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JP3676765B2 - 電磁場解析システム - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板をはじめとする磁性体の電磁場解析システムに関し、特に鋼板の切断面近傍の磁気特性または鉄損特性を考慮に入れた鉄損評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からマックスウェル方程式による電磁場解析法は、鋼板等の強磁性体の鉄損評価に用いられてきた。以下ここでは、強磁性体として実用上多く使用されている鋼板でもって代表的に説明することにする。電磁場解析にはコンピュータが利用され、鋼板の形状、計算のために分割された微小領域の大きさ、磁界Hに対する磁束密度B、鋼板に加えられる応力σ、周波数等は、コンピュータによる計算の解を求めるための物性量パラメータ条件として採用されている。即ち、これらの条件を考慮に入れて、マックスウェル方程式の計算機解が得られる。
【0003】
マックスウェル方程式の計算機解に、磁束密度Bに対応して測定された鉄損Wのデータ(B−W曲線)を考慮に加えて鉄損が求められている。例えば図5は、従来技術に基づいて実行される鉄損の数値計算ルーチンの流れを示すブロック図である。まず、鋼板の形状、微小領域分割、周波数等をパラメータとしたH−B曲線など、解を求めるための条件を与え、計算によってマックスウェル方程式の数値解を求める。磁束密度Bに対応して測定された、微小領域における鋼材の鉄損Wのデータ(B−W曲線)を上の数値解に与え、鋼板全体の損失Wを算出する。ここで、鋼板に作用する応力の影響は無視され、鋼板に応力が印加されても磁気特性は変わらないと仮定している。
【0004】
ここで、マックスウェル方程式の解法について簡単に説明する。公知の多くの文献から明らかなように、マックスウェル方程式は次式で与えられる。
【式1】
Figure 0003676765
ここで、B,H,D,E,Jはそれぞれ磁束密度、磁界、電束密度、電界、電流密度である。また、ρは電荷密度である。B,H,D,E,Jの間には次の関係がある。
【式2】
Figure 0003676765
ここで、μ,ε,σはそれぞれ透磁率、誘電率、導電率である。
【0005】
一方、中田高義、高橋則雄両氏による「電気工学の有限要素法」(森北出版、1982)によれば、電磁界に関する解析が詳細に記載されている。同文献によれば、dD/dtは無視されている。磁束の発散は常に零であるので、連続であり、磁気ベクトルポテンシャルAが次式によって与えられている。
【式3】
Figure 0003676765
これらの式から、
【式4】
Figure 0003676765
が得られている。従って、
【式5】
Figure 0003676765
が得られる。ここで、-gradφ=E、J0は外部からの強制電流密度、Jeはうず電流密度、テンソル量で与えられる磁気抵抗率[ν]は[ν]=1/[μ]である。(5)式は、ガラーキン法(Galerkin Method)により2次元的、及び3次元的に解かれる。実際には、透磁率は一般に応力の影響を受ける。しかし、従来の鉄損評価法では、透磁率が応力の影響を受けるとは考えないでものとして数値解析が行われ、解が求められていた。
【0006】
上記マックスウェル方程式に対して、鋼板の各微小領域におけるH−B曲線のデータを適用すれば、磁界Hに対する磁束密度Bの数値解が求められる。
ここで、鋼板をモータの固定子(ステータ)やトランスなどに加工する際に切断するが、この切断面近傍には塑性変形による残留応力が内在しており、この残留応力が内在している領域の磁気特性および鉄損特性は、切断面から離れた通常の領域に比べ劣化している。
しかし、従来の電磁場解析システムにおいては、切断面近傍も通常の領域と同じ特性であると仮定して評価していたため、鉄損が実測値に比べて20〜30%小さくなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、従来の解析方法を踏襲しながら、鋼板の切断面近傍の磁気特性および鉄損特性の劣化考慮に入れた電磁場解析システムを提供して、正確な鉄損評価を実現することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、鋼板の切断面近傍の磁気特性および鉄損特性の劣化考慮に入れた鉄損の評価手段を見出し、電磁場解析システムとして具現化したものであり、その要旨は特許請求の範囲に記載した通りの下記の内容である。
( 1 ) 磁性体板で構成される電磁場解析対象領域を複数の微小領域に分割する領域分割手段と、
