JP3683430B2 - 粘度指数向上剤および潤滑油 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン油、ギヤ油、作動油などに有用な粘度指数向上剤および潤滑油に関する。更に詳しくは、低温粘度が優れかつ高温でのコーキング量が少なくかつ酸化安定性の良好な粘度指数向上剤およびこのものが添加された潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘度指数向上剤は、潤滑油の粘度指数を向上させるために種々のものが用いられている。例えば、ポリ(メタ)アクリレート系、エチレン・プロピレン共重合体系およびスチレン・ジエン共重合体の水添物などが知られている。しかしながら、近年、自動車などに用いられる潤滑油には、省燃費の観点から低温粘度の低いことやロングライフ化の観点から酸化安定性の向上が強く要望されるようになり、従来の粘度指数向上剤では、本要望に満足できなくなりつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような要望に対して、本発明は、優れた低温粘度を与え、かつ、酸化安定性の良好な粘度指数向上剤およびこれを添加した潤滑油を開発する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、アルキルアクリレートと特定量の第二の単量体成分からなるランダム共重合体が、極めて低い低温粘度を与え、かつ酸化安定性の良好であることを見いだし本発明に至った。本発明は、構成単位として炭素数10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート単量体(a1)と共役ジエン、アセチレン、置換アセチレン、アルキルビニルエーテルおよびアルキルアリルエーテルの群から選ばれる1種以上の単量体(a2)とを必須構成成分として含有するランダム共重合体(A)からなり、(a1)の含量が70重量%を越え、かつ(a2)の含量が0.05〜3重量%である粘度指数向上剤である。
【0005】
本発明に於て用いられる炭素数10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a1)とは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、i−デシルアクリレート等挙げられる。これら各種のアクリレート類の内、低温粘度の低い潤滑油等を与える点で炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレートと、炭素数5〜10のアルキル基を有するアクリレートを併用した場合、もしくは炭素数5〜10のアルキル基を有するアクリレートのみの場合が好ましい。更に好ましくは炭素数8のアルキル基を有するオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートである。
【0006】
本発明に於て用いられる単量体(a2)は、共役ジエン、アセチレン、置換アセチレン、アルキルビニルエーテルおよびアルキルアリルエーテルの群から選ばれる1種以上のものである。
本発明に於て用いられる単量体(a2)としては、炭素数4〜12の共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど);アセチレン;炭素数3〜12の置換アセチレン[アルキルアセチレン(プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシンなど)、炭素数8〜16のアリールアセチレン(フェニルアセチレン、p−メチルフェニルアセチレンなど)];アルキルビニルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、ヘプチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ペンタデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなど];アルキルアリルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルアリルエーテル(メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、アミルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、ヘプチルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、ノニルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、トリデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ペンタデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテルなど]の群から1種以上選ばれる。
これらのうち好ましいものは、ブタジエン、イソプレン、炭素数8〜10のアリールアセチレン、炭素数が1〜8のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルおよび、炭素数が1〜8のアルキル基を有するアルキルアリルエーテルである。
【0007】
本発明に於て、ランダム共重合体(A)は構成単位として、(a1)および(a2)以外に、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルメタクリレート単量体(b1)および炭素数11以上のアルキル基を有するアルキルアクリレート単量体(b2)を含有することができる。
単量体(b1)としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレートである。
また、単量体(b2)としては、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、テトラデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、オクタデシルアクリレートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、デシルアクリレートおよびイソデシルアクリレートである。
また本発明に於て、共重合体(A)は、構成単位として、他のラジカル重合性の単量体(c)を含有することができる。
