JP3676466B2 - 油圧ダンパ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、船舶の操縦席や車両の運転席に利用される高さ調整機構を備えた油圧ダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高さ調整機構を有する油圧ダンパ装置として、本出願人により提案された特開平6−346969号に示されたものがある。
【0003】
これは、懸架ばねの介装下にシリンダに対してピストンロッドの先端側を出没可能に挿通し、該ピストンロッドの先端に、シリンダ内に摺動可能に収装されて、該シリンダ内にロッド側油室とピストン側油室とを区画しながらバルブを介してロッド側油室とピストン側油室との相互の連通を可能にするピストンを設け、そのロッド側油室内にその容積を変更可能にする油室を区画して懸架ばねの一端を該懸架ばねの伸縮方向に作動するシリンダ機構に係止し、該シリンダ機構と上記油室とを通路を介して連通するとともに、該通路に開閉弁を配設したものからなる。
【0004】
そして、これによれば、開閉弁が開放されると、油室とシリンダ機構とが通路を介して連通され、両者間の油室がバランスするまで、両者間に作動油が流通し、一方、軸方向に作用してピストンロッドをシリンダ内に押し込むようにした外力が排除されると、懸架ばねの附勢力でピストンロッドがシリンダ内から突出する。
【0005】
従って、上記の外力の排除時に開閉弁が開放されると、シリンダ内において、ガス圧と油圧とがバランスするまでピストンがシリンダ内を伸側方向に摺動するとともに、油室とシリンダ機構との間における油圧がバランスするまでピストンがシリンダ内を伸側方向に摺動する。
【0006】
その結果、シリンダ内からのピストンロッドの突出が懸架ばねの附勢力とガス圧と共働で実行されることになる。
【0007】
一方、開閉弁を閉鎖すると、通路を介しての油室とシリンダ機構との連通が遮断されることになり、それぞれが所謂オイルロック状態になる。このとき、油室が収縮した分だけシリンダ機構には作動油が供給されているから、該シリンダ機構が伸長作動する。
【0008】
その結果、シリンダ機構の伸長作動で懸架ばねが収縮されることになり、シリンダ内におけるピストン収装位置、すなわち、高さ位置が変更されても、懸架ばねの附勢力を変更させないようにすることが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の油圧ダンパ装置では、シリンダ内のロッド側油室と懸架ばねを作動させるシリンダ機構のシリンダとを、開閉弁によって開閉して、ダンパ長さを変えるため、高さ調整分だけダンパストロークも変化し、一定のダンパストロークが得られず、例えば船舶の操縦席にかかる油圧ダンパ装置を用いるとオーバストロークおよび過少ストロークとなる場合が生じ、操縦者が戸惑うという課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高さ調整を行っても、ダンパストロークが変化することのない油圧ダンパ装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる油圧ダンパ装置は、ピストン側油室側にフリーピストンによって区画されたガス室と、ロッド側油室側に設けられて、ピストンロッドの出没動作に応じて容積が変化する第1のストローク制御油室と、上記ピストンロッドに設けられて、上記第1のストローク制御油室に連通する油路と、懸架ばねの上端を支持するスプリングガイドに取り付けられて、上記ピストンロッドを摺動自在に支持するガイドシリンダとを備えて、上記ピストンロッド端に、上記ガイドシリンダに対し摺動自在なアッパーブラケットを設け、該アッパーブラケットと上記ガイドシリンダとの間に、上記油路に高さ設定用の開閉弁を介して連通する第2のストローク制御油室を区画したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図に基づいて説明するが、図1において、1は、シリンダ、2は、このシリンダ1内をロッド側油室R1およびピストン側油室R2とに区画するピストン、3は、ピストン2に設けられて各油室R1,R2の連通を可能にするバルブである。
【0013】
また、4は、このピストン2を下端に有し、シリンダ1上端の封止部を出没自在に摺動するピストンロッド、5は、ピストン側油室R2側にフリーピストン6によって区画されたガス室である。
【0014】
7は、シリンダ1内の上部に設けられたシール部材、8は、後述のピストン部材の上面を支持する支持部材、9は、ピストンロッド4の下部に取り付けられたカップ形のガイドシリンダである。
【0015】
また、10は、このガイドシリンダ9内に摺動自在に挿入されて、このガイドシリンダ9内に第1のストローク制御油室Aを区画する上記ピストン部材である。なお、ピストンロッド4は、上記シール部材7,支持部材8およびピストン部材10の中心部にシール状態にて摺動自在に貫通している。