該微小領域における磁束密度と磁界とを関係つける解析式またはデータに基づくH − B 曲線を格納するデータベースと、
該データベースに格納されているH − B 曲線を基にして、前記微小領域においてマックスウェル方程式に基づき、前記磁束密度の大きさB を決定する磁束密度ベクトル決定手段とを有する電磁場解析システムにおいて、
前記電磁場解析対象領域を通常領域と切断領域とに分割する手段を有しており、該切断領 域を、電磁場解析対象の厚さをt とするとき、切断面から内側にξ t ( 0 . 5 ≦ ξ ≦ 2 .0 ) の範囲として、該切断領域の磁気特性を通常領域とは異なる特性とすることを特徴とする電磁場解析システム。
【0009】
( 2 ) 前記切断領域における比透磁率μ r を、2 0 ≦ μ r ≦ 2 0 0 の範囲内の一定値とすることを特徴とする( 1 ) に記載の電磁場解析システム。
( 3 ) 該切断領域における磁界H σ を、前記通常領域に適用する前記H − B 曲線における磁界H σ = 0 に磁化力増分係数α を乗じた値とすることを特徴とする( 1 ) に記載の電磁場解析システム。
ここに、α = H σ / H σ = 0 、
1 ≦ α ≦ 1 0 0 、
α : 磁化力増分係数、H : 磁界、σ : 応力
【0010】
( 4 ) 磁性体板で構成される電磁場解析対象領域を複数の微小領域に分割する領域分割手段と、
該微小領域における磁束密度と鉄損とを関係つける解析式またはデータに基づくW − B 曲線を格納するデータベースと、
該データベースに格納されているW − B 曲線を基にして、前記微小領域の鉄損を計算する鉄損計算手段と、
前記微小領域の鉄損の総和を求める鉄損総和手段とを有する電磁場解析システムにおいて、
前記電磁場解析対象領域を通常領域と切断領域とに分割する手段を有しており、該切断領域を、電磁場解析対象の厚さをt とするとき、切断面から内側にξ t ( 0 . 5 ≦ξ ≦ 2 . 0 ) の範囲として、該切断領域の鉄損特性を通常領域とは異なる特性とすること
を特徴とする電磁場解析システム。
( 5 ) 該切断領域における鉄損W σ を、前記通常領域に適用する前記W − B 曲線における鉄損W σ = 0 に鉄損増分係数β を乗じた値とすることを特徴とする( 4 ) に記載の電磁場解析システム。
ここに、β = W σ / W σ = 0 、
1 ≦ β ≦ 1 0 0 、
β : 鉄損増分係数、W : 鉄損、σ : 応力
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、鋼板を用いてモータの固定子(ステータ)を作る場合の通常領域および切断領域を示す図である。
図1において、ステータを構成する、ヨークとティースを切断する際、切断面の近傍には塑性変形による残留応力が内在しており、この残留応力の影響により、切断面近傍の磁気特性および鉄損特性が劣化する。
そこで、本発明においては、電磁場解析対象領域を、切断面から離れており残留応力の影響が大きい通常領域7と、切断面近傍であり残留応力の影響が小さい切断領域8とに分割する手段を有する。
【0012】
発明者らは、残留応力の影響範囲は、鋼板の板厚に比例することを見出し、切断領域8を鋼板の切断面から内側にξt(0.5≦ξ≦2.0)の範囲として、切断領域8の磁気特性を通常領域7とは異なる特性とすることにより、切断面近傍の残留応力の影響による鉄損の劣化を正確に評価できる電磁場解析システムを構築した。
ここに、切断領域の範囲を規定するξを0.5≦ξ≦2.0としたのは、板厚をtとして、0.5t未満の範囲とすると、切断による残留応力の影響を受ける領域が外れる可能性が高く、2.0t超とすると切断による残留応力の影響がない領域まで鉄損の劣化領域として評価することにより全体の鉄損を過大評価してしまうからである。
【0013】
この場合、電磁場解析の対象とする全領域を通常領域7と切断領域8とに分割し、切断領域8には通常領域とは異なる磁気特性および鉄損特性を適用する。
さらに通常領域7および切断領域8のそれぞれを微小領域に分割し、各微小領域の内部で応力が一定であるとすれば、その微小区間内では同一の磁気特性、透磁率を用いても差し支えない。このようにしてマックスウェル方程式の解を求めるのにコンピュータを利用できる。
図2は、鉄鋼材料の対象とする全領域を格子状の複数の微小領域に分割した模様を示す説明図である。図2において、鉄鋼材料は1,2,3……,i,i+1,i+2,……,j,j+1,j+2,……nの微小領域に分割してある。例えば、i番目の微小領域の磁束密度が△Biであるとし、鉄損がΔwiであるとする。
【0014】
