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JP3669573B2 - 固定床触媒の寿命予測方法及び寿命予測プログラム - Google Patents
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固定床触媒の寿命予測方法及び寿命予測プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応器内の所定の箇所に固定床触媒が充填された触媒充填層の温度分布を測定することにより前記固定床触媒の寿命を予測する固定床触媒の寿命予測方法及び寿命予測プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固定床触媒は、化学産業において種々の用途に広く用いられている。例えば、反応器内の所定の箇所には、固定床触媒が充填された触媒充填層が設けられている。この反応器の入口から原料ガスを導入すると、出口から反応ガスが取り出される。原料ガスを導入することにより、固定床触媒上で化学反応が起こり、反応に伴う発熱や吸熱が起こる。一般に触媒は使用するにつれて、その活性を失う。経済的に成り立たない度合いまで活性が下がると、 寿命が来たものとして、入れ替えや再生が行われる。
かかる産業分野において、固定床触媒の寿命を予測することは重要である。その理由は、製品在庫等の生産管理をバランスよく行うことができるようにするためである。そこで、固定床触媒の寿命予測が行われており、触媒充填層の温度分布を測定して観察することで予測をすることが試みられている。先ほど説明したように原料ガスの導入により、固定床触媒上での化学反応による発熱や吸熱現象が生じ、触媒充填層の深さ方向に沿った温度分布は、劣化度合いが進行するにつれて変化してくる。したがって、この温度分布を測定して観測することにより、寿命予測を行うことができると考えられる。
【0003】
しかし、定量的な評価が難しいため、寿命予測の精度がよくないという問題がある。そこで、より精度のよい寿命予測を行うために、反応速度式モデル、触媒劣化速度式モデル、及び、伝熱計算モデルを構築した後に、シミュレーション計算により温度分布を計算し、これと実際に測定された温度分布と比較することで精度のよい予測が可能であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような計算モデルを構築するためには、数多くの劣化試験や化工計算により、計算用パラメータを特定する必要がある。これに要する時間と労力は、寿命予測を行う上で大きな妨げとなる。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、実現の困難な反応速度式モデル等の計算モデルを構築すること無しに、精度のよい寿命予測を行うことのできる固定床触媒の寿命予測方法及び寿命予測プログラムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る固定床触媒の寿命予測方法 は、
反応器内の所定の箇所に固定床触媒が充填された触媒充填層の温度分布を測定することにより前記固定床触媒の寿命を予測する固定床触媒の寿命予測方法であって、
予め、前記触媒充填層の温度分布曲線サンプルを劣化度合いの進行程度ごとに多数取得して保存しておくステップと、
寿命予測しようとする触媒充填層の温度分布曲線データを取得するステップと、
前記温度分布曲線データと多数の前記温度分布曲線サンプルとの相関係数を取得するステップと、
前記相関係数と前記劣化度合いとの組み合わせを取得するステップと、
取得された前記組み合わせに基づいて、前記相関係数と前記劣化度合いとの関係を表す近似曲線を取得するステップと、
この取得された近似曲線の極値を求めるべき劣化度合いとするステップとを有することを特徴とするものである。
【0007】
この構成による固定床触媒の寿命予測方法の作用・効果を、本発明の原理を説明する図1も利用しながら以下説明する。
【0008】
(1)まず、あらかじめ、触媒充填層の温度分布サンプルを劣化度合いの進行程度ごとに取得しておく。図1の例では、10%劣化のサンプルa、40%劣化のサンプルb、60%劣化のサンプルc、90%劣化のサンプルdの4つの(「多数の」に相当する。)温度分布サンプルが取得されている。このサンプルは、過去の運転実績から抽出するか、予め実験をすることで得ることができる。このサンプルは、横軸が温度を示し、縦軸が触媒充填層の深さ(測定位置)を示すグラフとなっている。
【0009】
(2)次に、寿命予測をしようとする触媒充填層の温度分布データを測定して取得する。これを図1にXで示す。温度分布サンプルも温度分布データも実体は同じものであり、識別するための用語として「サンプル」「データ」を付加する。