【0016】
一方、11は、上記ピストンロッド4の上端にねじ込みなどにより固定されたアッパーブラケットであり、これの下部外周の円柱状部11aがカップ形のガイドシリンダ12内に摺動自在に挿入されて、これらの間に第1のストローク制御油室Aと略同じ受圧面積を有する第2のストローク制御油室Bが区画されている。
【0017】
また、13,14は、アッパーブラケット11内に形成された油路、15は、これらの油路13,14間に設けられた開閉弁で、油路13の一端は上記第2のストローク制御油室Bに連通している。
【0018】
なお、上記開閉弁15は、操作子15aの押圧操作により両油路13,14を連通させ、押圧解除操作によりその連通を解除(遮断)するように機能する。
【0019】
また、16は、ピストンロッド4の中心部に貫通形成された油路であり、これの一端(下端)は、このピストンロッド4を径方向に貫通する油孔17を介して上記第1のストローク制御油室Aに連通し、他端(上端)は、上記油路14に連通している。
【0020】
なお、18は、アッパーブラケット11の上記円柱状部11a下端内周とピストンロッド4上端の取付部外周とを封止するシールリングであり、上記アッパーブラケット11には、例えば、操縦席の座部が取り付けられ、シリンダ1の下端部が床側脚部などに固定される。
【0021】
また、19は、ガイドシリンダ12の下端に取り付けられたクッションラバーで、シリンダ1の封止端(上端)に対する衝撃を緩和する。
【0022】
20は、上記シリンダ1の下部外周に取り付けられたスプリングガイド、21は、上記ガイドシリンダ12のフランジ部にこれを支持するように装着されたスプリングガイド、22は、これらの各スプリングガイド20,21間に介装された懸架ばねである。
【0023】
かかる構成になる油圧ダンパ装置では、これが、例えば、船舶の操縦席に利用されて、座部の高さ調整を行う場合には、その座部に座る前に操縦者が上記開閉弁15の操作子15aを押圧する。
【0024】
このため、この開閉弁15を通じて第1のストローク制御油室A,油孔17,油路16,14,13および第2のストローク制御油室Bがそれぞれ連通し、第1および第2のストローク制御油室A,Bの受圧面積が略同じであるためばね反力による推力はバランスする。
【0025】
すなわち、懸架ばね22のばね反力は、第1のストローク制御油室Aにおいて、ピストンロッド4を圧縮する方向に作用し、第2のストローク制御油室Bにおいてピストンロッド4を伸長する方向に作用するが両室の受圧面積が略同じであるから、両方向の推力がバランスする。
【0026】
従って、懸架ばね22の反力によってピストンロッド4が伸び方向に動くことはないが、ガス室5のガス反力でピストンロッド4のが伸長方向に動くことになる。
【0027】
上記ガス室5のガス反力を受けてピストンロッド4を上昇させようとする力は、上記第1のストローク制御油室Aを反縮し、この第1のストローク制御油室A内の作動油が油孔17,油路16,14,13を介して第2のストローク制御油室B内に供給されるが、両室が懸架ばね反力に対しては推力バランスの関係にあるから、シリンダ1に対するガイドシリンダ12やスプリングガイド21の対向距離は変化しない状態、つまり、シリンダ1の上端とクッションラバー19下端との距離(ダンパストローク)を一定とした状態でピストンロッド4の上端のアッパーブラケットラケット11がガイドシリンダ12内を上昇する。
【0028】
次に、操縦者は、操縦席の高さが自分で選んだ高さになったとき、上記操作子15aの押圧操作を解除して、開閉弁15を閉じさせる。
【0029】
これにより、上記油孔16などを通じて第1のストローク制御油室Aおよび第2のストローク制御油室B間の作動油の流れが阻止される。
【0030】
このため、ガイドシリンダ9のピストン部材10に対する摺動およびアッパーブラケット11のガイドシリンダ12に対する摺動がそれぞれロックされ、上記操縦者によって選択された高さに操縦席が保持されることとなる。
【0031】
次に、操縦者は、このように高さ調整された操縦席に座りながら船舶の操縦を行っているとき、船体が波を受けることにより操縦席が振動した場合には、その振動は、ピストン2に設けたバルブ3の開閉量制御による周知の減衰力発生機能により、吸収されることとなる。
【0032】
すなわち、この実施の形態によれば、ダンパストロークを変えることなく、高さ調整を任意に行うことができ、上記ダンパストロークを一定とすることで、上記クッションラバー19のシリンダ1上端への激突,ピストン2のシリンダ1底部への底衝きなどを未然に回避できるとともに、所期の良好なクッション効果が得られる。
【0033】
