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JP3672289B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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JP3672289B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関するものである。さらに詳しくは塗工面質、耐水性、耐可塑剤性に優れ、且つヘッドマッチング性が良好な感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録に関しては、古くから多くの方式が知られている。例えば、ロイコ染料と顕色剤を使用した感熱記録体は、特公昭43−4160号公報、同45−14039号公報などに開示されており、近年これらの感熱記録システムは、ファクシミリ、プリンター、ラベル、CAD、CRT医療画像用途など多分野に応用されニーズが拡大している。そのなかでも記録画像の均一性が必要とされる医療計測等のCRT画像の出力用途や、引っ張り等の外力に対する耐久性が必要とされるラベル、タグ用途の感熱記録材料においては、支持体として合成紙やプラスチックフィルムが使用されている。
【0003】
このようなロイコ染料と顕色剤との反応により形成された画像は、ポリ塩化ビニル等のプラスチックと接触してプラスチック中に含まれる可塑剤や添加剤等の浸透によって消色したり、食品や化粧品に含まれる薬品と接触して消色する等、保存特性が劣るという欠点を有していた。
【0004】
そこで、記録画像部の保存特性を改良する目的で、感熱発色層上にフィルム形成能を有し、耐薬品性のある樹脂の水性エマルジョンを塗布する方法(特開昭55−128347号公報)やポリビニルアルコール等の水溶性高分子を塗布する方法(特開昭56−125354号公報)が提案されている。薬品が接触した直後や薬品が少量の場合には感熱発色層への浸透が抑えられるためにこのような保護層を塗設することは有効となる。また、保護層には、水、可塑剤、薬品等に対するバリアー性のほか、サーマルヘッドとのマッチング性を有することも必要である。
【0005】
しかし、保護層がバリアー性を有していても、大量に付着したり、付着して長時間が経過した水、可塑剤、薬品は感熱発色層にまで浸透する。特に、水溶性高分子を保護層を形成する樹脂として使用している場合には、付着した水は速やかに感熱発色層にまで達する。この場合感熱発色層が耐水性に劣っていると浸透した水によって感熱発色層は膨潤し、記録画像が容易に基材から剥離してしまうことがあった。このような記録画像の欠損を防止するためには、感熱発色層を形成する樹脂として成膜性が高く耐水性の優れた樹脂を使用する必要がある。
【0006】
成膜性が高く耐水性の優れた樹脂として例えばスチレン−ブタジエンラテックスが感熱発色層を形成する樹脂として使用され該感熱発色層直上に保護層が設けられた場合には、ポリビニルアルコールのような耐熱性の高い樹脂を使用した場合と比べるとスティッキングが発生しやすくなったり、記録時に発生する音が大きいという印字障害を生じる。したがって、感熱発色層を形成する樹脂としては、保護層の接着剤が有するようなヘッドマッチング性に優れた樹脂を使用することが望ましい。
【0007】
合成紙またはプラスチックフィルムのようなぬれ性の低い支持体上に水系塗液を塗工することによって塗層を設ける場合、塗工面にはじきが発生しやすくなり記録画像中において白抜けとなって現れる。塗液のレベリング性を良好なものとするために塗液粘度を低くするとはじきが頻発し、反対に高粘度で塗工した場合にははじきは抑制されるが塗液のレベリング性が低下して塗工むら、すじが発生しやすくなり塗工面質が悪化する。このような問題を解決する方法として、界面活性剤を添加することによって塗液の表面張力を下げて塗液の支持体へのぬれ性を向上させることが挙げられる。しかしながら、界面活性剤の選択が適切に行われないと、塗液の支持体へのぬれ性を効果的に向上できなかったり、塗液のかぶりを生じて感熱記録材料の白色度を低下させたり、直上に塗布される塗液のはじきを発生させるといった問題が生じる。また、水系塗液との親和性の低い界面活性剤を使用した場合、添加量に限界があり効果的にぬれ性を向上させることができないという問題もあった。
【0008】
また、合成紙やプラスチックフィルムからなる支持体直上に塗設する場合に比較するとはじきが発生する頻度は少ないが、塗層上にさらに塗層を塗設する際にも塗液のぬれ性が低いとはじきが発生するおそれがあり、優れた塗工面質を得るためには全ての塗層の塗液のぬれ性を効果的に向上させることが必要である。また、保護層を形成する樹脂としては、成膜性が高く、水、可塑剤等に対するバリアー性を有する樹脂を使用するのが好ましいが、ヘッドマッチング性と両立できることが必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、塗工面質、耐水性、耐可塑剤性に優れ、且つヘッドマッチング性に優れた感熱記録材料を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の感熱記録材料は、合成紙またはプラスチックフィルムからなる支持体の少なくとも片面に、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱発色層、保護層を順次塗設してなる感熱記録材料において、該感熱発色層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、フッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有することを特徴とする。成膜性及び耐水性の優れた樹脂を含有する感熱発色層が、上記界面活性剤を含有することで良好なレベリング性で支持体上に塗設され、耐水性、塗工面質に優れた感熱記録材料を得ることができる。
