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JP3673591B2 - 排気装置 - Google Patents
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JP3673591B2 - 排気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空容器の排気装置、これを適用した真空管および平板状画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来真空化された装置は各分野で使用されている。上記の平板状画像表示装置もその一つである。まずこの表示装置について述べる。平板状画像表示装置には、プラズマディスプレイ、EL表示装置、電子線を用いた平板状画像表示装置があり、大画面化、高精細化の要求が増大し、ますます自発光型平板状画像表示装置のニーズが高まりつつある。画像形成装置として蛍光表示管、電界放出型(FE)および表面伝導型の電子放出素子を用いた表示装置など、主に蛍光体を励起して発光させる画像表示装置は、平面でかつ明るく見やすいなどの利点を有しており、産業上積極的に応用され、また期待されている。
【0003】
電子ビームを発生源として、表面伝導型素子を用い、電子ビームを加速し蛍光体に照射し、発光させ画像表示させる薄型の画像表示装置が各種提案されている(例えば、特開平3−261024)。
【0004】
図6および図7は、それぞれ画像表示装置の一例の斜視図および断面図である。図6および図7において、300は画像表示装置内部を排気するための排気管(図では封じ切り後の状態を示している)で、301は電子放出素子を構成した青板ガラスからなるリアプレート、302と303は一定の間隔を隔てて設置された電極、304は電極302,303間に設けられた電子放出部を含む薄膜、308はメタルバック309および蛍光体310が形成された青板ガラスからなるフェスプレート、311は外枠であり、314はゲッタ材コンテナである。ゲッタ材コンテナ314はゲッタ材コンテナ固定治具313に固定されており、内部にはパネル内の真空を維持するという目的のゲッタ材を収納するもので、蒸発型ゲッタ材はフェイスプレート308またはバックプレート(リアプレート)301に蒸着される。
【0005】
ここで、図6および図7を参照して、画像表示装置に製造方法を説明する。画像表示装置の本体である気密容器は排気管300を通して真空排気され、さらにベーキングによって脱ガスを行った後、排気管の一部を加熱して溶融させ、封じ切る(閉塞、切断)。最後に気密容器内部に設置されたゲッタ材コンテナ314を加熱し、その内部に収納された蒸発型ゲッタ材をフェイスプレート308またはバックプレート301に蒸着することによって画像表示装置として完成される。
【0006】
つぎに、表面伝導型電子放出素子について述べる。この表面伝導型電子放出素子としては、電子放出を司る薄膜としてAu薄膜によるもの[G. Dittmer:“ThinSolis Films ”, 9, 317 (1972)]、In23 /SnO2 薄膜によるもの[M. Hartwell and C.G. Fonstad: “IEEE Trans. ED Conf.”, 519 (1975)] 、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0007】
これらの表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を図8に示す。同図において501は絶縁性基板である。502は電子放出部形成用薄膜で、H型形状のパターンにスパッタで形成された金属酸化物薄膜などからなり、後述のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部503が形成される。504は電子放出部を含む薄膜と呼ぶことにする。なお、図中のLは0.5〜1mm、Wは0.1mmに設定されている。
【0008】
