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JP3674338B2 - 直動アクチュエータ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Z軸2軸の間にX軸1軸を配置した直交座標系の3軸組合せロボットモジュールなどの直動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2軸同期型の直動アクチュエータは、例えば図2に示すような構成となっている。
【0003】
すなわち、所定間隔を開けて一対のZ軸ガイド50が並立し、その各Z軸ガイド50に沿って一対のZ軸キャリア51が同期をとって移動可能となっている。その一対のZ軸キャリア51間に、X軸ガイド52が水平に架設され、そのX軸ガイド52に沿ってX軸キャリア53が直線駆動されるようになっている。
【0004】
そして、上記各Z軸キャリア51は、一対のサーボモータ等を駆動源として駆動され、その二つのZ軸キャリア51が同期して平行移動するように制御されることで、X軸ガイド52(X軸キャリア53)は水平状態を維持したままZ軸方向に移動する。
【0005】
ここで、上記図2に示す直動アクチュエータにおけるZ軸キャリア51とX軸ガイド52との取付け構造は、2つのZ軸ガイド50の取付け誤差を吸収するために、X軸ガイド52の各端部は、一方のZ軸ガイド50には剛に結合(図2中右側)されると共に、片方のZ軸ガイド50にはピン支持(図2中左側)で接続している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、停電やモータ及び制御部の故障などよって上記2つのモータのブレーキタイミングがずれたり一方のモータのブレーキだけが効かなくなったりすると、ブレーキが効かなくなかった側のZ軸キャリア51だけが自重落下し、その自重を受けつつX軸ガイド52が傾く。
【0007】
すると、上記のような従来の直動アクチュエータでは、上記剛結合したX軸ガイド52とZ軸キャリア51との取付け部に大きなモーメントが入力されて、当該取付け部が損傷・破損する恐れがある。上記取付け部に損傷・破損が生じると、アクチュエータの位置決め精度が劣化したり作動不能となる。さらに、場合によってはX軸ガイド52やX軸キャリア53が落下してしまうという問題がある。
【0008】
また、正常運転時であっても、上記二つのZ軸キャリア51を駆動するモータの発生トルク差等による微少な同期不一致から、剛結合側のZ軸ガイド50に繰り返してモーメントが入力されて、装置の寿命低下の一因となったり、その分だけZ軸ガイド50などの剛性を高く設定するなどして装置を大型化する必要があったりする。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、一対のZ軸ガイドの取付け誤差や運動誤差を吸収できると共に上記Z軸キャリアの同期が崩れた場合であってもX軸ガイド取付け部の損傷・破損を防止することができる直動アクチュエータを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、平行な一対のZ軸ガイドにそれぞれ案内されて同期をとって直線移動する一対のZ軸キャリアと、上記一対のZ軸キャリアに支持されてZ軸と直交するX軸方向に延在する第1のビーム材とを備えた直動アクチュエータにおいて、
上記第1のビーム材は、上記Z軸キャリアにそれぞれブラケットを介して取り付けられ、さらに、上記一対のZ軸キャリア間に第2のビーム材が横架され、その第2のビーム材は、延在方向途中位置で分断されていて、その対向する一対の分断面は、所定間隙を持って非接触状態となっていると共にZ軸方向からみて対向する面を備えることを特徴とする直動アクチュエータを提供するものである。
【0011】
本発明によれば、一対のZ軸キャリアの同期が大きく崩れると、第1のビーム材はZ軸方向に傾こうとする。
【0012】
