JP3684203B2 - モータ制御装置 - Google Patents
モータ制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3684203B2 JP3684203B2 JP2002048418A JP2002048418A JP3684203B2 JP 3684203 B2 JP3684203 B2 JP 3684203B2 JP 2002048418 A JP2002048418 A JP 2002048418A JP 2002048418 A JP2002048418 A JP 2002048418A JP 3684203 B2 JP3684203 B2 JP 3684203B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- unit
- motor
- current
- command
- phase difference
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期型モータを位置センサを用いずに制御するためのモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
位置センサを有しない同期型モータの代表的なものとしてはブラシレスモータがある。ブラシレスモータのロータの位置を検出するために誘起電圧を検出し、それに基づいてブラシレスモータを駆動する方法が従来から知られている。ブラシレスモータの駆動方法には、ブラシレスモータに矩形波の電流を流して駆動する矩形波駆動と、正弦波の電流を流して駆動する正弦波駆動がある。矩形波駆動では、電流波形が矩形波であるので、モータの振動、騒音のいずれにおいても正弦波駆動よりも劣っている。正弦波駆動では、モータの電流のゼロクロス点を検出する。このゼロクロス点に基づいて得られるモータ電流と印加電圧との位相差が所望の指令値になるように、印加電圧あるいは指令周波数をフィードバック制御する。
【0003】
以下、図26及び図27を用いて前記の正弦波駆動のモータ制御装置の第1の従来技術について説明する。図26は正弦波駆動の第1の従来技術のモータ制御装置のブロック図である。図において、直流電源101の直流電圧はインバータ回路102によって交流電圧に変換され、モータ電流検出部104を経てモータ103に供給される。モータ電流はモータ電流検出部104で検出され、インバータ制御部105に入力される。インバータ制御部105では、周波数設定部106で設定された周波数の出力を波形生成部107に与え、モータ103に印加する電圧の回転位相と電圧の波形を生成する。モータ電流検出部104の検出出力は電流ゼロクロス検出部108に印加され、モータ電流のゼロクロス点を検出する。
【0004】
図27の(a)は回転位相θを表すグラフであり、(b)は出力周波数fsの逆数の周期Tにおける、モータ電流Isと印加電圧Vsとの関係を表すグラフである。図27の(a)に示すように、周波数設定部106の出力周波数fsを、波形生成部107によって周期である時間T(=1/fs)に変換し、回転位相θを生成する。更に回転位相θに基づいて基準となる正弦波を生成する。生成された基準となる正弦波の波形と誤差電圧演算部111で演算された電圧の振幅とから、出力指令演算部112で印加電圧Vsの指令値が生成され、それはインバータ回路102に印加される。これにより、モータ電流Isが図27の(b)の波形図のように流れ、印加電圧Vsとの間に位相差Φを生じる。モータ電流検出部104で検出されたモータ電流Isは、電流ゼロクロス検出部108に印加され、モータ電流Isのゼロクロス点の位相が検出される。ゼロクロス点の位相は位相差演算部109に印加され、印加電圧Vsとモータ電流Isとの位相差Φが検出される。位相差指令部110の出力と位相差演算部109の出力から加算部113で誤差が求められ、これが誤差電圧演算部111で増幅され、それによりモータ印加電圧Vsの振幅が求められる。出力指令演算部112の出力の印加電圧Vsはパルス幅変調(PWM)されてインバータ回路102のスイッチ素子に印加されこれを駆動する。
【0005】
第2の従来技術の正弦波駆動方法として、1997年電気学会論文誌D117巻1号や特開平11−18483号公報に示されるものがある。この駆動方法では、モータの巻線抵抗やd−q軸上のインダクタンスで記述されるモータの電圧方程式をあらかじめ準備しておく。そして、モータの印加電圧と実際に流れた電流とからモータの位相ならびに回転数を推定してフィードバック制御する。この第2の従来技術を図28を用いて説明する。
【0006】
図28は正弦波駆動の第2の従来技術のモータ制御装置のブロック図である。図において、直流電源101、インバータ回路102、モータ電流検出部104及びモータ103は第1の従来技術と同様である。インバータ制御部114における動作を説明する。出力指令演算部115で生成されたPWM指令値に基づいてインバータ回路102のスイッチング素子を制御し、モータ103を駆動する。そのときモータ103に流れた電流をモータ電流検出部104で検出し、検出信号を出力する。モータ電流検出信号と推定位相θから、γδ変換部116でモータ電流をγ−δ座標軸上に変換して、電流IγとIδを出力する。この座標軸は、モータモデル117上で推定したd−q軸である。モータモデル117は変換された電流と電圧指令値に基づいてモータの電圧方程式を解き、位相θ及び回転数ωの推定値を出力する。周波数設定部118はモータの回転周波数指令値を出力する。加算部119は回転周波数の指令値とモータモデル117で生成された回転数ωの推定値の誤差を演算して電流指令部120に出力する。電流指令部120は加算部119の誤差をPI制御してγ−δ軸上の電流指令値を作成する。加算部121は電流指令部120からの電流指令値と、γδ変換部116からの電流IγとIδの誤差を演算して電圧指令部122に出力する。電圧指令部122は、加算部121の誤差をPI制御して印加電圧指令値を作成する。この印加電圧指令値が再び出力指令演算部115に用いられて三相変換された後PWM指令値を作成し、次の制御周期で再度インバータ回路102を制御する。
【0007】
第3の従来技術の正弦波駆動方法として、特開2000−262089号公報に示されるものがある。この駆動方法ではモータに供給される無効電力を検出して、その値が目標値となるようにフィードバック制御する。この第3の従来技術を図29を用いて説明する。
図29は正弦波駆動の第3の従来技術のモータ制御装置のブロック図である。図において、直流電源101、インバータ回路102、モータ電流検出部104及びモータ103は第1の従来技術と同様である。インバータ制御部123における動作を説明する。出力指令演算部124はモータ印加電圧指令値からPWM指令を生成して出力しインバータ回路102のスイッチング素子を制御し、モータ103を駆動する。そのときモータ103に流れた電流をモータ電流検出部104で検出し、検出信号を出力する。座標変換部125は検出信号に基づいてモータ電流を有効電流と無効電流とに分解する。
【0008】
周波数設定部126はモータ103の回転周波数指令値を出力する。無効電力指令部127は回転周波数指令値とモータ印加電圧指令値と有効電流と無効電流から無効電力指令値を出力する。無効電力演算部128はモータ印加電圧指令値と無効電流検出値から無効電力検出値を演算する。加算部129は無効電力指令値と無効電力検出値の誤差を演算し、誤差電圧演算部130はこの誤差に基づいて印加電圧補償値を生成する。V/f変換部131は回転周波数指令値からモータ基準電圧を生成し、加算部132はモータ基準電圧と印加電圧補償値を加算してモータ印加電圧指令値を生成する。モータ印加電圧指令値は出力指令演算部124に再び入力されてPWM指令値を作成し、次の制御周期で再度インバータ回路102を制御する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記の第1の従来技術では、モータ電流のゼロクロス点を検出し、モータ電流Isと印加電圧Vsとの位相差を所望する指令値になるようフィードバック制御している。モータ電流Isのゼロクロス点は図27の(b)に示すように、1相当たり電気角で180度に1回検出できるので、3相では電気角で60度に1回検出できる。しかしながら、電気角60度毎にゼロクロス点を検出するフィードバック制御では、サンプルホールドによる検出遅れが大きい。この検出遅れにより、特にモータの回転数が低い周波数領域で動作が不安定になって脱調現象を生じ、モータの回転が停止しやすいという問題があった。
モータモデルを用いてd−q軸を推定する第2の従来技術では、制御周期毎(例えば、キャリア周期毎)にフィードバックする。従って検出遅れによる脱調現象が起きにくいという長所がある。一方、モータのパラメータ、特にインダクタンスは温度や負荷の影響を受けて大きく変化する。そのため、実際のモータのパラメータと制御器内部で使用するモデルとの間に誤差が生じると、位相あるいは回転数の推定結果が実際と異なってくる。その結果、モータの回転が最終的には制御不能となり脱調してしまう。脱調を防ぐために回転数や負荷や温度に応じてパラメータを補正する作業が必要であった。また、パラメータが異なるモータを制御するためには各パラメータを調整する作業が必要であり、パラメータの異なるモータに直ちに適用することは困難であった。また、この制御を行う際には電流マイナーループを用いているため演算量が多く、高価なマイクロコンピュータあるいはDSPを用いる必要があった。
無効電力を指令して所定の値となるようにフィードバック制御する第3の従来技術は、制御周期毎にフィードバックするので、第2の従来技術と同様に、検出遅れによる脱調現象が起きにくいという長所がある。また、電流マイナーループを持たない分、第2の従来技術と異なり演算量が少なくなるという長所がある。しかし、モータの印加電圧は回転数とほぼ比例関係にあるため、無効電力指令値は回転数の変化に応じて変更していく必要があり、更に、この指令値の作成にはモータパラメータを使用しているので、第2の従来技術と同様に、パラメータの変化に応じた補正が必要となるため、無効電力指令値の演算が複雑になり、結局のところ全体の演算量は多く、高価なマイクロコンピュータあるいはDSPを用いる必要があった。また、第2の従来技術と同様に、パラメータが異なるモータを制御するためには各パラメータを調整する作業が必要であり、パラメータの異なるモータに直ちに適用することは困難であった。また、この従来技術は出力トルクが常に最大となる制御方法であり、電圧不足時に用いられる弱め界磁制御ができないため、回転数範囲が制限されてしまうという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、広範囲な運転領域で脱調することなく、高効率、低騒音、低振動で安定にモータの回転を制御できるモータ制御装置を提供することである。また、演算量が少なく、安価なマイクロコンピュータで構成できるモータ制御装置を提供することである。
さらに、モータパラメータの異なるモータにも直ちに適用できる、モータパラメータを必要としない制御方法のモータ制御装置を提供することである。
さらに、電源電圧の不足時における弱め界磁制御を容易に実現できるモータ制御装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のモータ制御装置は、直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、を備えるモータ制御装置において、前記インバータ制御部は、前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部、無効分電流の指令値を出力する無効分電流指令部、前記無効分電流演算部の出力と前記無効分電流指令部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力からモータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有し、前記無効分電流指令部は前記ブラシレスモータの負荷の状態に基づいて前記無効分電流指令部の出力を変更することを特徴とする。
本発明の他の観点のモータ制御装置は、直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、を備えるモータ制御装置において、前記インバータ制御部は、前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部、無効分電流の指令値を出力する無効分電流指令部、前記無効分電流演算部の出力と前記無効分電流指令部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力からモータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有し、前記誤差電圧演算部は、比例積分微分制御器によって構成されていることを特徴とする。
本発明の他の観点のモータ制御装置は、直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、を備えるモータ制御装置において、前記インバータ制御部は、前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、前記無効分電流演算部及び前記有効分電流演算部の出力から位相差φを演算する位相差φ演算部、位相差φの指令値を出力する位相差φ指令部、前記位相差φ指令部の出力と前記位相差φ演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力からモータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有し、前記位相差φ指令部は、前記ブラシレスモータの回転数に基づいて前記位相差φ指令部の出力を変更することを特徴とする。