【0010】
(3)次に、温度分布データと多数の温度分布サンプルとの相関係数を取得する。相関係数とは、両グラフの近似度の高さを表わす指標であり、相関係数が高いほど両グラフはよく近似していることを示す。図1の例では、10%劣化のサンプルとの相関係数r2 =0.4、40%劣化のサンプルではr2 =0.9、60%劣化のサンプルではr2 =0.8、90%劣化のサンプルではr2 =0.2となっている。なお、相関係数は公知の数学的手法により求められる。すなわち
xとyの相関係数は、x,yの共分散をxの標準偏差とyの標準偏差の積で割ったものをいう。
【0011】
(4)次に、相関係数と劣化度合いとの組み合わせを取得する。図1の例では、(10%劣化:r2 =0.4)(40%劣化:r2 =0.9)(60%劣化:r2 =0.8)(90%劣化:r2 =0.2)であり、この組み合わせを図1に示すようなグラフに示すこともできる。
【0012】
(5)次に、組み合わせに基づいて相関係数が最大となる劣化度合いを取得する。例えば、上記求められた組み合わせのうち(40%劣化:r2 =0.9)の場合が最も相関係数が高い。従って、現在の劣化度合いは40%(又は、0.4)であると判断してもよい。しかし、より精度のよい劣化度合いを取得するには、次のような処理を実行する。
【0013】
すなわち、 上記取得された組み合わせは、グラフ上でプロットすることができ、このプロットされた各点を通る曲線(近似曲線)を求める。そして、この曲線を微分することにより、相関係数が極値(最大値)を取る場合の劣化度合いを演算により取得する。この劣化度合いは、図1のグラフではおよそ45%であり、より精度のよい劣化度合いを取得することが可能である。
【0014】
さて、以上の構成によれば、あらかじめ温度分布サンプルを取得して(記録媒体等に)保存しておけばよい。この温度分布サンプルと温度分布データとの相関係数を求めることにより、劣化度合いを判断する手法であるから、実現の困難な反応速度式モデル等の計算モデルを構築する必要はない。これにより、精度のよい寿命予測を行うことのできる固定床触媒の寿命予測方法を提供することができる。
【0015】
本発明の好適な実施形態として、前記温度分布曲線データを取得するステップと、前記相関係数を取得するステップと、前記組み合わせを取得するステップと、前記劣化度合いを取得するステップとを繰り返し実行することにより寿命を予測するステップを有するものがあげられる。
【0016】
すでに説明したステップ(2)〜(5)を繰り返して取得する。例えば、原料ガスの反応量が所定値になるごとに、劣化度合いを取得する。原料ガスの累計反応量が増えていけば、劣化度合いは進行する。よって、上記ステップを繰り返して、劣化度合いを取得することにより、劣化度合いが100%(寿命時期)となる時点を予測することが可能である。
【0017】
本発明の別の好適な実施形態として、前記温度分布サンプルは、操業条件ごとに求めておくことものがあげられる。
【0018】
操業条件、例えば、原料ガスの導入速度や導入量が異なると、触媒充填層の温度分布も異なってくると考えられる。そこで、操業条件ごとに温度分布サンプルを求めておくことにより、より精度の高い寿命予測を行うことができる。
【0019】
上記課題を解決するため本発明に係る固定床触媒の寿命予測プログラムは、
反応器内の所定の箇所に固定床触媒が充填された触媒充填層の温度分布を測定することにより前記固定床触媒の寿命を予測する固定床触媒の寿命予測プログラムであって、
予め、前記触媒充填層の温度分布曲線サンプルを劣化度合いの進行程度ごとに多数取得して保存しておく処理と、
寿命予測しようとする触媒充填層の温度分布曲線データを取得する処理と、
前記温度分布曲線データと多数の前記温度分布曲線サンプルとの相関係数を取得する処理と、
前記相関係数と前記劣化度合いとの組み合わせを取得する処理と、
取得された前記組み合わせに基づいて、前記相関係数と前記劣化度合いとの関係を表す近似曲線を取得する処理と、
この取得された近似曲線の極値を求めるべき劣化度合いとする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0020】
かかるプログラムをコンピュータにインストールすることにより、コンピュータに本発明による寿命予測方法を実行させることができる。なお、プログラムのコンピュータへのインストールは、適宜の方法により行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る固定床触媒の寿命予測方法の好適な実施形態を図面を用いて説明する。
【0022】