従来、これらの表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜502をあらかじめフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部503を形成するのが一般的であった。すなわち、フォーミングとは前記電子放出部形成用薄膜502の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部503を形成することである。なお、電子放出部503は電子放出部形成用薄膜502の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行われる。以下フォーミングにより形成した電子放出部を含む電子放出部形成用薄膜502を電子放出部を含む薄膜504と呼ぶ。前記フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述電子放出部を含む薄膜504に電圧を印加し、素子に電流を流すことにより、上述電子放出部503より電子を放出せしめるものである。
【0009】
上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたって多数素子を配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を生かしいろいろな応用が可能であり、前述したような画像表示装置にも適している。すなわち近年、液晶を用いた平板状表示装置がCRTに代わって普及してきたが、自発光型でないため、バックライトなどを持たなければならないなどの問題点があり、自発光型の表示装置の開発が望まれてきた。それと比較して表面伝導型放出素子を多数配置した電子源と、電子源より放出された電子により可視光を発光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像表示装置は、大画面の装置として比較的容易に製造でき、かつ表示品位の優れた自発光型表示装置である(例えば、USP5066883)。
【0010】
しかしながら上述したような平板状表示装置は、安定した画像表示のため、表面伝導型電子放出素子部より持続安定した電子放出する必要がある。表面伝導型電子放出素子部は、素子表面上に吸着されている残留分子によって、駆動している表面伝導型電子放出素子の電子放出能力が減少する場合があり、電子放出能力の減少はその残留分子の吸着量に依存しているように見える。したがって、素子表面上の吸着残留分子を極力減少させるための排気手段の必要性が極めて大きいと考えられている。このことは、上記した表面伝導型電子放出素子に限らず、前記した電界放出型電子放出素子にも同様に起こると考えられる。
【0011】
一般に、画像表示装置およびその他の真空装置は排気工程にベーキングと呼ばれる排気時の加熱工程を経ることにより容器内圧力すなわち容器内残留分子を減少させている。ブラウン管などは内部の電子銃を駆動させ、この電子銃から放出される高エネルギーの電子線により容器内を照射し、容器内表面の残留分子を脱離、排気するエージングと呼ばれる工程によって真空容器内の排気を促進させている。一般に真空装置の排気管径を増大することによりベーキング、エージングを含めた排気工程に要する時間を減少、到達真空度を向上させることが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような排気手段には次のような問題点がある。
(1)ベーキング工程はベーキング温度が高く、時間が長いほどその効果は大きくなる。特にベーキング温度を高くすることは重要である。そのために真空管、ブラウン管などでは可能な限り温度を上げてベーキングを行う。しかし、平板状表示装置はその素子部、配線部を熱ダメージから保護するためには真空管、ブランウン管の場合に相当するベーキング温度にすることができない場合がある。
(2)さらに、エージング工程も、残留分子がまだ大量に存在する中で素子を駆動することにより、素子部は少なからぬ損傷を被り、表面伝導型電子放出素子、電界放出型電子放出素子等の電子放出素子本来のもつ電子放出能力を充分に発揮することができない。そして、平板状表示装置の表面伝導型電子放出素子や電界放出型電子放出素子等の駆動は真空管、ブラウン管の場合よりも高真空でなければならない。
(3)また、これらのベーキング工程およびエージング工程なしの排気では充分な容器内圧力、残留分子数に達するまでには長時間必要であり、現実的ではない。真空装置の排気管の径も真空装置の構造的配置、排気管強度、封止工程などを考慮すると、著しく増大させることは困難である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは平板状画像表示装置の排気手段における諸問題を解決すべく研究を重ねた結果本発明に至った。本発明は次のようなものである。