このとき、そのままでは、ベアリング支持部等のZ軸キャリアと第1のビーム材との取付け部に大きな負荷が掛かって破損・損傷するおそれがあるが、本発明では、2つのZ軸キャリアの相互高さがずれると、第2のビーム材の分割面におけるZ軸方向からみて対向する面同士が当接し、当該第2のビーム材によって、それ以上のZ軸キャリア間の相互高さ位置のずれが規制され、上記第1のビーム材の各Z軸キャリア又は各ブラケットへの取付け部の損傷・破損が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
なお、本実施形態では、上下垂直方向をZ軸方向として説明する。
【0015】
まず構成について説明すると、図1に示すように、Z軸方向に軸を向けた2本のZ軸ガイド1a,1bが互いに所定間隔を開けて配設され、各Z軸ガイド1a,1bには、それぞれ当該Z軸ガイド1a,1bに案内されて直進移動するZ軸キャリア2a,2bが配設されている。その各Z軸キャリア2a,2bは、リニアガイドやボールネジ等の公知の直線駆動機構(不図示)によって、上記Z軸ガイド1a,1bに沿って直進移動するようになっている。
【0016】
ここで、下記の説明では、図1中左側のZ軸ガイド1a及びZ軸キャリア2aを、第1のZ軸ガイド及び第1のZ軸キャリアと、図1中右側のZ軸ガイド1b及びZ軸キャリア2bを、第2のZ軸ガイド1b及び第2のZ軸キャリア2bと呼んで両者1a,1b,2a,2bを区別する。
【0017】
そして、2つのZ軸ガイド1a,1bの間に、第1のビーム材であるX軸ガイド3が水平に(X方向に延在して)配置され、該X軸ガイド3の各端部は、第1のブラケット4又は第2のブラケット5を介して各Z軸キャリア2a,2bにそれぞれ取り付けられている。
【0018】
第1のZ軸キャリア2aに取り付けられた第1のブラケット4は、当該Z軸キャリア2a位置から下方に延在し、且つ本体が横断面T字形状となっている。すなわち、第1のブラケット4は、第1のZ軸キャリア2aに直接固定されて下方に延びる第1の板部材4aと、その第1の板部材4aの側端面に突合せ溶接等で一体的に固定され、第1のZ軸ガイド1aにおける第2のZ軸ガイド1bと対向する面に沿って下方に延びる第2の板部材4bとを備え、さらに補強板4dで補強されて剛性が高く設定されている。
【0019】
上記第2の板部材4bは縦断面L字形状となっていて、その下部の水平部分が、第2のZ軸ガイド1b側に突出して取付け部4cを形成し、その取付け部4cに、X軸ガイド3の一端部が、軸を上下に向けた軸受8によってベアリング支持されている。なお、上記第2の板部材4bの垂直部の厚みは19mmと厚く設定されて撓み発生が防止されている。
【0020】
また、第2のブラケット5は、縦断面L字形状の板部材であって、垂直部5aの上部が第2のZ軸キャリア2bに固定されて下方に延び、その垂直部5aの下端部に連続する水平部5bが、第1のZ軸ガイド1a側に突出している。このように第2のZ軸キャリア2bに取り付けられることで、第2のブラケット5は、片持ち支持状態となり、垂直部5aがZ軸に直交する方向への撓むことで、X軸ガイド3を取り付ける水平部5bがZ軸と直交する方向に移動することが許容されていると共に、上記第2のZ軸キャリア2bへの取付け点周りに、垂直部5aが撓むことで水平部5bが上下方向に若干傾くことが許容されている。
【0021】
そして、その水平部5bにX軸ガイド3の他端部が取り付けられている。
【0022】
なお、図1中、符号6は、X軸ガイド3に沿って移動するX軸キャリアを表す。
【0023】
また、左右のZ軸キャリア2a,2bの高さとほぼ同じ高さで、上記左右のブラケット4,5間に第2のビーム材7が横架されている。その第2のビーム材7は、その延在方向中央部で分断されている(図1中、符号A部分)。その分断による一対の分断面は、互いに所定の隙間を有して非接触状態となり、一方の分断面の中央部に凹部7aが形成され、他の分断面には、その中央部に上記凹部7aに遊嵌可能な凸部7bが形成されて、もって上記凹部7a内に上記凸部7bが所定の隙間を持ってはめ込まれている。
【0024】
ここで、上記凹部7aの上下の面及び上記凸部7bの上下の面が、それぞれ、Z軸方向からみて対向する面を形成する。なお、この対向する面は、Z軸に直交する水平面である必要はなく、傾斜していてもよい。要は、Z軸方向からみて対向していればよい。また、分断位置も中央部に限定されず、一方のZ軸ガイド1a,1b寄りであってもよい。但し、分断位置は、凹部7aと凸部7bが接触した場合にそれぞれのZ軸ガイド1a及び1bが受けるモーメントを小さくする点から、中央部であることが望ましい。
