JP3684965B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両の停止時に駆動源を自動停止させ、自動始動させる駆動源制御装置を備えた車両を制御する車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11─270378号公報には、上述の駆動源制御装置を備えた車両制御装置が記載されている。車両の停止時に駆動源が停止させられれば、車両から排出される排気ガスの量を減らすことができ、環境の悪化を防止することができる。また、燃料消費量を減らすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、車両制御装置の信頼性の向上を図るために為されたものである。本発明に係る車両制御装置は、下記各態様に記載されたものとすることができる。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
(1)エンジンに接続された定圧室と、大気と定圧室とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により作動するバキュムブースタを含む車両制動装置と、
前記バキュームブースタの定圧室の圧力を検出する圧力検出装置と、
車両の停止時において前記圧力検出装置によって検出された定圧室の圧力が設定圧より真空に近いことを含むエンジン停止条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で停止させ、エンジン始動条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で再始動させ、前記定圧室の圧力が前記設定圧より大気圧に近く前記エンジン停止条件が満たされない場合には、前記エンジンを停止させないで継続して作動させるエンジン制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置(請求項1)。
バキュームブースタの定圧室の圧力が設定圧より大気圧に近い場合には、エンジン自動停止条件が満たされないため、エンジンが自動停止させられることがない。エンジンが継続して作動させられるため、定圧室の圧力が大気圧にさらに近づくことを回避することができる。このように、本項に記載の車両制御装置によれば、エンジンが自動停止させられても、それによって、バキュームブースタの助勢限界に対応するブレーキ操作力の低下を抑制することができ、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。エンジンが継続して作動させられることによって、定圧室の圧力が真空に近づけば、自動停止条件が満たされ、エンジンが自動停止させられることになる。
また、エンジンが自動停止させられ、その後に、定圧室の圧力が大気圧に近づいた場合に、エンジンを始動させる場合より、エンジンが自動停止させられないようにした方が、定圧室の圧力を早期に回復させることが可能となる。
(2)前記エンジン制御装置が、前記定圧室の圧力が設定圧より大気圧に近い場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御する定圧室圧力保証部を含む(1)項に記載の車両制御装置(請求項2)。
例えば、エンジンが希薄燃焼(あるいは超希薄燃焼)とストイキ燃焼とに切り換え可能である場合には、ストイキ燃焼が行われる。それによって、希薄燃焼が行われる場合よりスロットルバルブの開度が小さくされ、定圧室の圧力を真空に近づけることが可能となる。
また、希薄燃焼とストイキ燃焼とに切り換え不能である場合には、スロットルバルブの開度が小さくされるだけでも、定圧室の圧力を真空に近づけることができる。
(3)前記定圧室圧力保証部が、前記車両の走行速度が予め定められた設定速度より小さい場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御するものである(1)項または(2)項に記載に車両制御装置(請求項3)。
車両が停止状態にされ、エンジンが自動停止させられると、定圧室の圧力が大気圧に近づく可能性が高い。そこで、停止直前にエンジンが定圧室の圧力が真空に近づくように制御されれば、停止中に設定圧より大気圧に近づくことを良好に回避することができる。エンジンの停止時に、定圧室の圧力が設定圧より大気圧に近づくことを未然に防止することが可能となる。
(4)前記エンジン制御装置が、前記車両の走行速度が停止状態にあるとみなし得る速度より小さいことを含むエンジン停止条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で停止させるものであり、前記定圧室圧力保証部が、前記停止状態にあるとみなし得る速度より大きく、停止直前の状態であるとみなし得る速度より小さい場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御するものである(2)項または(3)項に記載の車両制御装置(請求項4)。
(5)前記エンジン制御装置によりエンジンが自動で停止させられている間に、前記圧力検出装置によって検出された圧力が予め定められた設定圧より大気圧に近くなった場合に、前記車両に加えられる制動力を増加させる制動力増加装置を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両制御装置(請求項5)。
エンジンの自動停止中に、バキュームブースタの定圧室の圧力が設定圧以上大気圧に近いことが検出された場合には、車両に加えられる制動力が増加させられる。
本項に記載の車両制御装置は、エンジンの自動停止中に制動力の制御が行われない車両制動装置を備えた車両に適している。例えば、エンジンの自動停止中に、運転者による操作力が一定に保たれている場合において、定圧室の圧力が大気圧に近くなり、バキュームブースタの助勢限界に対応するブレーキ操作力が小さくなった結果、運転者の操作力がブースタの助勢限界に対応する操作力より大きくなってしまった場合にも、制動力の低下を抑制することができる。エンジンの自動停止中に、万一、バキュームブースタの定圧室の負圧が弱くなった場合にも車両の動き出しを防止することができるのであり、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。
(6)前記制動力増加装置が、前記エンジンを自動始動させるエンジン自動始動部を含む(5)項に記載の車両制御装置(請求項6)。
エンジンを始動させれば、定圧室の圧力を真空に近づけることができ、助勢限界に対応するブレーキ操作力を大きくすることができる。
(7)前記車両制動装置が、ブレーキシリンダと、そのブレーキシリンダに前記バキュームブースタの出力に応じた液圧以上の液圧を発生可能な増圧装置とを含み、
前記制動力増加装置が、前記増圧装置を制御することによって、ブレーキシリンダの液圧を増圧させるものである(5)項または(6)項に記載の車両制御装置(請求項7)。
増圧装置を作動させれば制動力を増加させることができ、バキュームブースタの助勢限界に対応するブレーキ操作力の低下に起因する制動力不足が生じることを回避することができる。
(8)エンジンに接続された定圧室と、大気と定圧室とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により作動するバキュムブースタを含む車両制動装置と、
車両の停止時において駆動源停止条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で停止させ、駆動源始動条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で再始動させる第1エンジン制御装置と、
前記バキュムブースタの定圧室の圧力が予め定められた設定圧より大気圧に近い場合に、前記エンジンを、定圧室の圧力が大気圧に近づくように制御する第2エンジン制御装置と
を含む車両制御装置。
エンジンの自動停止が行われる車両においては、ブースタの定圧室の圧力が大気圧に近くなり易い。そのため、エンジンを、ブースタの定圧室の圧力が設定圧より大気圧に近づかないように制御することは有効なことであり、第1エンジン制御装置と第2エンジン制御装置との両方を設けることは妥当なことである。
