JP3673101B2 - 物品固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品固定槽内に充填された強磁性材料からなる粒体群で保持される物品を固定する物品固定装置に関し、主としてはリサイクルを目的として、回路基板から電子部品等を取外すために回路基板を物品固定槽内に固定する回路基板固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、あらゆる産業分野においてリサイクルの必要性が提唱されており、廃家電の構成部品も例外ではない。基板に電子部品が実装された回路基板を埋め立てたり焼却処分すると、基板や電子部品に含まれる有害物質が溶出して大気・水質・土壌汚染等の公害問題となる。
【0003】
そこでリサイクルを目的として回路基板を解体処理するためには、基板に実装されている電子部品等を取外す必要がある。そのための装置としては、チャック等で基板を固定し、基板における電子部品のはんだ付け部を溶融半田槽に浸すことによってはんだ溶融して衝撃を与えたり、金属羽根によってかき取る装置がある。しかしこれらの装置は電子部品の取外しのために固定できる回路基板の形状や寸法が限られたものとなり、汎用性に欠けるという欠点があった。
【0004】
そこで最近では、回路基板のはんだ面切削装置等において、物品固定槽内に強磁性材料からなる粒体群を充填し、その粒体群内に回路基板の電子部品を埋入させると共に、基板と電子部品を挟んでN極とS極が対向するように1対の電磁石を配することによって回路基板を磁力によって固定する装置が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、強磁性材料からなる粒体群に磁力を作用させて基板を固定する装置では、固定できる基板の形状や寸法範囲が大きく広がって汎用性が大きくなるものの、単に粒体群に磁力を作用させるだけでは基板を安定して固定することのできる大きな磁力を得ることができない。つまり、一方の電磁石から出た磁力線はその大部分が電磁石に戻り、他方の電磁石に到達する磁力線がわずかになるので、物品固定槽の中央部の磁束密度も小さくなり、回路基板を粒体群内で確実に保持することができない。そのため、回路基板は不安定な状態で固定され、回路基板を解体処理するためのはんだ面切削作業等を安定して行うことができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は上記のような問題点を解決し、回路基板等の物品を保持する粒体群に十分な磁力を作用させることによって、さまざまな形状や寸法の物品を確実に粒体群で保持して固定層内で安定して固定し、例えば、回路基板の解体作業等を容易に行うことができる物品固定装置ないし回路基板固定装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本願の第1発明は、物品固定槽内に強磁性材料からなる粒体群を充填し、その粒体群内に物品の凹凸部を埋入させると共に、物品を挟んでN極とS極が対向するように1対の電磁石を配することによって物品を固定する物品固定装置において、1対の電磁石をこれらの先端部が物品固定槽内に臨み前記粒体群に接触するように配設すると共に、両電磁石の基端部間を強磁性材料からなる連結部材で短絡し、前記粒体群の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料からなるブロックを、前記1対の電磁石の少なくとも一方と前記物品との間で前記粒体群に埋入させて配設したことを特徴とする。
【0008】
この第1発明によれば、前記粒体群の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料からなるブロックが設けられる。このため、少なくとも一方の電磁石から出た磁力線は、前記粒体群の透磁率よりも大きい透磁率を有するブロックを通過して他方の電磁石に到達する。よって、物品固定槽に位置する物品が電磁石と離れていても物品付近では十分な磁束密度を得ることができ、物品を粒体群で確実に保持して物品固定槽内で安定して固定することができる。
【0009】
また本願の第2発明は上記目的を達成するために、前記物品固定装置において、物品が基板上に電子部品を実装した回路基板であって、物品固定槽内の粒体群に前記電子部品を埋入させることによって回路基板を固定することを特徴とする。
【0010】
この第2発明によれば、第1発明と同様にして物品固定槽に位置する回路基板と電子部品が電磁石と離れていても回路基板と電子部品付近で十分な磁束密度を得ることができ、回路基板を粒体群で確実に保持して物品固定槽内で安定して固定することができる。よって、物品固定槽の粒体群内に上方を向いた状態で固定されるはんだ面の切削作業等を容易に行うことができ、基板に実装されている電子部品を切削用カッター等を用いて効率的に取り外すことが可能になる。
【0011】
また、連結部材の磁気抵抗を、電磁石の磁心の磁気抵抗よりも小さくしたり、電磁石の磁心の横断面形状が、回路基板の埋入部分の各位置での横断面外接長方形の最大のものにほぼ対応した長方形にすると好適であり、物品固定槽の中央部における磁束密度をより大きくして物品をより確実に固定することができる。
【0012】
