JP3670064B2 - 生体用光線照射装置及びそのランプ - Google Patents
生体用光線照射装置及びそのランプ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体、畜産動物の治療或は美容や保健、娯楽を目的として光線を照射するための生体用光線照射装置及びそのランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置としては、例えば特開平1−221179号公報等によりカーボンのアーク放電を発光源にした治療器が周知であり、広く家庭保健器具として使用されている。このカーボンアーク放電光は、赤外線或は遠赤外線治療器及び紫外線治療器に対して、太陽光に近い光スペクトル範囲を有することにより所謂総合光線特性を呈する。これにより、赤外線〜遠赤外領域における温熱作用や近紫外領域でのビタミンD合成作用、皮膚への作用に加え、可視領域の優れた自然治癒力の活性化効果が利用でき、これらの相乗作用によって種々の疾患の治療或は健康の保持に適用可能となる。可視光については、赤領域は鎮痛、消炎、解毒、循環改善等に、黄領域は深部に対する作用が比較的強いために新陳代謝の促進、消炎、硬結の吸収等に、青〜紫領域は慢性的疾患、特に麻痺性の疾患や皮膚疾患等にそれぞれ有効である。このような特性に応じてカーボンに種々の金属もしくは金属塩を混入させて用意しておき、発生するスペクトルを疾患に応じて適宜選択させることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなカーボンアーク放電式の生体用光線照射装置を使用する場合、アーク放電を安定させるために放電間隙の調整が頻繁に必要となり、また5〜6時間ごとにカーボンの取り替えが必要であり、使用上の簡便さに欠ける問題がある。さらに、カーボンの燃焼かすによる汚染のためにフロントガラス等の光学系を使うことができず、したがって赤熱したカーボンが折損、或は飛ぶことによる火傷、火災等の事故につながったり、下方へ向けての照射も不可能である。加えて、室内空気の汚染が長時間になると、治療者の健康上或は呼吸器系疾患の患者にとって問題となる可能性がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、遠赤外から可視光を含んで近紫外に至る光線を照射でき、しかも安全性及び保守上も有利な応用範囲の広い生体用光線照射装置及びそのランプを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成に際して、光線治療用の標準的なカーボンアーク放電のスペクトルを解析すると、図17に示すように、波長の増加に伴って単調に発光強度が増加するバックグラウンドと金属塩に由来する線スペクトルもしくは線近似の幅狭のスペクトルが重なった特性になる。一方、図18は黒体輻射のスペクトル特性を示すもので、この特性と照合すると、カーボンアーク放電は、カーボンロッドの先端の赤熱した個所での黒体温度約2000Kのスペクトルに相当するバックグラウンド成分に、紫外線から可視光線領域について原子スペクトルの特徴を残した幅狭のスペクトルが重畳するような特性になることが解る。但し、カーボンアーク放電の特性は、図示の標準的な特性に対してカーボンの種類、放電状態等により変化するが、いずれにしても可視領域から波長が短くなるのに伴って徐々にスペクトル強度が低下すると共に、線もしくは線近似のスペクトルが重畳した特性になる。
【0006】
そこで、本発明はこのようなスペクトル特性が、黒体輻射を行う白熱発光と、発光管での原子発光による紫外線から可視光領域の放電発光との合成により得られる可能性があるのに着眼したもので、請求項1により、近紫外領域から遠赤外領域にわたるスペクトルを有する光線を発光源から生体の治療部位に照射するようになった光線治療器において、発光源として、白熱発光源と、発光管中の気体の放電発光により少なくとも近紫外領域から可視領域にわたり連続するスペクトルを有する放電発光を行う放電発光源とを、スタンドに位置調整可能に取付けたハウジング内に白熱発光源及び放電発光源の照射光が混合されるように設け、放電発光源として紫外線カットフィルタが前置されたメタルハライドランプを用いる特徴とする。
【0007】
