JP3669855B2 - コンバインの運転部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転座席を支持する座席支持台と、この座席支持台の前方に位置する操縦塔と、座席支持台と操縦塔の間に位置するサイドカバーとによって囲われる居住空間を備えているコンバインの運転部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記コンバインにおける従来の運転部は、運転部床の床面が狭ければ、居住空間の上側での平面積も床面積と同程度の狭い面積になるものであった。また、居住空間が平面視で矩形のものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
たとえば運転部から穀稈の搬送状況を知るなど刈取り部を見る場合、身体を刈取り部に近づけるほど見やすくなる。ところが、従来、運転部床の床面が狭いものの場合、刈取り部に近づけにくくなっていた。
本発明の目的は、運転部床の広さの割りには身体を刈取り部などに近づけやすくできるコンバインの運転部構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】
〔構成〕
運転座席を支持する座席支持台と、この座席支持台の前方に位置する操縦塔と、座席支持台と操縦塔の間に位置するサイドカバーとによって囲われる居住空間を備えているコンバインの運転部構造において、
前記サイドカバーの内側面を、運転部床の床面上からサイドカバーの上端に至るまで、サイドカバーの上端に至るほどより居住空間外方側に位置する状態に傾斜した傾斜面に形成
して、前記居住空間の前記サイドカバーの上端と等しいレベルにおける平面積が運転部床の床面積より大である状態に構成し、前記サイドカバーの後部側に、中空部を備えた後側サイドカバー部分を一体形成し、操作レバーを案内するガイド溝を備えた操作レバーガイドを、前記中空部を形成している中空部周囲の後側サイドカバー部分の上部と前記座席支持台の天板部とに渡って連結してある。
【0006】
〔作用〕
刈取り部を見通すなど上半身を居住空間から外側に突き出す際、居住空間のサイドカバー上端レベルにおける平面積が床面積と同一である従来によるものと、居住空間のサイドカバー上端レベルにおける平面積が床面積より大である本発明によるものとでは、床面積が同一であっても、本発明によるものの方が、居住空間上側と床面との面積差による分だけより外側に遠くまで突き出しやすくなる。
【0007】
〔効果〕
運転部床面が比較的狭くて走行機体の機体フレーム上の狭いスペースにも設置しやすいものにしながら、床面積の割りには、身体を刈取り部により接近させて刈取り部を広範囲にわたって容易に見通すことができるなど、有利に作業できるものになった。
【0008】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】
〔構成〕
請求項1による発明の構成において、前記座席支持台と前記操縦塔との間に位置する運転部床を備え、前記座席支持台と前記サイドカバーと前記操縦塔と前記運転部床とを、一つの構造体を形成する状態でこの構造体の前端側に位置する機体横向きの軸芯まわりで揺動自在に走行機体フレームに支持されるとともに、座席支持台が走行機体フレームに連結する使用状態と、座席支持台が走行機体フレームから上昇離間する開き状態とに一挙に揺動切り換えできるように構成してある。
【0010】
〔作用〕
通常時は座席支持台によって覆われる走行機体側部分を開放する際、座席支持台、運転部床、操縦塔、サイドカバーのそれぞれを一体にこの一つの構造体の前端側に位置する軸芯まわりで機体フレームに対して揺動させ、前記走行機体側部分が大きく開放するとともにその付近も開放し、さらには、その開放部分を修理や点検する際の障害物が開放部分の横外側に存在しない状態に開放することを可能にするものである。
また、座席支持台を開き状態にすると、サイドカバーも上昇揺動することにより、通常時にはサイドカバーに対して運転部側とは反対側に位置している伝動装置や刈取り部の装置部分も運転部側から点検や修理できるように開放できる。
【0011】
〔効果〕