本発明の他の観点のモータ制御装置は、直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、を備えるモー タ制御装置において、前記インバータ制御部は、前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、前記無効分電流演算部の出力、前記有効分電流演算部の出力及びモータ印加電圧指令値からモータ印加電圧とモータ誘起電圧との位相差αを演算する位相差α演算部、位相差αの指令値を出力する位相差α指令部、前記位相差α指令部の出力と前記位相差α演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力から前記モータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有する。
本発明の他の観点のモータ制御装置は、直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、を備えるモータ制御装置において、前記インバータ制御部は、前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、前記無効分電流演算部の出力、前記有効分電流演算部の出力、モータ印加電圧指令値及び前記周波数設定部の指令信号から前記モータのロータ基準軸とモータ電流との位相差βを演算する位相差β演算部、位相差βの指令値を出力する位相差β指令部、前記位相差β指令部の出力と前記位相差β演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力から前記モータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有する。
本発明の他の観点のモータ制御装置は、直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、を備えるモータ制御装置において、前記インバータ制御部は、前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、前記無効分電流演算部の出力、前記有効分電流演算部の出力、モータ印加電圧指令値及び前記周波数設定部の指令信号から前記モータのロータ基準軸とモータ印加電圧との位相差δを演算する位相差δ演算部、位相差δの指令値を出力する位相差δ指令部、前記位相差δ指令部の出力と前記位相差δ演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力から前記モータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有する。
【0012】
本発明によれば、モータ電流からモータの瞬時の無効分電流、力率角、印加電圧と誘起電圧の位相差、ロータ軸と電流の位相差、ロータ軸と印加電圧の位相差のいずれかが検出される。これらの検出値が指令値と等しくなるようにインバータ回路を制御するので、安定にモータを駆動できる。インバータ回路の制御を行うインバータ制御は、モータへの印加電圧指令の電圧値又は位相を補償するようにフィードバックループを構成している。制御周期はモータの回転周期に比べて十分短いため、サンプリング遅れなどにより不安定な動作となることはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例のモータ制御装置について、図1から図25を用いて説明する。
【0014】
《第1実施例》
本発明の第1実施例を図1から図3を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施例のモータ制御装置の基本的な構成を示すブロック図である。図1において、直流電源1の直流はインバータ回路2に印加されて交流に変換され、モータ電流検出部4を経てモータ3に供給される。モータ3は例えば、同期型のブラシレスモータであり、ロータの位置を検出する位置センサは備えていない。モータ電流検出部4の出力はインバータ制御部55の、無効分電流演算部54を有する検出部57に入力される。検出部57では無効分電流を演算し、その値に基づく検出値を出力して、演算部58に印加する。設定部56には、インバータ回路2を制御するための後で詳しく説明する各種の設定値が設定されている。この設定値は検出部57が出力する検出値の目標値となるものであり、一定値でもよいし、モータ3の回転周波数や負荷トルクに応じて変更される値でもよい。この設定値及び検出値は演算部58に入力される。演算部58は、所定の演算を行った後、検出値が設定値に等しくなるようにインバータ回路2を駆動するための指令値を出力する。以上の一連の動作を所定の制御周期で繰り返し行うことによって、検出値が設定値に等しくなるように制御され、モータ3を所定の動作状態で駆動することができる。
【0015】
図2は本実施例のモータ制御装置の好適な具体例を示すブロック図である。この例は、検出値及び設定値を無効分電流とした場合である。インバータ制御部5において、周波数設定部6に、インバータ回路2を制御する入力信号の周波数が設定され、設定された周波数の入力信号が波形生成部7とV/f変換部11に印加される。波形生成部7は印加された入力信号から回転位相信号を生成し、無効分電流演算部8と出力指令演算部12に印加する。無効分電流演算部8は、モータ電流検出部4の検出出力と波形生成部7の出力から無効分電流を求め、加算部31の一方の入力端に印加する。加算部31の他方の入力端には無効分電流指令部9から出力される無効分電流指令値が印加されている。加算部31の加算出力は誤差電圧演算部10に印加され誤差電圧が求められる。誤差電圧演算部10の出力は、加算部32においてV/f変換部11の出力と加算され、加算結果の出力が出力指令演算部12に入力される。出力指令演算部12の出力はインバータ回路2に印加されインバータ回路を駆動する。図1における検出部57は図2の無効分電流演算部8に相当し、図1の設定部56は図2の無効分電流指令部9に相当する。演算部58は図2のその他の部分をまとめたものに相当する。
【0016】
インバータ制御部5の動作を以下に説明する。モータ3の三相の巻線(図示省略)U,V,Wに印加する電圧をVu,Vv,Vwとしたとき、出力指令演算部12は、波形生成部7からの回転位相信号θと、加算部32からのモータ印加電圧指令値Vaを用いて、式(1)に示す演算をする。
【0017】
【数1】
【0018】
出力指令演算部12は、演算結果の電圧がモータ3に印加されるように、インバータ回路2のスイッチング素子41−46(図22)をPWM駆動する信号を出力する。モータ電流検出部4はモータ3に流れる三相の電流のうち少なくとも二相の電流を検出し、検出信号を無効分電流演算部8に入力する。モータ電流検出部4がU相、V相、W相の電流を検出したとき出力する検出信号をIu,Iv,Iwとすると、無効分電流演算部8は式(2)に示す演算を行って、無効分電流検出値Irを求める。
【0019】
【数2】
【0020】
なお、Iu+Iv+Iw=0の関係があるから、モータ電流検出部4が少なくとも二相の電流を検出すれば無効分電流演算部8は式(2)の演算ができる。
【0021】
図3(a)はモータの印加電圧指令値Va、誘起電圧Vo及びモータ3を流れるモータ電流Isの関係を、d−q軸上で表したベクトル図である。モータ3のロータに設けられている磁石による発生電圧はq軸上にあり、リラクタンス分を含めたモータ3のロータとステータ間に発生する誘起電圧はV0となる。モータ印加電圧指令値Vaと誘起電圧V0とのベクトルの差はモータの巻線抵抗Rにモータ電流Isを乗じたものとなる。式(2)の演算で得られる無効分電流検出値Irは、モータ電流Isの、印加電圧指令値Vaの方向に直交する方向の成分であり、a−r軸上で示すと、図3(b)に示すように、モータ電流Isを、印加電圧指令値Vaと平行な方向であるa軸方向と、a軸に直交するr軸方向とに分解した時の、r軸方向成分である。よって、無効分電流検出値Irは式(3)のようにも表現できる。
【0022】
【数3】
【0023】
ここで、φは印加電圧指令値Vaとモータ電流Isとの位相差であり、力率角を表す。
【0024】
図2において、無効分電流指令部9は無効分電流指令値Ir*を出力する。加算部31は無効分電流指令値Ir*と無効分電流検出値Irとを加算をして、加算結果を誤差として出力する。誤差電圧演算部10は、無効分電流検出値Irを無効分電流指令値Ir*に近づけるために、電圧補償値をこの誤差に基づいて演算して出力する。電圧補償値の演算においては、比例(P)制御、比例積分制御(PI)、比例積分微分(PID)制御などの従来から用いられている制御における演算方法を用いることができる。このときの各制御ゲインは固定値でもよいし、モータの回転周波数や負荷に応じて変更してもよい。前記の誤差電圧演算部10の演算における方法は一般的なものであり、本発明の誤差電圧演算部10の動作はこれらに限られるものではない。無効分電流指令値Ir*をモータの回転周波数や負荷に応じて変更してもよい。
【0025】
周波数設定部6はモータ3の回転周波数を表す回転周波数指令値を出力する。V/f変換部11はこの回転周波数指令値に基づいて、モータ3に印加すべき基本的な電圧指令値を出力する。モータ3がブラシレスモータであれば、印加電圧と回転数は比例関係にあるので、回転周波数指令値に一定の数を掛けた値を電圧指令値とするのが一般的である。電圧指令値の他の生成方法としては、モータの起動時には加速トルクが必要なので、若干大き目の電圧指令値を出力するようにしてもよい。本実施例において説明する電圧指令値の生成方法は一般的なものであり、本発明のV/f変換部の動作がこの電圧指令値の生成方法に限定されるものではない。
【0026】
加算部32はV/f変換部11から出力された電圧指令値と誤差電圧演算部10から出力された電圧補償値を加算し、次の制御周期におけるモータ印加電圧指令値Vaを生成する。以上述べた一連の動作を制御周期毎に繰り返すことによって、最終的にモータ3に印加すべき電圧の過不足分が補償される。この制御周期はインバータ回路2のスイッチング素子がオンオフを繰り返す周期であるキャリア周期と同一である。通常のキャリア周期は数十μ秒から数百μ秒、すなわち、キャリア周波数は数kHz〜数十kHz程度である。一方モータの回転周波数は用途によるがエアコンや冷蔵庫に用いる圧縮機やファン、ポンプなどの用途では最高数百Hzであり、キャリア周波数よりもはるかに小さい周波数である。第1の従来技術ではモータの回転周波数の数倍程度の周波数でしか制御できなかったので、制御や検出が遅れ、モータの回転が不安定になることがあった。本実施例によれば、モータの回転周波数よりもはるかに高いキャリア周波数すなわち短い周期で制御できるので、制御の遅れや検出の遅れが生じずモータの制御が不安定になることはない。
また、式(1)〜式(3)を用いて無効分電流を検出するので、モータパラメータを必要としない点が、第2及び第3の従来技術と異なる。本発明のモータ制御装置は、インダクタンス値や巻線抵抗値などのモータパラメータが異なるモータに対しても、パラメータを調整する必要なく適用することができる。また、演算量が少ないため、安価なマイクロコンピュータを用いたモータ制御装置を実現することができる。
【0027】
《第2実施例》
図4は本発明の第2実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Aは、第1実施例の図2のインバータ制御部5に、有効分電流演算部13及び位相差φ演算部14を加え、無効分電流指令部9を位相差φ指令部15に変更したものである。その他の構成は前記第1実施例のものと同じである。位相差φは、印加電圧指令値Vaとモータ電流Isの位相差である。有効分電流演算部13は有効分電流Iaを式(4)の演算で求める。
【0028】
【数4】
【0029】
式(4)の演算で求められる有効分電流Iaは、図3(b)のベクトル図においてモータ電流Isの、印加電圧指令値Vaの方向に平行な方向の成分である。すなわち、図3(b)に示すように、モータ電流Isを、印加電圧指令値Vaに平行な方向であるa軸方向と、a軸に直交する方向であるr軸方向とに分解した時の、a軸方向成分である。従って、有効分電流検出値Iaは式(5)のようにも表現できる。
【0030】
【数5】
【0031】
式(3)と式(5)から式(6)が導きだせる。
【0032】
【数6】
【0033】
位相差φ演算部14は力率角である位相差φを式(6)の演算で求める。
【0034】
位相差φ指令部15は位相差φの指令値φ*(以下、位相差φ指令値と記す)を出力する。加算部31Aは位相差φ指令値φ*と位相差φ検出値φとの加算結果を誤差として出力する。誤差電圧演算部10Aは位相差φ検出値φを位相差φ指令値φ*に近づけるために、電圧補償値をこの誤差に基づいて演算して出力する。それ以降のインバータ制御部5Aの動作は第1実施例の図2のものと同様である。
【0035】
角度で示す位相差φは力率角であるから、位相差φを制御することで、モータの力率すなわち、有効電力や無効電力の分配比率を直接設定できる。そのため、モータの駆動状態を設定しやすい。
図15(a)は、モータの回転周波数を低い値の一定値とし、負荷をパラメータとした時の、無効分電流指令値Ir*とモータの効率の関係を示す実験結果の図であり、図15(c)は位相差φ指令値φ*とモータの効率の関係を示す実験結果の図である。図15(a)から、負荷が変わるにつれて、モータの効率が最大となる無効分電流指令値Ir*を変更する必要があることがわかる。従って、負荷が変化してもモータの効率が最大となるようにモータを駆動するためには、無効分電流指令値を負荷に応じて変化させる必要がある。図15(c)からは、負荷が変化してもモータの効率が最大となる位相差φ指令値φ*は変わらないので一定値でよいことがわかる。この結果から、モータの効率が常に最大となるようにモータを駆動したいとき、無効分電流指令値Ir*は負荷によって変える必要があるが、位相差φ指令値φ*は負荷に関係なく一定値を設定すればよい。従ってフィードバック制御においては、位相差φ指令値φ*を使う方が無効分電流指令値Ir*を使うよりも設定が簡単になるという効果が得られる。