【0025】
次に、上記構成の直動アクチュエータの作用・効果等について説明する。
【0026】
上記構成では、X軸ガイド3の一端部が、剛的な第1のブラケット4と上下軸周りの回動を許容する軸受8を介して第1のZ軸キャリア2aに取り付けられていると共に、X軸ガイド3の他端部が、Z軸と直交する方向に水平部5bの移動が許容された第2のブラケット5を介して、第2のZ軸キャリア2bに取り付けられる。
【0027】
この結果、2つのZ軸ガイド1a,1bに多少の取付け誤差があっても、その誤差を、上記ブラケット4,5へのX軸ガイド3の取付け構造によって、吸収することができる。
【0028】
例えば、Z軸ガイド1a,1b間のスパンが所望寸法よりも若干長かったり短かったりしても、第2のブラケット5の垂直部5aがX方向に撓むことで吸収される。もっとも、第2のブラケット5の水平部5bに対しX方向に長径を向けた長穴を設けて、X軸方向への取り付け位置を調整できるようにしておけば、第2のブラケット5の垂直部5aが撓ました状態で取り付けられることはない。
【0029】
また、上記2つのZ軸ガイド1a,1bがY軸方向に若干オフセットしていても、X軸ガイド3の一端部が第1のブラケット4にベアリング支持されて、当該一端部周りに、X軸ガイド3の端部はX−Y平面で回動でき、また、第2ブラケットの水平部5bも若干Z軸周りにも撓み可能であるので、上記Y軸方向の取付け誤差も吸収できる。もっとも、X軸ガイド3の第2のブラケット5への取付けを軸を上下にしたピン接合又はボルト接合とすれば、2つのZ軸ガイド1a,1bにY軸方向の取付け誤差があっても、第2のブラケット5に撓みが生じることが防止される。
【0030】
そして、上記構成の直動アクチュエータでは、一対のサーボモータ等の駆動源によって、一対のZ軸キャリア2a,2bが同期して昇降することで、X軸ガイド3も水平状態を保持したまま昇降する。
【0031】
この正常運転時であっても、常時、モータの発生トルク差などによって、2つのZ軸キャリア2a,2bの相対高さ位置に若干のオフセットが生じたり、他の機器からの振動入力などで、2つのZ軸ガイド1a,1bがX−Y方向にオフセットする(拗れる)ように振動する場合がある。
【0032】
このとき、従来にあっては、このオフセット量や発生トルク差に応じたモーメントがZ軸ガイドに負荷される。
【0033】
これに対して、本実施形態では、2つのZ軸キャリア2a,2b間の軽微な上下方向や水平方向の各オフセットは、第1のブラケット4側は、軸受8の回動で水平方向(X−Y平面)のオフセットが、ベアリングの調心作用で上下方向のオフセットがそれぞれ吸収され、また、第2のブラケット5は、撓むことで吸収されて、Z軸ガイド1a,1bにはモーメントが負荷されないか微少である。この結果、従来と比較して、通常時にZ軸ガイド1a,1bやZ軸キャリア2a,2bとX軸ガイド3との取付け部に負荷される荷重が小さくなって、装置の寿命が向上する。
【0034】
また、サーボモータ等の故障や停電などで、一方のZ軸キャリア2a,又は2bだけが自重落下したり、一方のZ軸キャリア2a,又は2bが停止しているもの関わらず他方のZ軸キャリア2b,又は2aが作動し続けるように、2つのZ軸キャリア2a,2b間の同期が崩れると、そのままでは、X軸ガイド3が上下に大きく傾いてベアリング支持部等の取付け部が破損するおそれがあるが、本実施形態では、正常運転で許容されている以上にX軸ガイド3が上下に傾くと、第2のビーム材7の分断面における凹部7aと凸部7bとがZ軸方向で当接して、それ以上のZ軸キャリア2a,2bの相互高さずれが規制され、すなわち、X軸ガイド3が少しだけしか傾くことができず、上記ベアリング支持部等の破損・損傷の発生が回避される。
【0035】
ここで、図1及び図2に示すように諸元値を設定した場合に、上記のように第1のZ軸キャリア2aだけがサーボオフしてブレーキが効かなくなって自重落下した場合を想定すると、上記従来例の直動アクチュエータ(図2参照)にあっては、第2のZ軸ガイド50には、30kg×1.8m十60kg×1.0m=114kg・mのモーメントが加わる。