請求項1において、白熱発光源は遠赤外領域から可視領域或は近紫外領域にわたるスペクトルを含む連続スペクトル光を放射する。その際、白熱発光源の固有の性質により可視領域において波長が短くなるのに伴ってスペクトル強度は徐々に低下し、近紫外領域では一層低下或は零になる。一方、放電発光源としてのメタルハライドランプは、遠赤外領域よりも波長の短い可視領域及び近紫外領域において線スペクトル、僅かに幅の広い線近似のスペクトル又はより幅の広いバンド(帯)スペクトル、或はこの各バンドスペクトルのすそ部分が低いレベルで順に重なって連続する準連続スペクトルの発光を行い得ると共に紫外線の照射はカットされる。したがって、白熱発光源の波長が短くなるのに伴ってスペクトル強度が低下する領域の発光が、放電発光源の発光により補償されることにより、遠赤外線領域から近紫外領域にわたり少なくとも炭素アークランプに類似したスペクトル特性の混合光線の照射が行われる。照射方向はハウジングの位置調整で設定される。光線平均照射光密度の照度を通常と同様に200mW/cm2 〜10mW/cm2 にして治療部位に照射される。炭素アークランプにおいては空中放電により金属原子密度を余り高くできず、したがって金属由来のスペクトルは幅が余り広がらず、原子スペクトルの特徴を残した線もしくは線近似のスペクトルが重畳するのに対して、封入ガス放電の発光により、その封入圧力に応じて原子スペクトルと異る幅の広いバンドスペクトル乃至準連続スペクトルの重畳による補償が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を基に本発明の一実施形態による2灯式の生体用光線照射装置について説明する。図1において、2は、前部に開口部を備えたハロゲンランプ用ハウジング10及びメタルハライドランプ用ハウジング20を取付けるスタンドである。このスタンドは、基部2aに立設された垂直ロッド2bに、水平ロッド2dを備えたスライダ2cをガイドさせて構成されている。スライダ2cの高さ位置は、つまみ3のねじ込みによりロックされる。水平ロッド2dの両側に立設されたスリーブ2eには、回転軸2fが回転自在に挿入されると共に、その上端部の縦溝2gにハウジング10、20の底部に下設された脚部12が前後に回転自在にヒンジされ、その前後の回転位置がつまみ13のねじ込みによりロックされるようになっている。尚、スタンドは平坦台に置く構造でなく、ベッドのフレーム等にクリップ、ねじ等で取付ける構造にすることも考えられる。
【0009】
図2において、ハウジング10は、その円筒状前部に、照射部位の面積に応じて照射口10aの開口度を調整する可変アパーチャ15を備えたハウジングアタッチメント14が着脱自在に係合されると共に、放物面状の背面には反射面17が形成され、両側に設けられたソケット19にその焦点位置を横断するように150Wの両口金タイプのハロゲンランプ16が装着されている。可変アパーチャ15は、それぞれ枢支された複数枚の羽根15a及びガイド溝15dを形成された回転板15bとを有し、各羽根に裏面へ向けて突設されたガイドピン15cをガイド溝15dに係入させて回転板15bを所定範囲で回転させることにより開口度を調整するように、カメラの絞り機構と同様な構造に構成されている。
【0010】
図3において、ハウジング20は、背面に放物面状の反射面27が形成されると共に、円筒状前部に、可変アパーチャ15と、放電中心部の高輝度の発光を減衰させるように、細いロッド21aで支持されたグレアキャップ21及び300nmより短波長の有害な紫外線をカットするパイレックス(7740)の厚さ5mmの紫外線カットガラス板22とを備えたハウジングアタッチメント24が着脱自在に係合されている。両側に設けられたソケット29には、反射面27の焦点位置を横断するように、光輝度放電ランプ(HIDランプ)として三菱オスラム(株)製、形式HQI−TS150W/WDLの150W、両口金タイプ、色温度3000Kのメタルハライドランプ26が装着されている。
【0011】
基部2aには、つまみ5の調整により、ハロゲンランプ16の入力電圧を調整する可変変圧器或は点弧角の制御により入力電流を調整するトライアックを用いた調光器と、動作をオンオフさせるスイッチ7のオンに応答してつまみ6の設定に対応した時間だけ作動させるタイマと、メタルハライドランプ26の始動回路及び安定器とが収納されている。
【0012】
このように構成された生体用光線照射装置の動作は、次の通りである。双方のハウジング10、20はスライダ2cにより高さ位置を調整され、回転軸2fにより水平面で角度調整され、さらに脚12により上下に回転調整され、高さ及び上下角度の調整位置をつまみ3、13でロックできる。これにより、被照射者の所望の部位に、つまみ6で設定した時間だけ双方の光線が混合されて治療部位に照射される。
【0013】
