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JP3693247B2 - 磁気抵抗効果記憶素子およびその製造方法 - Google Patents
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JP3693247B2 - 磁気抵抗効果記憶素子およびその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果記憶素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、磁気抵抗効果(以下、MRと称す)を利用した素子に関し、特に、微細な形状の磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果磁気ヘッド、微細な形状の磁気抵抗効果記憶素子およびこのような磁気抵抗効果記憶素子を行列状に配置した高密度磁気抵抗効果記憶デバイスに関する。
【0002】
(背景技術)
磁気抵抗効果(MR)膜を用いた固体記憶デバイス(MRAM)は、L.J.Schweeの、Proc.INTERMAG Conf.IEEE Trans.on Magn.Kyoto(1972)405.によって提案され、記録磁界発生用の電流線であるワード線とMR膜を用いた読み出し用のセンス線より成る構成の様々なタイプのMRAMが研究されている。このような研究の例として、A.V.Pohmらの、IEEE Trans.on Magn.28(1992)2356.が挙げられる。これらの記憶デバイスには、一般的にMR変化率が2%程度の異方性MR効果(AMR)を示すNiFe膜等が使用され、出力される信号値の向上が課題であった。
【0003】
非磁性膜を介して交換結合した磁性膜より成る人工格子膜が、巨大磁気抵抗効果(GMR)を示すことが、M.N.Baibichら、Phys.Rev.Lett.61(1988)2472.に記述されている。また、GMR膜を用いたMRAMの提案が、K.T.M.Ranmuthuら、IEEE Trans.on Magn.29(1993)2593.によってなされている。しかしながら、この反強磁性交換結合をした磁性膜より成るGMR膜は、大きなMR変化率を示すものの、AMR膜に比べ大きな印加磁界を必要とし、大きな情報記録および読み出し電流を必要とする問題点がある。
【0004】
上記の交換結合型GMR膜に対して、非結合型GMR膜としてはスピンバルブ膜があり、反強磁性膜を用いたものが、B.Dienyら、J.Magn.Magn.Mater.93(1991)101.に記述されている。また、(半)硬質磁性膜を用いたものが、H.Sakakimaら、Jpn.J.Appl.Phys.33(1994)L1668.に記述されている。これらは、AMR膜と同様の低磁界で、かつAMR膜より大きなMR変化率を示す。また、反強磁性膜あるいは硬質磁性膜を用いたスピンバルブ型を用いたMRAMにおいて、記憶素子が非破壊読み出し特性(NDRO)を有することを示すものが、Y.Irieら、Jpn.J.Appl.Phys.34(1995)L415.に記述されている。
【0005】
上記のGMR膜の非磁性膜はCu等の導体膜であるが、非磁性膜にAl23やMgO等の酸化物絶縁膜を用いたトンネル型GMR膜(TMR)の研究も盛んとなり、このTMR膜を用いたMRAMも提案されている。
【0006】
GMR膜で膜面に垂直に電流を流した場合のMR効果(CPPMR)の方が膜面に平行に電流を流した場合のMR効果(CIPMR)より大きいことが知られている。また、更にTMR膜はインピ−ダンスが高いので、TMR膜を用いることにより大きな出力が得られることが期待される。
【0007】
しかし、TMR膜におけるトンネル接合においては、素子の微細化に伴って素子の接合インピーダンスが次第に大きくなるという問題がある。
【0008】
トンネル接合で構成されるメモリセルの大きさがサブミクロン程度になってくると、接合インピーダンスが非常に高くなり、信号を読みとれなくなってしまうため、望ましい接合抵抗を提供可能なトンネル絶縁体が望まれる。
【0009】
また、トンネル接合素子に於いて、トンネル接合界面での散乱が強いと好ましい素子特性が得られないことから、接合界面の状態は接合特性を大きく左右するといえる。
【0010】
従来のTMR膜においては、非磁性絶縁層としてAl23を用いてトンネル接合を構成するのが一般的である。このような非磁性絶縁層は、良好な絶縁特性を得るために、金属Al膜の自然酸化あるいはプラズマ酸化により作製される。
【0011】
しかしながら、上記の様な作製法では、非磁性層中に金属層と絶縁層とが混在してしまう可能性、および強磁性体層にも酸化がおよぶことにより不要な絶縁層が生成されてしまう可能性があり、これらの欠点はトンネル特性を劣化させてしまう要因となってしまう。
【0012】
また、トンネル接合素子の微細化にともなって要求されるトンネル接合素子の低抵抗化(あるいは低インピーダンス化)にとっても、非磁性絶縁層としてAl23を用いたトンネル接合では、トンネル接合抵抗を10Ωμm2以下に作製することは大変困難である。
【0013】
本発明は、上記のような課題を鑑みて成されたものであり、トンネル接合抵抗が低減され、且つ理想的なトンネル接合界面を有する磁気抵抗素子、磁気抵抗効果磁気ヘッド、磁気抵抗効果記憶素子およびこのような磁気抵抗効果記憶素子を行列状に配置した高密度磁気抵抗効果記憶デバイスを提供することを目的とする。
【0014】
(発明の開示)
本発明の磁気抵抗効果記憶素子は、第1強磁性膜と、第2強磁性膜と、上記第1強磁性膜と上記第2強磁性膜との間に形成された第1非磁性膜と、上記第1強磁性膜および上記第2強磁性膜の少なくとも一方を磁化反転させる磁界を発生し、上記第1強磁性膜および上記第2強磁性膜と電気的に接していない第1導電膜と、上記第1強磁性膜、上記第1非磁性膜および上記第2強磁性膜に電流を流す、第2導電膜および第3導電膜と、を備え、上記第1強磁性膜と上記第2強磁性膜とは、上記磁界に対する磁化反転の特性が異なり、上記第1非磁性膜が少なくとも窒化物を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
上記第1強磁性膜および上記第2強磁性膜の少なくとも一方が窒化物を含んでもよい。
【0016】
上記第1強磁性膜および上記第2強磁性膜の少なくとも一方が、FeおよびCoの内の少なくとも1つを主成分とする窒化物を含んでもよい。
【0017】
上記第2導電膜および第3導電膜の少なくとも一方が窒化物を含んでもよい。
【0018】
上記第2導電膜および第3導電膜の少なくとも一方がTiNを含んでもよい。
【0019】
上記第1非磁性膜の厚さが0.5nm〜4nmであってもよい。
【0020】
上記第1非磁性膜がAlNを含んでもよい。
【0021】
上記第1非磁性膜がBNを含んでもよい。
【0022】
上記第1非磁性膜がInNを含んでもよい。
【0023】
上記第1非磁性膜は、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、(O)を上記窒化物中に含まれる酸素元素とするとき、少なくともM−N−(O)を含んでもよい。
【0024】
上記第1非磁性膜は、非磁性金属を窒化させることにより形成されてもよい。
【0025】
上記第1非磁性膜が酸化物を更に含んでもよい。
【0026】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、上記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において非磁性金属を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程とを包含する。
【0027】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0028】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0029】
上記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、上記第1非磁性膜の粒界部においては主としてM−Oを含んでもよい。
【0030】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、上記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程とを包含する。
【0031】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0032】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0033】
上記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、上記第1非磁性膜内にM−Oが分散して含まれていてもよい。
【0034】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、上記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程とを包含する。
【0035】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0036】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0037】
上記第1非磁性膜が、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、Oを酸素元素とするとき、少なくとも1つのM−N膜と少なくとも1つのM−O膜とを含んでもよい。
【0038】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、上記少なくとも1つのM−N膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記少なくとも1つのM−O膜を、酸素雰囲気中において上記金属元素を酸化させることにより形成する第2の工程とを包含する。
【0039】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0040】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0041】
本発明のMRAMデバイスは、上記に記載の磁気抵抗効果記憶素子を複数個含み、複数の上記第1導電膜、複数の上記第2導電膜および複数の上記第3導電膜が、それぞれ所定の方向に配置される。
【0042】
本発明の磁気抵抗効果記憶素子は、複数の積層構造と、上記複数の積層構造の間にそれぞれ形成された少なくとも1つの第1の非磁性膜と、上記複数の積層構造に電流を流す第1の導電膜および第2の導電膜とを備える、磁気抵抗効果記憶素子であって、上記複数の積層構造のそれぞれが、第1強磁性膜と、第2強磁性膜と、上記第1強磁性膜と上記第2強磁性膜との間に形成された第2非磁性膜とを備え、上記第1強磁性膜と上記第2強磁性膜とは、上記磁界に対する磁化反転の特性が異なり、上記磁気抵抗効果記憶素子は、上記複数の積層構造に含まれる複数の上記第1強磁性膜および複数の上記第2強磁性膜の内の少なくとも1つを磁化反転させる磁界を発生し、上記複数の第1強磁性膜および上記複数の第2強磁性膜と電気的に接していない第3導電膜を更に備え、上記複数の積層構造に含まれる複数の上記第2非磁性膜の内の少なくとも1つが、少なくとも窒化物を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0043】
上記複数の第1強磁性膜のそれぞれの保磁力の大きさが、互いに異なっていてもよい。
【0044】
上記複数の第2強磁性膜のそれぞれの保磁力の大きさが、互いに異なっていてもよい。
【0045】
上記複数の第1強磁性膜および上記複数の第2強磁性膜の内の少なくとも1つが窒化物を含んでもよい。
【0046】
上記複数の第1強磁性膜および上記複数の第2強磁性膜の内の少なくとも1つが、FeおよびCoの内の少なくとも1つを主成分とする窒化物を含んでもよい。
【0047】
上記第1導電膜および上記第2導電膜の少なくとも一方が窒化物を含んでもよい。
【0048】
上記第1導電膜および第2導電膜の少なくとも一方がTiNを含んでもよい。
【0049】
上記複数の第2非磁性膜の少なくとも1つは、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、(O)を上記窒化物中に含まれる酸素元素とするとき、少なくともM−N−(O)を含んでもよい。
【0050】
上記複数の第2非磁性膜の少なくとも1つは、非磁性金属を窒化させることにより形成されてもよい。
【0051】
上記複数の第2非磁性膜の少なくとも1つは、酸化物を含んでもよい。
【0052】
本発明のMRAMデバイスは、上記に記載の磁気抵抗効果記憶素子を複数個含み、複数の上記第1導電膜、複数の上記第2導電膜および複数の上記第3導電膜が、それぞれ所定の方向に配置される。
【0053】
本発明の磁気抵抗効果素子は、第1強磁性膜と、第2強磁性膜と、上記第1強磁性膜と上記第2強磁性膜との間に形成された第1非磁性膜とを備え、上記第1強磁性膜と上記第2強磁性膜とは、上記磁界に対する磁化反転の特性が異なり、上記第1非磁性膜が少なくとも窒化物を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0054】
上記第1強磁性膜および上記第2強磁性膜の少なくとも一方が窒化物を含んでもよい。
【0055】