【0011】
本発明の感熱発色層は上記のような水分散性高分子重合物と、フッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有するが、好ましくは感熱発色層が、表面張力35mN/m以下の感熱塗液を用いて形成されたものであることを特徴とする。
【0012】
さらに本発明において、保護層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、界面活性剤としてのパーフルオロアルキルカルボン酸塩を含有することを特徴とする。上記界面活性剤を含有することでレベリング性の良い保護層を感熱発色層上に塗設することができ、さらに塗工面質、耐水性が向上し、且つ優れたヘッドマッチング性、耐可塑剤性を有する感熱記録材料を得ることができる。
【0013】
また本発明において、感熱発色層で使用されている水分散性高分子重合物は、保護層で得られる効果と比べると小さいもののヘッドマッチング性の向上にも寄与しており、スティッキングや記録時の発生音等の印字障害を抑制する効果を有している。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムからなる合成紙やプラスチックフィルムが使用される。
【0015】
本発明において、優れた耐水性と成膜性を得ることとスティッキング等の印字障害を抑制することを目的に、感熱発色層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物が含有される。このような樹脂はコア部で耐水性、接着強度を向上させ、シェル部でヘッドマッチング性の向上とともに耐可塑剤性、耐薬品性を向上させる効果を有する。上記樹脂を含有することで成膜性の優れた感熱発色層を形成でき、水が浸透した場合でも支持体から容易に剥離しない感熱発色層を設けることができるほか、ほかの耐水性樹脂を使用した場合と比較してスティッキング、記録時の発生音等の印字障害を抑制することができる。使用される水分散性高分子重合物の平均粒子径は0.01〜2μmである。
【0016】
上記のコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物を含有する感熱塗液は支持体へのぬれ性が低いためにはじきを発生しやすく、特に、合成紙やプラスチックフィルムのようなぬれ性の低い支持体を使用した場合は顕著である。本発明においては、支持体へのぬれ性を向上させるために感熱塗液にフッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を添加して表面張力を低減させることを特徴とする。その結果、感熱塗液を合成紙やプラスチックのようなぬれ性の低い支持体上に良好なレベリング性で塗設することが可能となり、はじき、むら、すじのない塗工面質に優れた感熱記録材料を得ることができる。界面活性剤の添加量は、その種類に応じ感熱発色層の全固形分中で固形分で0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲で調節されるが、感熱塗液の表面張力が35mN/m以下となるようにするのが好ましい。添加量が0.001重量%より少ないと表面張力を低下させる効果が少なく、反対に5重量%を越えると塗液の泡立ちが激しくなったり、塗層強度を大幅に低下させてしまうといった障害が生じる。
【0017】
フッ素系界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン等が挙げられる。水への溶解性が高いものが好ましいが、なかでもパーフルオロアルキルカルボン酸塩が好ましい。
【0018】
また、コハク酸系界面活性剤の具体例としては、ジメチルスルホコハク酸ナトリウム、ジエチルスルホコハク酸ナトリウム、ジプロピルスルホコハク酸ナトリウム、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジペンチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘプチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。
【0019】
本発明で使用されるロイコ染料としては、一般の感圧記録紙、感熱記録紙などに用いられるものであれば特に制限されない。以下、具体的な例を挙げる。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチル−アミノフタリドなど。
【0020】
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4’−ビスジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなど。
