気レベルの変化を処理時間の経過に沿って示すグラフである。
【符号の説明】
1 乾燥室
2 凝縮手段
3 凝縮水タンク
4 送風手段
5 触媒脱臭手段
31 触媒層
32 ニクロムヒータ
33 防止フィルタ
33a 貫通孔
34 温度センサ
35 圧力調整弁
36 フォトセンサ
Claims (10)
- 厨芥を処理する処理室、および該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための加熱手段を有する触媒脱臭手段を備えた厨芥処理機であって、前記触媒脱臭手段の上流側に、可燃性ガスによる爆発現象に伴う炎の逆流を防止するための防止フィルタが設けられてなることを特徴とする厨芥処理機。
- 前記防止フィルタが複数の貫通孔を有する板状を呈する請求項1記載の厨芥処理機。
- 前記防止フィルタの貫通孔の深さが該貫通孔の直径の2倍以上である請求項2記載の厨芥処理機。
- 前記貫通孔の直径が2.0〜3.2mmの範囲である請求項3記載の厨芥処理機。
- 前記防止フィルタの下流側に温度センサが設けられており、該温度センサによって測定される温度が所定温度をこえたとき、厨芥処理を自動停止する請求項1記載の厨芥処理機。
- 厨芥を処理する処理室、および該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための加熱手段を有する触媒脱臭手段を備えた厨芥処理機であって、前記触媒脱臭手段内の上流側に、爆発による圧力変化を感知して弁が開き、前記触媒脱臭手段内の圧力を緩和する圧力調整弁が設けられてなることを特徴とする厨芥処理機。
- 前記圧力調整弁の開放を検知するための開放検知手段がさらに設けられており、前記開放検知手段が前記圧力調整弁の開放を検知したとき、厨芥処理を自動停止する請求項6記載の厨芥処理機。
- 厨芥を処理する処理室、および該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための加熱手段を有する触媒脱臭手段を備えた厨芥処理機であって、前記触媒脱臭手段内の上流側に、可燃性ガスによる爆発現象に伴う炎の逆流防止フィルタと、爆発による圧力変化を感知して弁が開き、前記触媒脱臭手段内の圧力を緩和する圧力調整弁とがそれぞれ設けられてなることを特徴とする厨芥処理機。
- 前記温度センサまたは前記開放検知手段に連動する警報手段をさらに具備してなる請求項5または7記載の厨芥処理機。
- 厨芥を処理する処理室と、該処理室から発生する臭気ガスを脱臭するための触媒脱臭手段とを有する厨芥処理機であって、前記処理室内に少なくとも可燃性ガスを検知するためのセンサが設けられ、該センサによって検知された濃度が所定濃度をこえたときに、厨芥処理の自動停止をするよう構成されてなることを特徴とする厨芥処理機。
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