なお、本項に記載の車両制御装置には、(1) 項ないし(7)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明の車両制御装置の一実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。本車両制御装置が搭載された車両はオートマチック車であり、駆動源としてのエンジンによって駆動される車である。
図1において、4はエンジンであり、6はトランスミッションであり、8はブレーキ装置である。エンジン4は、シリンダ10,そのシリンダ10内に摺動可能に嵌合されたピストン12等を含む。ピストン12には、コネクティングロッドを介してクランクシャフト(出力軸)14が連結されており、ピストン12の往復運動に伴って出力軸14が回転させられる。出力軸14にはスタータモータ16が係合させられており、スタータモータ16によりエンジン10が始動させられる。
【0005】
シリンダ10内のピストン12のコネクティングロッドとは反対側には燃焼室18が設けられており、燃焼室18には、吸気管20と排気管22とが接続されている。吸気管20の燃焼室近傍には、燃料を噴射するインジェクタ24が取り付けられている。また、サージタンク26が設けられ、ブレーキ装置8のバキュームブースタ28(以下、単に、ブースタと略称する)の定圧室30にバキュームホース32を介して接続されている。吸気管20のサージタンク26より大気側には、スロットルバルブ34が設けられている。スロットルバルブ34はスロットルアクチュエータ36によって開閉されるのであり、スロットル開度を大きくすると、燃焼室18に供給される空気の量が大きくなり、空気の燃料としてのガソリンに対する比率である空燃比(空気/ガソリン)が大きくなる。本エンジンにおいては、インジェクタ24やスロットルアクチュエータ36の制御により、燃焼状態が、空燃比が大きい希薄燃焼状態と空燃比がほぼ理論空燃比付近であるストイキ燃焼状態とに制御可能とされている。
【0006】
希薄燃焼が行われる場合にはストイキ燃焼が行われる場合に比較して、スロットル開度が大きくされる。スロットルバルブ34の開度が大きい状態が継続させられると、ブースタ28の定圧室30の圧力が大気圧に近くなる。大気圧に近くなると、ブースタ28が助勢限界に対応するブレーキ操作力が小さくなり、望ましくない。また、エンジン4の駆動が停止させられても、大気圧に近くなる。そのため、本実施形態においては、後述するように、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近い大きさになると、燃焼状態がストイキ燃焼に切り換えられたり、エンジン4の自動停止が行われないようにされたりする。
【0007】
エンジン4の出力軸14に加えられる駆動トルクは、トランスミッション6を介して図示しないドライブシャフトに伝達され、車輪に伝達される。トランスミッション6は、複数のクラッチ,ブレーキと、複数の電磁弁とを含むものであり、これらクラッチ,ブレーキ等への作動液の供給状態が電磁弁の制御によって制御されることにより、駆動トルクの伝達状態が制御される。エンジン4の出力軸14(トランスミッション6における入力軸)の駆動トルクがトランスミッション6の出力軸に伝達される伝達状態と、駆動トルクが伝達されない非伝達状態とに切り換えられるのであるが、伝達状態においては、入力軸14の変速比が制御されることにより伝達される駆動トルクが制御される。
トランスミッション6においては、シフト装置42のシフト位置,車速等に基づいて変速比が決定され、その変速比を実現し得るように、複数の電磁弁が制御される。シフト装置42は、シフト操作部材と、ロック機構44とを含むものであり、シフト操作部材の操作により、シフト位置が、パーキング「P」,ニュートラル「N」,リバース「R」,ドライブ「D」,ロー「L」,セカンド「2」のいずれかに切り換えられる。ロック機構44は、ソレノイドの励磁状態により、パーキング「P」,ニュートラル「N」(非駆動位置)からリバース「R」,ドライブ「D」,ロー「L」,セカンド「2」(駆動位置)へのシフトを許可したり禁止したりする機能を有するものである。本実施形態においては、後述するように条件が満たされた場合に非駆動位置から駆動位置へのシフトが許可され、それ以外の場合には禁止される。禁止された場合には非駆動位置にロックされるのである。
【0008】
ブレーキ装置8は、図2に示すように、液圧によって作動させられる液圧ブレーキ装置60と、ケーブルの引張りにより機械的に作動させられる機械式のパーキングブレーキ装置62とを含む。
液圧ブレーキ装置60は、前述のブースタ28,マスタシリンダ66,各車輪毎に設けられた液圧ディスクブレーキ68等を含む。マスタシリンダ66には、ブースタ28を介してブレーキ操作部材としてのブレーキペダル70が接続されている。ブースタ28は、前記定圧室30と、定圧室30と大気とに選択的に連通させられる変圧室71とを有するものであり、これら定圧室30と変圧室71との間の圧力差による作動力で、ブレーキペダル70の操作力が助勢されてマスタシリンダ66に伝達される。定圧室30の圧力が大気圧に近づくと、変圧室71が大気圧に達した場合の圧力差が小さくなり、助勢限界に対応するブレーキ操作力が小さくなる。マスタシリンダ66は、2つの加圧室の含むタンデム式のものであり、一方の加圧室には、左右後輪に設けられた液圧ディスクブレーキ68のブレーキシリンダ72が接続されており、他方の加圧室には、図示しない左右前輪の液圧ブレーキのブレーキシリンダが接続されている。以下、後輪側のブレーキ系統について説明し、前輪側のブレーキ系統についての説明を省略する。
【0009】
マスタシリンダ66と2つのブレーキシリンダ72とは液通路74によって接続されている。液通路74は途中で分岐させられ、それぞれの先端にブレーキシリンダ72が設けられているのである。液通路74の分岐位置よりマスタシリンダ側には圧力制御弁76が設けられ、分岐位置よりブレーキシリンダ側(分岐通路)には、それぞれ、保持弁78が設けられている。ブレーキシリンダ72とリザーバ80とを接続する液通路82には減圧弁84が設けられている。また、圧力制御弁76をバイパスするバイパス通路の途中には、マスタシリンダ側からブレーキシリンダ側への作動液の流れを許容し逆向きの流れを阻止する逆止弁86が設けられ、保持弁78をバイパスするバイパス通路の途中には、ブレーキシリンダ側からマスタシリンダ側への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁88が設けられている。
逆止弁86は、圧力制御弁76が閉状態にある場合において、マスタシリンダ66の液圧が高くなった場合に、マスタシリンダ66からブレーキシリンダ72への作動液の流れを許容するために設けられたものであり、逆止弁88は、保持弁78が閉状態にある場合において、ブレーキペダル70の操作が緩められた場合にブレーキシリンダ72の作動液をマスタシリンダ66に戻すために設けられたものである。
【0010】
圧力制御弁76は、図3に示すように、弁子90と、弁座92と、スプリング94とを含むシーティング弁を含むものであり、弁子90がスプリング94の弾性力F1 によって弁座92から離間させられる方向に付勢される常開弁である(a)。ソレノイド96に電流が供給されると、(b)に示すように、それに応じた電磁駆動力F2 が弁子90を弁座92に着座させる方向に作用する。また、圧力制御弁76の前後の液圧差に応じた差圧作用力F3 が弁子90を弁座92から離間させる方向に作用する。弁子90の弁座92に対する相対位置が、上述の弾性力F1 ,電磁駆動力F2 ,差圧作用力F3 の関係によって決まるのであり、それによって、マスタシリンダ液圧に対するブレーキシリンダの液圧を制御することができる。
【0011】
前記リサーバ80からはポンプ通路100が延び出させられ、前記液通路74の圧力制御弁76のブレーキシリンダ側に接続されている。ポンプ通路100の途中には、ポンプ102,逆止弁104,106,ダンパ108等が設けられている。ポンプ102と、そのポンプ102の吸入側に設けられ逆止弁104との間には、マスタリザーバ110から延びださせられた作動液供給通路112とマスタシリンダ66から延び出させられた(液通路74から延び出させられた)作動液供給通路114とが接続されている。作動液供給通路112,114の途中には、それぞれ、開閉弁116,118が設けられている。ポンプ102はポンプモータ120の駆動によって作動させられる。
【0012】
