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JP3660066B2 - 溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法 - Google Patents
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JP3660066B2 - 溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法 - Google Patents

溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は引張強度、耐衝撃性が良好で透明性、溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法に関するものであり、射出成形、中空成形、フィルム・シート成形に適し各種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シート、包装材などに使用される同組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チグラー型触媒で製造されるエチレン(共)重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEと称す)は、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(HPLDPEと称す)と比較し、強度および靭性が大きく、フィルム、シート、中空成形体、射出成形体などの種々の用途に用いられているが、成形品の軽量化のため、さらなる高強度化が要求されている。近年、メタロセン系触媒により、分子量分布および組成分布が非常に狭い高強度のエチレン(共)重合体が開発された。しかしながら、これらの一般的なメタロセン系触媒によるエチレン(共)重合体は、いくつかの欠点があり、例えば組成分布が非常に狭いため温度に対する粘度および強度の変化が非常に急激であり、成形加工時の温度や押し出し条件等の適応範囲が狭く成形加工性に難がある。また、成形品としても耐熱性に劣る。
このような欠点を改良する方法として、複数のチグラー型触媒によるポリエチレン系樹脂を混合する試みがなされている(例えば特開平3−207736、特開平3−207737)。しかしこの方法では同時に分子量分布も広がるため、強度の向上は期待できず、かつ低融点成分および低分子量成分による諸特性の低下が懸念される。そこで、分子量分布は狭いにもかかわらず、比較的広い組成分布を持ち、なおかつ低分子量成分および非晶質部分の含有量の少ない(A)エチレン(共)重合体を用いると上記欠点を改良することができる。しかし、(A)エチレン(共)重合体単独では、やや溶融張力が低く成形加工性が不十分で、透明性も十分ではないという欠点があった。
これらを改良するためにHPLDPEをブレンドする方法があるが、HPLDPEをブレンドすると衝撃強度が低下するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、引張強度、耐衝撃性等の機械的強度、成形加工性が良好で、樹脂成分の低溶出性、ヒートシール強度、耐熱性に優れ、透明性、溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法を提供することである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に沿って鋭意検討を重ねた結果、分子量分布は狭いにもかかわらず、比較的広い組成分布を持ち、なおかつ低分子量成分および非晶質部分の含有量の少ない新規なエチレン(共)重合体と特定の性質を持ったエチレン(共)重合体を配合することにより、上記目的を達成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチレンを単独重合またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより下記(a)〜(f)を満足するエチレン(共)重合体を製造し、
(a)密度 0.86〜0.96g/cm3
(b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min
(c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜3.5
(d)組成分布パラメーターCb 1.08〜2.00
(e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量
X(重量%)と密度dおよびMFRが次の関係を満足する
イ)d−0.008×logMFR≧0.93の場合
X < 2.0
ロ)d−0.008×logMFR<0.93の場合
X<9.8×10×(0.9300−d+0.008×logMFR)2+2.0 式1)
(f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在する、
(B)少なくともシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物(但しビスインデニルジルコニウムジメチルは除く)を含む触媒の存在下に、エチレンを単独重合またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより下記(a)〜(d)を満足するエチレン(共)重合体を製造し、
(a)密度 0.86〜0.96g/cm
(b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min
(c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5
(d)MFRと極限粘度η(dl/g)の関係が次の関係を満足する
logη≦−0.205logMFR+0.218 式2)
(C)上記(A)工程で製造したエチレン(共)重合体98〜2重量%と上記(B)工程で製造したエチレン(共)重合体2〜98重量%とを溶融混合することを特徴とする溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法である。
【0005】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の(A)工程で製造するエチレン(共)重合体はエチレンの重合体単独またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4ーメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、などが挙げられる。また、これらのα−オレフインの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0006】
本発明の(A)エチレン(共)重合体の(a)密度は、0.86〜0.96g/cm3 、好ましくは0.88〜0.945g/cm3 、より好ましくは0.90〜0.93g/cm3 の範囲である。密度が0.86g/cm3 未満では剛性、耐熱性が劣り、0.96g/cm3 を超えると透明性、耐衝撃性が十分でない。
【0007】
本発明の(A)エチレン(共)重合体の(b)MFRは0.01〜100g/10min 、好ましくは0.1〜50g/10min の範囲にあることが望ましい。MFR が100g/10min を越えると耐衝撃性、引張強度等の機械強度が低下する。
【0008】
本発明の(A)エチレン(共)重合体の分子量分布(c)Mw/Mnの算出方法は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比Mw/Mnを求めるものである。
本発明のエチレン(共)重合体のMw/Mnは1.5〜3.5であり、好ましくは1.8〜3.5、さらに好ましくは2〜3の範囲にあることが望ましい。Mw/Mnは1.5未満では成形加工性に劣り、3.5以上では耐衝撃性が劣ったり、透明性が不十分になる。