図2は、この発明の実施の他の形態を示す断面図であり、これが図1に示したものと異なるところは、上部のスプリングガイド21に、上記ガイドシリンダ12に代えてボビン形のガイドシリンダ31を取り付け、このガイドシリンダ31に対してアッパーブラケット32に形成した凹部33をそのガイドシリンダ31の外周面で摺動可能に組み付けたものである。
【0034】
そして、上記ガイドシリンダ31および凹部33との間には第2のストローク制御油室Bが形成されている。15Aは、開閉弁であり、これがアッパーブラケット32を介してピストンロッド4の上端に取り付けられて、操作子15bの押圧操作によって第2のストローク制御油室Bとピストンロッド4内の油路16とを油孔34を介して連通させ、一方、この押圧操作の解除により、その連通を解除するように機能する。
【0035】
この図2に示すような実施の形態にあっても、第1のストローク制御油室Aおよび第2のストローク制御油室Bの受圧面積が同じであれば、開閉弁15Aを開いた場合には、ばね反力による推力はバランスし、ガス反力によってピストンロッド4に連続されたアッパーブラケット32は上昇する。
【0036】
そして、ピストンロッド4の上昇に伴い、第1のストローク制御油室Aが収縮して、その余剰の作動油が第2のストローク制御油室Bに流入することとなり、結果的に、アッパーブラケット32が上昇して操作席が上昇することとなっても、ガイドシリンダ31とシリンダ1との間隔に変化はなく、ダンパストロークに変化は生じない。
【0037】
このように、従来がアッパーブラケットでストローク設定していたのに対し、上記各実施の形態にあっては、ガイドシリンダ部によってストローク設定することとなり、ダンパストロークが一定の乗心地を維持することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、この発明によればピストン側油室側にフリーピストンによって区画されたガス室と、ロッド側油室側に設けられて、ピストンロッドの出没動作に応じて容積が変化する第1のストローク制御油室と、上記ピストンロッドに設けられて、上記第1のストローク制御油室に連通する油路と、懸架ばねの上端を支持するスプリングガイドに取り付けられて、上記ピストンロッドを摺動自在に支持するガイドシリンダとを備えて、上記ピストンロッド端に、上記ガイドシリンダに対し摺動自在なアッパーブラケットを設け、該アッパーブラケットと上記ガイドシリンダとの間に、上記油路に高さ設定用の開閉弁を介して連通する第2のストローク制御油室を区画するように構成したので、ダンパ装置の高さ調整を行った場合でも、ダンパストロークが変わることがないので、操縦者が戸惑うことのない良好な乗心地を維持できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による油圧ダンパ装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の他の形態による油圧ダンパ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3 バルブ
4 ピストンロッド
5 ガス室
6 フリーピストン
11,32 アッパーブラケット
12,31 ガイドシリンダ
15,15A 開閉弁
16 油路
20,21 スプリングガイド
22 懸架ばね
A 第1のストローク制御油室
B 第2のストローク制御油室
R1 ロッド側油室
R2 ピストン側油室
【発明の属する技術分野】
この発明は、船舶の操縦席や車両の運転席に利用される高さ調整機構を備えた油圧ダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高さ調整機構を有する油圧ダンパ装置として、本出願人により提案された特開平6−346969号に示されたものがある。
【0003】
これは、懸架ばねの介装下にシリンダに対してピストンロッドの先端側を出没可能に挿通し、該ピストンロッドの先端に、シリンダ内に摺動可能に収装されて、該シリンダ内にロッド側油室とピストン側油室とを区画しながらバルブを介してロッド側油室とピストン側油室との相互の連通を可能にするピストンを設け、そのロッド側油室内にその容積を変更可能にする油室を区画して懸架ばねの一端を該懸架ばねの伸縮方向に作動するシリンダ機構に係止し、該シリンダ機構と上記油室とを通路を介して連通するとともに、該通路に開閉弁を配設したものからなる。
【0004】
そして、これによれば、開閉弁が開放されると、油室とシリンダ機構とが通路を介して連通され、両者間の油室がバランスするまで、両者間に作動油が流通し、一方、軸方向に作用してピストンロッドをシリンダ内に押し込むようにした外力が排除されると、懸架ばねの附勢力でピストンロッドがシリンダ内から突出する。
【0005】
従って、上記の外力の排除時に開閉弁が開放されると、シリンダ内において、ガス圧と油圧とがバランスするまでピストンがシリンダ内を伸側方向に摺動するとともに、油室とシリンダ機構との間における油圧がバランスするまでピストンがシリンダ内を伸側方向に摺動する。