【0021】
(3)キサンテン系化合物
ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロル)アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなど。
【0022】
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなど。
【0023】
(5)スピロ系化合物
3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなど。
あるいは上記の各種混合物を挙げることができる。これらは用途および希望する特性により決定される。
【0024】
本発明において使用される顕色剤としては、一般に感熱記録紙に用いられる酸性物質に代表される化合物であれば特に制限されない。例えば、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体などの顕色剤を単独または混合して使用することができる。
【0025】
具体的には、フェノール類として、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、p−オクチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、等が挙げられる。芳香族カルボン酸誘導体としては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、及びこれらの多価金属塩が挙げられる。
【0026】
ロイコ染料は顕色剤に対し固形分で20〜120重量%の範囲の配合量で使用される。顕色剤、ロイコ染料は、ミル、アトライター等を用いて水を媒体として水溶性高分子と共に粉砕した後に使用される。
【0027】
感熱発色層には熱ヘッドへのカス付着防止、熱ヘッドの摩耗性改良等の目的のために、必要に応じて顔料を添加することができる。使用される顔料としては、JIS K5101法による吸油量が50ml/100g以上の無機粉体が用いられ、例えば、焼成カオリン、活性白土、シリカ、炭酸カルシウム、けいそう土などが主として用いられ、さらにカオリン、タルクなどが併用できる。並びに、尿素−ホルマリン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末等の有機顔料も使用することができる。そのほか、感熱発色層には必要に応じて増感剤(感度向上剤)、ワックス類、金属石鹸類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、滑剤なども添加することができる。
【0028】
本発明による感熱発色層で使用される増感剤は特に限定されるものではなく、融点が60〜180℃の熱可融性物質が用いられる。例えば、安息香酸やテレフタル酸のエステル類、ナフタレンスルホン酸エステル類、ナフチルエーテル誘導体、アントリルエーテル誘導体、脂肪族エーテル等のほか、メチロールステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ステアリン酸エチレンビスアマイド、オレイン酸アマイド、パルミチン酸アマイドなどの脂肪酸アマイド類を使用することもできる。これら増感剤の使用量は、ロイコ染料に対して20〜300重量%であり、特に50〜200重量%が好ましい添加量である。
【0029】
ワックス類としては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、動植物性ワックスなどが挙げられる。
【0030】
金属石鹸類としては、高級脂肪酸多価金属塩、即ち、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛などが挙げられる。
【0031】
本発明において、これらの感熱発色層に使用される各種化合物は、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物からなる樹脂に分散して使用されるが、ほかの樹脂を接着剤として併用することもできる。感熱層の形成に使用できる樹脂は水溶性樹脂及び水分散性樹脂のいずれでも使用可能であり、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、変性澱粉、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、主として使用されるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物が有する優れた耐水性、成膜性、ヘッドマッチング性を失わせない範囲で使用される。また、耐水性を向上させる目的で樹脂を硬化するための架橋剤を使用することもできる。
【0032】
感熱発色層の支持体への塗工量は特に限定されるものではないが、通常、乾燥重量で2〜15g/m2、好ましくは、3〜10g/m2の範囲である。感熱発色層を塗工するには、グラビアコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ロッドコーター、カーテンコーターなどのコーターヘッドを用いることができる。
【0033】