更に、回路基板の埋入部分に発生している磁界の強さを、電磁石の磁心の周囲に巻いたコイルに流れる電流値の大きさで測定すると好適であり、測定が容易な電磁石のコイルに流れる電流値によってそれと比例関係にある回路基板の埋入部分の磁束密度を管理をすることができ、安定した基板固定が可能になると共に、コイルの電流量の大、小に対応して連結部材の任意の部分にコイルを巻く等して適切な電流値でモニタすることも可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の物品固定装置を回路基板の解体処理に用いる回路基板固定装置に具体的に実施した場合を例にとり、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0014】
図1は第1実施形態の回路基板固定装置を概略して示し(a)はその平面図、(b)はその側面図である。この回路基板固定装置は、回路基板5を解体処理するために基板5b上に実装されている電子部品6等を取外す際、例えば回路基板5のはんだ面5a上に位置するはんだを切削用カッターによって切削するはんだ面切削装置の一部を構成する。
【0015】
1は非磁性体の基板固定槽(物品固定槽)であり、強磁性材料からなる粒体群2が充填され、その中にリード線付き電子部品6が実装された回路基板5を、はんだ面5aを上方にして位置決め状態に固定している。強磁性材料としては鉄やニッケル等の鋼球等が用いられる。その大きさは、基板5bやそれに実装されている電子部品6の大きさや形状により考慮する必要があるが、家電製品の回路基板5の場合、直径2mmから5mm程度が有効であり、また直径の異なるものを混在させるのも有効である。
【0016】
基板固定槽1の開口周縁部には切欠き1aが設けられ、この切欠き1aにコイル9を巻いた1対の電磁石3を、その先端部3c、3cが基板固定槽1内に臨み粒体群2に接触するように配設される。電磁石3は図1(b)に示すように、基板固定槽1内で電子部品6が実装された回路基板5の埋入部分である回路基板固定部15を挟んでN極とS極が対向し、前記切欠き1aに配設することによって、それらの磁極3aが粒体群2に接触する。また、磁極3の基端部3d、3d間を強磁性材料からなる連結部材4で連結することによって、磁極3a、3aとは反対側の磁極3b、3bを短絡している。尚、先端部3c、3cが粒体群2に接触するように配設する構造は、前記切欠き1aに限定されず、例えば基板固定槽1の側面に設ける開口部であってもよい。
【0017】
このように構成された回路基板固定装置において、磁束密度を測定した結果を図2及び図3を用いて説明する。
【0018】
図2(a)は電磁石3を連結部材4で短絡しない回路基板固定装置における磁力線の分布を示している。この装置においては、一方の電磁石3から出た磁力線7はその大部分が同じ電磁石3に戻ってきており、他方の電磁石3に到達する磁力線7aはわずかである。そのため基板固定槽1の中央部に位置する回路基板固定部15では磁束密度が小さくなり、回路基板5を安定して固定することができない。これに対して図2(b)のように電磁石3を連結部材4で短絡すると、電磁石3から出た磁力線7の大部分の磁力線7aは磁気抵抗の小さい強磁性体である粒体群2の部分を通過して他方の電磁石3に到達する。よって基板固定槽1の中央部に位置する回路基板固定部15では十分な磁束密度を得ることができ、回路基板5を安定して固定することができ、その解体処理のための作業を容易に行うことができる。そして作業を終えて、電磁石3に流す電流をストップすることにより粒体群2の磁力結合が解かれて電子部品6が取外された基板5bを基板固定槽1から容易に取出すことができる。
【0019】
上記比較実験により得られた磁束密度の測定データを図3に示す。グラフのa線は図2(a)で示した連結部材4によって磁極3bを短絡しない回路基板固定装置であり、グラフのb線は図2(b)で示した連結部材4によって磁極3bを短絡する回路基板固定装置である。基板5bから電子部品6を取外すために、はんだ面5aを切削するはんだ面切削装置を用いた切削実験の結果では、1300rpmで回転している切削用カッターにより、はんだ面5aを切削する場合は150Gの磁束密度があれば切削が可能であることが確認されている。図2(b)で示した装置では、磁束密度は150G以上となるので、切削用カッターによる切削作業を確実に行うことが確認できた。
【0020】
以上のように第1実施形態によれば、さまざまな形状や寸法の回路基板5は充分な磁束密度を確保できる電磁石3の磁力によって安定して固定されるので、そのはんだ面5aを切削用カッターにより容易に切削することができるので、基板5bに取付けられている電子部品6を効率的に取外すことが可能になる。
【0021】
なお第1実施形態において磁極3bを短絡する連結部材4の磁気抵抗は、電磁石3の磁心の磁気抵抗よりも小さいことが望ましい。磁極3bと短絡する連結部材4の透磁率が等しいならば、短絡する連結部材4の断面積は電磁石3の磁心の断面積よりも大きくなければならない。そうすることにより、基板固定槽1内の磁束密度を最大にすることが可能となる。
【0022】
また図4に示すように、電磁石3の磁心の断面形状を、基板固定槽1内の回路基板5の埋入部分である回路基板固定部15の各位置での横断面外接長方形の最大のものにほぼ対応した長方形にすれば、回路基板固定部15の磁束密度が大きくなり、基板固定槽1の中央部に位置する回路基板5を十分な磁力で保持することができる。
【0023】
基板固定槽1内の粒体群2の透磁率は磁極3aの透磁率に対して小さいため、磁極3aと回路基板固定部15とが離れていると回路基板固定部15の磁束密度は急激に小さくなる。そこで図5に示す第2実施形態のように、磁極3aから回路基板固定部15近傍まで、透磁率の大きい材質で造られたブロック8を埋め込むことも効果的である。