図2において分割された各微小領域の内部においては、透磁率μ及び磁気抵抗率νは一定の値であるとする。このようにすれば、有限要素法において、各微小領域間の境界では不連続であっても、領域内では一様なパラメータをもっていると考えることができる。従って、異方性・応力の影響や非直線性を有する鉄鋼材料の鉄損の計算においても、予め計算された各微小領域の鉄損の総和を求めることによって全体損失を容易に計算することができる。図2では、全体の鉄損W(watts)は
【式6】
Figure 0003676765
で与えられる。ここで、Δwiは微小領域内の鉄損である。また、△Biの方向θと大きさΔBiは、各微小領域によってそれぞれ異なった値をとる。鉄損Wは磁束密度Bが大きい程、大きな値をとるが、必ずしも直線関係にあるわけではない。上記領域分割は有限要素法が適用されることを前提にして実施したものであるが、差分法或はその他、類似の計算方式に適用可能であることは云うまでもない。
【0015】
上記計算処理のルーチンを図3に示す。図3において、1は領域分割手段、2は磁束密度ベクトル決定手段、3は磁束密度及び鉄損のデータベース、4は補間内挿計算手段、5は微小領域内鉄損計算手段、6は鉄損総和手段である。データベース3はH−B曲線を表わすデータベース、及びW−B曲線を表わすデータベースより成り立つ。H−B曲線は周波数に依存し、磁気抵抗率νは周波数の増加に伴って増加する。従って、マックスウエル方程式では、νによって鋼板の周波数特性を含ませている。領域分割手段1は鉄鋼材料の対象領域全体を複数の微小領域(i=1〜n)に分割する。鉄鋼材料が一様な厚さの平面状板材であれば、微小領域の形状を三角形とすることができ、この場合には有限要素法による計算の適用が容易となる。磁束密度ベクトル決定手段2には、応力解析に基づく応力分布データを入力し、一方では領域分割手段1からの領域分割の結果、及びデータベース3からの(H−B曲線)のデータを入力する。磁束密度ベクトル決定手段2では、分割された領域ごとにニュートンラプソン法を使い、マックスウェル方程式との連成により、テイラー展開から磁束密度ベクトルの収束計算を実行する。
【0016】
即ち、領域分割手段1からの入力データを基にして、磁束密度ベクトル決定手段2は微小領域aiで、磁束密度の大きさBを決定して、補間内挿計算手段4に与える。ここで、圧延方向の代りに、任意の予め定められた方向とすることもできる。磁束密度に対する磁界(H−B曲線)及び鉄損(W−B曲線)のデータベース3は、応力σの値をパラメータとして表わしたデータ別に複数葉に分けられたデータの表を格納し、各データの表には角度θに対するH−B曲線及びW−B曲線を格納している。データベース3に格納されているH−B曲線とW−B曲線は、磁束密度と磁界、及び磁束密度と鉄損の関係を与えるものである。これらのデータは、予め測定されたデータを保持している。
【0017】
従って、磁束密度Bと損失Wの関係は、補間内挿計算手段4により補間内挿法を採用してニュートンラプソン法を使い、繰返し計算を実行して求める。鉄鋼材料の鉄損データ(W−B曲線)は、データベースから補間内挿手段4に提供される。次にデータベース3からのW−B曲線のデータを利用し、補間内挿計算手段4によって求められた微小領域ai内の磁束密度Bを使い、微小領域内鉄損計算手段5によって鉄損 wiを計算する。そこで、鉄損総和手段6は微小領域ai内の鉄損wiの総和Wを求める。このようにして、異方性をもった鉄鋼材料の鉄損が具体的に数値計算によって求められる。
【0018】
図14では、具体的な実測に基づいたH−B曲線データについて、切断面の磁気特性および鉄損特性の劣化を考慮した鉄鋼材料の鉄損計算ルーチンを示した。このルーチンによって実行されるマックスウェル方程式の解は、理論モデルにより次のようにして精度よく求められる。すなわち、磁気ベクトルポテンシャルAを用いて電流密度J0を表わすと、次式が与えられる。
【式7】
Figure 0003676765
νをテンソル表示し、二次元場の式で表わすと次式が得られる。
【式8】
Figure 0003676765
これに対応した氾関数χは次式で与えられる。
【式9】
Figure 0003676765
これを要素eにおける値で表わし、要素eを構成する節点ieのポテンシャルで偏微分すると、
【式10】
Figure 0003676765
が得られる。そこで、
【式11】
Figure 0003676765
が有限要素法で解くべき方程式である。
【0019】
ここで、nuが未知節点の総数である。そこで、ニュートン、ラプソン法を適用するために書き直すと、次式が得られる。
【式12】
Figure 0003676765
