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JP3674282B2 - プラズマ発生装置、そのチャンバー内壁保護部材及びその製造法、チャンバー内壁の保護方法並びにプラズマ処理方法 - Google Patents
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JP3674282B2 - プラズマ発生装置、そのチャンバー内壁保護部材及びその製造法、チャンバー内壁の保護方法並びにプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ発生装置、そのチャンバー内壁保護部材及びその製造法、チャンバー内壁の保護方法並びにプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置に用いられるプラズマプラズマエッチング装置等のプラズマ発生装置、これに用いられるチャンバー内壁保護部材及びその製造法、チャンバー内壁の保護方法並びにプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、エッチング、CVD等のプラズマ処理を利用するいくつもの重要な工程がある。これらの工程のプラズマ発生装置においては、プラズマ発生装置における半導体ウエハ周辺の装置部材がプラズマに接触し、消耗が生じる。この消耗により(1)部材から微小な異物が発生し半導体ウエハ表面に落下する、(2)構成物質がプラズマに混入して半導体ウエハを汚染する等の現象が引き起こされ、デバイス特性や歩留まりの低下を引き起こす。このため、装置の部材には高純度であり、プラズマにより消耗されにくい性質が要求されている。
【0003】
近年上記性質を満たす材料として、ガラス状炭素が注目されている。ガラス状炭素とは熱硬化性樹脂を炭化焼成して得られる炭素材料で、ガラス状の非常に均質、緻密な構造を有する。この材料は、一般の炭素材料の特徴である導電性、化学的安定性、耐熱性、高純度等の性質に加え、構成粒子の脱落がないという優れた特長を有する。このため、ガラス状炭素は半導体製造装置部材としてエッチング装置の上部電極等に適用されている。
プラズマ発生装置においては、電極だけでなく、プラズマを発生させる容器 (以下チャンバーと呼称する)の内壁にもプラズマが接触し前述の問題が発生する。このため通常は、内面を陽極酸化処理(アルマイト処理)したアルミニウム系材料がチャンバーの材料として使用されている。
【0004】
またプラズマ発生装置においては、チャンバーの消耗と同時に有機重合膜の蒸着が同時進行する。これは通常デポ膜と呼ばれ、プラズマ密度が低い部分に堆積しやすい。このデポ膜がある程度以上厚くなると、膜の剥離が発生し、プラズマ中に混入して半導体ウエハの上に放電異物として落下し、歩留まりの低下を引き起こす。このため定期的に容器内壁をクリーニングしてデポ膜を除去する必要がある。
このデポ膜のクリーニングを容易にするために特開平9−186137号公報においては、プラズマエッチング装置のチャンバー内壁に薄膜フィルムを設けることを提案している。
【0005】
チャンバーの材料をアルマイト処理したアルミニウム系金属材料で構成する場合、アルマイト層が健全な状態では、不純物の抑制に一定の効果が期待できる。しかしながら、一定期間使用してプラズマによりアルマイト層が消失すると、基材が露出しアルミニウムやその他構成金属がプラズマに混入してしまう。この金属成分は半導体ウエハを汚染し、歩留まりを低下させる。
【0006】
またチャンバーは通常プラズマ発生装置の中心にあり、周辺機器と複雑に結合されているため、デポ膜のクリーニング毎に分解清掃するのは困難である。したがって、隅部や手の届かないような部分のデポ膜を完全に除去することは難しい。
また、特開平9−186137号公報が提案する薄膜フィルムを設ける方法では、クリーニングは簡便になるが、フィルムの耐プラズマ性が不十分であると、プラズマとの接触により放電異物が発生し、半導体ウエハの歩留まりを低下させる恐れがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1及び2記載の発明は、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材を提供するものである。
請求項3〜に記載の発明は、請求項1記載の発明の課題において、さらに半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下防止等の効果の高いプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材を提供するものである。
【0008】
請求項記載の発明は、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材を容易に製造できる製造法を提供するものである。