【0024】
また上記回路基板固定装置により回路基板5を安定して固定するためには、電磁石3から出ている磁束密度をモニタする必要がある。ガウスメータ等の測定器もあるが精密機器であるので、前記はんだ面切削作業等で使用するには不向きである。電磁石3の周囲に巻いたコイル9に流れる電流値と回路基板固定部15に発生する磁束密度との間には比例関係がある。そこで電磁石3のコイル9に流れる電流値をモニタして磁束密度の管理をすれば安定した回路基板の固定が可能となる。なお、コイル9を流れる電流が大きすぎる、または小さすぎるのであれば、磁極3bを短絡している連結部材4の任意の部分の任意の巻数のコイルを設ければ、適切な電流値でモニタすることが可能となる。
【0025】
本発明は上記の実施形態に示すほか、種々の態様に構成することができる。例えば、基板解体処理において、切削用カッターを用いたはんだ面切削装置に適用できるだけでなく、回転ブラシを用いたはんだ面の表面実装型部品を回転ブラシで除去するはんだ面部品除去装置にも用いることができる。また、何らかの作業をするのに物品の固定を必要とし、凹凸部があるために固定が難しく強磁性材料からなる粒体群で保持できる物品であれば、上記回路基板に限らない。その物品を固定する場合は、物品の凹凸部を粒体群内に埋入させて上記同様にして物品固定槽内に安定して固定することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回路基板等の物品を挟んで対向する電磁石の先端物品を物品固定槽内に臨ませることと、その基端部間を強磁性材料からなる連結部材で短絡することと、粒体群の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料からなるブロックを、前記1対の電磁石の少なくとも一方と前記物品との間で前記粒体群に埋入させて配設したこととによって、回路基板等の物品を保持する粒体群に十分な磁力を作用させ、さまざまな形状や寸法の物品を確実に粒体群で保持して固定層内で安定して固定し、例えば、回路基板の解体作業等を容易に行うことができる物品固定装置ないし回路基板固定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の概略構成を示し(a)は平面図、(b)は縦断側面図。
【図2】同実施形態における磁力線の分布の状態を、従来例と比較して示した説明図。
【図3】図2における比較実験により得られた磁束密度の測定データを示すグラフ。
【図4】同実施形態における磁極の断面形状を示す概略図。
【図5】本発明の第2実施形態の概略構成を示す平面図。
【符号の説明】
1 基板固定槽
1a 切欠き
2 強磁性材料からなる粒体群
3 電磁石
3a、3b 磁極(N極とS極)
3c 先端部
3d 基端部
4 強磁性材料からなる連結部材
5 回路基板
5a はんだ面
5b 基板
6 電子部品
7、7a 磁力線
9 コイル
15 回路基板固定部(回路基板の埋入部分)
Claims (5)
- 物品固定槽内に強磁性材料からなる粒体群を充填し、その粒体群内に物品の凹凸部を埋入させると共に、物品を挟んでN極とS極が対向するように1対の電磁石を配することによって物品を固定する物品固定装置において、1対の電磁石をこれらの先端部が物品固定槽内に臨み前記粒体群に接触するように配設すると共に、両電磁石の基端部間を強磁性材料からなる連結部材で短絡し、前記粒体群の透磁率よりも大きい透磁率を有する材料からなるブロックを、前記1対の電磁石の少なくとも一方と前記物品との間で前記粒体群に埋入させて配設したことを特徴とする物品固定装置。
- 連結部材の磁気抵抗を、電磁石の磁心の磁気抵抗よりも小さくした請求項1記載の物品固定装置。
- 請求項1又は2記載の物品固定装置において、物品が基板上に電子部品を実装した回路基板であって、物品固定槽内の粒体群に前記電子部品を埋入させることによって回路基板を固定するものである回路基板固定装置。
- 電磁石の磁心の横断面形状が、回路基板の埋入部分の各位置での横断面外接長方形の最大のものにほぼ対応した長方形である請求項3記載の回路基板固定装置。
- 回路基板の埋入部分に発生している磁界の強さを、電磁石の磁心の周囲に巻いたコイルに流れる電流値の大きさで測定する請求項3記載の回路基板固定装置。
Priority Applications (1)
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| JP36433298A JP3673101B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 物品固定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP36433298A JP3673101B2 (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 物品固定装置 |
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- 1998-12-22 JP JP36433298A patent/JP3673101B2/ja not_active Expired - Fee Related
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