座席支持台をエンジンボンネットに兼用してカバーする原動部を点検や修理するとか、座席支持台やサイドカバーに対して運転部側と反対側に位置する伝動装置とか刈取り部の装置部分を点検や修理するとかの際、その原動部や装置部分を大きく、かつ、点検や修理の障害物がないように開放にして楽に能率よく点検や修理作業できるように、メンテナンス面でも有利なものに得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に示すように、クローラ式走行装置1によって自走し、かつ、運転座席11が備えられている運転部10、運転座席11の下方に位置するエンジン2が備えられている原動部をそれぞれ有する走行機体の運転部10の横側に、引き起こし装置21、防塵カバー22が備えられている刈取り部20を昇降操作自在に取り付け、この刈取り部20の後側に位置する脱穀装置3、及び、運転部10の後側に位置する樹脂製の穀粒タンク4を前記走行機体に設け、脱穀装置3の後側に排ワラ処理装置5を設け、穀粒タンク4の底側が連結する底スクリューケース6の後部に穀粒搬出装置7を連結して、コンバインを構成してある。
【0013】
すなわち、刈取り部20は、稲などの植立穀稈を前記引き起こし装置21によって引き起こし処理するとともにバリカン型刈取り装置23によって刈取り処理し、刈取り穀稈を前記防塵カバー22の下方に位置する縦搬送装置(図示せず)によって搬送して脱穀装置3の脱穀フィードチェーン3aの始端部に供給する。このとき、塵埃が飛散することを前記防塵カバー22によって防止する。
【0014】
脱穀装置3は、脱穀フィードチェーン3aによって刈取り穀稈の株元側を挟持搬送させながら穂先側を脱穀部に供給して脱穀処理し、脱穀粒を前記穀粒タンク4に供給し、脱穀排ワラを前記排ワラ処理装置5に供給する。この排ワラ処理装置5は、細断処理状態に切り換え操作されることによって脱穀排ワラを細断して圃場に放出していき、長ワラ処理状態に切り換え操作されることによって脱穀排ワラを長ワラ状態のままで圃場に放出していく。穀粒搬出装置7は、前記底スクリューケース6の内部に位置する底スクリュー6aに接続する縦スクリューコンベア7aと、この縦スクリューコンベア7aの上端側に接続する横スクリューコベア7bとで成り、底スクリュー6aからの脱穀粒を縦スクリューコンベア7aによって揚送して横スクリューコンベア7bに供給し、この横スクリューコンベア7bの吐出口7cから排出する。
【0015】
図3及び図5に明示するように、前記運転部10には、座席支持台12、この座席支持台12の天板部12aの上面側に連結している前記運転座席11、座席支持台12の前方に位置する操縦塔13、座席支持台12と操縦塔13の間に位置する運転部床14、座席支持台12と操縦塔13の左横端どうしの間に位置して刈取り部20や原動部で発生する塵埃や駆動音とか熱気が運転部10の居住空間に入りにくいようにこの居住空間の下側の刈取り部側を覆うサイドカバー15、このサイドカバー15の上端側と前記座席支持台12の天板部12aとにわたって連結している操作レバーガイド16、この操作レバーガイド16の前端と操縦塔13の左横端との間に位置する運転パネル17、座席支持台12と操縦塔13とサイドカバー15とによって囲われた下部側の居住空間Sと、運転座席11を備える上部側の居住空間とで成る操縦用の居住空間、座席支持台12と操縦塔13の右横端どうしの間に位置する乗降口のそれぞれを備えてある。
【0016】
操縦塔13には、刈取り部20の昇降操作と走行機体の操向操作とを行う操作レバー30、操縦者が身体の安定化を図るべく支持する握り棒31を取り付けてある。操作レバーガイド16には、走行用主変速装置を操作する主変速レバー32、走行用副変速装置を操作する副変速レバー33、脱穀クラッチを切り換え操作する脱穀レバー34それぞれの操作を案内するガイド溝を備えてある。運転パネル17には、排ワラ処理装置5の排ワラカッターにワラ詰まりが発生すると点灯して警報する詰まり警報ランプ、穀粒タンク4が満杯になると点灯して報知する満杯ランプ、エンジン冷却水が異常に温度上昇すると点灯して警報する水温ランプ、エンジンオイルが減少すると点灯して警報するオイルランプ、バッテリーの充電不良が発生すると点灯して警報する充電ランプ、エンジン2の負荷状態を示すエンジン回転計と負荷表示部を備えてある。
【0017】
前記運転部床14の床面14aのうちの操縦塔13の下方に位置する前端面部分14bを、機体前方側ほど高レベルに位置する前上がり傾斜面に形成してある。
【0018】
前記座席支持台12は、前記原動部にエンジン2の燃焼用空気を吸引させる上向き吸気口35a及び前向き吸気口35bを備える吸気塔35が後端側に連結するように、かつ、前記運転座席11を上面側に取り付けるように構成した前記天板部12aと、この天板部12aの前端部に上端部が連結し、下端側が前記運転部床14に連結するように構成した前側壁部12bと、前記吸気塔35が後端側に連結するように、かつ、運転座席11の右横側を覆うように、さらに、前記天板部12aと前側壁部12bとによって囲われる空間の右横側を覆うように構成した横外側壁部12cとによって構成してある。横外側壁部12cには、運転部に乗降する際などに使用する握り部Gを形成する貫通孔Hを備えてある。