上記第1強磁性膜および上記第2強磁性膜の少なくとも一方が、FeおよびCoの内の少なくとも1つを主成分とする窒化物を含んでもよい。
【0056】
上記第1非磁性膜の厚さが0.5nm〜4nmであってもよい。
【0057】
上記第1非磁性膜がAlNを含んでもよい。
【0058】
上記第1非磁性膜がBNを含んでもよい。
【0059】
上記第1非磁性膜がInNを含んでもよい。
【0060】
上記第1非磁性膜は、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、(O)を上記窒化物中に含まれる酸素元素とするとき、少なくともM−N−(O)を含んでもよい。
【0061】
上記第1非磁性膜は、非磁性金属を窒化させることにより形成されてもよい。
【0062】
上記第1非磁性膜が酸化物を更に含んでもよい。
【0063】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、上記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において非磁性金属を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程とを包含する。
【0064】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0065】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0066】
上記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、上記第1非磁性膜の粒界部においては主としてM−Oを含んでもよい。
【0067】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、上記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程とを包含する。
【0068】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0069】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含する。
【0070】
上記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、上記第1非磁性膜内にM−Oが分散して含まれていてもよい。
【0071】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、上記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程とを包含する。
【0072】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0073】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0074】
上記第1非磁性膜が、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、Oを酸素元素とするとき、少なくとも1つのM−N膜と少なくとも1つのM−O膜とを含んでもよい。
【0075】
本発明の製造方法は、上記に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、上記少なくとも1つのM−N膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記少なくとも1つのM−O膜を、酸素雰囲気中において上記金属元素を酸化させることにより形成する第2の工程とを包含する。
【0076】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0077】
本発明の製造方法は、上記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、上記第2強磁性膜を形成する第4の工程とを更に包含してもよい。
【0078】
本発明の製造方法は、金属絶縁膜の製造方法であって、上記金属絶縁膜は少なくとも窒化物を含み、窒素雰囲気中において所定の金属を窒化させることにより窒化物を形成する第1の工程と、上記窒化物を、酸素雰囲気中において酸化させる第2の工程とを包含する。
【0079】
上記所定の金属元素は、Al、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素であってもよい。
【0080】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0081】
本発明の製造方法は、金属絶縁膜の製造方法であって、上記金属絶縁膜は、Mを所定の金属元素とし、Nを窒素元素とし、Oを酸素元素とするとき、少なくとも1つのM−N膜と少なくとも1つのM−O膜とを含み、上記少なくとも1つのM−N膜を、窒素雰囲気中において上記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、上記少なくとも1つのM−O膜を、酸素雰囲気中において上記金属元素を酸化させることにより形成する第2の工程とを包含する。
【0082】
上記所定の金属元素は、Al、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素であってもよい。
【0083】
上記第1の工程と上記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれてもよい。
【0084】
本発明は、非磁性絶縁層に窒素物を、あるいは磁性層も共に窒化物を用いることを特徴とし、トンネル接合抵抗が低減され、且つ理想的なトンネル接合界面を有する磁気抵抗素子、磁気抵抗効果磁気ヘッド、磁気抵抗効果記憶素子およびこのような磁気抵抗効果記憶素子を行列状に配置した高密度磁気抵抗効果記憶デバイスが提供される。
【0085】
特に、本発明においては、非磁性絶縁層を窒化物および酸化物の組み合わせにより構成する事により、窒化物非磁性絶縁層の有する低いトンネル接合抵抗のメリットを利用できる。また、作製条件のずれによって生じやすい非磁性層の窒化の不完全な部分を酸化させ、窒化の不完全な部分を高抵抗化させることで、リーク伝導路あるいはホッピング伝導路の出現を防ぐことができる。また、窒化と酸化を複数回繰り返して非磁性絶縁層を作製することにより、トンネル特性の制御性をより向上させる事ができる。
【0086】
本発明によれば、非磁性絶縁層にAl23単体を用いたトンネル接合抵抗と同等の低い接合抵抗を、より厚い非磁性絶縁層にて実現することができる。したがってMR素子の製造が容易になり、集積性が求められる記憶素子などにおける特性均一性に優位性を発揮することができる。
【0087】
(発明を実施するための最良の形態)
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1における磁気抵抗効果記憶素子1000の断面図を示す。
【0088】
磁気抵抗効果記憶素子1000は、硬質磁性膜を用いたスピンバルブ型(以下ではHMスピンバルブ型と呼ぶ)磁気抵抗効果記憶素子である。
【0089】
磁気抵抗効果記憶素子1000においては、硬質磁性膜110(第2の強磁性膜)と、非磁性絶縁膜120と、軟磁性膜130(第1の強磁性膜)とによりMR素子部100が形成される。軟磁性膜130は硬質磁性膜110よりも外部磁界に対して磁化回転し易い。MR素子部100は、センス線およびビット線を構成する導電膜140および150に接続される。また、ワード線を構成する導電膜170が絶縁膜160を介してMR素子部100上部に設けられている。
【0090】
本発明の説明において、図示される各磁性膜中に示される矢印は、各磁性膜のそれぞれの磁化方向の一例を示している。ただし、各磁性膜の磁化方向は、図示される方向に限定されず、様々な実施の形態において変化し得るものであり、また、書き込み動作および読み出し動作において変化し得る。
【0091】
磁気抵抗効果記憶素子1000においては、導電膜170(ワード線)を流れる電流によって発生する磁界により、硬質磁性膜110を磁化反転させ情報を書き込む。情報の読み出しは、硬質磁性膜110の磁化反転を起こさずに、軟磁性膜130のみを磁化反転させることにより行う。また、導電膜170のみでなく、導電膜140または150(センス線)にも電流を流して磁界を発生させても良い。この場合には、導電膜170と140(150)とにより構成されるそれぞれの配線は、直交する関係にあることが好ましい。
【0092】
このような書き込みおよび読み出し動作を行うことにより、磁気抵抗効果記憶素子1000は、非破壊読み取り(NDRO)が可能となる。また、この場合、磁化反転させるための磁界のしきい値として、硬質磁性膜110および軟磁性膜130のそれぞれの保磁力に対応する記録用しきい値Hhと読み出し用しきい値Hsの2つが必要となる。
【0093】
図2Aおよび図2Bに、HMスピンバルブ型である磁気抵抗効果記憶素子1000の動作原理を示す。磁気抵抗効果記憶素子1000への信号の記録は、図2Aに示すように、導電膜170に正のパルス電流501または負のパルス電流502を流し、硬質磁性膜110のHhを越える磁界を硬質磁性膜110に印加し、硬質磁性膜110を磁化反転させ、 硬質磁性膜110の磁化方向により“1”または“0”の信号を記録することにより行われる。
【0094】
記録された信号の読み出しは、導電膜140および150(図1)に定電流を流した状態で、導電膜170に弱電流パルスを流し、軟磁性膜130のHs以上、硬質磁性膜110のHh以下の磁界を発生させ、軟磁性膜130が磁化反転するか否かを判別することにより行われる。この場合、導電膜140および150を通じてモニターされたMR素子部100の抵抗値の変化により、“1”または“0”の記憶状態が識別される。
【0095】
例えば、図2Aに示される“1”および“0”の記憶状態において、正のパルス電流501と同様のパルス電流を導電膜170に流した場合は、記憶状態“1”の 磁気抵抗効果記憶素子1000に対しては抵抗値の変化はなく、また、記憶状態“0” の磁気抵抗効果記憶素子1000に対しては抵抗値が増加する。そして、反対に、負のパルス電流502と同様のパルス電流を導電膜170に流した場合は、抵抗値の変化は上記と逆になる。
【0096】
更に、図2Bに示すように正→負のパルスを組み合わせたパルス電流503(ただし、パルス電流503の大きさは、硬質磁性膜110の磁化反転を起こさず、軟磁性膜130のみを磁化反転させ得るものである)を流した場合、記憶状態が“1”の 磁気抵抗効果記憶素子1000に対しては、抵抗変化は零→正となるので、変化率(ΔR1/Δt)は正となり、反対に記憶状態が“0” の 磁気抵抗効果記憶素子1000に対しては、抵抗の変化率(ΔR1/Δt)は負になる。
【0097】
上記のような動作原理で、磁気抵抗効果記憶素子1000から信号の読み出しが可能となる。磁気抵抗効果記憶素子1000のようなHMスピンバルブ型記憶素子において特徴的なことは、硬質磁性膜110の磁化状態は読み出し中は不変であるので、NDROが可能となることである。
【0098】
なお、硬質磁性膜110の代わりに半硬質磁性膜が用いられても良い。
【0099】
また、硬質磁性膜110および軟磁性膜130とが逆に配置されていてもよい。特に、導電膜170を用いての磁界印加を効率的に行うためには、自由層として用いる軟質磁性膜130は、導電膜170に、より近接して配置するのが好ましい。
【0100】
また、本実施の形態では、定電流印加の下での抵抗値変化を電圧変化として検出する、いわゆる定電流モードの例を示しているが、定電圧印加の下での抵抗値変化を電流変化として検出する、いわゆる定電圧モードによる記録情報の検出を用いても良い。
【0101】
また、磁気抵抗効果記憶素子1000の構成は、磁気抵抗効果素子としても用いることができる。この場合は、磁気抵抗効果記憶素子1000の構成からなる磁気抵抗効果素子は磁気ヘッドとして用いられ得、記録媒体等から印加される磁界はMR素子部100によって感知される。また、磁気ヘッドとして用いられる場合は、導電膜170は設けられていなくても良い。
【0102】
(実施の形態2)
図3に本発明の実施の形態2における磁気抵抗効果記憶素子2000の断面図を示す。実施の形態1で示した磁気抵抗効果記憶素子1000と同一の構成要素については同一の参照符号で表し、これらについての詳細な説明は省略する。
【0103】
磁気抵抗効果記憶素子2000は、反強磁性膜を用いたスピンバルブ型(以下ではAFスピンバルブ型と呼ぶ)磁気抵抗効果記憶素子である。
【0104】
磁気抵抗効果記憶素子2000においては、反強磁性膜180と交換結合した強磁性膜190(第2の強磁性膜)と、非磁性絶縁膜120と、軟磁性膜130(第1の強磁性膜)とによりMR素子部101が形成され、センス線およびビット線を構成する導電膜141および150がMR素子部101に接続されている。軟磁性膜130は強磁性膜190よりも外部磁界に対して磁化回転し易い。
【0105】
強磁性膜190は、導電膜170(ワード線)を流れる電流によって発生する磁界では磁化反転せず、非磁性絶縁膜120を介して強磁性膜190と磁気的に分離された軟磁性膜130のみが磁化反転する。従って情報の書き込みと読み出しは軟磁性膜130の磁化反転によってのみ行われ、NDROは困難であるが、磁化反転させるための磁界のしきい値は一つで、動作原理はシンプルである。
【0106】
図4Aおよび図4Bに、AFスピンバルブ型記憶素子である磁気抵抗効果記憶素子2000の動作原理を示す。
【0107】