このマトリクスを解くことにより得られたk回目のδAjが求められれば、k+1回目の反復で得られる節点iでのポテンシャルの近似解
【式13】
Figure 0003676765
が得られる。ただし、
【式14】
Figure 0003676765
更に解析を行うと、次式が得られる。
【式15】
Figure 0003676765
上記の解析に従えば、テンソルで表わされた磁気抵抗率が解析モデルによる数値計算により求められる。具体的計算ルーチンの一例を図14に示す。
図14に示したように、最初のステップS61において時刻を0にセットする。
【0020】
次に、S62で、
【式16】
Figure 0003676765
の初期値を設置する。
ここで、t=0:のときは、
【式17】
Figure 0003676765
t>0のときは、
【式18】
Figure 0003676765
と、一つ前の時刻の値を用いる。
次にS63で、式26に基づき、剛性マトリクス[K]、荷重ベクトル[F]の計算を行う。これより、S64で、式29に基づき、δA(k,t)を計算する。
これより、S65で、k+1でのベクトルポテンシャル
【式19】
Figure 0003676765
を計算する。
【0021】
S66で、ベクトルポテンシャルに基づき、式3より、磁束密度ベクトルBを求める。
そこで、S67で、収束判定
【式20】
Figure 0003676765
を行い、所定の収束性を満たしておれば、S71に進む。もし、収束性が不十分であれば、S68に進む。
S68で、磁束密度ベクトルを、
【式21】
Figure 0003676765
で、最大値とある方向との角度に分解する。そこで、S69で、予めデータベースにあるH−B曲線より、その角度θ(k,t)における磁束密度と磁界との関係がわかりそれより、磁気抵抗率を求めることができる。ここでのH−B曲線は、その微小領域の応力におけるH−B曲線であり、この応力の影響を考慮したH−B曲線を用いることで、磁束密度を得ることができる。
【0022】
これより、
【式22】
Figure 0003676765
の 計算を行うことができる。これらの値は、S63で用いる剛性マトリックス、荷重ベクトルを求めるのに使用される。S71でkをひとつ進める。そして、S63にいき、計算を続ける。
S63−S70までの計算は、すべての領域について計算を行う。この収束計算を行うことで、各微小領域において応力を考慮したH−B曲線上にのった磁束密度ベクトルを計算することができ、応力を考慮した計算ができる。
S67で収束していたら、S71で時刻をひとつ進めて、S62に向かう。この計算は、複数周期計算し、1周期分収束するまで計算を続ける。収束したら、S72にいき、鉄損の計算を行う。
図14によりマックスウェル方程式の数値解から磁気抵抗率νがテンソル量として精度よく与えられるので、H−B曲線が精度よく解析される。
【0023】
本発明においては、切断面から離れた通常領域と、切断面近傍の切断領域とで、磁気特性および鉄損特性を異なる特性とすることにより、切断面近傍の磁気特性および鉄損特性の劣化を考慮した電磁場解析システムを提供する。
まず、磁気特性については、切断領域における比透磁率μrを、20≦μr≦200の範囲内の一定値とすることにより、切断領域における比透磁率を通常領域より低い一定値と仮定して鉄損を評価することができる。
【0024】
また、切断領域における磁界Hσを、前記通常領域に適用する前記H-B曲線における磁界Hσ=0に磁化力増分係数αを乗じた値とすることことにより、切断面近傍の鉄損を正確に評価することができる。
ここに、α=Hσ/Hσ=0
1≦α≦100、
α:磁化力増分係数、H:磁界、σ:応力
なお、αの値は1≦α≦100の範囲で任意に設定できるが、鉄損を正確に評価するためには、α=2〜3の範囲が好ましい。
【0025】
さらに、切断領域における鉄損Wσを、前記通常領域に適用する前記W-B曲線における鉄損Wσ=0に鉄損増分係数βを乗じた値とすることにより、切断面近傍の鉄損を正確に評価することができる。
ここに、β=Wσ/Wσ=0
1≦β≦100、
β:鉄損増分係数、W:鉄損、σ:応力
なお、βの値は1≦β≦100の範囲で任意に設定できるが、鉄損を正確に評価するためには、β=2〜3の範囲が好ましい。
図6は、本発明の効果を示す図である。
図6において、横軸は鋼板の切断幅(mm)、縦軸は切断による鉄損劣化率(%)を示し、太い実線が比透磁率μr=20、細い実線が比透磁率μr=50の場合の実測値を示す。
一方、図6の○印が、本発明を用いて評価した場合の鉄損劣化率(%)を示しており、図6に×印で示すように、切断による鉄損劣化率は全く評価できなかった従来のシステムに比べて鉄損を著しく正確に評価することができる。
【0026】
