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JP3674860B2 - 純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法 - Google Patents
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JP3674860B2 - 純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法 - Google Patents

純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高力アルミニウム合金材の表面処理技術に係り、特に、耐食性がよくない高力アルミニウム合金の欠点を避けるために、板材の表面を母材よりも耐食性良好な純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高力アルミニウム合金は、機械的強さの高いことを特長とするものであるが、粒界腐食、応力腐食割れ等の耐食性に問題がある。そこで、アルミニウム合金の表面処理法として、陽極酸化法、合せ板等が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルミニウム合金の表面処理法として、陽極酸化処理法は酸化皮膜の厚さが数μm程度で薄い。合せ板を使用する場合、合せ板を熱処理するとき、溶体化温度で内板合金から外板合金へ銅等が拡散し、外板を害する恐れ等があるため、熱処理条件等において、厳しい条件がある。
【0004】
亜鉛によるアルミニウム合金と純アルミニウムとの接合においては、以下の問題点が挙げられる。
(1)アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面に亜鉛が現れた場合、耐食性が劣化する場合がある。
(2)亜鉛によるアルミニウム合金と純アルミニウムとの接合において、アルミニウム合金と純アルミニウムとの界面では、所々に隙間等が生じる場合がある。
【0005】
また、純アルミニウムと純アルミニウム同士との接合(溶接)あるいはアルミニウム合金とアルミニウム合金同士との接合(溶接)においては、以下の問題点が挙げられる。
(1)溶接部における割れ、気孔等の欠陥が生じる。
(2)純アルミニウム、アルミニウム合金は酸化されやすいので、溶接時は、シールドガス等が必要である。
(3)溶接後の歪みがある。
【0006】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、高力アルミニウム合金の耐食性を向上させるために、被覆層(純アルミニウム)の厚さが十分あり、なおかつ耐食性のある純アルミニウムとの接合において、隙間、剥離、歪み、割れ等がなく、アルミニウム合金及び純アルミニウムの融点(約610〜660℃)以下で接合できる純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、亜鉛薄板の両面にビスマス粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にビスマス粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合する手段よりなるものである。
【0008】
また、請求項2の発明は、亜鉛薄板の両面にアンチモン粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にアンチモン粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、アンチモン粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合する手段よりなるものである。
【0009】
また、請求項3の発明は、亜鉛薄板の両面にビスマス粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にビスマス粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合し、その後、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面に純アルミニウムのコーティングを行う手段よりなるものである。
【0010】
また、請求項4の発明は、亜鉛薄板の両面にアンチモン粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にビスマス粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合し、その後、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面に純アルミニウムのコーティングを行う手段よりなるものである。
【0011】
ここで、請求項3,請求項4の好ましい態様として、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム製ディスクを装着したディスクグラインダを用いて、純アルミニウムのコーティング処理を行ってもよい。また、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム棒状の工具を用いて、フライス加工によって、純アルミニウムのコーティング処理を行ってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をより具体的に説明する。純アルミニウムとアルミニウム合金との接合は、以下のとおりである。
(イ)亜鉛薄板の両面にビスマス粉末あるいは、アンチモン粉末を付け、アルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込む。
(ロ)電気炉において、アルミニウム合金と純アルミニウムの間にビスマス粉末あるいはアンチモン粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末あるいはアンチモン粉末及び亜鉛薄板を溶解させた後、冷却する。
(ハ)アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面を純アルミニウムでコーティングを行う。純アルミニウムのコーティング法は、次の(1)、(2)の二通りである。
(1)アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム製ディスクを装着したディスクグラインダを用いて、純アルミニウムのコーティング処理を行う。
(2)アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム棒状の工具を用いて、フライス加工によって、純アルミニウムのコーティング処理を行う。
【0013】
図1(A)〜(C)は、純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法の模式図を示す。
(イ)亜鉛薄板の両面にビスマス粉末あるいは、アンチモン粉末を付け、アルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込む。大気中で、電気炉(炉内温度430〜470℃)において、アルミニウム合金と純アルミニウムの間にビスマス粉末あるいはアンチモン粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、例えば、470℃の一定温度に保持した後、冷却する。(図1(A)参照)
(ロ)冷却後、純アルミニウムとアルミニウム合金は接合し、純アルミニウムとアルミニウム合金との接合側周面において、亜鉛層あるいは隙間ができる。(図1(B)参照)
(ハ)純アルミニウムとアルミニウム合金との接合側周面は、亜鉛層あるいは隙間があるので、その接合側周面に純アルミニウムのコーティングを行う。(図1(C)参照)
【0014】
純アルミニウムとアルミニウム合金(5083、6061)との接合実験後、試料を切断し、断面の組織観察等を行い、界面における隙間、剥離等を調べた。さらに、ディスクグラインダまたはフライス加工による純アルミニウムのコーティングにおける接合側周面の観察を行った。
【0015】
純アルミニウムとアルミニウム合金(5083、6061)との界面または接合側周面において、剥離、隙間等がない場合を「○」、界面または接合側周面において、剥離、隙間等がある場合を「×」して評価を行った。
【0016】
【純アルミニウムとアルミニウム合金との接合の実施例】
実験は、純アルミニウム板(長さ25mm×幅20mm×厚さ5mm)とアルミニウム合金板(長さ25mm×幅20mm×厚さ3〜5mm)の隙間に純亜鉛薄板(純度99.9% 長さ10mm×幅10mm×厚さ0.2mm)の両面にビスマス粉末(純度99%、粒度30〜60mesh)、またはアンチモン粉末(純度99%、粒度50〜100mesh)の粉末を塗布し、炉内温度430〜470℃範囲で接合した。
【0017】
電気炉における接合実験において、430℃より低い温度の場合、純アルミニウムとアルミニウム合金は亜鉛が溶解せず、接合しなかった。470℃より高い温度の場合、溶融亜鉛が純アルミニウムとアルミニウム合金の隙間から多量にしみ出して、接合が困難となった。ビスマス粉末、アンチモン粉末を利用した理由として、溶融亜鉛の流動性の向上を目的とした。
【0018】
なお、アルミニウム合金は、5083、6061(合金番号JlS)を使用した。アルミニウム合金5083、6061のブリネル硬さは、それぞれ70、95である。純アルミニウム板は純度99%以上、ブリネル硬さ20以上のものを使用した。また、純アルミニウムのディスク(純度99.5%以上、形状(直径80mm、厚さ2mm))または(2)フライス加工による棒(純度99.5%以上、形状(直径10mm、長さ200mm))のブリネル硬さは、例えば、19以下を使用した。
【0019】
圧力は、2×10N/mm〜2×10N/mmで行った。純アルミニウムとアルミニウム合金(5083)との接合実験の結果は、表1、表3、純アルミニウムとアルミニウム合金(6061)との接合実験の結果は、表2、表4に示す。表1〜表2は、ビスマス粉末を使用した結果、表3〜表4は、アンチモン粉末を利用した結果である。
【0020】
また、表1〜4は、(1)ディスクグラインダまたは(2)フライス加工による純アルミニウムのコーティング実験の結果も併せて示す。表より純アルミニウムとアルミニウム合金との界面における隙間、剥離等は生じなかった。純アルミニウムとアルミニウム合金(5083、6061)との接合側周面における純アルミニウムのコーティングは、(1)、(2)の方法において、隙間等の問題は生じなかった。
【0021】
【表1】
Figure 0003674860
【0022】
【表2】
Figure 0003674860
【0023】
【表3】
Figure 0003674860
【0024】
【表4】
Figure 0003674860
【0025】
純アルミニウムとアルミニウム合金は、融点以下(約610〜660℃)(固相接合)においては以下の利点が挙げられる。
・変形が少ない。(低温で接合するので、変形が少ない)
・アルミニウム合金板、純アルミニウム板との酸化を防ぐ。(固相で接合するので、低温で行うため、アルミニウム表面の著しい酸化を防ぐことができる。表面が酸化されると、濡れ性が悪くなり、接合できなくなる。
・低温で接合するので、アルミニウム表面の酸化を防ぐためのシールドガス等が不要である。
【0026】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、請求項1〜請求項4の発明に係る純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法によれば、純アルミニウム及びアルミニウム合金の融点約610〜660℃の以下の温度である炉内温度430〜470℃の範囲内で純アルミニウムとアルミニウム合金とを接合させることができ、従って、純アルミニウムとアルミニウム合金の融点以下(約610〜660℃)(固相接合)で有する前記した利点、つまり、
・変形が少ない。(低温で接合するので、変形が少ない)
・アルミニウム合金板、純アルミニウム板との酸化を防ぐ。(固相で接合するので、低温で行うため、アルミニウム表面の著しい酸化を防ぐことができる。表面が酸化されると、濡れ性が悪くなり、接合できなくなる。
・低温で接合するので、アルミニウム表面の酸化を防ぐためのシールドガス等が不要である。
等の利点をそのまま享受することができ、これにより、高力アルミニウム合金の耐食性を向上させることができる。
【0027】
また、請求項3〜請求項4の発明に係る純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法によれば、前記の効果に加えて更に、純アルミニウムとアルミニウム合金との接合側周面に純アルミニウムのコーティングを行うことによって、接合側周面の耐食性を向上させることが可能となる。
【0028】
また、請求項5によれば、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム製ディスクを装着したディスクグラインダを用いることによって、純アルミニウムによる接合側周面のコーティング処理を容易に行うことが可能である。
【0029】
また、請求項6によれば、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム棒状の工具を用いて、フライス加工を行うことによって、純アルミニウムによる接合側周面のコーティング処理を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)はこの発明の実施の形態を示す純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法の模式図である。