磁気抵抗効果記憶素子2000において、強磁性膜190は、反強磁性膜180と交換結合して、その磁化は一方向にピン止めされている。
【0108】
磁気抵抗効果記憶素子2000への信号の記録は、図4Aに示すように、導電膜170に正のパルス電流511または負のパルス電流512を流し、軟磁性膜130のHs以上の磁界を軟磁性膜130に印加し、軟磁性膜130を磁化反転させ、軟磁性膜130の磁化方向により“1”または“0”の信号を記録することにより行われる。
【0109】
記録された信号の読み出しは、導電膜141および150(図3)に定電流を流した状態で、導電膜170に正または負の弱電流パルスを流して軟磁性膜130のHs以上の磁界を発生させ、軟磁性膜130が磁化反転するか否かを判定することにより行われる。この場合、導電膜141および150を通じてモニターされたMR素子部101の抵抗値の変化により、“1”または“0”の記憶状態が識別される。
【0110】
例えば、図4Bに示される“1”および“0”の記憶状態において、正のパルス電流513(ただし、パルス電流513の大きさは、強磁性膜190の磁化反転を起こさず、軟磁性膜130のみを磁化反転させ得るものである)を導電膜170に流した場合は、記憶状態“1” の磁気抵抗効果記憶素子2000に対しては抵抗値の変化はない(ΔR2=0)。また、正のパルス電流513を導電膜170に流した場合、記憶状態“0” の磁気抵抗効果記憶素子2000に対しては抵抗値が変化する(ΔR2≠0)。そして、反対に負のパルス電流(図示せず)を導電膜170に流した場合は、抵抗値の変化は上記と逆になる。
【0111】
上記のような動作原理で、磁気抵抗効果記憶素子2000からの信号の読み出しが可能となる。磁気抵抗効果記憶素子2000のようなAFスピンバルブ型記憶素子においては、信号の読み出し時に記録された信号が破壊されるので、NDROは困難である。
【0112】
しかし、磁気抵抗効果記憶素子2000のようなAFスピンバルブ型記憶素子においてもNDROは可能である。具体的には、図4Cに示すように、MR素子部101の抵抗値と参照抵抗R1との差ΔR3を検出する方法により信号を読み出せば、導電膜170にパルス電流を流すことなく、記憶状態“1”または“0”を読み出すことができる。この場合は、信号の読み出し時に記録された信号が破壊されないので、NDROが可能である。このとき用いる参照抵抗R1の抵抗値は、比較するMR素子部の抵抗値変化の範囲内の値であることが好ましく、磁気抵抗効果記憶素子が集積される場合は、磁気抵抗効果記憶素子の一つを参照抵抗R1として用いることが好ましい。
【0113】
なお、反強磁性膜180の代わりに磁化回転抑制層が用いられても良い。
【0114】
また、強磁性膜190と反強磁性膜180とを組み合わせた積層構造と、軟磁性膜130とが逆に配置されていてもよい。
【0115】
また、実施の形態1と同様に、磁気抵抗効果記憶素子2000の構成は、磁気抵抗効果素子としても用いることができる。
【0116】
実施の形態1および本実施の形態で示された硬質磁性膜110(図1)および強磁性膜190(図3)は、磁気抵抗効果素子の固定層にあたる。硬質磁性膜110および強磁性膜190として用いられる金属磁性膜としては、Co、FeまたはCo−Fe、Ni−Fe、Ni−Fe−Co合金等の材料が優れている。特に、Co、FeまたはCo−Fe合金が大きなMR比を得るのに良いので、非磁性膜120との界面にはCo、FeまたはCo−Fe合金を用いることが望ましい。
【0117】
また、更に非磁性層120には窒化物の絶縁体を用いることが好ましい。このとき、界面性を良好にするためには、硬質磁性膜110および強磁性膜190もCo、FeまたはCo−Feの窒化物であることが、より好ましい。
【0118】
また、更に、XMnSb(XはNi、Pt、Pd、Cuのうちの少なくとも一つから選ばれるのが好ましい。)は、高い磁性分極率を有するため、MR素子を構成した際、大きなMR比が得られる。
【0119】
硬質磁性膜110および強磁性膜190として用いられる酸化物磁性膜としては、MFe24(MはFe,Co,Niから選ばれる1種もしくは2種以上の元素)が好ましい。これらは比較的高温まで強磁性を示し、Fe−richに比べCo,Ni−richは極めて抵抗値が高い。また、Co−richは磁気異方性が大きいという特性があるので、これらの組成比の調整により所望の特性の硬質磁性膜110および強磁性膜190が得られる。
【0120】
なお、軟質磁性膜130の全体の膜厚は1nm以上10nm以下が好ましい。膜厚が厚いとシャント効果でMR比が低下するが、薄すぎると軟磁性特性が劣化する。より望ましくは2nm以上7nm以下がよい。
【0121】
更に、強磁性膜190に接する反強磁性膜180として用いられる磁化回転抑制層としては、金属層として不規則合金系のIr−Mn,Rh−Mn,Ru−Mn,Cr−Pt−Mn等があり、磁界中で成膜することにより強磁性膜190と交換結合させることができ、工程が簡便となる利点がある。一方、規則合金系のNi−Mn,Pt−(Pd)−Mn等は規則化のための熱処理が必要であるが、熱的安定性に優れており、特にPt−Mnが好ましい。また酸化物膜としては、a−Fe23やNiO、あるいはLTO3(LはCeを除く希土類元素を示し、TはFe、Cr、Mn、Coを示す。)を用いることが好ましい。導電率の低いこのような材料を用いる場合には、図3に示すように導体141は、強磁性膜190と直接コンタクトが取れるように配するのが好ましい。
【0122】
実施の形態1および本実施の形態で示された軟質磁性膜130は、磁気抵抗効果素子の自由層にあたる。軟質磁性膜130として、CoまたはCo−Fe、Ni−Fe、Ni−Co−Fe合金等の材料が優れている。特に、軟質磁性膜130として、Ni−Co−Fe膜を用いる場合には、
Nix CoyFez
0.6≦x≦0.9
0≦y≦0.4
0≦z≦0.3
の原子組成比のNi−richの軟磁性膜、もしくは、
Nix Co y Fez
【0123】
0≦x’≦0.4
0.2≦y’≦ 0.95
0≦z’≦ 0.5
のCo−rich膜を用いるのが望ましい。
【0124】
これらの組成膜はセンサーやMRヘッド用として要求される低磁歪特性(1×10-5)を有する。
【0125】
(実施の形態3)
図5A、図5Bおよび図5Cに本発明の実施の形態3におけるMRAMデバイス3000を示す。図5Aは、MRAMデバイス3000の上面図であり、図5Bは、MRAMデバイス3000の一部分を示す斜視図である。実施の形態1および2で示した磁気抵抗効果記憶素子1000および2000と同一の構成要素については同一の参照符号で表し、これらについての詳細な説明は省略する。ここでは、MR素子部100(101)は、角柱形状にて表しているが、実施の形態に応じて円柱状(または楕円柱状)、円すい台形状または角すい台形状にて実現され得る。またMR素子部100(101)における面内形状は、形状異方性をつける上で、平面方向の幅をW1、長さをL1として表すと、L1>W1にて実現されることが好ましい。
【0126】
また、導電膜170によるMR素子部100(101)への効率的な磁界印加を実現させるための、より好ましい導電膜170の断面形状を図5Cに示す。図5Cにおける角度hおよびh’(導電膜170の角型形状の内の少なくとも1つの角における角度を表す)が鋭角であることが好ましい。導電膜170の断面形状において、角度hおよびh’は、MR素子部100(101)と対向する一辺と成される内角である。
【0127】
導電膜170の断面形状を図5Cに示されるような形状とすることは、導電膜170を一様に流れる電流において、MR素子部100(101)に近接する部分に流れる電流分を実効的に増加させることができるので、効果的にMR素子部100(101)に磁界印加が行える上で好ましい。このような形状は、MRAMデバイス3000の微細化に伴って、導電膜170の断面形状のアスペクト比(幅/厚み)が低下する際には特に好ましい。
【0128】
この様に磁界印加を効率良く行う場合には、MR素子部100(101)内の自由層は、導電膜170に、より近接するように配置するのが好ましい。この様な配置にすることにより、直交して配置された導電膜170とセンス線150にての合成磁界を用いる際にも、MRAMデバイスとしてのMR素子選択の動作マージンが取りやすく好ましい。このことは、導電膜170にて発生させる磁界とセンス線150にて発生させる磁界とが動作点にて1対1となることが最も磁化回転のための磁界が少なくて済むことに依っている。
【0129】
MRAMデバイス3000は、実施の形態1および2で示した磁気抵抗効果記憶素子1000または2000を行列状に配置することにより構成される。磁気抵抗効果記憶素子1000および2000は共に、上述のCPPMR素子である。
【0130】
図5AおよびBに示すように、CPPMR素子を用いたMRAMにおいては、各磁気抵抗効果記憶素子は互いに並列につながれるため、磁気抵抗効果記憶素子の個数Nが増加してもS/N比はほとんど低下しない。
【0131】
図6Aに、本発明の実施の形態の他の局面として、磁気抵抗効果記憶素子1001の断面図を示す。
【0132】
磁気抵抗効果記憶素子1001においては、硬質磁性膜111と、非磁性導電膜121と、軟磁性膜131とによりMR素子部102が形成されている。MR素子部102は、センス線およびビット線を構成する導電膜142および143に接合される。また、ワード線を構成する導電膜171が絶縁膜161を介してMR素子部102上部に設けられている。このような図6Aに示される構成の磁気抵抗効果記憶素子1001は、CIPMR素子である。
【0133】
図6Bに示すように、CIPMR素子型の磁気抵抗効果記憶素子1001を行列状に配置してMRAMデバイス3001が構成される。このとき、各磁気抵抗効果記憶素子は互いに直列につながれることとなる。このように、各磁気抵抗効果記憶素子が互いに直列につながれた場合、磁気抵抗効果記憶素子の個数Nが多くなると、一個の素子が示すMR比は同じでも、MRAM全体としてのS/N比は低下すると考えられる。
【0134】
なお、図示される本発明の実施の形態全体の大部分において、MR素子部がセンス線およびワード線等の配線部よりも大きく表記されている。図5および図6においてもそのように表記されている。しかし、これは本発明の実施の形態を分かり易く説明するためのもので、MR素子部と配線部との大小関係は、上記に限定されない。また、MR素子部に効率的な磁界印加を行うには、配線部がMR素子部を覆うような大小関係であることが好ましい。
【0135】
上述のMRAMデバイス3000および3001は磁気を活用する記憶素子であるので、電荷の蓄積を活用する半導体記憶素子のDRAMとは異なり不揮発性である。また、半導体のフラッシュ型記憶素子とは異なり、書き込み/読み出し回数が原理的には無制限であり、且つ、書き込み/消去時間もnsのオーダーで早いのが特徴である。
【0136】
1つの磁気抵抗効果記憶素子についての動作原理については、実施の形態1および2で既に述べたとおりである。ところで、実際にMRAMデバイスを構成する場合は、図5A、図5Bおよび図6Bに示したように、これら磁気抵抗効果記憶素子を行列状に配置する必要がある。その場合は、ワード線が行列状に配置され、各ワード線の交差点に隣接してMR素子部が設けられる。なお、図5A、図5Bおよび図6Bに示されるワード線(導電膜170または171)は、図1、図3および図6Aとの対比のため、行または列の一方向にしか記載されていない。行列状に配置されたワード線については、後述の実施の形態において更に詳しく述べる。
【0137】
このとき選択された(N、M)番地のMR素子部に隣接して交差する2本のワード線によって発生した磁界が、そのMR素子部に印加される。また、このとき、2本のワード線の内の1本をセンス線(またはビット線)で代用させてもよい。
【0138】
図1に示される磁気抵抗効果記憶素子1000を用いてMRAMデバイスを構成する場合は、上記2本のワード線による合成磁界が、硬質磁性膜のアステロイド型曲線にて表されるスウィッチング磁界の値を越えれば情報の書き込みがなされる。また、その磁界の値を越えずに、軟磁性膜のスウィッチング磁界の値を越えれば情報の非破壊読み出しが所望の記憶素子について行われる。
【0139】
また、図3に示される磁気抵抗効果記憶素子2000の場合も、合成磁界で軟磁性膜を磁化反転させて情報を書き込む点では基本的には同様である。また、これらの記憶素子の情報の読み出しに関しては、(N、M)番地の素子に隣接する2本のワード線(あるいはワード線とセンス線)に電流パルスを流し、同じく(N、M)番地の素子に接続されたセンス線およびビット線を通じてモニターされた抵抗変化により、(N、M)番地の素子部の情報を読み出すことが可能である。
【0140】
また、実施の形態2の図4Cで説明したように、MR素子部の抵抗値と参照抵抗との比較を行えば、(N、M)番地のMR素子部の情報の読み出しをNDROとすることが可能である。
【0141】
さらに、ワード線群とセンス線群に、トランジスタのようなスウィッチング素子をそれぞれ配置し、番地指定の信号により、N行とM列のワード線とN行M列のセンス線(ビット線)を選択して、(N、M)番地の記憶素子を選択することができる。
【0142】
また、他経路を介した信号パルスの流入や信号パルスの高速化に伴う高調波成分の逆戻りを防止し、信号パルスを効率よく伝送するために、各記憶素子に整流作用を有する非線形且つ非対称な電気特性を有する素子または半導体材料を配することが望ましい。非線形且つ非対称な電気特性を有する素子としては、例えばダイオードおよびトランジスタが挙げられる。なかでも高速なパルス応答に対応するために、これらのトランジスタとしてMOS型トランジスタを用いることが好ましい。それにより、行列状に配置された磁気抵抗効果記憶素子の選択性が向上する。