図2は、固定床触媒が充填された触媒充填層を有する反応器Aを示す図である。反応器Aの上部には、原料ガスを導入する導入部1が、下部には反応ガスが取り出される導出部2が設けられている。反応器Aの上下方向のほぼ中央部には、触媒充填層3が設けられる。触媒充填層3には、多数(数千本オーダー)のチューブが上下方向に沿って配置されている。このチューブの内部に固定床触媒が充填されている。
【0023】
導入部1から原料ガスが導入されると、固定床触媒上での化学反応により、導出部2から反応ガスが取り出される。上記固定床触媒上での化学反応に伴い、発熱や吸熱現象が起こる。この発熱や吸熱に伴って、触媒充填層には温度分布が生じる。その温度分布の例を図2(b)のグラフに示す。このグラフにおいて、横軸は温度を表わし、縦軸は触媒充填層の上下(深さ)方向の座標(すなわち 温度測定位置)を示す。固定床触媒を充填した直後は、触媒充填層の上層の方で主に反応が起こるために、(b)のグラフに示すように上層の方に温度分布のピークが見られる。そして、固定床触媒を使用しているうちに、この温度分布のピークは徐々に下方に下がってくる。すなわち、 劣化度合いが進行していくにつれて、温度分布のピークは徐々に下方に移動していく傾向にある。このように、温度分布曲線から劣化度合いを知ることが可能である。
【0024】
そこで、触媒充填層の温度分布を測定するために触媒充填層のなかに熱電対による温度計18が設けられている。本実施形態では、上下方向の15箇所の温度を測定できるようにしている。
【0025】
<固定床触媒の寿命予測装置>
図3は、本発明に係る固定床触媒の寿命予測方法を実現するためのコンピュータ(寿命予測装置)の構成を示す図である。
【0026】
CPU10は、固定床触媒の寿命を予測するための寿命予測プログラムを実行するにあたり、各部の作動制御を行う。モニター11は、寿命予測を行うにあたり、各種の演算結果や寿命予測結果をグラフ等を利用してモニター画面に表示させる。キーボード12及びマウス13は、各種データを入力したり、プログラムの実行開始入力等のために用いられる。RAM14には、寿命予測プログラムを実行するために、プログラムを格納する。
【0027】
温度分布サンプルファイル15には、寿命予測を行おうとする固定床触媒の温度分布サンプルが多数格納(保存)されている。このサンプルは劣化度合いの進行程度ごとに格納される。本実施形態では、劣化度合いが0.00,0.01,0.02,0.03,0.05,0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1.0の15種類の温度分布サンプルを予め測定しておく。
【0028】
劣化度合いの定義について説明する。上記の劣化度合いは、完全に劣化した状態を1.0(100%)で表現している。例えば、100日で劣化するものと仮定すれば、10日目は劣化度合い0.1(10%)、50日目は0.5(50%)である。なお、日にちで表現するのではなく、完全に劣化した状態の累計反応量を1.0で表現してもよい。劣化度合いの定義は、管理上の都合等を考慮して適宜に決めることができる。
【0029】
また、上記説明においては、劣化度合いが初期の段階(上記例では0.1以下)のサンプルの取り方は、劣化度合いが中期・末期の段階に比べてサンプルの取り方に比べて、密度が高く(劣化度合いの間隔が小さい)なっている。上記の例では、初期の段階では0.01間隔で温度分布サンプルを用意している。また、中期・末期の段階では0.1間隔でサンプルを用意している。これは、初期の段階の方が、中期・末期に比べて温度分布の変化が大きいからである。このように、劣化度合いの進行程度ごとに温度分布サンプルを取得しておく場合に、どのような間隔で用意しておくかは、温度分布の変化の度合いに応じて適切に設定することができる。これにより、精度のよい寿命予測を行うことができる。
【0030】
なお、固定床触媒の種類が異なれば温度分布も異なってくるので、必要な種類の分だけ用意しておく。また、操業条件が異なると、温度分布も異なってくると考えられるので、操業条件ごとに用意しておくことが好ましい。操業条件とは、例えば、原料ガスの導入速度や導入量があげられる。
【0031】
図3に戻り、温度分布データファイル16には、寿命予測を行おうとする触媒充填層の温度分布データが格納される。この温度分布データは、後述するように、温度分布サンプルと比較される。温度計18は、先ほど説明したように、反応器Aの触媒充填層3の中に挿入されて温度を測定する。この温度データは、インターフェイス19を介してA−D変換された後に、所定のファイル形式で温度分布データファイル16に格納される。
【0032】
