JP3661026B2 - クリストバライト粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、クリストバライト粒子の製造方法に関する。詳しくは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の各々の含有率がそれぞれ1ppm以下で不純物含有率が低い高純度クリストバライト粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に透明石英ガラスは、シリカ粒子を加熱溶融しガラス化して製造される。その加熱溶融の方式として、アルゴン−酸素プラズマ炎または酸水素炎中で溶融させるベルヌーイ法、あるいは容器に充填したシリカを高真空下で加熱溶融する真空熔融法などがある。
従来より透明石英ガラスの原料としては天然水晶が用いられている。しかし、半導体分野においてLSIの集積度が高まるに伴い、使用する原材料に対する高純度化の要求が厳しくなっているが、良質の天然水晶は枯渇しつつある。その対策として天然水晶を合成高純度シリカで代替しようとする検討が行われている。
しかし、前記の方法において原料として非晶質合成高純度シリカを用いた場合には、高純度化は可能であるが気泡の完全な除去は極めて困難で、得られた石英ガラスは多くの気泡を有するという問題点がある。これは原料シリカの多孔質性と緻密度の不足に起因すると考えられている。
【0003】
この問題の解決策の一つとして、非晶質合成シリカをより緻密な構造を有するクリストバライトに転化させてから用いる方法(たとえば、特開昭61−58822号、特開昭61−58823号公報など)が提案されている。
しかし、これらの方法では、クリストバライト化させようとする非晶質シリカに対して多くのアルカリ金属成分を添加しており、ガラス化した後にもかなりのアルカリ金属成分が残存するので、高純度石英ガラスとしては品質上の問題がある。アルカリ成分は除去が困難であり、長時間にわたる加熱処理を要する。
【0004】
非晶質シリカをクリストバライトに転化させるにあたって、アルカリ金属成分の含有率が低い高純度のクリストバライトを得るために、アルカリ金属成分の含有率が低い高純度の非晶質シリカを、アルカリ金属成分を添加せずに、そのまま加熱処理だけでクリストバライト化させる方法(たとえば、特開平3−8708号公報など)が提案されている。
しかし、この方法では、非晶質シリカのクリストバライトへの転化速度が小さく、生産性が低い。非晶質シリカのクリストバライトへの転化速度を大きくするために加熱処理温度を高める手段もあるが、この場合には、加熱処理に際して使用する容器や炉材などからの不純物混入による製品汚染の機会が増大し、また、容器の寿命が短くなる等の問題点がある。
【0005】
本発明者らは、従来方法の問題点を改善するため、先に、アルカリ金属成分の含有率が低い高純度の非晶質シリカ粒子に予めクリストバライト粒子を包含させ、これを加熱処理してクリストバライト化させる方法(特開平5−193926号公報)を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の方法では、クリストバライト化原料としての非晶質シリカ粒子に予め包含させるクリストバライト粒子を必要とする。従って、包含させるためのクリストバライト粒子を、非晶質シリカ粒子のクリストバライト化処理に先立って予め準備しておく必要があり、製造工程が煩雑化する問題点がある。
また、クリストバライト化原料としての非晶質シリカ粒子に予め包含させたクリストバライト粒子は、非晶質シリカ粒子のクリストバライト化処理の際に、再度の加熱処理を受けるので、全体として熱エネルギーの消費量が大きくなり、省エネルギーの効果を低減させる問題点がある。
【0007】
本発明の方法では、原料シリカとしてアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量が極めて少ない高純度の非晶質シリカを用い、アルカリ成分を実質的に存在させることなくクリストバライト化させるので、得られたクリストバライトはアルカリ成分の含有率が小さく脱アルカリ処理を要しない。また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属以外の不純物の含有量も少ない高純度の非晶質シリカを用いることにより、更に高純度のクリストバライト粒子を得ることができる。
また、クリストバライト化原料としての非晶質シリカ粒子には、クリストバライト粒子を予め包含させる必要がないので、省エネルギーの効果を高めることができる。