感熱発色層を塗工したものの表面平滑性を上げ、発色感度と記録画像の均一性を高めるために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシングなどの装置を利用することができる。
【0034】
本発明において、感熱発色層上には保護層が設けられる。保護層を形成する樹脂としては水溶性樹脂及び水分散性樹脂のいずれでも使用可能であり、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、変性澱粉、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用することもできる。また、耐水性を付与する目的で接着剤を硬化するための架橋剤を使用することもできる。
【0035】
本発明において、保護層に、感熱発色層に使用される樹脂と同じくアクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、界面活性剤としてのパーフルオロアルキルカルボン酸塩が含有される。感熱層と同様に耐水性、成膜性の優れた樹脂を含有する保護層が塗設されることによって、さらに耐水性、塗工面質が向上するほか、優れたヘッドマッチング性、耐可塑剤性を得ることができる。また、界面活性剤としてパーフルオロアルキルカルボン酸塩を含有することで、保護層塗液を良好なレベリング性で感熱発色層上へ塗設することが可能となり、はじき、むら、すじのない優れた塗工面質を得ることで、樹脂の有する耐水性、耐可塑剤性等の性能を効果的に発揮させることができる。
【0036】
本発明において、保護層に含有される界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩が挙げられ、その添加量は種類に応じて保護層の全固形分中で固形分で0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲で調節されるが、保護層塗液の表面張力が35mN/m以下となるようにするのが好ましい。
【0037】
保護層にはヘッドマッチング性、筆記性を向上させる目的で、感熱発色層に使用したものと同じような顔料を添加しても良い。添加する割合は保護層の全固形量に対して50重量%以下の範囲で調節されることが望ましい。50重量%を越えると、顔料の絶対量が過剰となり、接着剤の成膜性が低下して水、溶剤、薬品、可塑剤に対するバリアー性が低下する。保護層には必要に応じてさらに滑剤、ワックス類、消泡剤、耐水化剤などが添加される。
【0038】
保護層の塗工量は0.5〜6g/m2、好ましくは1〜4g/m2である。塗工量が0.5g/m2より少ないと、感熱発色層への与エネルギーの伝導効率が高くなるが、充分なバリアー性が得られない。また、ヘッドマッチング性悪化などの印字障害も生じたりする。反対に塗工量が6g/m2より多くなると優れたバリアー性、ヘッドマッチング性は得られるが、感度低下により発色濃度が低くなるうえ、経済的ではない。
【0039】
保護層を塗工するには、グラビアコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ロッドコーター、カーテンコーターなどのコーターヘッドを用いることができる。また、保護層を塗工したものの表面平滑性を上げ、発色感度と記録画像の均一性を高めるために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシングなどの装置を利用することができる。
【0040】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。尚、以下に示す部および%は何れも重量基準である。また、塗抹量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗抹量を示すものとする。
【0041】
参考例1
[A液の調製](顕色剤分散液)
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン 30部
5%ポリビニルアルコール水溶液 60部
水 10部
[B液の調製](ロイコ染料分散液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30部
5%ポリビニルアルコール水溶液 60部
水 10部
【0042】
A液、B液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を用いて50%平均粒径がそれぞれ1.0μm以下となるように粉砕した。粒径の測定はLEEDS&NORTHRUP社製マイクロトラックHRA粒度分析計9320−X100型を使用して行った。
【0043】
[感熱発色層の形成]
A液80部、B液35部、20%シリカ水分散液(水沢化学製;ミズカシルP−527)45部、22%メチロールステアリン酸アマイド(中京油脂製;ハイドリンD−757)68部、40%ステアリン酸亜鉛(中京油脂製;ハイドリンE−366)8部、20%コア−シェル型アクリルエマルジョン(三井化学製;バリアスターBM1000)80部、水80部を混合した。使用されたコア−シェル型アクリルエマルジョンは、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなる水分散性高分子重合物である。その後、界面活性剤としてパーフルオロアルキルカルボン酸塩(30%溶液、旭硝子製;サーフロンS−111)を全固形の0.01%となるように添加して感熱塗液を得た。この感熱塗液を市販の合成紙(王子油化合成紙製;ユポFPG−80)の片面上に固形塗工量が4g/m2になるように塗抹し、感熱発色層とした。感熱塗液の表面張力の測定は協和界面科学株式会社製自動表面張力計CBVP−Zを用いて行った。