【0143】
この場合、図7に示される磁気抵抗効果記憶素子3100のように、MR素子部100と直列に、整流作用を有する非線形且つ非対称な電気特性を有する素子(以下非線形素子と称す)70を配することが望ましい。図7ではMR素子部100の下部に非線形素子70を配しているが、もちろん上部に配しても構わない。
【0144】
このような非線形素子70として、金属(M)−絶縁体(I)−半導体(S)のM−I−S接合構造の素子、あるいは、P型半導体−N型半導体のP−N接合や、P型半導体−絶縁体(I)−N型半導体のP−I−N接合等により構成される素子が好ましい。
【0145】
また、一般にMR素子の特性には熱処理温度依存性があり、一部の材料においては、約400℃以上においてはMR特性が得られにくくなることが知られている。そこで、本発明においては、MR素子部100の成膜後に非線形素子70を作製する場合においては、非線形素子70の材料としてa−Si(アモルファスシリコン)等の約300℃以下で作製可能な材料を用いるのが好ましい。
【0146】
また、記憶素子の高密度化に伴って、ワード線によって発生させる磁界の、選択するMR素子部以外の場所への漏れ磁界の問題が大きくなってくる。これら漏れ磁界による選択されたMR素子部以外への干渉効果を低減させるために、(N、M)番地に対して磁界を発生する1組のワード線のみに電流パルスを流すだけでなく、その両端あるいは隣り合う少なくとも1本あるいは1組以上のワード線にも電流パルスを流し、発生する漏れ磁界を打ち消して、その影響を低減させることが好ましい。
【0147】
また、本発明の磁気抵抗効果ヘッドは、図20Aおよび図20Bに示されるように構成される。また、図21Aおよび図21Bは、本発明の磁気抵抗効果ヘッド(記録再生分離型ヘッドで有り得る)を備えたハードディスク装置を示す。磁気抵抗効果素子シールド層602および603(図20A)で挟まれた部分が再生ヘッドとして働き、コイル607を挟む記録磁極605および606の部分が記録ヘッドとして働くように構成されている。本発明によれば、磁気抵抗効果素子のMR特性の向上によって、高性能かつ高密度記録に対応した磁気抵抗効果ヘッドを提供することができる。磁気抵抗効果ヘッドの更に詳しい説明については後述の本発明の実施の形態14において述べる。
【0148】
(実施の形態4)
図8A〜図8Dに、本発明の実施の形態4における磁気抵抗効果記憶素子4000の断面図を示す。
【0149】
磁気抵抗効果記憶素子4000においては、MR素子部200が、硬質磁性膜112、113および114と、軟磁性膜132、133および134と、非磁性絶縁膜122、123および124と、非磁性膜222および223とにより形成される。また、ワード線を構成する導電膜172が絶縁膜162を介してMR素子部200上部に設けられている。
【0150】
MR素子部200は、軟磁性膜/非磁性絶縁膜/硬質磁性膜というパターンからなる構造を非磁性膜を介して複数回積層した構造となっている。磁気抵抗効果記憶素子4000においては、積層数は3回となっている。なお、積層数は任意の回数が設定される。
【0151】
本実施の形態では、硬質磁性膜112、113および114として保磁力がそれぞれ異なるものを用い、その結果、記録時の磁界のしきい値が複数個存在するので、1つの磁気抵抗効果記憶素子4000に多値記憶をさせることが可能である。各硬質磁性膜112、113および114の保磁力を変化させるには、それぞれの組成を変化させても良いし、それぞれの膜厚を変えても良い。この場合、図8Aに示すように、MR素子部200の抵抗値と参照抵抗R2との差ΔR4を検出する方法を用いて信号を読み出すことにより、多値記憶されたそれぞれの信号(例えば“0”、“1”、“2”および“3”等)を読み出すことができる。
【0152】
磁気抵抗効果記憶素子4000の積層数は3回であり、図8A〜図8Dに示されるように、MR素子部200の磁化方向パターンは4パターンあるので、1つの磁気抵抗効果記憶素子4000に4つの値(“0”、“1”、“2”および“3”)を記憶させることができる。
【0153】
磁気抵抗効果記憶素子4000においては、導電膜172を流れるパルス電流521、522および523によって発生する磁界により、硬質磁性膜112、113および114を磁化反転させ、信号を書き込む。本実施の形態では、硬質磁性膜112の保磁力が一番小さく、硬質磁性膜114の保磁力が一番大きい。このとき、導電膜172を流れるパルス電流の大きさを調整することにより、硬質磁性膜112、113および114の内の磁化反転させる硬質磁性膜を選択することができる。図8A〜図8Dに示される本実施の形態では、図8Aから図8Dに移るに連れて、導電膜172を流れるパルス電流の値が順に大きくなっている。図8Aにおいて導電膜172を流れるパルス電流520の値は、図8Bにおけるパルス電流521の値よりも更に小さい。図8Aでは何れの硬質磁性膜も磁化反転せず、図8Dでは全ての硬質磁性膜が磁化反転している。
【0154】
読み出しは、上述のように、MR素子部200の抵抗値と参照抵抗R2との差ΔR4を検出する方法を用いて信号を読み出す。
【0155】
また、読み出しにおいては、導電膜172に電流を流し、MR素子部200の抵抗値の変化を読み出すことにより行っても良い。この場合、MR素子部200の抵抗値の変化は、例えば参照抵抗R2の抵抗値との比較により検出され得る。
【0156】
また、軟磁性膜132、133および134においても保磁力がそれぞれ異なるものを用いても良い。この場合、導電膜172を流れるパルス電流の大きさを更に精密に調整し、軟磁性膜132、133および134の内で、磁化反転する軟磁性膜と磁化反転しない軟磁性膜とを設定することにより、1つの磁気抵抗効果記憶素子4000に更に多くの信号を記憶させることができる。また、この場合の信号の読み出しは、上述のように、MR素子部200の抵抗値と参照抵抗R2との差ΔR4を検出する方法を用いて信号を読み出すのが好ましい。
【0157】
また、全ての硬質磁性膜の磁化方向を固定し、本発明の実施の形態2で示したように、軟磁性膜のみを磁化反転させて信号を記憶させても良い。
【0158】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5として、実施の形態1で示した磁気抵抗効果記憶素子1000の作製方法を示す。
【0159】
図1を参照して、スパッタリングのターゲットとしてNi0.68Co0.2Fe0.12(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Co0.75Pt0.25(硬質磁性膜110用)を用い(組成は全て原子比)、多元スパッタ装置により基板(図示せず)上に、図1に示されたようなサンドイッチタイプのMR素子部100を作製した。MR素子部100の基本構成は、CoNiFe(15)/AlN(1)/CoPt(10)である(このような構成要素の説明において、カッコ内は厚さ(nm)を表し、“/”は、各構成物質同士の組み合わせを表す)。なお各膜厚はシャッターで制御した。
【0160】
非磁性絶縁膜120として用いられる窒化物NMであるAlNは、(N2+(Ar))雰囲気中でAlをスパッタ成膜することにより作製した。
【0161】
硬質磁性膜110のCoPtを着磁し、素子のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比は26%であった。Hcで表されるMRが生じる磁界幅は5 Oe〜100 Oeであった。このときのトンネル接合面積は、およそ1平方マイクロメートルであった。このときのトンネル接合のインピーダンスは約25Ωであった。さらに、トンネル接合のインピーダンスは成膜条件を変更することにより、数Ωから数百Ωの範囲で制御可能なことがわかった。上記のようにして作製されたMR素子部100を用いて、図1に示したような磁気抵抗効果記憶素子1000を作製した。センス線およびビット線用の導電膜140および150にはPtまたはAuを用い、ワード線用の導電膜170にはAl、AuCr、Ti/AuまたはCu/Taを用いた。MR素子部100と導電膜170との絶縁にはCaF2、SiO2またはSi34を用いた。
【0162】
上記のような方法で作製された磁気抵抗効果記憶素子1000の動作を以下のように確認した。
【0163】
まず、図9Aに示すようなパルス電流531を導電膜170(ワード線)に流して硬質磁性膜110を一方向に磁化した。次に、やはり導電膜170に、図9B上側のグラフに示すようなパルス電流532を流し、導電膜140および150(センス線およびビット線)を通じて測定した記憶素子の電圧変化(ΔR5/Δt)をモニターした。電圧変化(ΔR5/Δt)の結果は、図9Bの下側のグラフに示すように記憶情報に応じたパルス533が検出され、所望の磁気抵抗効果記憶素子1000が実現できたことが分かった。
【0164】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6として、実施の形態2で示した磁気抵抗効果記憶素子2000の作製方法を示す。
【0165】
上述の実施の形態5と同様の方法で、図3に示すような磁気抵抗効果記憶素子2000を作製した。
【0166】
ターゲットにNi0.1Fe2.94(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Ni0.2Fe2.84(強磁性膜190用)、IrMn(反強磁性膜180としての磁化回転抑制層用)を用いて、
Ni0.1Fe2.94 (15)/AlN(1.2)/ Ni0.2Fe2.84 (5)/IrMn(25) の基本構成部分を持つMR素子部101を作製した。なお、AlNは上述の実施の形態5で示した方法を用いて作製した。
【0167】
MR素子部101のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比はおよそ24%であった。このときのトンネル接合面積は、およそ1平方マイクロメートルであった。
【0168】
導電膜141および150にはAuを用い、導電膜170にはAuCrを用いた。MR素子部101と導電膜170との絶縁にはSiO2を用いている。なお、本実施の形態では絶縁にSiO2を用いたが、CaF2またはAl23も用いられ得、あるいはSi34が用いられても良い。
【0169】
上記のような方法で作製された磁気抵抗効果記憶素子2000の動作を以下のように確認した。
【0170】
まず、図10Aに示すようなパルス電流541を導電膜170に流して軟質磁性膜130を一方向に磁化した。次に、やはり導電膜170に、図10B上側のグラフに示すようなパルス電流542を流し、導電膜141および150を通じて測定した記憶素子の電圧変化(ΔV1)をモニターした。電圧変化(ΔV1)の結果は、図10B下側のグラフに示すように、記憶情報に応じた電圧変化543として検出でき、所望の磁気抵抗効果記憶素子2000が実現できたことが分かった。
【0171】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7として、実施の形態2で示した磁気抵抗効果記憶素子2000の作製方法を示す。
【0172】
上述の実施の形態6と同様の方法で、図3に示すような磁気抵抗効果記憶素子2000を作製した。
【0173】
ターゲットにNi0.8Fe0.2(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Co0.75Fe0.25(強磁性膜190用)、IrMn(反強磁性膜180としての磁化回転抑制層用)を用いて、
Ni0.8Fe0.2 (10)/AlN(d)/ Co0.75Fe0.25 (5)/IrMn(20) の基本構成部分を持つMR素子部101を作製した。なお、AlNは上述の実施の形態5で示した方法を用いて作製した。
【0174】
図11に、本実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子2000の作製方法のフローチャートを示す。本実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子2000の作製方法では、軟質磁性膜130が形成され(S11)、窒素雰囲気中において非磁性金属を窒化させることにより非磁性絶縁膜120が形成される(S12)。さらに、非磁性絶縁膜120を、酸素雰囲気中で酸化させ(S13)、必要に応じてこれらの窒化工程と酸化工程とを複数回繰り返す(S14)。さらに、強磁性膜190および反強磁性膜180が形成され(S15)、センス線およびビット線(導電膜141および150)およびワード線(導電膜170)がそれぞれ形成される(S16)。なお、これらの各構成要素の作製される順番は、実施の形態に応じて任意に入れ替わる。例えば、軟質磁性膜130の形成より前に強磁性膜190および反強磁性膜180が形成されてもよい。また、センス線またはビット線(導電膜141または150)は軟質磁性膜130の形成より前に形成され得る。
【0175】
作製されたMR素子部101のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、図12Aに示すような振る舞いを示した。図12Aおよび図12Bにおいて、R0は非磁性絶縁膜120の膜厚d1が1.2nmにおける規格化界面抵抗値[Ωμm2]を示す。■は非磁性絶縁膜120の比抵抗(R/R0)を、□はMR比(%)を示す。
【0176】