図4はこのような混合照射光線のスペクトル特性を示すもので、点線はメタルハライドランプ26が点灯されない場合のスペクトル特性を示す。つまり、白熱発光源としてのハロゲンランプ16のスペクトルは可視領域において徐々に短波長になるのに伴いスペクトル強度が低下するのに対して、メタルハライドランプ26によりその低下する領域が有効に補償されることが解る。また、図17の炭素アークランプの特性と比較すると、短波長側に向って単調に減少するバックグラウンドに原子スペクトルの特徴を残したスペクトルが重なるのに対して、図4の混合スペクトルでは白熱光のバックグラウンドに重る放電光のスペクトルはバンド状に幅が広く、かつ互に重なって連続的なすそを形成している。この混合光線は適用範囲が広く、種々の疾患に対して適用できるが、赤から長波長側に比較的強いハンドが複数個存在するために、鎮痛、消炎などに特に優れた効果を呈する。
【0014】
一方、可視領域の細胞への直接的作用の例として、細胞増殖及びDNA或はRNAの合成の促進に効果があることが明らかにされている。即ち、Soviet Jounal of Quantum Electronics、 vol.10 p.p 1771−1776、1983には、ヒトの細胞に対するDNA、RNA合成の作用スペクトルの測定を光の2種類の線量について行った結果が、図19に示すように発表されている。この作用スペクトルは300〜450nm、600〜700nm及び750〜850nmの領域に広がった複数のバンド状を呈している。即ち、炭素アーク光源は必ずしもこのような生体側の感受性に充分に対応し得ないが、図4のスペクトル幅は、原子が高温になる程高速で移動することによるドプラー効果と、放電プラズマ圧力が高くなると原子間の衝突及び相互作用幅が広がることに起因して、単なる原子スペクトルよりも広がり、したがってそのすそ部分も含めて図19の作用スペクトルに充分に重なることができ、効率の良い治療効果を可能にする。
【0015】
つまみ5の操作によりハロゲンランプ16の入力電力を定格電力より下げる範囲で調整することにより、温感効果を伴う波長領域の発光強度を被照射者に心地良さを与えるように調整して、交感神経の緊張を緩和させて副交感神経を優位にして治療効果を高めることができる。つまり、自律神経系の機能によって最大の治療効果を被照射者に発揮させ得る。因に、カーボンアークランプの場合、入力を調整するとアーク放電自体を安定的に維持させ得ず、したがって発光強度の充分な調整は困難である。さらに、それぞれの可変アパーチャ15の調整により、照射距離に応じて変化する照射面積を調整できる。一方、例えば麻痺又は皮膚疾病用に短波長光の成分を多くしたい場合には、ハウジングアタッチメント24を取外し、例えば三菱オスラム(株)製、150Wの形式HQI−TS150W/NDLのメタルハライドランプに正面から交換する。図5は、この場合のスペクトル特性を混合スペクトルは実線で、その非点灯時のスペクトル特性は点線で示すもので、青〜近紫外領域の強度が強くなっている。
【0016】
図6はガリウムのハライドランプのスペクトルである。鋭いピークが多数みられるが各々すその部分が広がって互に重なりあって近紫外から可視領域をカバーする準連続的なスペクトルを形成している。白熱光源との混合によってカーボンアークに対してスペクトル特性が改善された発光源となる。
【0017】
通常市販のメタルハライドランプは演色性を工夫した照明用であり、したがって今後一層究明が期待される種々の疾病に対する近紫外領域から可視領域中の有効なスペクトル波長に対応して特有のハロゲン化合物の混合組み合せを封入することが考えられる。例えば、麻痺性の慢性疾患には、青乃至紫領域が有効とされており、この治療のためにはガリウム、インジュウム等のヨウ化物を主成分として封入し、その封入圧力を調整することにより、効率良く対応する幅の広い高強度のバンドスペクトルを発生するように構成する。
【0018】
さらに、ピークが535nmのTl、589nmのNa、多線発光のSc、Dy、Th、或は多線発光や連続分子発光スペクトルのSn、Ho、Tm、Li等のハロゲン化物を組合せることにより、発光スペクトが少なくとも近紫外領域から可視領域にわたり分布し、かつ種々の波長領域にピークを有する疾病に最適化したランプの開発が可能である。
【0019】