請求項記載の発明は、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができるプラズマ発生装置のチャンバー内壁の保護方法を提供するものである。
請求項記載の発明は、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができるプラズマ発生装置を提供するものである。
請求項10記載の発明は、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができるプラズマ処理方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筒状の樹脂成形体を炭化焼成して得られた筒状に形成されたガラス状炭素部材を有し、かつガラス状炭素部材が、筒の上端と下端を結ぶ切断面を有してなるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材に関する。
また本発明は、前記筒状に形成されたガラス状炭素部材が円筒形状に形成されたものであるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材に関する
また本発明は、前記切断面にスペーサーが挿入又は嵌合されてなるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材に関する。
また本発明は、前記スペーサーの断面形状が、T字型又はH字型であるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材に関する。
また本発明は、前記スペーサーが樹脂であるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材に関する。
また本発明は、前記スペーサーの少なくともプラズマに接触する面がガラス状炭素からなるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材に関する。
【0010】
また本発明は、熱硬化性樹脂を、筒の上端及び下端を結ぶ切断面を有する筒状の型枠を用いて注型成形し、得られる樹脂成形体を炭化焼成してガラス状炭素部材とすることを特徴とするチャンバー内壁保護部材の製造法に関する
また本発明は、前記のいずれかに記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材をプラズマ発生装置のチャンバー内壁に設置することを特徴とするプラズマ発生装置のチャンバー内壁の保護方法に関する。
また本発明は、前記のいずれかに記載のチャンバー内壁保護部材を装着してなるプラズマ発生装置に関する。
さらに本発明は、前記プラズマ発生装置を用いることを特徴とするプラズマ処理方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のチャンバー内壁保護部材を有してなるプラズマ発生装置の一例の概略図を図1に示す。
本発明でいうプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材とは、プラズマとチャンバー内壁の間に設置されるものである。図1のプラズマエッチング装置では、チャンバー1の内部に、上部電極4、下部電極6が設置され、下部電極6の上に半導体ウエハ5が置かれる。ガス導入口3から、ガスが導入され、ガス排気口8から真空ポンプでガスが排気される。上部電極4と下部電極6の間に高周波の電圧がかけられ、中央部にプラズマ7を発生させる。このとき、状ガラス状炭素部材であるチャンバー内壁保護部材は、チャンバーの内面を保護しており、プラズマによるチャンバーの消耗を防ぐ。また、同時に発生するデポ膜もチャンバー内壁保護部材の表面に付着するので、該部材はデポ膜のチャンバー内面への付着も防いでいる。
【0012】
本発明のチャンバー内壁保護部材に用いられるガラス状炭素は、熱硬化性樹脂の硬化物を、炭化、焼成して得ることができる。用いられる熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂の混合物を用いることもできる。これらの樹脂の中で、特性の良好なガラス状炭素が得られるので、フラン樹脂、フェノール樹脂またはこれらの混合樹脂を材料とすることが好ましい。
【0013】
上記熱硬化性樹脂は、目的とする筒状のガラス状炭素部材を得るために、筒状の型枠に注型成形したり、遠心成形法で成形して得られた筒状の樹脂成形体を炭化焼成する。筒状の型枠に注型成形し、得られる樹脂成形体を炭化焼成する方法が簡易に良好な形状の部材が得られるので好ましい。前記筒状の型枠は、筒の上端及び下端を結ぶ切断面を有するものであってもよい。
筒の形状としては、円筒形状、略円筒形状、多角柱形状などが挙げられ、その筒の上端及び下端を結ぶ切断面を有する形状であってもよい。一般にチャンバー内壁は円筒形状であり、チャンバー内壁との隙間を低減し、本発明の効果を高めることができるので、円筒形状であることが好ましい。