【0019】
図6に示すように、前記天板部12aは、原動部の上方を覆うとともに中空部K1を備えるように形成してある。前記前側壁部12bは、原動部の機体前方側を覆うとともに原動部にエンジン2の燃焼用空気を吸引させる吸気口A1を備えように形成してある。前記横外側壁部12cは、原動部の機体横外側を覆うように形成してある。
【0020】
すなわち、座席支持台12が、エンジンボンネットになり、原動部で発生するエンジン2の駆動音や放熱が天板部12aの中空構造による遮音や遮熱作用で居住空間に伝わりにくくしながら、かつ、エンジン燃焼用空気が前側壁部12bから吸引されることを可能にしながらエンジン2の上方、機体前方側、機体横外側を覆うようにしてある。
【0021】
座席支持台12の下端側と運転部床14の後端側とを連結し、操縦塔13の下端部に備えてある左右一対の連結部31aによって操縦塔13と運転部床14の前端部とを連結し、サイドカバー15は、座席支持台12の天板部12aと操縦塔13の横側とにわたって連結しているとともに運転部床14にも連結している。前記連結部31aを、走行機体の機体フレーム8の前端部から延出するとともに前記一対の連結部31a,31aの間に入り込むように構成した取付け部8aに機体横方向の軸芯Pまわりで回動自在に連結してある。これにより、座席支持台12と運転部床14と操縦塔13とサイドカバー15とが、一つの構造体を形成しているとともにこの構造体の前端側に位置する機体横向きの前記軸芯Pまわりで揺動するように機体フレーム8に支持されていて、座席支持台12と運転部床14と操縦塔13とサイドカバー15とを一挙に機体フレーム8に対して揺動操作できるとともに、この揺動操作を行うことにより、図1及び図3に示す如く座席支持台12が機体フレーム8に連結して原動部を覆う使用状態と、図4に示す如く座席支持台12が機体フレーム8から上昇離間して原動部を開放する開き状態とに切り換えられる。
【0022】
すなわち、通常時は、座席支持台12を前記使用状態にして運転座席11の使用を可能にするとともにエンジンボンネットとして使用する。そして、原動部や、刈取り部20の前記縦搬送装置などサイドカバー15で覆われる装置部分を点検したり修理する際、座席支持台12を前記開き状態に切り換え、原動部を開放するとともに刈取り部20の前記装置部分の横側を開放する。このとき、主変速レバー32、副変速レバー33、脱穀レバー34は、上昇揺動する操作レバーガイド16のガイド溝から抜け外れる。
【0023】
前記座席支持台12の天板部12a、前側壁部12b、横外側壁部12c、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15、操作レバーガイド16、吸気塔35のそれぞれは、合成樹脂で作成してある。
【0024】
図7及び図9に示すように、前記サイドカバー15の内側面のうちの段差形成面部分15aより前側に位置する前内側面部分15bと、段差形成面部分15aより後側に位置する後内側面部分15cとを、機体上下方向視で凸側が前記下部側居住空間Sの外側に位置する凹入形状の湾曲面となり、かつ、サイドカバー15の上端15uに至るほど前記下部側居住空間Sの外側に位置する傾斜面となるように形成し、図5及び図8に示す如く前記下部側居住空間Sのサイドカバー15の上端15uと等しいレベルにおける平面積SUが運転部床14の床面14aの面積FSより大になるように構成し、かつ、前記下部側居住空間Sの刈取り部30側に位置する居住空間部分SAがサイドカバー15の上端15uと等しいレベルにおいて機体上下方向視で凸側が居住空間外側に位置する状態で湾曲している凹入湾曲形状の居住空間部分になるように構成してある。前記操作レバーガイド16の下部側居住空間Sに対向する側縁のうちのサイドカバー15の前記段差形成面部分15aに対応する段差形成側縁分16aより前側に位置する前側縁部分16bを、サイドカバー15の前記前内側面部分15bの上端に沿って湾曲する湾曲形状に形成し、前記操作レバーガイド16の下部側居住空間Sに対向する側縁のうちの前記段差形成側縁分16aより後側に位置する後側縁部分16cを、サイドカバー15の前記後内側面部分15cの上端に沿って湾曲する湾曲形状に形成し、刈取り部20を見るなどの際、身体を操作レバーガイド16が障害物にならないようにして前記下部側居住空間部分SAに位置させて刈取り部30に極力寄せることを可能にしてある。
【0025】