また、式(1)〜式(6)を用いて位相差φを検出するので、モータパラメータを必要としない点が、第2及び第3の従来技術と異なる。本発明のモータ制御装置は、インダクタンス値や巻線抵抗値などのモータパラメータが異なるモータに対しても、パラメータを調整する必要なく適用することができる。また、演算量が少ないため、安価なマイクロコンピュータを用いたモータ制御装置を実現することができる。
【0036】
《第3実施例》
図5は本発明の第3実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Bは、第2実施例の図4のインバータ制御部5Aにある位相差φ演算部14を位相差α演算部16に代え、位相差φ指令部15を位相差α指令部17に代えたものである。位相差α演算部16は、無効分電流演算部8の出力と有効分電流演算部13の出力と加算部32の出力であるモータ印加電圧指令値とから、位相差αを式(7)に基づいて演算する。
【0037】
【数7】
【0038】
式(7)におけるRはモータ3の巻線の1相あたりの巻線抵抗である。角度で示す位相差αは図3(a)に示すように、印加電圧指令値Vaと誘起電圧V0の位相差である。
【0039】
位相差α指令部17は位相差αの指令値α*(以下、位相差α指令値α*と記す)を出力する。加算部31Bは位相差α指令値α*と位相差α検出値αとの加算結果を誤差として出力する。誤差電圧演算部10Bは位相差α検出値αを位相差α指令値α*に近づけるために、電圧補償値をこの誤差に基づいて演算し出力する。その他の構成及び動作は第2実施例と同様である。
【0040】
フィードバック制御において、位相差αは図15(c)に示した位相差φと同様の効果を持つ。従って、モータの効率が常に最大となるようにモータを駆動したい時は、位相差α指令値α*を一定値に設定すればよい。また、モータの起動時は回転周波数が安定していないため、ロータの磁石によって発生する誘起電圧ω・ψ(図3の(a))は大きく変動する。従って、誘起電圧V0は大きさと向きの両方が大きく変動し、モータ電流Isも大きく変動する。その結果、モータの起動時は、印加電圧指令値Vaとモータ電流Isとの位相差φが大きく変動して、位相差φの検出値φがばらつき、制御しにくくなってしまう。これに対して、位相差αは変動量が小さいので、モータの起動時から位相差αの検出値はばらつかない。従って位相差αを用いると安定したフィードバック制御を行うことができ、モータ起動時からのモータ制御が容易になるという効果が得られる。
位相差αの検出にはモータの巻線抵抗Rのみを必要とし、負荷によって変化の大きいインダクタンス値を必要としないので、負荷による補正が不要となり、安価にモータ制御装置を実現することができる。また、演算量が少ないため、安価なマイクロコンピュータを用いたモータ制御装置を実現することができる。
【0041】
《第4実施例》
図6は本発明の第4実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Cは、第3実施例の図5のインバータ制御部5Bの位相差α演算部16を位相差β演算部18に代え、位相差α指令部17を位相差β指令部19に代えたものである。位相差β演算部18は、無効分電流演算部8の出力、有効分電流演算部13の出力、加算部32の出力及び周波数設定部6の出力から位相差βを式(8)に基づいて演算する。
【0042】
【数8】
【0043】
角度で示す位相差βは図3(a)に示すように、ロータ軸であるq軸とモータ電流Isの位相差である。
本実施例の他の好適な例について以下に説明する。無効電力Prは式(9)で表せる。
【0044】
【数9】
【0045】
ここで、ψは磁束を、Ld及びLqはインダクタンスのd軸成分及びq軸成分を、Id及びIqはモータ電流Isのd軸成分及びq軸成分を表す。式(9)をIdについて解くと式(10)となる。
【0046】
【数10】
【0047】
一方、無効電力Prは式(11)としても表現できる。
【0048】
【数11】
【0049】
更に、モータ電流Isのd軸成分Idとモータ電流Isは式(12)の関係がある。
【0050】
【数12】
【0051】
式(9)〜式(12)を用いてβについて解くと、式(13)が得られる。
【0052】
【数13】
【0053】
ψ、Ld、Lqはモータパラメータで既知であるから、モータ印加電圧指令値Va、モータの回転周波数ω、有効分電流Ia及び無効分電流Irを検出できれば、位相差βを演算することができる。
【0054】
位相差β指令部19は位相差βの指令値β*(以下、位相差β指令値β*と記す)を出力する。加算部31Cは、位相差β指令値β*と、位相差β演算部18の出力の位相差β検出値βとの加算結果を誤差として出力する。誤差電圧演算部10Cは位相差β検出値βを位相差β指令値β*に近づけるために、電圧補償値をこの誤差に基づいて演算し出力する。その他のインバータ制御部5Cの構成及び動作は第3実施例と同様である。
【0055】
位相差βは、トルクを直接制御するモータ電流Isとロータ基準軸qの位相差であり、モータ制御上物理的な意味を持っているので設定しやすい。例えば、後述する第15実施例で示すように、モータが非突極構造の場合は、位相差βがゼロとなるようにモータ電流Isを制御すれば、モータを常に高トルクで駆動することができる。また、第16実施例で示すように、モータが突極構造の場合は、位相差βを、電流と回転数で決まる関数で表される関係を保つように制御すれば、モータを常に高トルクで駆動することができる。このように、モータを高トルクで駆動したい時は位相差βを検出して制御することで、高トルク駆動が簡単に行えるという効果を得ることができる。
位相差βの検出に式(8)を用いるときは、インダクタンスのq軸成分と巻線抵抗を必要とするが、インダクタンスのd軸成分を必要としないので、負荷や回転数によるパラメータの補正項目が少ないモータ制御装置を実現することができる。
【0056】
《第5実施例》
図7は本発明の第5実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Dは、第4実施例の図6のインバータ制御部5Cの位相差β演算部18を位相差δ演算部20に代え、位相差β指令部19を位相差δ指令部21に代えたものである。位相差δ演算部20は、無効分電流演算部8の出力、有効分電流演算部13の出力、加算部32の出力及び周波数設定部6の出力から位相差δを、式(6)、式(8)及び式(14)に基づいて演算する。
【0057】
【数14】
【0058】
位相差δは図3(a)に示すように、ロータ軸であるq軸とモータ印加電圧指令値Vaの間の角度であり、負荷角という。
【0059】
位相差δ指令部21は位相差δの指令値δ*(以下、位相差δ指令値δ*と記す)を出力する。加算部31Dは位相差δ指令値δ*と位相差δ検出値δとを加算し、加算結果を誤差として出力する。誤差電圧演算部10Dは位相差δ検出値δを位相差δ指令値δ*に近づけるために、電圧補償値をこの誤差に基づいて演算し出力する。インバータ制御部5Dのその他の構成及び動作は第4実施例と同様である。
【0060】
位相差δは負荷角と呼ばれるものであり、負荷が大きくなればなるほど位相差δも大きくなる。負荷角はモータの脱調限界を示す理論的な角度という物理的な意味を持つので、負荷角を検出できれば、モータの駆動状態が脱調限界付近かどうかを知ることができる。本実施例によれば、位相差δを検出できるので脱調限界付近でモータを駆動しているかどうかを知ることができる。従って、脱調しないように対策をとることが可能となり、より安定したモータ制御装置を実現できる。
位相差δの検出に式(8)を用いるときは、インダクタンスのq軸成分と巻線抵抗を必要とするが、インダクタンスのd軸成分を必要としないので、負荷や回転数によるパラメータの補正項目が少ないモータ制御装置を実現することができる。
【0061】
《第6実施例》
図8は本発明の第6実施例のモータ制御装置のブロック図である。図においてインバータ制御部5Eは、第1実施例の図2のインバータ制御部5に、位相補償部22と加算部33を加え、加算部31を加算部31Eに代えたものである。
【0062】
加算部31Eは無効分電流指令値と無効分電流検出値とを加算し、加算結果を誤差として誤差演算部10及び位相補償部22へ印加する。位相補償部22は無効分電流指令値と無効分電流検出値との誤差が小さくなるように、回転位相信号θを補償する位相補償値を出力し、加算部33に印加する。加算部33は、波形生成部7の出力の回転位相信号と位相補償値を加算して新たな回転位相信号を生成し、出力指令演算部12と無効分電流演算部8に印加する。位相補償部22における処理では、誤差を比例制御、比例積分制御、又は比例積分微分制御する方法が一般的に用いられるが、本発明においては、位相補償部22の処理でこれらの方法を使うことに限定したものではない。また、位相補償部22における制御ゲインはモータの駆動状態に応じて変更してもよい。
【0063】
位相補償部22と加算部33を設けることによって、急激な負荷変動によるモータの位相ずれが発生した場合にも位相補償が行える。従って、より安定したモータ駆動が実現できる。
【0064】
なお、図8の構成の本実施例では、無効分電流指令値と無効分電流演算値との誤差を位相補償に使用しているが、位相差φの誤差、位相差αの誤差、位相差βの誤差及び位相差δの誤差のいずれかを用いて、それぞれの誤差に応じて制御
ゲインを適切に設定することで位相補償を実施しても同様の効果が得られる。
【0065】
《第7実施例》
図9は本発明の第7実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Fは第1実施例の図2のインバータ制御部5に変化量演算部23を加えたものである。
変化量演算部23は無効分電流演算部8から無効分電流の演算結果を受けて、一定の周期で繰り返される制御の、前回の制御における無効分電流演算結果と今回の制御における無効分電流演算結果との差を演算する。この差からモータ3の回転周波数の推定変動量を求める。回転周波数の変動量は、本来零である方が望ましい。そこで推定変動量を反転増幅して、変化量演算部23の出力を決める。加算部32Aは、変化量演算部23の出力、誤差電圧演算部10の出力及びV/f変換部11の出力を加算し、モータ印加電圧指令値Vaを出力する。本実施例によれば、回転周波数の変動量を印加電圧指令値にフィードバックできるので、回転周波数が変動する場合でも、より安定したモータ制御装置が実現できる。
【0066】
図10は第7実施例の他の例のモータ制御装置のブロック図である。インバータ制御部5Gは、図9のインバータ制御部5Fの変化量演算部23を変化量演算部23Aに代え、加算部32Aを加算部32に代えるとともに、加算部34を加えている。
変化量演算部23Aは無効分電流演算部8から無効分電流の演算結果を受けて、前回の制御における無効分電流演算結果と今回の制御における無効分電流演算結果との差を演算する。この差に基づいて、変化量演算部23Aは、モータ3の回転周波数の推定変動量を求め、この推定変動量の値を反転増幅した結果の値を出力し加算部34に印加する。加算部34は周波数設定部6の出力と変化量演算部23Aの出力を加算し、加算結果を波形生成部7へ印加する。本実施例によれば、回転周波数の変動量を周波数設定部6の回転周波数指令値にフィードバックするので、モータ3の回転周波数が変動する場合でも、より安定したモータ制御装置が実現できる。
【0067】
第7実施例では、無効分電流演算部8の出力から変動量を求め、変動量の推定値を得ているが、第2から第5実施例における、位相差φ演算部、位相差α演算部、位相差β演算部及び位相差δ演算部のいずれかの出力を用いて、変動量を求めそれぞれの出力に応じた変動量を適切に設定することによってフィードバック制御を行ってもよい。
【0068】
《第8実施例》
図11は本発明の第8実施例のモータ制御装置のブロック図である。図においてインバータ制御部5Hは第1実施例の図2のインバータ制御部5に有効分電流演算部13、電流補償部24及び加算部35を加えたものである。
電流補償部24は無効分電流演算部8と有効分電流演算部13の出力から式(15)によってモータ電流Isを演算する。更にモータ電流Isの平均値を演算し、モータ電流Isの瞬時値と平均値との誤差を増幅して回転位相変動量として出力する。
【0069】
【数15】
【0070】
加算部35は波形生成部7の出力と、電流補償部24の出力を加算して新たな回転位相指令値θを作成し、これを出力指令演算部12、無効分電流演算部8及び有効分電流演算部13に印加する。
通常のモータ駆動状態では、有効分電流Iaは無効分電流Irより大きく無効分電流Irはほぼゼロに近い値となっている。従って、モータ電流Isの近似値として有効分電流Iaを使用し、有効分電流Iaの瞬時値と平均値との誤差に基づいて電圧補償量を決定してもよい。
【0071】
図12は本実施例の他の好適な例のモータ制御装置のブロック図である。インバータ制御部5Iは、図11のインバータ制御部5Hにおける電流補償部24を電流補償部24Aに代え、加算部32を加算部32Aに代えて、加算部35を除いたものである。
電流補償部24Aは無効分電流演算部8と有効分電流演算部13の出力から式(15)によってモータ電流Isを演算する。更にモータ電流Isの平均値を演算し、モータ電流Isの瞬時値と平均値との誤差を増幅して電圧補償量として出力する。加算部32Aは、V/f変換部11の出力、誤差電圧演算部10の出力及び電流補償部24Aの出力を加算して新たなモータ印加電圧指令値Vaを生成する。