ポンプ102が作動状態にされ、かつ、開閉弁116が閉状態にされ、開閉弁118が開状態にされれば、マスタシリンダ66の作動液がポンプ102によって汲み上げられ、加圧されて液通路74の圧力制御弁76の下流側に供給される。逆止弁104によってマスタシリンダ66の作動液がリザーバ80に戻されることなく、ポンプ102によって汲み上げられるのであり、マスタシリンダ66の作動液が高圧のままポンプ102によって加圧されることになる。その結果、ポンプモータ120において消費される電気エネルギを低減させることができる。
後述するように、エンジン自動停止条件が満たされて、エンジン4が自動停止させられた場合には、開閉弁116が閉状態にされるとともに開閉弁118が開状態にされる。ポンプ102の作動と圧力制御弁76への供給電流の制御とによりブレーキシリンダ72の液圧が制御される。ブレーキシリンダ72の液圧はマスタシリンダ66の液圧より大きくされる場合もある。ブレーキシリンダ70の液圧に応じた液圧制動力が車輪に加えられる。
本実施形態においては、ポンプ102,ポンプモータ120等によって増圧装置122が構成される。
【0013】
パーキングブレーキ装置62は、図4に示すように、車輪に設けられたパーキングブレーキ150と、ケーブル152と、そのケーブル152に引張力を加える電動モータ154とを含むものであり、電動モータ154の制御により、ケーブル152に加えられる張力が制御され、車輪に加えられるパーキングブレーキ150による制動力(機械式制動力)が制御される。
パーキングブレーキ装置62には、車体側部材に固定された保持部材158に対して軸方向に相対移動可能かつ軸線周りに相対回転可能に操作レバー160が設けられている。操作レバー160の一端部にはグリップ161が設けられ、他端部にはケーブル152が連結されている。ケーブル152は、インタミディエイトレバ162,イコライザ164等を介してドラムブレーキ150に連結されており、操作レバー160が軸方向に保持部材158に対して引き上げられることによって、ケーブル152が引き締められ、ドラムブレーキ150において図示しない一対のシューが拡開させられ、パーキングブレーキが作動させられる。本実施形態においては、上述の一対のシューを拡開させる拡開機構と、その拡開機構に接続され、引き締められることによって拡開機構を作動させるケーブル152と、そのケーブル152に引張力を加える張力付与装置としての電動モータ154とによって電動アクチュエータ166が構成されるのである。
【0014】
操作レバー160の外周面には、軸方向に延びたラチェット歯172設けられ、それに対して、保持部材158には、スライダ174が軸方向に相対移動可能に設けられている。スライダ174には、ラチェット歯172に噛合可能なラチェット爪176が取り付けられており、これらが噛み合わされることにより、操作レバー160が任意の位置に保持される。これらラチェット歯172とラチェット爪176とによってケーブル152に加えられた張力を保持する保持装置177が構成される。スライダ174は、リターンスプリング178により図示する原位置に付勢され、この原位置にあることが原点センサ180によって検出される。
【0015】
電動モータ154は、正・逆両方向に回転可能なものであり、出力軸には、減速装置を介してプーリ184が取り付けられている。ケーブル186が、プーリ184,車体側部材に設けられたプーリ185,スライダ174に取り付けられたプーリ186を経て保持部材158に支持された張力センサ188に係合させられている。電動モータ154の作動によりケーブル186が引っ張られたり、緩められたりすると、スライダ174が保持部材158に対して軸方向に相対移動させられ、それによって操作レバー160が軸方向に移動させられる。ケーブル152が引っ張られ、パーキングブレーキ150が作動させられる。運転者が操作レバー160を操作しなくても、パーキングブレーキ150を作動させたり、解除したりすることができるのである。
【0016】
ケーブル186に加えられる張力は張力センサ188によって検出される。ケーブル186に加わる張力が大きい場合は、パーキングブレーキ150の制動力が大きくされ、ケーブル186が緩められれば、パーキングブレーキ150の作動力が緩められる。ケーブル186に加えられる張力は、張力センサ188によって検出され、その張力に基づいてパーキングブレーキ150による制動力が検出され、車輪に加えられる機械式制動力が検出される。前述のラチェット歯172とラチェット爪176との噛合いによって、電動モータ154の作動が停止させられても、操作レバー160はその位置に保たれるのであり、車輪に加えられる機械式制動力を保持することができる。
運転者の操作により操作レバー160が保持部材158に対して軸方向に引っ張られればパーキングブレーキ150が作動させられる。また、軸線に対して90度回転させれば、ラチェット爪176のラチェット歯172に対する噛合いが解除されるため、運転者の操作により、操作レバー160を軸方向に相対移動させることができ、パーキングブレーキ150の作動を解除することができる。
なお、パーキングブレーキ150が作動状態にあるか非作動状態にあるかは、ブレーキスイッチ190によって検出される。
【0017】
車両制御装置において、エンジン4はエンジンECU200によって制御され、トランスミッション6はトランスミッションECU202によって制御され、ブレーキ装置8はブレーキECU204によって制御される。これらエンジンECU200,トランスミッションECU202,ブレーキECU204は、いずれも、CPU,ROM,RAMを含むコンピュータを含むものである。エンジンECU200の入力部には、スロットルバルブ34の開度を検出するスロットルセンサ210、クランク軸の回転数に基づいて出力軸14の回転数を検出する回転数センサ212、燃焼室18の圧力を検出する燃焼圧センサ214、サージタンク26内の圧力を検出する負圧センサ216、車両の走行速度を検出する車速センサ218、図示しないアクセルペダルの操作に伴うアクセル開度を検出するアクセル開度センサ220、シフト装置42のシフト位置を検出するシフト位置センサ222、ブレーキ装置8のブースタ28の定圧室30の圧力を検出する負圧センサ224、ブレーキペダル70が操作状態にあるか否かを検出するブレーキスイッチ226、運転席側のドアが開状態にあるか否かを検出するカーテシランプスイッチ228等が接続され、出力部には、スタータモータ16,スロットルアクチュエータ36,インジェクタ24等が駆動回路を介して接続されるとともに、警報装置230等が接続されている。
【0018】
エンジンECU200の制御により、燃焼室18における燃焼状態が、燃焼室18の圧力,スロットル開度,サージタンク26内の圧力,出力軸14の回転数,アクセル開度等に基づいて希薄燃焼状態にされたりストイキ燃焼状態にされたりする。また、後述するように、エンジン4の自動停止条件が満たされた場合には、インジェクタ24の制御により燃焼室18に燃料が供給されなくなることによりエンジン4が自動停止させられ、自動始動条件が満たされた場合には、スタータモータ16の駆動等によりエンジン4が自動始動させられる。警報装置230は、ブレーキ装置8やエンジン4が異常である場合等に作動させられる。また、車速,シフト位置,ブースタ負圧,ブレーキ操作状態,運転席側のドアの開閉状態等に基づいてエンジン4を自動で停止させたり、自動で始動させたりする。
【0019】
トランスミッションECU202の入力部には、前述のシフト位置センサ222,車速センサ218等が接続され、出力部には、図示しないトランスミッション6の複数の電磁弁、シフト装置42に含まれるシフトロック機構44等が接続される。トランスミッションECU202によってシフトロック機構44が制御されることによって、非駆動位置から駆動位置へのシフト操作が禁止されたり許可されたりする。
ブレーキECU204の入力部には、前記ブレーキスイッチ226、パーキングブレーキ装置62に設けられた張力センサ188,原点スイッチ180,パーキングブレーキスイッチ190等の他、マスタシリンダ66の液圧を検出するマスタ圧センサ238,圧力制御弁76のブレーキシリンダ側の液圧を検出するブレーキシリンダ圧センサ240(保持弁78が図示する原位置にある場合には、圧力制御弁76のブレーキシリンダ側の圧力とブレーキシリンダ圧とはほぼ等しいため、ブレーキシリンダ圧センサと称する)、ブレーキペダル70の操作ストロークを検出する操作量センサ242、各車輪毎に設けられた車高センサ244,温度センサ246等が接続されている。出力部には、圧力制御弁76のソレノイド96,保持弁78,減圧弁84,開閉弁116,118の各ソレノイドが接続されるとともに、ポンプモータ120、パーキングブレーキ装置62の電動モータ154の駆動回路が接続されている。ブレーキECU204の制御によって、車輪に加えられる液圧制動力(ブレーキシリンダ液圧)や機械式制動力が制御される。