図7及び図8は、2灯共通光軸式の生体用光線照射装置の実施形態を示す。ハウジング32の背面には、2段の放物面状の反射面35、35aが形成されている。反射面35の焦点に位置するように、その両側に設けられたソケット33には、三菱HQI−TS、70W/WDLの70W、色温度3000Kの両口金タイプのメタルハライドランプ30が装着されている。反射面35aのソケット36には、その焦点に位置するように12V、50Wのハロゲンランプ31が装着されている。ハウジング32には、先端部に照射口34aを形成された集光器34が着脱自在に係合し、かつ紫外線カットガラス板22を取付けられた円筒状のハウジングアタッチメント32aが着脱自在に係合されている。
【0020】
ハウジング32のスタンドは、図8に示すように、前述したスタンド2のスライダ2cに突設された水平ロッド2hに形成されたスリーブ2eに、回転軸2fを回転自在に挿入させると共に、その上端部の縦溝2gにハウジング32の脚部39を前後に回転自在にヒンジされ、その前後の回転位置をつまみ13でロックするように構成する。
【0021】
これにより、双方のランプ30、31は照射方向に揃うように配置され、ハロゲンランプ31の照射光はメタルハライドランプ30を透光する。ハロゲンランプ31は低電圧型であるために所定のパワーに対してフィラメント、即ち管を小形にでき、背後の小形の反射面35aから照射口34aに向けて有効に反射される。メタルハライドランプ30も反射面35、35aで反射され、双方の発光の反射光及び直射光が照射光軸を共通にして、集光器34の形状及びハウジング32及びハウジングアタッチメント32aの長さに応じて20度前後の照射角で照射される。メタルハライドランプ30を交換する場合にはハウジングアタッチメント32aを取外し、ハロゲンランプ31はメタルハライドランプ30を取外した状態で取外す。ハウジングが1つであるので、図1の装置に比べて被照射部への配光に無理がなく照射距離も短くできるために、相対的に低出力のランプで充分な照度を得ることができる。良好な治療効果を得るのに必要な被照射面積にわたり200mW/cm2 〜10mW/cm2 の平均照射光密度が容易に得られる。
【0022】
尚、ハウジングアタッチメント32aの略全長にわたり、図7Bに示すように、光軸方向に平坦な反射板37bを格子状に組み合せることにより、多数の光軸方向のスロット37aを有するルーバ37を挿入することも考えられる。これにより、各スロット37aに浅い角度で入射した照射光はその壁面で1回もしくは複数回反射されることにより、照射口34aから大きく拡散するのが抑制され、しかもこのような複数回反射により一層均一に双方の発光が混合される。さらに、ハウジングアタッチメント32aにおいて、大きさの異る照射口を有する集光器と交換したり、代わりに可変アパーチャを使うことも可能である。
【0023】
図9は、2灯共通光軸式の生体用光線照射装置の別の実施形態を示す。同図Aでは、例えば前述のハウジングアタッチメント32aが前部の開口部に装着されたハウジング42において、リフレクタ45を備え、かつ放射状のロッド48により支持されたソケット43に、低電圧型の12V、50Wのハロゲンランプ40が装着され、背後の放物面状反射面に取付けられたソケット46には松下電気産業(株)製、100Wの形式MT100E−D/PGによる色温度6000Kの片口金タイプのメタルハライドランプ41が放物面の焦点に位置するように取付けられている。これにより、双方の発光が光軸を共通にして照射口から放射され、リフレクタ45及びソケット43はランプ41の放電発光のグレアキャップ機能を果たす。図10はこの生体用光線照射装置のスペクトル特性を示すもので、実線は混合スペクトル、点線はハロゲンランプ40のみ、一点鎖線は白昼の太陽光のスペクトルに近い6000Kの黒体輻射のスペクトルである。色温度が6000K〜6500Kの場合、光は青色の光を多く含むために、慢性化した局所的なコリやマヒに対して局所に限定した照射を行うと非常に効果がある。また広い範囲の適度の強度の照射は日光浴のように快適な感覚を与え、健康保持に有効である。
【0024】
同図Bでは白熱球が逆向きに取付けられている。即ち、リフレクタ44を備えたハウジング42aに、放電管41aのソケットが固定された基部42bがねじ止めされる。ハウジング42aの開口部には、前述のように放射状のロッド48aにより支持されたソケット43に、低電圧型の12V、50Wのリフレクタ45付のハロゲンランプ40が逆向きに装着されている。放電管41aとして、岩崎電気製のメタルハライドランプである70WのMT70SDW(3500K)、MT70W(4500K)及びMT70D(6500K)の色温度の異る3種類を症状に応じて選択的に使用可能である。これらの口金は普通の家庭用白熱球のE26型であり、ランプ交換は非常に簡単である。これらのランプ内には、爆発時の危険防止のための強化ガラス円管が配置されているためハウジング42aの開口部にパイレックスガラスを配置する必要がなく、ハウジング42aの熱負荷が小さく、装置構成を簡単にできる。ハロゲンランプ40は、放電管41aへ光放射され、リフレクタ44によって再放射される。ハウジング42aの全長をできるだけ短くしてハロゲンランプ40をリフレクタ44に接近させ、さらに双方のリフレクタ44、45を粗面にして乱反射させることにより、小形に構成されると共に2種類のランプ光は均一に混合され得る。