図12Aより、本実施の形態により、制御性良く非磁性絶縁膜120を作製し、所望の磁気抵抗効果記憶素子2000が実現できることが分かった。また、非磁性絶縁膜120の薄い場合には、リーク伝導路の出現と考えられる比抵抗の振る舞いが見られる。そこで、実施の形態5で示した方法で作製した非磁性絶縁膜120(すなわち窒化物膜)に対して、さらに酸素雰囲気中で熱処理を加える(S13)ことにより、図12Bに示すような非磁性絶縁膜120の特性変化が得られた。このことにより、非磁性絶縁膜120を所望の特性を有するように作製することができた。膜厚dが1nmを越える場合には、本実施の形態で示すAlNの成膜とその後の酸化工程とを交互に複数回繰り返して非磁性絶縁膜120を作製する(S14)ことにより、特性の再現性や一様性が向上することが分かった。従って、本実施の形態の非磁性絶縁膜120の作製方法に依れば、窒化物非磁性膜を用いたトンネル接合を簡便かつ特性良く提供することができる。
【0177】
また、このような窒化物非磁性絶縁膜の作製方法は、MR素子の絶縁膜の作製方法としてのみ適用されるのみならず、絶縁膜を備える任意の半導体素子の作製方法として用いることが出来る。
【0178】
このような特性の向上は、図13Aに示すような窒化物膜400に含まれ、主として粒界部分に現れやすい絶縁性の不完全な部分405を酸化させ、酸化物部分415とすることによって窒化物膜410全体の絶縁性を向上させることができるためである。
【0179】
あるいは、図13Bに示すような窒化物膜420に分散して含まれる、窒化の不完全な部分425が存在する場合、それらを経由してホッピング的に伝導するリーク路が出現する。この場合、窒化の不完全な部分425を酸化させ、酸化物部分435とすることによって窒化物膜430全体の絶縁性を向上させることができる。
【0180】
結果として、窒化物膜410および430内に作製された酸化物部分415および435は高い絶縁性を有し、窒化物膜410および430の大半を占める窒化物がトンネル接合抵抗特性を支配するため、所望のMR素子を提供することができる。本実施の形態に依れば、結果として提供される非磁性絶縁膜はAl−N−(O)にて構成される。ここで、Nを窒素元素、(O)は窒化物膜に含まれる酸素元素とする。また、Alの替わりにBまたはIn等の導電性金属が用いられ得る。
【0181】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8として、実施の形態2で示した磁気抵抗効果記憶素子2000の作製方法を示す。
【0182】
上述の実施の形態6と同様の方法で、図3に示すような磁気抵抗効果記憶素子2000を作製した。
【0183】
ターゲットにNi0.8Fe0.2(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Co0.75Fe0.25(強磁性膜190用)、PtMn(反強磁性膜180としての磁化回転抑制層用)を用いて、
Ni0.8Fe0.2 (10)/(Al−N(d)/Al−O(D))n/Co0.75Fe0.25 (5)/PtMn(20) の基本構成部分を持つMR素子部101を作製した。ここで、dは窒化物膜の厚み、Dは酸化物膜の厚み、nは窒化物膜および酸化物膜の積層回数を示す。
【0184】
図14に、本実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子2000の作製方法のフローチャートを示す。本実施の形態では、トンネル接合抵抗特性の更なる制御性の向上を目指すため、上記の構成でMR素子部101を作製した。軟質磁性膜130を形成(S21)し、非磁性絶縁膜120として図15Aに示すような窒化物膜441を実施の形態5の方法でまず作製し(S22)、次いで、窒化物膜441上に酸化物膜442としてAl−Oを成膜させた(S23)。この場合、酸化物膜442はAlをスパッタ成膜した後に真空槽内自然酸化を行って作製した。この方法が最も制御性が良かったが、Al金属のプラズマ酸化による方法あるいはAl23体を直接積層する方法によっても、もちろん酸化物膜442は作製可能である。
【0185】
本実施の形態において、非磁性絶縁膜120を1nm以上の厚みに設定した場合には、nが2以上の回数として窒化物膜441および酸化物膜442を多数回積層して非磁性絶縁膜120を作製した(S24)。この場合、dの値を0.3−1nm、Dの値を0.2−0.5として非磁性絶縁膜120の作製を行った。
【0186】
次に、強磁性膜190および反強磁性膜180を形成し(S25)、センス線およびビット線(導電膜141および150)およびワード線(導電膜170)をそれぞれ形成した(S26)。なお、これらの各構成要素の作製される順番は、実施の形態に応じて任意に入れ替わる。例えば、軟質磁性膜130の形成より前に強磁性膜190および反強磁性膜180が形成されてもよい。また、ビット線またはセンス線(導電膜141または150)は軟質磁性膜130の形成より前に形成され得る。また、窒化物膜441の形成より前に酸化物膜442が形成されてもよい。
【0187】
非磁性絶縁膜120の上面および下面の両表面は、図15Aにおいては酸化物膜442および窒化物膜441にて構成されている。図3を参照して、このとき、非磁性絶縁膜120の上下に配する軟質磁性膜130および強磁性膜190の何れか一方が窒化物である場合には、窒化物である方に窒化物膜441を配する方が清浄な接合界面が得られる上で好ましい。また、非磁性絶縁膜の上下に配する軟質磁性膜130および強磁性膜190がいずれも窒化物である場合には、図15Bに示すように非磁性絶縁膜120を構成するのが好ましい。また、図15Cに示すように、多数回の積層構造にて非磁性絶縁膜120を作製する場合にも、上下に配する軟質磁性膜130および強磁性膜190の種類に応じて非磁性絶縁膜120の両表面に位置する膜の種類を選択するのが好ましい。
【0188】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9として、実施の形態3で示した磁気抵抗効果記憶素子3100を基本とした磁気抵抗効果記憶素子3101の作製方法を示す。
【0189】
図7を参照して、非線形素子70として、基板上にP−I−N型接合の薄膜を作製した。P−I−N薄膜の作製は約180〜約260℃で行った(典型的には約220℃)。P層、I層、N層の厚さは、それぞれ、30〜50nm、300〜400nm、30〜50nmで作製し、素子形状に加工を行った。作製された非線形素子70上に、上述の実施の形態5と同様の方法で、MR素子部100を作製し、図7に示すような磁気抵抗効果記憶素子3100を作製した。
【0190】
ターゲットにNi0.1Fe2.94(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Fe162(強磁性膜110用)を用いて、
Ni0.1Fe2.94 (15)/AlN(1.2)/ Fe162 (10)の基本構成部分を持つMR素子部100を作製した。なお、AlNは上述の実施の形態5で示した方法を用いて作製した。
【0191】
なお、AlNとFe162との界面を観察したところ、界面状態は大変に平滑で、良好な界面性を実現していることがわかった。このことは、AlNとFe162の両者が窒化物同士であり、接合の相性が良いことを反映したものであるといえる。
【0192】
磁気抵抗効果記憶素子3100を基本として、図16Aに示すように作製された磁気抵抗効果記憶素子3101を作製した。
【0193】
図16Aに示す磁気抵抗効果記憶素子3101おいては、基板10上に、MR素子部100と非線形素子70とが形成されている。非線形素子70はP層11、I層12およびN層13によって構成されている。さらに、磁気抵抗効果記憶素子3101は、MR素子部100と非線形素子70とを電気的に接続するためおよびそれらと外部とを電気的に接続するために、導電膜140、150および151とコンタクト層15とを備えている。さらに磁気抵抗効果記憶素子3101は、絶縁層14を備えている。
【0194】
作製された図16Aに示されるような磁気抵抗効果記憶素子3101のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比はおよそ28%であった。このときのトンネル接合面積はおよそ1平方マイクロメートルであり、トンネル接合インピーダンスは約20Ωであった。
【0195】
また、導電膜140、150および151にはAuを用い、導電膜170にはAuCrを用いた。MR素子部100と導電膜170との絶縁にはプラズマCVD法により作製したSiO2あるいはSi34を用いた。
【0196】
上記のような方法で作製された磁気抵抗効果記憶素子3101の動作を以下のように確認した。
【0197】
まず、図9Aに示すようなパルス電流531を導電膜170(ワード線)に流して硬質磁性膜110を一方向に磁化した。次に、やはり導電膜170に、図9B上側のグラフに示すようなパルス電流532を流し、導電膜140および150(センス線およびビット線)を通じて測定した記憶素子の電圧変化(ΔR5/Δt)をモニターした。電圧変化(ΔR5/Δt)の結果は、図9Bの下側のグラフに示すように記憶情報に応じたパルス533が検出され、非磁性膜に絶縁体を用いた所望の磁気抵抗効果記憶素子3101が実現できたことが分かった。
【0198】
また、非線形素子70としては、後述の実施の形態10で説明するM−I−S型接合の非線形素子が用いられてもよい。非線形素子70としては、非線形性の電流−電圧特性を示す任意の素子が用いられ得る。また、MR素子部100の代わりにMR素子部101(図3)が配置されてもよい。
【0199】
なお、本実施の形態では、強磁性膜110を構成する窒化物としてFe162を用いたが、FeNx (0.1≦x≦0.5)、あるいはFeMNy (0.5≦y≦1.0)(ただし、ここでのMはTa、Al、Ni、PtおよびCoの何れか示す。)を用いても、所望の素子動作が確認された。また、非磁性絶縁膜120を構成する窒化物としてAlNを用いたが、その他の窒化物についても、同様の特性が確認されている。それらの結果について、表1にまとめて記載する。
【0200】
【表1】
Figure 0003693247
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10として、実施の形態3で示した磁気抵抗効果記憶素子3100(図7)を基本とした磁気抵抗効果記憶素子3102の作製方法を示す。
【0201】
上述の実施の形態9と同様の方法で、図16Bに示すような磁気抵抗効果記憶素子3102を作製した。
【0202】
ターゲットにFe162(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Fe162(強磁性膜190用)、IrMn(反強磁性膜180としての磁化回転抑制層用)を用いて、
Fe162 (10)/AlN(1.8)/ Fe162 (5)/IrMn(25) の基本構成部分を持つMR素子部101を作製した。
【0203】
なお、AlNはECR(電子サイクロトロン共鳴)を用いたプラズマ窒化により作製した。更に、このMR素子部101上にAlまたはCrまたはTiを用いてコンタクト層19を成膜し、コンタクト層19上にa−Siを用いてM−I−S型接合の非線形素子71を作製した。Si膜(S層)18、絶縁膜(I層)17は、それぞれ、約50nm、約100〜約200nmの厚さで作製した。金属膜(M層)16はセンス線(またはビット線)として用いられる。非線形素子71の作製は約180℃〜約260℃の温度範囲で行った(典型的には約220℃)。
【0204】
なお、AlNとFe162との界面を観察したところ、界面状態は大変に平滑で、良好な界面性を実現していることがわかった。このことは、AlNとFe162とが窒化物同士であり、接合の相性が良いことを反映したものであるといえる。
【0205】
作製された磁気抵抗効果記憶素子3102のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比はおよそ38%であった。このときのトンネル接合面積はおよそ5平方マイクロメートルであり、トンネル接合インピーダンスは約20Ωであった。このような高いMR特性は非線形素子71作製時の熱処理が、影響しているものと考えられる。得られた磁気抵抗効果記憶素子3102の電流−電圧特性は、図17に示すような非対称性を有しており、磁気抵抗効果記憶素子3102の電流印加に対する電流−電圧特性の変化に方向性を付けられたことが確認された。
【0206】
また、導電膜150としてTiNを用いた。TiNはFe162と相性が良くコンタクト性が良いので、Auよりも比抵抗が高いものの、Auを用いるよりも接触抵抗を約20%低減することができた。導電膜170にはAuCrを用いた。MR素子部101および非線形素子71と導電膜170との絶縁にはプラズマCVD法により作製したSiO2を用いた。
【0207】
上記のような方法で作製された磁気抵抗効果記憶素子3102の動作を以下のように確認した。
【0208】
まず、図10Aに示すようなパルス電流541を導電膜170に流して軟質磁性膜130を一方向に磁化した。次に、やはり導電膜170に、図10B上側のグラフに示すようなパルス電流542を流し、金属膜16および導電膜150を通じて測定した記憶素子の電圧変化(ΔV1)をモニターした。電圧変化(ΔV1)の結果は、図10B下側のグラフに示すように、記憶情報に応じた電圧変化543として検出でき、所望の磁気抵抗効果記憶素子3102が実現できたことが分かった。
【0209】
なお、本実施の形態では、強磁性体としてFeの窒化物を用いたが、Coの窒化物を用いても同様に所望の動作得られることが確認された。
【0210】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11として、実施の形態4で示した磁気抵抗効果記憶素子4000の作製方法を示す。
【0211】