通常のモータ駆動状態では、有効分電流Iaは無効分電流Irより大きく無効分電流Irはほぼゼロに近い値となっている。従って、モータ電流Isの近似値として有効分電流Iaを使用し、有効分電流Iaの瞬時値と平均値との誤差に基づいて電圧補償量を決定してもよい。
【0072】
モータの負荷を含む系とモータの駆動条件によっては、モータの回転周波数の変動によるハンチング現象が生じることがある。ハンチングが生じると、ロータや負荷に慣性があるため、回転周波数に比べ低い周波数でモータ電流Isが変動する。このような現象が起こっている時のd−q軸上の電圧ベクトルを図13に示す。図に示すように、d−q軸がd’−q’軸に変化して回転周波数が変動するため、印加電圧指令値Vaとq軸との位相差δが回転周波数に比べて低い周波数で変動する。q軸の位置での誘起電圧をV0、このとき流れるモータ電流をIs、q’軸になったときの誘起電圧をV0’、この時に流れるモータ電流をIs’とする。このとき、誘起電圧V0’は誘起電圧V0よりも小さくなるので、モータ電流Is’はモータ電流Isよりも大きくなる。このモータ電流Isとモータ電流Is’との大きさの違いは印加電圧Vaとq軸との位相差δと相関がある。そこで、本実施例では、モータ電流Isの瞬時値と平均値との誤差を回転位相変動量として回転位相指令θにフィードバックする。これにより、位相差δの変動を小さくすることができるので、より安定したモータ制御が得られる。また、本実施例では、モータ電流Isの瞬時値と平均値との誤差を電圧補償量としてモータ印加電圧指令値Vaにフィードバックしてもよい。これにより、位相差δの変動を小さくすることができるので、より安定したモータ制御装置が得られる。
【0073】
なお、本実施例でモータ電流Isの誤差を回転位相変動量あるいは電圧補償量に変換する場合の制御方法としては、比例制御(P制御)、PI制御、及びPID制御等を用いるのが一般的であるが、本発明はこれらの制御方法に限定されるものではない。制御における制御ゲインはモータの負荷や回転周波数等の駆動状態に応じて変更してもよい。また、平均値と瞬時値との誤差が所定値よりも小さい場合は検出誤差とみなし、誤差出力をゼロとしてもよい。
本実施例は無効分電流を検出して制御する第1実施例に基づいているが、本実施例の構成を第2から第5実施例で述べたモータ制御装置に組み合わせることができる。
【0074】
《第9実施例》
図14は本発明の第9実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Jは、第1実施例の図2のインバータ制御部5に、有効分電流演算部13、位相差φ演算部14、位相差φ指令部15、加算部31A、誤差電圧演算部10A及び帰還切替部26を加えたものである。
有効分電流演算部13、位相差φ演算部14、位相差φ指令部15、加算部31A及び誤差電圧演算部10Aの構成及び動作は第2実施例におけるそれぞれの構成及び動作と同様である。帰還切替部26は、周波数設定部6からの信号に基づいて、誤差電圧演算部10の出力又は誤差電圧演算部10Aの出力のいずれか一方を選択して加算部32に印加する。
【0075】
無効分電流Irと位相差φのフィードバック量はそれぞれモータの回転周波数や負荷によって異なる特性を有している。図15の(a)から(d)に無効分電流Ir及び位相差φとモータ効率との関係を示す。図15の(a)、及び(b)は負荷をパラメータとして無効分電流Irの指令値を変化させた時のモータ効率の変化を、それぞれ低回転周波数時と高回転周波数時に分けて示すグラフである。図15の(c)及び(d)は負荷をパラメータとして位相差φの指令値を変化させた時のモータ効率の変化を、それぞれ低回転周波数時と高回転周波数時に分けて示すグラフである。また、図15の(e)は、インバータ2へ入力する直流電源(1)の電圧値を一定とした時の、いわゆる弱め界磁制御を行って回転周波数を上昇させた場合における、負荷をパラメータとした回転数と無効分電流Irとの関係を示し、同(f)は回転数と位相差φとの関係を示したものである。
【0076】
図15の(c)及び(d)によると、モータ3を高効率で駆動できる位相差φの指令値は負荷にはほとんど依存せず、回転周波数に大きく依存している。一方、図15の(a)及び(b)によると、無効分電流Irの場合は負荷と回転周波数の両方に依存することがわかる。また、図15の(e)及び(f)によると、弱め界磁動作中では、回転数に対する位相差φの変化が非常に小さくなるため、回転数に応じた位相差φの指令値を設定しにくい。一方無効分電流Irは回転数に対する変化が大きいので、指令値を設定しやすいことがわかる。
一般に、モータ3の起動時は回転速度が安定しておらず、モータ巻線に発生する磁石の誘起電圧ω・ψの大きさや向きが安定していない。従って、モータの起動時は誘起電圧V0の大きさや向きが大きく変動し、モータ電流Isの向きも大きく変動する。また位相差φの検出結果も大きく変動し、モータ3を安定して制御できるまでにある程度の時間を要する。一方、位相差αの検出結果は位相差φの検出結果よりも変動量が小さい。従って特に起動時などの不安定な運転状態においては検出しやすく、制御しやすい。本実施例では、指令値とそれに対応したフィードバック量を有するフィードバックループを、帰還切替部26で回転周波数に応じて切替える。これにより、指令値の設定がしやすくなり、最適な条件でモータ3を駆動させることができる。
【0077】
図14の構成では、無効分電流Ir又は位相差φのいずれかを帰還切替部26で切替え選択している。この他の選択例として、位相差α、位相差β、位相差δ、無効分電流Ir及び位相差φの5種類の設定値の中から任意の組み合わせを作り、組み合わせた複数の設定値を切替え選択した場合でも同様の効果を得ることができる。例えば、モータ3の起動時は上記の理由により、無効分電流Ir、位相差α、位相差δが設定しやすい。起動後、所定の回転周波数を超えた場合は、モータ3を駆動させたい条件に応じて位相差φ、位相差β、位相差δ等を適切に選択してフィードバックループを形成する。これにより、所望の駆動方式を実現することができる。例えば、出力トルクを最大にしてモータ3を駆動させたい場合は、位相差βを選択すればよい。負荷を一定にしてモータ3を駆動させたい場合は、位相差δを選択すればよい。モータ3の効率を最大にして運転したい場合は位相差φを選択すればよい。このように、モータ3を駆動させたい条件に応じて適切なフィードバックループを形成することにより所望のモータ制御装置を実現することができる。
【0078】
《第10実施例》
図16は本発明の第10実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、直流電源1とインバータ回路2の間に直流電圧を検出するための電圧検出部27を設けている。インバータ制御部5Kは、第9実施例の図14のインバータ制御部5Jに、電圧検出部27の検出出力が印加される飽和電圧判定部28を加え、帰還切替部26を帰還切替部26Aに変更したものである。飽和電圧判定部28はモータ印加電圧指令値Vaと電圧検出部27で検出された直流電圧の値を比較し、比較結果の出力を帰還切替部26Aに印加する。帰還切替部26Aは、比較結果の出力に応じて誤差電圧演算部10の出力又は誤差電圧演算部10Aの出力のいずれか一方を選択して加算部32に印加する。
【0079】
モータ3に印加できる電圧の最大値は直流電源1に制約される。従って、モータ印加電圧指令値Vaが直流電圧値よりも大きい場合は、インバータ回路2は所望の電圧をモータ3に印加することができない。このような場合には弱め界磁制御を行う方法が一般的である。弱め界磁制御においては、図3の(a)に示すモータ電流ベクトルR×Isとq軸との位相差βを大きくする。これにより、モータ電流Isのd軸方向成分Idを増大させて誘起電圧Voを減少させる。その結果、モータ電流Isは増大するが、モータ印加電圧指令値Vaは減少するので、必要なモータ印加電圧指令値Vaを電源電圧以下に抑えることが可能となる。一般には、モータの回転周波数と必要な印加電圧との関係はモータの基本特性としてあらかじめわかっているので、電源電圧が不足して弱め界磁制御を行わなければならない回転周波数もあらかじめわかっている。従って、モータの回転周波数に応じて通常制御を行うか、弱め界磁制御を行うかを判定することが可能である。しかし、負荷や電源電圧が変動する場合は電圧不足となる回転周波数が変動してしまうので、弱め界磁制御に切替える周波数の判定が難しくなる。
【0080】
本実施例では、図16に示すように、飽和電圧判定部28によって電圧不足となる状態を検出する。電圧不足になった場合には帰還切替部26Aで位相差φのフィードバックループから、無効分電流Irのフィードバックループに切替える。これにより、切替えのタイミングを正確に得ることが可能となり、より安定したモータ駆動を実現できる。第9実施例で説明したとおり、弱め界磁制御を行う場合にフィードバックループを切替えることが望ましい。弱め界磁制御を行う場合には無効分電流Irの他に、位相差α、位相差β、又は位相差δ等を用いた方がより安定したモータ制御装置を実現することができる。
【0081】
《第11実施例》
第11実施例は、前記第9及び第10実施例のモータ制御装置におけるフィードバックループの切替えすなわち制御切替えに関する。第9実施例及び第10実施例においては、それぞれの帰還切替部26又は26Aでフィードバックループを切替えるとき、切替える前のフィードバックループの状態で、切替え後に使用することになる指令値の複数の制御周期における平均値を演算しておく。そしてその平均値を切替え後の指令値とする。例えば、無効分電流Irを用いて制御を行っている状態から位相差φを用いる制御に切替える場合、無効分電流Irを用いる制御中に、位相差φを演算する。そして、位相差φの演算結果の平均値を演算しておく。制御切替えを行ったとき、位相差φの指令値を制御切替え前の位相差φの平均値とする。このようにして切替え後の指令値の初期値を決めることにより、制御切替えを行った時に安定した制御を実現することができる。
本実施例では更に安定な制御切替えを実現するために、制御切替えが行われた後の所定時間は切替えられた制御状態を保持するように、帰還切替部26又は帰還切替部26Aに保持機能を追加している。
【0082】
例えば第10実施例では、制御切替えを行うとき、モータ印加電圧指令値Vaが直流電源1の電圧よりも大きいかどうかを比較し、その比較結果で切替えを判定する。例えば交流を全波整流してコンデンサで平滑させて直流を生成する場合などは、直流電圧が交流電源の周波数の2倍の周波数で変動する。従って制御切替えが頻繁に繰り返されてハンチング現象が発生する。このハンチング現象が発生すると、モータ3の回転が不安定になる。そこで、制御切替えが行われてから所定の時間は、再び制御切替えを行われないようにする。これにより、頻繁な切替え動作を防ぐことができ、より安定したモータ制御装置を実現することができる。前記の所定の時間は例えば5秒間程度であるが、この時間は切替時に不安定な動作をしないような値に決めればよい。
【0083】
《第12実施例》
図17は本発明の第12実施例のモータ制御装置のブロック図である。本実施例のモータ制御装置は、第1実施例の図2のモータ制御装置の、直流電源1とインバータ回路2の間に直流電圧を検出するための電圧検出部27を設けている。図17のインバータ制御部5Lは、図2のインバータ制御部5に飽和電圧判定部28Aを加え、無効分電流指令部9を無効分電流指令部9Aに変更したものである。
飽和電圧判定部28Aには電圧検出部27の出力の直流電圧と加算部32の出力であるモータ印加電圧指令値Vaとが印加され両者の大小を比較する。モータ印加電圧指令値Vaの方が直流電圧よりも高い場合、すなわち電圧が飽和している場合は、飽和電圧判定部28Aは無効分電流指令部9Aに飽和している量に応じた値を印加する。これにより、無効分電流指令部9Aの出力である無効分電流指令値の出力は電圧飽和にならない値に変更される。例えば、無効分電流指令値を増大させて、弱め界磁制御を行い、モータ印加電圧指令値Vaを直流電圧よりも小さい値に抑える。このように本実施例では電圧飽和判定部28Aの出力に基づいて、無効分電流指令部9Aの出力値を変更することで、電圧飽和時に弱め界磁制御を実現できる。
【0084】
前記の説明では、無効分電流指令値を変更したが、位相差φ、位相差α、位相差β及び位相差δいずれか1つのの指令値を変更しても同様の効果が得られる。飽和電圧判定部28Aの出力は電圧の飽和している量に対応する値に限定されるものではなく、モータの回転周波数や負荷に対応する適切な値を用いてもよい。図18の(a)及び(b)は本実施例の他の好適なモータ制御装置の動作を説明するグラフである。図18の(a)は、回転周波数ω(上のグラフ)が回転周波数の目標値ω*よりも小さい場合における、モータ印加電圧指令値Va(中のグラフ)と、無効分電流指令値Ir*(下のグラフ)の推移を示す。図18の(b)は、回転周波数ω(上のグラフ)が目標値ω*よりも大きい場合における、モータ印加電圧指令値Va(中のグラフ)と無効分電流指令値Ir*(下のグラフ)の推移を示す。
【0085】
図18の(a)の上のグラフに示すように、回転周波数ωが回転周波数目標値ω*以下の場合(t1〜t4)、周波数設定部6は回転周波数ωを増大させる。回転周波数ωの増大に伴ってV/f変換部11の出力も増大する。しかし、直流電源1の電圧が十分高くない場合は、出力指令演算部12からの出力信号に対応する電圧をインバータ回路2がモータ3へ印加できない。そこで、弱め界磁制御を行って所望の回転数となるようにベクトルの方向を調整する制御を行う必要がある。まず電圧検出部27から得られる直流電源1の電圧値Vdcとモータ印加電圧指令値Vaとを飽和電圧判定部28で比較する。その結果、図18の(a)の中のグラフに示すように、モータ印加電圧指令値Vaが、電圧値Vdcよりも大きく、所定の電圧値Vsat1よりも小さい場合(t1〜t2)は、周波数設定部6の出力である回転周波数ωを増大させる。モータ印加電圧指令値Vaが電圧値Vsat1よりも大きくなりそうな場合(t2〜t3)は、回転周波数ωを固定させて、V/f変換部11の出力を一定に保ち、モータ印加電圧指令値Vaが増大しないようにする。モータ印加電圧指令値Vaが電圧値Vdcよりも大きいとき、無効分電流指令部からの無効分電流指令値Ir*を弱め界磁状態になるように増大させる(t3〜t4)。無効分電流指令値Ir*が増大すればするほど、必要なモータ印加電圧指令値Vaは小さくなる(t3〜t4)。この両方の動作を継続することで、モータ印加電圧指令値Vaは所定の電圧値Vsat1を超えることはなく、モータ3を所望の回転数となるように制御することができる。