図7は、本発明のハードウェア構成を例示する図である。
本発明における電磁場解析システムを実現するハードウェアは、スタンドアローン式のコンピュータと、十分な記憶容量を有するハードディスクでもよいが、多くのユーザが使用できる環境を整えるためには、
図7のようなネットワークコンピュータと専用サーバを設置することが好ましい。これにより、各ユーザは自分の端末からネットワークコンピュータに格納された本発明の電磁場解析システムにアクセスし、電磁場解析に必要な解析条件を入力することにより、ネットワークを通じて、本発明の電磁場解析システムが行った電磁場解析結果として鉄損の評価情報を受取ることができる。
なお、電磁場解析に関する詳細な技術情報や営業情報は、営業部門を経由して、各ユーザに提供される。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、従来の解析方法を踏襲しながら、鋼板の切断面近傍の磁気特性および鉄損特性の劣化考慮に入れた電磁場解析システムを提供して、正確な鉄損評価を実現することができるのでモータなどの効率設計に役立つなど、産業上有用な、著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板を用いてモータの固定子(ステータ)を作る場合の通常領域および切断領域を示す図である。
【図2】鉄鋼材料を格子状の微小領域に分割した模様を示す説明図である。
【図3】切断面の磁気特性および鉄損特性を考慮した鉄鋼材料の鉄損計算ルーチンを示すブロック図である。
【図4】マックスウェル方程式により磁気抵抗率νをテンソルとして精度よく求めるルーチンを示す説明図である。
【図5】従来技術によりマックスウェル方程式を使って鉄鋼材料の鉄損を求めるルーチンを示す説明図である。
【図6】本発明の効果を示す図である。
【図7】本発明のハードウェア構成を例示する図である。
【符号の説明】
1:領域分割手段、
2:磁束密度ベクトル決定手段、
3:磁束密度及び鉄損のデータベース、
4:補間内挿計算手段、
5:微小領域内鉄損計算手段、
6:鉄損総和手段
7:通常領域、
8:切断領域

Claims (5)

  1. 磁性体板で構成される電磁場解析対象領域を複数の微小領域に分割する領域分割手段と、
    該微小領域における磁束密度と磁界とを関係つける解析式またはデータに基づくH−B曲線を格納するデータベースと、
    該データベースに格納されているH−B曲線を基にして、前記微小領域においてマックスウェル方程式に基づき、前記磁束密度の大きさBを決定する磁束密度ベクトル決定手段とを有する電磁場解析システムにおいて、
    前記電磁場解析対象領域を通常領域と切断領域とに分割する手段を有しており、
    該切断領域を、電磁場解析対象の厚さをtとするとき、切断面から内側にξt(0.5≦ξ≦2.0)の範囲として、該切断領域の磁気特性を通常領域とは異なる特性とすることを特徴とする電磁場解析システム。
  2. 前記切断領域における比透磁率μrを、20≦μr≦200の範囲内の一定値とすることを特徴とする請求項1に記載の電磁場解析システム。
  3. 該切断領域における磁界Hσを、前記通常領域に適用する前記H-B曲線における磁界Hσ=0に磁化力増分係数αを乗じた値とすることを特徴とする請求項1に記載の電磁場解析システム。
    ここに、α=Hσ/Hσ=0
    1≦α≦100、
    α:磁化力増分係数、H:磁界、σ:応力
  4. 磁性体板で構成される電磁場解析対象領域を複数の微小領域に分割する領域分割手段と、
    該微小領域における磁束密度と鉄損とを関係つける解析式またはデータに基づくW−B曲線を格納するデータベースと、
    該データベースに格納されているW−B曲線を基にして、前記微小領域の鉄損を計算する鉄損計算手段と、
    前記微小領域の鉄損の総和を求める鉄損総和手段とを有する電磁場解析システムにおいて、
    前記電磁場解析対象領域を通常領域と切断領域とに分割する手段を有しており、
    該切断領域を、電磁場解析対象の厚さをtとするとき、切断面から内側にξt(0.5≦ξ≦2.0)の範囲として、該切断領域の鉄損特性を通常領域とは異なる特性とすることを特徴とする電磁場解析システム。
  5. 該切断領域における鉄損Wσを、前記通常領域に適用する前記W-B曲線における鉄損Wσ=0に鉄損増分係数βを乗じた値とすることを特徴とする請求項4に記載の電磁場解析システム。
    ここに、β=Wσ/Wσ=0
    1≦β≦100、
    β:鉄損増分係数、W:鉄損、σ:応力
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