【0006】
その結果、シリンダ内からのピストンロッドの突出が懸架ばねの附勢力とガス圧と共働で実行されることになる。
【0007】
一方、開閉弁を閉鎖すると、通路を介しての油室とシリンダ機構との連通が遮断されることになり、それぞれが所謂オイルロック状態になる。このとき、油室が収縮した分だけシリンダ機構には作動油が供給されているから、該シリンダ機構が伸長作動する。
【0008】
その結果、シリンダ機構の伸長作動で懸架ばねが収縮されることになり、シリンダ内におけるピストン収装位置、すなわち、高さ位置が変更されても、懸架ばねの附勢力を変更させないようにすることが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の油圧ダンパ装置では、シリンダ内のロッド側油室と懸架ばねを作動させるシリンダ機構のシリンダとを、開閉弁によって開閉して、ダンパ長さを変えるため、高さ調整分だけダンパストロークも変化し、一定のダンパストロークが得られず、例えば船舶の操縦席にかかる油圧ダンパ装置を用いるとオーバストロークおよび過少ストロークとなる場合が生じ、操縦者が戸惑うという課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高さ調整を行っても、ダンパストロークが変化することのない油圧ダンパ装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる油圧ダンパ装置は、ピストン側油室側にフリーピストンによって区画されたガス室と、ロッド側油室側に設けられて、ピストンロッドの出没動作に応じて容積が変化する第1のストローク制御油室と、上記ピストンロッドに設けられて、上記第1のストローク制御油室に連通する油路と、懸架ばねの上端を支持するスプリングガイドに取り付けられて、上記ピストンロッドを摺動自在に支持するガイドシリンダとを備えて、上記ピストンロッド端に、上記ガイドシリンダに対し摺動自在なアッパーブラケットを設け、該アッパーブラケットと上記ガイドシリンダとの間に、上記油路に高さ設定用の開閉弁を介して連通する第2のストローク制御油室を区画したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図に基づいて説明するが、図1において、1は、シリンダ、2は、このシリンダ1内をロッド側油室R1およびピストン側油室R2とに区画するピストン、3は、ピストン2に設けられて各油室R1,R2の連通を可能にするバルブである。
【0013】
また、4は、このピストン2を下端に有し、シリンダ1上端の封止部を出没自在に摺動するピストンロッド、5は、ピストン側油室R2側にフリーピストン6によって区画されたガス室である。
【0014】
7は、シリンダ1内の上部に設けられたシール部材、8は、後述のピストン部材の上面を支持する支持部材、9は、ピストンロッド4の下部に取り付けられたカップ形のガイドシリンダである。
【0015】
また、10は、このガイドシリンダ9内に摺動自在に挿入されて、このガイドシリンダ9内に第1のストローク制御油室Aを区画する上記ピストン部材である。なお、ピストンロッド4は、上記シール部材7,支持部材8およびピストン部材10の中心部にシール状態にて摺動自在に貫通している。
【0016】
一方、11は、上記ピストンロッド4の上端にねじ込みなどにより固定されたアッパーブラケットであり、これの下部外周の円柱状部11aがカップ形のガイドシリンダ12内に摺動自在に挿入されて、これらの間に第1のストローク制御油室Aと略同じ受圧面積を有する第2のストローク制御油室Bが区画されている。
【0017】
また、13,14は、アッパーブラケット11内に形成された油路、15は、これらの油路13,14間に設けられた開閉弁で、油路13の一端は上記第2のストローク制御油室Bに連通している。
【0018】
なお、上記開閉弁15は、操作子15aの押圧操作により両油路13,14を連通させ、押圧解除操作によりその連通を解除(遮断)するように機能する。
【0019】
また、16は、ピストンロッド4の中心部に貫通形成された油路であり、これの一端(下端)は、このピストンロッド4を径方向に貫通する油孔17を介して上記第1のストローク制御油室Aに連通し、他端(上端)は、上記油路14に連通している。
【0020】
なお、18は、アッパーブラケット11の上記円柱状部11a下端内周とピストンロッド4上端の取付部外周とを封止するシールリングであり、上記アッパーブラケット11には、例えば、操縦席の座部が取り付けられ、シリンダ1の下端部が床側脚部などに固定される。
【0021】
また、19は、ガイドシリンダ12の下端に取り付けられたクッションラバーで、シリンダ1の封止端(上端)に対する衝撃を緩和する。
【0022】