【0009】
本発明の(A)エチレン(共)重合体の(d)組成分布パラメーターCbは1.08〜2.00であり、好ましくは1.10〜1.80、さらに好ましくは1.12〜1.70の範囲にあることが望ましい。1.08未満では耐熱性が低下し、2.00を超えると、透明性、耐衝撃性が低下し、また成形品がべたつき、熱収縮が大きくなるなどのおそれがある。
【0010】
本発明において、エチレン(共)重合体の組成分布パラメーターCbの測定法は下記の通りである。
【0011】
試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに試料濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液を、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し充満後0.1℃/minで25℃まで冷却し、試料をセライト表面に析出沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温しながら、各温度において、試料を溶解した溶液を採取する。この溶液を冷却後メタノールで試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度における試料を得る。この分別された試料の重量分率および分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を測定する。分岐度の測定は13CーNMRにより求める。
【0012】
このような方法で30℃から90℃で採取した各フラクションについては次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクションについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないのでこの補正は行わない。
【0013】
次ぎにそれぞれのフラクションの重量分率wi を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi −bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメーターCbを算出する。
【0014】
【数1】
Figure 0003660066
【0015】
ここで cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0016】
なお、エチレン・αーオレフイン共重合体の組成分布を記述する方法は多くの提案がなされている。例えば特開昭60ー88016号では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係数R2はかなり低く、値の精度は充分でない。このCw/Cnと本発明のCbとは、定義および測定方法が異なる。
【0017】
本発明の(A)エチレン(共)重合体は、25℃におけるODCB可溶分量X(e)は、エチレン・αーオレフイン共重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分の割合を示すものであり、耐熱性の低下や成形品表面のベタツキの原因となるため少ないことが望ましい。ODCB可溶分の量は、共重合体全体のα−オレフィンの含有量および平均分子量、すなわち密度とMFRに影響される。従って、前記ODCB可溶分の量X(重量%)は密度dとMFRの関係が、d-0.008 ×logMFR≧0.93を満たす場合は2重量%未満、好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満であることが望ましい。
また、dとMFRの関係が、d-0.008 ×logMFR<0.93を満たす場合はX<9.8 ×103 ×(0.9300 ーd +0.008 ×log MFR)2+2.0の関係を満足し、好ましくはX<7.4 ×103 ×(0.9300 ーd +0.008 ×log MFR)2+1.0、さらに好ましくはX<5.6 ×103 ×(0.9300 ーd +0.008 ×log MFR)2+0.5の範囲であることが望ましい。
密度、MFRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、共重合体全体に含まれているα−オレフィンが遍在していないことを示している。
【0018】
なお、前記の25℃におけるODCB可溶分量Xは、下記の方法により測定する。
すなわち試料0.5gを20mlのODCBに加え135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィルターでろ過してろ液を採取する。試料溶液であるろ液を赤外分光器によりメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1付近の吸収ピーク強度を測定し、あらかじめ作成した検量線によりろ液中の試料濃度を算出する。この値より、25℃におけるODCB可溶分を求める。
【0019】
本発明の(A)工程で製造するエチレン(共)重合体は連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度ー溶出量曲線において、ピークが複数個ある(f)必要があり、さらにその高温側のピークが85℃から100℃の間に存在することが特に好ましい。このピークが存在することにより、融点が高くなりまた結晶化度が上昇し成形体の耐熱性および剛性が向上する。図1に本発明の共重合体の溶出温度ー溶出量曲線を示した。図2はいわゆる市販のメタロセン触媒による共重合体の溶出温度ー溶出量曲線であり両者は顕著に異なる。
【0020】
本発明にかかわるTREFの測定方法は下記の通りである。試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに試料濃度0.05重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入した後、0.1℃/min の冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温し、各温度において溶液に溶解可能な試料を順次溶出させる。この際、溶剤中の試料濃度はメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸収を赤外検出器で連続的に検出される。この濃度から、溶出温度ー溶出量曲線を得ることができる。
TREF分析は極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出出来ない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0021】
本発明の(A)工程で製造するエチレン(共)重合体は前記(a)〜(f)の条件を満たす重合体であり、少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチレン単独またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合することによって製造される。具体的には以下の成分(a1)〜(a4)を相互に接触することによって得られる触媒で重合することである。
