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JP3673862B2 - かつら取付方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、かつら、特に部分かつらを脱毛部周辺の自毛を利用して頭部に取り付けるためのかつら取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘアピース等の部分かつらは、頭部に残っている自毛を利用して取り付けることができる。この種のかつらを取り付ける場合、かつらの裏面に固着したクリップ或いはヘアピン等の固定金具を自毛に挟着して、かつらを取付固定する方法がある。或いはまた、かつらの周縁部に対応する部分の自毛を束ね、この自毛束を直接或いは糸や接着剤を介してかつらに編み込んだり、巻き付けたり或いは縫着接着してかつらを頭部に取り付けるようにする方法が知られている。
【0003】
例えば、特開平2−41404号公報に記載の「かつらの取付部の形成方法およびかつらの固定方法」によれば、少なくとも3本の糸を用いて頭皮の周辺に生え残っている適宜数十本の毛体から成る毛体束を生え際に沿って編み込むことにより、編み込まれた毛体のすべりや緩みがなく抜け出しがない堅牢な構造のかつらの取付部が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のかつら取付法、特に上述の公報記載のものにあっては、毛体束を編み込む際、自毛の生え際に沿ってくくり糸によって連続して編み込む等、かつらを取り付けるために複雑な工程を含み、取付作業に手間がかかさざるを得なかった。また、かつらを頭部にぴったりと装着するには毛体をある程度の張力で引っ張ることになるため、非常な痛みを伴っていた。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑み、作業性、取扱性に優れると共に適正且つ確実にかつらを取り付けることができるかつら取付方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のかつら取付方法は、かつらのかつらベース周縁部に開設された複数の挿通孔のそれぞれに、それらの挿通孔の下側付近の自毛をこれに付帯させた1本のガイド糸部材と共に挿通させる工程と、挿通孔に挿通させた自毛同士をかつらベースの上側で束ねて自毛束を形成する工程と、挿通孔の近傍に開設された係止孔に自毛束を挿通させてかつらベースの下側に引き出す工程と、ガイド糸部材を係止孔に挿通させ、自毛束をガイド糸部材によってかつらベースの下側で係止する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のかつら取付方法は、請求項1記載の構成に加えて、自毛束をかつらベースの上側で連結手段にて連結することにより、該自毛束に連結部を形成する工程を備えると共に、挿通孔の近傍に開設された係止孔にこの連結部を挿通させてかつらベースの下側に引き出す工程と、ガイド糸部材を係止孔に挿通させ、連結部をガイド糸部材によってかつらベースの下側で係止する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のかつら取付方法では、請求項1において、自毛束をガイド糸部材によって係止する際、このガイド糸部材によりかつらベースの下側で自毛束を横方向に引っ張るようにしたことを特徴としている。
また、請求項4に記載のかつら取付方法では、請求項2において、連結部をガイド糸部材によって係止する際、このガイド糸部材によりかつらベースの下側で連結部を横方向に引っ張るようにしたことを特徴としている。
【0009】
さらに請求項5に記載のかつら取付方法では、連結手段を、チューブ材、接着剤及び固着部材のいずれかで構成することを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、かつらベース周縁部に開設された複数、好適には2つの挿通孔に自毛をそれぞれ挿通させ、それらの自毛同士をかつらベースの上側で束ねると共に、好ましくはこれらを連結して連結部とし、この自毛束又は連結部を係止孔からかつらベースの下側に引き出して係止するようにしている。
このようにして簡単な工程により、適正且つ確実にかつらを取り付けることができる。かつらベース周縁部の挿通孔に自毛を挿通して表側へ引き出す場合、各挿通孔の下側付近の自毛をほぼ真上方向に挿通させるため、かつらを頭部に装着した際に自毛には毛根からほぼ真上に向かう張力が生じる。したがって、挿通孔に挿通された自毛に横方向に引っ張る張力を生じ難くすることで、痛みを著しく緩和することができる。