単量体(c)としては、炭素数1〜30のアルキル不飽和モノまたは/およびポリカルボン酸エステル類(ブチルクロトネート、オクチルクロトネート、ドデシルクロトネート、ジブチルマレエート、ジオクチルフマレート、ジラウリルマレエート、ジステアリルフマレート、ジオクチルイタコネート、ジラウリルイタコネート、炭素数11〜30のアルキルアクリレート、炭素数21〜30のアルキルメタクリレートなど);ビニル芳香族化合物(スチレン、ビニルトルエンなど);ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);カルボン酸化合物類(無水マレイン酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸など);アクロレインが挙げられ、これらのうち1種以上の単量体を含有することができる。
これらのうち好ましいものは、ビニル芳香族化合物であり、特に好ましいものはスチレンである。
【0008】
さらに本発明に於て、ランダム共重合体(A)は、構成単位として、必要に応じて窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1種以上の原子を有する単量体(d)を1種以上含有してもよい。この場合には、粘度指数向上剤に清浄分散性や抗酸化性などを付与でき好ましい。この例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオピロリドン、ビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通常1〜4)、ビニルイミダゾール、モルフォリノアルキレン(メタ)アクリレート等や、アミノフェノチアジン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾリン、アミノメルカプトチアゾール、アミノピペリジン残基を有する(メタ)アクリレート誘導体などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、N−ビニルピロリドン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は通常1〜4)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は、通常1〜4)およびN−アリールフェニレンジアミン残基を有する(メタ)アクリレート誘導体である。
【0009】
本発明におけるランダム共重合体(A)は、通常の方法によって容易に得ることができる。例えば前記した単量体類を鉱物油や溶剤中でラジカル重合することにより得られる。この場合、重合触媒としてアゾ系(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなど)や過酸化物系(例えば、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなど)を用いることができる。
【0010】
また、共重合体(A)は、単量体(a1)および(a2)に必要により単量体(b)および/または(c)および/または(d)を重合することにより得られた重合体にさらに単量体(d)を過酸化物系重合触媒でグラフト重合を行うことによりグラフト重合体(A’)を得ることができる。
【0011】
さらに、ランダム重合体(A)は、単量体(a1)および(a2)に必要により単量体(b)および/または(c)および/または(d)を重合することにより得られた重合体において、単量体(c)がカルボン酸化合物類(無水マレイン酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸など)である場合、(ポリ)アミン類でアミド化、イミド化させることや、単量体(c)がアクロレインである場合、(ポリ)アミン類でマンニッヒ縮合させることにより得ることができる。さらに、ランダム共重合体(A)は、単量体(a1)および(a2)に必要により単量体(b)、(c)および/または(d)を重合することにより得られた重合体に過酸化物系重合触媒で非ビニル化合物(例えば、フェノチアジン類、イミダゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、チアゾリンジン類、ピリミジン類、ピペラジン類、ピロリジノン類、オキサゾール類、チオモルフォリン類など)をグラフト付加させることにより得ることができる。
【0012】
ランダム重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、増粘効果及びせん断安定性の観点から、通常、1〜50万である。駆動系潤滑油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャルギヤ油、オートマチックトランスミッション油など)に用いられる場合には、好ましくはMwが2〜15万であり、作動油(建設機械の作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など)に用いられる場合にはMwは3〜20万の範囲にあるときに好ましく、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用等)に用いられる場合にはMw13〜50万の範囲にあるときに好ましい。尚、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレンに換算した分子量である。
【0013】
本発明における単量体(a1)の使用量は、ランダム共重合体(A)に基づいて通常、70重量%を越えるものである。好ましくは、72〜95重量%であり、さらに好ましくは、75〜90重量%である。
(a1)の使用量が70重量%以下になると、低温粘度の低減効果が低下する。
本発明における単量体(a2)の使用量は、重合体(A)に基づいて通常0.05〜3重量%である。好ましくは、0.1〜1重量%である。
(a2)の使用量が0.05重量%未満となるとコーキング量が急激に増加し、エンジンのピストンやシリンダー部分に損傷を与える可能性がある。また、3重量%を超えると優れた酸化安定性が保持できず、今後の潤滑油のロングライフ化の強い要望に対し不十分となる。
本発明における単量体(b)の使用量は、重合体(A)に基づいて、通常29重量%以下であり、好ましくは15〜25重量%である。
(c)の使用量は通常10重量%以下であり、好ましくは5重量%以下である。
本発明における単量体(d)の使用量は、通常5重量%以下であり、好ましくは3重量%ある。清浄性向上には(d)を0.5重量%以上用いるのが好ましい。