なお、温度センサ246は、外気温度を検出するものであっても、液圧ブレーキ装置60内の温度(作動液の温度やブレーキ回転体の温度等)を検出するものであってもよい。
【0020】
これらエンジンECU200、トランスミッションECU202、ブレーキECU204の間においては情報の通信が行われる。エンジンECU200において、エンジン自動停止条件,自動始動条件が満たされるか否かが判定され、自動停止条件が満たされた場合には、ブレーキECU204に制動力保持指令が出力され、自動始動条件が満たされた場合には、制動力解除指令が出力される。また、ブレーキECU204からエンジンECU200へは、圧力制御弁76,増圧装置122が異常であることを表す異常情報等が出力される。異常情報が供給されると、エンジンECU200からトランスミッションECU202へシフトロック指令が出力される。シフト装置42のシフトロック機構44をシフトロック状態に切り換えることを指示する指令が出力されるのであるが、ブレーキ装置異常情報が出力されるようにしてもよい。
【0021】
以上のように構成された車両制御装置における作動について説明する。
エンジンECU200においては燃焼室18における燃焼状態が制御される。エンジン4の出力軸14の回転数が大きく、負荷が大きい場合には主としてストイキ燃焼が行われ、スロットルバルブ34が絞り気味にされる。回転数が小さく、負荷が小さい場合には主として希薄燃焼が行われ、スロットルバルブ34が開き気味にされる。スロットル開度が大きくされるため、サージタンク26の圧力は大気圧に近くなり、ブースタ28の定圧室30の圧力が大気圧に近くなる。定圧室30の圧力が大気圧に近くなると、助勢限界に対応するブレーキ操作力が小さくなり、望ましくない。そこで、本実施形態においては、定圧室30の圧力が設定圧より大気圧側の高さにならないようにエンジン4の燃焼状態が制御されるようにされている。図5のフローチャートで表されるブースタ負圧対応燃焼制御プログラムが予め定められた設定時間間隔毎に実行される。
【0022】
図5のフローチャートのステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車両の走行速度が設定速度Vs1以下であるか否か、S2において、車両の走行速度が設定速度Vs2以上であるか否かが判定される。設定速度Vs1は車両が停止状態にあるとみなし得る速度であり、設定速度Vs2は設定速度Vs1より大きく、停止状態ではないが停止直前の状態にあるとみなし得る速度である。
設定速度Vs2以上で走行している場合には、S1における判定がNO,S2における判定がYESとなり、エンジン制御は通常の燃焼制御プログラムの実行に従って制御される。上述のように、燃焼状態が、エンジンの回転数等に基づいて制御されるのである。それに対して、設定速度Vs1より大きく設定速度Vs2以下である場合には、S3においてストイキ燃焼が行われる。車両が停止直前にある状態においてはエンジン回転数はそれほど大きくないため、希薄燃焼が行われることが多いが、本実施形態においてはストイキ燃焼が行われるのである。車両が停止し、エンジン4が自動停止させられると、定圧室30の圧力が大気圧に近づく可能性が高くなるが、停止前にストイキ燃焼が行われ、圧力を真空に近づけておけば、車両の停止中にエンジン4が自動停止させられても、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近づくことを回避することができる。このようにすることによって、定圧室30の圧力が大気圧に近づくことを未然に防止することが可能となる。
【0023】
車両がほぼ停止状態にある場合には、S1における判定がYESとなり、S4において、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より真空に近いか否かが判定される。大気圧に近い場合には、判定がNOとなり、S5において、ストイキ燃焼が行われる。エンジン4が作動中にある場合には、ストイキ燃焼が行われるのであり、自動停止させられている状態においては、自動始動条件が満たされなくても、始動させられてストイキ燃焼が行われる。ストイキ燃焼が行われれば、スロットル開度が絞り気味にされるため、ブースタ28の定圧室30の圧力が真空に近づけられる。
【0024】
このように、本実施形態においては、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧側にある場合には、車両が停止状態にあってもエンジン4は作動状態のままになる。その結果、エンジン4が一旦自動停止させられた後に、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近いか否かが検出されて、再始動させる場合より、早期にブースタ28の定圧室30の圧力が大気圧に近づいたことを検出することができ、回復させることが可能となる。
また、エンジン4においてストイキ燃焼が行われるようにすれば、希薄燃焼が行われる場合より定圧室30の圧力を早急に真空に近づけることができる。液圧ブレーキ装置60においては、ブースタ28が助勢限界に対応するブレーキ操作力の低下を抑制することができる。
【0025】
なお、希薄燃焼とストイキ燃焼との切り換えが行われないエンジン4においては、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近い場合には、スロットルバルブ34が絞られるようにすることもできる。スロットル開度が絞られることにより、定圧室30の圧力が真空に近づけられる。
また、車両の停止前にストイキ燃焼が行われる場合には、定圧室30の圧力が設定圧より真空側にあることをエンジン自動停止条件から外すことも可能である。停止前にストイキ燃焼が行われれば、停止中に設定圧より大気圧に近づくことは少ないからである。
【0026】
エンジンECU200においては、エンジン自動停止・始動制御が行われる。エンジン自動停止許可状態にある場合には、自動停止条件が満たされるか否か、自動始動条件が満たされるか否かが判定される。運転者によって図示しない自動停止制御許可スイッチが操作された状態にあり、かつ、エンジン自動制御禁止モードが設定されていない場合にエンジン自動停止許可状態にあるとされる。エンジン自動制御禁止モードは、エンジン4,エンジンECU200等が異常である場合に設定される。
【0027】
エンジン自動停止条件は、本実施形態においては、▲1▼車速がほぼ停止状態にあるとみなし得る設定速度Vs1以下であること、▲2▼ブレーキペダル70が操作中であること、▲3▼アクセルペダルが非操作状態にあること、▲4▼シフト位置がパーキング「P」またはニュートラル「N」(非駆動位置)にあること、▲5▼ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より真空に近いこと、▲6▼エンジン4が正常であること,▲7▼図示しないバッテリが正常であることのすべてが満たされた場合に、満たされたとされる。
エンジン自動始動条件は、▲1▼シフト位置が、駆動位置(ドライブ「D」,ロー「L」,セカンド「2」等)にあり、かつ、▲2▼ブレーキペダル70が非操作状態にある場合に満たされたとされる。
【0028】
エンジンECU200においては、図6のフローチャートで表されるエンジン自動停止,始動プログラムが繰り返し実行される。
S11において、エンジン自動停止許可スイッチが操作状態にあるか否か、S12において、エンジン自動制御禁止モードが設定されているか否かが判定される。自動停止許可スイッチが操作状態にない場合やエンジン自動制御禁止モードが設定されている場合には、S13以降が実行されることはない。自動停止許可スイッチが操作状態にあり、かつ、エンジン自動制御禁止モードが設定されていない場合には、S13において自動停止条件が満たされたか否か、S14において自動始動条件が満たされたか否かが判定される。