上述の実施の形態5と同様の方法で、図8A〜図8Dに示すような磁気抵抗効果記憶素子4000を作製した。ターゲットとして、軟質磁性膜132、133および134用にNi0.68Co0.2Fe0.12、非磁性絶縁膜122、123および124用にAl、また、それぞれ保磁力の違う硬質磁性膜112、113および114用にCo0.5Fe0.5、CoおよびCo0.9Fe0.1を用い、MR素子部200を作製した。本実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子4000を本発明の発明者らが作製したときの作製条件においては、硬質磁性膜の保磁力の大きさは、Co0.9Fe0.1<Co0.5Fe0.5<Coの順になっている。
【0212】
作製したMR素子部200は、 Ni0.68Co0.2Fe0.12 (10)/ AlN (1.5)/ Co (15)/ AlN (15)/ Ni0.68Co0.2Fe0.12 (10)/ AlN (1.5)/Co0.5Fe0.5(15)/ AlN (15)/ Ni0.68Co0.2Fe0.12 (10)/ AlN (1.5)/ Co0.9Fe0.1 (15)の構成で、3接合アレイを形成している。なお、AlNは上述の実施の形態5の方法で作製した。MR素子部200のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、アレイとしてのMR比はおよそ28%であった。このときのトンネル接合面積は、およそ2平方マイクロメートルであった。
【0213】
センス線およびビット線として用いられる導電膜(実施の形態1の導電膜140および150と同様の導電膜、図8A〜図8Dにおいて図示せず)にはAuを用い、ワード線として用いられる導電膜172にはAuCrを用いた。MR素子部200と導電膜172との絶縁にはSiO2を用いている。
【0214】
上記のような方法で作製された磁気抵抗効果記憶素子4000の動作を以下のように確認した。
【0215】
まず、図18Aに示すように、導電膜172にパルス電流551を流して硬質磁性膜112、113および114を一方向に磁化した。次に、図18Bの上側のグラフに示すような立ち上がり方に傾斜の有るパルス電流552によって、それぞれの硬質磁性膜112、113および114の磁化方向を順番に反転させ、センス線およびビット線を通じて電圧V2の変化をモニターした。その結果、図18Bの下側のグラフに示すような記憶情報に応じた電圧変化553が検出され、磁気抵抗効果記憶素子4000に多値が記録されたことが確認された。
【0216】
本発明の磁気抵抗効果記憶素子4000においては、適当なバイアスを印加することによる多値記録を行うことが出来る。また、定バイアス下における電圧V2の変化に応じて記録情報を検出することが出来る。
【0217】
(実施の形態12)
図15Aおよび図15Bに、本発明の実施の形態12としてMRAMデバイス5000を示す。
【0218】
MRAMデバイス5000が備える一つ一つの磁気抵抗効果素子として、実施の形態10で示した磁気抵抗効果記憶素子3102(図16B)を用いた。
【0219】
上述の実施の形態10と同様の方法で、図16Bに示すような磁気抵抗効果記憶素子3102を作製した。
【0220】
ターゲットにNi0.1Fe2.94(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Fe162(強磁性膜190用)、IrMn(反強磁性膜180としての磁化回転抑制層用)を用いて、
Ni0.1Fe2.94 (5)/AlN(1.2)/ Fe162 (10)/IrMn(20) の基本構成部分を持つMR素子部101を作製した。
【0221】
なお、AlNは実施の形態5に示した方法により作製した。本実施の形態では更に、このMR素子部101上にAlを用いてコンタクト層19を成膜し、コンタクト層19上にa−Siを用いてP−I−N型接合の非線形素子71を作製した。本実施の形態では図16Bに示される非線形素子71のSi膜(S層)18の代わりにP層を、金属膜(M層)16の代わりにN層を形成した。
【0222】
非線形素子71の作製は約180〜約260℃で行った(典型的には約220℃)。P層、I層、N層の厚さは、それぞれ、約100〜約200nm、約100〜約200nm、約50nmとして作製した。
【0223】
なお、AlNとFe162との界面を観察したところ、界面状態は大変に平滑で、良好な界面性を実現していることがわかった。このことは、AlNとFe162とが窒化物同士であり、接合の相性が良いことを反映したものであるといえる。
【0224】
作製された磁気抵抗効果記憶素子3102のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比はおよそ33%であった。このときのトンネル接合面積はおよそ2平方マイクロメートルであり、トンネル接合インピーダンスは約100Ωであった。このような高いMR特性は非線形素子71作製時の熱処理が、影響しているものと考えられる。得られた磁気抵抗効果記憶素子3102の電流電圧特性は、図17に示すような非対称性を有しており、磁気抵抗効果記憶素子3102の電流印加に対する電流電圧特性の変化に方向性を付けられたことが確認された。
【0225】
本実施の形態におけるMRAMデバイス5000は、上記のようにして作製された複数の磁気抵抗効果記憶素子3102が256×256の行列状に配置されることにより構成されている。
【0226】
MRAMデバイス5000においては、非線形素子71のN層と電気的に接続されるセンス(またはビット)線である導電膜145としてはAuを用い、導電膜170としてはAuCrを用い、MR素子部101と導電膜170との絶縁にはSiO2を用いている。
【0227】
導電膜145および150(ビット線およびセンス線)、導電膜170(ワード線)は、図19Aに示すように行列状に配置されている。図19Aにおいて、導電膜170はMR素子部101の側面に配置されているが、これは、MRAMデバイス5000の図示による説明を容易にするために、便宜上、導電膜170をMR素子部101の側面に配置した状態を示している。本実施の形態で用いられるMRAMデバイス5000は、図19Bに示すように、導電膜145と導電膜170とがMR素子部101に対して同一方向に配置される。なお、本発明においては、図19Aに示すような、導電膜170がMR素子部101の側面に配置されるMRAMデバイスも構成され得る。また、導電膜150と導電膜170とがMR素子部101に対して同一方向に配置されてもよい。
【0228】
また、アドレス指定用のスイッチ部401および411と、信号検出部402および412が、図19Bに示すように配置されている。スイッチ部401および411により任意の導電膜145、150および170が選択される。また、信号検出部402および412によって、各導電膜の電流値または電圧値が検出される。
【0229】
MR素子部101への記憶の書き込みについては、電流パルスを行要素と列要素の導電膜150および170にそれぞれに流し、発生する合成の磁界によって、特定のMR素子部101に対してのみ磁化状態を変化させることにより行われる。本実施の形態では、導電膜150(ビット線またはセンス線)は、ワード線としての機能も果たしている。
【0230】
任意の記憶状態にあるMRAMデバイス6000に対する読み出し動作を以下のように確認した。
【0231】
スイッチ部401および411により、特定の導電膜145、150および170が選択される。そして、選択された各導電膜に対応するMR素子部101の抵抗値をモニターした。そして、実施の形態2で示した読み出し方法と同様に、モニターされた上記対応するMR素子101の抵抗値と参照抵抗との差分値を差分回路(図示せず、好ましくは信号検出部402および412に内蔵される)を通じてモニターし、差分値に応じて記憶状態を読み出すことができた。
【0232】
なお、このとき、MR素子101の記憶状態は保存されていることから、読み出し動作がNDRO動作であることが確認された。
【0233】
これらの結果によって、本発明のMRAMデバイス5000が実現できたことが分かった。
【0234】
また、本実施の形態では、図16Bに示すように構成された磁気抵抗効果記憶素子3102を示したが、非線形素子71を図16Aに示される非線形素子70のように形成、配置し、その後、MR素子部101を図16Aに示される非線形素子MR素子部100のように形成しても、本発明の所望の磁気抵抗効果素子およびMRAMデバイスを作製することが出来る。また、非線形素子71としては、実施の形態10で示したようなM−I−S型接合の非線形素子が用いられてもよい。非線形素子71としては、非線形性の電流−電圧特性を示す任意の素子が用いられ得る。また、MR素子部101の代わりにMR素子部100(図1)が配置されてもよい。
【0235】
(実施の形態13)
本発明の実施の形態13として、実施の形態1で示した磁気抵抗効果記憶素子1000の作製方法を示す。
【0236】
上述の実施の形態5と同様の方法で、図1に示すような磁気抵抗効果記憶素子1000を作製した。
【0237】
図1を参照して、スパッタリングのターゲットとしてCo0.2Ni0.68Fe0.12(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Co0.9Fe0.1(硬質磁性膜110用)、Co0.75Pt0.25(硬質磁性膜110用)を用い、多元スパッタ装置により基板(図示せず)上に、図1に示されるMR素子部100を作製した。MR素子部100の基本構成は、CoNiFe(15)/AlN(1)/CoFe(5)/CoPt(25) である。
【0238】
本実施の形態では、硬質磁性膜110は、CoFe/CoPtの2層から構成されている。
【0239】
上記のようなMR素子部100の作製方法として、まず、熱酸化処理を施したSi基板上にCoNiFeを堆積させた。次に、非磁性絶縁膜120として、(N2+Ar)雰囲気中においてAlをスパッタ成膜することにより作製した。次に、非磁性絶縁膜120中のマイクロショートを生じさせるリーク部分を完全に絶縁体にするために、真空槽内の酸素雰囲気中で非磁性絶縁膜120に対し自然酸化処理を施した。このような窒化処理および酸化処理をそれぞれ2回ずつ繰り返し、厚さが約1nmの非磁性絶縁膜120を形成した。このような処理を適当に制御することにより、良好なトンネル特性が得ることが出来た。次に、非磁性絶縁膜120上にCoFeおよびCoPtを堆積させた。
【0240】
作製されたMR素子部100のCoPtを着磁させ、素子のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比は31%であった。これは窒化処理および酸化処理を1回ずつ行った非磁性絶縁膜120を備える同様の構成のMR素子よりも高いMR比であった。Hcとして表されるMRが生じる磁界幅は5 Oe〜100 Oeであった。このときのトンネル接合面積は、およそ2平方マイクロメートルであった。このときのトンネル接合のインピーダンスは約35Ωであった。さらに、トンネル接合のインピーダンスは成膜条件を変更することにより、数Ωから数百Ωの範囲で制御可能なことがわかった。
【0241】
本実施の形態のように、非磁性絶縁膜120に対して上記のように窒化処理および酸化処理を繰り返し行うことで、トンネル接合作製の歩留まりが向上し、本発明の作製方法がトンネル接合を用いた素子の製造に効果的であることが分かった。
【0242】
上記のようにして作製されたMR素子部100を用いて、図1に示したような磁気抵抗効果記憶素子1000を作製した。センス線およびビット線用の導電膜140および150にはPtまたはAuを用い、ワード線用の導電膜170にはAl、AuCr、Ti/AuまたはCu/Taを用いた。MR素子部100と導電膜170との絶縁にはCaF2、SiO2を用いた。
【0243】
上記のような方法で作製された磁気抵抗効果記憶素子1000の動作を以下のように確認した。
【0244】
まず、図9Aに示すようなパルス電流531を導電膜170(ワード線)に流して硬質磁性膜110を一方向に磁化した。次に、やはり導電膜170に、図9B上側のグラフに示すようなパルス電流532を流し、導電膜140および150(センス線およびビット線)を通じて測定した記憶素子の電圧変化(ΔR5/Δt)をモニターした。電圧変化(ΔR5/Δt)の結果は、図9Bの下側のグラフに示すように記憶情報に応じたパルス533が検出され、所望の磁気抵抗効果記憶素子1000が実現できたことが分かった。
【0245】
(実施の形態14)
本発明の実施の形態14として、実施の形態3で示した磁気抵抗効果ヘッド6000の作製方法を示す。
【0246】
上述の実施の形態5と同様の方法で、図20Aおよび図20Bに示すような磁気抵抗効果ヘッド6000を作製した。図20Aは、磁気抵抗効果ヘッド6000の斜視図、図20Bはその断面図を示している。
【0247】
スパッタリングのターゲットとしてNi0.81Fe0.19、Ni0.68Co0.2Fe0.12(軟質磁性膜130用)、Al(非磁性絶縁膜120用)、Co0.75Fe0.25(強磁性膜190用)、IrMn(反強磁性膜180としての磁化回転抑制層用)を用い、NiFe(20)/CoNiFe(8)/AlN(0.6)/CoFe(6)/IrMn(25) 基本構成からなるMR素子部101を作製した。
【0248】
非磁性絶縁膜120として、(N2+Ar)雰囲気中においてAlをスパッタ成膜することにより作製した。作製されたMR素子部101のMR特性を室温、印加磁界100 Oeで測定したところ、MR比はおよそ25%であった。このときのトンネル接合面積はおよそ3平方マイクロメートルであり、トンネル接合インピーダンスは約10Ωであった。
【0249】
このようなMR素子部101を備える磁気抵抗効果ヘッド6000を作製した。
【0250】