【0014】
本発明の粘度指数向上剤には、更に流動点降下剤を含有していることが好ましい。この流動点降下剤としては、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、アルキル化芳香族化合物およびフマレート・酢酸ビニル共重合物などの従来公知のものが使用される。例えば、アルキル基の炭素数が10〜20のメタクリレート系のもの、又これらメタクリレート系のもので組成や分子量が異なる2種類以上のものを組み合わせたもの(例えば、特開昭54−70305公報等に記載のもの)や、更には非常に高分子量のもの(例えばUSP5229021のものなど)等が挙げられる。このように流動点降下剤を含有する場合には、重合体(A)100重量部に対し流動点降下剤は通常30重量部以下、好ましくは1〜20重量部である。
【0015】
本発明の粘度指数向上剤は、潤滑油基油に目的の粘度になるように配合、熔解し本発明の潤滑油として使用される。基油としては、通常50ニュートラル油〜300ニュートラル油の粘度範囲にあるものである。具体的な例としては通常の鉱物油、パラフィン分または多環芳香族分を水素化触媒にて水素化分解した異性化パラフィンを含有する高粘度指数油、α−オレフィンオリゴマーからなる炭化水素系合成潤滑油、ジオクチルアジペート、脂肪酸とトリメチロールなどのエステル系合成潤滑油を使用することができる。
これらのうち異性化パラフィンを含有する高粘度指数油は、通常の溶剤精製鉱物油とは組成が異なり、粘度指数が大きく、製造法や異性化パラフィン含量などにより異なるが、通常110〜160程度のものとなる(通常の鉱物油は、粘度指数90〜105程度)。また高粘度指数油は、芳香族系化合物の含量が少ない(例えば、1重量%以下)ため酸化安定性にも優れており、基油として好ましい。
潤滑油基油に対して本発明の粘度指数向上剤を通常0.5〜30重量%添加し、本発明の潤滑油として使用される。本発明の潤滑油がエンジン油の場合には2〜10重量%、ギア油や自動変速機油の場合は、7〜25重量%添加された場合に好ましい結果を与える。
【0016】
本発明の潤滑油は、本発明の粘度指数向上剤とモリブデン系摩擦低減剤を併用した場合に、その効果を最大限に発揮できるとの特徴も有している。このモリブデン系摩擦低減剤には、チオフォスフェート系のものやカーバメート系のものが挙げられる。
これらのモリブデン系摩擦低減剤の潤滑油中の割合は、通常0.05〜5重量%であり、該粘度指数向上剤は、0.5〜30重量%、潤滑油基油は、99.45〜65重量%である。
【0017】
本発明の潤滑油は、他の公知の添加剤を含有していても良い。これらの公知成分としては、例えば粘度指数向上剤(例えば、エチレン・プロピレン共重合体やポリイソプレンの水添物など)、清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系のもの等)、分散剤(イソブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒンダードフェノール系等)、油性剤(脂肪酸系、脂肪酸エステル系等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいても良い。
【0018】
本発明の潤滑油の対象とする用途は、ガソリンエンジン油、ジーゼルエンジン油、ギヤ油、自動変速油、作動油、トラクター油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油、コンプレッサー油などが挙げられる。好ましくは、エンジン油である。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
実施例1
撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応器に、鉱物油を150g、単量体として2−エチルヘキシルアクリレート80g、メチルメタクリレート5g、イソデシルメタクリレート15gおよびイソプレン0.5g、触媒としてアゾビスバレロニトリル0.2g仕込み、窒素置換を行った後に密閉下70℃で4時間重合反応を行った。その結果、重量平均分子量(M1)が31万の共重合体を得た。これを本発明の粘度指数向上剤1とした。
【0021】
実施例2
単量体としてイソプレン0.5gをn−ブチルビニルエーテル0.5gに変える以外は、実施例1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量(M1)が32万の共重合体を得た。これを本発明の粘度指数向上剤2とした。
【0022】
実施例3
単量体として2−エチルヘキシルアクリレート75g、ブチルアクリレート5g、イソデシルメタクリレート20g、イソプレン0.5gを使用した以外は、実施例1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量(M1)が27万の重合体を得た。これを本発明の粘度指数向上剤3とした。
【0023】
実施例4
単量体として2−エチルヘキシルアクリレート75g、スチレン5g、ドデシルメタクリレート20g、イソプレン0.5gを使用した以外は、実施例1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量(M1)が34万の重合体を得た。これを本発明の粘度指数向上剤4とした。
【0024】
実施例5
単量体として2−エチルヘキシルアクリレート75g、ジメチルアミノエチルメタクリレート5g、ドデシルメタクリレート20g、ブチルアリルエーテル0.5gを使用した以外は、実施例1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量(M1)が29万の重合体を得た。これを本発明の粘度指数向上剤5とした。
【0025】
実施例6
撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応器に、鉱物油を150g、単量体として2−エチルヘキシルアクリレート80g、ドデシルメタクリレート20gおよびイソプレン0.5g、触媒としてアゾビスバレロニトリル0.2g仕込み、窒素置換を行った後に密閉下、70℃で4時間重合反応を行った。さらに、t−ブチルパーベンゾエート0.2g、N−ビニルピロリドン2gを仕込み、130℃、2時間グラフト重合を行った。その結果、重量平均分子量(M1)が33万の重合体を得た。これを本発明の粘度指数向上剤6とした。
【0026】
比較例1