【0014】
樹脂の筒の寸法は、炭化焼成時の収縮を考慮して決定することが好ましい。また、樹脂の段階で、筒に観察窓、ガス導入孔、ウエハ搬送口等の必要な加工を施してもよい。
上記の方法により樹脂の筒を所定の形状に成形した後、必要に応じて最高温度130〜200℃の熱処理を行い、熱硬化性樹脂の硬化を十分に進める。樹脂の硬化が不十分であると、焼成の際、組織に欠陥が生じたり、著しい場合には発泡、割れが発生し、良好な特性のガラス状炭素部材ができなくなることがある。
【0015】
次いで、不活性雰囲気中(ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスや窒素、水素、ハロゲンガス等の非酸化性ガスの少なくとも一種の気体からなる酸素を含まない気体雰囲気、減圧下、真空下又は黒鉛粉、炭素粉等に埋没させて大気を遮断した雰囲気など)において通常約900℃以上の温度、好ましくは1000℃〜1200℃の温度で焼成炭化する。その後、好ましくは1300℃〜3000℃で高温熱処理を行いガラス状炭素とすることができる。
前記方法にてガラス状炭素製の筒を得た後、必要に応じて、ダイヤモンドドリル加工、超音波加工などの公知の加工方法で、寸法の仕上加工や、観察窓、ガス排出口、ウエハ搬送口等の加工を施してもよい。
【0016】
上記方法により得られる筒状のガラス状炭素部材は、そのままプラズマ発生装置のチャンバー用保護部材とすることができる。
しかしながら、一般に、ガラス状炭素は、樹脂硬化体を炭化焼成する過程で大きく収縮(通常10〜30%程度)し、またこの焼成収縮率は、樹脂の硬化状態等により若干変動するため、得られるガラス状炭素部材の寸法は一定のばらつきを持つ。このため、ガラス状炭素部材の外径は変動し、本来チャンバーの内側に隙間なく収めることを目標としていても、収縮が大きければ隙間が大きくなり、収縮が小さければチャンバー内に入らなくなるといった欠点がある。また、円筒形状の場合で、硬化時や焼成時に円筒に変形が生じて真円度が悪くなった場合にも同上の問題が起きやすくなる。
【0017】
そこで本発明におけるガラス状炭素部材は、それらを調整できるように筒の上端と下端を結ぶ切断面を有することが必要とされる。切断面は、筒の周方向に対して直角にかつ直線状に切断された形状であることが好ましい。筒の両端を結ぶ切断面は、成形時又は成形後炭化焼成前に形成されていてもよいし、炭化焼成後に形成されてもよい。また、形成された切断端面と切断端面の間は、力をかけない状態で、隙間を持っていてもよいし、周が一部重なった形状であってもよい。
【0018】
本発明のチャンバー内壁保護部材は、さらに、前記ガラス状炭素部材の切断面に挿入又は嵌合されるスペーサーを有し、この挿入により直径を調整することを可能にした構造を有するものが、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止する効果がさらに高いので好ましい。
なお、このとき、ガラス状炭素部材の筒の外径がチャンバー内径よりも大きければ、チャンバー内部に収まるように、切断端面をさらに切削し、周の長さを短く調整することもできる。また、筒の外径がチャンバー内径よりも小さく、両者の隙間が大きい場合には、スペーサーの幅を広く調整して筒の内径を広げ、隙間を小さくすることができる。
【0019】
上記スペーサーの断面形状は特に制限されないが、H字型又はT字型とすることが、筒状のガラス状炭素部材とスペーサーの間に、間隙を生じさせにくいので好ましい。
図2にスペーサーが挿入又は嵌合された円筒形状チャンバー内壁保護部材の一例の斜視図を示す。また、図3にチャンバー内壁保護部材がチャンバー内に設置された状態の部分断面図を示す。図2及び図3において、9は円筒形状のガラス状炭素部材、10はスペーサー、11はチャンバー内壁である。
【0020】
断面形状がH字型の場合、図3の(1)に示すように、スペーサーの両側の開口部にガラス状炭素部材の切断部を嵌合して,即ちはめ込んで,円筒形状に調整することが好ましい。また、このとき切断部の断面形状は、図3の(1)に示すように切断したままの状態でもよいが、図3の(2)に示すようにスペーサーと接触する部分の内・外周面の表面、または図3の(3)に示すように、少なくともスペーサーと接触する部分の外周面の表面若しくは内周面を切削し、厚さを薄くする加工を施した方が、スペーサーとガラス状炭素製円筒の段差を小さくすることができるので好ましい。この切削加工は、樹脂の段階で施してもよいし、ガラス状炭素になってから施してもよい。
また、スペーサーの断面形状がT字型の場合、図3の(4)、(5)のいずれの使い方で挿入してもよい。また、図3の(6)に示すように外周面を切削して、あいじゃくりを設け、外周でのスペーサーとガラス状炭素製円筒の段差を小さくしたり、反対に内周面を切削して、あいじゃくりを設け、内周でのスペーサーとガラス状炭素製円筒の段差を小さくしてもよい。