1.内部空間の真空化を必要とする画像表示装置において、内部空間には、内部空間に存在する気体のイオン化およびイオンの加速を行なうための高電場を印加する正電極及び負電極を備えた排気装置と、ゲッタとが内蔵され、正電極及び負電極は、加速されたイオンがゲッタの表面に向かって流れるように配置されていることを特徴とする画像表示装置。
2.排気装置は、イオンの流れを制御する制御電極を有していることを特徴とする上記1に記載の画像表示装置。
3.正電極複数個備えられていることを特徴とする上記1または2に記載の画像表示装置。である。
【0014】
【発明の実施の形態】
前述の高電場印加正電極と負電極とを対向して配置し、この対向した電極間の電場強度を107 V/m以上にすること、正電極表面に吸着している分子はイオン化し、陽イオンとなって電極表面から脱離する現象が観察される。この現象は電界脱離(Field Desorption)として報告されており、[E.W. Muller: Naturwissenschaften, 29 (1941) 533 ほか]、質量分析法への利用[M.G. Ingjram andR. Gomer: J. Chem. Phys., 22 (1954) 1279]のほか、工業用イオン源などとしても利用されている。
【0015】
正電極表面から脱離したイオンは対向電極側に加速される。対向電極形状、構成を適当に選ぶことにより、イオンを対向電極に大部分捕らわれることなく流すことができるので、排気用の排気管を真空化すべき容器に取りつけてある場合に排気管軸に平行なイオン流にすることが可能となる。このイオン流は、一般の気体分子が排気管壁と衝突を繰り返しながら排気されていくのに対し、排気管軸方向に整流されているため排気管のコンダクタンスと無関係に排気を行うことができる。
【0016】
たとえ管壁に衝突しても、イオンが対向電極間で得た運動エネルギーは分子吸着エネルギーと比較して著しく大きいために、イオンは管壁表面で吸着、再放出されることなく鏡面反射して移動する確率が大きく、一般気体分子に比べより少ない衝突回数で排気される。
【0017】
これにより、排気管のコンダクタンスが小さい状態でも排気速度を増大させることが可能となる。また、真空管、ブラウン管などの作製工程においても排気時間の短縮化、ベーキング温度の低下、ベーキング時間の短縮をはかることが可能になる。
【0018】
また、排気管を利用した排気だけではなく、真空容器内のゲッタ部の吸着面に対してこの発明の排気装置を向けて、ゲッタの排気速度を増加させることが可能である。
【0019】
本発明は、排気用の排気管を結合した真空容器の、排気部に対向する部分に上述の対向電極を設け、排気時に電極間に電圧印加、電界脱離させ、真空容器の排気速度を増加させることを特徴とする。また、本発明はこの方法を実施する構造を備えた画像表示装置を包含する。
【0020】
上述の本発明の排気装置、および該排気装置を備えた画像表示装置は電界脱離によるイオン流の形で排気を補助するため、ベーキング温度、エージング工程、排気時間、排気管径などの工程上の条件が従来要求されていた条件を満たさなくても、真空装置内の残留分子を充分に排気することが可能である。上記の条件が緩和されるため、ベーキングによる熱ダメージの軽減、エージング工程時の素子の損傷防止、排気時間短縮などをはかり、かつ画像表示装置の長寿命化、安定化、特性向上をはかることが可能となるものである。
【0021】
以下、図面を参照して本発明に関わる装置の構成とその使用方法について、ここでは画像表示装置の排気を実施態様例として詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の電界脱離法利用の排気装置とこの排気装置を内蔵する画像表示装置の側面図である。以下、図にしたがって上記装置について述べる。図1において101は蛍光体面102とメタルバック103を備えたフェイスプレート、104は外枠、105は表面伝導型電子放出素子107を設置したリアプレート、108が排気管である。109が電界脱離用の正電極であり、110が電界脱離用の負電極である。この両電極によって電界脱離式排気装置が構成されている。正電極109は電界脱離部の電場強度が最大となる形状にする必要がある。正電極の形状としては、図1に示されるような針状のほか、ワイヤー状、ワイヤーによるコイル状、フォイル状、などの形状が適している。