【0025】
図11は白熱発光源と放電発光源を1個のハイブリッドランプとして一体化した生体用光線照射装置の発光源用ランプの実施形態を示す。このランプ50は、外管50aに例えばメタルハライドランプ用発光管51を収納して、支持部材52で中心部に支持すると共に、発光管51内の両側の電極からは導体57、58が導出され、モリブデン箔53を介してピン57a、58aに接続している。発光管51の周囲には、タングステンフィラメント55が配置されると共に、その一端は導体56で導体58に接続し、他方の導体59をモリブデン箔53を介してピン59aに接続している。
【0026】
このランプは、1灯式の生体用光線照射装置を構成するように、例えば図8に示すようなハウジング32に、その構造を1個の片口金用ソケットが取付けられるように変形して装着する。この場合、基部2aからピン57aを共通にし、ピン59aには調光器の出力が供給され、ピン58aは基部2a内の安定器及び始動回路に接続する。
【0027】
さらに、ランプ50は、図12に示すように、脚部69によりスタンドに支持され、かつ筒状ハウジングアタッチメント60aを着脱自在に取付けられるハウジング60に装着することも考えられる。ハウジング60の背面には球面状の反射面61が形成され、その球心にランプ50が配置されると共に、側面の対向位置にランプ50用ソケット62及びその着脱時に開放される蓋63が設けられている。ハウジング60には、紫外線をカットする光学ガラスBK−7による焦点調整用レンズ65〜67が収納され、途中に概略的に示す可変アパーチャ15が取付けられている。この種のレンズの採用により、紫外線カットフィルタは不要になる。最前部のレンズ67は、周知のカメラのレンズ機構のように、ハウジングアタッチメント60aの光軸に沿ってスライド可能にガイドされたレンズ支持リング(図示せず)に取付けられると共に、このリングに突設されたピン67aが、ハウジングアタッチメント60aの外側に回転自在に取付けられた操作リング68の繰出しカム溝68aに係入している。これにより、操作リング68を回転させると、ピン67aが光軸方向へ形成されたガイド溝60bに沿って前後に連動してスライドし、したがって焦点が球心に一致するレンズ65で平行になり、レンズ66を出て焦点を結んだ混合照射光のスポットサイズが調整される。可変アパーチャ15によってもこのようなスポットサイズ及び光量が調整可能である。カーボンアークランプの場合、汚染のためにレンズ系の採用は困難であった。
【0028】
図13はハイブリッドランプとして一体化した生体用光線照射装置用ランプの別の実施形態を示す。このランプ70は、隔離面72aで2分割された石英の発光管72を安全のために外管71に収納して構成されている。一方の管部分にはタングステンフィラメント73が収納されて、12V、50Wのハロゲンランプ部70aが形成され、他方の管部分には希土類のハロゲン化物を主成分とする放電発光用ガスが一対の電極74と共に封入されてメタルハライドランプ部70bが形成されている。タングステンフィラメント73及び電極74からは発光管72の支持機能を有するリード線76がモリブデン箔を介して導出され、外管71のステム部に溶着されたモリブデン箔75を介してそれぞれ一対のピン78に接続されている。メタルハライドランプ部70bは70W、4300Kで、電極74間の間隙は10mm程度、タングステンフィラメント73及び電極74の間隙は15mm程度である。したがって、外形も小形に一体化され、かつ通常の照射距離に対して互に近接して実質上点光源となる。このように構成されたランプ70は、例えば図8のハウジング32或は図12のハウジング60を両口金型に変形して装着する。
【0029】
また、別の実施形態として、前述のハロゲンランプ部70a及びメタルハライドランプ部70bは、互に独立の2個の石英の管として構成し、外管71に並置して収納することもできる。
【0030】