すなわち、(a1):一般式Me11 p2 q (OR3r1 4-p-q-rで表される周期律表第IV族の遷移金属化合物(式中Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R1 およびR3 は個別に炭素数1〜24の炭化水素基、R2は2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、またはジベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子などの誘導体、X1 はハロゲン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である)、(a2):一般式Me24 m (OR5n2 z-m-n で表される化合物(式中Me2 は周期律表第I 〜III 族元素、R4 およびR5 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 は周期律表第III 族元素の場合に限る)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦z、かつ0≦m+n≦zの範囲を満たす整数である)、(a3):共役二重結合を持つ有機環状化合物、および(a4):Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物および、またはホウ素化合物を相互に接触させて得られる触媒である。
【0022】
上記触媒成分(a1)の一般式Me1 1 p 2 q (OR3 r 1 4-p-q-rで表される周期律表第IV族の遷移金属化合物の式中Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示す。これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。R2 は2,4ーペンタンジオナト配位子またはその誘導体、またはジベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子などの誘導体を示す。X1 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲である。
【0023】
上記触媒成分(a1)一般式で示される化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノクロロジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、また、前記2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体等の具体例には、テトラ(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム、トリ(2,4−ペンタンジオナト)クロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジーn−ブトキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジベンジルジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジネオフイルジルコニウム、テトラ(ジベンゾイルメタナート)ジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジーn−プロポキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−ブトキサイドジルコニウム等があげられ、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0024】
上記触媒成分(a2)の一般式Me2 4 m (OR5 n 2 z-m-n で表される化合物の式中Me2 は周期律表第I 〜III 族元素を示し、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R4 およびR5 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限るものである。また、zはMe2 の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0025】
上記触媒成分(a2)の一般式で示される化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0026】
上記触媒成分(a3)の共役二重結合を持つ有機環状化合物を例示すると
1) 共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する炭素環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物
2) 上記1 )の環状炭化水素化合物が1〜6個の炭化水素基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル基)で部分的に置換された環状炭化水素化合物
3) 共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する炭素環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
4) 上記3 )の環状炭化水素基の水素が、1〜6個の炭化水素基で部分的に置換された環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
5) 上記1 )〜4 )で示す化合物のアルカリ金属塩(ナトリウムまたはリチウム塩)、を挙げることができる。
【0027】
成分(a3)として好適な環状炭化水素化合物の一つは、次一般式で表される。
【0028】
【化1】
Figure 0003660066
【0029】
[式中、R6 ,R7 ,R8 ,R9 ,R10は個別に水素または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる。]
上記の炭化水素基にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基が包含される。また、化1の炭化水素基の任意の2つが共同して環状炭化水素基を形成した場合、その骨格としてはシクロヘプタトリエン、アリールおよびそれらの縮合環がある。
上記の一般式で示される環状炭化水素化合物のなかで、好適なものとしては、シクロペンタジエン、インデン、アズレンなどの他、これらに炭素数1〜10のアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリールオキシが置換した各誘導体などがある。
上記の一般式で示される環状炭化水素化合物が、アルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)またはアルキリデン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用いられる。
【0030】
また、環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式で表示することができる。
L SiR11 M 3 4-L-M
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状炭化水素基を示し、R11はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、ネオフイル基などのアラルキル基で示されるような、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、R11がn-のみならずiso-、s-、t-、neo-等の各種構造異性基である場合も包含しているものである。X3 はフッ素、ヨウ素、塩素または臭素のハロゲン原子を示し、LおよびMは0<L≦4、0≦M≦3の範囲であり、好ましくは1≦L+M≦4である。
【0031】
したがって、上記成分(a3)として使用可能な有機環状炭化水素化合物には、次のような化合物が包含される。
シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、t-ブチルシクロペンタジエン、プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、sec-ブチルシクロペンタジエン、1−メチルー3−エチルシクロペンタジエン、1−エチルー3−メチルシクロペンタジエン、1−メチルー3−プロピルシクロペンタジエン、1−プロピルー3−メチルシクロペンタジエン、2−エチルー5−イソプロピルシクロペンタジエン、2−メチルー5−フェニルシクロペンタジエン、2−エチルー3,5−ジメチルシクロペンタジエン、ヘキシルシクロペンタジエン、オクチルシクロペンタジエン、1,2ージメチルシクロペンタジエン、1,3ージメチルシクロペンタジエン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエンなどの置換シクロペンタジエン、インデン、2−メチルインデン、4ーメチルインデン、4,7ージメチルインデン、4,5,6,7−テトラハイドロインデンなどの置換インデン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエンなどの置換シクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、メチルシクロオクタテトラエンなどの置換シクロオクタテトラエン、アズレン、メチルアズレン、エチルアズレン、フルオレン、メチルフルオレンなどの置換フルオレンのような炭素数7〜24のシクロポリエンまたは置換シクロポリエン、
【0032】
ジメチルシリレンビスシクロペンタジエン、ジメチルシリレンビスインデン、ジメチルシリレンビスプロピルシクロペンタジエン、ジメチルシリレンビスブチルシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスインデン、ジフェニルシリレンビスプロピルシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスブチルシクロペンタジエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ジシクロペンタジエニルシラン、トリシクロペンタジエニルシラン、テトラシクロペンタジエニルシラン、モノシクロペンタジエニルモノメチルシラン、モノシクロペンタジエニルモノエチルシラン、モノシクロペンタジエニルジメチルシラン、モノシクロペンタジエニルジエチルシラン、モノシクロペンタジエニルトリメチルシラン、モノシクロペンタジエニルトリエチルシラン、モノシクロペンタジエニルモノメトキシシラン、モノシクロペンタジエニルモノエトキシシラン、モノシクロペンタジエニルモノフェノキシシラン、モノシクロペンタジエニルモノメチルモノクロロシラン、モノシクロペンタジエニルモノエチルモノクロロシラン、モノシクロペンタジエニルモノメチルジクロロシラン、モノシクロペンタジエニルモノエチルジクロロシラン、モノシクロペンタジエニルトリクロロシラン、ジシクロペンタジエニルモノメチルシラン、ジシクロペンタジエニルモノエチルシラン、ジシクロペンタジエニルジメチルシラン、ジシクロペンタジエニルジエチルシラン、ジシクロペンタジエニルメチルエチルシラン、ジシクロペンタジエニルジプロピルシラン、ジシクロペンタジエニルエチルプロピルシラン、ジシクロペンタジエニルジフェニルシラン、ジシクロペンタジエニルフェニルメチルシラン、ジシクロペンタジエニルメチルクロロシラン、ジシクロペンタジエニルエチルクロロシラン、ジシクロペンタジエニルジクロロシラン、ジシクロペンタジエニルモノメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルモノエトキシシラン、ジシクロペンタジエニルモノメトキシモノクロロシラン、ジシクロペンタジエニルモノエトキシモノクロロシラン、トリシクロペンタジエニルモノメチルシラン、トリシクロペンタジエニルモノエチルシラン、トリシクロペンタジエニルモノメトキシシラン、トリシクロペンタジエニルモノエトキシシラン、トリシクロペンタジエニルモノクロロシラン、3−メチルシクロペンタジエニルシラン、ビス3−メチルシクロペンタジエニルシラン、3−メチルシクロペンタジエニルメチルシラン、1,2−ジメチルシクロペンタジエニルシラン、1,3−ジメチルシクロペンタジエニルシラン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニルシラン、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニルシラン、ペンタメチルシクロペンタジエニルシラン、
【0033】
モノインデニルシラン、ジインデニルシラン、トリインデニルシラン、テトラインデニルシラン、モノインデニルモノメチルシラン、モノインデニルモノエチルシラン、モノインデニルジメチルシラン、モノインデニルジエチルシラン、モノインデニルトリメチルシラン、モノインデニルトリエチルシラン、モノインデニルモノメトキシシラン、モノインデニルモノエトキシシラン、モノインデニルモノフェノキシシラン、モノインデニルモノメチルモノクロロシラン、モノインデニルモノエチルモノクロロシラン、モノインデニルモノメチルジクロロシラン、モノインデニルモノエチルジクロロシラン、モノインデニルトリクロロシラン、ジインデニルモノメチルシラン、ジインデニルモノエチルシラン、ジインデニルジメチルシラン、ジインデニルジエチルシラン、ジインデニルメチルエチルシラン、ジインデニルジプロピルシラン、ジインデニルエチルプロピルシラン、ジインデニルジフェニルシラン、ジインデニルフェニルメチルシラン、ジインデニルメチルクロロシラン、ジインデニルエチルクロロシラン、ジインデニルジクロロシラン、ジインデニルモノメトキシシラン、ジインデニルモノエトキシシラン、ジインデニルモノメトキシモノクロロシラン、ジインデニルモノエトキシモノクロロシラン、トリインデニルモノメチルシラン、トリインデニルモノエチルシラン、トリインデニルモノメトキシシラン、トリインデニルモノエトキシシラン、トリインデニルモノクロロシラン、3−メチルインデニルシラン、ビス3−メチルインデニルシラン、3−メチルインデニルメチルシラン、1,2−ジメチルインデニルシラン、1,3−ジメチルインデニルシラン、1,2,4−トリメチルインデニルシラン、1,2,3,4−テトラメチルインデニルシラン、ペンタメチルインデニルシラン等が挙げられる。
【0034】
また、上記した各化合物のいずれかが、アルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)またはアルキリデン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合した化合物も、本発明の成分(a3)として使用することができ、そのような化合物には、例えば、エチレンビスシクロペンタジエン、エチレンビスプロピルシクロペンタジエン、エチレンビスブチルシクロペンタジエン、イソプロピリデンビスシクロペンタジエン、イソプロピリデンビスインデン、イソプロピリデンビスプロピルシクロペンタジエン、イソプロピリデンビスブチルシクロペンタジエン、ビスインデニルエタン、ビス(4,5,6,7−テトラハイドロー1−インデニル)エタン、1,3−プロパンジエニルビスインデン、1,3−プロパンジエニルビス(4,5,6,7,−テトラハイドロ)インデン、プロピレンビス(1−インデン)、イソプロピリデン(1−インデニル)シクロペンタジエン、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)シクロペンタジエン、イソプロピリデンシクロペンタジエニルー1−フルオレンなどがある。
【0035】
触媒成分(a4)有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルアルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムオキシ化合物が得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個のAl−OーAl結合を含有する。また、変性有機アルミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0036】