【0023】
正電極109の材質は電子衝撃に強く、高融点の材質が要求される。109の材質を列記するならば、W,Pt,Re,Ta,Ir,Osなどの高融点金属、WC,TaC,TiC,SiCなどの炭化物、Al23 などの酸化物、BN、BCなどの硼化物、TiNなどの窒化物である。これに対して対向する負電極110は電場強度が増大し、かつ正電極109から放出された陽イオンが負電極110に衝突、散乱される確率を減らすように衝突面積が極力小さくなる形状にする必要がある。負電極110の材質は正電極と同様でイオン衝撃に強く高融点の材質が望ましく、正電極で使用される材質が用いられる。
【0024】
正電極109は周囲の電位に比べ高電位であり、負電極110は周囲と同様に接地されている。このため正電極109上に吸着した残留分子は正電極表面でその高電場によってイオン化され、負電極110に向かって加速される。負電極の形状は衝突断面積を極力減らしており、陽イオンは負電極にほとんど捕らえられずに排気管108を通過し、排気される。
【0025】
通常の排気では排気管を通過する気体分子は図5(a)のように排気管口面に対して全方向から入射し、排気管壁面との衝突が起こる。壁面と衝突した気体分子は入射した方向の情報を失い、再び一定の角度分布にしたがって放出される。この壁面との衝突吸着、再放出を繰り返しながら排気される。したがって壁面との衝突回数が多いほど、つまり排気管径が小さく排気管長が長いほど排気速度は低下する。
【0026】
しかし、上記の本発明の排気装置では図5(b)のように排気管軸方向に沿って残留分子の陽イオン流を作り出すため排気管壁面との衝突を減らし、排気速度を上げることが可能となる。
【0027】
上記の排気装置の電極間電圧は、両電極間の電場強度が107 V/m以上であれば排気可能なため、両電極間距離を考慮して求められる。両電極間の距離は電場強度が電界脱離可能であればいくらでも構わないが、装置の配置、電極間電圧や正電極から放出された陽イオンが負電極で捕らわれることを考慮すると10mm以内が望ましい。また、電極間電圧は電界脱離イオンの速度とも関係するため、装置の配置などを考慮して最大限可能な限りの印加電圧が望ましい。
【0028】
また、負電極と排気管の間に制御電極を設置し、排気量の制御や陽イオンの飛行方向の制御を行うことも可能である。制御電極の数は必要であれば幾つでも構わない。制御電極の形状、配置、材質も電場印加可能で陽イオン流制御可能であれば特に限定されることはない。
【0029】
また、図4に示すように真空管内部のゲッタ面113(蒸発型ゲッタを用いた場合は、ゲッタフラッシュにて形成された蒸着面、非蒸発型ゲッタを用いた場合には、ゲッタ材表面)に対して109、110から成る上記排気装置を作動させた場合、加速されたイオンの形でゲッタ面113に衝突するため、ゲッタ面の吸着確率が増加し排気速度を増加させることができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0031】
実施例1
図1に示すような本発明の排気装置を内部に設置した平面状画像表示装置を作製し、画像表示装置の予備排気を行った後ベーキングを行い、その後電界脱離法利用の排気装置を作動させた。
【0032】
平板状画像表示装置は内容積220×246×4(mm)の試作品を使用し、この試作品の排気管108の開口部近傍に本発明の排気装置を設置した。この排気装置の正電極109は長さ8mm、最大径0.1mmの針状電極1本で、材質は高融点、強度を考慮してタングステン製とし、針状電極の先端部はスパッタリングによって鋭角化して電場集中するようにした。針状電極の軸方向は排気管の軸方向と平行に設置し、その先端は排気管108の中心線上に位置するようにした。画像表示装置への固定はCu製の治具で行い、デュメット線で外部導出した。負電極110は円形の金属網で金属線の径は0.01mm、編目のピッチは0.2mmである。負電極110のサイズは直径3mmで排気管の直径3.5mmより若干小さくなっている。金属線の材質は、耐イオン衝撃性、高融点を考慮しプラチナ製とした。又、本実施例においては、電子放出素子107として表面伝導型電子放出素子を用いた。
【0033】
正電極109と負電極110の最接距離は1mmとし、必要電場強度から両極間電圧は1500Vとした。負電極110は排気管口から5mm内側の位置に設置し、予備排気時の障害となるのを極力避けた。
【0034】
