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JP3660177B2 - 軽量盛土の構築方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォームの現場発泡による軽量盛土構造及びその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、軟弱地盤、急傾斜地、構造物への軽量盛土材料として硬質ポリウレタンフォームやポリスチレンフォームが使用されている。
▲1▼.硬質ポリウレタンフォームを使用して盛土を形成する方法は、盛土現場に硬質ウレタンフォーム作製用原液を運搬し、硬質ウレタン発泡装置にて盛土箇所に前記原液を注入又は吹付けて、硬質ウレタンフォームを生成せしめることにより行われる。
▲2▼.ポリスチレンフォームを使用して盛土を形成する方法は、盛土現場に予め工場生産した多数のポリスチレンフォームのブロックを運搬し、盛土箇所にブロックを積層することによって行われる。
しかし、▲1▼の方法においては、注入又は吹付けで一度に生成可能な硬質ポリウレタンフォームの高さは限られており、硬質ポリウレタンフォームの生成において発熱反応をともなうので一度目の注入又は吹付けの硬質ポリウレタンフォームが硬化しある程度冷却してから二度目の注入又は吹付けを行うので工期が長くなるという問題がある。
▲2▼の方法において、特開平1−66316号に軽量ブロックの一体性を確保した盛土が記載されているが、各ブロックの寸法の高さ、幅、奥行が設計図面のとおり正確であり、かつ表面が平滑でないと一体性のある盛土が困難であると思われる。
【0003】
ポリスチレンフォームからなるブロックの製造は、設備的理由により一般に工場にて行われ、各ブロックの寸法は、ほぼ設計図面とおりに加工することが可能でありぐらつきのない盛土を構築することが可能である。しかし、軽量であるがために価格に対する運搬コストの比率が高くなることを免れない。
【0004】
また、一般に建屋等の断熱材の材料として使用される硬質ウレタンフォーム作製用原液、及び運搬の容易なウレタン発泡機等を使用してブロックを作製することにより運搬コストを低減することが考えられるが、現場での硬質ウレタンの発泡に際しては、周囲温度をコントロールすることが困難である等の理由で、ブロックの六面全てを平滑にすること、及び各ブロックの寸法を同じにすることも困難であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、工期を短縮し、寸法がまちまちで平滑性のないブロックを使用しても、一体性のある軽量盛土の構築方法を提供するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明の軽量盛土の構築方法は、硬質ウレタンフォームからなる多数のブロックと硬質ウレタンフォーム作成用原液とを用いた軽量盛土の構築方法であって、硬質ウレタンフォーム作成用原液は、主としてブロックを積み重ねる際のブロック上部と下部とを接着する発泡接着層形成原液と、主としてブロックと地盤やブロックと型枠との間にできる隙間を発泡充填する発泡隙間充填原液とからなり、ブロック敷設箇所に、発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液が硬化する前に多数のブロックを敷設し、前記原液の硬化によりブロック下部を接着固定し、発泡隙間充填原液を、前記下部を固定したブロックと地盤やブロックと型枠との間にできた隙間に注入又は吹付け、前記原液の硬化によりブロックの側面を接着固定し、下部と側面を固定したブロックの上部を次なるブロック敷設箇所として、上記と同様なブロックの下部の接着固定とブロックの側面の接着固定とを繰り返すことを特徴とするものである。
【0007】
また、第一層目の工程として、地盤上に発泡隙間充填原液を注入又は吹付け発泡及び硬化させることによりレベリング層を形成し、前記レベリング層上に、発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液が硬化する前に第一層目のブロックを多数敷設し前記原液の硬化によりブロック下部を接着固定し、前記下部を固定したブロックと地盤やブロックと型枠との間にできた隙間に、必要に応じてブロックの上部を覆う位置まで、発泡隙間充填原液を注入又は吹付けて前記原液の硬化によりブロックの側面を接着固定し、第二層目の工程として、前記第一層目のブロック上に発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液が硬化する前に第二層目のブロックを多数敷設し前記原液の硬化によりブロック下部を接着固定し、前記下部を固定したブロックと地盤やブロックと型枠との間にできた隙間に、必要に応じてブロックの上部を覆う位置まで、発泡隙間充填原液を注入又は吹付けて前記原液の硬化によりブロックの側面を接着固定し、以下第二層目と同様な行程を繰り返し、所望の高さまで硬質ウレタンフォームからなるブロックを、硬質ウレタンフォーム中に埋設することを特徴とするものである。
【0008】
また、前記発泡接着層形成原液は、前記発泡隙間充填原液と比較して反応性の遅いものであることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、強固の盛土とするため略同一高さに敷設するブロックとブロックの間に、ブロック側面を接着固定するために隙間を設け、ブロックと地盤やブロックと型枠との隙間充填作業と平行して前記隙間を充填することが好ましい。なお、ブロックとブロックとの間の隙間充填は、発泡接着層形成原液又は発泡隙間充填原液のどちらでも使用できるが、作業を早めるために下述の発泡隙間充填原液の使用が好ましい。