図14Aは、白熱発光フィラメント及び放電電極を共通の発光管に収納したハイブリッド式の生体用光線照射装置用ランプの実施形態を示す。放電発光ガスを封入された共通の発光管90に、熱陰極型の放電電極として機能し、かつ互に対向する一対のタングステンフィラメント92が収納され、発光管90の支持機能を有するリード線96が、外管91のステム部に溶着されたモリブデン箔93を介してそれぞれ一対のピン94に接続されている。このランプは、例えば図示のように近接導体99を備えたハウジングに装着し、ピン94を通して磁気漏れ変成器97によりタングステンフィラメント92間に放電電圧を印加すると共に、その両側の巻線により給電されるトライアック利用の調光器98によりタングステンフィラメント92を給電する。これにより、ラピッドスタート型蛍光ランプのように、始動時にタングステンフィラメント92の加熱により熱電子が発生し、非基準電位側の近接導体99の部分から基準電位側の部分に向けて微放電が延び、次いで主放電が開始される。主放電の開始後は調光器98により、所定の範囲で白熱光成分の調整が可能となる。
【0031】
図14Bは同図Aの一対のタングステンフィラメント92の一方を導体電極95で置換して、一本の導線96aを導入した複合ランプを示すもので、交流又は直流電圧で駆動可能である。トリガ及び電源回路97によりトリガ電圧で放電が始動されると共に、放電電圧が印加される。また、調光器98により熱陰極用タングステンフィラメント92が電圧調整可能に給電される。
【0032】
図15はハイブリッド式の一体化したさらに別の実施形態による発光源用ランプの原理的な構成を示す。このランプ100では、外管103に、50Wの白熱発光用フィラメント102が、150Wのバラストレス水銀ランプ用の発光管101と共に収納されている。さらに、外管103内において、その一方の電極104に放電電流の安定器用タングステンフィラメント106が直列接続し、両側の電極104間に始動極108及び始動抵抗109が接続されている。これにより、周知のように始動時にタングステンフィラメント106及び始動抵抗109を通して始動極108への電圧印加で発光し、次いで電極104間で主放電が惹起されると共に、タングステンフィラメント106が安定器として機能する。このタングステンフィラメントも10W前後の白熱発光を行うが、フィラメント102は50Wで相対的に充分大きな発光を行い、かつ独立に調光器に接続可能である。本発明では、白熱発光源と放電発光源の電力比は、前述の実施例に記載のように、前者の電力が後者の電力と同程度から1/5程度の範囲で所期のスペクトル特性が得られることが確認されている。図1の2灯2光軸式の場合、混合調整のために電力調整し易い白熱発光源の電力を比較的大きくしておく方が好ましいが、前述のハイブリッドランプの場合、光軸が揃い易いために白熱発光源の電力は標準的には放電発光源の電力に対して同程度よりも小さい範囲に設定するのが好ましい。尚、調光器が付属する場合には、この範囲を設定を前提にさらに広い範囲にわたり可変調整される。
【0033】
図16は、カテーテル式の生体用光線照射装置を示す。通気口111を備えたハウジング110に球面鏡113と、その球心に配置された前述のハイブリット式の1個の生体用光線照射装置の発光源用ランプ115と、ファン112と、ハウンジング前面に取付けられたファイバ束であるライトガイド117の入口へランプ115の照射光を集光させるレンズ系114、116とが収納されている。ライトガイド117にはコネクタ118を通して可撓性の光ガイドチューブであるカテーテル119が取付けられるようになっている。その先端部には、絞り、スポット調整レンズ、フィルタ、偏光素子等が必要により組込まれたヘッド120が取付けられている。これにより、カテーテル119にヘッド120をガイドさせることにより、咽喉、又は胃腸へ挿入することが可能となる。尚、2灯式の場合には、ライトガイド117を分岐形に置換し、それぞれの入口へ白熱発光源及び放電発光源のランプからそれぞれのレンズ系を通して集光させ、双方の混合光線をカテーテル119を通してヘッド120へ導光させる。因に、カーボンアークの生体用光線照射装置では、レンズ、ライトガイド等の光学系が汚染されるために、このような装置を構成することは実際上困難である。この装置は局所的な創傷や炎症の治療に適している。また、口腔内への照射、手術による切口の治癒等へ応用ができる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、近紫外領域から遠赤外領域にわたる太陽光に対応したスペクトル範囲の発光スペクトルを白熱発光源と放電発光源とに分担して発生させることにより、カーボンのアーク放電を利用する必要がなくなる。