【0086】
回転数を下げる場合は図18の(b)の中のグラフに示すように、電圧値Vdcよりも小さい所定の電圧値Vsat2とモータ印加電圧指令値Vaとを比較する。VaがVsat2よりも小さくなった場合は回転数を下げないようにする。電圧値Vdcよりもモータ印加電圧指令値Vaの方が小さい場合(t1〜t2)は、無効分電流指令値Ir*を減少させていくことで、弱め界磁状態を解除させている。結果としてモータ印加電圧指令値Vaが増大する(t3〜t4)。以上の動作を継続することで、弱め界磁制御状態を解除しつつモータ3の回転数が所望の値となるように制御することができる。
なお、本実施例は無効分電流の指令値Ir*を変更する場合を示したが、無効分電流Irの代わりに位相差φ、位相差α、位相差β又は位相差δのいずれかを変更しても同様の制御ができる。
【0087】
《第13実施例》
図19は本発明の第13実施例におけるモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Mは第1実施例の図2のインバータ制御部5に有効分電流演算部13と瞬時電流演算部29とを加え、周波数設定部6を周波数設定部6Aに変更したものである。有効分電流演算部13は前記各実施例と同じ動作をする。瞬時電流演算部29は有効分電流Iaと無効分電流Irとから式(15)に示す演算を行って瞬時のモータ電流Isの値を出力する。瞬時電流演算部29の出力は周波数設定部6Aに印加される。瞬時モータ電流Isの値が所定値を超えた場合は、周波数設定部6Aの出力値を変更しないように周波数設定部6Aを制御する。
【0088】
本実施例のモータ制御装置で制御されるモータ3がエアコンや冷蔵庫の圧縮機に使われる場合、あるいはファンやポンプなどに使われる場合、モータ3の回転周波数が高くなるとモータ3の負荷も増大する。従って、モータ3に流れる電流値は回転周波数にしたがって単調増加する傾向がある。一般に、インバータ回路2やモータ3は最大電流が規定されており、これを超える電流がインバータ回路2あるいはモータ3に流れると故障してしまう。本実施例によれば、瞬時電流演算部29がモータ3に流れる瞬時電流を演算し、所定値を超えた場合は周波数設定部6Aの出力する回転周波数指令を増大させないように制御する。従ってモータ3の回転周波数は一定に保たれ、負荷が増大しないので、より安全なモータ制御ができる。なお、瞬時のモータ電流Isが所定値を超えた場合、周波数設定部6Aの回転周波数指令を下げるように指令してモータの回転周波数を低下させてもよい。これにより負荷が低下し、モータ電流も小さくなる。
【0089】
《第14実施例》
図20は本発明の第14実施例におけるモータ制御装置のブロック図である。図において、インバータ制御部5Nは、第1実施例の図2のインバータ制御部5の周波数設定部6を周波数設定部6Bに変更し、無効分電流指令部9を無効分電流指令部9Bに変更したものである。本実施例では周波数設定部6Bの出力が無効分電流指令部9Bにも印加されている。
無効分電流指令部9Bは周波数設定部6Bからの回転周波数指令を受けて、その値に応じた無効分電流指令値Ir*を生成し、加算部31へ出力する。
本実施例の他の好適な例のモータ制御装置として、インバータ制御部5Nに有効分電流演算部13を設け、有効分電流演算部13の出力を無効分電流指令部9Bへ印加してもよい(図示省略)。この例では無効分電流指令部9Bは有効分電流演算部13からの有効分電流検出値Iaを受けて、その値に応じた無効分電流指令値Ir*を生成し加算部31へ印加する。
【0090】
更に本実施例の他の好適な例のモータ制御装置として、インバータ制御部5Nに有効分電流演算部13と瞬時電流演算部29を設け、瞬時電流演算部29の出力を無効分電流指令部9Bに入力してもよい(図示省略)。無効分電流指令部9Bは瞬時電流演算部29からの瞬時電流検出値のモータ電流Isを受けて、その値に応じた無効分電流指令値Ir*を生成し加算部31に入力する。
更に本実施例の他の好適な例のモータ制御装置として、電圧検出部27を設け、電圧検出部27の出力を無効分電流指令部9Bに入力してもよい(図示省略)。無効分電流指令部9Bは電圧検出部27からの電源電圧検出値Vdcを受けて、その値に応じた無効分電流指令値Ir*を生成し加算部31へ印加する。
【0091】
図15の(a)及び(b)に示したように、モータ効率が最大になるようにモータ3を運転するためには、モータ3の回転周波数や負荷によって無効分電流指令値Ir*を変える必要がある。本実施例では、モータ3の回転周波数とモータ効率が最大となる無効分電流指令値を対応させてあらかじめ決めておく。無効分電流指令部9Bは周波数設定部6Bから回転周波数の指令値を受けて、回転周波数に対応する無効分電流指令値を出力する。従って常にモータ効率を高い状態に保ってモータ3を運転することができる。瞬時のモータ電流又は有効分電流は負荷の値と関係があるので、瞬時電流演算部29あるいは有効分電流演算部13の出力を無効分電流指令部9Bに入力することにより、常にモータ効率を高い状態に保ってモータ3を運転することができる。
電源電圧が瞬時停電等で急に低下したとき、モータ3に印加される電圧も低下するため、モータ3の回転数は減少する。その結果、インバータ回路2の制御パルスはデューティ比が大きくなるように制御される。しかし、電源電圧が低下しているのでデューティ比がすぐに100%に達する。そのためモータ印加電圧指令値Vaを更に上げることはできずモータ3は制御不能に陥る。この状態で、無効分電流指令値Ir*を大きくして弱め界磁状態にすると、電源電圧Vdcがモータ印加電圧指令値Vaに等しいか大きい状態にできる。これにより、モータ3の正常な駆動を継続することができる。
【0092】
なお、無効分電流指令部の代わりに、位相差φ指令部、位相差α指令部、位相差β指令部及び位相差δ指令部のいずれか1つに上記と同様の機能を持たせてインバータ制御部を構成してもよい。
【0093】
《第15実施例》
第15実施例は、モータ3としてロータの表面に磁石を配置した、非突極型ロータを有するモータを用いる場合のモータ制御装置に関するものである。この場合位相差β指令部の出力値をゼロとする。
同期型モータの出力トルクTの一般式は式(16)で表される。
【0094】
【数16】
【0095】
非突極構造のモータの場合、d軸方向のインダクタンスLdとq軸方向のインダクタンスLqは等しいため、出力トルクTは、位相差βを用いて式(17)で表せる。
【0096】
【数17】
【0097】
最大トルクは、cosβ=1の時であるから、位相差βが零の時である。このとき、d軸電流Idはゼロとなる。従って、モータ3が高トルクで回転するように制御する高トルク制御の場合には、位相差β指令値をゼロに設定すればよい。
本実施例では、上記のように位相差βの指令値をゼロに設定することで常に高トルク制御が可能となり、様々な負荷において安定したモータ駆動が達成できる。
【0098】
《第16実施例》
第16実施例は、モータ3としてロータ内部に磁石を配置した、突極型ロータを有するモータを用いる場合のモータ制御装置に関する。本実施例のモータ制御装置では、第4実施例で説明した図6のモータ制御装置のブロック図におけるインバータ制御部5Cの位相差β指令部19に、無効分電流演算部8の出力と、有効分電流演算部13の出力が入力されるように構成する。なお、この構成は図示を省略している。
位相差β指令部19は、無効分電流演算部8の出力Irと有効分電流演算部13の出力Iaとから式(15)にしたがって、瞬時のモータ電流Isを演算する。次に式(18)にしたがって、位相差β指令部の出力である位相差βを演算して出力する。
【0099】
【数18】
【0100】
突極型のモータの出力トルクTの一般式は式(16)である。式(16)を位相差βで微分すると、式(19)になる。
【数19】
【0101】
出力トルクTを最大とするためには式(19)がゼロとなるようにβを決めればよい。式(19)はsinβの2次方程式なので、式(19)をβについて解くと、式(18)が得られる。式(18)でψは磁束、Ld及びLqはそれぞれd軸インダクタンス、q軸インダクタンスであり、これらはあらかじめモータ3の特性から知ることができる。また、瞬時のモータ電流Isは式(15)から演算できるので、式(18)を用いて位相差β指令値β*を生成できる。
本実施例によれば、突極型モータを用いた場合のモータ制御において、常に最大のトルクでモータ駆動できるモータ制御装置が実現できる。
【0102】
《第17実施例》
図21は本発明の第17実施例のモータ制御装置のブロック図である。図において、モータ電流検出部4とモータ3との間にモータ電圧検出部36が設けられている。また直流電源1とインバータ回路2の間に電圧検出部27が設けられている。インバータ制御部5Pは、第1実施例の図2のインバータ制御部5に、位置推定部37、周波数演算部38、飽和電圧判定部28B、加算部39、速度誤差演算部40、切替部25を加えたものである。また図21では、図2の波形生成部7を7Aに、出力指令演算部12を12Aに変更している。本実施例においては、切替部25によって、速度誤差演算部40と加算部32の出力を切替えることによって、モータ3の通電方式を正弦波駆動又は矩形波駆動のいずれかに切替えることができる。すなわち、飽和電圧判定部28Bは、電圧検出部27からの信号と加算部32からの信号の大小を比較する。加算部32からの信号が電圧検出部27からの信号より大きい場合は、出力指令演算部12A、波形生成部7A及び切替部25によって、通電方式が正弦波駆動から矩形波駆動に切替えられる。
【0103】
モータ電圧検出部36はモータ3に印加される電圧を検出し検出出力を位置推定部37に印加する。位置推定部37はモータ電圧検出部36の検出出力に基づいてモータ3のロータ位置を推定し、推定位置を示す出力を周波数演算部38に印加する。ロータの位置は、一般によく知られている矩形波通電と呼ばれる通電を行うことで推定できる。すなわち、モータ3の端子電圧をモータ電圧検出部36にて検出し、検出電圧と直流電源1の電圧Vdcの1/2の電圧である電圧Vdc/2とを比較し、両電圧が一致するタイミングで出力されるタイミング信号を検出することで推定できる。周波数演算部38は位置推定部37が出力するタイミング信号に基づいてモータ3の回転周波数を演算し、加算部39に出力する。モータ3のロータの位置は3相では電気角の60°毎に推定できるので、周波数演算部38はこの電気角60°の周期から演算によってモータ3の回転周波数を求める。加算部39は周波数設定部6の出力である回転周波数指令値と周波数演算部38の出力との回転数の誤差を演算し、誤差出力を速度誤差演算部40に印加する。速度誤差演算部40は加算部39の回転数の誤差出力に基づいてモータ印加電圧指令値を生成し、切替部25に印加する。切替部25は飽和電圧判定部28Bの出力に基づいて、加算部32の出力と速度誤差演算部40の出力とのいずれか一方を選択して出力指令演算部12Aに印加する。図21の電圧検出部27及び飽和電圧判定部28Bは、第10実施例の図16の電圧検出部27及び飽和電圧判定部28と同様の構成である。飽和電圧判定部28Bは判定結果の出力を切替部25と波形生成部7Aに印加する。波形生成部7Aは、飽和電圧判定部28Bからの判定結果の出力に基づいて、位置推定部37の出力と周波数設定部6の出力のいずれか一方を選択して出力し、無効分電流演算部8と出力指令演算部12Aとに印加する。
【0104】
出力指令演算部12Aで得られる電圧が飽和する場合には、モータ3の回転周波数が十分高いので、モータ3を正弦波駆動しても矩形波駆動しても、ロータの慣性効果により騒音、振動ともに差はほとんどない。そこで、インバータ回路2をパルス振幅変調(PAM)駆動にし、スイッチング動作をしない駆動方式にするとインバータ回路2の損失が少なくなる。本実施例では、モータ電圧が飽和したかどうかを判定して、判定結果により、矩形波通電と正弦波通電とを切替える。これにより、高い回転周波数の時にも効率よく駆動できるモータ制御装置を実現できる。なお、本実施例では矩形波通電の通電角度は120度となるが、モータ端子電圧が電源電圧の1/2と一致するタイミングが得られれば、120度の通電角度でなくてもよい。すなわち、本実施例は120度の通電角度に限定されるものではない。
【0105】
本実施例では、正弦波駆動と矩形波駆動を飽和電圧判定部28Bの出力に応じて切替えている。しかし、モータ3の回転周波数が高い時は、飽和電圧判定部28Bの出力にかかわらず、すなわち飽和しているかいないかにかかわらず矩形波駆動にした方がモータ効率が高い場合がある。そこで周波数設定部6で所定周波数を超えたかどうかを判定し、その判定結果の出力を波形生成部7Aと切替部25と出力指令演算部12Aに印加する(図示省略)。これによって、正弦波駆動と矩形波駆動を切替えてもよい。すなわち、所定周波数を超えた時は矩形波駆動に切替える。本実施例では無効分電流を検出して正弦波駆動から矩形波駆動に切替えているが、位相差φ、位相差α、位相差β又は位相差δのいずれかを用いて正弦波駆動から矩形波駆動へ切替えてもよい。
