JP3664691B2 - Cmp加工用ドレッサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体LSIデバイスの平坦化に用いられるポリッシャのドレッシングに好適なCMP加工用ドレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品や光学部品の超精密、高品位仕上げのために行われるポリッシングは、ポリッシャの研磨布上に軟質砥粒を散布して被加工物を押し付けることにより実施され、軟質砥粒と被加工物間の化学的、機械的作用により材料除去が行われる。最近ではCMP(Chemical & Mechanical Polishing)と称される技術が注目を浴びている。このCMP加工装置としては、たとえば特開平7−297195号公報や特開平9−111117号公報に記載の装置がある。
【0003】
このようなCMP加工装置により半導体ウエハをポリッシングする場合、ポリッシャとしては一定の弾性率、繊維形状、形状パターンを持ったポリウレタン製の研磨布が使用される。ポリッシングは機械加工としては最終工程であり、平面度1μm前後、面粗度RZ10Åレベルが達成されなければならない。
【0004】
このようなポリッシング工程において、安定した加工性能を維持するためには研磨布表面の定期的修正が必要であり、ドレッサを使用してCMP加工と同時にまたは定期的に、研磨布表面の劣化層を除去するとともに、適正な面状態を得るようにしている。このドレッサとしては、ダイヤモンド砥粒などを母材に固着したドレッサが使用されている。
【0005】
このドレッサの台金への砥粒の固着方法には、ろう付けによる固着、電着による固着、無機質結合材による固着があり、それぞれ長所と短所を有している。ここで、ドレッサの切れ味の面からみると、電着による固着および無機質結合材による固着の場合は、砥粒の突き出し量が小さく、ろう付けによる固着の場合に比して切れ味に劣るので、切れ味を重視する場合はろう付けにより砥粒を固着したドレッサが有利である。
【0006】
図4の(a)は従来のドレッサの一例としてホイールタイプのドレッサを示す断面図であり、円盤状の台金41の側面の外周部41aを一段高く盛り上げ、この外周部41aにダイヤモンド砥粒などを固着させた砥粒層42を形成したドレッサ40である。このドレッサ40を同図(b)に示すように保持具43で保持し、CMP加工装置のポリッシャ44表面の研磨布45に押し付けてドレッシングを行う。
【0007】
このようなドレッサ40では、砥粒層42の上面は平坦に形成されていたので、ドレッサ40の押圧による研磨布45の変形により、砥粒層42の最外周部は研磨布45と線接触の状態となり、最外周部のみが早く摩耗してしまうという問題があった。この問題に対し、砥粒層の断面形状を凸型の円弧状曲面や山型としたドレッサが提案されている。
【0008】
図5は特開平11−300600号公報で提案されているドレッサであり、円盤状の台金51の側面の外周部51aを上面が円弧状曲面51bになるように盛り上げ、この円弧状曲面51bの上に砥粒層52を形成したものである。このような円弧状曲面52を形成したことにより、砥粒層52の研磨布との接触が面接触となり、ドレッサの長寿命化をはかることができる、とされている。
【0009】
図6は特開平10−277919号公報で提案されているドレッサであり、円盤状の台金61の側面の外周部61aに、上面の外周側61bおよび内周側61cが傾斜面で中間部61dが平坦面になるように砥粒層62を形成したものである。このような山型の砥粒層62としたことにより、縁部の砥粒の脱落を完全に防止することができ、また研磨布を傷つけるおそれがない、とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公開公報に記載のドレッサは、ドレッシング時にドレッサを研磨布に押し付けたときに、その押圧力で研磨布が弾性により沈んだ状態で変形することを利用して、砥粒層の断面形状を凸型の円弧状曲面や山型とし、砥粒層が研磨布と面接触となるようにしたものであるが、砥粒の固着が電着法によることとあわせて、ドレッシング時にチップポケットが形成されにくく、このため切粉の排出が不充分で、研磨液が砥粒間で凝集し、その結果、CMP加工中の半導体ウエハの表面にマイクロスクラッチが発生するという問題がある。また上記のドレッサは、電着法により砥粒を固着させたドレッサであるので、砥粒の突き出し量が小さく、ろう付けによる固着の場合に比して切れ味に劣る。