Claims (6)

  1. 亜鉛薄板の両面にビスマス粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にビスマス粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合することを特徴とする純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法。
  2. 亜鉛薄板の両面にアンチモン粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にアンチモン粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、アンチモン粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合することを特徴とする純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法。
  3. 亜鉛薄板の両面にビスマス粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にビスマス粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合し、その後、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面に純アルミニウムのコーティングを行うことを特徴とする純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法。
  4. 亜鉛薄板の両面にアンチモン粉末を付け、これをアルミニウム合金と純アルミニウムで挟み込み、電気炉でアルミニウム合金と純アルミニウムの隙間にビスマス粉末を付けた亜鉛薄板を入れて、アルミニウム合金と純アルミニウムに圧力を加え、炉内温度430〜470℃の範囲で、ビスマス粉末と亜鉛薄板を溶解させた後、冷却してアルミニウム合金と純アルミニウムを接合し、その後、アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面に純アルミニウムのコーティングを行うことを特徴とする純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法。
  5. アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム製ディスクを装着したディスクグラインダを用いて、純アルミニウムのコーティング処理を行う請求項3又は請求項4記載の純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法。
  6. アルミニウム合金と純アルミニウムとの接合側周面にこれらよりも硬度の小さい純アルミニウム棒状の工具を用いて、フライス加工によって、純アルミニウムのコーティング処理を行う請求項3又は請求項4記載の純アルミニウムとアルミニウム合金との接合法。
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