【0010】
また、地盤上にレベリング層を形成するに際して、地盤とレベリング層の間に排水シートを敷設することができる。特に地盤が傾斜地の場合、山からの湧き出てくる地下水を排水するために排水シートを設けることが好ましい。
排水シートは、排水可能なものであれば特に制限はないがフェルト状不織布、編布、織布、ダブルラッセル又はメッシュ構造の排水パイプを内蔵したシート等が使用できる。
【0011】
本発明に使用する硬質ウレタンフォーム作製用原液は、ブロックの作製、発泡接着層の形成、レベリング層の形成、及び隙間の充填に使用するもので、一般に建築物の断熱施工の現場発泡に使用されるもので良く、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなる。この両者を混合することによって硬質ウレタンフォームが生成される。多数のブロックは、前もって又は後から注入等で生成される硬質ウレタンフォームの自己接着性により強固に接着され一体化する。
【0012】
硬質ウレタンフォーム作製用原液である発泡接着層形成原液と発泡隙間充填原液とは、同一のものであってもよいが、作業性を向上するために発泡接着層形成原液の反応性が、前記発泡隙間充填原液の反応性よりも遅いものであることが好ましい。すなわち作業スピードを向上するために特にレベリング層の形成及びブロックと地盤、ブロックと型枠との間の隙間の充填は、反応性の早い原液を使用することで作業時間の短縮を図り、発泡接着層の形成は、ブロックの下部と上部との接着の作業時間を確保するため反応性の遅い原液を使用することが好ましい。
【0013】
硬質ウレタンフォーム作成用原液の反応性は、触媒等の添加量を変化させることにより簡単に行うことができる。例えば、工場にて反応性の異なる2種類の原液を作製して現場に運搬しても良いし、反応性の遅い原液を工場にて作製し現場に運搬したのち、触媒を増量することで反応性の早い原液を作製することもできる。
発泡隙間充填原液の反応性は現場の状況に合わせて調整するが、ライズタイムで通常15〜20秒が好ましい。
発泡接着層形成原液の反応性も現場の状況に合わせて調整するが、ライズタイム120〜180秒が好ましい。
【0014】
上述の原液は、ドラム缶等で運搬され硬質ウレタン発泡機等に汲み上げられ混合撹拌吐出され、ブロックの作製、レベリング層の形成、各隙間の接着充填、ブロックの上部とその上に載る別のブロックの下部の接着等に使用される。また発泡接着層形成原液は、反応性が遅いので撹拌時間に余裕があり発泡機を使用しなくともポリ袋等にポリオール成分とイソシアネート成分を投入してから、該ポリ袋を揺らすことで2成分を混合撹拌することができる。
【0015】
本発明に使用するブロックは、運搬コストを低減するために盛土現場及びその近くにおいて作製することができる。また現場の雨仕舞の状況にもよるが、雨天でも別の限られた狭い場所でブロックを作製することで決められた作業工程どおりに作業を進めることができる。
【0016】
また、現場でブロックを作製する場合の型枠は、運搬が容易なように構造が簡単で軽量なものが好ましい。現場においては、周囲温度や原液の温度を正確にコントロールすることが難しいことにより、発泡倍率を一定にすることが困難である。そのため密閉式の型枠であると、構造自体複雑になる上に型枠に過大の発泡圧がかかり堅固な型枠でないと型枠を破損する虞があり、そのため型枠が重くなってしまうので、構造が簡単で軽量な上部開放の型枠が好ましい。ブロック作製するための型枠の一例を図4に示す。
但し上部が開放された型枠を使用して得られるブロックは、図5に示すように上部が平滑でないものとなる。また、ブロックのサイズは、特に制限されるものではないが奥行き、幅、高さとも品質面を維持するために0.4〜1.0mが好ましい。
本発明は、このようにブロック寸法が正確にでていなくとも一体なる硬質ウレタンフォームによる盛土を構築できることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態例を図面に基づき説明する。
図1は急傾斜地に本発明の軽量盛土の構築方法によって得られる盛土構造の一例を示すものである。図2は略平坦の軟弱地盤等に本発明の軽量盛土の構築方法によって得られる盛土構造の一例を示すものである。なお、型枠8’は硬質ウレタンフォームによる盛土を形成するために必要なものであり盛土形成後に解体されるものである。
図3は、本発明の軽量盛土の構築方法の説明図である。図3において、
(a) 地盤12にメッシュ構造の排水パイプを内蔵したシート2を敷設し、
(b) 発泡隙間充填原液を注入又は吹付けによりレベリング層3を形成し、
(c) レベリング層3の上に発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて、
(d) 前記原液が硬化する前に、予め現場近くでブロックを作製するための型枠を用いて作製したブロック5を敷設する。この際、ブロックは、自重等により発泡接着層4の中に沈み込み前記原液の硬化によりその下部がレベリング層上に固定される。
(e) レベリング層とブロック下部とが発泡接着層を介して一体化した後、下部の固定されたブロックとブロックとの隙間、及びブロックと型枠B(図3において型枠Bは擁壁)8や地盤との間に生まれる隙間に発泡隙間充填原液を注入又は吹付けて硬化させる。また、本実施例ではブロックの上部を覆う位置まで発泡隙間充填原液を注入又は吹付け、ブロックの上部にまで覆った発泡隙間充填層6を形成する。