自動停止条件が満たされた場合には、S15において、ブレーキECU204に制動力保持指令が出力され、S16において、エンジン4の駆動が停止させられる。自動始動条件が満たされた場合には、S17において、エンジン4が再始動させられ、S18において、ブレーキECU204に制動力解除指令が出力される。制動力保持指令は、厳密にいえば、車両停止状態保持指令であり、車両を停止状態に保ち得る大きさの制動力を加えることを指示する指令であり、制動力を、その時点の制動力の大きさのまま保持する場合に限定されない。
【0029】
また、エンジン4が自動停止状態にある場合には、図7のフローチャートで表されるエンジン停止中制御プログラムが繰り返し実行される。S21において、運転席側のドアが閉状態から開状態に切り換えられたか否か、S22において、ブレーキECU204から異常情報が供給されたか否かが検出される。運転席側のドアが開状態に切り換えられた場合には、S23において、エンジン4が再始動させられる。エンジン4は、警告のために始動させられるのである。
自動停止条件が満たされると、エンジン4が自動に停止させられ、後述するように、ブレーキ装置8において制動力が加えられることになるが、この状態において、運転者が車両から降りて車から離れることは望ましくない。イグニッションスイッチはONのままであり、エンジン4が停止させられたにすぎないからである。したがって、運転者に車から離れるのが適当でないことを知らせるために、エンジン4を再始動させるのである。
なお、エンジン4を作動させるのではなく、警報装置230を作動させてもよい。
【0030】
ブレーキECU204から異常情報が供給された場合には、S24において、シフトロック指令がトランスミッションECU202に出力され、S25において、警報装置230が作動させられる。ブレーキ装置8(液圧ブレーキ装置60)が異常であることを運転者に知らせるのである。トランスミッションECU202にシフトロック指令が出力されれば、トランスミッションECU202は、シフト装置42のシフトロック機構44を制御することによって、シフトレバーの駆動位置への切り換えを禁止する。シフト位置が非駆動位置にロックされるのであり、その結果、前述の自動始動条件が満たされなくなり、エンジン4が停止状態に保たれることになる。液圧ブレーキ装置60の異常時にエンジン4の再始動が禁止されるため、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、ブレーキ装置8の異常時にシフトロック指令が出力されるようにされていたが、ブレーキ装置8において制動力が不足している場合にシフトロック指令が出力されるようにすることができる。このようにすれば、エンジン始動時における発進性を向上させることができ、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。
図8に示すハード回路260において、シフト位置がパーキング「P」,ニュートラル「N」のいずれかにあり、かつ、ブレーキペダル70が操作状態にあり、かつ、マスタシリンダ圧が設定圧PMS以上であり、かつ、ストロークが設定量SB0以上である場合には、シフトチェンジ許可信号がトランスミッションECU202に出力される。マスタシリンダ圧が設定圧以上であるか否かストロークが設定量以上であるか否かは、エンジンECU200からブレーキECU204にこれらの情報を要求する情報要求指令が出力されると、それに応じて、ブレーキECU204からエンジンECU200に出力されることになる。
マスタシリンダ圧が設定圧より小さく、ストロークが設定量より小さい場合には、シフトロック指令(シフトチェンジが禁止される)が出力されることになり、ブレーキ装置8において十分な制動力が得られず、制動力が不足している場合には、シフトチェンジが禁止され、エンジン4の自動始動が禁止される。
【0032】
なお、上記実施形態においては、マスタシリンダ圧が設定圧PMS以上であり、かつ、ストロークが設定量SB0以上であることが条件とされていたが、いすれか一方が満たされれば制動力不足ではないとすることもできる。また、シフトロック指令がトランスミッションECU202に出力される場合には、ブレーキECU204に制動力増加指令が出力されるようにすることもできる。制動力増加指令によって制動力が増加させられた後に、シフトチェンジが許容され、エンジン4が自動始動させられることになる。さらに、シフトロック指令出力制御がハード回路260によって実行されていたが、シフトロック指令出力制御プログラムの実行に従って行われるようにすることができる。
【0033】
また、ブレーキ装置8が異常である場合、制動力が十分でない場合には、トランスミッション6における駆動伝達状態への切り換えが禁止されるようにすることもできる。トランスミッション6において電磁弁の制御により駆動伝達阻止状態から駆動伝達状態へ切り換えられるのであるが、そのような電磁弁の制御が禁止されるようにするのである。この場合には、エンジン4が始動されても、駆動トルクが車輪に伝達されることはなくなるため、同様の効果を得ることができる。さらに、実際の制動力が車両を停止状態に保つために必要な制動力より小さい場合にシフトロック指令が出力されるようにすることもできる。
【0034】
ブレーキECU204においては、エンジンECU200から制動力保持指令が供給されると、液圧制動力の制御によって車両が停止状態に保たれ、制動力解除指令が供給されると、液圧制動力が解除される。
図9のエンジン停止時液圧制御プログラムを表すフローチャートにおいて、S41において、制動力保持指令が供給されたか否かが判定され、供給された場合にはS42以降が実行され、供給されない場合には実行されることはない。S42以降は、制動力保持指令が供給された場合に1回実行される。
S42において、マスタシリンダ圧が検出される。制動力保持指令が供給された時点のマスタシリンダ圧が検出されるのであり、換言すれば、車両の停止時におけるマスタシリンダ圧が検出されるのである(停止時制動力と称することができる。また、増圧装置122が非作動状態にある場合にはブレーキシリンダ液圧と同じ大きさになる)。S43において、路面勾配と温度とに基づいて必要な移動力が求められる。4輪各々に設けられた車高センサの出力値に基づいて停止状態にある車両の路面勾配が検出され、その路面勾配と温度とに基づいて車両に加えられる移動力が算出されるのである。路面勾配が大きい場合は小さい場合より移動力が大きくされ、温度が低い場合には高い場合より移動力が大きくされる。温度が低く作動液の粘性が高くなると、クリープ力が大きくなるからである。そして、その移動力と停止時制動力とに基づいて目標制動力が算出され、その目標制動力に対応する目標ブレーキシリンダ液圧が算出される。S44において、目標ブレーキシリンダ液圧が得られるために必要な圧力制御弁76への供給電流が算出され、S45において、増圧装置122が作動させられ、圧力制御弁76のソレノイドには、算出された大きさの電流が供給される。ブレーキシリンダ液圧は、マスタシリンダ液圧より大きい目標ブレーキシリンダ液圧に制御されることになる。
【0035】
S46において、ブレーキシリンダ液圧が検出され、S47において、前述の目標ブレーキシリンダ液圧と実際の液圧との差が設定圧より小さいか否かが判定される。設定圧より小さい場合には、S48において、圧力制御弁76および増圧装置122が正常であるとされる。この場合の設定圧は、目標ブレーキシリンダ液圧とマスタシリンダ液圧との差より小さい値とされ、その都度決定される。ブレーキペダル70が操作されている場合には、圧力制御弁76の作動が異常であっても(例えば、開状態のままであっても)、ブレーキシリンダ液圧はマスタシリンダ液圧に対応する大きさになるからであり、圧力制御弁76や増圧装置122が異常であるか否かを検出するためには、ブレーキシリンダ液圧がマスタシリンダ液圧より大きいが制御圧に達していないことを検出する必要があるのである。また、ブレーキペダル70が非操作状態にある場合において、圧力制御弁76が異常であるか否かを検出することもできる。
【0036】
S47において、これらの差が設定圧より大きい場合には、S49以降において、圧力制御弁76が異常であるか否かが確認される。S49において、カウンタNがカウントアップされ、S50において、カウント値が設定回数N0 以上であるか否かが判定される。S51において、供給電流量が設定量ΔIだけ増加させられ、S52においてブレーキシリンダ液圧が検出され、S53において、差が設定圧より小さいか否かが判定される。設定圧より小さければ、前述の場合と同様に、正常であるとされる。