図20Aおよび図20Bを参照して、磁気抵抗効果ヘッド6000は、Al23・TiCを主成分とする焼結体から成るスライダ用の基板601と、シールド層602および603と、NiFe合金から成る記録磁極605および606と、Cuから成るコイル607と、Al23から成る各構成要素間のギャップ層608とを備える。シールド層602および603の膜厚はそれぞれ1μmである。また、記録磁極605、606の膜厚はそれぞれ3μmである。Al23から成るギャップ層608の膜厚は、シールド層602および603とMR素子部101との間で0.1μmであり、記録磁極605および606間では0.2μmである。導電膜150と記録磁極605の間隔は約4μmである。コイル607の膜厚は3μmである。
【0251】
MR素子部101はシールド層602および603内に配置されており、ヘッド表面604に直接露出しない構成となっている。
【0252】
バイアス電流は導電膜141および150を通じてMR素子部101に印加される。非磁性絶縁膜120を挟むように位置する軟質磁性膜130および強磁性膜190は、互いの磁化方向が直交する方向にそれぞれ磁化方向が向くように設定されており、再生信号に応じた磁化方向の変位を感度良く読みとることができた。
【0253】
また、図21Aおよび図21Bに示すように、上記の磁気抵抗効果ヘッド6000を備えた磁気ディスク装置7000を作製した。図21Aは、磁気ディスク装置7000の上面図を、図21Bは磁気ディスク装置7000の断面図を示している。
【0254】
磁気記録媒体701はCo−Ni−Pt−Ta系合金から成る。磁気抵抗効果ヘッド6000は、磁気ヘッド支持部702により支持され、磁気ヘッド駆動部703により駆動される。磁気抵抗効果ヘッド6000のトラック幅は5μmとした。上記のような構成を磁気ディスク装置7000は、図21Bに示すように複数個備える。
【0255】
本発明の磁気抵抗効果ヘッド7000は、従来のCIPMR素子であるGMR型磁気抵抗効果ヘッドよりも抵抗変化率が高い。従って、磁気抵抗効果ヘッド6000は再生出力が高く、再生用磁気ヘッドとして大変有効である。同時に磁気ヘッドの低インピーダンス化を実現することが出来た。作製した磁気ディスク装置7000から、磁気記録媒体701に記録された情報に応じた電圧変化が良好に検出でき、本発明の磁気抵抗効果ヘッド6000が実現できたことが分かった。
【0256】
なお、本発明の全ての実施の形態で示したMR素子部100、101、102および200は、本実施の形態と同様に、磁気抵抗効果ヘッドとして用いることが出来る。
【0257】
(産業上の利用可能性)
以上説明したように、本発明によれば、非磁性膜として窒化物の絶縁膜を用いることによって、トンネル特性が良好な磁気抵抗効果記憶素子および磁気抵抗効果型ヘッドを作製することが可能となる。さらに、強磁性体も窒化物で構成することによりトンネル接合界面が良好となり、より好ましい。
【0258】
さらに、本発明の磁気抵抗効果記憶素子および磁気抵抗効果型ヘッドおよびそれらの製造方法によれば、トンネル接合のインピーダンスを低く抑えることができるため、非常に微細なパターンにおいても磁気抵抗効果記憶素子および磁気抵抗効果型ヘッドを構成することができる。
【0259】
本発明は、非磁性絶縁膜に窒素物を、あるいは磁性膜も共に窒化物を用いることを特徴とし、トンネル接合抵抗が低減され、且つ理想的なトンネル接合界面を有する磁気抵抗素子、磁気抵抗効果磁気ヘッド、磁気抵抗効果記憶素子およびこのような磁気抵抗効果記憶素子を行列状に配置した高密度磁気抵抗効果記憶デバイスが提供される。
【0260】
特に、本発明においては、非磁性絶縁膜を窒化物および酸化物の組み合わせにより構成する事により、窒化物非磁性絶縁膜の有する低いトンネル接合抵抗のメリットを利用できる。また、作製条件のずれによって生じやすい非磁性膜の窒化の不完全な部分を酸化させ、窒化の不完全な部分を高抵抗化させることで、リーク伝導路あるいはホッピング伝導路の出現を防ぐことができる。また、窒化と酸化を複数回繰り返して非磁性絶縁膜を作製することにより、トンネル特性の制御性をより向上させる事ができる。
【0261】
本発明によれば、非磁性絶縁膜にAl23単体を用いたトンネル接合抵抗と同等の低い接合抵抗を、より厚い非磁性絶縁膜にて実現することができる。したがってMR素子の製造が容易になり、集積性が求められる記憶素子などにおける特性均一性に優位性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作原理を示す図である。
【図2B】図2Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作原理を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作原理を示す図である。
【図4B】図4Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作原理を示す図である。
【図4C】図4Cは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作原理を示す図である。
【図5A】図5Aは本発明の実施の形態におけるMRAMデバイスを示す上面図である。
【図5B】図5Bは本発明の実施の形態におけるMRAMデバイスの一部を示す斜視図である。
【図5C】図5Cは本発明の実施の形態におけるMRAMデバイスの一部を示す断面図である。
【図6A】図6Aは本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子を示す断面図である。
【図6B】図6Bは本発明の実施の形態におけるMRAMデバイスの一部を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図8A】図8Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図8B】図8Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図8C】図8Cは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図8D】図8Dは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図9A】図9Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作を示す図である。
【図9B】図9Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作を示す図である。
【図10A】図10Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作を示す図である。
【図10B】図10Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の製造方法を示すフローチャートである。
【図12A】図12Aは、本発明の実施の形態におけるMR素子部の特性を示すグラフである。
【図12B】図12Bは、本発明の実施の形態におけるMR素子部の特性を示すグラフである。
【図13A】図13Aは、本発明の実施の形態における窒化物膜を示す断面図である。
【図13B】図13Bは、本発明の実施の形態における窒化物膜を示す断面図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の製造方法を示すフローチャートである。
【図15A】図15Aは、本発明の実施の形態における金属絶縁膜を示す断面図である。
【図15B】図15Bは、本発明の実施の形態における金属絶縁膜を示す断面図である。
【図15C】図15Cは、本発明の実施の形態における金属絶縁膜を示す断面図である。
【図16A】図16Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図16B】図16Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の電流−電圧特性を示すグラフである。
【図18A】図18Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作を示す図である。
【図18B】図18Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果記憶素子の動作を示す図である。
【図19A】図19Aは、本発明の実施の形態におけるMRAMデバイスを示す斜視図である。
【図19B】図19Bは、本発明の実施の形態におけるMRAMデバイスを示す上面図である。
【図20A】図20Aは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果ヘッドを示す斜視図である。
【図20B】図20Bは、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果ヘッドを示す断面図である。
【図21A】図21Aは、本発明の実施の形態における磁気ディスク装置を示す上面図である。
【図21B】図21Bは、本発明の実施の形態における磁気ディスク装置を示す断面図である。

Claims (61)

  1. 第1強磁性膜と、
    第2強磁性膜と、
    前記第1強磁性膜と前記第2強磁性膜との間に形成された第1非磁性膜と、
    前記第1強磁性膜および前記第2強磁性膜の少なくとも一方を磁化反転させる磁界を発生し、前記第1強磁性膜および前記第2強磁性膜と電気的に接していない第1導電膜と、
    前記第1強磁性膜、前記第1非磁性膜および前記第2強磁性膜に電流を流す、第2導電膜および第3導電膜と、
    を備え、
    前記第1強磁性膜と前記第2強磁性膜とは、前記磁界に対する磁化反転の特性が異なり、
    前記第1非磁性膜が少なくとも窒化物を含み、
    前記第1非磁性膜は、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、(O)を前記窒化物中に含まれる酸素元素とするとき、少なくともM−N−(O)を含む、磁気抵抗効果記憶素子。
  2. 前記第1強磁性膜および前記第2強磁性膜の少なくとも一方が窒化物を含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  3. 前記第1強磁性膜および前記第2強磁性膜の少なくとも一方が、FeおよびCoの内の少なくとも1つを主成分とする窒化物を含む、請求項2に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  4. 前記第2導電膜および第3導電膜の少なくとも一方が窒化物を含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  5. 前記第2導電膜および第3導電膜の少なくとも一方がTiNを含む、請求項4に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  6. 前記第1非磁性膜の厚さが0.5nm〜4nmである、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  7. 前記第1非磁性膜がAlNを含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  8. 前記第1非磁性膜がBNを含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  9. 前記第1非磁性膜がInNを含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  10. 前記第1非磁性膜は、非磁性金属を窒化させることにより形成される、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  11. 前記第1非磁性膜が酸化物を更に含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  12. 請求項11に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、
    前記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において非磁性金属を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  13. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項12に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  14. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項12に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  15. 前記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、前記第1非磁性膜の粒界部においては主としてM−Oを含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  16. 請求項15に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、