本実施例において、正弦波駆動と矩形波駆動とを切替えるとき、切替え時のタイミングとインバータ回路2への印加電圧を適切に選定しないと、スムーズに切替えできないだけでなく、脱調によってモータの回転が停止することがある。これを避けるためには、切替えの前後でモータの磁束の連続性を維持すればよい。すなわちモータの磁束の量Φmが切替えの前後で急変しないようにする。そのためには、正弦波駆動における印加電圧指令値Vpと矩形波駆動における印加電圧指令値Vaがともに式(20)の関係を満たせばよい。
【0106】
【数20】
【0107】
式(20)を満たすためには、モータ電流の連続性を保つとともに、モータ印加電圧を、磁束の量Φmが一定になるように決めればよい。正弦波駆動から矩形波駆動に切替える時は正弦波電圧の波高値や通電期間から切替え後の初期値電圧を決定する。例えば、正弦波駆動から電気角120度通電の矩形波駆動に切替えるとき、モータ磁束をΦm、正弦波電圧の波高値をVp、矩形波の通電期間おける平均電圧をモータ印加電圧指令値Vaとすると、半周期では、磁束の量Φmとモータ印加電圧指令値Vaとの関係は式(20)によって表される。式(20)を満足するように、切替え直後のモータ電圧をモータ印加電圧指令値Vaに設定することにより切替え後にもなめらかな回転が保たれる。
【0108】
《第18実施例》
図22は本発明の各実施例のモータ制御装置に共通に含まれる、インバータ回路2、2つの電流センサ4A、4Bを有するモータ電流検出部4及びモータ3の接続図である。図22のインバータ回路2、モータ電流検出部4及びモータ3を、各実施例のインバータ制御部に組み合わせることによってモータ制御装置が構成されている。本実施例は、モータ電流検出部4の2つの電流センサ4A、4Bの誤差の補正に関する。
モータ電流検出部4の2個の電流センサ4A、4Bは、直流及び交流を検出できる広帯域のセンサであり、U、V、Wの三相の巻線のうち、例えば実線で示すU相とW相の2相の巻線の電流を検出するようになされている。インバータ回路2の実線で示したU相のスイッチング素子41とW相のスイッチング素子46を短時間同時にオンさせる。U相とW相には同じ値の直流電流が流れるが、回転磁界は発生せずモータ電流検出器4の2個の電流センサ4A、4Bにも同じ値の電流が流れる。そこで、電流センサ4A、4Bの検出出力を比較することにより、2個の電流センサ4A、4Bの感度の差を高精度で測定できる。感度の差の平均値をとり、その平均値を用いて、電流センサ4A、4Bの検出出力を補正すればU相、W相の2相の電流を正しく検出できる。モータ電流検出部4によるモータ電流の計測誤差は、無効分電流演算部や有効分電流演算部の出力にノイズとなって影響を与える。本実施例のモータ電流検出部4はその感度の差の補正により各相の電流を高精度で検出できるので安定したフィードバック制御が可能となる。
【0109】
《第19実施例》
図23は本発明の第19実施例のモータ制御装置のブロック図である。本実施例では、モータ3の電流を検出するモータ電流検出部4Eに交流電流センサを用いている。前記各実施例のモータ電流検出部4に含まれる、直流及び交流の電流を検出できる電流センサ4A、4Bは比較的高価である。本実施例では安価な交流電流センサを用いた安価なモータ制御装置を提供することを目的とする。
インバータ制御部5Qは、第2実施例の図4で説明したインバータ制御部5Aの位相差φ演算部14を位相差φ演算部14Aに変更したものである。位相差φ演算部14Aには、無効分電流演算部8と無効分電流演算部13の各出力が印加されるとともに、周波数設定部6の出力も印加されている。位相差φ演算部14Aは無効分電流演算部8、有効分電流演算部13及び周波数設定部6の各出力から、後で説明する交流電流センサの特性に基づいて位相補正を行った位相差φを出力し加算部31Aに印加する。
図24の(a)は、交流センサにおいて電流値をパラメータとした、周波数と入出力の位相差との関係を示すグラフであり、同(b)は周波数と出力電圧の関係を示すグラフである。交流電流センサは一般に図24の(a)に示すように、電流の大きさと周波数によって、被検出電流と検出出力電圧との位相がずれることが知られている。従って、電流の大きさと周波数がわかれば、電流と電圧の位相のずれ量(位相差)を知ることができる。図23において、位相差φ演算部14Aには、電流と周波数から位相のずれ量(位相差)を演算するための関数あるいはテーブルがあらかじめ記憶されている。位相差φ演算部14Aは、周波数設定部6、無効分電流演算部8及び有効分電流演算部13の各信号から電流の大きさと周波数を求める。そして交流電流センサの出力特性である電圧と電流の位相のずれ量γを関数あるいはテーブルを用いて求める。また、位相差φ演算部14Aは、通常の無効分電流演算部8と有効分電流演算部13の各出力から位相差φを求める。位相差φ演算部14Aは、位相差φの値から位相のずれ量γを引いて補正を行った結果の位相差を出力し加算部31Aに印加する。これによって、交流電流センサの位相補正を行うことができる。
【0110】
本実施例によれば、交流電流センサに固有の電圧と電流の位相ずれを補正することができるので、比較的安価な交流電流センサを用いた低コストのモータ制御装置を実現することができる。
交流電流センサは図24の(b)に示すように、電流をパラメータとしたとき、周波数に依存して出力電圧(振幅)も変化する。そこで、位相差φ演算部14Aに図24の(b)に示す関係をあらかじめ関数あるいはテーブルで用意しておけば、交流電流センサを用いてモータ3の電流を更に正確に検出することができる。この検出結果を用いることにより、無効分電流、位相差α、位相差β又は位相差δのいずれかを指令値として制御をするモータ制御装置を実現することができる。交流電流センサで検出された電流の検出値は図25のベクトル図においてのR・Is’で示す電流ベクトルになる。この電流ベクトルには電流センサの位相ずれ量γと振幅の誤差が含まれている。両者を補正することで正しい検出結果の電流ベクトルR・Isが得られる。このようにして得られた無効分電流と有効分電流をインバータ制御部5Qの制御に用いることで、安価な交流電流センサを用いた場合でも、前記の実施例1から18におけると同様の高精度のモータ制御装置を実現できる。
【0111】
【発明の効果】
以上の各実施例で詳細に説明したように、本発明によればフィードバック制御周期が短いので、より安定したモータ制御装置を提供することができる。また、モータパラメータを使わないで制御ループを形成でき、モータパラメータの異なるモータに直ちに適用できるモータ制御装置を提供することができる。また、使用するモータパラメータを少なくすることができるので、調整を簡単にするモータ制御装置を提供することができる。また、電流マイナーループを用いないでモータを制御できるので、演算量が少なくなり、安価なマイクロコンピュータを用いてモータ制御装置を提供することができる。また、位相補償や速度補償を行うことができるので、より安定したモータ制御装置を提供することができる。また、電源電圧不足時に弱め界磁制御をできるので、より運転範囲の広いモータ制御装置を提供することができる。また、交流電流センサを用いることができるので、より安価なモータ制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における基本的なモータ制御装置のブロック図
【図2】本発明の第1実施例における具体例のモータ制御装置のブロック図
【図3】(a)及び(b)は第1実施例から第5実施例の説明に用いる、モータ印加電圧とモータ電流及びそれらの位相差を示す、それぞれd−q軸上及びa−r軸上のベクトル図
【図4】本発明の第2実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図5】本発明の第3実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図6】本発明の第4実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図7】本発明の第5実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図8】本発明の第6実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図9】本発明の第7実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図10】本発明の第7実施例における他の例のモータ制御装置のブロック図
【図11】本発明の第8実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図12】本発明の第8実施例における他の例のモータ制御装置のブロック図
【図13】本発明の第8実施例におけるモータ印加電圧とモータ電流及びそれらの位相差を示すd−q座標軸上のベクトル図
【図14】本発明の第9実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図15】(a)は低回転周波数の時のモータの無効分電流指令値とモータ効率の関係を示すグラフ、
(b)は高回転周波数の時のモータの無効分電流指令値とモータ効率の関係を示すグラフ、
(c)は低回転周波数の時のモータの位相差φ指令値とモータ効率の関係を示すグラフ、
(d)は高回転周波数の時のモータの位相差φ指令値とモータ効率の関係を示すグラフ、
(e)は弱め界磁制御時のモータの回転周波数と無効分電流指令値の関係を示すグラフ、
(f)は弱め界磁制御時のモータの回転周波数と位相差φ指令値の関係を示すグラフ
【図16】本発明の第10実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図17】本発明の第12実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図18】(a)は本発明の第12実施例における弱め界磁制御の加速中における回転周波数目標値と印加電圧指令値と無効分電流指令値の時間的推移のグラフ
(b)は本発明の第12実施例における弱め界磁制御の減速中における回転周波数目標値と印加電圧指令値と無効分電流指令値の時間的推移のグラフ
【図19】本発明の第13実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図20】本発明の第14実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図21】本発明の第17実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図22】本発明の第18実施例における電流検出部のブロック図
【図23】本発明の第19実施例におけるモータ制御装置のブロック図
【図24】交流電流センサの特性を示すグラフ
【図25】本発明の第19実施例におけるモータ電流を表すベクトル図
【図26】第1の従来技術のモータ制御装置ブロック図
【図27】(a)は第1の従来技術である図26のモータ制御装置の波形生成部の設定周波数による周期Tと、回転位相θとの関係を示すグラフ、
(b)は第1の従来技術である図26のモータ制御装置の周期Tと、モータ電流Is及びモータ電圧Vsの関係を示すグラフ
【図28】第2の従来技術のモータ制御装置のブロック図
【図29】第3の従来技術のモータ制御装置のブロック図
【符号の説明】
1 直流電源
2 インバータ回路
3 モータ
4 モータ電流検出部
5、5A、5B、5D、5E、5F、5G、5H、5I、5J、5K、5L、5M、5N、5P、55 インバータ制御部
6、6A、6B 周波数設定部
7、7A 波形生成部
8 無効分電流演算部
9、9A、9B 無効分電流指令部
10 誤差電圧演算部
11 V/f変換部
12、12A 出力指令演算部
13 有効分電流演算部
14 位相差φ演算部
15 位相差φ指令部
16 位相差α演算部
17 位相差α指令部
18 位相差β演算部
19 位相差β指令部
20 位相差δ演算部
21 位相差δ指令部
23、23A 変化量演算部
24、24A 電流補償部
25 切替部
26、26A 帰還切替部
27 電圧検出部
28、28A、28B 飽和電圧判定部
29 瞬時電流演算部
31、32、35、39 加算部
36 モータ電圧検出部
37 位置推定部
38 周波数演算部
40 速度誤差演算部
54 無効分電流演算部
56 設定部
57 検出部
58 演算部
Claims (28)
- 直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、
前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び
前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、
を備えるモータ制御装置において、
前記インバータ制御部は、
前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、
前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、
前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部、
無効分電流の指令値を出力する無効分電流指令部、
前記無効分電流演算部の出力と前記無効分電流指令部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、
前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、
前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力からモータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び
前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有し、