したがって、5〜6時間ごとにカーボンの取り替えが不要になる。空気中放電に起因する室内空気の汚染及び火傷、火災等の問題が一掃され、レンズ系が採用可能になるために照射光束の調整も可能となり、火傷部位の治療の際にも必要によりその大きさに応じて細いビームに絞ることもできる。反射鏡も清掃の必要なく利用でき、効率を向上させ得る。放電発光に対する白熱発光の光量比が調整可能となる。市販のランプを利用することもできる。カーボンアーク放電の線スペクトルよりも幅の広い帯スペクトルの発生が可能であり、治療に有効な波長領域に対応するスペクトルの幅を広げ得ることにより、効率の良い治療が可能になる。適性位置に配置されたスタンドに取付けられたハウジングの位置調整で、白熱発光源及び放電発光源の混合光線を治療部位にそれぞれの光源の電力に応じて適正な照度で照射できる。特に生体に有害な紫外線をカットした状態で、放電発光源としてメタルハライドランプを使用することにより、近紫外領域から遠赤外領域にわたり連続したスペクトル成分を発生させることができと共に、ハロゲン化金属の選択により治療目的に応じて特有のバンド幅のスペクトルを重ねることが可能になる。
【0035】
請求項2の発明によれば、2種類のランプの選択により、目的に応じて放電発光及び白熱発光の光量比並に近紫外領域及び可視領域における使用スペクトル波長が調整可能となる。カーボンアークの場合、空中放電のために上下の照射方向の調整に制約があったのに対してハウジングの自由な角度調整可能となる。請求項3の発明によれば、2種類のランプの選択により、放電発光及び白熱発光の光量比、上下の照射角度並に使用スペクトル波長が調整可能になると共に、光照射方向の調整操作が容易になり、構造的にも嵩ばらなくなる。
【0036】
請求項6の発明によれば、1個のランプにより白熱光線及び放電光線を発生可能となり、ランプ構造が嵩ばらなくなり、取扱いも簡単になる。集光及び配光のための光学系の採用が容易となる。被照射者に対する位置或は角度の調整が一層自由になる。このようなランプは、請求項7の外管を共通にしたり、或は請求項8又は9の発光管内で白熱発光する構造で実現される。
【0037】
請求項4の発明によれば、白熱発光の強度が簡単に被照射者の感性に応じて調整可能となり、被照射者の緊張を緩和させることによる自律神経系の機能によって治療効果を有効に発揮させ得る。温熱効果の少ない短波長領域の治療効果を良好に保持した状態で、白熱発光を自在に調整できる。
【0038】
請求項5の発明によれば、ハウジング内に光学系を問題なく収納できることにより、可撓性のカテーテルから照射可能にするカテーテル式の生体用光線照射装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による生体用光線照射装置の斜視図である。
【図2】 同装置の白熱発光源用ハウジングの縦断面図である。
【図3】 同装置の放電発光源用ハウジングの縦断面図である。
【図4】 同装置のスペクトル特性を示す図である。
【図5】 別のメタルハライドランプを採用した生体用光線照射装置のスペクトル特性を示す図である。
【図6】 ガリウムのハライドランプのスペクトル特性を示す図である。
【図7】 ハウジングを1個にした生体用光線照射装置の実施形態を示すもので、同図Aはそのハウジングの縦断面図、同図Bはその変形例の横断面図である。
【図8】 図7による生体用光線照射装置の斜視図である。
【図9】 ハウジングを1個にした生体用光線照射装置の別の実施形態の要部の縦断面図である。
【図10】 図9による生体用光線照射装置のスペクトル特性を示す図である。
【図11】 本発明の実施形態によるハイブリッド式の生体用光線照射装置用ランプの縦断面図である。
【図12】 図11によるランプが装着されたハウジングの原理構成を示す側面図である。
【図13】 別の実施形態によるハイブリッド式ランプの縦断面図である。
【図14】 発光管を共通にするハイブリッド式ランプの実施形態の縦断面図である。
【図15】 さらに別の実施形態によるハイブリッド式ランプの原理構成を示す図である。
【図16】 カテーテル式の生体用光線照射装置の概略構成を示す断面図である。
【図17】 炭素アーク放電の標準的なスペクトル特性を示す図である。
【図18】 黒体輻射体のスペクトル特性を示す図である。
【図19】 生体に対する作用スペクトル特性を示すもので、同図AはDNA合成促進、同図BはRNA合成促進に対するものである。
【符号の説明】
2 スタンド
10、20、32、42、60 ハウジング