単量体としてイソプレン0.5gを使用しないこと以外は、実施例1と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量(M1)が32万の重合体を得た。これを粘度指数向上剤比1とした。
【0027】
比較例2
単量体として2−エチルヘキシルアクリレート80g、メチルメタクリレート5g、イソデシルメタクリレート15gおよびn−ブチルビニルエーテル3gを使用すること以外は、実施例2と同様な方法で重合を行い、重量平均分子量(M1)が31万の重合体を得た。これを粘度指数向上剤比2とした。
【0028】
比較例3
エチレン・プロピレン共重合体からなるOCP系粘度指数向上剤(三井石油化学工業製、オルフュースM−1210)を粘度指数向上剤比3とした。
【0029】
実施例7〜12及び比較例4〜6
実施例1〜6の本発明の粘度指数向上剤1〜6、比較例1〜3の粘度指数向上剤比1〜3をSJグレードガソリンエンジンオイル用DIパッケージ10重量%、溶剤精製油A(粘度指数100の200ニュートラル油)50重量%および高粘度指数油B(粘度指数125の100ニュートラル油)40重量%の粘度指数向上剤未添加油に100℃動粘度が、10.5mm2/sとなるように添加し、本発明の潤滑油1〜6および潤滑油比1〜3を作成した。
これらのエンジン油を以下の方法でパネルコーキング試験および酸化安定試験を実施した。その結果を表1に示した。また、省燃費性に関係するTBS粘度(150℃、せん断速度106/秒)およびCCS粘度(−25℃、せん断速度105/秒)を測定し、その結果を表2に示した。
【0030】
(パネルコーキング試験の方法)
上記潤滑油1〜6および潤滑油比1〜3をパネルコーキング試験法Fed−791Bに従い、パネル温度250℃、エンジン油温度100℃で4時間パネルコーキング試験を実施した。
試験後、パネルをペンタンで洗浄後、コーキング量を重量法で測定した。
【0031】
(酸化安定性試験の方法)
上記潤滑油1〜6および潤滑油比1〜3をJIS−K2514に従い、165.5℃で120時間酸化安定性試験を実施した。試験前後でのエンジン油の全酸価の増加量を測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
表1からわかるように、本発明の粘度指数向上剤を使用した潤滑油1から6(実施例7〜12)は、共役ジエン、置換アセチレン、アルキルビニルエーテルまたはアルキルアリルエーテルを導入していないメタクリレート系重合体からなる粘度指数向上剤を使用した潤滑油比1(比較例4)と比べコーキング量が著しく低減できており、従来コーキング量が少ないといわれいるOCP系粘度指数向上剤を使用した潤滑油比3(比較例6)と比べ同等以下のコーキング量となった。
また、アルキルビニルエーテルとしてn−ブチルビニルエーテルを3重量%含有した粘度指数向上剤比2を使用した潤滑油比2(比較例5)は、酸化安定性が不十分であった。
【0034】
【表2】
【0035】
表2からわかるように、本発明の粘度指数向上剤を使用した潤滑油1〜6(実施例7〜12)は、比較例6のOCP系粘度指数向上剤を使用した潤滑油比3に比べ、TBS粘度が低くかつCCS指数も低くく、良好な省燃費特性が期待できる。
【0036】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明の粘度指数向上剤を使用した潤滑油は、従来のOCP系粘度指数向上剤を添加したエンジン油と比べコーキング量が同等以下に低減でき、かつ、OCP系粘度指数向上剤を使用した場合と比べ、TBS粘度が低いことおよびCCS粘度が低いことから今後の自動車の省燃費性の要求に対応できる優れた潤滑油を提供することができる。
Claims (8)
- 構成単位として炭素数10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート単量体(a1)と共役ジエン、アセチレン、置換アセチレン、アルキルビニルエーテルおよびアルキルアリルエーテルの群から選ばれる1種以上の単量体(a2)とを必須構成成分として含有するランダム共重合体(A)からなり、(a1)の含量が70重量%を越え、かつ(a2)の含量が0.05〜3重量%である潤滑油用粘度指数向上剤。
- 構成単位として炭素数10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート単量体(a1)と共役ジエン、アセチレン、置換アセチレン、アルキルビニルエーテルおよびアルキルアリルエーテルの群から選ばれる1種以上の単量体(a2)とを必須構成成分として含有するランダム共重合体(A)に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1種以上の原子を有する単量体(d)をグラフト重合したグラフト重合体(A’)からなり、(a1)の含量が70重量%を越え、(a2)の含量が0.05〜3重量%、かつ(d)の含量が5重量%以下である潤滑油用粘度指数向上剤。
- (a1)が、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a1−1)と炭素数5〜10のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a1−2)との併用もしくは、(a1−2)のみである請求項1または2記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- (A)が、さらに構成単位として炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルメタクリレート単量体(b)を含有したランダム共重合体であり、(b)の含量が29重量%以下である請求項1〜3のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 粘度指数が110〜160の高粘度指数油用である請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 更に流動点降下剤(C)を含有する請求項1〜4記載のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の粘度指数向上剤を添加してなる潤滑油。
- 請求項1〜6のいずれか記載の粘度指数向上剤0.5〜30重量%、モリブデン系摩擦低減剤0.05〜5重量%、粘度指数が110〜160の高粘度指数油を99.45〜65重量%を必須成分としてなる潤滑油。
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