【0011】
また本発明によれば、自毛束又は連結部をガイド糸部材によって係止する際、このガイド糸部材がかつらベースの下側で自毛束又は連結部を横方向に引っ張るようにしたので、これにより挿通孔から伸び出る自毛の毛流方向を適度に横方向或いは斜め後方へ向けることができる。したがって、このような毛流方向とすることによって、頭部前額部のセット方向に沿った毛流方向となるので、とくにかつらフロント部をこのように取り付けていけば、前額部のセットに適しており、かつら装着時に、違和感なく自然な感じを与えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるかつら取付方法の好適な実施の形態を説明する。
かつらを頭部に装着固定する場合、脱毛部を覆うように頭部にかつらを載せた後、前額部、サイド部、後頭部の位置を合わせて、装着固定作業を開始する。
この実施形態において図1では、頭部10にかつらを載せた状態を示しているが、説明の便宜上、かつらに取り付けた毛髪は図示を省略してある。脱毛部の周囲には、比較的密に自毛11が生えているものとする。
【0013】
かつらベース1は、柔軟性に富む軟質合成樹脂等により形成した人工皮膚製のもの、或いは細かい網み目を有するネット部材、或いはこれら人工皮膚とネット部材とを組み合わせて成るものであってよい。本実施の態様では、かつらベース1は図示のように、網目の大きいネット部材を用いており、この網目から自毛を引き出してかつらに取り付けている毛髪とブレンドし得るようになっている。
【0014】
かつらベース1の周縁部2は樹脂等により固められており、後述するようにこの周縁部2に適宜の間隔で多数の孔3が形成されている。本例では、孔3はかつらベース1のフロント側(前額部に対応する)を含む、両サイド部及びバック側(後頭部に対応する)の全周囲に、例えば2〜3mm間隔で直径約2mm程度の孔3が並んで穿設されている。
【0015】
図2〜図7は、本発明方法の主要工程を示している。
かつらは、上述のように頭部10の脱毛部を覆うように載せられ、かつらベース1の周縁部2は、かつら使用者の頭部10の生え際に沿って配置されるように予め形成されている。
ここで、かつらベース1の周縁部2に開設されている複数の孔3は、図2では円形の孔として形成されているが、必ずしも図示の円形孔に限らず、矩形,菱形など何れの形状のものであってよい。或いは、挿入した自毛束と後述する係合を確実にするため、孔3の周囲が適当な高摩擦力を発揮し得るように加工されていればさらに好ましい。例えば、孔の周囲にゴム材を取り付けたり、或いは多数の細かい凹凸を付したり、または孔の形状をひょうたん形に形成してくびれを設けたりすることができる。
【0016】
この孔は、かつらベースの周縁部2がネット部材に樹脂被覆して成る本例の場合は、パンチングで孔開けすることができる。また、周縁部2が人工皮膚製で成る場合は、上記パンチングの他、かつらベース作製時にマスク等により孔3を一体的に形成することができる。
【0017】
ここで、図1のようにしてかつらを頭部に載せて位置合わせを行った後、かつらベース1の周縁部2に設けた孔3のうち、例えば挿通孔3a,3bに対して自毛11を挿通する工程に入る。
先ず、図2(A)に示すように、自毛を挿通する前に、本発明ではガイド糸部材4を用いており、このガイド糸部材4をかつらベース1の下側から上側へ挿通させて、かつらの表側へ引き出すようにしている。このガイド糸部材4は、次段で2つの自毛を束ねて自毛束を形成する際に、より強固に結合するために有利に使用される。
【0018】
挿通孔3a,3bの間には、後述する係止孔3cが開設されている。これら挿通孔3a,3b及び係止孔3cを1組として、かつらベース1の周縁部2に沿って複数組が形成されているものとする。
【0019】
次に、図2(B)のように、各挿通孔3a,3bの下側付近の自毛11を、例えば数十本程度を取り出して、図示のようにかつらベース1の下側から上側へそれぞれ挿通させ、かつら表側へ引き出す。
【0020】
次いで、表側へ引き出した自毛11a,11bを束ねる工程に移る。この重ね合わせに当たっては、自毛11a,11b同士を束ねて自毛束11cとするが、好ましくは、自毛束11cとした後、これらを互いに結絡していくか、さらに好ましくは、別途、連結手段を用いることにより該自毛束11cに連結部6を形成する。これにより、自毛束11cを解けることなく、より強固に固定できる。
この場合、かつらベース1の上側で連結手段を介して、先ず図3のように、一方の自毛、例えば自毛11bとガイド糸部材4の一方とに、連結手段としてのチューブ材5を挿着する。本例では以下の所定工程において、ガイド糸部材4を自毛11bに付帯させ、両者は一体的に処理される。