【0011】
本発明において解決すべき課題は、CMP加工による半導体ウエハなどの表面仕上げに用いる研磨布をドレッシングするためのドレッサにおいて、従来のドレッサと同等以上の切れ味と加工精度を維持したうえで、砥粒の保持力と切粉の排出性を向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円盤状台金の側面の外周部に環状に形成された盛り上げ部に切刃が形成されたCMP加工用ドレッサであって、前記盛り上げ部に柱状の合成単結晶ダイヤモンドまたは多結晶焼結体ダイヤモンドが規則的に配列され、ろう付けにより固着されたCMP加工用ドレッサである。ここで規則的な配列とは、前記盛り上げ部に柱状の合成単結晶ダイヤモンドまたは多結晶焼結体ダイヤモンド(以下、柱状ダイヤモンドという)を幾何学的に配列することを指し、たとえば平面視配列形状が格子状、放射状、渦巻き状などになるように、台金円周方向および台金半径方向に所定の間隔をおいて柱状ダイヤモンドを配列することを含む。
【0013】
台金外周部の盛り上げ部に柱状ダイヤモンドを規則的に配列してろう付けした切刃を形成することにより、従来のダイヤモンド砥粒をろう付けした切刃の砥粒の保持力に比べて柱状ダイヤモンドの保持力は格段に高くなり、従来の砥粒脱落によるマイクロスクラッチや砥粒の欠陥部の微小破壊によるマイクロスクラッチの発生をなくすことができる。また、柱状ダイヤモンドどうしの間に所定の間隔を設けることによって、加工中の研磨液の流れを阻害することがなく、研磨液の凝集によるマイクロスクラッチの発生を防止することもできる。
【0014】
ここで、柱状ダイヤモンドを台金円周方向に配列した切刃列を台金半径方向に複数列形成し、前記複数列の切刃列の高さを台金外周から台金内周側に向かって順次高くし、頂点の切刃列を形成した後、切刃列の高さを台金内周に向かって順次低く形成した切刃形状とすることができる。このように切刃の形状を台金半径方向に中高状に形成することにより、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形に沿ってドレッシング加工できるため、削り残しがなく、加工能率が向上する。
【0015】
また、前記切刃列の柱状ダイヤモンドの上面と台金基準面とのなす角度を切刃列ごとに変化させ、台金半径方向にみた柱状ダイヤモンドの上面の連なりが山形状をなした切刃形状とすることができる。切刃の形状をこのように山形状に形成することにより、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形により良く沿ってドレッシング加工できるため、加工能率がさらに向上する。
【0016】
さらに、柱状ダイヤモンドの上面の稜部に面取り部を形成することにより切刃コーナ部が鈍角になり、切刃の強度が高くなって柱状ダイヤモンドの微小な欠けが発生しにくくなる。この面取りは必ずしも稜部の全周に形成する必要はなく、少なくとも回転方向の前方と外周側の稜部に形成すれば十分である。
【0017】
柱状ダイヤモンドの形状は角柱状または円柱状が適しており、断面寸法は対角線または外径が0.2〜4mmの範囲のものが適している。対角線または外径が0.2mmより小さいと柱状ダイヤモンドの強度が不足して折れやすく、設定できる柱状ダイヤの突出し量が小さくなるため研磨液の流れ改善効果が小さく、4mmより大きいと研磨布と柱状ダイヤモンドの接触が大きくなりすぎて研磨布の削れレートが小さくなる。
【0018】
本発明のドレッサの製造方法は、台金外周部の環状の盛り上げ部の形成工程および盛り上げ部への柱状ダイヤモンドの固着による切刃の形成工程が、従来のドレッサの製造方法と異なる。盛り上げ部の形状は柱状ダイヤモンドの形状寸法によっても変わるが、たとえばすべての柱状ダイヤモンドがほぼ同じ形状寸法である場合は、盛り上げ部は環状の平坦面を台金半径方向に階段状に形成した形状とし、この平坦面に柱状ダイヤモンドを所定の間隔でろう付けにより固着することにより、本発明のドレッサを製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1の(a)は本発明の実施形態におけるドレッサの台金の平面図、(b)は(a)のA−A線断面図であり、図2は図1(b)の部分拡大図である。