この排気装置の効果を確認するため、排気管を不図示の真空計に接続し、排気装置作動時の変化を測定した。ベーキング後の排気系側真空計は6×10-8Torrを指示していた。排気装置を作動させるとほぼ同時に排気系側真空計の指示値が1.4×10-7Torrとなり、画像表示装置内の残留ガスが排気されたことを示した。その後、4時間にわたって排気装置を作動させたところ排気系側真空計の指示値は4×10-8Torrを示した。排気装置を停止し、画像表示装置と真空計との間に存在した残留ガスが除かれ、排気系側真空計の指示値は8×10-9Torrを示し、排気装置が充分に機能していることを確かめた。
【0035】
同条件で該排気装置を作動させない場合、8×10-9Torrに達するのに20時間かかり、排気装置が排気速度の増加に効果があることを確かめた。
【0036】
この排気装置を使用して排気を行った平板状画像表示装置の電子放出素子の電子放出量半減時間を測定したところ、従来工程の画像表示装置の場合に比べて、平均で1.4倍の値を得、表示装置の寿命を大幅に伸ばすことができた。
【0037】
実施例2
図2に示すような本発明の排気装置を内部に設置した平面状画像表示装置を作製し、画像表示装置の予備排気を行った後ベーキングを行い、その後電界脱離法利用の排気装置を作動させた。図において、前述の図1と同じ機能を有する部材には同じ番号を付してある。
【0038】
平板状画像表示装置は内容積220×246×4(mm)の試作品を使用し、この試作品の排気管108の開口部近傍に本発明の排気装置を設置した。排気装置の正電極は実施例1で使用された針状電極を19本を束ね複数針状電極111として使用した。針状電極は互いに0.2mmの距離をおいた六角柱の形状である。又、電子放出素子としては、横型の電界放出型電子放出素子(FE)を用いた。そのほかの構造は実施例1と同様である。
【0039】
この排気装置の効果を確認するため、排気系側に真空計を設置し、排気装置作動時の変化を測定した。ベーキング後の排気系側真空計は6×10-8Torrであった。該排気装置作動と同時に排気系側真空計の指示値は4×10-7Torrを示し、その後排気装置の動作を4時間続けると排気系側真空計の指示値は6×10-8Torrに下がった。排気装置を停止させると排気系側真空計の指示値が7×10-9Torrに低下し、排気装置が充分に機能していることを確認した。
【0040】
同条件でこの排気装置を作動させない場合、24時間内に7×10-9Torrに達することはできなかった。
【0041】
排気装置を使用して排気した平板状画像表示装置の電子放出素子の電子放出量半減時間を測定したところ、従来工程の画像表示装置の場合と比べて、平均で1.8倍の値を得、表示装置の寿命を大幅に伸ばすことができた。
【0042】
実施例3
図3に示すような本発明の排気装置を内部に設置した平面状画像表示装置を作製し、画像表示装置の予備排気を行った後ベーキングを行い、その後電界脱離法利用の排気装置を作動させた。図において、前述の図1と同じ機能を有する部材には同じ番号を付してある。
平板状画像表示装置は内容積220×246×4(mm)の試作品を使用し、この試作品の排気管108の開口部近傍に本発明の排気装置を設置した。排気装置の正電極109、負電極110は実施例1で使われたものであり、これら電極とは別に制御電極112を負電極110と排気管108の口部との間に配置した。制御電極112は排気管口部より5mm内側の位置に配置し、負電極110は制御電極112から3mmの位置である。負電極110と正電極109の位置関係は実施例1と同様である。制御電極112は内径3mm、長さ3mm、厚さ0.2mmの円筒形で正電極電位に近い電圧を印加することにより陽イオン流の制御を行うようになっている。制御電極112の材質は、イオン、電子衝撃が少ないので高強度である必要はなく、Au製の電極を用いた。その他の構造は実施例1と同様である。
【0043】
この排気装置の効果を確認するため、排気系側に真空計を設置し、排気装置作動時の変化を測定した。ベーキング後の真空系側真空計指示値は6×10-8Torrであった。この排気装置作動と同時に排気系側真空計の指示値は3×10-7Torr示し、その後排気装置の動作を4時間続けけると排気系側真空計の指示値は8×10-8Torrまで下がった。その後排気装置の動作を停止させると排気系側真空計の指示値が1×10-8Torrに低下し、排気装置が充分に機能していることを確認した。
【0044】