有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
【0037】
触媒成分(a4)のホウ素化合物とは、例えば、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0038】
また、本発明では上記触媒成分(a1)〜(a4)を相互に接触させることにより得られる触媒を、無機物担体および/または粒子状ポリマー担体(a5)に担持させて重合反応に用いることもできる。成分(a5)の無機物担体は、本発明の触媒を調製する段階において、本来の形状を保持している限り、粉末状、粒状、フレーク状、箔状、繊維状などいずれの形状であっても差し支えないが、いずれの形状であっても、最大長は通常5〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲のものが適している。また、無機物担体は多孔性であることが好ましく、通常、その表面積は50〜1000m2 /g、細孔容積は0.05〜3cm3 /gの範囲にある。
本発明の無機物担体としては、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物が使用可能であり、これらは通常200〜900℃で空気中または窒素、アルゴンなどの不活性ガス中で焼成して用いられる。
【0039】
該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。また、金属酸化物としては周期律表I〜VIII族の単独酸化物または複合酸化物が挙げられ、具体的にはSiO2 、Al2 3 、MgO、CaO、B2 3 、TiO2 、ZrO2 、Fe2 3 、SiO2 ーAl2 3 、Al2 3 ーMgO、Al2 3 ーCaO、Al2 3 ーMgOーCaO、Al2 3 ーMgOーSiO2 、Al2 3 ーCuO、Al2 3 ーFe2 3 、Al2 3 ーNiO、SiO2 ーMgOなどが挙げられる。なお酸化物で表示した上記の式は分子式ではなく、組成のみを示すものである。つまり、本発明において用いられる複酸化物の構造および成分比率は、特に限定されるものではない。また、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を吸着していても差し支えなく、少量の不純物を含有していても差し支えない。
【0040】
金属塩化物としては、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物が好ましく、具体的にはMgCl2 、CaCl2 などが特に好適である。金属炭酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。炭素質物質としてはたとえばカーボンブラック、活性炭などが挙げられる。
以上の無機担体はいずれも本発明に好適に用いられることができるが、特に金属酸化物のシリカ、アルミナなどの使用が好ましい。
【0041】
一方、粒子状ポリマー担体としては、触媒調製時および重合反応時において、溶融などせずに固体状を保つものである限り、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれもが使用でき、その粒径は通常5〜2000μm、好ましくは10〜100μmの範囲のものが望ましい。これらのポリマー担体の分子量は、当該ポリマーが触媒調製時および重合反応時において固体状物質として存在できる程度であれば、特に限定されることはなく、低分子量のものから超高分子量のものまで任意に使用可能である。
具体的には、粒子状のエチレン重合体、エチレン(共)重合体、プロピレン重合体または共重合体、ポリ1ーブテンなどで代表される各種のポリオレフィン(好ましくは炭素数2〜12)、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0042】
上記無機物担体および/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−OーAl結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物などに接触処理させた後に成分(a5)として用いることもできる。
【0043】
本発明の(A)工程のエチレン(共)重合体の重合手段は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではないが、物性と経済性等のバランスの点から気相法で製造されることが望ましい。
【0044】
本発明の(B)工程で製造するエチレン(共)重合体はエチレンの単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、などが挙げられる。また、これらのα−オレフインの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0045】
本発明の(B)工程で製造するエチレン(共)重合体の(a)密度は、0.86〜0.96g/cm3 、好ましくは0.88〜0.945g/cm3 、より好ましくは0.90〜0.93g/cm3 の範囲である。密度が0.86g/cm3 未満では剛性、耐熱性が劣り、0.96g/cm3 を超えると透明性、耐衝撃性が十分でない。
【0046】
本発明の(B)工程で製造するエチレン(共)重合体の(b)MFRは0.01〜100g/10min、好ましくは0.1〜50g/10minの範囲にあることが望ましい。MFRが100g/10minを越えると耐衝撃性、引張強度等の機械強度が低下する。
【0047】
本発明の(B)工程で製造するエチレン(共)重合体の分子量分布(c)Mw/Mnの算出方法は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比Mw/Mnを求めるものである。
本発明のエチレン(共)重合体のMw/Mnは1.5〜4.5であり、好ましくは1.6〜4.0、さらに好ましくは1.8〜3.5の範囲にあることが望ましい。
Mw/Mnは1.5未満では成形加工性に劣り、4.5以上では耐衝撃性が劣ったり、透明性が不十分になる。
【0048】
本発明の(B)工程で製造するエチレン(共)重合体の(d)MFRと極限粘度ηの関係がlogη≦−0.205logMFR+0.218であり、好ましくは−0.133×logMFR+0.067<logη≦−0.205×logMFR+0.218の範囲にあることが望ましい。logηが−0.205×logMFR+0.218より大きいものは溶融張力が小さく、特にフィルム、パイプ、中空成形等の成形加工性が十分に改善されず、また、透明性の改良効果が十分ではない。
【0049】
なお本発明のエチレン(共)重合体の極限粘度ηの測定法は下記の通りである。
【0050】
試料に耐熱安定剤を加え、デカリンに試料濃度が1g/lとなるように135℃で加熱溶解する。耐熱安定剤を加えたデカリンもまた別に135℃にしておく。これらの溶液をそれぞれ改良ウベローデ型粘度計(135℃に保持)、例えば柴山科学器械製作所製ss-290s 毛細管粘度自動計測装置、を使用して流下時間を測定する。そして、次の式より極限粘度ηを測定する。
η= ln(t/t0 )×(1/C )
ここで、t0 はデカリンの流下時間(秒)、tは試料溶液の流下時間(秒)、Cは試料濃度(溶液100mlあたりの試料量(g))である。
【0051】
本発明の(B)工程で製造するエチレン(共)重合体は前記(a)〜(d)の条件を満たす重合体であり、少なくともシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物(但しビスインデニルジルコニウムジメチルは除く)を含む触媒の存在下で重合させることにより製造される。具体的にはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と必要に応じて助触媒、有機アルミニウム化合物、担体を含む触媒の存在下にエチレン単独またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合させることにより得られる。また、上記触媒を予めエチレンおよび/前記α−オレフィンを予備重合させて得られるものを触媒に供してもよい。