【0044】
[保護層の形成]
10%カルボキシ変性ポリビニルアルコール(日本合成化学製;T−350)100部、40%ステアリン酸亜鉛エマルジョン液(中京油脂製;ハイドリンE−366)5部、20%二酸化ケイ素(水沢化学製;ミズカシルP−527)20部、40%グリオキザール水溶液1部、水80部を混合した。この保護層塗液を、感熱発色層の上に固形塗工量が2g/m2になるように塗抹し、カレンダーでベック平滑度が2500〜3000秒になるように処理を行い、参考例1の感熱記録材料を得た。
【0045】
参考例2
参考例1において、感熱発色層に含有される界面活性剤をジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(75%溶液、日光ケミカルズ製;OTP−75)に変更し、添加量を全固形の0.002%とした以外は同様に行い、参考例2の感熱記録材料を得た。
【0046】
参考例3
参考例1において、感熱発色層に含有されるパーフルオロアルキルカルボン酸塩の添加量を全固形の0.04%とした以外は同様に行い、参考例3の感熱記録材料を得た。
【0047】
参考例4
参考例2において、感熱発色層に含有されるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの添加量を全固形の3%とした以外は同様に行い、参考例4の感熱記録材料を得た。
【0048】
参考例5
参考例1において、保護層を形成する樹脂を20%コア−シェル型アクリルエマルジョン(三井化学製;バリアスターOM1050)50部に変更した以外は同様に行い、参考例5の感熱記録材料を得た。使用されたコア−シェル型アクリルエマルジョンは、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなる水分散性高分子重合物である。
【0049】
実施例1
参考例5において、保護層にパーフルオロアルキルカルボン酸塩を全固形の0.02%となるように添加した以外は同様に行い、実施例1の感熱記録材料を得た。
【0050】
実施例2
参考例3において、保護層を形成する樹脂を20%コア−シェル型アクリルエマルジョン(三井化学製;バリアスターOM1050)50部に変更し、保護層にパーフルオロアルキルカルボン酸塩を全固形の0.02%となるように添加した以外は同様に行い、実施例2の感熱記録材料を得た。
【0051】
比較例1
参考例1において、感熱発色層に含有される20%コア−シェル型アクリルエマルジョン80部を10%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学製;NM−11)160部に変更し、パーフルオロアルキルカルボン酸塩を添加しなかった以外は同様に行い、比較例1の感熱記録材料を得た。
【0052】
比較例2
参考例1において、感熱発色層に含有される20%コア−シェル型アクリルエマルジョン80部を48%スチレン−ブタジエンラテックス(武田薬品工業製;クロスレンD−130)33部に変更した以外は同様に行い、比較例2の感熱記録材料を得た。
【0053】
比較例3
参考例1において、感熱発色層にパーフルオロアルキルカルボン酸塩を添加しなかった以外は同様に行い、比較例3の感熱記録材料を得た。
【0054】
比較例4
参考例1において、感熱発色層に含有される界面活性剤をアセチレン系界面活性剤(日信化学製;オルフィンE1004)に変更した以外は同様に行い、比較例4の感熱記録材料を得た。
【0055】
次に、参考例1〜5、実施例1〜2及び比較例1〜4の感熱記録材料について下記の評価を行い、結果を表1に示した。なお、各評価方法については、次のとおりである。
【0056】
[発色特性の評価]
大倉電機製ファクシミリ試験機TH−PMDを用いて印字テストを行った。ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1290Ωのサーマルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.1ミリ秒で通電してベタ印字し、発色濃度をマクベスRD−918型反射濃度計で測定した。
【0057】
[画像部の耐水性]
発色特性の評価で用いた1.1ミリ秒のパルスで印字した各感熱記録材料のベタ印字部に水1ccを滴下し、5分後に指で擦った跡について評価した。また、耐水性が優れるものについては30分後に指で擦った跡についても評価を行い、以下の基準で4段階の評価を行った。△以上であれば、実用上問題ないと判断した。
◎:耐水性に優れ、水滴下して30分後において画像が全く剥離しない。
○:耐水性に優れ、水滴下して5分後において画像が全く剥離しない。
△:感熱発色層が支持体から容易に剥離せず、画像に大きな欠損が生じない。
×:感熱発色層が容易に支持体から剥離し、画像に大きな欠損が生じる。
【0058】
[画像部の耐可塑剤性]