16、31、40 ハロゲンランプ
26、30 41 メタルハライドランプ
50、70、100、115 ランプ
51、72、90、101 発光管
55、73、92 タングステンフィラメント
70a ハロゲンランプ部
70b メタルハライドランプ部
Claims (9)
- 近紫外領域から遠赤外領域にわたるスペクトルを有する光線を発光源から生体へ照射する生体用光線照射装置において、発光源として、白熱発光源と、発光管中の気体の放電発光により少なくとも近紫外領域から可視領域にわたり連続するスペクトルを有する放電発光を行う放電発光源とを、スタンドに位置調整可能に取付けたハウジング内に前記白熱発光源及び前記放電発光源の照射光が混合されるように設け、前記放電発光源として紫外線カットフィルタが前置されたメタルハライドランプを用いることを特徴とする生体用光線照射装置。
- ハウジング2個を共通のスタンドに光照射方向をそれぞれ調整可能に取付け、一方の前記ハウジング内に白熱発光源用ランプを装着し、他方の前記ハウジング内にメタルハライドランプを装着し、前記白熱発光源用ランプの電力が、前記メタルハライドランプの電力と同程度乃至1/5の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1の生体用光線照射装置。
- ハウジング1個をスタンドに光照射方向を調整可能に取付け、前記ハウジング内に、1個の白熱発光源用ランプ及び1個のメタルハライドランプを前記光照射方向に揃えて装着し、前記白熱発光源用ランプの電力が、前記メタルハライドランプの電力と同程度乃至1/5の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1の生体用光線照射装置。
- 白熱発光源にその入力電力を調整する調光器を通して給電することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの生体用光線照射装置。
- 白熱発光源と、メタルハライドランプとを可撓性光ガイド用カテーテルが導出されたハウジング1個に収納すると共に、ハウジング内に前記白熱発光源及び前記メタルハライドランプの照射光を前記カテーテルの入口に集光させる光学系を収納したことを特徴とする請求項1の生体用光線照射装置。
- 近紫外領域から遠赤外領域にわたるスペクトルを有する光線を発光源から生体へ照射する生体用光線照射装置において、発光源として、発光管中の気体の放電発光により少なくとも近紫外領域から可視領域にわたり連続するスペクトルを有する放電発光を行う放電発光源と、この放電発光源の電力と同程度乃至1/5の範囲の電力の白熱発光源とを共通の管内に1個の発光源用ランプとして構成し、この発光源用ランプを、スタンドに光照射方向を調整可能に取付けた1個のハウジング内に装着したことを特徴とする生体用光線照射装置。
- 近紫外領域から遠赤外領域にわたるスペクトルを有する光線を発光源から生体へ照射する生体用光線照射装置用ランプにおいて、発光源として、発光管中の気体の放電発光により少なくとも近紫外領域から可視領域にわたり連続するスペクトルを有する放電発光を行う放電発光源と、この放電発光源の電力と同程度乃至1/5の範囲の電力の白熱発光源とを1個のランプとして構成するように、共通の1個の外管に前記白熱発光源用フィラメント及び前記発光管を収納すると共に、前記フィラメント及び前記発光管内の電極が互に独立に給電されるように前記フィラメント及び前記電極から導体が前記外管に導出されていることを特徴とする生体用光線照射装置のランプ。
- 近紫外領域から遠赤外領域にわたるスペクトルを有する光線を発光源から生体へ照射する生体用光線照射装置用ランプにおいて、発光源として、発光管中の気体の放電発光により少なくとも近紫外領域から可視領域にわたり連続するスペクトルを有する放電発光を行う放電発光源と、この放電発光源の電力と同程度乃至1/5の範囲の電力の白熱発光源とを1個のランプとして構成するように、前記発光管に熱陰極型の前記放電発光源用電極として機能し、かつ互に対向する一対の前記白熱発光源用フィラメントを収納し、これらのフィラメントからそれぞれ一対の導体が前記発光管に導出されていることを特徴とする生体用光線照射装置のランプ。
- 互に対向する一対の白熱発光源用フィラメントの一方を導体電極に置換すると共に、この導体電極から一本の導体が発光管に導出されていることを特徴とする請求項8の生体用光線照射装置のランプ。
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