【0052】
このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい。
【0053】
上記炭素数1〜10の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のアラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基が好ましい。
置換シクロペンタジエニル基の好適なものとしては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニル基、1,3-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル基などが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジエニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,3-置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同士すなわち炭化水素同士が互いに結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適なものとして挙げられる。
【0054】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙げられる。
【0055】
周期律表第IV族の遷移金属化合物においてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基などが挙げられる。
【0056】
これらの具体例としては以下のものがある。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノアルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロライドなどがある。
またモノシクロペンタジエニルチタノセンであるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0057】
置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0058】
ジルコノセン化合物としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジエンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロアルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそれらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペンタジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0059】
さらに他のメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0060】
本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属化合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および遷移金属原子が環を形成するものも好ましく用いられる。
【0061】
【化2】
Figure 0003660066
【0062】
式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表し、YはSiR2 、CR2 、SiR2 SiR2 、CR2 CR2 、CR=CR、SiR2 CR2 、BR2 、BRからなる群から選ばれる2価基、Zは−O−、−S−、−NR−、−PR−またはOR、SR、NR2 、PR2 からなる群から選ばれる2価中性リガンドを示す。ただし、Rは水素または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、またはY、ZまたはYとZの双方からの2個またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものである。Mは周期律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0063】
上記一般式で表される化合物の例としては、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチレンチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが挙げられる。
【0064】
本発明で用いる助触媒としては、前記周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。
本発明において用いられる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0065】
また、触媒は無機または有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO2 −Al2 3 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −MgO、SiO2 −Cr2 3 等が挙げられる。
【0066】
有機アルミニウム化合物として、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
【0067】
本発明の(B)工程のエチレン(共)重合体の重合手段は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではない。
【0068】
(C)工程では前記(A)工程で製造したエチレン(共)重合体(以下(A)成分という)とB工程で製造したエチレン(共)重合体(以下(B)成分という)を(A)成分98〜2重量%と(B)成分2〜98重量%の配合割合で溶融混合する。(B)成分を(A)成分に配合することにより、機械強度を保ち、溶融張力を高め、加工性を改良するとともに、成形品の透明性を向上させる場合は好ましくは(A)成分が98〜30重量%、(B)成分は2〜70重量%、より好ましくは、(A)成分が98〜50重量%、(B)成分は2〜50重量%からなり、さらに好ましくは(A)成分が98〜70重量%、(B)成分は2〜30重量%である。また、(B)成分の成形加工性、透明性を保ち、機械的強度、耐熱性を向上したい場合は好ましくは(A)成分を50〜2重量%配合される。エチレン(共)重合体(B)の量が2重量%未満では透明性、溶融張力などがあまり改良されず、一方98重量%を越えると耐熱性が低下するので好ましくない。(B)成分は場合によっては造核作用を呈することがある。
【0069】
本発明のポリエチレン組成物の溶融混合は、各重合体を種々の公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサーなどで混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練する方法で行うことができ、その後造粒あるいは粉砕する方法を取り得る。
【0070】
本発明の組成物は引張強度、耐衝撃性等の機械的強度、成形加工性、透明性、溶融張力が良好で、樹脂成分の低溶出性、ヒートシール強度、耐熱性に優れている。そして、フイルム、シート、パイプ、中空成形体、射出成形体として用いられる際に有効なものである.