20は、上記シリンダ1の下部外周に取り付けられたスプリングガイド、21は、上記ガイドシリンダ12のフランジ部にこれを支持するように装着されたスプリングガイド、22は、これらの各スプリングガイド20,21間に介装された懸架ばねである。
【0023】
かかる構成になる油圧ダンパ装置では、これが、例えば、船舶の操縦席に利用されて、座部の高さ調整を行う場合には、その座部に座る前に操縦者が上記開閉弁15の操作子15aを押圧する。
【0024】
このため、この開閉弁15を通じて第1のストローク制御油室A,油孔17,油路16,14,13および第2のストローク制御油室Bがそれぞれ連通し、第1および第2のストローク制御油室A,Bの受圧面積が略同じであるためばね反力による推力はバランスする。
【0025】
すなわち、懸架ばね22のばね反力は、第1のストローク制御油室Aにおいて、ピストンロッド4を圧縮する方向に作用し、第2のストローク制御油室Bにおいてピストンロッド4を伸長する方向に作用するが両室の受圧面積が略同じであるから、両方向の推力がバランスする。
【0026】
従って、懸架ばね22の反力によってピストンロッド4が伸び方向に動くことはないが、ガス室5のガス反力でピストンロッド4のが伸長方向に動くことになる。
【0027】
上記ガス室5のガス反力を受けてピストンロッド4を上昇させようとする力は、上記第1のストローク制御油室Aを反縮し、この第1のストローク制御油室A内の作動油が油孔17,油路16,14,13を介して第2のストローク制御油室B内に供給されるが、両室が懸架ばね反力に対しては推力バランスの関係にあるから、シリンダ1に対するガイドシリンダ12やスプリングガイド21の対向距離は変化しない状態、つまり、シリンダ1の上端とクッションラバー19下端との距離(ダンパストローク)を一定とした状態でピストンロッド4の上端のアッパーブラケットラケット11がガイドシリンダ12内を上昇する。
【0028】
次に、操縦者は、操縦席の高さが自分で選んだ高さになったとき、上記操作子15aの押圧操作を解除して、開閉弁15を閉じさせる。
【0029】
これにより、上記油孔16などを通じて第1のストローク制御油室Aおよび第2のストローク制御油室B間の作動油の流れが阻止される。
【0030】
このため、ガイドシリンダ9のピストン部材10に対する摺動およびアッパーブラケット11のガイドシリンダ12に対する摺動がそれぞれロックされ、上記操縦者によって選択された高さに操縦席が保持されることとなる。
【0031】
次に、操縦者は、このように高さ調整された操縦席に座りながら船舶の操縦を行っているとき、船体が波を受けることにより操縦席が振動した場合には、その振動は、ピストン2に設けたバルブ3の開閉量制御による周知の減衰力発生機能により、吸収されることとなる。
【0032】
すなわち、この実施の形態によれば、ダンパストロークを変えることなく、高さ調整を任意に行うことができ、上記ダンパストロークを一定とすることで、上記クッションラバー19のシリンダ1上端への激突,ピストン2のシリンダ1底部への底衝きなどを未然に回避できるとともに、所期の良好なクッション効果が得られる。
【0033】
図2は、この発明の実施の他の形態を示す断面図であり、これが図1に示したものと異なるところは、上部のスプリングガイド21に、上記ガイドシリンダ12に代えてボビン形のガイドシリンダ31を取り付け、このガイドシリンダ31に対してアッパーブラケット32に形成した凹部33をそのガイドシリンダ31の外周面で摺動可能に組み付けたものである。
【0034】
そして、上記ガイドシリンダ31および凹部33との間には第2のストローク制御油室Bが形成されている。15Aは、開閉弁であり、これがアッパーブラケット32を介してピストンロッド4の上端に取り付けられて、操作子15bの押圧操作によって第2のストローク制御油室Bとピストンロッド4内の油路16とを油孔34を介して連通させ、一方、この押圧操作の解除により、その連通を解除するように機能する。
【0035】
この図2に示すような実施の形態にあっても、第1のストローク制御油室Aおよび第2のストローク制御油室Bの受圧面積が同じであれば、開閉弁15Aを開いた場合には、ばね反力による推力はバランスし、ガス反力によってピストンロッド4に連続されたアッパーブラケット32は上昇する。
【0036】
そして、ピストンロッド4の上昇に伴い、第1のストローク制御油室Aが収縮して、その余剰の作動油が第2のストローク制御油室Bに流入することとなり、結果的に、アッパーブラケット32が上昇して操作席が上昇することとなっても、ガイドシリンダ31とシリンダ1との間隔に変化はなく、ダンパストロークに変化は生じない。
【0037】