(f) 前記発泡隙間充填層上に、又はブロック上に再び発泡接着層形成原液を注入又は吹付け、以下(d)〜(f)を繰り返し実施することにより軽量盛土を構築する。
上記のように形成した軽量盛土上に土砂7等をもって土木構造物が設けられることになる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明の軽量盛土の構築方法によれば、硬質ウレタンフォームからなるブロックが、同じ硬質ウレタンフォームによって一体的に接着固定されるので、異種の素材のものと比較して強固な盛土構造が得られる。
また、発泡接着層が硬化する前にブロックを敷設することにより、ブロックが発泡接着層の中に沈み込むので、ブロックの下部がより強固に固定される一方、ブロックの側面も、後から隙間充填原液を注入又は吹付けて発泡させることにより、ブロックと地盤やブロック同士等の間の隙間が広くても狭くても簡単に硬質ウレタンフォームで充填できるので、より強固に固定される。
さらに、盛土箇所全部を硬質ウレタンフォームの注入又は吹付ける方法に比べ工期を短縮することができる。
しかも運搬コストを低減するため盛土現場で作製した寸法がまちまちで平滑でないブロックを使用した場合においても上記と同じ理由で、すなわちブロックの下部は接着層中に沈み込むし、ブロックの側面にできる隙間が広くても狭くても充填できることからブロックサイズのばらつき及びブロック表面の凹凸の盛土強度に対する影響はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって得られる盛土構造の一例の説明図。
【図2】本発明によって得られる盛土構造の一例の説明図。
【図3】本発明の軽量盛土の構築方法の説明図。
【図4】.本発明の実施例で使用するブロックを作製するための型枠の説明図。(a)のような状態で硬質ウレタンフォーム作製用原液を注入又は吹付けてブロックを作製し(b)のようにしてブロックを脱型する。
【図5】本発明の実施例で作製されるブロックの一例を半裁したときの断面図。
【符号の説明】
1 軽量盛土
1’ 軽量盛土
2 メッシュ構造の排水パイプを内蔵したシート
3 レベリング層
4 発泡接着層
5 ブロック
6 発泡隙間充填層
7 土砂
8 型枠B(擁壁)
8’ 型枠B
11 排水パイプ
12 地盤

Claims (3)

  1. 硬質ウレタンフォームからなる多数のブロックと硬質ウレタンフォーム作成用原液とを用いた軽量盛土の構築方法であって、
    硬質ウレタンフォーム作成用原液は、主としてブロックを積み重ねる際のブロック上部と下部とを接着する発泡接着層形成原液と、主としてブロックと地盤やブロックと型枠との間にできる隙間を発泡充填する発泡隙間充填原液とからなり、
    ブロック敷設箇所に、発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液が硬化する前に多数のブロックを敷設し、前記原液の硬化によりブロック下部を接着固定し、
    発泡隙間充填原液を、前記下部を固定したブロックと地盤やブロックと型枠との間にできた隙間に注入又は吹付け、前記原液の硬化によりブロックの側面を接着固定し、
    下部と側面を固定したブロックの上部を次なるブロック敷設箇所として、上記と同様なブロックの下部の接着固定とブロックの側面の接着固定とを繰り返すことを特徴とする軽量盛土の構築方法。
  2. 硬質ウレタンフォームからなる多数のブロックと硬質ウレタンフォーム作成用原液とを用いた軽量盛土の構築方法であって、
    硬質ウレタンフォーム作成用原液は、主としてブロックを積み重ねる際のブロック上部とブロック下部とを接着する発泡接着層形成原液と、主としてブロックと地盤やブロックと型枠との間にできる隙間を発泡充填する発泡隙間充填原液とからなり、
    第一層目の工程として、地盤上に発泡隙間充填原液を注入又は吹付け発泡及び硬化させることによりレベリング層を形成し、前記レベリング層上に、発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液が硬化する前に第一層目のブロックを多数敷設し前記原液の硬化によりブロック下部を接着固定し、前記下部を固定したブロックと地盤やブロックと型枠との間にできた隙間に発泡隙間充填原液を注入又は吹付けて前記原液の硬化によりブロックの側面を接着固定し、
    第二層目の工程として、前記第一層目のブロック上に発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液が硬化する前に第二層目のブロックを多数敷設し前記原液の硬化によりブロック下部を接着固定し、前記下部を固定したブロックと地盤やブロックと型枠との間にできた隙間に発泡隙間充填原液又は発泡接着層形成原液を注入又は吹付けて前記原液の硬化によりブロックの側面を接着固定し、
    以下第二層目と同様な行程を繰り返し、所望の高さまで硬質ウレタンフォームからなるブロックを、硬質ウレタンフォーム中に埋設することを特徴とする請求項1記載の軽量盛土の構築方法。
  3. 前記発泡接着層形成原液は、前記発泡隙間充填原液と比較して反応性の遅いものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量盛土の構築方法。
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