【0071】
本発明の組成物には、発明の特性を本質的に損なわない範囲において、必要に応じて酸化防止剤はもちろんのこと、造核剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、防曇剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤等の公知の添加剤を添加することができる。さらに発明の特性を本質的に損なわない範囲において他の熱可塑性樹脂、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンとブレンドして使用することもできる。
【0072】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない.なお行った試験法を以下に示す.
【0073】
Figure 0003660066
【0074】
Figure 0003660066
【0075】
(エチレン(共)重合体(A)の重合)
固体触媒の調製
窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調製器に精製トルエン60mlを加え、ついでテトラプロポキシジルコニウム(Zr(OPr)4 )1.3gおよびインデン1.9gを加え、0℃に系を保持しながらトリエチルアルミニウムを3.0gを滴下した。滴下終了後、反応系を80℃に保持して8時間撹拌した。次にこの反応槽にメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al濃度4.5wt%)280mlを加え、室温で1 時間攪拌した。これをA液とする。
次に窒素下で別の電磁誘導撹拌機付き触媒調製器に、あらかじめ400℃で5時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m2 /g)100gを加えた後、前記A溶液の全量を添加し、室温で1時間撹拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Bとする。
【0076】
(試料A1、A2の重合)
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2 Gでエチレンと1ーブテンまたは1ーヘキセンの共重合を行った。前記触媒Bを連続的に供給して重合を行ない、系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。
なお、生成した共重合体の物性は以下に示した。
Figure 0003660066
【0077】
(エチレン(共)重合体(B)の重合)
(試料B1重合用固体触媒の調製)
窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調製器に精製トルエン150mlを加え、ついで(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)2.0mlとメチルアルミノキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)200mlを加え、室温で1 時間反応させた。この溶液をC液とする。
次に窒素下で別の電磁誘導撹拌機付き触媒調製器に、あらかじめ600℃で5時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m2 /g)50gを加えた後、前記E溶液の全量を添加し、室温で2時間撹拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Dとする。
(試料B2重合用固体触媒の調製)
窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調製器に精製トルエン150mlを加え、ついでビスインデニルジルコニウムジメチルのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)2.0mlとメチルアルミノキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)200mlを加え、室温で1時間反応させた。この溶液をE液とする。
次に窒素下で別の電磁誘導撹拌機付き触媒調製器に、あらかじめ600℃で5時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m2 /g)50gを加えた後、前記E溶液の全量を添加し、室温で2時間撹拌した.ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Fとする。
【0078】
(試料B1、B2の重合)
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2 Gでエチレンと1ーヘキセンの共重合を行った。前記B1については触媒DB2については触媒Fを連続的に供給して重合を行ない、系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。
なお、生成した共重合体の物性は以下に示した。
Figure 0003660066
【0079】
実施例及び比較例で使用した試料を次に示す。
成分(A):
前記A1、A2
A3:チーグラー触媒による直鎖状低密度ポリエチレン
(密度=0.917g/cm3 、MFR=2.0g/10 分、コモノマー:1−ヘキセン、商品名:ジェイレクスLL A620F 日本ポリオレフィン(株)製)
A4:チーグラー触媒による直鎖状低密度ポリエチレン
(密度=0.921g/cm3 、MFR=2.0g/10 分、コモノマー:1−ブテン、商品名:ジェイレクスLL BF3380日本ポリオレフィン(株)製)
成分(B):
前記B1、B2
B3:高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