寿命予測プログラム17には、固定床触媒の寿命予測を行うためのプログラムが格納されている。このプログラムが有する機能の一部が図3に例示されている。まず、相関係数取得手段17aは、温度分布サンプルと温度分布データとを対比して相関係数を取得する。組み合わせ取得手段17bは、相関係数と劣化度合いとの組み合わせを取得する。劣化度合い取得手段17cは、相関係数と劣化度合いとの組み合わせのデータから、現時点での劣化度合いを取得する。グラフ作成手段17dは、モニター11に演算結果をグラフで表示させるためのグラフ化機能を備えている。
【0033】
以上説明した、温度分布サンプルファイル15、温度分布データファイル16、寿命予測プログラム17は、ハードディスク等の記録媒体に格納されており、プログラムを実行するにあたり必要に応じてRAM14に格納される。また、図3にはデータバス20が示されている。
【0034】
<寿命予測方法の手順>
次に、寿命予測を行う場合の手順を説明する。図4は、寿命予測を行う場合の手順を示すフローチャートである。
【0035】
まずは、寿命予測を行おうとする固定床触媒が充填された触媒充填層について、予め温度分布サンプルを取得しておく(#1)。この温度分布サンプルの例を図5に示す。ここには、ある固定床触媒に関して4通りの温度分布サンプルが示されている。各グラフにおいて、横軸は温度データを取得した測定位置を示す。グラフ中の原点(左端)は、触媒充填層の一番上の位置であり、右端は触媒充填層の一番下の位置である。グラフ中に、○で示されるのが測定ポイントを示す。グラフの縦軸は、温度(℃)を示す。図5において、(a)は劣化度合い0.1(10%)、(b)は劣化度合い0.2(20%)、(c)は劣化度合い0.5(50%)、(d)は劣化度合い1.0(100%)の場合のグラフを図示している。これらのデータは、温度分布サンプルファイル15に格納されている。この図5からも分かるように、温度分布中に現れるピーク位置は、劣化度合いが進行していくにつれて、右側に移行する。また、劣化度合いが進行して中期・末期になると、ピーク位置が明確に現れなくなるという傾向も示す。
【0036】
次に、寿命予測を行おうとしている触媒充填層の温度分布データを温度計18により測定して、温度分布データファイル16に格納する(#2)。この温度分布データをグラフ化したものが図6に示される。このグラフの縦軸及び横軸のパラメータは図5と同じである。
【0037】
次に、取得された温度分布データと、予め取得してある温度分布サンプルのそれぞれとの相関係数を求める。温度分布サンプルと温度分布データとの類似度が高ければ高いほど相関係数は大きくなる。相関係数は、0〜1.0までの数値で表現することができ、相関係数が1.0であれば、温度分布サンプルと温度分布データとは全く同じデータ分布(曲線)を示すことになる。なお、相関係数を求めるための演算式は周知であり、その説明は省略する(#3)。
【0038】
次に、取得された相関係数と劣化度合いとの組み合わせを取得する(#4)。これを図7に示す。図7(a)は表として組み合わせ結果を示したものである。この表によると、例えば、劣化度合い0.01の温度分布サンプルと、図6の温度分布データとの相関係数は、0.195となっている。図7(b)は、(a)に示される組み合わせ結果をグラフ化したものである。プロットした点は、グラフ中において、□で示される。このグラフの横軸は、劣化度合いを示し、縦軸は、相関係数を示している。以上のように、組み合わせを表わすには、(a)のような表形式でもよいし、(b)のようなグラフ形式でもよい。
【0039】
次に、図7に示される組み合わせ結果に基づいて、相関係数が最大となる場合の劣化度合を取得する(#5)。図7(a)においては、相関係数が最も高くなるのは劣化度合いが0.3の場合であり、このときの相関係数は0.945となっている。従って、この場合の劣化度合いは0.3であると判断をしてもよく、これも本発明の枠内に入る。しかし、以下のような手順を行うことにより、より精度のよい劣化度合いを取得することができる。
【0040】
まず、図7(b)の各プロット点を多項式により近似する。この図では15のプロットがあるが、これをすべて考慮すると、近似多項式が複雑化すると共に、相関係数の低い部分はノイズ成分(この部分を考慮しても精度は上がらない。)となる。そこで、近似式に回帰する場合には、相関係数の低いプロットは考慮せず、相関係数の高い部分のみを考慮して近似式に回帰する。
【0041】
そこで、図7(b)に黒い四角で示すように、相関係数が最も高い点と、その点の前後の点の合計3点を抽出し、この3点を通る多項式(二次曲線)を演算して求める。この演算式は、
Figure 0003669573