チューブ材5は、好適にはゴム材や合成樹脂材などの可撓性材料或いは弾性材料で成り、その太さは係止孔3cよりも僅かに太めとなるのが好ましい。
【0021】
上記連結部5の形成手順の商才は以下の通りである。
先ず、図4(A)のように挿通孔3aに挿通させた他方の自毛11aをガイド糸部材4の他方と共にチューブ材5へ挿入する。つまり、チューブ材5内で両方の自毛11a,11b及びガイド糸部材4をクロスさせてそれぞれを引き出す。次に、図4(B)のように自毛11a,11b同士を1つにまとめて自毛束11cとすると共に、ガイド糸部材4同士をまとめる。更に、図4(C)のように、自毛束11cをガイド糸部材4と共に結び、2回程度締める。なお、ここに示した自毛束11c及びガイド糸部材4の結び方は、単に一例を示すもので、その他に4つ編み等で両者を結ぶこともできる。
【0022】
その後、図5(A)のようにガイド糸部材4を別々に分け、図5(B)に示すように一方のガイド糸部材4を自毛束11cに付帯させながら、ひと結びを2回行う。更に他方のガイド糸部材4を自毛束11cに付帯させながら、ひと結びを2回行う。そして、図5(C)のようにガイド糸部材4のひと結びを2回行う。この場合においても結び回数等は必要に応じて適宜設定してよい。このようにガイド糸部材4を付帯させるかたちで、チューブ材5を介して自毛11を結び合わせることで、連結部6が形成される。この際、可撓性を有する合成樹脂材或いはゴム材等で成るチューブ材5は自毛束11c及びガイド糸部材4を緊締することで押し潰されて、ともに連結部6の構成部材として作用することになる。
【0023】
次に図6において、自毛束11cの連結部6を上方から係止孔3cに強制的に挿通させ、次いで連結部6をかつらベース1の下側まで引き出し、引き出された連結部6を係止する工程に入る。この場合、図6(A)のようにガイド糸部材4の先端側はかつらベース1の下側に引き出されている。そして、図6(B)のようにして、挿通孔3aに隣接配置された補助孔3d(別の挿通孔を利用してもよい。)にガイド糸部材4の一方を下側から通してかつらベース1の上側へ引き出す。さらに、図6(C)に示すように、かつらベース1の上下両側のガイド糸部材4で外科結びを行う。
【0024】
外科結びした後、図7(A)に示すように、ガイド糸部材4同士のひと結びを2回行う。そして、図7(B)のようにガイド糸部材4の結び目にピケを付け、長めにカットする。
【0025】
上記各工程により、かつらベース1の周縁部2を自毛11に結合固定することができる。周縁部2に沿って複数箇所でこのように自毛11を固定することで、かつらを頭部に的確に且つ適正に装着することができる。
【0026】
本発明にあっては、特に、自毛束11c、好ましくはこの自毛束に連結手段により連結部6を形成し、これら自毛束11c又は連結部6をガイド糸部材4によって係止する際、このガイド糸部材4がかつらベース1の下側で自毛束11c又は連結部6を横方向に引っ張ることになる。これにより、係止孔3cから垂直方向(下方)へ引き出された自毛の毛流方向を、図7(B)に示すように適度に横方向にねかせることができる。毛流を横方向へ向ける必要があるのは、とくに頭部の前額部のヘアラインであるので、本発明はとくにかつらのフロント部、すなわち頭部の前額部の取付けに極めて適している。
自毛束11c又は連結部6の先端側を、このように横方向の毛流を呈させることで、かつら装着時により自然な毛流とし、違和感なく自然な感じを与えることができる。
【0027】
このようにして、頭部の全周或いは例えばとくにフロント側(前額部)の周囲に、かつらベースに形成した各挿通孔3a,3b及び係止孔3cを介して自毛束11c(連結部6)を断続的に係止するようにしているので、簡単な取付作業で適正且つ確実にかつらを取り付けることができる。この際、かつらベース1の周縁部2の挿通孔3a,3bに挿通された自毛11a,11bには、毛根からほぼ真上に向かう張力が生じることになる。このため、挿通孔3a,3bに挿通された自毛11a,11bに対して、痛み等の原因となる横方向に引っ張る張力がほとんど生じない。したがって自毛11a,11bに無理な引っ張りがかからないので痛みが生ぜず、或いは痛みを著しく緩和することができる。
【0028】