(密度=0.924g/cm3 、MFR=2.0g/10 分、商品名:ジェイレクスLD F31N日本ポリオレフィン(株)製)
【0080】
(実施例1〜3)
本発明の効果を調べたもので、表1に示した成分を加えペレット化し、前記の方法で各種試験を行った。その結果を表1に併せて示した。成分Aを単独で用いた場合(比較例7)よりも、溶融張力、透明性が共に向上している。
(実施例4)
本発明の効果を調べたもので、表1に示した成分を加えペレット化し、前記の方法で各種試験を行った。その結果を表1に併せて示した。成分A2はコモノマーとして1 −ブテンを用いているので引張衝撃強度は成分A1(コモノマーとして1 −ヘキセン)を使用したときよりも小さいが、成分Aにチーグラー触媒によるコモノマーが1 −ブテンである直鎖状低密度ポリエチレンを使用した場合(比較例3 )より強度が大きく、透明性も優れている。また、成分Aを単独で用いた場合(比較例8)よりも、溶融張力、透明性が共に向上している。
【0081】
(比較例1)
実施例1で用いた成分A1の代わりに直鎖状低密度ポリエチレンA3を用いる以外は実施例1と同様に行った.結果を表1に示す。強度が低く、ヘイズが悪い。
(比較例2)
実施例3で用いた成分A1の代わりに直鎖状低密度ポリエチレンA3を用いる以外は実施例3と同様に行った.結果を表1に示す。強度が低く、ヘイズが悪い。
(比較例3)
実施例4で用いた成分A2の代わりに直鎖状低密度ポリエチレンA4を用いる以外は実施例7と同様に行った.結果を表1に示す。強度が低く、ヘイズが悪い。
(比較例4)
実施例1で用いた成分B1の代わりに直鎖状低密度ポリエチレンB2を用いる以外は実施例1と同様に行った.結果を表1に示す。溶融張力が小さく、ヘイズが悪い。
(比較例5)
実施例1で用いた成分B1の代わりに高圧ラジカル法低密度ポリエチレンB3を用いる以外は実施例1と同様に行った.結果を表1に示す。強度が低い。
(比較例6)
実施例4で用いた成分B1の代わりに高圧ラジカル法低密度ポリエチレンB3を用いる以外は実施例4と同様に行った.結果を表1に示す。強度が低い。
(比較例7〜9)
実施例で用いた組成物の代わりにA1、A2およびA3を単独で用いる以外は実施例1〜4と同様に行った。結果を表1に示す。溶融張力が小さく、ヘイズが悪い。
【0082】
【表1】
Figure 0003660066
【0083】
【発明の効果】
本発明によって、分子量分布は狭いにもかかわらず、比較的広い組成分布を持ち、なおかつ低分子量成分および非晶質部分の含有量の少ない新規なエチレン(共)重合体と特定の性質を持ったエチレン(共)重合体を配合することにより、引張強度、耐衝撃性が良好で、樹脂成分の低溶出性、ヒートシール強度、耐熱性に優れ、透明性、溶融張力が改良され、射出成形、中空成形、フィルム・シート成形に適し各種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シート、包装材などを得るのに適した組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の(A)エチレン(共)重合体のTREF曲線。
【図2】 メタロセン共重合体のTREF曲線。

Claims (1)

  1. (A)少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物および周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に、エチレンを単独重合またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより下記(a)〜(f)を満足するエチレン(共)重合体を製造し、
    (a)密度 0.86〜0.96g/cm3
    (b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min
    (c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜3.5
    (d)組成分布パラメーターCb 1.08〜2.00
    (e)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量
    X(重量%)と密度dおよびMFRが次の関係を満足する
    イ)d−0.008×logMFR≧0.93の場合
    X < 2.0
    ロ)d−0.008×logMFR<0.93の場合
    X<9.8×10×(0.9300−d+0.008×logMFR)2+2.0 式1)
    (f)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在する、
    (B)少なくともシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物(但しビスインデニルジルコニウムジメチルは除く)を含む触媒の存在下に、エチレンを単独重合またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより下記(a)〜(d)を満足するエチレン(共)重合体を製造し、
    (a)密度 0.86〜0.96g/cm
    (b)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min
    (c)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5
    (d)MFRと極限粘度η(dl/g)の関係が次の関係を満足する
    logη≦−0.205logMFR+0.218 式2)
    (C)上記(A)工程で製造したエチレン(共)重合体98〜2重量%と上記(B)工程で製造したエチレン(共)重合体2〜98重量%とを溶融混合することを特徴とする溶融張力が改良されたポリエチレン組成物の製造方法。
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