【0021】
本発明のスペーサーの材質に特に制限はないが、樹脂であることが加工性と可とう性の点で好ましい。樹脂の種類は、特に制限されないが、耐プラズマ性、加工性、低不純物などの点から、ポリイミド樹脂、テフロン樹脂、シリコン樹脂等が好ましい。
これらの樹脂の成形品、例えば、板、棒等を機械加工することによりスペーサーを製造することができる。機械加工は、NC加工等一般に知られた方法を用いることができる。
【0022】
また、上記のスペーサーは、少なくともプラズマに接触する面がガラス状炭素からなることが高純度で発塵性がないため好ましい。この方法によれば、チャンバー内面を全てガラス状炭素で被覆することができるため、放電異物、金属汚染共に優れた特性を得ることができる。
なお、この場合、スペーサーのプラズマに接触しない部分については、ガラス状炭素でなくともよい。この場合には、前述の樹脂性のスペーサーのプラズマに接触する面に、ガラス状炭素部材を接着、ネジ止め等の方法で固定、一体化してスペーサーとすることができる。
【0023】
本発明に使用する筒状のガラス状炭素部材の大きさは、プラズマ発生装置のチャンバーの大きさに応じて設計され、特に制限はないが、外径がφ200〜800mmの筒とすることが好ましい。外径がφ200mmより小さい場合、径を調整する際の変形の自由度が小さくなり、取付時に筒が破壊する恐れがある。また外径がφ800mmより大きい場合、焼成時の変形が大きくなり、良好な筒を得るのが困難となる傾向にある。なお、ここでいう外径とは、円筒形状の場合はその直径を指し、その他の筒状形状においては、これを内接できる最小の円の直径を指す。
また、筒の長さに関しては、20〜500mmが好ましい。20mm未満では、筒の強度が弱いため、筒の両端面の変形が大きくなる傾向にある。また500mmを超えると長さ方向の変形が大きくなり、やはり良好な筒が得られなくなる傾向にある。
また、筒の厚さについては、0.2〜5mmの範囲が好ましい。厚さ0.2mm未満では強度が弱くなる傾向にあり、5mmを超えると、焼成時の揮発分の揮散が困難になり、割れ、ふくれが生じやすくなる傾向にある。
【0024】
また、スペーサーについても特にその大きさに制限はない。長さは、ガラス状炭素製部材と組み合わせて使用するため、前述した筒状のガラス状炭素部材の好ましい長さの範囲と同様である。
その幅に関しては、筒の切断面の間に入る部分は0.5〜50mmであることが好ましい。0.5mm未満ではスペーサーの形状が保てなくなる傾向にあり、一方、50mmを超えるとプラズマに対する面積が大きくなり、筒状のガラス状炭素部材の有する耐プラズマ性が相対的に減少する傾向にある。
また、スペーサーが、前記切断面を抑え、スペーサーを確実に固定するためにT字状、H字状等に形成された張り出し部分を有する場合、そのそれぞれの張り出し部分の幅は0.5〜30mmが好ましい。0.5mm未満ではスペーサーの固定が不安定になる傾向にあり、30mmを超えると、不必要に樹脂の面積が増えて、耐プラズマ性が相対的に減少する傾向にある。
【0025】
その厚さに関しては、筒の内周、外周、それぞれに突き出す厚さが、3mm以下となる厚さであることが好ましい。3mmより大きくなると、内周の場合にはスペーサーにプラズマが集中して、放電異物が増加する傾向にある。また、外周の場合には、チャンバーとの隙間が大きくなり、ここにデポ膜がたまりやすくなる傾向にある。
また、スペーサーの突き出しを少なくするために、内外周部の形状を筒に合わせた曲面としてもよい。
なお、スペーサーの筒の断面間に入る部分の大きさは、筒の外径を調整する上で大変重要である。この部分の大きさは、実際に製作したガラス状炭素製部材の外径を測定して、この寸法に合わせて加工してもよいし、予め少しずつ大きさを変えたスペーサーを製作しておき、最適なものを選択してもいずれでもよい。
【0026】
本発明のプラズマ発生装置のチャンバー内壁の保護方法は、前記チャンバー内壁保護部材をプラズマ発生装置のチャンバー内壁に設置すればよく、できるだけ壁に密着させることが好ましい。
チャンバー内壁保護部材を、チャンバー内に設置、固定するための方法は、特に制限はなく、通常、チャンバーの底又は途中に張り出したフランジ等に単純に乗せる方法、筒に穴を空け、ボルト等でチャンバーと保護部材を固定する方法などが用いられる。
本発明のプラズマ発生装置は、その例を図1に示したとおり、前記チャンバー内壁保護部材を装着すること以外は公知の装置と同様である。
また本発明のプラズマ処理方法は、前記プラズマ発生装置を使用することによって達成される。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
実施例1
内径φ400mm、高さ160mmのプラズマエッチング装置の円筒形状のチャンバー内壁を保護するガラス状炭素製の円筒形状チャンバー内壁保護部材を以下の方法で製作した。
なお、チャンバーは内面をアルマイト処理したアルミ合金である。
【0028】