なお、上記実施形態において、自毛11の連結手段として、チューブ材5を用いて自毛11をかつらベース1の下側で係止する例を説明したが、チューブ材5の代わりに、例えば適宜の接着剤によって係止するようにしてもよい。また、連結手段としては、自毛11を挿通させ得る貫通孔を有し、この貫通孔によって自毛11を締め付け固定し得るようにした固着部材を用いることもできる。更に、かつらベース1の周縁部2における自毛11を挿通させるための挿通孔3a,3bや、係止孔3c間の間隔や、かつらベース1の周縁部2に開設すべき個数等については、必要に応じて適宜設定することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、かつらベース周縁部に開設された複数の挿通孔に自毛を挿通させ、それらの自毛同士をかつらベースの上側で互いに束ねて自毛束とし、好ましくは自毛束を連結して連結部を形成し、この自毛束又は連結部を係止孔からかつらベースの下側に挿入して係止することにより、適正に且つ確実にかつらを取り付けることができる。従って、かつらの取付作業が容易になり、極めて取扱性に優れている。また、かつらの頭部装着時に痛みが生じることがなく、安全性及び快適性等を得ることができる等の利点を有している。
さらに、かつらベースの下側に垂れ下がる自毛束又は連結部は、ガイド糸部材により横方向に引っ張られることになるから、毛流方向を適度に横方向にねかせることができ、とくにかつらのフロント部、すなわち頭部の前額部におけるかつらの取付けに極めて適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るかつらの被着時の様子を示す斜視図である。
【図2】本発明方法の実施形態における主要工程を示し、自毛を孔からかつらベース表面側へ引き出した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明方法の実施形態において、連結手段を用いる場合の斜視図である。
【図4】本発明方法の実施形態における主要工程を示し、連結手段を用いた結合過程の斜視図である。
【図5】本発明方法の実施形態における主要工程を示し、連結部を形成する過程の斜視図である。
【図6】本発明方法の実施形態における主要工程を示し、自毛束及び連結部をかつらベースの下側へ引き出した状態を示す斜視図図である。
【図7】本発明方法の実施形態における最終工程を示す斜視図図である。
【符号の説明】
1 かつらベース
2 周縁部
3a,3b 挿通孔
3c 係止孔
3d 補助孔
4 ガイド糸部材
5 チューブ材
6 連結部
10 頭部
11 自毛
11a,11b 引き出された自毛
11c 自毛束

Claims (5)

  1. かつらを頭部に取り付けるための方法であって、
    かつらのかつらベース周縁部に開設された複数の挿通孔のそれぞれに、それらの挿通孔の下側付近の自毛をこれに付帯させた1本のガイド糸部材と共に挿通させる工程と、
    前記挿通孔に挿通させた自毛同士を前記かつらベースの上側で束ねて自毛束を形成する工程と、
    前記挿通孔の近傍に開設された係止孔に前記自毛束を挿通させてかつらベースの下側に引き出す工程と、
    前記ガイド糸部材を前記係止孔に挿通させ、前記自毛束を前記ガイド糸部材によって前記かつらベースの下側で係止する工程と、
    を備えたことを特徴とするかつら取付方法。
  2. かつらを頭部に取り付けるための方法であって、
    かつらのかつらベース周縁部に開設された複数の挿通孔のそれぞれに、それらの挿通孔の下側付近の自毛をこれに付帯させた1本のガイド糸部材と共に挿通させる工程と、
    前記挿通孔に挿通させた自毛同士を前記かつらベースの上側で束ねて自毛束を形成する工程と、
    前記自毛束を前記かつらベースの上側で連結手段にて連結することにより、該自毛束に連結部を形成する工程と、
    前記挿通孔の近傍に開設された係止孔に前記連結部を挿通させてかつらベースの下側に引き出す工程と、
    前記ガイド糸部材を前記係止孔に挿通させ、前記連結部を前記ガイド糸部材によって前記かつらベースの下側で係止する工程と、
    を備えたことを特徴とするかつら取付方法。
  3. 請求項1に記載のかつら取付方法において、
    前記自毛束を前記ガイド糸部材によって係止する際、このガイド糸部材が前記かつらベースの下側で前記自毛束を横方向に引っ張るようにしたことを特徴とするかつら取付方法。
  4. 請求項2に記載のかつら取付方法において、
    前記連結部を前記ガイド糸部材によって係止する際、このガイド糸部材が前記かつらベースの下側で前記連結部を横方向に引っ張るようにしたことを特徴とするかつら取付方法。
  5. 前記連結手段は、チューブ材、接着剤及び固着部材のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のかつら取付方法。
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