で示される。ただし、xは劣化度合い、yは相関係数を示す。次に、この二次曲線を微分することで、相関係数が極値(最大値)となる劣化度合いの値を求める。上記式の場合、x=0.28となる。この数値を元に、固定床触媒の寿命予測を行うことができる。ただし、より精度の高い寿命予測を行うためには、上記のステップ#2〜#5を繰り返して行う。繰り返して温度分布データを取得するときの、測定間隔は適宜設定することができる。
【0042】
図8は、固定床触媒を使用開始してからの劣化度合いの推移を示すグラフである。上記ステップを繰り返すことで、係るグラフを取得することができる(#6)。なお、このグラフにおいて、横軸は累計反応量(kg)を示し、縦軸は劣化度合いを示す。図8からも分かるように、累計反応量が増えていくほど劣化度合いが進行していくことが理解される。そして、このグラフからも分かるように、累計反応量と劣化度合いとの関係は、ほぼ直線関係にある。そこで、各プロット点を元にして近似直線式を求めることができる。この直線から、劣化度合いが1.0となる場合の累計反応量を演算で求めることにより、固定床触媒の寿命予測を行うことができる。
【0043】
<別実施形態>
本発明が適用される固定床触媒は特定の種類に限定されるものではなく、反応器の構造についても特定のものに限定されるものではない。温度分布サンプルをどの程度細かく取得しておくかについては、適宜設定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図
【図2】反応器の構成及び温度分布を示す図
【図3】本発明に係る固定床触媒の寿命予測方法を実現するためのコンピュータの構成を示す図
【図4】寿命予測を行う場合の手順を示すフローチャート
【図5】温度分布サンプルの例を示す図
【図6】温度分布データのグラフを示す図
【図7】相関係数と劣化度合いの組み合わせを取得した結果を示す図
【図8】固定床触媒を使用開始してからの劣化度合いの推移を示すグラフ
【符号の説明】
A 反応器
3 触媒充填層
15 温度分布サンプルファイル
16 温度分布データファイル
17 寿命予測プログラム
17a 相関係数取得手段
17b 組み合わせ取得手段
17c 劣化度合い取得手段
18 温度計

Claims (4)

  1. 反応器内の所定の箇所に固定床触媒が充填された触媒充填層の温度分布を測定することにより前記固定床触媒の寿命を予測する固定床触媒の寿命予測方法であって、
    予め、前記触媒充填層の温度分布曲線サンプルを劣化度合いの進行程度ごとに多数取得して保存しておくステップと、
    寿命予測しようとする触媒充填層の温度分布曲線データを取得するステップと、
    前記温度分布曲線データと多数の前記温度分布曲線サンプルとの相関係数を取得するステップと、
    前記相関係数と前記劣化度合いとの組み合わせを取得するステップと、
    取得された前記組み合わせに基づいて、前記相関係数と前記劣化度合いとの関係を表す近似曲線を取得するステップと、
    この取得された近似曲線の極値を求めるべき劣化度合いとするステップとを有することを特徴とする固定床触媒の寿命予測方法。
  2. 前記温度分布曲線データを取得するステップと、前記相関係数を取得するステップと、前記組み合わせを取得するステップと、前記劣化度合いを取得するステップとを繰り返し実行することにより寿命を予測するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の固定床触媒の寿命予測方法。
  3. 前記温度分布曲線サンプルは、操業条件ごとに求めておくことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定床触媒の寿命予測方法。
  4. 反応器内の所定の箇所に固定床触媒が充填された触媒充填層の温度分布を測定することにより前記固定床触媒の寿命を予測する固定床触媒の寿命予測プログラムであって、
    予め、前記触媒充填層の温度分布曲線サンプルを劣化度合いの進行程度ごとに多数取得して保存しておく処理と、
    寿命予測しようとする触媒充填層の温度分布曲線データを取得する処理と、
    前記温度分布曲線データと多数の前記温度分布曲線サンプルとの相関係数を取得する処理と、
    前記相関係数と前記劣化度合いとの組み合わせを取得する処理と、
    取得された前記組み合わせに基づいて、前記相関係数と前記劣化度合いとの関係を表す近似曲線を取得する処理と、
    この取得された近似曲線の極値を求めるべき劣化度合いとする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする固定床触媒の寿命予測プログラム。
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