画像部の耐可塑剤性を評価するために、耐ラップ性試験を行った。発色特性の評価で用いた1.1ミリ秒のパルスで印字した各感熱記録材料の印字画像部に市販ラップを被せ、上から2g/平方センチメートルの荷重をかけ20℃の環境下で24時間保存した後の印字部の消色の様子を目視で観察し、保存性の優れるものから順に◎、○、△、×の3段階で評価した。◎は印字画像部が消色せずに残っていることを示し、×はほとんど消色して印字情報の判読が難しい状態にあることを示している。△以上であれば、実用上問題ないと判断した。
【0059】
[塗工面質の判定]
塗工面を目視で観察し、面質の優れるものから順に◎、○、△、×の4段階で評価した。◎は印字部にはじきによる白抜け、むら、すじが少ないことを示し、×は印字部にはじき、むら、すじが多くみられることを示す。△以上であれば、実用上問題ないと判断した。
【0060】
[ヘッドマッチング特性]
1.1ミリ秒のパルスでベタ印字した場合の各感熱記録材料の印字画像部のスティッキングの発生状況、記録時の発生音の程度を優れるものから順に◎、○、△、×の4段階で判定した。◎はスティッキングが全くみられず記録時の発生音も小さいことを示し、×はスティッキングが発生して記録に支障をきたしたり記録時の発生音が大きいことを示す。○以上であれば、実用上問題ないと判断した。
【0061】
【表1】
Figure 0003672289
【0062】
上記表1に示したように参考例1〜5及び実施例1〜2では、感熱発色層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物を含有している結果、耐水性に優れる。また、感熱発色層にフッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有していることで、はじき、むら、すじのない塗工面質に優れた感熱記録材料が得られている。また、感熱塗液の表面張力が35mN/m以下である参考例3〜4参考例1〜2より塗工面質に優れていることがわかる。保護層を形成する樹脂として感熱発色層と同じコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物を使用している参考例5及び実施例1〜2では耐水性、ヘッドマッチング性が特に優れている。しかし、参考例5では保護層にフッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤が含有されていないため保護層が良好なレベリング性で塗設されていない。その結果、保護層の塗工面に生じた微細なはじき、むら、すじといった部分から可塑剤が浸透しやすくなり、接着剤樹脂の有する優れた耐可塑剤性が実施例1〜2のように効果的に発揮されていないが、塗工面質、耐可塑剤性ともに実用的には問題ない。
【0063】
比較例1の感熱記録材料は、感熱発色層を形成する樹脂としてポリビニルアルコールを使用しているために水が感熱発色層にしみこんだ場合に感熱発色層が容易に支持体から剥離する。比較例2の感熱記録材料はスティッキングや記録時の発生音が大きく、ヘッドマッチング性に劣る。また、比較例3〜4の感熱記録材料は感熱発色層にフッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有していないためにはじきが発生して塗工面質に劣っている。
【0064】
【発明の効果】
本発明のものは、合成紙またはプラスチックフィルムからなる支持体の少なくとも片面に、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱発色層、保護層を順次塗設してなる感熱記録材料において、該感熱発色層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、フッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有することを特徴とするものであり、成膜性、耐水性の優れた感熱発色層を良好なレベリング性で塗設することで塗工面質、耐水性に優れ、且つヘッドマッチング性にも優れた感熱記録材料である。
【0065】
また、好ましくは保護層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、フッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有することで、耐水性、耐可塑剤性、成膜性の優れた樹脂を含有する保護層を良好なレベリング性で塗設することが可能となり、さらに優れた塗工面質、耐水性、ヘッドマッチング性を有し、且つ耐可塑剤性にも優れた感熱記録材料を得ることができる。

Claims (1)

  1. 合成紙またはプラスチックフィルムからなる支持体の少なくとも片面に、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱発色層、保護層を順次塗設してなる感熱記録材料において、1.該感熱発色層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、フッ素系界面活性剤またはコハク酸系界面活性剤を含有し、
    2.且つ、該保護層に、アクリロニトリルを必須成分とするコアとメタクリルアマイドを必須成分とするシェルからなるコア−シェル構造を有する水分散性高分子重合物と、界面活性剤としてのパーフルオロアルキルカルボン酸塩を含有する
    ことを特徴とする感熱記録材料。
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