設定圧以上である場合には、S49〜53が繰り返し実行され、供給電流が設定量ずつ増加させられるのであるが、設定回数以上増加させても、差が設定圧より小さくならない場合には、S54において、異常であるとされ、S55において異常情報がエンジンECU200に出力される。また、S56において、圧力制御弁76への供給電流が0とされ、ポンプモータ120の作動が停止させられる。エンジン4が自動始動させられることがないため、制動力保持制御を行う必要がないのであり、エネルギの消費量の低減が図られる。
【0037】
本実施形態においては、圧力制御弁76への供給電流量が、マスタシリンダ圧と移動力とに基づいた目標制動力が得られる大きさに決定されるのであり、常に最大量の電流が供給されるわけではない。そのため、供給電流量を低減させることができ、エネルギ消費量の低減を図ることができる。それによって圧力制御弁76における発熱を抑制することができ、圧力制御弁76の耐久性を向上させ、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。
また、車両停止時におけるマスタシリンダ圧,その停止状態における環境に応じて決まる移動力に基づいて目標制動力が決定されるため、エンジン停止状態において、車両の動き出しを防止することができ、良好に停止状態に保つことができる。
圧力制御弁76,圧力制御弁76を含むユニット全体を、エンジン4の排気口から離れた位置に設置すれば、さらに、圧力制御弁76の発熱を抑制することができる。また、圧力制御弁76のソレノイド96の近傍にフィンを設けることによっても発熱を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
【0038】
なお、目標制動力は、マスタシリンダ圧に対応する制動力(停止時制動力)と移動力とのうちの大きい方の値としたり、小さい方の値としたり、中間の値としたりすることができる。また、移動力に停止時制動力に応じた力を加えた値としたり、停止時制動力に移動力に応じた力を加えた値としたりすることができる。いずれにしても、移動力と停止時制動力との両方に基づいて決定することは不可欠ではなく、移動力のみに基づいて決定しても停止時制動力のみに基づいて決定してもよい。目標制動力を移動力と同じ値にしたり、移動力より僅かに大きい値にしたりすることができる。同様に、停止時制動力と同じ値にしたり、停止時制動力より多少大きい値または小さい値にしたりすることができる。停止時制動力と同じ値を目標制動力とにした場合には、その時点の液圧が保持されることになり、ポンプ102を作動させる必要がなくなる。さらに、移動力は、路面勾配と温度とに基づいて決定することは不可欠ではなく、路面勾配のみに基づいて決定しても温度のみに基づいて決定しても、例えば、積載荷重,路面の摩擦係数等も考慮して決定してもよい。さらに、移動力自体を求めることも不可欠ではなく、例えば、温度が高い場合には目標制動力を停止時制動力とし、温度が低い場合には停止時制動力より大きい値を目標制動力とすることもできる。
また、ブレーキシリンダの液圧を増加させる場合には、圧力制御弁76の供給電流を増やすのではなく、供給電流を一定に保った状態で、ポンプ102から吐出される作動液の吐出圧や吐出量を増加させることもできる。ポンプモータ120の制御によりポンプ102の作動状態が制御される。
【0039】
さらに、車両制動装置が、エンジン4が自動停止させられた場合に液圧制動力の保持または増圧が行われない場合、すなわち、運転者によるブレーキペダル70の操作力に応じた液圧制動力によって車両が停止状態に保たれるようにされている装置である場合には、ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近い場合に、増圧装置122の作動によりブレーキシリンダ液圧が増圧させられるようにすることもできる。定圧室30の圧力が大気圧に近くなったことによって助勢限界に対応するブレーキ操作力が小さくなり、運転者のブレーキ操作力が助勢限界に対応するブレーキ操作力より大きくなっても、制動力の低下を良好に抑制することができる。エンジン4の自動停止時に制動力不足が生じることを回避することができ、車両を停止状態に良好に保つことができる。
【0040】
図10のエンジン始動時液圧解除プログラムを表すフローチャートにおいて、制動力解除指令が供給されると、S71の判定がYESとなり、S72以降が実行される。S72以降は制動力解除指令が供給された場合に1回実行される。
S72において、圧力制御弁76への供給電流量が読み取られ、S73において、供給電流の最適減少パターンが算出される。最適減少パターンは、現在の供給電流、アクセルペダルが操作されているか否か、シフト位置がセカンド「2」に操作されているか否か、路面勾配等に基づいて決定される。S74において、そのパターンに従って、電流が減少させられる。
アクセルペダルが操作されている場合には操作されていない場合より減少勾配が大きくされる。ブレーキペダル70の操作が解除されただけでなくアクセルペダルが操作されている場合には、運転者は早急に発進することを望むからである。また、シフト位置がセカンド「2」である場合、坂道に停止している場合には、減少勾配が小さくされる。路面μが小さい場合にはセカンド「2」に切り換えられる場合がある。車輪に急激に大きな駆動トルクが加えられると、駆動スリップが大きくなるおそれがあるからである。登り勾配の坂道に停止している場合には、車両が下がるおそれがあるため、制動力の減少勾配が小さくされるのである。
【0041】
いずれにしても、従来は、圧力制御弁76のソレノイドに常に最大の電流が供給されるようにされていたため、供給電流減少パターンも最大電流を基準に決定されていた。それに対して、本実施形態においては、最適な供給電流からの減少パターンが算出されるため、エンジン再始動時における発進性を向上させることができる。
【0042】
なお、上記実施形態においては、制動力保持指令が供給された場合には、車輪に液圧制動力が加えられるようにされていたが、パーキングブレーキ150を作動させて、機械式制動力が加えられるようにすることもできる。本実施形態においては、図11のフローチャートで表されるパーキングブレーキ制御プログラムが繰り返し実行される。
制動力保持指令が供給された場合には、S91における判定がYESとなり、S92において、上述の場合と同様に、路面勾配と温度とに基づいて移動力が求められ、その移動力に基づいて目標制動力が求められる。S93において、その目標制動力に対応するケーブル152の引張力(ケーブル186の引張力に換算)が得られるように、電動モータ154が制御される。電動モータ154の正方向の回転により、ケーブル152が引き締められ、パーキングブレーキ150が作動させられる。張力が、目標制動力に対応する大きさ(目標引張力)に達すると、電動モータ154の回転が停止させられる。この状態は、ラチェット爪176とラチェット歯172との噛合わせにより保持され、ケーブル152の引張力が保持されるとともに、パーキングブレーキ150による制動力が保持される。保持状態において電動モータ154を作動状態にする必要がないため、車両の停止状態において、消費されるエネルギを低減させることができる。
【0043】
この場合には、圧力制御弁76のソレノイド96に電流が供給されることはない。ブレーキペダル70が操作状態に保たれている場合においては、車輪には液圧制動力と機械式制動力との両方が加えられることになるが、圧力制御弁76に電流が供給されないため、ブレーキペダル70の操作が解除されれば、車輪にはパーキング制動力のみが加えられることになるが、この状態において車両が移動させられことはないのであり、パーキングブレーキ150の制動力によって車両の動き出しが良好に防止される。本実施形態においては、パーキングブレーキ150の制動力によって車両を停止状態に保つことができる。したがって、圧力制御弁76に電流を供給したり、増圧装置122を作動させたりする必要がなくなり、その分、液圧ブレーキ装置60(サービスブレーキ装置)の寿命を長くすることができ、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0044】