同条件でこの排気装置を作動させない場合、1×10-8Torrに達するのに12時間かかり、この排気装置が排気速度の増加に効果があることを確認した。
【0045】
この排気装置を使用して排気を行った平板状画像表示装置の電子放出素子の電子放出量半減時間を測定したところ、従来工程で作製されたの画像表示装置の場合に比べて、平均で1.2倍の値を得、表示装置の寿命を大幅に伸ばすことができた。
【0046】
実施例4
図4に示すような本発明の排気装置を内部に設置した平板状画像表示装置を作製し、画像表示装置の予備排気、ベーキングなどの従来工程を行った後、排気管を封止しこの電界脱離法利用の排気装置を作動させた。図において前述の図1と同じ機能を有する部材には同じ番号を付してある。
【0047】
平板状画像表示装置は実施例1と同様の内容積220×246×4(mm)の試作品を使用し、この試作品のゲッタ面113に対して排気装置を設置した。排気装置の正電極109、負電極110は実施例1で使われたものである。ゲッタ面113に対して負電極は5mmの距離におかれており負電極110と正電極109の配置は実施例1と同様である。なお114はゲッタコンテナである。
【0048】
この排気装置はゲッタ面113に対し、陽イオン流を衝突させるようになっており、ゲッタの化学的吸着のみならず、ゲッタ面に残留分子を埋め込む働きをもっている。これによりゲッタの排気速度を上げることが可能となる。
【0049】
この排気装置を実施例1と同条件で連続作動させたとろ、画像表示装置の電子放出素子の電子放出量半減時間を、従来工程で作製しこの排気装置を内蔵しない画像表示装置に比べ1.4倍に伸ばすことができた。
【0050】
【発明の効果】
以上、説明してきたように本発明を適用することにより平板状画像表示装置の排気管径を増大することなく排気速度を増加し、排気時間の短縮、到達真空度の向上をはかり、画像表示装置内の残留分子を低減することができるため、画像表示装置の長寿命化、画像の安定化、均一化に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の排気装置を備えた平板状画像表示装置の模式的断面図である。
【図2】本発明の他の例の排気装置を備えた平板状画像表示装置の模式的断面図である。
【図3】制御電極を使用した本発明の排気装置を備えた平板状画像表示装置の模式的断面図である。
【図4】ゲッタ面に対して使用する本発明の排気装置と平板状画像表示装置の模式的断面図である。
【図5】排気管中の気体分子運動の模式図で(a)は従来装置(b)は本発明の装置の使用時のものである。
【図6】平板状画像表示装置の模式的斜視図である。
【図7】図6の平板状画像表示装置の排気管を含む断面の模式的断面図である。
【図8】平板状画像表示装置に使用される表面伝導型電子放出素子の模式図である。
【符号の説明】
101 フェイスプレート
102 蛍光体
103 メタルバック
104 外枠
105 リアプレート
106 配線
107 表面伝導型電子放出素子
108 排気管
109 針状正電極
110 負電極
111 複数針状電極
112 制御電極
113 ゲッタ面
114 ゲッタコンテナ
300 排気管
301 バックプレート
302,303 電極
304 薄膜
308 フェースプレート
309 メタルバック
310 蛍光体
311 外枠
313 ゲッタ材コンテナ固定治具
314 ゲッタ材コンテナ
501 基板
502 電極
503 電子放出部
504 導電性薄膜

Claims (3)

  1. 内部空間の真空化を必要とする画像表示装置において、
    前記内部空間には、該内部空間に存在する気体のイオン化および該イオンの加速を行なうための高電場を印加する正電極及び負電極を備えた排気装置と、ゲッタとが内蔵され、
    前記正電極及び負電極は、加速された前記イオンが前記ゲッタの表面に向かって流れるように配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記排気装置は、前記イオンの流れを制御する制御電極を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 記正電極複数個備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
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