前記無効分電流指令部は、前記ブラシレスモータの負荷の状態に基づいて前記無効分電流指令部の出力を変更することを特徴とする
モータ制御装置。 - 直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、
前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び
前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、
を備えるモータ制御装置において、
前記インバータ制御部は、
前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、
前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、
前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部、
無効分電流の指令値を出力する無効分電流指令部、
前記無効分電流演算部の出力と前記無効分電流指令部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、
前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、
前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力からモータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び
前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有し、
前記誤差電圧演算部は、比例積分微分制御器によって構成されていることを特徴とする
モータ制御装置。 - 直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、
前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び
前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、
を備えるモータ制御装置において、
前記インバータ制御部は、
前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、
前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、
前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、
前記無効分電流演算部及び前記有効分電流演算部の出力から位相差φを演算する位相差φ演算部、
位相差φの指令値を出力する位相差φ指令部、
前記位相差φ指令部の出力と前記位相差φ演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、
前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、
前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力からモータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び
前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部を有し、
前記位相差φ指令部は、前記ブラシレスモータの回転数に基づいて前記位相差φ指令部の出力を変更することを特徴とする
モータ制御装置。 - 直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、
前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び
前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、
を備えるモータ制御装置において、
前記インバータ制御部は、
前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、
前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、
前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、
前記無効分電流演算部の出力、前記有効分電流演算部の出力及びモータ印加電圧指令値からモータ印加電圧とモータ誘起電圧との位相差αを演算する位相差α演算部、
位相差αの指令値を出力する位相差α指令部、
前記位相差α指令部の出力と前記位相差α演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、
前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、
前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力から前記モータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び
前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部
を有するモータ制御装置。 - 直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、
前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び
前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、
を備えるモータ制御装置において、
前記インバータ制御部は、
前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、
前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、
前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、
前記無効分電流演算部の出力、前記有効分電流演算部の出力、モータ印加電圧指令値及び前記周波数設定部の指令信号から前記モータのロータ基準軸とモータ電流との位相差βを演算する位相差β演算部、
位相差βの指令値を出力する位相差β指令部、
前記位相差β指令部の出力と前記位相差β演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、
前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、
前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力から前記モータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び
前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部
を有するモータ制御装置。 - 直流を交流に変換してブラシレスモータに交流電力を供給する、スイッチ素子とダイオードを有するインバータ回路、
前記ブラシレスモータを流れる電流を検出し検出信号を出力するモータ電流検出部、及び
前記モータ電流検出部の出力にもとづいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御部、
を備えるモータ制御装置において、
前記インバータ制御部は、
前記ブラシレスモータの回転周波数の指令信号を出力する周波数設定部、
前記周波数設定部の指令信号から回転位相信号を生成する波形生成部、
前記波形生成部の回転位相信号及び前記モータ電流検出部の検出信号から無効分電流を演算する無効分電流演算部及び有効分電流を演算する有効分電流演算部、
前記無効分電流演算部の出力、前記有効分電流演算部の出力、モータ印加電圧指令値及び前記周波数設定部の指令信号から前記モータのロータ基準軸とモータ印加電圧との位相差δを演算する位相差δ演算部、
位相差δの指令値を出力する位相差δ指令部、
前記位相差δ指令部の出力と前記位相差δ演算部の出力との差から誤差電圧を演算する誤差電圧演算部、
前記周波数設定部の指令信号から基準電圧を求めるV/f変換部、
前記誤差電圧演算部及び前記V/f変換部の出力から前記モータ印加電圧指令値を演算する加算部、及び
前記波形生成部及び前記加算部の出力から前記インバータ回路に与える制御信号を生成する出力指令演算部
を有するモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記無効分電流指令部の出力と前記無効分電流演算部の出力との差、
前記位相差φ指令部の出力と前記位相差φ演算部の出力との差、
前記位相差α指令部の出力と前記位相差α演算部の出力との差、
前記位相差β指令部の出力と前記位相差β演算部の出力との差、及び
前記位相差δ指令部の出力と前記位相差δ演算部の出力との差のいずれか1つの差から、位相補償量を生成する位相補償部、及び
前記位相補償量を前記波形生成部の出力に加算する加算部を有する請求項2〜6のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記無効分電流演算部、前記位相差φ演算部、前記位相差α演算部、前記位相差β演算部、及び前記位相差δ演算部から選択した1つの演算部によって、所定の時間毎に繰り返される演算の前回と今回の演算結果の差分を増幅する変化量演算部
を有する請求項1から7のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記有効分電流演算部と前記無効分電流演算部の出力に基づいて得られる瞬時電流の平均値と前記瞬時電流の瞬時値との差分を演算する電流補償部
を有する請求項1から8のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記無効分電流指令部、前記位相差φ指令部、前記位相差α指令部、前記位相差β指令部、及び前記位相差δ指令部から選択した少なくとも2つの指令部、
前記選択した複数の指令部に対応した、前記無効分電流演算部、前記位相差φ演算部、前記位相差α演算部、前記位相差β演算部、及び前記位相差δ演算部の内の少なくとも2つの演算部、及び
前記対応する少なくとも2つの指令部と演算部のそれぞれの出力に基づく少なくとも2つのフィードバックループのいずれかを選択する帰還切替部
を有する請求項1から9のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記帰還切替部によって切替え後に選択される前記無効分電流指令部、前記位相差φ指令部、前記位相差α指令部、前記位相差β指令部及び前記位相差δ指令部のいずれかの指令値を、切替え前における、前記無効分電流演算部、前記位相差φ演算部、前記位相差α演算部、前記位相差β演算部及び前記位相差δ演算部の平均値のいずれかに設定する請求項10記載のモータ制御装置。
- 前記帰還切替部の切替え後、所定時間中はフィードバックループの状態を切替え後の状態に保持する請求項10又は11記載のモータ制御装置。
- 前記直流の電圧を検出し検出信号を出力する電圧検出部、及び
前記インバータ制御部に、前記電圧検出部からの信号と前記モータ印加電圧指令値に基づいて電圧の飽和を判定する飽和電圧判定部を備え、
前記飽和電圧判定部の出力に基づいて、前記無効分電流指令部、前記位相差φ指令部、前記位相差α指令部、前記位相差β指令部、及び前記位相差δ指令部の内のいずれかの出力を変更する請求項1から12のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記モータ印加電圧指令値が、前記電圧検出部からの信号よりも大きい第一の所定電圧値を超えた場合は、前記周波数設定部の出力が増大しないように制御し、前記電圧検出部の出力よりも小さい第二の所定電圧値よりも小さい場合は、前記周波数設定部の出力が減少しないように制御する請求項13記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記無効分電流演算部の出力及び前記有効分電流演算部の出力に基づいて瞬時電流を演算する瞬時電流演算部を備え、前記瞬時電流演算部の出力が所定値よりも大きい場合、所定時間、前記周波数設定部の出力を一定に保持する請求項1から14のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記無効分電流演算部の出力及び前記有効分電流演算部の出力に基づいて瞬時電流を演算する瞬時電流演算部を備え、前記瞬時電流演算部の出力が所定値よりも大きい場合、所定時間前記周波数設定部、前記無効分電流指令部、前記位相差φ指令部、前記位相差α指令部、前記位相差β指令部、及び前記位相差δ指令部のいずれか1つの出力を小さくする請求項1から14のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記インバータ制御部は、
前記無効分電流指令部、前記位相差φ指令部、前記位相差α指令部、前記位相差β指令部、及び前記位相差δ指令部のいずれか1つの出力を変更する請求項1から16のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記ブラシレスモータは非突極型のモータであり、
前記インバータ制御部は、前記位相差β指令部の出力をゼロとする請求項5又は7から17のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記ブラシレスモータは突極型のモータであり、