本発明の目的は、緻密性に優れた、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有率が極めて低い、高純度のクリストバライト粒子を効率良く、しかも経済的に製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の方法における前記の問題点を改善するため鋭意研究した結果、アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子と珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ(以下、アルコキシド系非晶質シリカということがある)粒子とを、珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカを全シリカ量100重量部あたり少なくとも5重量部存在させて、1200〜1700℃で加熱処理することにより、クリストバライト化のための添加剤であるアルカリ金属を存在させることなしに、水ガラス系非晶質シリカ粒子のクリストバライトへの転化速度を増大させ、比較的に低温度・短時間の加熱処理によってクリストバライト粒子を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子と珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ粒子とを珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカを全シリカ量100重量部あたり少なくとも5重量部存在させて、1200〜1700℃で加熱処理することを特徴とするクリストバライト粒子の製造方法に関する。
【0010】
前記アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子は、そのなかに含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の各元素の含有率が、それぞれ1ppm以下のものであることが好ましい。また、その他の金属、P、Bについても同様のことがいえる。
【0011】
また、前記珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカの含有量は、全シリカ量100重量部あたり、少なくとも5重量部であることが好ましく、また、前記珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカにおけるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の各元素の含有率は、それぞれ1ppm以下のものであることが好ましい。また、その他の金属、P、Bについても同様のことがいえる。
【0012】
クリストバライト化用原料シリカの調製(工程−1)
本発明の方法で用いられるクリストバライト化用主原料の非晶質シリカは、アルカリ珪酸塩水溶液から得られるが、その製法は限定されず、何れの方法で得られたものであってもよい。
【0013】
ところで、半導体分野に用いられる透明石英ガラス製造用の原料シリカは、不純物ができるだけ少ない方がよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、P、B、およびTi、Cr、Fe、Cu、Moなどの遷移金属元素などの含有率が、それぞれ1ppm以下であることが望まれている。しかし、従来から用いられてきた天然水晶は、一般にAlの含有率が高く、通常10ppmを超える。Alは難除去性の元素であり、熱処理・酸抽出等の手段によっても除くことが困難である。従って、Al含有率の少ない合成シリカは、半導体分野向けの高純度石英ガラス製造用原料として有利である。
【0014】
このようなことから、本発明の方法で用いられる主原料の非晶質シリカは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、P、B、およびTi、Cr、Fe、Cu、Moなどの遷移金属元素の含有率が、それぞれ1ppm以下であるものであることが望ましい。このようなシリカは、本発明者らが先に提案した例えば、特開昭62−3011号、特開昭62−3012号、特開昭62−283809号、特開昭62−283810号各公報記載の方法−すなわち、粘度が2〜500ポイズの範囲であるアルカリ珪酸塩水溶液を、孔径1mm以下のノズルを通して水溶性有機媒体または濃度4規定以下の酸溶液からなる凝固浴中に押し出して凝固(凝固処理)させ、得られた繊維状ないし柱状のゲルを酸を含む液で処理(酸処理)した後、次いで水洗して不純物を抽出除去することによって、または、このようにして得られたシリカを更に1000℃以上の温度で加熱処理することによって得ることができる。
【0015】
また、本発明で用いられる珪酸アルコキシドは、一般式MXSi(OR)4-X(但し、M=アルキル基、またはCl、F等のハロゲン、R=アルキル基、好ましくはC1〜C3の低級アルキル基、X=1〜3)で示されるものであれば、どのようなものであっても構わないが、加水分解反応を起こし、シリカを生成するものが好ましい。珪酸アルコキシドとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。また、高純度なクリストバライト粉を得るため、加水分解後の生成物に解離しにくい物質を含有しないものが好ましい。
【0016】
本発明において、前記珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ(アルコキシド系非晶質シリカ)を水ガラス系非晶質シリカ粒子と共存させる方法としては種々の方法がある。
【0017】
第一の態様としては、アルカリ珪酸塩水溶液に、アルコキシド系非晶質シリカの粒子を添加・混合して分散させた後、前記の凝固・酸処理を行ない、前記水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ(アルコキシド系非晶質シリカ)を混在させる方法がある。
【0018】