【0020】
本実施形態におけるドレッサ10は、円盤状の台金本体11の側面の外周部に階段状の盛り上げ部12を形成し、この盛り上げ部12に同心円状に4列の切刃列13a〜13dを形成している。この盛り上げ部12には、台金外周から台金内周側に向かって順次階段状に高くなる平坦面12a,12b,12cと、平坦面12cから台金内周に向かって階段状に低くなる平坦面12dとが形成され、これらの平坦面12a〜12dに、後述するように柱状ダイヤモンド14a〜14dがろう付けにより固着されている。なお図において符号16は、ドレッサをCMP加工機に固定するための取り付け用ねじ孔である。
【0021】
台金本体11はステンレス鋼製であり、各部の寸法は、外径100mm、内周部の厚さ5mm、盛り上げ部の幅12mm、平均厚さ6mm、平坦面の各段差は20μmである。
【0022】
つぎに切刃の形成について説明する。台金外周部の拡大断面図である図2に示すように、階段状に形成した平坦面12a〜12dの上面に、柱状ダイヤモンド14a〜14dがろう付けにより固着されている。柱状ダイヤモンド14a〜14dは平面視形状が一辺1.0mmの正方形で高さが1.2mmの合成単結晶ダイヤモンドである。柱状ダイヤモンド14a〜14dの上面の四辺の稜部には面取り部15が形成されている。この面取り部15は本実施形態では直線的な傾斜面であるが、円弧状の曲面としてもよい。
【0023】
ろう材による柱状ダイヤモンド14a〜14dの固着方法は通常の砥粒のろう付け法と基本的には同じであり、平坦面12a〜12dの上面にバインダーを塗布し、このバインダー塗布面に柱状ダイヤモンド14a〜14dを配置した状態で200℃、1時間加熱して柱状ダイヤモンド14a〜14dを仮固定し、その後Ti−Cu−Ag系ろう材とバインダーの混合物を柱状ダイヤモンド14a〜14dの約1/2高さまで塗布して、非酸化性雰囲気中で900℃、1時間加熱して柱状ダイヤモンド14a〜14dを平坦面12a〜12dの上面に本固定する。
【0024】
台金外周部の盛り上げ部12に柱状ダイヤモンド14a〜14dを規則的に配列してろう付けした切刃を形成することにより、柱状ダイヤモンド14a〜14dの脱落を防止することができ、また、切刃の形状を台金半径方向に中高状に形成することにより、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形に沿ってドレッシング加工できるため、削り残しがなく、加工能率が向上する。
【0025】
図3は柱状ダイヤモンドの上面に傾斜を形成した別の実施形態を示す図である。台金外周部における柱状ダイヤモンド17a〜17dの配列は図1の実施形態の場合と同じであるが、本実施形態では、各切刃列の柱状ダイヤモンド17a〜17dの上面と台金本体11の基準面とのなす角度を切刃列ごとに変化させ、台金半径方向にみた柱状ダイヤモンド17a〜17dの上面の連なりが山形状をなした切刃形状としている。切刃の形状をこのように山形状に形成することにより、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形により良く沿ってドレッシング加工できるため、加工能率がさらに向上する。
【0026】
〔試験例〕
図1の(a)に示す平面形状で図2に示す柱状ダイヤモンド形状のドレッサ(発明品1)と図3に示す柱状ダイヤモンド形状のドレッサ(発明品2)、および外周部断面形状を特開平10−277919号公報に記載の形状(図6参照)としたドレッサ(従来品1)と、外周部断面形状を特開平11−300600号公報に記載の形状(図5参照)としたドレッサ(従来品2)を用いてドレッシング試験を行った。試験条件は以下の通りである。
ドレッサ仕様:台金寸法 φ100×12W、発明品の柱状ダイヤモンド寸法□1.0×1.2L、従来品のダイヤモンド砥粒粒度 #100/120、ろう材 Ti−Cu−Ag系
使用機械:タクマ機