図7に示すように、前記サイドカバー15を形成する際、このサイドカバー15のうちの前記段差形成面部分15aを有するとともに機体後方側に位置する後側サイドカバー部分15dが中空部K2を備える二重板状になり、この後側サイドカバー部分15dと操縦塔13との間に位置する前側サイドカバー部分15eが中実の板状になり、前側サイドカバー部分15eの居住空間内外方向での厚さが後側サイドカバー部分15dの居住空間内外方向での厚さよりも小になり、後側サイドカバー部分15dの外側面が前側サイドカバー部分15eの外側面よりも下側居住空間Sの外方側に突出するように形成してある。これにより、原動部で発生するエンジン2の駆動音や放熱が後側サイドカバー部分15dの中空構造による遮音や遮作用で居住空間Sに伝わりにくい状態にサイドカバー15が遮蔽作用する。その割りには、前側サイドカバー部分15eと後側サイドカバー部分15dとの厚さの差と、外側面の段差とにより、サイドカバー15が極力コンパクトになり、下側居住空間Sが極力広くなる。
【0026】
図9に示すように、操作レバーガイド16の上面のうちの主変速レバー32、副変速レバー33、脱穀レバー34それぞれのためのガイド溝を備える上面部分16dを、運転座席11の方から見やすいように居住空間側ほど低レベルに位置する傾斜面に形成してある。
【0027】
〔別実施形態〕
前記座席支持台12の天板部12a、前側壁部12b、横外側壁部12c、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15、操作レバーガイド16、吸気塔35のそれぞれを合成樹脂で作成して実施するに当たり、それらを個別に作成して連結する他、それらの一部の複数個をブロー成型法によって一挙に作成するとともにこの一体部品とは別にその他を作成した後にそれらを連結するとか、それらの全てをブロー成型法によって一挙に作成するとかの各種の作成方法を採用して実施してもよい。
【0028】
座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15、操作レバーガイド16のそれぞれは、合成樹脂で作成する他、板金で作成して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバイン全体の側面図
【図2】 コンバイン全体の平面図
【図3】 運転部の斜視図
【図4】 座席支持台の開き状態を示す側面図
【図5】 運転部の平面図
【図6】 座席支持台及び吸気塔の断面図
【図7】 サイドカバーの断面図
【図8】 床面及び居住空間の平面積の説明図
【図9】 座席支持台の正面図
【符号の説明】
8 機体フレーム
11 運転座席
12 座席支持部材
13 操縦塔
14 運転部床
15 サイドカバー
15u サイドカバーの上端
15b,15c サイドカバーの内面部分
16 操作レバーガイド
16b,16c 操作レバーガイドの側縁部分
P 軸芯
S 居住空間
SU 居住空間の平面積
FS 床面積
SA 居住空間部分
Claims (2)
- 運転座席(11)を支持する座席支持台(12)と、この座席支持台(12)の前方に位置する操縦塔(13)と、座席支持台(12)と操縦塔(13)の間に位置するサイドカバー(15)とによって囲われる居住空間(S)を備えているコンバインの運転部構造であって、
前記サイドカバー(15)の内側面を、運転部床(14)の床面上からサイドカバー(15)の上端に至るまで、サイドカバー(15)の上端に至るほどより居住空間(S)外方側に位置する状態に傾斜した傾斜面に形成して、前記居住空間(S)の前記サイドカバー(15)の上端と等しいレベルにおける平面積が運転部床(14)の床面積より大である状態に構成し、
前記サイドカバー(15)の後部側に、中空部(K2)を備えた後側サイドカバー部分を一体形成し、
操作レバーを案内するガイド溝を備えた操作レバーガイド(16)を、前記中空部(K2)を形成している中空部周囲の後側サイドカバー部分の上部と前記座席支持台(12)の天板部(12a)とに渡って連結してあるコンバインの運転部構造。 - 前記座席支持台(12)と前記操縦塔(13)との間に位置する運転部床(14)を備え、前記座席支持台(12)と前記サイドカバー(15)と前記操縦塔(13)と前記運転部床(14)とを、一つの構造体を形成する状態でこの構造体の前端側に位置する機体横向きの軸芯まわりで揺動自在に走行機体フレーム(8)に支持されるとともに、座席支持台(12)が走行機体フレーム(8)に連結する使用状態と、座席支持台(12)が走行機体フレーム(8)から上昇離間する開き状態とに一挙に揺動切り換えできるように構成してある請求項1記載のコンバインの運転部構造。
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