フラン樹脂初期縮合物(日立化成工業(株)製、VF−302)100重量部に、パラトルエンスルホン酸0.5重量部、エチレングリコール0.5重量部を添加し、十分混合し原料とした。これを内径φ480mm×外径φ510mm、高さ250mmの中子の入った円筒型の型に注型し、室温で10日、60℃で10日、100℃で5日熱処理して円筒形状の樹脂硬化物を得た。得られた硬化物を旋盤にて加工し、外径φ500mm×内径φ492mm(厚さ4mm)、高さ200mmの寸法に仕上げ、最高温度150℃で後硬化して、樹脂円筒成形体を得た。該成形体を電気炉に入れ窒素気流中で2℃/時間の昇温速度で、1000℃の温度で焼成炭化した後、高純度に処理した治具及び雰囲気炉を用い窒素雰囲気下で2000℃の温度で高温処理を行ない、ガラス状炭素製円筒とした。樹脂成形体は焼成中に約20%収縮したため、得られたガラス状炭素製円筒は、平均の外径φ395.5mm、厚さ3.2mm、高さ160mmの大きさであり、真円度は2.5mmであった。
【0029】
得られたガラス状炭素製円筒に、図4(円筒の展開図)に示すような観察窓14、ガス排出口15、ウエハ搬送口13を超音波加工して完成させた。これを前記のエッチング装置のチャンバー内に挿入し、プラズマを発生させエッチングを行った。
得られたウエハの金属汚染状況を、全反射型蛍光X線分析により調べたところ、Fe、Cr、Niの測定値の合計が9×1010atoms/cm2であり、円筒を使用しない場合の15×1010atoms/cm2の2/3以下となった。また、0.3μm以上の放電異物をパーティクルカウンターで測定したところ、円筒を使用した場合は平均10ヶ/ウエハで、使用しない場合の約半分であった。さらに、200時間使用後にガラス状炭素製円筒を引き出して内面に付着したデポ膜の除去を行ったところ、円筒を使用しない従来の場合に比べ約1/4の時間で清掃が完了し、清掃後に放電異物を低減するためのクリーニング放電時間は約1/5であった。
【0030】
実施例2
内径φ460mm、高さ80mmのプラズマエッチング装置の円筒形状のチャンバー内壁を保護するガラス状炭素製円筒を以下の方法で製作した。チャンバーの材質は内面をアルマイト処理したアルミ合金である。
実施例1と同様の樹脂に同様の硬化剤を十分混合し原料とした。これを内径φ580mm×外径φ610mm、高さ150mmの中子の入った円筒型の型に注型し、室温で20日、60℃で10日、100℃で10日熱処理して円筒形状の樹脂硬化物を6個製作した。得られた硬化物を旋盤にて加工し、外径φ588〜595mm、高さ97mm、厚さ3.5mmの樹脂円筒硬化物を得た。
得られた樹脂円筒に、NC加工機、旋盤等を用いて図4に示すような、観察窓、ガス排出口、ウエハ搬送口を加工した後、これを150℃で3日間後硬化した。これを実施例1と同様の条件で炭化焼成、高温処理を行って、ガラス状炭素製円筒を6個得た。
樹脂硬化体は焼成中に約19〜20%収縮したため、得られた6個のガラス状炭素製円筒は、外径φ470〜480mm、厚さ3.1mm、高さ77〜79mmの大きさであった。いずれの円筒についても円周方向に直角に切断し、外周の長さが1438〜1442mmになるように加工した。
【0031】
これにポリイミド樹脂成形体を図3の(1)〜(6)に示す形状に加工したスペーサー(なお、(2)、(3)、(5)の場合にはガラス状炭素部材も各図に示すように切削加工した)を組み合わせ前記のエッチング装置のチャンバー内に挿入し、プラズマを発生させエッチングを行った。
スペーサーの大きさは、6個の円筒それぞれについて、内径φ460mmの円筒に挿入したときの内面との隙間が最小となるようにスペーサーの円筒の切断面に挟まれる部分の大きさを決めた。この大きさは、3〜7mmであった。なお、切断面を抑えるための張り出し部分の幅は、全て5mmとした。
【0032】
実施例1と同様にエッチング装置のチャンバー内に挿入し、プラズマを発生させエッチングを行った。
実施例1と同様に得られたウエハの金属汚染、放電異物を分析したところ、Fe、Cr、Niの測定値の合計は6〜10×1010atoms/cm2であり、円筒を使用しない場合の14〜23×1010atoms/cm2に比べ少ない値であった。また0 .3μm以上の放電異物をパーティクルカウンターで測定したところ、円筒を使用した場合は平均8〜15ヶ/ウエハで、使用しない場合の17〜40ヶ/ウエハよりも低減されていた。また、150時間使用後にガラス状炭素製円筒を引き出して内面に付着したデポ膜の除去を行ったところ、従来の円筒を使用しない場合に比べ約1/3の時間で清掃が完了し、清掃後に放電異物を低減するためのクリーニング放電時間は約1/4であった。
【0033】
実施例3
実施例2において、ガラス状炭素で同形状のスペーサーを作製して使用した。このスペーサーは、円筒と同一原料を型に流し込み、硬化、焼成、高温処理を全く同じ条件で行ったもので、寸法は大きめに作製し、熱処理後に超音波加工機で、先述のポリイミド樹脂製スペーサーと同一寸法に仕上げた。
このスペーサーを用いて、ポリイミド樹脂の場合と同様のプラズマ試験を行ったところ、金属汚染は、樹脂の場合の約80%、放電異物については約半分に低減された。
【0034】
【発明の効果】
請求項1及び2記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材を用いると、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができる。
請求項3〜に記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材を用いると、さらにそれらの効果を高めることができる。
請求項記載の製造法によれば、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材を容易に製造できる。
【0035】
請求項記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁の保護方法によれば、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができる。
請求項記載のプラズマ発生装置は、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下が防止され、また、デポ膜の除去が容易なものである。
請求項10記載のプラズマ処理方法によれば、半導体ウエハの金属汚染、放電異物による歩留まり低下を防止し、また、プラズマ発生装置のデポ膜の除去を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチャンバー内壁保護部材を有してなる本発明のプラズマ発生装置の一例の概略図である。
【図2】本発明のチャンバー内壁保護部材の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明のチャンバー内壁保護部材のスペーサーとその周辺の円筒形状ガラス状炭素部材及びチャンバー内壁の形状の例を示す、円周方向の部分断面図である。
【図4】本発明の円筒形状チャンバー内壁保護部材を展開した際の側面外観図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生装置チャンバー
2 円筒形状ガラス状炭素部材
3 ガス導入口
4 上部電極
5 半導体ウエハ
6 下部電極
7 プラズマ
8 ガス排気口
9 円筒形状ガラス状炭素部材
10 スペーサー
11 チャンバー内壁
12 円筒形状ガラス状炭素部材
13 半導体ウエハ搬送口
14 観察窓
15 エッチングガス排出口

Claims (10)

  1. 筒状の樹脂成形体を炭化焼成して得られた筒状に形成されたガラス状炭素部材を有し、かつガラス状炭素部材が、筒の上端と下端を結ぶ切断面を有してなるプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材。
  2. 筒状に形成されたガラス状炭素部材が円筒形状に形成されたものである請求項1記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材。
  3. 切断面にはスペーサーが挿入又は嵌合されてなる請求項1又は2記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材。
  4. スペーサーの断面形状が、T字型又はH字型である請求項記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材。
  5. スペーサーが樹脂である請求項又は記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材。
  6. スペーサーの少なくともプラズマに接触する面がガラス状炭素からなる請求項又は記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材。
  7. 熱硬化性樹脂を、筒の上端及び下端を結ぶ切断面を有する筒状の型枠を用いて注型成形し、得られる樹脂成形体を炭化焼成してガラス状炭素部材とすることを特徴とするチャンバー内壁保護部材の製造法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のプラズマ発生装置のチャンバー内壁保護部材をプラズマ発生装置のチャンバー内壁に設置することを特徴とするプラズマ発生装置のチャンバー内壁の保護方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のチャンバー内壁保護部材を装着してなるプラズマ発生装置。
  10. 請求項記載のプラズマ発生装置を用いることを特徴とするプラズマ処理方法。
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