    前記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において前記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  17. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項16に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  18. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項16に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  19. 前記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、前記第1非磁性膜内にM−Oが分散して含まれている、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  20. 請求項19に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、
    前記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において前記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  21. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項20に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  22. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項20に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  23. 前記第1非磁性膜が、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、Oを酸素元素とするとき、少なくとも1つのM−N膜と少なくとも1つのM−O膜とを含む、請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  24. 請求項23に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法であって、
    前記少なくとも1つのM−N膜を、窒素雰囲気中において前記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記少なくとも1つのM−O膜を、酸素雰囲気中において前記金属元素を酸化させることにより形成する第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  25. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項24に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  26. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項24に記載の磁気抵抗効果記憶素子の製造方法。
  27. 請求項1に記載の磁気抵抗効果記憶素子を複数個含み、複数の前記第1導電膜、複数の前記第2導電膜および複数の前記第3導電膜が、それぞれ所定の方向に配置される、MRAMデバイス。
  28. 複数の積層構造と、
    前記複数の積層構造の間にそれぞれ形成された少なくとも1つの第1の非磁性膜と、
    前記複数の積層構造に電流を流す第1の導電膜および第2の導電膜と、
    を備える、磁気抵抗効果記憶素子であって、
    前記複数の積層構造のそれぞれが、第1強磁性膜と、第2強磁性膜と、前記第1強磁性膜と前記第2強磁性膜との間に形成された第2非磁性膜とを備え、
    前記第1強磁性膜と前記第2強磁性膜とは、前記磁界に対する磁化反転の特性が異なり、
    前記磁気抵抗効果記憶素子は、
    前記複数の積層構造に含まれる複数の前記第1強磁性膜および複数の前記第2強磁性膜の内の少なくとも1つを磁化反転させる磁界を発生し、前記複数の第1強磁性膜および前記複数の第2強磁性膜と電気的に接していない第3導電膜を更に備え、
    前記複数の積層構造に含まれる複数の前記第2非磁性膜の内の少なくとも1つが、少なくとも窒化物を含み、
    前記複数の第2非磁性膜の少なくとも1つは、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、(O)を前記窒化物中に含まれる酸素元素とするとき、少なくともM−N−(O)を含む、磁気抵抗効果記憶素子。
  29. 前記複数の第1強磁性膜のそれぞれの保磁力の大きさが、互いに異なっている、請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  30. 前記複数の第2強磁性膜のそれぞれの保磁力の大きさが、互いに異なっている、請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  31. 前記複数の第1強磁性膜および前記複数の第2強磁性膜の内の少なくとも1つが窒化物を含む、請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  32. 前記複数の第1強磁性膜および前記複数の第2強磁性膜の内の少なくとも1つが、FeおよびCoの内の少なくとも1つを主成分とする窒化物を含む、請求項31に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  33. 前記第1導電膜および前記第2導電膜の少なくとも一方が窒化物を含む、請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  34. 前記第1導電膜および第2導電膜の少なくとも一方がTiNを含む、請求項33に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  35. 前記複数の第2非磁性膜の少なくとも1つは、非磁性金属を窒化させることにより形成される、請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  36. 前記複数の第2非磁性膜の少なくとも1つは、酸化物を含む、請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子。
  37. 請求項28に記載の磁気抵抗効果記憶素子を複数個含み、複数の前記第1導電膜、複数の前記第2導電膜および複数の前記第3導電膜が、それぞれ所定の方向に配置される、MRAMデバイス。
  38. 第1強磁性膜と、
    第2強磁性膜と、
    前記第1強磁性膜と前記第2強磁性膜との間に形成された第1非磁性膜と、
    を備え、
    前記第1強磁性膜と前記第2強磁性膜とは、前記磁界に対する磁化反転の特性が異なり、
    前記第1非磁性膜が少なくとも窒化物を含み、
    前記第1非磁性膜は、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、(O)を前記窒化物中に含まれる酸素元素とするとき、少なくともM−N−(O)を含む、磁気抵抗効果素子。
  39. 前記第1強磁性膜および前記第2強磁性膜の少なくとも一方が窒化物を含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  40. 前記第1強磁性膜および前記第2強磁性膜の少なくとも一方が、FeおよびCoの内の少なくとも1つを主成分とする窒化物を含む、請求項39に記載の磁気抵抗効果素子。
  41. 前記第1非磁性膜の厚さが0.5nm〜4nmである、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  42. 前記第1非磁性膜がAlNを含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  43. 前記第1非磁性膜がBNを含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  44. 前記第1非磁性膜がInNを含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  45. 前記第1非磁性膜は、非磁性金属を窒化させることにより形成される、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  46. 前記第1非磁性膜が酸化物を更に含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  47. 請求項46に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    前記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において非磁性金属を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果素子の製造方法。
  48. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項47に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  49. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項47に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  50. 前記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、前記第1非磁性膜の粒界部においては主としてM−Oを含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  51. 請求項50に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    前記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において前記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果素子の製造方法。
  52. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項51に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  53. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項51に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  54. 前記第1非磁性膜は、主としてM−Nを含み、前記第1非磁性膜内にM−Oが分散して含まれている、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  55. 請求項54に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    前記第1非磁性膜を、窒素雰囲気中において前記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記第1非磁性膜を、酸素雰囲気中で酸化させる第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果素子の製造方法。
  56. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項55に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  57. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項55に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  58. 前記第1非磁性膜が、MをAl、BおよびInの内の少なくとも1種類の金属元素とし、Nを窒素元素とし、Oを酸素元素とするとき、少なくとも1つのM−N膜と少なくとも1つのM−O膜とを含む、請求項38に記載の磁気抵抗効果素子。
  59. 請求項58に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    前記少なくとも1つのM−N膜を、窒素雰囲気中において前記金属元素を窒化させることにより形成する第1の工程と、
    前記少なくとも1つのM−O膜を、酸素雰囲気中において前記金属元素を酸化させることにより形成する第2の工程と、
    を包含する、磁気抵抗効果素子の製造方法。
  60. 前記第1の工程と前記第2の工程の内の少なくとも一方が複数回行なわれる、請求項59に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  61. 前記第1強磁性膜を形成する第3の工程と、
    前記第2強磁性膜を形成する第4の工程と、
    を更に包含する、請求項59に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
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