このように、従来がアッパーブラケットでストローク設定していたのに対し、上記各実施の形態にあっては、ガイドシリンダ部によってストローク設定することとなり、ダンパストロークが一定の乗心地を維持することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、この発明によればピストン側油室側にフリーピストンによって区画されたガス室と、ロッド側油室側に設けられて、ピストンロッドの出没動作に応じて容積が変化する第1のストローク制御油室と、上記ピストンロッドに設けられて、上記第1のストローク制御油室に連通する油路と、懸架ばねの上端を支持するスプリングガイドに取り付けられて、上記ピストンロッドを摺動自在に支持するガイドシリンダとを備えて、上記ピストンロッド端に、上記ガイドシリンダに対し摺動自在なアッパーブラケットを設け、該アッパーブラケットと上記ガイドシリンダとの間に、上記油路に高さ設定用の開閉弁を介して連通する第2のストローク制御油室を区画するように構成したので、ダンパ装置の高さ調整を行った場合でも、ダンパストロークが変わることがないので、操縦者が戸惑うことのない良好な乗心地を維持できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による油圧ダンパ装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の他の形態による油圧ダンパ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3 バルブ
4 ピストンロッド
5 ガス室
6 フリーピストン
11,32 アッパーブラケット
12,31 ガイドシリンダ
15,15A 開閉弁
16 油路
20,21 スプリングガイド
22 懸架ばね
A 第1のストローク制御油室
B 第2のストローク制御油室
R1 ロッド側油室
R2 ピストン側油室
Claims (1)
- 懸架ばねの介装下にシリンダに対してピストンロッドの先端側が出没可能に挿通されるとともに、該ピストンロッドの先端に上記シリンダ内に摺動可能に収容されて、該シリンダ内にロッド側油室とピストン側油室とを区画しながらバルブを介して上記ロッド側油室とピストン側油室との連通を可能にするピストンを有してなるダンパにおいて、上記ピストン側油室側にフリーピストンによって区画されたガス室と、上記ロッド側油室側に設けられて、上記ピストンロッドの上記出没動作に応じて容積が変化する第1のストローク制御油室と、上記ピストンロッドに設けられて、上記第1のストローク制御油室に連通する油路と、上記懸架ばねの上端を支持するスプリングガイドに取り付けられて、上記ピストンロッドを摺動自在に支持するガイドシリンダと、上記ピストンロッド端に取り付けられて、上記ガイドシリンダに対し摺動自在に設けられたアッパーブラケットと、該アッパーブラケットと上記ガイドシリンダとの間に区画されて、上記油路に高さ設定用の開閉弁を介して連通する第2のストローク制御油室とを備え、第1のストローク制御油室と第2のストローク制御油室の受圧面積を略同じに設定したことを特徴とする油圧ダンパ装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34492795A JP3676466B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 油圧ダンパ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34492795A JP3676466B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 油圧ダンパ装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09158970A JPH09158970A (ja) | 1997-06-17 |
| JP3676466B2 true JP3676466B2 (ja) | 2005-07-27 |
Family
ID=18373088
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34492795A Expired - Fee Related JP3676466B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 油圧ダンパ装置 |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP3676466B2 (ja) |
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-
1995
- 1995-12-06 JP JP34492795A patent/JP3676466B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH09158970A (ja) | 1997-06-17 |
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