制動力解除指令が供給されると、S94における判定がYESとなり、S94において、制動力解除パターンが決定され、S95において、そのパターンに従って電動モータ154が制御される。電動モータ154が逆方向に回転させられるのであり、ケーブル152が緩められ、パーキング制動力が解除される。この場合には、ブレーキスイッチ190によって、操作レバー160が非操作状態まで戻されたこと(非作動状態にあること)を検出することができる。本実施形態においては、パーキングブレーキ装置62の制御によって、パーキング制動力が増加あるいは減少させられることになる。
【0045】
なお、上記実施形態においては、目標制動力は移動力に基づいて決定されたが、移動力と停止時制動力とに基づいて決定されるようにしても、停止時制動力に基づいて決定されるようにしてもよい。また、上記第1実施形態においては、制動力保持指令が供給された場合に液圧ブレーキ装置60が制御され、第2実施形態においては、パーキングブレーキ装置62が制御される場合について説明したが、液圧ブレーキ装置60とパーキングブレーキ装置62との両方が制御されるようにしても、予め定められた条件が満たされたか否か等に基づいて選択的に制御されるようにしてもよい。
例えば、目標制動力がパーキングブレーキ装置62によって出力可能な最大値より大きい場合には、液圧ブレーキ装置60とパーキングブレーキ装置62との両方が制御され、最大値以下の場合には、パーキングブレーキ装置62のみが制御されるようにすることができる。
【0046】
図12のエンジン停止時制動力制御プログラムを表すフローチャートにおいて、制動力保持指令が供給された場合には、S111における判定がYESとなり、S112において、目標制動力が上述の場合と同様に算出される。そして、S113において目標制動力F* が、パーキングブレーキ150によって出力可能な最大値FMAX より大きいか否かが判定される。目標制動力F* が最大値FMAX 以下である場合には、判定がNOとなり、目標制動力F* が得られるようにパーキングブレーキ装置62が制御される。
それに対して、目標制動力F* が最大値FMAX より大きい場合には、判定がYESとなり、S115において、機械式制動力が最大値FMAX (目標機械式制動力)となるように、パーキングブレーキ装置62が制御され、S116において、液圧制動力(F* −FMAX )(目標液圧制動力)が得られるように液圧ブレーキ装置60が制御される。
その時点におけるブレーキシリンダ液圧が、目標液圧制動力(F* −FMAX )に対応する液圧より大きい場合には、圧力制御弁76への供給電流が、そのブレーキシリンダ液圧を保持し得る大きさに決定される(例えば、ブレーキペダル70の操作が解除されても、その液圧を保持し得る大きさ)。また、ブレーキシリンダ液圧が、目標液圧制動力(F* −FMAX )に対応する液圧より小さい場合には、増圧装置122が作動させられ、圧力制御弁76への供給電流が、ブレーキシリンダ液圧が目標液圧制動力(F* −FMAX )に対応する大きさとなるように制御される。
【0047】
いずれにしても、パーキングブレーキと液圧ブレーキとの両方が作動させられれば、液圧ブレーキのみが作動させられる場合に比較して、圧力制御弁76への供給電流量を小さくしたり、増圧装置122の作動回数を減らしたりすることができるため、その分、エネルギ消費量を低減させることができる。また、圧力制御弁76の耐久性を向上させることができ、車両制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0048】
また、圧力制御弁76や増圧装置122に異常が検出された場合に、パーキングブレーキ150を作動させ、パーキングブレーキ装置62に異常が生じた場合に、圧力制御弁76および増圧装置122が制御されるようにすることもできる。
さらに、制動力保持指令が出力された場合には、まず、圧力制御弁76に電流が供給されるようにされているブレーキ装置8においては、パーキングブレーキ150を作動させた後に、供給電流を0とすることもできる。
図13のフローチャートにおいて、制動力保持指令が供給され、S121における判定がYESとなると、S122において、上述の場合と同様に、目標ブレーキシリンダ液圧が求められ、その目標ブレーキシリンダ液圧が得られる大きさの電流が圧力制御弁76に供給され、増圧装置122が作動させられる。S123において、パーキングブレーキ150が作動させられたか否かが判定される。パーキングブレーキ150が作動させられたか否かは、張力センサ188の出力信号に基づいて検出することができる。
パーキングブレーキ150が作動させられた場合には、判定がYESとなり、S124において、供給電流が0にされ、増圧装置122の作動が停止させられる。パーキングブレーキ150が作動させられているため、液圧を保持する必要がなのであり、運転者がブレーキペダル70の踏み込みを解除しても、車両は停止状態に保たれるため差し支えないのである。本実施形態においては、ブレーキペダル70の操作が解除されても、エンジン4が再始動させられるわけではないのであり、ブレーキペダル70の操作が解除されても、エンジンの自動始動条件が満たされないようにされているエンジンECU200と組み合わせて採用することによって有効な効果が得られる。
【0049】
なお、ブレーキペダル70の操作が解除されるとエンジン4の自動始動条件が満たされるエンジンECU200においては、操作レバー160が運転者によって操作されることによって、パーキングブレーキが作動させられた場合に、ブレーキペダル70の操作が解除されてもエンジンの自動始動条件が満たされないようにすることもできる。この場合には、ブレーキECU204からエンジンECU200にその旨を表す情報を出力するのである。それによって、エンジンECU200においては、操作レバー160の操作によってパーキングブレーキが解除された場合に、エンジン自動始動条件が満たされたとすることもできる。
【0050】
以上のように、本実施形態においては、エンジンECU200の図5のフローチャートで表される燃焼制御プログラムを記憶し、実行する部分,図6のフローチャートで表されるエンジン自動停止・始動プログラムを記憶し、実行する部分,負圧センサ224等によってエンジン制御装置が構成される。エンジン制御装置は駆動源制御装置でもある。エンジン制御装置のうちの、S5を記憶する部分,実行する部分によって制動力増加装置が構成され、S5,3を記憶する部分,実行する部分等によって定圧室保証部が構成される。制動力増加装置はエンジン自動始動部でもある。また、エンジンECU200のS22,24を記憶する部分,実行する部分等によりシフト操作禁止装置が構成される。
【0051】
さらに、液圧ブレーキ装置60,パーキングブレーキ装置62,ブレーキECU204,各センサ等によって車両制動装置が構成される。パーキングブレーキ装置62の電動アクチュエータ166,ブレーキECU204の図11のフローチャートのパーキングブレーキ制御プログラムを記憶する部分,実行する部分等により機械式ブレーキ作動部が構成され、このうちの、S92,93を記憶する部分,実行する部分等により動き出し防止部が構成される。動き出し防止部は制動力制御部でもある。
また、液圧ブレーキ装置60およびブレーキECU204のエンジン停止時液圧制御プログラムのS42〜46を記憶する部分,実行する部分,マスタ圧センサ238,車高センサ244等により制動力制御部が構成され、S47〜54を実行する部分およびマスタ圧センサ238,ブレーキシリンダ圧センサ240等によって異常検出装置が構成される。本実施形態においては、増圧装置122は、ポンプ102およびポンプモータ120等を含むものであるが、圧力制御弁76も構成要素として加えることもできる。
【0052】
なお、上記実施形態においては、駆動源がエンジンである車両に適用された場合について説明したが、駆動源が電動モータを含む車両にも適用することができる。ブースタ28の定圧室30は電動モータによって作動させられる真空タンクに接続されることになる。また、オートマチック車ではなく、マニュアルトランスミッションを備えた車に適用することもできる。さらに、エンジン4は、燃料が燃焼室18に直接噴射される直噴式のものに適用することもできる。この場合には、希薄燃焼より空燃比が大きい超希薄燃焼が行われることもあるため、ブースタ28の定圧室30の圧力が大気圧にされ易くなり、エンジン自動停止可能な装置と組み合わせる場合に本発明を適用することは効果的なことである。
【0053】