【0036】
これに対し、本実施形態の直動アクチュエータでは、X軸が同じ位置で、第2のZ軸ガイド1bに加わるモーメントは、(30kg+60kg/2+5kg)×1m+5kg×0.5m=67.5kg・mと小さい値となり、有利なことが分かる。
【0037】
さらに、片側のZ軸キャリア用のモータがロックし他方のZ軸キャリア用のモータ推力によりZ軸がこじられる場合、従来例では推力×2mのモーメントが発生するのに対し、本考案では推力×1mと半分に軽減される。
【0038】
以上のように、本実施形態の直動アクチュエータの構成を採用すると、Z軸ガイド1a,1bの取付け誤差の許容が広がるばかりか、Z軸ガイド1a,1bのモーメントに対する許容値を従来構造に比べ大幅に小さくすることができ、低価格化、小型化が可能となる。
【0039】
ここで、上記説明では、Z軸キャリア2a,2bの高さ位置よりも下側にX軸ガイド3を配置してX軸ガイド3の上側に第2のビーム材7がある構成で説明したが、これに限定されない。例えば、各ブラケット4,5を、Z軸キャリア2a,2bの高さ位置から上方に延在させて、Z軸キャリア2a,2bの高さ位置よりも上側にX軸ガイド3を配置してもよい。または、Z軸キャリア2a,2b位置からY軸方向へ水平にブラケット4,5を張り出して、Z軸キャリア2a,2bの側方にX軸ガイド3が配置するようにしてもよい。
【0040】
また、上記第2のビーム材7の分断面位置Aに、当該分断面の接触の有無を検知するスイッチ若しくはセンサを設けておき、X軸ガイド3が許容以上に傾いて第2のビーム材7の分断面が当接したら、モータ動力を遮断してブレーキを作動させてそれ以上の負荷が掛からないようにしてもよい。
【0041】
または、第2のビーム材7の分断面同士の接触圧又は隙間(接近距離)を2段階以上のレベルで方向も含め検出するスイッチ若しくはセンサを設けておいて、例えば、▲1▼l段目のスイッチONとなったら、動作が速いほうのZ軸電流制限値を小さくし動作を遅くして同期をとらせ、▲2▼さらに2段目のスイッチONとなったら、モータ動力を遮断しブレーキを作動させる、などの制御を行うように構成してもよい。
【0042】
また、本発明に係る直動アクチュエータは、Z軸ガイド1a,1bが上述のように上下方向に設定される場合に、特に有効な構造であるが、Z軸ガイド1a,1bが水平方向に設定されていても、上述の作用・効果をもつ。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の直動アクチュエータを採用すると、故障等によって2つのZ軸キャリアの同期が崩れても、第2のビーム材でX軸ガイドのZ軸方向の傾きを小さく規制できるので、X軸ガイドとZ軸キャリアとの間の取付け部の破損・損傷が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る直動アクチュエータを示す正面図である。
【図2】従来の直動アクチュエータを示す正面図である。
【符号の説明】
A ビーム材の分断部分
1a,1b Z軸ガイド
2a,2b Z軸キャリア
3 X軸ガイド(第1のビーム材)
4 第1のブラケット
4a 第1の板部材
4b 第2の板部材
4c 取付け部
4d 補強板
5 第2のブラケット
5a 垂直部
5b 水平部
6 X軸キャリア
7 第2のビーム材
7a 凹部
7b 凸部
8 軸受

Claims (1)

  1. 平行な一対のZ軸ガイドにそれぞれ案内されて同期をとって直線移動する一対のZ軸キャリアと、上記一対のZ軸キャリアに支持されてZ軸と直交するX軸方向に延在する第1のビーム材とを備えた直動アクチュエータにおいて、
    上記第1のビーム材は、上記Z軸キャリアにそれぞれブラケットを介して取り付けられ、さらに、上記一対のZ軸キャリア間に第2のビーム材が横架され、その第2のビーム材は、延在方向途中位置で分断されていて、その対向する一対の分断面は、所定間隙を持って非接触状態となっていると共にZ軸方向からみて対向する面を備えることを特徴とする直動アクチュエータ。
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