第二の態様としては、水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドを含浸させる方法であって、具体的には、水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドと加水分解反応に必要な水を加え混合し、混合中に加水分解反応を起こさせ、前記水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ(アルコキシド系非晶質シリカ)を混在させる方法がある。この方法において、混合時に、加水分解反応を促進させるために、塩酸、アンモニア等の触媒を添加してもなんらさしつかえない。
【0019】
さらに、第三の態様としては、あらかじめ珪酸アルコキシドを加水分解させて得られたアルコキシド系非晶質シリカ粒子と水ガラス系非晶質シリカ粒子とを混合して、前記水ガラス系非晶質シリカ粒子にアルコキシド系非晶質シリカを混在させる方法がある。添加するアルコキシド系非晶質シリカは、珪酸アルコキシドを加水分解させたものであれば、例えば塩酸、アンモニア等の触媒を添加して得られたものなど、どのような方法によって得られたものでも構わない。また混合方法は、乾式、湿式など、どのような方法でも構わない。
【0020】
本発明で用いられるクリストバライト化用原料シリカは、前述の方法で得られた混合シリカを必要により粉砕し、また、粉砕後に造粒ないし賦型して用いることができる。
【0021】
本発明の方法は、アルコキシド系非晶質シリカの結晶化開始温度が、水ガラス系非晶質シリカのそれに比較して低いという、本発明者らが見出した知見を巧みに利用するものである。水ガラス系非晶質シリカ粒子に含まれたアルコキシド系非晶質シリカは、水ガラス系非晶質シリカ粒子が結晶化を開始する際の核として作用し、非晶質部分に接触する面積が大きい程その存在の効果が大きい。
【0022】
アルカリ珪酸塩水溶液に添加するか、または水ガラス系非晶質シリカ粒子と混合するアルコキシド系非晶質シリカの粒子は、その粒径が小さい程有効であり、その粒径が100μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは10μm以下であるものがよい。
【0023】
水ガラス系非晶質シリカ粒子に含ませるアルコキシド系非晶質シリカの量は、アルコキシド系非晶質シリカを含む全シリカ量100重量部あたり、少なくとも5重量部とする。
包含させるアルコキシド系非晶質シリカの量が5重量部未満であるときには、水ガラス系非晶質シリカ粒子の結晶化を促進する効果が小さい。
【0024】
一方、包含させるアルコキシド系非晶質シリカの量の上限値は、特に制限はないが、生産効率の点からは少ない程有利であり、全シリカ量100重量部あたり、50重量部以下、好ましくは30重量部以下、更に好ましくは10重量部以下であるのがよい。
【0025】
本発明の方法で用いられる非晶質シリカの粒子径は特に限定されないが、得られたクリストバライト化シリカを火焔溶融法による透明石英ガラス製造用原料とする場合には、粒子径が小さ過ぎると操作性や生産性の点で問題を生じ、また、粒子径が大き過ぎると均質な溶融が困難となるので、実用上からは10μm以上、好ましくは20μm〜5mm、更に好ましくは50〜400μmの範囲がよい。
【0026】
なお、必要により、原料として用いるシリカの粒度の調整を行う場合には、通常の粉砕装置−たとえば、ポットミル、チューブミル、コニカルボールミルまたはコンパートメントミルなどの転動ボールミル、振動ボールミル、または塔式粉砕機、撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミルまたはロールミルなどを用いることができ、好ましくは、転動ボールミル、振動ボールミルが用いられる。
【0027】
砕料と接触する粉砕装置要部または必要に応じて用いるボール、ロッドなどの粉砕媒体の材質は通常の場合、アルミナ、ジルコニア、プラスチック被覆鋼、炭化ケイ素または窒化ケイ素などから、また、アルミニウム、ジルコニウムなどの混入が好ましくない場合には、石英ガラス、溶融石英、水晶、瑪瑙または珪石などの珪酸質材料の中から、それぞれ適宜選択すればよい。
なお、必要に応じて用いるボールなどの剛体からなる粉砕媒体の大きさは、直径が0.5〜50mmの範囲、好ましくは10〜40mmの範囲である。
【0028】
本発明の方法では、その表面および/または内部にアルコキシド系非晶質シリカを含む水ガラス系非晶質シリカ粒子をそのまま、クリストバライト化用原料シリカとする。
なお、アルコキシド系非晶質シリカを含む水ガラス系非晶質シリカ粒子を、更に適宜の量のクリストバライト粒子と混合して、加熱処理することもできる。
【0029】
クリストバライト化工程(工程−2)
所定量比アルコキシド系非晶質シリカを含む水ガラス系非晶質シリカ粒子を、温度1200〜1700℃、好ましくは1300〜1600℃、更に好ましくは1350〜1500℃の範囲で加熱してクリストバライト化する。
【0030】
本工程における加熱処理時間は、1時間以上、好ましくは2〜30時間の範囲である。
【0031】
加熱処理を行う際に原料シリカを保持する容器の材質としては、高温に耐え、しかも、バインダーや焼結助剤を含まないものであることが望ましい。特に、石英製のものが好ましい。
【0032】
本発明の方法において加熱処理を行う際の雰囲気としては、空気、酸素、炭酸ガスなどでもよいし、また、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることもできる。また、真空状態で行うこともできる。
【0033】
加熱処理を行う際に用いる装置としては、原料シリカを所定の温度に維持することができるものであればよく、管状炉、箱型炉、トンネル炉などを使用することができる。また、加熱方式としては、電熱、燃焼ガスなどによればよい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明の方法を具体的に説明する。
説明中の「部」は、「重量部」を示す。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
実施例1〜7、および比較例1〜2
1)水ガラス系非晶質シリカ粒子の調製;
JIS 3号水ガラスを加熱濃縮して、20℃における粘度を300cpsとした。
この水ガラス約8リットルをポンプで加圧し、濾過器(目開き70μm)を経てノズル(孔径0.2mm、孔数50個)を通して、50℃に保持された8重量%硫酸水溶液300リットルを入れた凝固浴中へ速度0.7m/秒で押し出した。
繊維状で得られたシリカを、10倍量の新たに調製した8重量%硫酸水溶液中に浸漬して温度約95℃で約1時間攪拌して不純物の抽出を行い、ついでシリカの10倍量の純水を用いて2回洗浄した。上記の抽出・洗浄操作を5回繰り返した後、遠心分離機で脱水して得られた湿シリカを熱風乾燥機により温度150℃で8時間乾燥し、含水率(焼成シリカ基準の重量減少率)が7重量%である水ガラス系非晶質シリカ3.7kg<N>を得た。
この水ガラス系非晶質シリカの不純物含有率は、Al:0.2ppm、
Ti:0.1ppm以下、Na:0.1ppm以下、K:0.1ppm以下、
Li:0.1ppm以下、U:0.05ppb以下であった。
【0036】
2)アルコキシド系非晶質シリカ粒子の調製;
エチルシリケート1kg、エタノール2リットル、純水660gおよび28%アンモニア水500gを混合し、室温で15時間攪拌してシリカゲルを得た。
得られたシリカゲルを純水5リットルを用いて2回洗浄し、遠心分離機で脱水後、得られた湿シリカゲルを400℃に保持した乾燥機中で1夜乾燥して、アルコキシド系非晶質シリカ粒子250gを得た。
【0037】
3)クリストバライト化用原料シリカの調製;
(3−1)アルカリ珪酸塩水溶液に、アルコキシド系非晶質シリカ粒子を
添加・混合して分散させた後、前記の凝固・酸処理を行う方法:
前記2)で得られたアルコキシド系非晶質シリカ粒子を、石英内張りのボールミルと石英製ボールを用いて粉砕し、平均粒径3.5μmの粒子(aa−1)120gと、平均粒径35μmの粒子(aa−2)30gとを得た。
これらのアルコキシド系非晶質シリカ粒子aa−1またはaa−2を、各種の量比でアルカリ珪酸塩水溶液に添加・混合して分散させた後、前記1)の手法に準じて凝固・酸処理し、各種の量比でアルコキシド系非晶質シリカ粒子を包含した水ガラス系非晶質シリカ粒子<A−a>を得た。
【0038】
(3−2)水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドを含浸させる方法
:
前記1)で得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子<N>95部と90部とのそれぞれに、純水各500部を加えた後、メチルシリケートを前者には12.6部、後者には25.3部を加えて混合し、含浸処理を施したシリカ粒子を60℃で1夜乾燥し、更に150℃で1日乾燥して、各種の量比のメトキシド含浸水ガラス系非晶質シリカ粒子<A−b>を得た。
【0039】
(3−3)水ガラス系非晶質シリカ粒子と、アルコキシド系非晶質シリカ粒子
とを混合・粉砕し、造粒する方法:
前記1)で得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子<N>90部と、前記2)で得られたアルコキシド系非晶質シリカ粒子10部とに純水100部を加えて、石英内張りボールミルと石英製ボールを用いて混合・粉砕し、造粒して150℃で1夜乾燥し、アルコキシド系非晶質シリカ粒子を包含した水ガラス系非晶質シリカ粒子<A−c>を得た。
【0040】
4)水ガラス系非晶質シリカ粒子のクリストバライト化;
前記3)で調製した、アルコキシド系非晶質シリカを含む各種の水ガラス系非晶質シリカ粒子<A群>、また、比較のために、アルコキシド系非晶質シリカを包含させていない水ガラス系非晶質シリカ粒子<N>について、試料各100gを、それぞれ石英製ルツボ(容量:1リットル、蓋付き)に充填し、空気雰囲気中において、表1に示す条件で加熱処理した。
加熱処理して得られたシリカについて、それぞれのクリストバライト化率を測定し、表1に示した。
【0041】
クリストバライト化率は、下記により求めた。
前記1)で得た水ガラス系非晶質シリカ粒子を、1500℃で20時間加熱処理したシリカのクリストバライト化率を100%とし、これに既知量の非晶質シリカを加えて結晶質シリカ分の割合の異なる各種の試料を調製した。
各試料についてX線回折試験を行い、2θ:21.9°に出現するピークに関して19.5°≦2θ≦24.5°の範囲でピーク高さを積分し、得られた
<ピーク面積>と試料中の結晶質シリカ分の割合(重量%)との関係を示す検量線を作成した。
各試験条件で得られた加熱処理後のシリカについてX線回折試験を行い、前記検量線によってクリストバライト化率を求めた。
【0042】
加熱処理して得られたシリカの不純物含有率は、いずれも、
Al:0.2ppm、Ti:0.1ppm以下、Na:0.1ppm以下、
K:0.1ppm以下、Li:0.1ppm以下、U:0.05ppb以下であった。
【0043】
【表1】
【0044】
アルコキシド系非晶質シリカを含んでいないか(比較例1)、または含んでいても全シリカ量100重量部あたり5重量部未満である(比較例2)、水ガラス系非晶質シリカ粒子を加熱処理したときは、高温度・長時間の処理でも、シリカのクリストバライト化率が低かった。
これに対して、全シリカ量100重量部あたり5重量部以上のアルコキシド系非晶質シリカを含む水ガラス系非晶質シリカ粒子を加熱処理したときは、各実施例に示されるように、クリストバライト化率が大幅に向上した。
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法では、水ガラス系非晶質シリカのクリストバライト化を促進するためのアルカリ金属などの不純物となる核形成剤を用いていないが、包含されたアルコキシド系非晶質シリカが核として水ガラス系非晶質シリカのクリストバライト化を促進する作用効果をもたらし、核形成剤を用いたときとほぼ同等のクリストバライト化速度を得ることができる。
【0046】
本発明の方法によれば、比較的に低温度・短時間の加熱処理条件においてクリストバライト化が可能であり、しかも脱アルカリ処理を要することなく、大幅な省エネルギー化に寄与し、しかもアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有率が極めて低い、高純度のクリストバライトを効率よく製造することができる。
【0047】
さらに、使用する原料シリカを適宜に選択することにより、Al、Ti、アルカリ金属などの不純物含有率が極めて低い高純度の緻密なクリストバライト粒子を得ることができる。
【0048】
本発明の方法で得られるクリストバライト粒子は、充填剤・分散剤などに用いられるほか、高品質人工水晶・セラミックスなどの原料として、また特に、溶融賦型の際に気泡の発生がないので透明石英ガラス原料として好適に用いることができる。更に、本発明の方法は従来法による場合に比較して経済的であり、製造コストを低減することができるという利点を併せ持っている。
Claims (5)
- アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子と珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ粒子とを珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカを全シリカ量100重量部あたり少なくとも5重量部存在させて、1200〜1700℃で加熱処理することを特徴とするクリストバライト粒子の製造方法。
- 珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカ粒子を添加して分散させたアルカリ珪酸塩水溶液を凝固させ、得られたゲルを酸含有液で処理した後、ついで水洗して不純物を抽出除去して得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子からなるクリストバライト化用原料シリカ粒子であって、全シリカ量100重量部あたり珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカを少なくとも5重量部含んでなる該原料シリカ粒子を1200〜1700℃で加熱処理することを特徴とするクリストバライト粒子の製造方法。
- 水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドを含浸させて得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子からなるクリストバライト化用原料シリカ粒子であって、全シリカ量100重量部あたり珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカを少なくとも5重量部含んでなる該原料シリカ粒子を1200〜1700℃で加熱処理することを特徴とするクリストバライト粒子の製造方法。
- アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス系非晶質シリカ粒子におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の各元素の含有率がそれぞれ1ppm以下のものである請求項1、2または3記載のクリストバライト粒子の製造方法。
- 珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカにおけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の各元素の含有率がそれぞれ1ppm以下のものである請求項1、2、3または4記載のクリストバライト粒子の製造方法。
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