また、圧力制御弁76の異常を検出すること、シフトレバーの駆動位置への切り換えを禁止することは、エンジンの自動停止が行われない車両に適用することも可能である。圧力制御弁76の異常が検出された場合に、シフト位置の駆動位置への切り換えが禁止されれば、ファーストアイドル時における車両の動き出しを防止することができる。
また、エンジンECU200における実行,ブレーキECU206における各プログラムの実行はそれぞれ別個独立に実行することができる。
さらに、ブレーキ装置8については、液圧ブレーキ装置60の構造は限定されない。ブレーキシリンダ液圧を、ブレーキペダル70の操作力に対応する液圧以上に制御することができないものである場合には、エンジン4の自動停止中にブレーキペダル70が踏み込まれていることが必要となる。
また、車両制動装置は、液圧ブレーキ装置60ではなく、電動アクチュエータを含む電動ブレーキ装置とすることもできる。各輪毎に設けられた電動モータの作動によりディスクブレーキが作動させられることになる。パーキングブレーキ装置についても、パーキングブレーキ操作部材は回動式の操作レバーであっても、ペダル式のものであってもよい。また、操作部材とケーブルとが連結されておらず、ケーブルが操作部材の操作に応じてアクチュエータ等によって引っ張られる形式のものであってもよい。さらに、ケーブル152を引っ張る(パーキングブレーキ150を作動させる)アクチュエータは、電動モータ154を含む電動アクチュエータに限定されず、流体圧を利用して(圧縮エアあるいはバキューム)作動させる流体圧アクチュエータとすることもできる。また、パーキングブレーキ150の制動力は制御不能なものであってもよい。さらに、パーキングブレーキ150の制動力の解除は、運転者の操作レバー160の操作によって行われるものであってもよい。
【0054】
さらに、エンジンECU200において、ブレーキECU206から異常情報が供給された場合には、エンジンの再始動時において出力される駆動トルクが抑制されるようにすることができる。制動力が不足していても、出力される駆動トルクが抑制されれば、発進性の低下を抑制することができる。
また、エンジン自動停止条件,自動始動条件等は上記実施形態における場合のそれに限定されず、他の条件とすることもできる。例えば、シフト位置がドライブ「D」であっても、ブレーキペダル70が操作された場合には、自動停止条件が満たされるようにし、ブレーキペダル70の操作が解除された場合に自動始動条件が満たされるようにすることができる。また、アクセルペダルが操作された場合に自動始動条件が満たされるようにすることもできる。
さらに、ブレーキECU204において行われていた必要な制動力の算出等はエンジンECU200において行われるようにしてもよい等、上述の各プログラムが実行されるコンピュータは限定しない。
以上,本発明の幾つかの実施形態を詳細に説明したが、これは文字通り例示であり、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車両制御装置の全体を示す概略図である。
【図2】上記車両制御装置に含まれる液圧ブレーキ装置を示す回路図である。
【図3】上記液圧ブレーキ装置に含まれる圧力制御弁を表す概念図である。
【図4】上記車両制御装置に含まれるパーキングブレーキ装置を示す回路図である。
【図5】上記車両制御装置に含まれるエンジンECUのROMに格納されたブースタ負圧対応燃焼制御プログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記エンジンECUのROMに格納されたエンジン自動停止・始動プログラムを表すフローチャートである。
【図7】上記エンジンECUのROMに格納されたエンジン停止中制御プログラムを表すフローチャートである。
【図8】上記エンジンECUのROMに格納されたシフト装置制御回路を表す図である。
【図9】上記車両制御装置に含まれるブレーキECUのROMに格納されたエンジン停止時液圧制御プログラムを表すフローチャートである。
【図10】上記ブレーキECUのROMに格納されたエンジン始動時液圧制御プログラムを表すフローチャートである。
【図11】本発明の別の一実施形態である車両制御装置に含まれるブレーキECUのROMに格納されたパーキングブレーキ制御プログラムを表すフローチャートである。
【図12】本発明のさらに別の一実施形態である車両制御装置に含まれるブレーキECUのROMに格納されたエンジン停止時制動力制御プログラムを表すフローチャートである。
【図13】本発明のさらに別の一実施形態である車両制御装置に含まれるブレーキECUのROMに格納されたエンジン停止時制動力制御プログラムを表すフローチャートである。
【符号の説明】
4 エンジン
8 ブレーキ装置
24 インジェクタ
28 ブースタ
36 スロットルアクチュエータ
42 シフト装置
44 シフトロック機構
60 液圧ブレーキ装置
62 パーキングブレーキ装置
76 圧力制御弁
122 増圧装置
150 ドラムブレーキ
152 ケーブル
154 電動モータ
166 電動アクチュエータ
188 張力センサ
200 エンジンECU
202 トランスミッションECU
204 ブレーキECU
240 ブレーキシリンダ圧センサ
244 車高センサ
246 温度センサ
Claims (7)
- エンジンに接続された定圧室と、大気と定圧室とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により作動するバキュムブースタを含む車両制動装置と、
前記バキュームブースタの定圧室の圧力を検出する圧力検出装置と、
車両の停止時において前記圧力検出装置によって検出された定圧室の圧力が設定圧より真空に近いことを含むエンジン停止条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で停止させ、エンジン始動条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で再始動させ、前記定圧室の圧力が前記設定圧より大気圧に近く前記エンジン停止条件が満たされない場合には、前記エンジンを停止させないで継続して作動させるエンジン制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置。 - 前記エンジン制御装置が、前記圧力検出装置によって検出された定圧室の圧力が設定圧より大気圧に近い場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御する定圧室圧力保証部を含む請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記定圧室圧力保証部が、前記車両の走行速度が予め定められた設定速度より小さい場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御するものである請求項1または2に記載に車両制御装置。
- 前記エンジン制御装置が、前記車両の走行速度が停止状態にあるとみなし得る速度より小さいことを含むエンジン停止条件が満たされた場合に前記エンジンを自動で停止させるものであり、前記定圧室圧力保証部が、前記停止状態にあるとみなし得る速度より大きく、停止直前の状態であるとみなし得る速度より小さい場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御するものである請求項2または3に記載の車両制御装置。
- 前記エンジン制御装置によりエンジンが自動で停止させられている間に、前記圧力検出装置によって検出された圧力が予め定められた設定圧より大気圧に近くなった場合に、前記車両に加えられる制動力を増加させる制動力増加装置を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両制御装置。
- 前記制動力増加装置が、前記エンジンを自動始動させるエンジン自動始動部を含む請求項5に記載の車両制御装置。
- 前記車両制動装置が、ブレーキシリンダと、そのブレーキシリンダに前記バキュームブースタの出力に応じた液圧以上の液圧を発生可能な増圧装置とを含み、
前記制動力増加装置が、前記増圧装置を制御することによって、ブレーキシリンダの液圧を増圧させるものである請求項5または6に記載の車両制御装置。
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