研磨パッド:発泡ポリウレタン 外径300mm
ドレッサ回転速度:20min−1
テーブル回転速度:30min−1
加工圧:200N
加工時間:20時間
【0027】
試験結果を表1に示す。
【表1】
【0028】
表1において、表中の各特性値は従来品1の測定値を100としたときの指数で表している。ここで、切れ味はドレッシング時の削れレートを指標とし、耐用は柱状ダイヤモンドの欠損またはダイヤモンド砥粒の摩耗によって削れレートが所定値を下回るまでのドレッサの使用時間を指標とし、加工精度は被加工材の加工精度を指標とした。表1からわかるように、柱状ダイヤモンドを用いた発明品1,2は、加工精度を維持したうえで従来品1,2に比して切れ味と耐用が大幅に向上している。とくに発明品2は、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形により良く沿ってドレッシング加工できるため、発明品1よりもさらに加工能率が向上している。
【0029】
【発明の効果】
(1)台金外周部の盛り上げ部に柱状ダイヤモンドを規則的に配列してろう付けした切刃を形成することにより、従来の砥粒脱落によるマイクロスクラッチや砥粒の欠陥部の微小破壊によるマイクロスクラッチの発生をなくすことができる。また、柱状ダイヤモンドどうしの間に所定の間隔を設けることによって、研磨液の凝集によるマイクロスクラッチの発生を防止することもできる。
【0030】
(2)台金円周方向に配列した複数列の切刃列の高さを台金外周から台金内周側に向かって順次高くし、頂点の切刃列を形成した後、切刃列の高さを台金内周に向かって順次低く形成した切刃形状とすることにより、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形に沿ってドレッシング加工できるため、削り残しがなく、加工能率が向上する。
【0031】
(3)切刃列の台金半径方向にみた柱状ダイヤモンドの上面の連なりが山形状をなした切刃形状とすることにより、ドレッサの切刃が研磨布の弾性変形により良く沿ってドレッシング加工できるため、加工能率がさらに向上する。さらに、柱状ダイヤモンドの上面の稜部に面取り部を形成することにより、負のすくい角が形成され、柱状ダイヤモンドの微小な欠けが発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の実施形態におけるドレッサの平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図2】 図1(b)の部分拡大図である。
【図3】 柱状ダイヤモンドの形状についての別の実施形態を示す部分拡大図である。
【図4】 従来のドレッサの一例とその使用状態を示す図である。
【図5】 従来のドレッサの改良例を示す図である。
【図6】 従来のドレッサの別の改良例を示す図である。
【符号の説明】
10 ドレッサ
11 台金本体
12 盛り上げ部
12a〜12d 平坦面
13a〜13d 切刃列
14a〜14d,17a〜17d 柱状ダイヤモンド
15 面取り部
16取り付け用ねじ孔
Claims (4)
- 円盤状台金の側面の外周部に環状に形成された盛り上げ部に切刃が形成されたCMP加工用ドレッサであって、前記盛り上げ部に柱状の合成単結晶ダイヤモンドまたは多結晶焼結体ダイヤモンドが台金円周方向に規則的に配列されてろう付けにより固着された切刃列を台金半径方向に複数列形成し、前記複数列の切刃列の高さを台金外周から台金内周側に向かって順次高くし、頂点の切刃列を形成した後、切刃列の高さを台金内周に向かって順次低く形成した切刃形状としたCMP加工用ドレッサ。
- 前記切刃列の柱状ダイヤモンドの上面と台金基準面とのなす角度を切刃列ごとに変化させ、台金半径方向にみた柱状ダイヤモンドの上面の連なりが山形状をなした切刃形状とした請求項1記載のCMP加工用ドレッサ。
- 前記柱状ダイヤモンドの上面の稜部に面取り部を形成した請求項1または2記載のCMP加工用ドレッサ。
- 前記柱状ダイヤモンドの形状が角柱状または円柱状である請求項1から3のいずれかに記載のCMP加工用ドレッサ。
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