前記インバータ制御部は、前記位相差β指令部の出力を前記無効分電流演算部と前記有効分電流演算部の出力に基づいて決定する請求項5又は7から17のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記ブラシレスモータの電圧を検出するモータ電圧検出部、及び
前記直流の電圧を検出する電圧検出部を有し、
前記インバータ制御部は、
前記モータ電圧検出部の出力に基づいて前記ブラシレスモータのロータ位置を検出する位置推定部、
前記位置推定部の出力に基づいて前記ブラシレスモータの回転周波数を求める周波数演算部、
前記周波数設定部の出力と前記周波数演算部の出力からモータ回転速度の誤差を求める誤差速度演算部、及び
前記モータ印加電圧指令値及び前記誤差速度演算部の出力のいずれか一方を選択する切替部を備え、
前記切替部が前記誤差速度演算部の出力を選択した時には、前記波形生成部は、矩形波回転位相波形の信号を出力する請求項1から19のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記波形生成部の生成波形を正弦波から矩形波、又は矩形波から正弦波に切替えるとき、
切替え直後の前記出力指令演算部の出力を、切替え前の前記ブラシレスモータの磁束量が保たれるように設定する請求項20記載のモータ制御装置。 - 前記モータ電流検出部は、2以上の異なる相の電流を検出する電流センサを有し、
前記ブラシレスモータの駆動前に前記インバータ回路に含まれるスイッチング素子の内の1相分のものがオンしたとき、2相以上のモータ巻線の電流を測定してその平均値をとり、前記平均値で前記モータ電流検出部の検出電流を補正する請求項1から21のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 前記モータ電流検出部は交流電流センサを有し、
前記交流電流センサの検出位相ずれを補償する請求項1から21のいずれかに記載のモータ制御装置。 - 請求項1から23のいずれかに記載する前記モータ制御装置を組み込んだエアコン及び冷蔵庫に用いられる圧縮機。
- 請求項1から23のいずれかに記載する前記モータ制御装置を組み込んだ送風機。
- 請求項1から23のいずれかに記載する前記モータ制御装置を組み込んだポンプ。
- 請求項1から23のいずれかに記載する前記モータ制御装置を組み込んだ洗濯機。
- 請求項1から23のいずれかに記載する前記モータ制御装置を組み込んだ掃除機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002048418A JP3684203B2 (ja) | 2001-03-02 | 2002-02-25 | モータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001-58958 | 2001-03-02 | ||
| JP2001058958 | 2001-03-02 | ||
| JP2001-161228 | 2001-05-29 | ||
| JP2001161228 | 2001-05-29 | ||
| JP2001339765 | 2001-11-05 | ||
| JP2001-339765 | 2001-11-05 | ||
| JP2002048418A JP3684203B2 (ja) | 2001-03-02 | 2002-02-25 | モータ制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003204694A JP2003204694A (ja) | 2003-07-18 |
| JP3684203B2 true JP3684203B2 (ja) | 2005-08-17 |
Family
ID=27670888
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002048418A Expired - Fee Related JP3684203B2 (ja) | 2001-03-02 | 2002-02-25 | モータ制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3684203B2 (ja) |
Families Citing this family (26)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4648798B2 (ja) * | 2003-07-23 | 2011-03-09 | パナソニック株式会社 | モータ制御装置及びそれを用いた洗濯機、乾燥機 |
| CN100417004C (zh) * | 2003-07-23 | 2008-09-03 | 松下电器产业株式会社 | 电动机控制设备及使用其的洗衣机和干燥机 |
| JP4668731B2 (ja) * | 2003-07-23 | 2011-04-13 | パナソニック株式会社 | モータ制御装置及びそれを用いた洗濯機、乾燥機 |
| JP4620977B2 (ja) * | 2003-07-23 | 2011-01-26 | パナソニック株式会社 | モータ制御装置及びそれを用いた洗濯機、乾燥機 |
| JP4604777B2 (ja) * | 2005-03-16 | 2011-01-05 | パナソニック株式会社 | モータ駆動装置 |
| JP4022630B2 (ja) | 2005-06-27 | 2007-12-19 | 国立大学法人徳島大学 | 電力変換制御装置、電力変換制御方法、および電力変換制御用プログラム |
| JP2007029327A (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 洗濯乾燥機のモータ駆動装置 |
| JP4892920B2 (ja) * | 2005-10-13 | 2012-03-07 | パナソニック株式会社 | インバータ装置 |
| WO2007063766A1 (ja) * | 2005-11-30 | 2007-06-07 | Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki | 電動機の制御装置 |
| JP2007166729A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-28 | Yaskawa Electric Corp | 電動機制御装置 |
| KR20080089661A (ko) | 2006-02-24 | 2008-10-07 | 가부시키가이샤 야스카와덴키 | 전동기 제어장치 |
| JP5040193B2 (ja) * | 2006-07-07 | 2012-10-03 | パナソニック株式会社 | 動力発生装置 |
| JP4796940B2 (ja) * | 2006-11-13 | 2011-10-19 | 久 高橋 | ブラシレスdcモータの制御方法と制御装置 |
| JP4924115B2 (ja) * | 2007-02-10 | 2012-04-25 | 日本電産株式会社 | 永久磁石同期電動機の駆動制御装置 |
| JP5034888B2 (ja) * | 2007-11-15 | 2012-09-26 | 株式会社明電舎 | 同期電動機のV/f制御装置 |
| JP5443014B2 (ja) * | 2009-02-13 | 2014-03-19 | 株式会社日立製作所 | 風力発電装置および風力発電装置の制御方法 |
| JP5559504B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2014-07-23 | セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | モータ駆動制御回路 |
| JP5648310B2 (ja) * | 2010-03-31 | 2015-01-07 | 株式会社富士通ゼネラル | 同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法 |
| CN103078584A (zh) * | 2013-01-12 | 2013-05-01 | 华南理工大学 | 一种工矿电机车恒压频比控制的电压补偿方法 |
| CN103078585A (zh) * | 2013-01-12 | 2013-05-01 | 华南理工大学 | 一种工矿电机车的分段转差控制方法 |
| JP6311105B2 (ja) * | 2014-03-06 | 2018-04-18 | 有限会社シー・アンド・エス国際研究所 | 交流電動機の駆動制御装置 |
| JP2016001939A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | シャープ株式会社 | インバータ制御装置 |
| JP6582393B2 (ja) * | 2014-11-06 | 2019-10-02 | ダイキン工業株式会社 | 電動機駆動装置の制御装置 |
| JP6434647B2 (ja) | 2015-11-02 | 2018-12-05 | 三菱電機株式会社 | モータ駆動装置、電気掃除機およびハンドドライヤー |
| JP6622887B2 (ja) * | 2018-11-07 | 2019-12-18 | 三菱電機株式会社 | モータ駆動装置、電気掃除機およびハンドドライヤー |
| JP6815470B2 (ja) * | 2019-11-22 | 2021-01-20 | 三菱電機株式会社 | モータ駆動装置、電気掃除機およびハンドドライヤー |
-
2002
- 2002-02-25 JP JP2002048418A patent/JP3684203B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003204694A (ja) | 2003-07-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3684203B2 (ja) | モータ制御装置 | |
| KR100459958B1 (ko) | 모터의 제어장치 | |
| JP4357967B2 (ja) | シンクロナスリラクタンスモータの制御装置 | |
| CN101449456A (zh) | 电动机驱动装置以及压缩机驱动装置 | |
| JP5595835B2 (ja) | 電動機の駆動装置 | |
| JP3637897B2 (ja) | 同期電動機駆動装置、インバータ装置、同期電動機の制御方法 | |
| JP2010093995A (ja) | モータ制御装置、モータ制御方法およびエアコンディショナ | |
| JP4735638B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
| JP4764124B2 (ja) | 永久磁石型同期モータの制御装置及びその方法 | |
| WO2015056541A1 (ja) | 電動機の駆動装置 | |
| JP6199776B2 (ja) | 電動機の駆動装置 | |
| JP4983393B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
| JP5034888B2 (ja) | 同期電動機のV/f制御装置 | |
| JP5012288B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
| JP5363129B2 (ja) | インバータ制御装置 | |
| KR101939476B1 (ko) | 모터 구동 장치 | |
| US20230198438A1 (en) | Rotary machine control device | |
| JP4983358B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
| JP2004120814A (ja) | 電動機の制御装置、電動機装置、電動機の制御方法 | |
| JP7251424B2 (ja) | インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 | |
| JP2007181352A (ja) | インバータ装置およびインバータシステム | |
| JP2009254191A (ja) | モータ制御装置、圧縮装置、冷凍装置および空調装置 | |
| JP7567532B2 (ja) | 永久磁石同期電動機の高効率運転制御装置および高効率運転制御方法 | |
| JP2008148437A (ja) | 永久磁石型同期モータの制御装置 | |
| JP5862691B2 (ja) | 電動機駆動装置の制御装置および電動機駆動システム |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050121 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050201 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050401 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050510 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050527 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130603 Year of fee payment: 8 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |