JP3699554B2 - 自動横編機 - Google Patents
自動横編機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3699554B2 JP3699554B2 JP04182897A JP4182897A JP3699554B2 JP 3699554 B2 JP3699554 B2 JP 3699554B2 JP 04182897 A JP04182897 A JP 04182897A JP 4182897 A JP4182897 A JP 4182897A JP 3699554 B2 JP3699554 B2 JP 3699554B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- needle
- knitting
- knitting needle
- automatic flat
- needle bed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 238000009940 knitting Methods 0.000 title claims description 401
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 claims description 77
- 230000002441 reversible effect Effects 0.000 claims description 9
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 60
- 239000004744 fabric Substances 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 7
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 7
- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 description 4
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 3
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 239000004033 plastic Substances 0.000 description 3
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 description 2
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 238000009954 braiding Methods 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
- 239000007779 soft material Substances 0.000 description 1
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Knitting Machines (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、編み針に1対1で対応するアクチュエータを備えた自動横編機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動横編機は、複数のカムを配置したキャリッジを往復直線運動させ、カムによって編針を順番に上下させることにより横編地を編成していた。しかしながら、キャリッジを使用する従来の自動横編機では、キャリッジの重量が重いので、その往復運動の駆動に使用するモータとして容量が大きく、消費電力の大きなモータを使用しなければならず、またその慣性力が大きいために高速化するのが難しく、生産性が低いという問題があった。また、編針がキャリッジ内のカムによって駆動されるため、カムとの係合や摺動のために編針の寿命が短く、また編目の調整のためにカムの調整が必要となり、保守管理のコストが高くつき、経済効率が悪いという問題があった。このような問題を解決するものとして、特公平1−12855号公報には、編針の1本、1本に個別に連結されて各編針を独立に駆動するアクチュエータを備えたキャリッジレスの自動横編機が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平1−12855号公報に記載された自動横編機は、編針を一平面内に平行に多数配列するとともに、各編針に沿って糸を供給する糸供給装置もガイド部材に沿って左右方向に往復直線運動するように構成されているため、装置が大型になるという問題があった。
【0004】
また、糸供給装置の個数が2〜3個に限定されるという不具合があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、消費電力が少なく、生産性の高い、経済効率のよい、小型化可能な自動横編機を提供することを目的とする。
【0006】
本発明はまた、小型でありながら多数の移動する糸供給装置を設置することができる自動編み機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、編針を円筒状に配列して各編針に1対1に対応するアクチュエータを設け、編針を1本1本独立に駆動するとともに、編針の駆動に同期して糸を各編針に供給するようにしたものであり、編針を駆動するためのカムや重量の重いキャリッジを使用しないので、消費電力の少ない、生産性の高い、経済効率のよい自動横編機を実現することができ、編針を円筒状針床に配置したので、装置を小型化することができる。
【0008】
また、糸供給装置が多数設置され能率の向上になり、糸供給装置の移動のみで編成するため、小電力で稼働することができる。
【0009】
本発明による自動横編機は、円筒状に配列された複数の編針を摺動可能に保持する針床と、各編針を1対1で駆動するアクチュエータと、円筒状の針床の中心を基点として往復回転運動可能に設けられて各編針に順番に糸を供給する糸誘導装置と、糸誘導装置の回転と同期して各アクチュエータを任意に選択して駆動する制御装置とを備えたものであり、針床が円筒状に形成されているため、装置全体を小型化することができ、また各編針は1本、1本独立にアクチュエータにより駆動され、モータは糸誘導装置を回転させるだけなので、小型のモータを使用することができ、さらに制御装置により編針の駆動と糸誘導装置の移動とを高速に同期させることができ、消費電力の少ない、生産性の高い、経済効率のよい自動横編機を実現することができる。
【0010】
本発明はまた、制御装置が、糸誘導装置と同期して回転して各編み針の位置を検出する手段や、糸誘導装置の回転角速度を検出する手段を備えることにより、駆動する編針に対する糸誘導装置の同期を確実に取ることができる。
【0011】
本発明はまた、円筒状の針床を、それぞれ糸誘導装置を備えた複数の針床群により構成することにより、一度に複数枚(例:2枚)の編地を編成することができ、生産性をより一層向上させることができる。
【0012】
本発明はまた、制御装置が、編針の上限位置および下限位置を設定する手段を備えることにより、同じ編成の横編地でも種々の風合を持たせることができる。
【0013】
本発明はまた、円板状に配列された複数の編針を保持する第2の針床を円筒状の第1の針床に対向するように配置し、第2の針床の各編針に対しても1対1で対応するアクチュエータで駆動するようにしたものであり、いわゆるダブルベッド構造によりゴム編(リブ)を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本実施における自動横編機の概略構成を表す正面図、図2は同装置の概略平面図である。これらの図において、1は四つ足のフレームであり、装置全体を支えるとともに、モータ2に連結された回転駆動部3を支持する。回転駆動部3からは上方に1本の回転軸4が延びており、その頂部には支持台5が固定され、その上に180度方向に2つの糸パッケージ6が装着されている。糸パッケージ6からの糸7は、テンションを掛けられたプーリ8を通り、同様に回転軸4に固定されたアーム9の先端部のガイド10を通って、糸誘導管11まで導かれる。糸誘導管11は、アーム9の先端において下方に延びて連結された支持杆48を介して取り付けられた管保持部材49に複数個が取り付けられている。この実施の形態においては、管保持部材49はアーム9の両端部分に取り付けられ、また糸誘導管11は、11a、11b、11c、11d、11e、11fと、1個の管保持部材49につき6個づつ(合計12個)取り付けられている(図2参照)。支持杆48の下方先端近くの部分には、糸誘導管11の両側に隣接するようブラシ12、13が取り付けられている。ブラシ12、13は、編針15、16がその進退運動の最も前進した位置まで進んだときに、弾みにより編針のベラが閉じることがあるので、ベラをブラシ12、13に擦り付けて強制的に開くためのものである。これらの構成により糸誘導装置14が構成されている。編針15と編針16のうち編針15は、複数本が垂直に置かれた円筒の側面に沿ってほぼ垂直上向きに、且つ円周方向へ所定の間隔をおいて配置され、それぞれ垂直方向へ進退運動する。以下、この編針15を第1の編針という。一方、編針16は複数本が水平に置かれた円板状または円環(リング)形状のディスク体の面にほぼ等角度間隔に配置され、それぞれディスク体の半径に沿って水平方向へ進退運動する。
【0015】
糸誘導管11の両側には、垂直方向の第1の編針15と水平方向の第2の編針16の先端部が配置され、各編針15、16は、それぞれ、上記円筒の側面を構成する第1の針床17と、ディスク体で構成された第2の針床18に、円周方向へ交互になるように配置され、且つ摺動可能に設けられている。図1では、針床17と18は互いに90度に配置されているが、90度以上に逆V字形になるように配置してもよい。第1の針床17は、全体が円筒状に形成され、第2の針床18は全体が円板形状に形成されている。
【0016】
ここで、第1の編針15側の機構について説明する。図3(a)は第1の編針15として用いられる編針の構造を示す底面図であり、図3(b)は同じく第1の編針15の構造を示す側面図である。また、図4は第1の編針15(1本について)の横編装置への取り付け状態を拡大して示す断面図である。第1の編針15は、図3(a)、(b)に示すように、基端部にバット15a、中間部にシャンク15b、先端部に糸7を引っ掛けるフック15cとベラ15d、スプリング15e、およびシャンク15bの途中にバット15aとは反対側に突出するブランチ15fを有する。針床17は、円筒の外部側面に沿って円周方向へ延びており、この外部側面が第1の編針15の配置面となっている。この実施の形態において、第1の編針15は、針床17に対して25.4mmの範囲に8本(すなわち8本/インチ)が並ぶように複数本が配列されている。針床17には、第1の編針15の進退運動方向へ延びるスリット溝が形成されており、針床17に第1の編針15がセットされたとき、当該第1の編針15のブランチ15f部分が針床17の裏側(すなわち円筒内側)へ突出するようになっている。
【0017】
また、それぞれの第1の編針15の基端部には、レバー19およびロッド21を介してアクチュエータである複数のソレノイド23が、第1の編針15と1対1に対応して接続されている。ソレノイド23は、第1の編針15よりも幅寸法が大きく、第1の編針15と同様に一列には配列できないため、本実施の形態では、4個ずつ斜めに重なるように配列してある。レバー19は、中間部の支点19aを中心にてこ運動し、またこのレバー19の先端部は、第1の編針15のバット15aに係合し、基端部はロッド21の先端部が係合している。レバー19の基端部には、3個の溝19b、19c、19dがあり、ロッド21の先端部のリングをこれら溝のいずれかに係合させることによりレバー比が変わり、第1の編針15の先端部の突出量を変更することができる。これは、ロッド21の先端部をを固定したスライダをレバー19の上を移動させてレバー比を連続的に変化させるようにしてもよい。
【0018】
図4は第1の編針15の進退運動ストロークの限界を規定する部材の設置状態を説明する側方部分断面図である。針床17の裏側には第1の編針15の進退運動の前進側限界すなわち上限位置を規定する上限編針調整器50と、第1の編針15の進退運動の後退側限界すなわち下限位置を規定する下限編針調整器60とが設けられている。上限編針調整器50は、図4に示すように、針床17の裏側の比較的高い位置において、この針床17の裏面にねじ51等の締結部材によって取り付けられたボックス体52と、ボックス体52の内部に装填され上端をボックス体52の天井に固定された弾性部材としてのばね部材53と、ばね部材53の下側において当該ばね部材53に連結或いは接して取り付けられ第1の編針15に当接してその前進運動を止める当接部材54とから成る。ボックス体52は、下部が開放状態となっており、当接部材54は、ばね部材53の伸縮運動によって上下運動するようになっている。ばね部材53はコイルばね或いは波形のばねから成っている。また、上記当接部材54はゴム、フェルト、軟質のプラスチックなどから成っており、ばね部材53の弾性作用と相まって衝撃吸収構造となり、第1の編針15の前進運動を止めるときに当該第1の編針15に加えられる衝撃を和らげるようになっている。この上限編針調整器50は、第1の編針15の前進運動の最先端位置(すなわち上限)を決定するものであり、上記第1の編針15の最先端位置に対応する針床17の裏側の高さ位置に配置されている。下限編針調整器60は、図4に示すように、針床17の裏側の比較的低い位置に設けられている。
【0019】
図5は上記下限編針調整器60の具体的な構成例を示すため、針床17の内側から見た正面図である。この下限編針調整器60は、針床17の裏側において円筒内面に沿って設けられた湾曲構造のハウジング部材61と、ハウジング部材61の内部に設けられた弾性部材としてのばね部材62と、ばね部材62を下方から支持するばね受け63と、ばね部材62をばね受け63上に装着固定する取り付けねじ64と、ばね部材62の上側においてこのばね部材62に連結或いは接して設けられた当接部材65と、ばね受け63を下方から部分的に支持する下限位置調節機構66とから成る。図5において、ハウジング部材61は横長の長方形に描かれているが、実際は上記のように針床17の円筒側面に沿って湾曲しており、図5はこのハウジング部材61を展開して示してある。ハウジング部材61は上部が開放状態となっており、当接部材55は、ばね部材62の伸縮運動によって上下運動するようになっている。ばね部材62はコイルばね或いは図5に示すような波形のばねから成っている。また、当接部材65は、上記当接部材54と同様、ゴム、フェルト、軟質のプラスチックなどから成っており、ばね部材62の弾性作用と相まって衝撃吸収構造となり、第1の編針15の後退運動を止めるときに当該第1の編針15に加えられる衝撃を和らげるようになっている。この下限編針調整器60は、第1の編針15の後退運動の最後端位置(すなわち下限)を決定するものであり、上記第1の編針15の最後端位置に対応する針床17の裏側の高さ位置に配置されている。
【0020】
このように配置された上限編針調整器50および下限編針調整器60に対して、第1の編針15は、針床17に第1の編針15がセットされたとき、針床17に形成されたスリット溝を通して裏側へ突出したブランチ15f部分が第1の編針15の進退運動にともなって上限編針調整器50の当接部材54および下限編針調整器60の当接部材65に当接することにより上限位置および下限位置が調整される。すなわち、第1の編針15がソレノイド23の作動により前進せしめられたときはブランチ15fが上限編針調整器50の当接部材54に当接して上限位置に保持される。他方、第1の編針15がソレノイド23の作動により後退せしめられたときはブランチ15fが下限編針調整器60の当接部材65に当接して下限位置に保持される。
【0021】
第1の編針15の下限位置は、編み作業の種類によって種々異ならせる必要があり、この点において上限位置がほぼ一定の位置を確定すればよいのと異なる。このため、下限編針調整器60には上記下限位置調節機構66が設けられている。この下限位置調節機構66は、駆動モータ(図示してない)により回転駆動される駆動軸67と、駆動軸67に一体的になって支持された円柱(或いは円筒)形状の機構本体58と、機構本体58に半径方向へ延びて取り付けられた複数本(この実施の形態では8本)の腕木68と、腕木68の先端に取り付けられた押圧部材69とから構成されている。腕木68はそれ自体にねじが形成されている一方、機構本体58には腕木68のねじに対応するめねじが形成してあり、腕木68を機構本体58のめねじにねじ係合させることにより、腕木68を機構本体58に進退自在に取り付けられるようになっている。そして、腕木68の長手方向中間部分に対応する機構本体58の所定の部分にはボルトなどのねじ部材59が腕木68の内部へ向けてねじ込むように装填され、機構本体58に対する腕木68或いは押圧部材69の嵌入量(ねじ込み量)を微調整しながらねじ部材59と腕木68を結合させるようになっている。
【0022】
したがって、腕木68のねじ込み量の違いによって、各腕木68とこれに嵌合取り付けした押圧部材69の組ごとに駆動軸67の中心から押圧部材69の先端までの長さ寸法を異ならせることが可能である。例えば図5中において、1つの腕木68(例えば68aとする)と押圧部材69(例えば69aとする)の組では腕木68aを機構本体58に対して最も少なくねじ込んだ状態で螺合させることにより、駆動軸67の中心から押圧部材69の先端までの長さ寸法を大きくとることができる。また一方、腕木68(例えば68bとする)とこれに嵌合取り付けした押圧部材69(例えば69bとする)の組では腕木68aを機構本体58に対して最も多くねじ込んだ状態で結合させることにより、駆動軸67の中心から押圧部材69の先端までの長さ寸法を小さくすることができる。このような操作により上記下限位置調節機構66では最大8種類の下限位置調節量を設定することができる。
【0023】
そして、駆動軸67を回転させることにより下限編針調整器60の1つの押圧部材69(図5では69c)がばね受け63の底面に当接し、当該ばね受け63を押し上げる。この押し上げ作用によってばね受け63は上方へ押し上げられ、このばね受け63の押し上げはばね部材62を介して当接部材65に伝えられ、当該当接部材65をばね受け63と同様上方へ押し上げる。これにより第1の編針15の下限位置が決定される。次に、駆動軸67をさらに回転させて別の押圧部材69をばね受け63の底面に当接させると、当該ばね受け63を先とは違った寸法だけ押し上げる。この押し上げ作用によって、ばね受け63は上方へ押し上げられ、この押し上げはばね部材62を介して当接部材65に伝えられ、当該当接部材65をばね受け63と同様上方へ押し上げる。このときの当接部材65の押し上げ量は先の場合とは異なっているから、駆動軸67を種々回転させることにより第1の編針15の下限位置が調整されるのである。
【0024】
なお上の説明では、上限編針調整器50を針床17の円筒内側面に固定取り付けする構成として説明したが、固定取り付けではなく円筒内側面に沿った円周方向への可動方式としてもよい。また、下限編針調整器60も、針床17の円筒内側面への固定取り付け方式にしてもよいし、円筒内側面に沿った円周方向への可動方式としてもよい。固定式である場合は、針床17に配設された第1の編針15の全てをカバーすべく円筒内側面に沿って円周方向へほぼ全周にわたって延びた上限編針調整器50或いは下限編針調整器60が必要となる。可動式である場合は、上限編針調整器50或いは下限編針調整器60を小型化することができる。そして、これらの編針調整器50、60を、例えば円筒内側面に沿って円周方向へ移動する台車或いは移動体構成として、パルスモータのような駆動装置を載置する一方で針床17の円筒内側面に沿って軌道を設け、パルスモータに制御装置27(後出)からパルス信号を受けて第1の編針15の進退運動に同期させて円筒内側面に沿って円周方向へ移動させる構成とする。
【0025】
次に、第2の編針16側の機構について説明する。図6(a)は第2の編針16として用いられる編針の構造を示す底面図であり、図6(b)は同じく第2の編針16の構造を示す側面図である。第2の編針16の横編装置への取り付け状態は図2に示されているが、この第2の編針16の横編装置への取り付け状態および前進端と後退端の調節機構の配置関係を図7に詳細に示す。第2の編針16は、図6(a)、(b)に示すように、基端部にバット16a、中間部にシャンク16b、先端部に糸7を引っ掛けるフック16cとベラ16d、スプリング16e、およびシャンク16bの途中にバット16aと同じ側に突出するブランチ16fを有する。第2の編針16は複数本が水平に置かれた円板状または円環 (リング)形状のディスク体の上に設けられた針床18にほぼ等角度間隔に配置され、それぞれディスク体の半径に沿って水平方向放射状に進退運動する。この実施の形態において、第2の編針16は、針床17に対して第2の編針16の糸繰り点が25.4mmの範囲に8本分(すなわち8本/インチ)並ぶように複数本が配列されている。そして針床18に第2の編針16がセットされたとき、当該第2の編針16のブランチ16f部分が針床18の上側へ突出するようになっている。
【0026】
また、それぞれの第2の編針16の基端部には、レバー20およびロッド22を介してアクチュエータである複数のソレノイド24が、第2の編針16と1対1に対応して接続されている。ソレノイド24はソレノイド23と同じタイプのものが使われている。ソレノイド24は、第2の編針16よりも幅寸法が大きく、第2の編針16と同様に一列には配列できないため、本実施の形態では、4個ずつ斜めに重なるように配列してある。レバー20は、中間部の支点20aを中心にてこ運動し、またこのレバー20の先端部は、第2の編針16のバット16aに係合し、基端部はロッド22の先端部が係合している。レバー20の基端部には、3個の溝20b、20c、20dがあり、ロッド22の先端部のリングをこれら溝のいずれかに係合させることによりレバー比が変わり、第2の編針16の先端部の突出量を変更することができる。これは、ロッド22の先端部をを固定したスライダをレバー20の上を移動させてレバー比を変化させるようにしてもよい。
【0027】
針床18の上側には第2の編針16の進退運動の前進側限界を規定する前進限界編針調整器70と、同じく当該第2の編針16の進退運動の後退側限界を規定する後退限界編針調整器80とが設けられている。前進限界編針調整器70は、第2の編針16の前進位置に対応する場所に位置決めされている。また、図7に示すように、針床18の上面の、ディスクの中心から外周までの中間部分においては、円輪状に設けられた溝にスプリングリング71が埋設されている。このスプリングリング71は、弾性力により第2の編針16を押さえてこの第2の編針16が振れるのを防ぎ、第2の編針16の前進、後退運動をスムーズに行なわせるものである。なお、針床17にも同様なスプリングリング110が設けられ、その弾性力により第1の編針15を押さえてこの第1の編針15が振れるのを防ぎ、第1の編針15の前進、後退運動をスムーズに行なわせるようになっている。この前進限界編針調整器70は、第2の編針16の前進運動の最先端位置(すなわち前進側限界)を決定するものである。後退限界編針調整器80は、図7に示すように、針床18の上側の、上記スプリングリング71よりもディスクの半径方向内側の位置に設けられている。また、後退限界編針調整器80は、全体としてはほぼ扇形の平面構造を有し、扇の要に対応する部分において回転軸4に固定取り付けされることにより回転軸4とともに回転するようになっている。
【0028】
図8は上記後退限界編針調整器80の具体的な構成例を示し、また前進限界編針調整器70を付随的に示す平面図である。この後退限界編針調整器80は、針床18の上側において回転軸4に取り付けられた扇形状のハウジング部材81と、ハウジング部材81の内部に設けられた弾性部材としてのばね部材82と、ハウジング部材81の内部においてばね部材82を半径方向内側から外側へ向けて支持するばね受け83と、ばね部材82とばね受け83とをハウジング部材81の内部に装着固定する取り付けねじ84と、ハウジング部材81の内部においてばね部材82の半径方向外側においてこのばね部材82に連結或いは接して設けられた当接部材85と、ばね受け83を半径方向内側から部分的に支持する後退側限界位置調節機構86とから成る。前進限界編針調整器70もまた、後退限界編針調整器80を構成するハウジング部材81、ばね部材82、ばね受け83、取り付けねじ84、および当接部材85と同様な部材によって構成されており、図7および図8中で点線で示すように、後退限界編針調整器80と一体的に且つこれよりも半径方向外方へ所定寸法間隔を開けて設けられている。なお、前進限界編針調整器70の当接部材は、ハウジング部材の内部においてばね部材の半径方向内側において当該ばね部材に連結或いは接して設けられる。ハウジング部材81は先端部すなわち半径方向に最も外側部分が開放状態となっており、当接部材85は、ばね部材82の伸縮運動によって上下運動するようになっている。ばね部材82はコイルばね或いは図8に示すような波形のばねから成っている。また、当接部材85は、上限および下限編針調整器50、60に用いられている当接部材54、65と同様、ゴム、フェルト、軟質のプラスチックなど比較的柔らかい材料から成っており、ばね部材82の弾性作用と相まって衝撃吸収構造となり、第2の編針16の後退運動を止めるときに当該第2の編針16に加えられる衝撃を和らげるようになっている。この後退限界編針調整器80は、第2の編針16の後退運動の最後端位置(すなわち下限)を決定するものであり、上記第2の編針16の最後端位置に対応する針床18の上側の高さ位置に配置されている。
【0029】
このように配置された前進限界編針調整器70および後退限界編針調整器80に対して、第2の編針16は、針床18に第2の編針16がセットされたとき、針床18よりも上側へ突出したブランチ16f部分が第2の編針16の進退運動にともなって前進限界編針調整器70のスプリングリング71および後退限界編針調整器80の当接部材85に当接することにより前進側限界位置および後退側限界位置が調整される。
【0030】
第2の編針16の後退側限界位置は、編み作業の種類によって種々異ならせる必要があり、この点において上限位置がほぼ一定の位置を確定すればよいのと異なる。このため、後退限界編針調整器80には上記後退側限界位置調節機構86が設けられている。後退側限界位置調節機構86は、第1の編針15の側の機構に用いられた下限位置調節機構66と同じ構成を有するものである。すなわち後退側限界位置調節機構86は、駆動モータ(図示してない)により回転駆動される駆動軸87と、駆動軸87と一体的になって支持された円板体形状の機構本体78と、機構本体78に半径方向へ延びて取り付けられた複数本(この実施の形態では8本)の腕木88と、腕木88の先端に取り付けられた押圧部材89とから構成されている。腕木88はそれ自体にねじが形成されている一方、機構本体78には腕木88のねじに対応するめねじが形成してあり、腕木88を機構本体78のめねじにねじ係合させることにより、腕木88を機構本体78に進退自在に取り付けられるようになっている。そして、腕木88の長手方向中間部分に対応する機構本体78の所定の部分にはボルトなどのねじ部材90が腕木88の方へ向けてねじ込むように装填され、機構本体78に対する腕木88或いは押圧部材89の嵌入量(ねじ込み量)を微調整しながらねじ部材90と腕木88を結合させるようになっている。
【0031】
したがって、腕木88のねじ込み量の違いによって、各腕木88とこれに嵌合取り付けした押圧部材89の組ごとに駆動軸87の中心から押圧部材89の先端までの長さ寸法を異ならせることが可能である。例えば図8中において、1つの腕木88(例えば88aとする)と押圧部材89(例えば89aとする)の組では腕木88aを機構本体78に対して最も少なくねじ込んだ状態で螺合させることにより、駆動軸87の中心から押圧部材89の先端までの長さ寸法を大きくとることができる。また一方、腕木88(例えば88bとする)とこれに嵌合取り付けした押圧部材89(例えば89bとする)の組では腕木78aを機構本体78に対して最も多くねじ込んだ状態で結合させることにより、駆動軸87の中心から押圧部材89の先端までの長さ寸法を小さくすることができる。このような操作により上記後退側限界位置調節機構86では最大8種類の後退側限界位置調節量を設定することができる。
【0032】
そして、駆動軸87を回転させることにより後退限界編針調整器80の1つの押圧部材89(図8では89c)がばね受け83の底面に当接し、当該ばね受け83を押し出す。この押し出し作用によって、ばね受け83は前方へ押し出され、このばね受け83の押し出しはばね部材82を介して当接部材85に伝えられ、当該当接部材85をばね受け83と同様前方へ押し出す。これにより第2の編針16の後退側限界位置が決定される。次に、駆動軸87をさらに回転させて別の押圧部材89をばね受け83の底面に当接させると、当該ばね受け83を先とは違った寸法だけ押し出す。この押し出し作用によって、ばね受け83は前方へ押し出され、この押し出しはばね部材82を介して当接部材85に伝えられ、当該当接部材85をばね受け83と同様前方へ押し出される。このときの当接部材85の押し出し量は先の場合とは異なっているから、駆動軸87を種々回転させることにより第2の編針16の後退側限界位置が調整されるのである。
【0033】
なお上の説明では、前進限界編針調整器70を針床18の上面に固定取り付けする構成として説明したが、固定取り付けではなく円周方向への可動方式としてもよい。また、後退限界編針調整器80も、針床18の上面への固定取り付け方式にしてもよいし、上に説明したように可動方式としてもよい。固定式である場合は、針床18に配設された第2の編針16の全てをカバーすべくディスクの半径方向所定の位置において円周方向へほぼ全周にわたって延びた前進限界編針調整器70或いは後退限界編針調整器80が必要となる。可動式である場合は、前進限界編針調整器70或いは後退限界編針調整器80を小型化することができる。そして、これらの編針調整器70、80を針床18面に沿って円周方向へ移動する駆動装置に連結し、第2の編針16の進退運動に同期させて針床18面に沿って円周方向へ移動させる構成とする。
【0034】
第1の編針15側の機構および第2の編針16側の機構の両方に関して、針床17、および針床18が配置されている範囲は、図2においてA点から反時計回り方向へB点までと、C点から反時計回り方向へD点までの角度範囲内であり、これが編み上げ作業が行なわれる実質的な範囲すなわちストロークである。そして、B点からC点までの範囲およびD点からA点までの範囲(すなわち、直径方向に対向配置された2カ所の小角度範囲)は針床17、18および編針15、16が設置してない空白領域(すなわち、いわゆる「あそび」の領域)56を形成している。そして、先の説明で述べた管保持部材49による複数(6個)の糸誘導管11の取り付け範囲は、上記空白領域56の範囲内に納まるように寸法或いは糸誘導管11の個数が設定されている。上記説明では、空白領域56には編針15、16が設置してないとしたが、これは実質的な意味においてであり、例えば空白領域56に編針15、16を設置するが、この部分の編針はソレノイド23、24に連結しないとか、ソレノイド23、24に連結しても信号を入力しないとかの措置を施し不動作の構成にするという態様をとってもよい。
【0035】
ソレノイド23、24は、フレーム1の下部に設置された制御装置27内の電子回路に接続され、この制御装置27によってコントロールされる。制御装置27はセンサー機構と制御回路とを組み込んで成り、ソレノイド23、24に編針の前進動作および後退動作を行なわせるのみならず、上記前進動作および後退動作のタイミングをとり、且つ前進、後退順序の反転動作の制御も行なう。また、制御装置27は回転軸4およびアーム9の回転による糸誘導管11の移動位置をセンサー機構に取り込むために回転駆動部3に作動連結されている。図9(a)は制御装置27の内部に配置されているセンサー機構の概略構成を示す平面図であり、図9(b)は同じくこのセンサー機構の、図9(a)中の線F−Fにおける断面図である。センサー機構は、光センサー部28と、光センサー部28における光の導通をオン、オフするスイッチ機構29とから構成されている。
【0036】
光センサー部28は略円盤構造のセンサー本体95と、センサー本体95の所定の位置に配置された発光素子30、31と、発光素子30、31のそれぞれに対向して設けられた受光素子32、33とから構成されている。センサー本体95は、図9(a)に示すように円盤の中心から半径方向外方へ異なった距離の位置に第1および第2の溝96、97が円環状(以下、円環溝という)に形成され、これらの円環溝96、97の側壁には発光素子30、31、および受光素子32、33が配置されて、それぞれ電子回路に接続されている。具体的には、第1の円環溝96は円盤の中心(Oとする)から半径方向へより外方へ離れた位置に形成される一方、第2の円環溝97は円盤の中心Oに比較的近い位置に形成されている。そして、第1の円環溝96の半径方向内側の側壁には発光素子30(30a、30b)が設けられ、第1の円環溝96の半径方向外側の側壁には受光素子32(32a、32b)が設けられている。また、第2の円環溝97の半径方向外側の側壁には発光素子31(31a、31b)が設けられ、第2の円環溝97の半径方向内側の側壁には受光素子33(33a、33b)が設けられている。そして、発光素子30aと受光素子32aとが対向配置され、発光素子30bと受光素子32bとが対向配置されている。また、発光素子31aと受光素子33aとが対向配置され、発光素子31bと受光素子33bとが対向配置されている。発光素子30と受光素子32は、上記ソレノイド23の場合と同様に、第1の編針15と1対1に対応して複数個が上記第1の円環溝96に沿って設けられている一方、発光素子31と受光素子33は、上記ソレノイド24の場合と同様に、第2の編針16と1対1に対応して複数個が上記第2の円環溝97に沿って設けられている。
【0037】
スイッチ機構29はセンサー本体95の円盤中心Oに中心軸を合わせて回転可能に立設された回転軸101と、回転軸101の頂部に取り付けられ且つセンサー本体の円盤の直径方向に延びた複数の腕杆102と、腕杆102の中心部分から先端方向へ異なった距離の位置に懸架支持された第1および第2のスイッチング部材34、35と、スイッチング部材34を腕杆102の所定の位置に回動可能に懸架支持する支持部材103と、スイッチング部材35を腕杆102の所定の位置に回動可能に懸架支持する支持部材104とから成る。回転軸101は、ギヤボックスなどの動力変換機構を介して回転駆動部3に連結されている。支持部材103、104は、上下方向に延びた板状体から構成され、腕杆102に対して当該支持部材103、104自身が垂直軸の周りを回転可能に軸支されている。また、支持部材103、104の上端の板状部側端にはスイッチング部材34、35を回転運動により前後反転させるための反転切替部材105、106が取り付けられている。
【0038】
スイッチング部材34、35は、例えば発光素子30、31と受光素子32、33との間の光の導通を遮断する金属、その他の材料から成る板片により構成される。支持部材103はスイッチング部材34を第1の円環溝96内に配置するように支持する。支持部材104はスイッチング部材35を第2の円環溝97内に配置するように支持する。したがってスイッチング部材34はスイッチング部材35よりもセンサー本体95の円盤中心Oから半径方向外方の位置に配置されている。このような構成により、スイッチ機構29は光センサー部28に対して相対的に回転可能である。すなわち、光センサー部28のセンサー本体95を制御装置27のハウジング109に固定、回転軸101をセンサー本体95の中心部に回転可能に配置としていることにより、回転軸101の回転により腕杆102、支持部材103、104およびスイッチング部材34、35がセンサー本体95に対して相対的に回転運動する。
【0039】
これらのスイッチング部材34、35のうち、片方のスイッチング部材34は、発光素子30と受光素子32との組に対応して設けられる一方、他方のスイッチング部材35は、発光素子31と受光素子33との組に対応して設けられている。また、スイッチング部材34は、第1の編針15の配列に対応して配置され上記発光素子30および受光素子32と協働し(すなわち、発光素子30から出射され受光素子32に到達している光をカットし)或るタイミングではソレノイド23をオン動作(前進オン)させて第1の編針15を前進させ、また別のタイミングではソレノイド23をオン動作(後退オン)させて第1の編針15を後退動作させるためのものである。スイッチング部材35は、第2の編針16の配列に対応して配置され上記発光素子31および受光素子33と協働し(すなわち、発光素子31から出射され受光素子33に到達している光をカットし)或るタイミングではソレノイド24をオン動作させて第2の編針16を前進させ、また別のタイミングではソレノイド24をオン動作させて第2の編針16を後退動作させるためのものである。
【0040】
さらに、スイッチング部材34は、図9(a)に示すように、センサー本体95の半径方向へ幾分ずれているとともに、図9(b)に示すように一対の発光素子30a、受光素子32aと別の対の発光素子30b、受光素子32bとの間の上下方向のずれに対応して上下方向にへも幾分ずれた関係に配置された第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bとにより成っている。第1スイッチング部材34aは、センサー本体95の半径方向外寄りの所定の位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。また、第2スイッチング部材34bは、上記第1スイッチング部材34aよりはさらにセンサー本体95の半径方向外寄りにずれた位置であって、且つ第1スイッチング部材34aとは円周方向へも所定の距離だけずれた位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。1つの第1スイッチング部材34aと1つの第2スイッチング部材34bとは組になって一対のスイッチング部材34を構成している。そして、これらの第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bとは、上記支持部材103に支持された状態で回転軸101および腕杆102の回転運動にともなって第1の円環溝96の中を周回移動する。すなわち、第1の円環溝96は第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bが周回運動する軌道となる。また、第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bとは、自動横編機が編み動作を行なっているとき、回転軸101の回転方向によって一方が針前進(針上げ)運動を行なわせるためのものであり、他方がこの針前進運動に引き続いて針後退(針下げ)運動を行なわせるためのものである。
【0041】
スイッチング部材35もまた、図9(a)に示すように、センサー本体95の半径方向へ幾分ずれているとともに、図9(b)に示すように一対の発光素子31a、受光素子33aと別の対の発光素子31b、受光素子33bとの間の上下方向のずれに対応して上下方向にへも幾分ずれた関係に配置された第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bとにより成っている。第3スイッチング部材35aは、センサー本体95の半径方向内寄りの所定の位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。また、第4スイッチング部材35bは、上記第3スイッチング部材35aよりはややセンサー本体95の半径方向外寄りにずれた位置であって、且つ第3スイッチング部材35aとは円周方向へも所定の距離だけずれた位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。1つの第3スイッチング部材35aと1つの第4スイッチング部材35bとは組になって一対のスイッチング部材35を構成している。そして、これらの第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bとは、上記支持部材104に支持された状態で回転軸101および腕杆102の回転運動にともなって第2の円環溝97の中を周回移動する。すなわち、第2の円環溝97は第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bが周回運動する軌道となる。また、第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bとは、自動横編機が編み動作を行なっているとき、センサー本体95の回転方向によって一方が針前進(上記針上げに相当)運動を行なわせるためのものであり、他方がこの針前進運動に引き続いて針後退(上記針下げに相当)運動を行なわせるためのものである。
【0042】
腕杆102に懸架支持されたスイッチング部材34(34a、34bと組になっている)および35(35a、35bと組になっている)は、それぞれ、上記センサー本体95の第1および第2の円環溝96、97の円周方向へ所定の間隔を開けて複数配置される。そのために腕杆102はスイッチング部材34、35の配置個数に応じた数だけ複数本回転軸101に取り付けられている。この実施の形態において、スイッチング部材34、35の数は、先の説明において糸誘導管11が1個の管保持部材49につき6個づつにまとめられているとしているのと対応してそれぞれ6個(つまり、6組)設けられている。したがって、この実施の形態において、腕杆102は6本が一定の角度範囲の中に所定の角度間隔をおいて回転軸101に取り付けられている。なお、腕杆102は円盤形のセンサー本体95の直径方向に延びていることから、1本の腕杆102につき両端側にそれぞれスイッチング部材34、35を取り付けることができるから、6本の腕杆102については、合計すれば12個のスイッチング部材34、35が設けられている。これは、糸誘導管11が1個の管保持部材49につき6個づつにまとめられ、且つ管保持部材49はアーム9の両端に設けられていることから、合計すれば12個の糸誘導管11が設けられているのと対応する。
【0043】
スイッチング部材34、35の各々1つとこれに隣接する他のスイッチング部材34、35との間隔は、基本的には自由であるが、スイッチング部材34、35の各々1つと、これに隣接する他のスイッチング部材34、35とが円周方向に互いに干渉しないことが必要である。これは、一旦針上げせしめられた編針15または16が完全に針下げせしめられる前に針上げ操作を受けることを回避するためである。このように、スイッチング部材34、35の数は、それぞれ6個設けられていることから、腕杆102はセンサー本体95の全周にわたって所定の角度間隔をあけられているのではなく、糸誘導管11の配置角度範囲に対応する角度範囲内、例えば、図9において、センサー本体95の直径方向に延びる点線で示された範囲(スイッチング部材34、35が配置されている範囲)をカバーする角度範囲に配置され、これにスイッチング部材34、35が設けられている。
【0044】
スイッチング部材34および35が以上のような組構成になっているのに対応して、発光素子30と受光素子32、および発光素子31と受光素子33もまた、図9(b)に示すように、それぞれ第1スイッチング部材34aに対応する発光素子30aと受光素子32a、第2スイッチング部材34bに対応する発光素子30bと受光素子32b、第3スイッチング部材35aに対応する発光素子31aと受光素子33a、第4スイッチング部材35bに対応する発光素子31bと受光素子33bというように連続分割されて組構成になっている。なおこの実施の形態において、発光素子30aと受光素子32aの組は発光素子30bと受光素子32bの組に対してセンサー本体95の第1の円環溝96内の下側へ所定の間隔を開けて配置されている。また、発光素子31aと受光素子33aの組は発光素子31bと受光素子33bの組に対してセンサー本体95の第2の円環溝97内の下側へ所定の間隔を開けて配置されている。そして、上記編針15、16に対する針前進運動とこれに続く針後退運動のための制御信号は上記組(例えば、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34a)を単位として生成され出力される。発光素子30と受光素子32は、上記ソレノイド23の場合と同様に、第1の編針15と1対1に対応して第1の円環溝96の円周方向へ沿って複数個設けられている一方、発光素子31と受光素子33は、上記ソレノイド24の場合と同様に、第2の編針16と1対1に対応して第2の円環溝97の円周方向へ沿って複数個設けられている。また、制御装置27のハウジング109内部の所定の位置には、腕杆102が編み上げ作業の回転ストロークの端部に到達したときに針上げ、または針下げの動作を反転させるべく、上記スイッチ機構29側の反転切替部材105、106と協働して制御電流の流れる方向を切り替え、また、スイッチング部材34、35の前後位置関係を反転切り替えする反転切替部材107、108が取り付けられている。
【0045】
図10は制御装置27内の制御用の電子回路の例を示す回路図である。102は腕杆であり、30、31は発光素子、32、33は受光素子、34、35は腕杆102に取り付けられた針上げ、針下げ用のスイッチング部材である。36はトランジスタ、37はリレー、38、39はリレー37によって作動するスイッチ、40、41は入力端子、42は電源スイッチ、43は柄信号スイッチ、44は電源表示ランプ、45は作業表示ランプ、46、47は出力端子であり、ソレノイド23、24に接続されている。制御装置27内には上記反転動作部材105〜108により制御電流の流れ方向を切り替える反転制御回路もまた組み込まれている。図11はこの反転制御回路の一具体例を示す回路図である。この反転制御回路は、電源72と、電源72から分岐して延びる一方の回路に直列に設けられた第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74と、電源72のプラス電極から分岐して延びる他方の回路に直列に設けられた第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76と、第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74の組と第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76の組との間に設けられ且つ中間部分が電源72のマイナス電極に接続されたコイル77とから構成されている。そして、第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74は同時にオンまたはオフ動作する一方、第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76は同時に、且つ第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74とは逆のモードでオン、オフ動作をする。すなわち、第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74が同時にオン動作しているときは、第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76は同時にオフ動作をする。これにより、コイル77の部分には第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74が同時にオン動作したときと、第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76が同時にオン動作をしたときとで互いに異なる極性の磁界が生じ、制御電流の流れ方向を反転切り替えする。
【0046】
かかる構成を有する電子回路の動作について以下説明する。上記電子回路において、電源スイッチ42をオンすると装置全体が動作状態となる。これにより、回転軸4が回転してアーム9およびその先端に支持された糸誘導管11が回転するとともに、回転軸101が回転駆動部3から動力を受けて回転し始める。また、発光素子30、31および受光素子32、33も動作状態になる。回転軸4と回転軸101とは同期して回転せしめられており、アーム9が回転することにより糸誘導管11が走査している編針15、16と、スイッチング部材34、35が走査している発光素子30、31および受光素子32、33、さらにはソレノイド23、24とは対応している。発光素子30、31と受光素子32、33は発光素子30、31から光が出射されて受光素子32、33に到達している状態(光が遮断されていない状態)がソレノイド23、24のオフ状態であり、スイッチング部材34、35によって光が遮断された状態がソレノイド23、24のオン状態となるように設定されている。腕杆102と糸誘導管11とは、編み上げ作業に際して、編み上げ作業が行なわれる実質的な範囲の両端と一致する部分、すなわち一方の空白領域56との境界に設定された回転の始端から他方の空白領域56との境界に設定された回転の終端までほぼ180度回転し、その後上記回転の終端を回転の始端として先の回転とは逆方向へほぼ180度回転する。アームは回転軌道に対して直径方向に延びており、糸誘導管11はアーム9の両端に支持されるとともに腕杆102にも直径方向両端部にスイッチング部材34、35が設けられているから、上記180度の回転動作により針床17、18に対しては上記空白領域56を除いてほぼ360度(180度×2)全体に対しての編み上げ作業が可能になる。
【0047】
腕杆102が回転することにより、スイッチング部材34、35がそれぞれ第1および第2の円環溝96、97内部を移動し、発光素子30、31から受光素子32、33へ到達している光を次々と遮断していく。各発光素子30、31および受光素子32、33間で光が遮断されると受光素子32、33に光電流が発生してトランジスタ36のベースに流れる。これにより、トランジスタ36のコレクタとエミッタとの間に電流が流れ、リレー37が励磁され、そのスイッチ38、39がオンして、出力端子46、47に制御信号が得られる。但し、出力信号が得られるのは柄信号スイッチ43がオンした時のみであり、柄信号スイッチ43は、磁気テープ等から読み出して入力される。出力端子46、47からの信号を複数のソレノイド23、24のうちのそれぞれの発光素子30、31および受光素子32、33に対応するソレノイドに印加することにより、そのソレノイド23、24を針前進方向へ作動させ、そのロッド21、22が引っ張られて、レバー19、20を介して編針15、16を突出させる(ソレノイド23、24の針前進動作)。或いは、出力端子46、47からの信号を複数のソレノイド23、24のうちのそれぞれの発光素子30、31および受光素子32、33に対応するソレノイドに印加することによりそのソレノイド23、24を針後退方向へ作動させ、そのロッド21、22が押し戻されて、レバー19、20を介して編針15、16を後退させる(ソレノイド23、24の針後退動作)。
【0048】
上記針前進動作および針後退動作について詳しく説明する。先に発光素子30、31、受光素子32、33およびスイッチング部材34、35に関してそれぞれ組構成になっている旨説明し、且つ編針15、16に対する針前進運動とこれに続く針後退運動のための制御信号は上記組を単位として生成され出力される旨説明した。したがって、第1の編針15に対する針前進運動とこれに続く針後退運動のための制御信号の出力および第1の編針15の前進後退動作は次のようにして行なわれる。この第1の編針15の前進或いは後退動作を制御するのは発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組と、発光素子30b、受光素子32b、第1スイッチング部材34bの組である。いま、仮に腕杆102が図2中、矢印S1の方向へ回転し、この方向へ編み操作が行なわれているものとする。このとき発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組は上記回転方向の先方(上流側)にあるから第1の編針15に対する前進制御を担当し、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組は上記回転方向の後方(下流側)にあるから第1の編針15に対する後退制御を担当する。したがって、複数ある第1の編針15のうち或る1本の編針に注目する(これを便宜上「注目針」とする)と、その注目針に対応する発光素子30a、受光素子32aの位置に第1スイッチング部材34aが合致すると、発光素子30aからの光が腕杆102の第1スイッチング部材34aによって遮断され、受光素子32aに光電流が発生して針前進制御信号が生成される。この針前進制御信号は、上記注目針に対応するソレノイド23に送付されてこのソレノイド23を前進動作させ、注目針を突出させる。腕杆102はなおも回転し続けるから、第1スイッチング部材34aの通過により発光素子30aから受光素子32aへの光は遮断を解かれスイッチはオフする。これにより上記注目針は前進位置に止まる。
【0049】
次に、腕杆102の回転により、注目針に対応する発光素子30b、受光素子32bの位置に第2スイッチング部材34bが所定時間遅れて合致するようになる。これは第1スイッチング部材34aと、第2スイッチング部材34bとの間で、第2スイッチング部材34bが第1スイッチング部材34aとは第1の円環溝96に沿って円周方向へ所定の距離だけずれた位置に設けられていることにより起こる。そして、発光素子30b、受光素子32bの位置に第2スイッチング部材34bが合致すると、発光素子30bからの光が腕杆102の第2スイッチング部材34bにより遮断され、受光素子32bに光電流が発生して、今度は針後退制御信号が生成される。この針後退制御信号は、上記注目針に対応するソレノイド23に送付されてこのソレノイド23を後退動作させ、注目針を勢いよく後退させる。腕杆102はなおも回転し続けるから、第2スイッチング部材34bの通過により発光素子30bから受光素子32bへの光は遮断を解かれスイッチはオフする。これにより上記注目針は後退位置に止まる。第1の編針15についての以上の針前進および針後退運動は複数(上の説明では6個)配置されたスイッチング部材34によって制御されるから、腕杆102が略180度回転する間に注目針は複数回(6回)前進、後退作動を受け、編み上げ作業を行なう。筒状の針床17の半分(空白領域56も含めて180度分)の範囲に配設された第1の編針15全体についてみると、所定の複数の位置(6カ所)では針前進運動が同時に行なわれ、また別の所定の複数の位置(6カ所)では針後退運動が同時に行なわれていることになる。
【0050】
図12は第1の編針15についての、針前進運動と針後退運動の制御の一具体例を説明する解説図である。この第1の編針15について、針前進運動と針後退運動の制御の一具体例を図12を用いて説明する。この図において、左半分のブロックは、腕杆102の回転(回転方向は図12中の左方:上記S1に相当)にともなう針前進、針後退運動を示す。この図に示すように、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組(図12中CL1で表す)により注目針が前進運動制御され突出する。この具体例では、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組CL1がカバーする領域をやや大きめにとることにより3本分の第1の編針15が前進運動制御される。より詳細には、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組CL1が差しかかった位置にある編針(図12中15pとする)が注目針に該当し、この注目針15pは突出動作を行なう。このとき、上記注目針15pに先行して突出した編針(図12中、先行度合いの早い方から順に15q、15rとする)もまた、突出運動はすでに終了しているにもかかわらず未だ前進運動制御を受けており、それぞれ対応するソレノイド23によって前進位置に強制保持される。そして発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組CL1が通過してしまうと、編針15rの方から順に前進運動制御の状態を解除され、前進位置にフリーの状態で維持されるのである。
【0051】
そして、この具体例では、前進位置にフリーの状態で維持される編針15は4本である。その後方には発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組(図12中CL2で表す)が位置しており、前進位置にフリーの状態で維持されていた編針15を後退運動させる。また、この具体例では、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組CL2についてもまた、そのカバーする領域をやや大きめにとることにより3本分の第1の編針15が後退運動制御される。より詳細には、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組CL2が差しかかった位置にある編針(図12中15sとする)が後退動作側の注目針に該当し、この注目針15sは後退動作を行なう。このとき、上記注目針15sに先行して後退した編針(図12中、先行度合いの早い方から順に15t、15uとする)もまた、後退運動はすでに終了しているにもかかわらず未だ後退運動制御を受けており、それぞれ対応するソレノイド24によって前進位置に強制保持される。そして、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組CL2が通過してしまうと、編針15uの方から順に後退運動制御の状態を解除され、後退位置にフリーの状態で維持されるのである。
【0052】
上に述べた第1の編針15についての針上げ、針下げ動作を整理すると次のようになる。
(1)3本分の第1の編針15が前進運動制御される。
(2)4分の第1の編針15が前進位置にフリーの状態で維持される。
(3)3本分の第1の編針15が後退運動制御される。
したがって、1つの糸誘導管11に関して、編針の前進運動が始まってから後退運動が終了するまでには合計10本の編針を走査していることになる。したがって、糸誘導管11の側についてみるとブラシ12、13は10本分の編針15、16をカバーするように寸法設定がされ、また上限編針調整機50、下限編針調整器60、前進限界編針調整器70、後退限界編針調整器80も10本分の編針15、16をカバーするように寸法設定がされている。以上のように針前進運動において突出運動が終了しているにもかかわらずその後も前進運動制御を及ぼして強制的に保持し、針後退運動において後退運動が終了しているにもかかわらずその後も後退運動制御を及ぼして強制的に保持することにより、第1の編針15が糸を引っ掛けた状態で前進、或いは後退するときに糸の引っ張り力により隣の編針を一緒に前進させることがないようにし(糸のかがり位置の定着)、或いは後退させることがないように(糸の正しい定着構成)している。さらに、上記発光素子30、受光素子32、スイッチング部材34の一群が通過して一連の針前進、針後退運動が終了した後は、次の発光素子30、受光素子32、スイッチング部材34の一群が到達して同様の針前進、針後退運動を行なう。
【0053】
次に、編み上げ作業に際して、アーム9および腕杆102の回転運動が上の説明のように一方の空白領域56(図9(a)においては右側の空白領域)との境界に設定された回転の始端から他方の空白領域56(図9(a)においては左側の空白領域)との境界に設定された回転の終端までS1方向へほぼ180度回転し終わると、スイッチ機構29の支持部材103に設けられた反転切替部材105、106がセンサー機構のハウジング109すなわち光センサー部28側の反転切替部材107、108に突き当たって支持部材103を支軸(垂直軸)を中心として回転させる。これにより、スイッチング部材34においては、第1のスイッチング部材34aと第2のスイッチング部材34bとの間で前後関係が入れ替えられる。このような動作は6個のスイッチング部材34の全部について順次行なわれる。これとともに上記反転切替部材105〜108の協働動作によってアーム9および腕杆102の回転方向を切り替え、また反転制御回路のスイッチを切り替える。
【0054】
これにより、アーム9および腕杆102は図2および図9(a)中、矢印S2の方向へ回転する態勢が整う。また、このとき、上記支持部材103の回転運動にともなうスイッチング部材34の前後関係入れ替えによって、上記回転方向S2の先方(上流側)には第1のスイッチング部材34aが位置し、後方(下流側)には第2のスイッチング部材34bが位置する。したがって、このS2方向の回転運動に際しても発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組は第1の編針15に対する前進制御を担当し、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組は第1の編針15に対する後退制御を担当する態勢が整う。そして、今度の編み上げ作業においては、アーム9および腕杆102が先とは逆方向へ回転しながら第1の編針15の針前進運動および針後退運動を行なわせる。このときの針前進運動および針後退運動は、先に説明した動作と同じである。また、上記S2方向の回転運動に際しての図12における第1の編針15についての針前進運動と針後退運動の制御の一具体例は、当該図において、右半分のブロックに示されている。なおこの制御の具体例もまた、先に説明した左半分のブロックの動作と同一であるから、重複した説明は省略する。
【0055】
また第2の編針16に対する針前進動作、針後退動作も、上に説明した第1の編針15に対する針前進動作、針後退動作と同様に制御される。また、第2の編針16についての反転動作制御もまた第1の編針15についての反転動作制御と同様にして行なわれるから、その動作の説明は省略する。
【0056】
編針を前進、後退運動させるための第1の編針15側の機構においては、ソレノイド23の針突出動作(引っ張り動作)により、第1の編針15が上限編針調整器50によって上昇動作を止められるまで突出し、上限位置に保持される。このとき、第1の編針15のブランチ15fが針床17に沿って突進し、上限編針調整器50の当接部材54に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される(あたかもノック式ボールペンのペン先押し出し動作のように)。この位置が上限位置(糸が編針のフックに掛かる位置)である。また、第2の編針16側の機構においては、ソレノイド24の針突出動作(引っ張り動作)により、第2の編針16が前進限界編針調整器70によって前進動作を止められるまで突出し、前進側限界位置に保持される。このとき、第2の編針16のブランチ16fが針床18に沿って突進し、前進限界編針調整器70のスプリングリング71に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される。この位置が前進側限界位置(糸が編針のフックに掛かる位置)である。
【0057】
また、第1の編針15側の機構においては、ソレノイド23の針後退動作により、第1の編針15が下限編針調整器60によって後退動作を止められるまで突進し、下限位置に保持される。このとき、第1の編針15のブランチ15fが針床17に沿って後方へ突進し、下限編針調整器60の当接部材65に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される。この位置が下限位置である。また、第2の編針16側の機構においては、ソレノイド24の針後退動作により、第2の編針16が後退限界編針調整器80によって前進動作を止められるまで後退突進し、後退側限界位置に保持される。このとき、第2の編針16のブランチ16fが針床18に沿って突進し、後退限界編針調整器80の当接部材85に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される。この位置が後退側限界位置である。
【0058】
この前進側限界位置、後退側限界位置の設定について、下限編針調整器60または後退限界編針調整器80は、それぞれ下限位置調節機構66または後退側限界位置調節機構86によって第1の編針15または第2の編針16の下限位置を調整することができる。したがって、この下限編針調整器60または後退限界編針調整器80による編目下限位置の調整により、種々の風合の編地を編成することができる。
【0059】
第1の編針15および第2の編針16の針前進および後退動作に際してのソレノイド23、24のオン動作、或いはオフ動作は、両ソレノイドについて1つの操作(或いは作業)の中で交互に行なわれるときもあるし、或いは片方だけについて行なわれる(他方は完全に休止している)こともある。これは、ゴム編みの場合は第1の編針15側の機構も第2の編針16側の機構も同字編み上げ作業の中で動作させる必要があり、両ソレノイド23、24を同時作動させる必要があるのに対し、平編み(単純編み)の場合は第1の編針15側の機構または第2の編針16側の機構のいずれか一方を動作させるだけでよいから、ソレノイド23または24の片方のみを作動させるだけでよい、というように編み作業の種類によって異なるものである。
【0060】
なお、以上の説明では、スイッチ機構29のスイッチング部材34、35の移動および通過に基づき、受光素子32、33をオン、オフさせ、リレー37のスイッチ38、39のオン、オフによってソレノイド23、24の励磁、および励磁解除をする方式を採用しているが、このような構成に代えて、回転角を検出する市販のロータリエンコーダを使用して、ソレノイド駆動信号を得るようにしてもよい。
【0061】
制御装置27の腕杆102とアーム9および糸誘導管11の支持台5同じ速度で同期回転しているので、腕杆102に取り付けられたスイッチング部材34、35より選択されたソレノイド23、24に対応する編針15、16の位置には、必ず糸誘導管11が位置しており、糸誘導管11から導かれた糸7を選択された編針により引っ掛けて編目を作る。腕杆102と支持台5およびアーム9は、ともに180度ずつ往復回転運動し、アーム9の両端に取り付けられた2つの糸誘導装置14により1往復で2種類の編地を編み上げてゆく。したがって、例えば円筒状の針床17および円輪環形状の針床18の直径を大きくして円周長さを拡大し、その上で、これらの針床17、18をそれぞれ360度(180度×2)を4分割して4群構成としたり、或いは6分割して6群構成とし、糸誘導装置14をそれぞれの針床群に配置(例:4群であれば2本のアーム9と4台の糸誘導装置14)すれば、1往復で4枚(または種類)或いは6枚(または種類)の編地を編成することができる。このような構成にすると、単に編地の編成枚数が増大するのみならず、さらに利点がある。すなわち、例えば上記4群構成にしたとすると、アーム9は2本が90度の角度間隔をおいて回転軸に取り付けられるから、1本のアーム9については往復回転の角度範囲は90度で済む(上の例では180度であった)。したがって、糸誘導管11へ糸を供給している供給元から見ると、糸誘導管11の移動にともなう糸の振れ角度が小さくなり、その分、糸の絡み合いやもつれといった問題が回避できるのである。また、同様に針床を12群構成にし、それぞれに糸誘導装置を配置すれば、1往復で12枚の編地を編成することができ、生産性を一層高めることができる。ここで、針床の群構成は円筒状の針床17および円輪環形状の針床18の直径を大きくしていけば、理論上はいくらでも増大させることができるが、実用上は、直径を大きくし得る限度(自動横編機の設置スペース、アームの長さ限度など)で決定することが好ましい。なお、計算によれば、上記4群構成や6群構成は充分に実用に耐え得るものである。
【0062】
上記した実施の形態は、各編針15、16を直接駆動するアクチュエータとしてソレノイド23、24を用いた例であるが、前記した特公平1−12855号公報に記載されているような薄型小型リニアモータおよびその他のアクチュエータを同様に本発明の実施のために用いることができ、また制御の方法も同様に上記公報に記載された方法を本発明の実施のために用いることができる。その他、公知の技術を利用して本発明を種々に変更して実施することができる。
【0063】
また、ソレノイド23、24の針前進作動、針後退作動についても、上記の実施の形態では腕杆102をアーム9および糸誘導管11と同期して回転させ、発光素子30、32と受光素子31、33との間をスイッチング部材34、35が通過して光を遮断するのにともなってソレノイド23、24を針前進作動、針後退作動させるようにしている。しかしこのような構成に代えて、発光素子、受光素子、およびスイッチング部材34、35と同様な関係に配置されたスイッチング穴を持った光透過板を回転軸4に固定取り付けしてアーム9と一体的に回転するようにしておき、スイッチング穴に光を通過させることによりソレノイド23、24の針前進作動、針後退作動を制御してもよい。この場合は、発光素子、受光素子、スイッチング穴の関係は、発光素子と受光素子との間では常時光信号が遮断された状態にしておき、スイッチング穴の通過によって受光素子をオン動作させソレノイド23、24が作動するようにする。このような変更は設計の都合により変更可能である。また、発光素子、受光素子から成るセンサーの代わりに磁気センサーを用いてもよい。また、上記実施の形態では編針15、16の上げ、下げを行なうアクチュエータとしてソレノイド23、24を用い、これの代わりに薄型小型リニアモータの使用可能性についても言及しているが、この他にも、空気圧、油圧を利用し、ソレノイド部分の信号入力を空気圧管、油圧管の弁の開閉によって行なう構造としてもよい。このような場合は空気圧や油圧を利用するため、編針15、16の上げ、下げを行なうための原動力として空気圧ポンプ、油圧ポンプなど、別の機器を使用する。
【0064】
なお、ここで、現在一般に使用されている自動横編機(従来機)と本発明の自動横編機(本機)との作業速度(高速性能)を比較してみる。従来機の運転速度は、最新の機械で秒速1.3メートルである。また、従来機を低速運転したときの速度は、インチ8ゲージ(1インチの長さに8本の編針が配置してある)タイプのもので、秒速144本分であるから、その速度は、
144÷8=18 (インチ/秒)
18×2.5=45 (cm/秒)
である。
従来機の普通速度は、上と同じタイプのもので、秒速192本分であるから、その速度は、
192÷8=24 (インチ/秒)
24×2.5=60 (cm/秒)
である。
【0065】
次に本機を上記従来機の速度のうち低速運転に合わせて秒速144本分で運転するものとする。編み動作の1ストローク長さは(編み行程長さ)40インチとするとこの長さの中に設置されている編針の数は、
8×40=320 (本)
である。320本の編針について始端から終端まで編み動作を行なって反転するまでの時間は、
320÷144=2.22 (秒)
である。
【0066】
ここで、例えば1枚のセーターを編み立てるには編み目数で310目が必要であり本機でこれを編み立てるには、糸誘導管11が1個であるとした場合、この糸誘導管が155往復することになる。したがって、本機による編立時間(低速運転による)は、
2.22×310=688.2 (秒)
であり、これを分に直すと、
688.2÷60=11.47 (分)
である。ここまでは、本機と従来機と同じ時間を要し、結局従来機では、1枚当たりの編立時間(低速運転の場合)は、11.47分ということになる。
【0067】
ところが、本機では糸誘導管は1個ではなく、上記実施の形態では6個が取り付けられているから、結局、編立時間は、
11.47÷6=1.9116 (分)
となり、この時間でアーム9の一方の糸誘導管群により1枚の編立時間は完了する。
【0068】
しかも、本機ではアーム9の両端に糸誘導管群は取り付けられ、編み動作のストローク(編み行程)も円の直径方向に対向して2つ設けられているから、上の時間(1.9116分)で2枚の製品が出来上がる。したがって、1枚当たりになおすと、編立時間は、
1.9116÷2=0.9558 (分)
となる。
【0069】
このように、本機は従来にはない、高能率時間で製品を編み上げる生産性の高い編機であり、しかも機械は低速状態で使用しても充分であるから、編針の損傷や編み目の不ぞろいとか、食い違いといったトラブルの少ない高性能な機械である。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、上記したように、編針を円筒状に配列して各編針に1対1に対応するアクチュエータを設け、編針を1本1本独立に駆動できるようにするとともに、編針の駆動に同期して糸を各編針に供給するようにしたものであり、編針を駆動するためのカムや重量の重いキャリッジを使用しないので、消費電力の少ない、生産性の高い、経済効率のよい自動横編機を実現することができ、編針を円筒状に配置したので、装置を小型化することができるという効果を有する。また、さらにこの自動横編機の運転速度を上記低速(秒速144本分)よりもさらに原則スローにすることによって、特殊素材の糸(糸の太さが一様でないもの等、特殊な柄模様や風合いを出すために使用される)も使用可能になる。しかし、本発明の自動横編機の特徴により高能率で編地の編成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す自動横編機の概略正面図である。
【図2】前記実施の形態における自動横編機の編針配置部分を示す概略平面図である。
【図3】(a) 前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の構造を示す底面図である。
(b) 前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の構造を示す側面図である。
【図4】前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の進退運動ストロークの限界を規定する部材の設置状態を説明する側方部分断面図である。
【図5】前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の下限編針調整器の具体的な構成例を示すため、針床の内側から見た正面図である。
【図6】(a) 前記実施の形態における自動横編機の第2の編針の構造を示す底面図である。
(b) 前記実施の形態における自動横編機の第2の編針の構造を示す側面図である。
【図7】前記実施の形態における自動横編機の第2の編針の横編装置への取り付け状態および前進端と後退端の調節機構の配置関係を詳細に示す図である。
【図8】前記実施の形態における自動横編機の後退限界編針調整器の具体的な構成例を示す平面図である。
【図9】(a) 前記実施の形態における自動横編機の制御装置の内部に配置されているセンサー機構の概略構成を示す平面図である。
(b) 前記実施の形態における自動横編機の前記センサー機構の、図9 (a)中の線F−Fにおける断面図である。
【図10】前記実施の形態における自動横編機の同自動横編機の制御装置における電子回路例を示す回路図である。
【図11】前記実施の形態における自動横編機のコントロールボックス内に組み込まれ制御電流の流れ方向を切り替える反転制御回路の一具体例を示す回路図である。
【図12】前記実施の形態における自動横編機の編針についての、針前進運動と針後退運動の制御の一具体例を説明する解説図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 モータ
3 回転駆動部
4 回転軸
5 支持台
6 糸パッケージ
7 糸
8 プーリ
9 アーム
10 ガイド
11 糸誘導管
12、13 ブラシ
14 糸誘導装置
15、16 編針
17、18 針床
19、20 レバー
21、22 ロッド
23、24 ソレノイド
27 制御装置
28 光センサー部
29 スイッチ機構
30、31 発光素子
32、33 受光素子
34、35 スイッチング部材
50 上限編針調整器
60 下限編針調整器
70 前進限界編針調整器
80 後退限界編針調整器
【発明の属する技術分野】
本発明は、編み針に1対1で対応するアクチュエータを備えた自動横編機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動横編機は、複数のカムを配置したキャリッジを往復直線運動させ、カムによって編針を順番に上下させることにより横編地を編成していた。しかしながら、キャリッジを使用する従来の自動横編機では、キャリッジの重量が重いので、その往復運動の駆動に使用するモータとして容量が大きく、消費電力の大きなモータを使用しなければならず、またその慣性力が大きいために高速化するのが難しく、生産性が低いという問題があった。また、編針がキャリッジ内のカムによって駆動されるため、カムとの係合や摺動のために編針の寿命が短く、また編目の調整のためにカムの調整が必要となり、保守管理のコストが高くつき、経済効率が悪いという問題があった。このような問題を解決するものとして、特公平1−12855号公報には、編針の1本、1本に個別に連結されて各編針を独立に駆動するアクチュエータを備えたキャリッジレスの自動横編機が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平1−12855号公報に記載された自動横編機は、編針を一平面内に平行に多数配列するとともに、各編針に沿って糸を供給する糸供給装置もガイド部材に沿って左右方向に往復直線運動するように構成されているため、装置が大型になるという問題があった。
【0004】
また、糸供給装置の個数が2〜3個に限定されるという不具合があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、消費電力が少なく、生産性の高い、経済効率のよい、小型化可能な自動横編機を提供することを目的とする。
【0006】
本発明はまた、小型でありながら多数の移動する糸供給装置を設置することができる自動編み機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、編針を円筒状に配列して各編針に1対1に対応するアクチュエータを設け、編針を1本1本独立に駆動するとともに、編針の駆動に同期して糸を各編針に供給するようにしたものであり、編針を駆動するためのカムや重量の重いキャリッジを使用しないので、消費電力の少ない、生産性の高い、経済効率のよい自動横編機を実現することができ、編針を円筒状針床に配置したので、装置を小型化することができる。
【0008】
また、糸供給装置が多数設置され能率の向上になり、糸供給装置の移動のみで編成するため、小電力で稼働することができる。
【0009】
本発明による自動横編機は、円筒状に配列された複数の編針を摺動可能に保持する針床と、各編針を1対1で駆動するアクチュエータと、円筒状の針床の中心を基点として往復回転運動可能に設けられて各編針に順番に糸を供給する糸誘導装置と、糸誘導装置の回転と同期して各アクチュエータを任意に選択して駆動する制御装置とを備えたものであり、針床が円筒状に形成されているため、装置全体を小型化することができ、また各編針は1本、1本独立にアクチュエータにより駆動され、モータは糸誘導装置を回転させるだけなので、小型のモータを使用することができ、さらに制御装置により編針の駆動と糸誘導装置の移動とを高速に同期させることができ、消費電力の少ない、生産性の高い、経済効率のよい自動横編機を実現することができる。
【0010】
本発明はまた、制御装置が、糸誘導装置と同期して回転して各編み針の位置を検出する手段や、糸誘導装置の回転角速度を検出する手段を備えることにより、駆動する編針に対する糸誘導装置の同期を確実に取ることができる。
【0011】
本発明はまた、円筒状の針床を、それぞれ糸誘導装置を備えた複数の針床群により構成することにより、一度に複数枚(例:2枚)の編地を編成することができ、生産性をより一層向上させることができる。
【0012】
本発明はまた、制御装置が、編針の上限位置および下限位置を設定する手段を備えることにより、同じ編成の横編地でも種々の風合を持たせることができる。
【0013】
本発明はまた、円板状に配列された複数の編針を保持する第2の針床を円筒状の第1の針床に対向するように配置し、第2の針床の各編針に対しても1対1で対応するアクチュエータで駆動するようにしたものであり、いわゆるダブルベッド構造によりゴム編(リブ)を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本実施における自動横編機の概略構成を表す正面図、図2は同装置の概略平面図である。これらの図において、1は四つ足のフレームであり、装置全体を支えるとともに、モータ2に連結された回転駆動部3を支持する。回転駆動部3からは上方に1本の回転軸4が延びており、その頂部には支持台5が固定され、その上に180度方向に2つの糸パッケージ6が装着されている。糸パッケージ6からの糸7は、テンションを掛けられたプーリ8を通り、同様に回転軸4に固定されたアーム9の先端部のガイド10を通って、糸誘導管11まで導かれる。糸誘導管11は、アーム9の先端において下方に延びて連結された支持杆48を介して取り付けられた管保持部材49に複数個が取り付けられている。この実施の形態においては、管保持部材49はアーム9の両端部分に取り付けられ、また糸誘導管11は、11a、11b、11c、11d、11e、11fと、1個の管保持部材49につき6個づつ(合計12個)取り付けられている(図2参照)。支持杆48の下方先端近くの部分には、糸誘導管11の両側に隣接するようブラシ12、13が取り付けられている。ブラシ12、13は、編針15、16がその進退運動の最も前進した位置まで進んだときに、弾みにより編針のベラが閉じることがあるので、ベラをブラシ12、13に擦り付けて強制的に開くためのものである。これらの構成により糸誘導装置14が構成されている。編針15と編針16のうち編針15は、複数本が垂直に置かれた円筒の側面に沿ってほぼ垂直上向きに、且つ円周方向へ所定の間隔をおいて配置され、それぞれ垂直方向へ進退運動する。以下、この編針15を第1の編針という。一方、編針16は複数本が水平に置かれた円板状または円環(リング)形状のディスク体の面にほぼ等角度間隔に配置され、それぞれディスク体の半径に沿って水平方向へ進退運動する。
【0015】
糸誘導管11の両側には、垂直方向の第1の編針15と水平方向の第2の編針16の先端部が配置され、各編針15、16は、それぞれ、上記円筒の側面を構成する第1の針床17と、ディスク体で構成された第2の針床18に、円周方向へ交互になるように配置され、且つ摺動可能に設けられている。図1では、針床17と18は互いに90度に配置されているが、90度以上に逆V字形になるように配置してもよい。第1の針床17は、全体が円筒状に形成され、第2の針床18は全体が円板形状に形成されている。
【0016】
ここで、第1の編針15側の機構について説明する。図3(a)は第1の編針15として用いられる編針の構造を示す底面図であり、図3(b)は同じく第1の編針15の構造を示す側面図である。また、図4は第1の編針15(1本について)の横編装置への取り付け状態を拡大して示す断面図である。第1の編針15は、図3(a)、(b)に示すように、基端部にバット15a、中間部にシャンク15b、先端部に糸7を引っ掛けるフック15cとベラ15d、スプリング15e、およびシャンク15bの途中にバット15aとは反対側に突出するブランチ15fを有する。針床17は、円筒の外部側面に沿って円周方向へ延びており、この外部側面が第1の編針15の配置面となっている。この実施の形態において、第1の編針15は、針床17に対して25.4mmの範囲に8本(すなわち8本/インチ)が並ぶように複数本が配列されている。針床17には、第1の編針15の進退運動方向へ延びるスリット溝が形成されており、針床17に第1の編針15がセットされたとき、当該第1の編針15のブランチ15f部分が針床17の裏側(すなわち円筒内側)へ突出するようになっている。
【0017】
また、それぞれの第1の編針15の基端部には、レバー19およびロッド21を介してアクチュエータである複数のソレノイド23が、第1の編針15と1対1に対応して接続されている。ソレノイド23は、第1の編針15よりも幅寸法が大きく、第1の編針15と同様に一列には配列できないため、本実施の形態では、4個ずつ斜めに重なるように配列してある。レバー19は、中間部の支点19aを中心にてこ運動し、またこのレバー19の先端部は、第1の編針15のバット15aに係合し、基端部はロッド21の先端部が係合している。レバー19の基端部には、3個の溝19b、19c、19dがあり、ロッド21の先端部のリングをこれら溝のいずれかに係合させることによりレバー比が変わり、第1の編針15の先端部の突出量を変更することができる。これは、ロッド21の先端部をを固定したスライダをレバー19の上を移動させてレバー比を連続的に変化させるようにしてもよい。
【0018】
図4は第1の編針15の進退運動ストロークの限界を規定する部材の設置状態を説明する側方部分断面図である。針床17の裏側には第1の編針15の進退運動の前進側限界すなわち上限位置を規定する上限編針調整器50と、第1の編針15の進退運動の後退側限界すなわち下限位置を規定する下限編針調整器60とが設けられている。上限編針調整器50は、図4に示すように、針床17の裏側の比較的高い位置において、この針床17の裏面にねじ51等の締結部材によって取り付けられたボックス体52と、ボックス体52の内部に装填され上端をボックス体52の天井に固定された弾性部材としてのばね部材53と、ばね部材53の下側において当該ばね部材53に連結或いは接して取り付けられ第1の編針15に当接してその前進運動を止める当接部材54とから成る。ボックス体52は、下部が開放状態となっており、当接部材54は、ばね部材53の伸縮運動によって上下運動するようになっている。ばね部材53はコイルばね或いは波形のばねから成っている。また、上記当接部材54はゴム、フェルト、軟質のプラスチックなどから成っており、ばね部材53の弾性作用と相まって衝撃吸収構造となり、第1の編針15の前進運動を止めるときに当該第1の編針15に加えられる衝撃を和らげるようになっている。この上限編針調整器50は、第1の編針15の前進運動の最先端位置(すなわち上限)を決定するものであり、上記第1の編針15の最先端位置に対応する針床17の裏側の高さ位置に配置されている。下限編針調整器60は、図4に示すように、針床17の裏側の比較的低い位置に設けられている。
【0019】
図5は上記下限編針調整器60の具体的な構成例を示すため、針床17の内側から見た正面図である。この下限編針調整器60は、針床17の裏側において円筒内面に沿って設けられた湾曲構造のハウジング部材61と、ハウジング部材61の内部に設けられた弾性部材としてのばね部材62と、ばね部材62を下方から支持するばね受け63と、ばね部材62をばね受け63上に装着固定する取り付けねじ64と、ばね部材62の上側においてこのばね部材62に連結或いは接して設けられた当接部材65と、ばね受け63を下方から部分的に支持する下限位置調節機構66とから成る。図5において、ハウジング部材61は横長の長方形に描かれているが、実際は上記のように針床17の円筒側面に沿って湾曲しており、図5はこのハウジング部材61を展開して示してある。ハウジング部材61は上部が開放状態となっており、当接部材55は、ばね部材62の伸縮運動によって上下運動するようになっている。ばね部材62はコイルばね或いは図5に示すような波形のばねから成っている。また、当接部材65は、上記当接部材54と同様、ゴム、フェルト、軟質のプラスチックなどから成っており、ばね部材62の弾性作用と相まって衝撃吸収構造となり、第1の編針15の後退運動を止めるときに当該第1の編針15に加えられる衝撃を和らげるようになっている。この下限編針調整器60は、第1の編針15の後退運動の最後端位置(すなわち下限)を決定するものであり、上記第1の編針15の最後端位置に対応する針床17の裏側の高さ位置に配置されている。
【0020】
このように配置された上限編針調整器50および下限編針調整器60に対して、第1の編針15は、針床17に第1の編針15がセットされたとき、針床17に形成されたスリット溝を通して裏側へ突出したブランチ15f部分が第1の編針15の進退運動にともなって上限編針調整器50の当接部材54および下限編針調整器60の当接部材65に当接することにより上限位置および下限位置が調整される。すなわち、第1の編針15がソレノイド23の作動により前進せしめられたときはブランチ15fが上限編針調整器50の当接部材54に当接して上限位置に保持される。他方、第1の編針15がソレノイド23の作動により後退せしめられたときはブランチ15fが下限編針調整器60の当接部材65に当接して下限位置に保持される。
【0021】
第1の編針15の下限位置は、編み作業の種類によって種々異ならせる必要があり、この点において上限位置がほぼ一定の位置を確定すればよいのと異なる。このため、下限編針調整器60には上記下限位置調節機構66が設けられている。この下限位置調節機構66は、駆動モータ(図示してない)により回転駆動される駆動軸67と、駆動軸67に一体的になって支持された円柱(或いは円筒)形状の機構本体58と、機構本体58に半径方向へ延びて取り付けられた複数本(この実施の形態では8本)の腕木68と、腕木68の先端に取り付けられた押圧部材69とから構成されている。腕木68はそれ自体にねじが形成されている一方、機構本体58には腕木68のねじに対応するめねじが形成してあり、腕木68を機構本体58のめねじにねじ係合させることにより、腕木68を機構本体58に進退自在に取り付けられるようになっている。そして、腕木68の長手方向中間部分に対応する機構本体58の所定の部分にはボルトなどのねじ部材59が腕木68の内部へ向けてねじ込むように装填され、機構本体58に対する腕木68或いは押圧部材69の嵌入量(ねじ込み量)を微調整しながらねじ部材59と腕木68を結合させるようになっている。
【0022】
したがって、腕木68のねじ込み量の違いによって、各腕木68とこれに嵌合取り付けした押圧部材69の組ごとに駆動軸67の中心から押圧部材69の先端までの長さ寸法を異ならせることが可能である。例えば図5中において、1つの腕木68(例えば68aとする)と押圧部材69(例えば69aとする)の組では腕木68aを機構本体58に対して最も少なくねじ込んだ状態で螺合させることにより、駆動軸67の中心から押圧部材69の先端までの長さ寸法を大きくとることができる。また一方、腕木68(例えば68bとする)とこれに嵌合取り付けした押圧部材69(例えば69bとする)の組では腕木68aを機構本体58に対して最も多くねじ込んだ状態で結合させることにより、駆動軸67の中心から押圧部材69の先端までの長さ寸法を小さくすることができる。このような操作により上記下限位置調節機構66では最大8種類の下限位置調節量を設定することができる。
【0023】
そして、駆動軸67を回転させることにより下限編針調整器60の1つの押圧部材69(図5では69c)がばね受け63の底面に当接し、当該ばね受け63を押し上げる。この押し上げ作用によってばね受け63は上方へ押し上げられ、このばね受け63の押し上げはばね部材62を介して当接部材65に伝えられ、当該当接部材65をばね受け63と同様上方へ押し上げる。これにより第1の編針15の下限位置が決定される。次に、駆動軸67をさらに回転させて別の押圧部材69をばね受け63の底面に当接させると、当該ばね受け63を先とは違った寸法だけ押し上げる。この押し上げ作用によって、ばね受け63は上方へ押し上げられ、この押し上げはばね部材62を介して当接部材65に伝えられ、当該当接部材65をばね受け63と同様上方へ押し上げる。このときの当接部材65の押し上げ量は先の場合とは異なっているから、駆動軸67を種々回転させることにより第1の編針15の下限位置が調整されるのである。
【0024】
なお上の説明では、上限編針調整器50を針床17の円筒内側面に固定取り付けする構成として説明したが、固定取り付けではなく円筒内側面に沿った円周方向への可動方式としてもよい。また、下限編針調整器60も、針床17の円筒内側面への固定取り付け方式にしてもよいし、円筒内側面に沿った円周方向への可動方式としてもよい。固定式である場合は、針床17に配設された第1の編針15の全てをカバーすべく円筒内側面に沿って円周方向へほぼ全周にわたって延びた上限編針調整器50或いは下限編針調整器60が必要となる。可動式である場合は、上限編針調整器50或いは下限編針調整器60を小型化することができる。そして、これらの編針調整器50、60を、例えば円筒内側面に沿って円周方向へ移動する台車或いは移動体構成として、パルスモータのような駆動装置を載置する一方で針床17の円筒内側面に沿って軌道を設け、パルスモータに制御装置27(後出)からパルス信号を受けて第1の編針15の進退運動に同期させて円筒内側面に沿って円周方向へ移動させる構成とする。
【0025】
次に、第2の編針16側の機構について説明する。図6(a)は第2の編針16として用いられる編針の構造を示す底面図であり、図6(b)は同じく第2の編針16の構造を示す側面図である。第2の編針16の横編装置への取り付け状態は図2に示されているが、この第2の編針16の横編装置への取り付け状態および前進端と後退端の調節機構の配置関係を図7に詳細に示す。第2の編針16は、図6(a)、(b)に示すように、基端部にバット16a、中間部にシャンク16b、先端部に糸7を引っ掛けるフック16cとベラ16d、スプリング16e、およびシャンク16bの途中にバット16aと同じ側に突出するブランチ16fを有する。第2の編針16は複数本が水平に置かれた円板状または円環 (リング)形状のディスク体の上に設けられた針床18にほぼ等角度間隔に配置され、それぞれディスク体の半径に沿って水平方向放射状に進退運動する。この実施の形態において、第2の編針16は、針床17に対して第2の編針16の糸繰り点が25.4mmの範囲に8本分(すなわち8本/インチ)並ぶように複数本が配列されている。そして針床18に第2の編針16がセットされたとき、当該第2の編針16のブランチ16f部分が針床18の上側へ突出するようになっている。
【0026】
また、それぞれの第2の編針16の基端部には、レバー20およびロッド22を介してアクチュエータである複数のソレノイド24が、第2の編針16と1対1に対応して接続されている。ソレノイド24はソレノイド23と同じタイプのものが使われている。ソレノイド24は、第2の編針16よりも幅寸法が大きく、第2の編針16と同様に一列には配列できないため、本実施の形態では、4個ずつ斜めに重なるように配列してある。レバー20は、中間部の支点20aを中心にてこ運動し、またこのレバー20の先端部は、第2の編針16のバット16aに係合し、基端部はロッド22の先端部が係合している。レバー20の基端部には、3個の溝20b、20c、20dがあり、ロッド22の先端部のリングをこれら溝のいずれかに係合させることによりレバー比が変わり、第2の編針16の先端部の突出量を変更することができる。これは、ロッド22の先端部をを固定したスライダをレバー20の上を移動させてレバー比を変化させるようにしてもよい。
【0027】
針床18の上側には第2の編針16の進退運動の前進側限界を規定する前進限界編針調整器70と、同じく当該第2の編針16の進退運動の後退側限界を規定する後退限界編針調整器80とが設けられている。前進限界編針調整器70は、第2の編針16の前進位置に対応する場所に位置決めされている。また、図7に示すように、針床18の上面の、ディスクの中心から外周までの中間部分においては、円輪状に設けられた溝にスプリングリング71が埋設されている。このスプリングリング71は、弾性力により第2の編針16を押さえてこの第2の編針16が振れるのを防ぎ、第2の編針16の前進、後退運動をスムーズに行なわせるものである。なお、針床17にも同様なスプリングリング110が設けられ、その弾性力により第1の編針15を押さえてこの第1の編針15が振れるのを防ぎ、第1の編針15の前進、後退運動をスムーズに行なわせるようになっている。この前進限界編針調整器70は、第2の編針16の前進運動の最先端位置(すなわち前進側限界)を決定するものである。後退限界編針調整器80は、図7に示すように、針床18の上側の、上記スプリングリング71よりもディスクの半径方向内側の位置に設けられている。また、後退限界編針調整器80は、全体としてはほぼ扇形の平面構造を有し、扇の要に対応する部分において回転軸4に固定取り付けされることにより回転軸4とともに回転するようになっている。
【0028】
図8は上記後退限界編針調整器80の具体的な構成例を示し、また前進限界編針調整器70を付随的に示す平面図である。この後退限界編針調整器80は、針床18の上側において回転軸4に取り付けられた扇形状のハウジング部材81と、ハウジング部材81の内部に設けられた弾性部材としてのばね部材82と、ハウジング部材81の内部においてばね部材82を半径方向内側から外側へ向けて支持するばね受け83と、ばね部材82とばね受け83とをハウジング部材81の内部に装着固定する取り付けねじ84と、ハウジング部材81の内部においてばね部材82の半径方向外側においてこのばね部材82に連結或いは接して設けられた当接部材85と、ばね受け83を半径方向内側から部分的に支持する後退側限界位置調節機構86とから成る。前進限界編針調整器70もまた、後退限界編針調整器80を構成するハウジング部材81、ばね部材82、ばね受け83、取り付けねじ84、および当接部材85と同様な部材によって構成されており、図7および図8中で点線で示すように、後退限界編針調整器80と一体的に且つこれよりも半径方向外方へ所定寸法間隔を開けて設けられている。なお、前進限界編針調整器70の当接部材は、ハウジング部材の内部においてばね部材の半径方向内側において当該ばね部材に連結或いは接して設けられる。ハウジング部材81は先端部すなわち半径方向に最も外側部分が開放状態となっており、当接部材85は、ばね部材82の伸縮運動によって上下運動するようになっている。ばね部材82はコイルばね或いは図8に示すような波形のばねから成っている。また、当接部材85は、上限および下限編針調整器50、60に用いられている当接部材54、65と同様、ゴム、フェルト、軟質のプラスチックなど比較的柔らかい材料から成っており、ばね部材82の弾性作用と相まって衝撃吸収構造となり、第2の編針16の後退運動を止めるときに当該第2の編針16に加えられる衝撃を和らげるようになっている。この後退限界編針調整器80は、第2の編針16の後退運動の最後端位置(すなわち下限)を決定するものであり、上記第2の編針16の最後端位置に対応する針床18の上側の高さ位置に配置されている。
【0029】
このように配置された前進限界編針調整器70および後退限界編針調整器80に対して、第2の編針16は、針床18に第2の編針16がセットされたとき、針床18よりも上側へ突出したブランチ16f部分が第2の編針16の進退運動にともなって前進限界編針調整器70のスプリングリング71および後退限界編針調整器80の当接部材85に当接することにより前進側限界位置および後退側限界位置が調整される。
【0030】
第2の編針16の後退側限界位置は、編み作業の種類によって種々異ならせる必要があり、この点において上限位置がほぼ一定の位置を確定すればよいのと異なる。このため、後退限界編針調整器80には上記後退側限界位置調節機構86が設けられている。後退側限界位置調節機構86は、第1の編針15の側の機構に用いられた下限位置調節機構66と同じ構成を有するものである。すなわち後退側限界位置調節機構86は、駆動モータ(図示してない)により回転駆動される駆動軸87と、駆動軸87と一体的になって支持された円板体形状の機構本体78と、機構本体78に半径方向へ延びて取り付けられた複数本(この実施の形態では8本)の腕木88と、腕木88の先端に取り付けられた押圧部材89とから構成されている。腕木88はそれ自体にねじが形成されている一方、機構本体78には腕木88のねじに対応するめねじが形成してあり、腕木88を機構本体78のめねじにねじ係合させることにより、腕木88を機構本体78に進退自在に取り付けられるようになっている。そして、腕木88の長手方向中間部分に対応する機構本体78の所定の部分にはボルトなどのねじ部材90が腕木88の方へ向けてねじ込むように装填され、機構本体78に対する腕木88或いは押圧部材89の嵌入量(ねじ込み量)を微調整しながらねじ部材90と腕木88を結合させるようになっている。
【0031】
したがって、腕木88のねじ込み量の違いによって、各腕木88とこれに嵌合取り付けした押圧部材89の組ごとに駆動軸87の中心から押圧部材89の先端までの長さ寸法を異ならせることが可能である。例えば図8中において、1つの腕木88(例えば88aとする)と押圧部材89(例えば89aとする)の組では腕木88aを機構本体78に対して最も少なくねじ込んだ状態で螺合させることにより、駆動軸87の中心から押圧部材89の先端までの長さ寸法を大きくとることができる。また一方、腕木88(例えば88bとする)とこれに嵌合取り付けした押圧部材89(例えば89bとする)の組では腕木78aを機構本体78に対して最も多くねじ込んだ状態で結合させることにより、駆動軸87の中心から押圧部材89の先端までの長さ寸法を小さくすることができる。このような操作により上記後退側限界位置調節機構86では最大8種類の後退側限界位置調節量を設定することができる。
【0032】
そして、駆動軸87を回転させることにより後退限界編針調整器80の1つの押圧部材89(図8では89c)がばね受け83の底面に当接し、当該ばね受け83を押し出す。この押し出し作用によって、ばね受け83は前方へ押し出され、このばね受け83の押し出しはばね部材82を介して当接部材85に伝えられ、当該当接部材85をばね受け83と同様前方へ押し出す。これにより第2の編針16の後退側限界位置が決定される。次に、駆動軸87をさらに回転させて別の押圧部材89をばね受け83の底面に当接させると、当該ばね受け83を先とは違った寸法だけ押し出す。この押し出し作用によって、ばね受け83は前方へ押し出され、この押し出しはばね部材82を介して当接部材85に伝えられ、当該当接部材85をばね受け83と同様前方へ押し出される。このときの当接部材85の押し出し量は先の場合とは異なっているから、駆動軸87を種々回転させることにより第2の編針16の後退側限界位置が調整されるのである。
【0033】
なお上の説明では、前進限界編針調整器70を針床18の上面に固定取り付けする構成として説明したが、固定取り付けではなく円周方向への可動方式としてもよい。また、後退限界編針調整器80も、針床18の上面への固定取り付け方式にしてもよいし、上に説明したように可動方式としてもよい。固定式である場合は、針床18に配設された第2の編針16の全てをカバーすべくディスクの半径方向所定の位置において円周方向へほぼ全周にわたって延びた前進限界編針調整器70或いは後退限界編針調整器80が必要となる。可動式である場合は、前進限界編針調整器70或いは後退限界編針調整器80を小型化することができる。そして、これらの編針調整器70、80を針床18面に沿って円周方向へ移動する駆動装置に連結し、第2の編針16の進退運動に同期させて針床18面に沿って円周方向へ移動させる構成とする。
【0034】
第1の編針15側の機構および第2の編針16側の機構の両方に関して、針床17、および針床18が配置されている範囲は、図2においてA点から反時計回り方向へB点までと、C点から反時計回り方向へD点までの角度範囲内であり、これが編み上げ作業が行なわれる実質的な範囲すなわちストロークである。そして、B点からC点までの範囲およびD点からA点までの範囲(すなわち、直径方向に対向配置された2カ所の小角度範囲)は針床17、18および編針15、16が設置してない空白領域(すなわち、いわゆる「あそび」の領域)56を形成している。そして、先の説明で述べた管保持部材49による複数(6個)の糸誘導管11の取り付け範囲は、上記空白領域56の範囲内に納まるように寸法或いは糸誘導管11の個数が設定されている。上記説明では、空白領域56には編針15、16が設置してないとしたが、これは実質的な意味においてであり、例えば空白領域56に編針15、16を設置するが、この部分の編針はソレノイド23、24に連結しないとか、ソレノイド23、24に連結しても信号を入力しないとかの措置を施し不動作の構成にするという態様をとってもよい。
【0035】
ソレノイド23、24は、フレーム1の下部に設置された制御装置27内の電子回路に接続され、この制御装置27によってコントロールされる。制御装置27はセンサー機構と制御回路とを組み込んで成り、ソレノイド23、24に編針の前進動作および後退動作を行なわせるのみならず、上記前進動作および後退動作のタイミングをとり、且つ前進、後退順序の反転動作の制御も行なう。また、制御装置27は回転軸4およびアーム9の回転による糸誘導管11の移動位置をセンサー機構に取り込むために回転駆動部3に作動連結されている。図9(a)は制御装置27の内部に配置されているセンサー機構の概略構成を示す平面図であり、図9(b)は同じくこのセンサー機構の、図9(a)中の線F−Fにおける断面図である。センサー機構は、光センサー部28と、光センサー部28における光の導通をオン、オフするスイッチ機構29とから構成されている。
【0036】
光センサー部28は略円盤構造のセンサー本体95と、センサー本体95の所定の位置に配置された発光素子30、31と、発光素子30、31のそれぞれに対向して設けられた受光素子32、33とから構成されている。センサー本体95は、図9(a)に示すように円盤の中心から半径方向外方へ異なった距離の位置に第1および第2の溝96、97が円環状(以下、円環溝という)に形成され、これらの円環溝96、97の側壁には発光素子30、31、および受光素子32、33が配置されて、それぞれ電子回路に接続されている。具体的には、第1の円環溝96は円盤の中心(Oとする)から半径方向へより外方へ離れた位置に形成される一方、第2の円環溝97は円盤の中心Oに比較的近い位置に形成されている。そして、第1の円環溝96の半径方向内側の側壁には発光素子30(30a、30b)が設けられ、第1の円環溝96の半径方向外側の側壁には受光素子32(32a、32b)が設けられている。また、第2の円環溝97の半径方向外側の側壁には発光素子31(31a、31b)が設けられ、第2の円環溝97の半径方向内側の側壁には受光素子33(33a、33b)が設けられている。そして、発光素子30aと受光素子32aとが対向配置され、発光素子30bと受光素子32bとが対向配置されている。また、発光素子31aと受光素子33aとが対向配置され、発光素子31bと受光素子33bとが対向配置されている。発光素子30と受光素子32は、上記ソレノイド23の場合と同様に、第1の編針15と1対1に対応して複数個が上記第1の円環溝96に沿って設けられている一方、発光素子31と受光素子33は、上記ソレノイド24の場合と同様に、第2の編針16と1対1に対応して複数個が上記第2の円環溝97に沿って設けられている。
【0037】
スイッチ機構29はセンサー本体95の円盤中心Oに中心軸を合わせて回転可能に立設された回転軸101と、回転軸101の頂部に取り付けられ且つセンサー本体の円盤の直径方向に延びた複数の腕杆102と、腕杆102の中心部分から先端方向へ異なった距離の位置に懸架支持された第1および第2のスイッチング部材34、35と、スイッチング部材34を腕杆102の所定の位置に回動可能に懸架支持する支持部材103と、スイッチング部材35を腕杆102の所定の位置に回動可能に懸架支持する支持部材104とから成る。回転軸101は、ギヤボックスなどの動力変換機構を介して回転駆動部3に連結されている。支持部材103、104は、上下方向に延びた板状体から構成され、腕杆102に対して当該支持部材103、104自身が垂直軸の周りを回転可能に軸支されている。また、支持部材103、104の上端の板状部側端にはスイッチング部材34、35を回転運動により前後反転させるための反転切替部材105、106が取り付けられている。
【0038】
スイッチング部材34、35は、例えば発光素子30、31と受光素子32、33との間の光の導通を遮断する金属、その他の材料から成る板片により構成される。支持部材103はスイッチング部材34を第1の円環溝96内に配置するように支持する。支持部材104はスイッチング部材35を第2の円環溝97内に配置するように支持する。したがってスイッチング部材34はスイッチング部材35よりもセンサー本体95の円盤中心Oから半径方向外方の位置に配置されている。このような構成により、スイッチ機構29は光センサー部28に対して相対的に回転可能である。すなわち、光センサー部28のセンサー本体95を制御装置27のハウジング109に固定、回転軸101をセンサー本体95の中心部に回転可能に配置としていることにより、回転軸101の回転により腕杆102、支持部材103、104およびスイッチング部材34、35がセンサー本体95に対して相対的に回転運動する。
【0039】
これらのスイッチング部材34、35のうち、片方のスイッチング部材34は、発光素子30と受光素子32との組に対応して設けられる一方、他方のスイッチング部材35は、発光素子31と受光素子33との組に対応して設けられている。また、スイッチング部材34は、第1の編針15の配列に対応して配置され上記発光素子30および受光素子32と協働し(すなわち、発光素子30から出射され受光素子32に到達している光をカットし)或るタイミングではソレノイド23をオン動作(前進オン)させて第1の編針15を前進させ、また別のタイミングではソレノイド23をオン動作(後退オン)させて第1の編針15を後退動作させるためのものである。スイッチング部材35は、第2の編針16の配列に対応して配置され上記発光素子31および受光素子33と協働し(すなわち、発光素子31から出射され受光素子33に到達している光をカットし)或るタイミングではソレノイド24をオン動作させて第2の編針16を前進させ、また別のタイミングではソレノイド24をオン動作させて第2の編針16を後退動作させるためのものである。
【0040】
さらに、スイッチング部材34は、図9(a)に示すように、センサー本体95の半径方向へ幾分ずれているとともに、図9(b)に示すように一対の発光素子30a、受光素子32aと別の対の発光素子30b、受光素子32bとの間の上下方向のずれに対応して上下方向にへも幾分ずれた関係に配置された第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bとにより成っている。第1スイッチング部材34aは、センサー本体95の半径方向外寄りの所定の位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。また、第2スイッチング部材34bは、上記第1スイッチング部材34aよりはさらにセンサー本体95の半径方向外寄りにずれた位置であって、且つ第1スイッチング部材34aとは円周方向へも所定の距離だけずれた位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。1つの第1スイッチング部材34aと1つの第2スイッチング部材34bとは組になって一対のスイッチング部材34を構成している。そして、これらの第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bとは、上記支持部材103に支持された状態で回転軸101および腕杆102の回転運動にともなって第1の円環溝96の中を周回移動する。すなわち、第1の円環溝96は第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bが周回運動する軌道となる。また、第1スイッチング部材34aと第2スイッチング部材34bとは、自動横編機が編み動作を行なっているとき、回転軸101の回転方向によって一方が針前進(針上げ)運動を行なわせるためのものであり、他方がこの針前進運動に引き続いて針後退(針下げ)運動を行なわせるためのものである。
【0041】
スイッチング部材35もまた、図9(a)に示すように、センサー本体95の半径方向へ幾分ずれているとともに、図9(b)に示すように一対の発光素子31a、受光素子33aと別の対の発光素子31b、受光素子33bとの間の上下方向のずれに対応して上下方向にへも幾分ずれた関係に配置された第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bとにより成っている。第3スイッチング部材35aは、センサー本体95の半径方向内寄りの所定の位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。また、第4スイッチング部材35bは、上記第3スイッチング部材35aよりはややセンサー本体95の半径方向外寄りにずれた位置であって、且つ第3スイッチング部材35aとは円周方向へも所定の距離だけずれた位置に、円周方向へ一定の角度間隔をおいて複数個設けられている。1つの第3スイッチング部材35aと1つの第4スイッチング部材35bとは組になって一対のスイッチング部材35を構成している。そして、これらの第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bとは、上記支持部材104に支持された状態で回転軸101および腕杆102の回転運動にともなって第2の円環溝97の中を周回移動する。すなわち、第2の円環溝97は第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bが周回運動する軌道となる。また、第3スイッチング部材35aと第4スイッチング部材35bとは、自動横編機が編み動作を行なっているとき、センサー本体95の回転方向によって一方が針前進(上記針上げに相当)運動を行なわせるためのものであり、他方がこの針前進運動に引き続いて針後退(上記針下げに相当)運動を行なわせるためのものである。
【0042】
腕杆102に懸架支持されたスイッチング部材34(34a、34bと組になっている)および35(35a、35bと組になっている)は、それぞれ、上記センサー本体95の第1および第2の円環溝96、97の円周方向へ所定の間隔を開けて複数配置される。そのために腕杆102はスイッチング部材34、35の配置個数に応じた数だけ複数本回転軸101に取り付けられている。この実施の形態において、スイッチング部材34、35の数は、先の説明において糸誘導管11が1個の管保持部材49につき6個づつにまとめられているとしているのと対応してそれぞれ6個(つまり、6組)設けられている。したがって、この実施の形態において、腕杆102は6本が一定の角度範囲の中に所定の角度間隔をおいて回転軸101に取り付けられている。なお、腕杆102は円盤形のセンサー本体95の直径方向に延びていることから、1本の腕杆102につき両端側にそれぞれスイッチング部材34、35を取り付けることができるから、6本の腕杆102については、合計すれば12個のスイッチング部材34、35が設けられている。これは、糸誘導管11が1個の管保持部材49につき6個づつにまとめられ、且つ管保持部材49はアーム9の両端に設けられていることから、合計すれば12個の糸誘導管11が設けられているのと対応する。
【0043】
スイッチング部材34、35の各々1つとこれに隣接する他のスイッチング部材34、35との間隔は、基本的には自由であるが、スイッチング部材34、35の各々1つと、これに隣接する他のスイッチング部材34、35とが円周方向に互いに干渉しないことが必要である。これは、一旦針上げせしめられた編針15または16が完全に針下げせしめられる前に針上げ操作を受けることを回避するためである。このように、スイッチング部材34、35の数は、それぞれ6個設けられていることから、腕杆102はセンサー本体95の全周にわたって所定の角度間隔をあけられているのではなく、糸誘導管11の配置角度範囲に対応する角度範囲内、例えば、図9において、センサー本体95の直径方向に延びる点線で示された範囲(スイッチング部材34、35が配置されている範囲)をカバーする角度範囲に配置され、これにスイッチング部材34、35が設けられている。
【0044】
スイッチング部材34および35が以上のような組構成になっているのに対応して、発光素子30と受光素子32、および発光素子31と受光素子33もまた、図9(b)に示すように、それぞれ第1スイッチング部材34aに対応する発光素子30aと受光素子32a、第2スイッチング部材34bに対応する発光素子30bと受光素子32b、第3スイッチング部材35aに対応する発光素子31aと受光素子33a、第4スイッチング部材35bに対応する発光素子31bと受光素子33bというように連続分割されて組構成になっている。なおこの実施の形態において、発光素子30aと受光素子32aの組は発光素子30bと受光素子32bの組に対してセンサー本体95の第1の円環溝96内の下側へ所定の間隔を開けて配置されている。また、発光素子31aと受光素子33aの組は発光素子31bと受光素子33bの組に対してセンサー本体95の第2の円環溝97内の下側へ所定の間隔を開けて配置されている。そして、上記編針15、16に対する針前進運動とこれに続く針後退運動のための制御信号は上記組(例えば、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34a)を単位として生成され出力される。発光素子30と受光素子32は、上記ソレノイド23の場合と同様に、第1の編針15と1対1に対応して第1の円環溝96の円周方向へ沿って複数個設けられている一方、発光素子31と受光素子33は、上記ソレノイド24の場合と同様に、第2の編針16と1対1に対応して第2の円環溝97の円周方向へ沿って複数個設けられている。また、制御装置27のハウジング109内部の所定の位置には、腕杆102が編み上げ作業の回転ストロークの端部に到達したときに針上げ、または針下げの動作を反転させるべく、上記スイッチ機構29側の反転切替部材105、106と協働して制御電流の流れる方向を切り替え、また、スイッチング部材34、35の前後位置関係を反転切り替えする反転切替部材107、108が取り付けられている。
【0045】
図10は制御装置27内の制御用の電子回路の例を示す回路図である。102は腕杆であり、30、31は発光素子、32、33は受光素子、34、35は腕杆102に取り付けられた針上げ、針下げ用のスイッチング部材である。36はトランジスタ、37はリレー、38、39はリレー37によって作動するスイッチ、40、41は入力端子、42は電源スイッチ、43は柄信号スイッチ、44は電源表示ランプ、45は作業表示ランプ、46、47は出力端子であり、ソレノイド23、24に接続されている。制御装置27内には上記反転動作部材105〜108により制御電流の流れ方向を切り替える反転制御回路もまた組み込まれている。図11はこの反転制御回路の一具体例を示す回路図である。この反転制御回路は、電源72と、電源72から分岐して延びる一方の回路に直列に設けられた第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74と、電源72のプラス電極から分岐して延びる他方の回路に直列に設けられた第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76と、第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74の組と第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76の組との間に設けられ且つ中間部分が電源72のマイナス電極に接続されたコイル77とから構成されている。そして、第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74は同時にオンまたはオフ動作する一方、第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76は同時に、且つ第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74とは逆のモードでオン、オフ動作をする。すなわち、第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74が同時にオン動作しているときは、第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76は同時にオフ動作をする。これにより、コイル77の部分には第1の切替スイッチ73および第2の切替スイッチ74が同時にオン動作したときと、第3の切替スイッチ75および第4の切替スイッチ76が同時にオン動作をしたときとで互いに異なる極性の磁界が生じ、制御電流の流れ方向を反転切り替えする。
【0046】
かかる構成を有する電子回路の動作について以下説明する。上記電子回路において、電源スイッチ42をオンすると装置全体が動作状態となる。これにより、回転軸4が回転してアーム9およびその先端に支持された糸誘導管11が回転するとともに、回転軸101が回転駆動部3から動力を受けて回転し始める。また、発光素子30、31および受光素子32、33も動作状態になる。回転軸4と回転軸101とは同期して回転せしめられており、アーム9が回転することにより糸誘導管11が走査している編針15、16と、スイッチング部材34、35が走査している発光素子30、31および受光素子32、33、さらにはソレノイド23、24とは対応している。発光素子30、31と受光素子32、33は発光素子30、31から光が出射されて受光素子32、33に到達している状態(光が遮断されていない状態)がソレノイド23、24のオフ状態であり、スイッチング部材34、35によって光が遮断された状態がソレノイド23、24のオン状態となるように設定されている。腕杆102と糸誘導管11とは、編み上げ作業に際して、編み上げ作業が行なわれる実質的な範囲の両端と一致する部分、すなわち一方の空白領域56との境界に設定された回転の始端から他方の空白領域56との境界に設定された回転の終端までほぼ180度回転し、その後上記回転の終端を回転の始端として先の回転とは逆方向へほぼ180度回転する。アームは回転軌道に対して直径方向に延びており、糸誘導管11はアーム9の両端に支持されるとともに腕杆102にも直径方向両端部にスイッチング部材34、35が設けられているから、上記180度の回転動作により針床17、18に対しては上記空白領域56を除いてほぼ360度(180度×2)全体に対しての編み上げ作業が可能になる。
【0047】
腕杆102が回転することにより、スイッチング部材34、35がそれぞれ第1および第2の円環溝96、97内部を移動し、発光素子30、31から受光素子32、33へ到達している光を次々と遮断していく。各発光素子30、31および受光素子32、33間で光が遮断されると受光素子32、33に光電流が発生してトランジスタ36のベースに流れる。これにより、トランジスタ36のコレクタとエミッタとの間に電流が流れ、リレー37が励磁され、そのスイッチ38、39がオンして、出力端子46、47に制御信号が得られる。但し、出力信号が得られるのは柄信号スイッチ43がオンした時のみであり、柄信号スイッチ43は、磁気テープ等から読み出して入力される。出力端子46、47からの信号を複数のソレノイド23、24のうちのそれぞれの発光素子30、31および受光素子32、33に対応するソレノイドに印加することにより、そのソレノイド23、24を針前進方向へ作動させ、そのロッド21、22が引っ張られて、レバー19、20を介して編針15、16を突出させる(ソレノイド23、24の針前進動作)。或いは、出力端子46、47からの信号を複数のソレノイド23、24のうちのそれぞれの発光素子30、31および受光素子32、33に対応するソレノイドに印加することによりそのソレノイド23、24を針後退方向へ作動させ、そのロッド21、22が押し戻されて、レバー19、20を介して編針15、16を後退させる(ソレノイド23、24の針後退動作)。
【0048】
上記針前進動作および針後退動作について詳しく説明する。先に発光素子30、31、受光素子32、33およびスイッチング部材34、35に関してそれぞれ組構成になっている旨説明し、且つ編針15、16に対する針前進運動とこれに続く針後退運動のための制御信号は上記組を単位として生成され出力される旨説明した。したがって、第1の編針15に対する針前進運動とこれに続く針後退運動のための制御信号の出力および第1の編針15の前進後退動作は次のようにして行なわれる。この第1の編針15の前進或いは後退動作を制御するのは発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組と、発光素子30b、受光素子32b、第1スイッチング部材34bの組である。いま、仮に腕杆102が図2中、矢印S1の方向へ回転し、この方向へ編み操作が行なわれているものとする。このとき発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組は上記回転方向の先方(上流側)にあるから第1の編針15に対する前進制御を担当し、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組は上記回転方向の後方(下流側)にあるから第1の編針15に対する後退制御を担当する。したがって、複数ある第1の編針15のうち或る1本の編針に注目する(これを便宜上「注目針」とする)と、その注目針に対応する発光素子30a、受光素子32aの位置に第1スイッチング部材34aが合致すると、発光素子30aからの光が腕杆102の第1スイッチング部材34aによって遮断され、受光素子32aに光電流が発生して針前進制御信号が生成される。この針前進制御信号は、上記注目針に対応するソレノイド23に送付されてこのソレノイド23を前進動作させ、注目針を突出させる。腕杆102はなおも回転し続けるから、第1スイッチング部材34aの通過により発光素子30aから受光素子32aへの光は遮断を解かれスイッチはオフする。これにより上記注目針は前進位置に止まる。
【0049】
次に、腕杆102の回転により、注目針に対応する発光素子30b、受光素子32bの位置に第2スイッチング部材34bが所定時間遅れて合致するようになる。これは第1スイッチング部材34aと、第2スイッチング部材34bとの間で、第2スイッチング部材34bが第1スイッチング部材34aとは第1の円環溝96に沿って円周方向へ所定の距離だけずれた位置に設けられていることにより起こる。そして、発光素子30b、受光素子32bの位置に第2スイッチング部材34bが合致すると、発光素子30bからの光が腕杆102の第2スイッチング部材34bにより遮断され、受光素子32bに光電流が発生して、今度は針後退制御信号が生成される。この針後退制御信号は、上記注目針に対応するソレノイド23に送付されてこのソレノイド23を後退動作させ、注目針を勢いよく後退させる。腕杆102はなおも回転し続けるから、第2スイッチング部材34bの通過により発光素子30bから受光素子32bへの光は遮断を解かれスイッチはオフする。これにより上記注目針は後退位置に止まる。第1の編針15についての以上の針前進および針後退運動は複数(上の説明では6個)配置されたスイッチング部材34によって制御されるから、腕杆102が略180度回転する間に注目針は複数回(6回)前進、後退作動を受け、編み上げ作業を行なう。筒状の針床17の半分(空白領域56も含めて180度分)の範囲に配設された第1の編針15全体についてみると、所定の複数の位置(6カ所)では針前進運動が同時に行なわれ、また別の所定の複数の位置(6カ所)では針後退運動が同時に行なわれていることになる。
【0050】
図12は第1の編針15についての、針前進運動と針後退運動の制御の一具体例を説明する解説図である。この第1の編針15について、針前進運動と針後退運動の制御の一具体例を図12を用いて説明する。この図において、左半分のブロックは、腕杆102の回転(回転方向は図12中の左方:上記S1に相当)にともなう針前進、針後退運動を示す。この図に示すように、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組(図12中CL1で表す)により注目針が前進運動制御され突出する。この具体例では、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組CL1がカバーする領域をやや大きめにとることにより3本分の第1の編針15が前進運動制御される。より詳細には、発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組CL1が差しかかった位置にある編針(図12中15pとする)が注目針に該当し、この注目針15pは突出動作を行なう。このとき、上記注目針15pに先行して突出した編針(図12中、先行度合いの早い方から順に15q、15rとする)もまた、突出運動はすでに終了しているにもかかわらず未だ前進運動制御を受けており、それぞれ対応するソレノイド23によって前進位置に強制保持される。そして発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組CL1が通過してしまうと、編針15rの方から順に前進運動制御の状態を解除され、前進位置にフリーの状態で維持されるのである。
【0051】
そして、この具体例では、前進位置にフリーの状態で維持される編針15は4本である。その後方には発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組(図12中CL2で表す)が位置しており、前進位置にフリーの状態で維持されていた編針15を後退運動させる。また、この具体例では、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組CL2についてもまた、そのカバーする領域をやや大きめにとることにより3本分の第1の編針15が後退運動制御される。より詳細には、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組CL2が差しかかった位置にある編針(図12中15sとする)が後退動作側の注目針に該当し、この注目針15sは後退動作を行なう。このとき、上記注目針15sに先行して後退した編針(図12中、先行度合いの早い方から順に15t、15uとする)もまた、後退運動はすでに終了しているにもかかわらず未だ後退運動制御を受けており、それぞれ対応するソレノイド24によって前進位置に強制保持される。そして、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組CL2が通過してしまうと、編針15uの方から順に後退運動制御の状態を解除され、後退位置にフリーの状態で維持されるのである。
【0052】
上に述べた第1の編針15についての針上げ、針下げ動作を整理すると次のようになる。
(1)3本分の第1の編針15が前進運動制御される。
(2)4分の第1の編針15が前進位置にフリーの状態で維持される。
(3)3本分の第1の編針15が後退運動制御される。
したがって、1つの糸誘導管11に関して、編針の前進運動が始まってから後退運動が終了するまでには合計10本の編針を走査していることになる。したがって、糸誘導管11の側についてみるとブラシ12、13は10本分の編針15、16をカバーするように寸法設定がされ、また上限編針調整機50、下限編針調整器60、前進限界編針調整器70、後退限界編針調整器80も10本分の編針15、16をカバーするように寸法設定がされている。以上のように針前進運動において突出運動が終了しているにもかかわらずその後も前進運動制御を及ぼして強制的に保持し、針後退運動において後退運動が終了しているにもかかわらずその後も後退運動制御を及ぼして強制的に保持することにより、第1の編針15が糸を引っ掛けた状態で前進、或いは後退するときに糸の引っ張り力により隣の編針を一緒に前進させることがないようにし(糸のかがり位置の定着)、或いは後退させることがないように(糸の正しい定着構成)している。さらに、上記発光素子30、受光素子32、スイッチング部材34の一群が通過して一連の針前進、針後退運動が終了した後は、次の発光素子30、受光素子32、スイッチング部材34の一群が到達して同様の針前進、針後退運動を行なう。
【0053】
次に、編み上げ作業に際して、アーム9および腕杆102の回転運動が上の説明のように一方の空白領域56(図9(a)においては右側の空白領域)との境界に設定された回転の始端から他方の空白領域56(図9(a)においては左側の空白領域)との境界に設定された回転の終端までS1方向へほぼ180度回転し終わると、スイッチ機構29の支持部材103に設けられた反転切替部材105、106がセンサー機構のハウジング109すなわち光センサー部28側の反転切替部材107、108に突き当たって支持部材103を支軸(垂直軸)を中心として回転させる。これにより、スイッチング部材34においては、第1のスイッチング部材34aと第2のスイッチング部材34bとの間で前後関係が入れ替えられる。このような動作は6個のスイッチング部材34の全部について順次行なわれる。これとともに上記反転切替部材105〜108の協働動作によってアーム9および腕杆102の回転方向を切り替え、また反転制御回路のスイッチを切り替える。
【0054】
これにより、アーム9および腕杆102は図2および図9(a)中、矢印S2の方向へ回転する態勢が整う。また、このとき、上記支持部材103の回転運動にともなうスイッチング部材34の前後関係入れ替えによって、上記回転方向S2の先方(上流側)には第1のスイッチング部材34aが位置し、後方(下流側)には第2のスイッチング部材34bが位置する。したがって、このS2方向の回転運動に際しても発光素子30a、受光素子32a、第1スイッチング部材34aの組は第1の編針15に対する前進制御を担当し、発光素子30b、受光素子32b、第2スイッチング部材34bの組は第1の編針15に対する後退制御を担当する態勢が整う。そして、今度の編み上げ作業においては、アーム9および腕杆102が先とは逆方向へ回転しながら第1の編針15の針前進運動および針後退運動を行なわせる。このときの針前進運動および針後退運動は、先に説明した動作と同じである。また、上記S2方向の回転運動に際しての図12における第1の編針15についての針前進運動と針後退運動の制御の一具体例は、当該図において、右半分のブロックに示されている。なおこの制御の具体例もまた、先に説明した左半分のブロックの動作と同一であるから、重複した説明は省略する。
【0055】
また第2の編針16に対する針前進動作、針後退動作も、上に説明した第1の編針15に対する針前進動作、針後退動作と同様に制御される。また、第2の編針16についての反転動作制御もまた第1の編針15についての反転動作制御と同様にして行なわれるから、その動作の説明は省略する。
【0056】
編針を前進、後退運動させるための第1の編針15側の機構においては、ソレノイド23の針突出動作(引っ張り動作)により、第1の編針15が上限編針調整器50によって上昇動作を止められるまで突出し、上限位置に保持される。このとき、第1の編針15のブランチ15fが針床17に沿って突進し、上限編針調整器50の当接部材54に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される(あたかもノック式ボールペンのペン先押し出し動作のように)。この位置が上限位置(糸が編針のフックに掛かる位置)である。また、第2の編針16側の機構においては、ソレノイド24の針突出動作(引っ張り動作)により、第2の編針16が前進限界編針調整器70によって前進動作を止められるまで突出し、前進側限界位置に保持される。このとき、第2の編針16のブランチ16fが針床18に沿って突進し、前進限界編針調整器70のスプリングリング71に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される。この位置が前進側限界位置(糸が編針のフックに掛かる位置)である。
【0057】
また、第1の編針15側の機構においては、ソレノイド23の針後退動作により、第1の編針15が下限編針調整器60によって後退動作を止められるまで突進し、下限位置に保持される。このとき、第1の編針15のブランチ15fが針床17に沿って後方へ突進し、下限編針調整器60の当接部材65に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される。この位置が下限位置である。また、第2の編針16側の機構においては、ソレノイド24の針後退動作により、第2の編針16が後退限界編針調整器80によって前進動作を止められるまで後退突進し、後退側限界位置に保持される。このとき、第2の編針16のブランチ16fが針床18に沿って突進し、後退限界編針調整器80の当接部材85に突き当たって勢いを止められるとともにわずかに押し戻される。この位置が後退側限界位置である。
【0058】
この前進側限界位置、後退側限界位置の設定について、下限編針調整器60または後退限界編針調整器80は、それぞれ下限位置調節機構66または後退側限界位置調節機構86によって第1の編針15または第2の編針16の下限位置を調整することができる。したがって、この下限編針調整器60または後退限界編針調整器80による編目下限位置の調整により、種々の風合の編地を編成することができる。
【0059】
第1の編針15および第2の編針16の針前進および後退動作に際してのソレノイド23、24のオン動作、或いはオフ動作は、両ソレノイドについて1つの操作(或いは作業)の中で交互に行なわれるときもあるし、或いは片方だけについて行なわれる(他方は完全に休止している)こともある。これは、ゴム編みの場合は第1の編針15側の機構も第2の編針16側の機構も同字編み上げ作業の中で動作させる必要があり、両ソレノイド23、24を同時作動させる必要があるのに対し、平編み(単純編み)の場合は第1の編針15側の機構または第2の編針16側の機構のいずれか一方を動作させるだけでよいから、ソレノイド23または24の片方のみを作動させるだけでよい、というように編み作業の種類によって異なるものである。
【0060】
なお、以上の説明では、スイッチ機構29のスイッチング部材34、35の移動および通過に基づき、受光素子32、33をオン、オフさせ、リレー37のスイッチ38、39のオン、オフによってソレノイド23、24の励磁、および励磁解除をする方式を採用しているが、このような構成に代えて、回転角を検出する市販のロータリエンコーダを使用して、ソレノイド駆動信号を得るようにしてもよい。
【0061】
制御装置27の腕杆102とアーム9および糸誘導管11の支持台5同じ速度で同期回転しているので、腕杆102に取り付けられたスイッチング部材34、35より選択されたソレノイド23、24に対応する編針15、16の位置には、必ず糸誘導管11が位置しており、糸誘導管11から導かれた糸7を選択された編針により引っ掛けて編目を作る。腕杆102と支持台5およびアーム9は、ともに180度ずつ往復回転運動し、アーム9の両端に取り付けられた2つの糸誘導装置14により1往復で2種類の編地を編み上げてゆく。したがって、例えば円筒状の針床17および円輪環形状の針床18の直径を大きくして円周長さを拡大し、その上で、これらの針床17、18をそれぞれ360度(180度×2)を4分割して4群構成としたり、或いは6分割して6群構成とし、糸誘導装置14をそれぞれの針床群に配置(例:4群であれば2本のアーム9と4台の糸誘導装置14)すれば、1往復で4枚(または種類)或いは6枚(または種類)の編地を編成することができる。このような構成にすると、単に編地の編成枚数が増大するのみならず、さらに利点がある。すなわち、例えば上記4群構成にしたとすると、アーム9は2本が90度の角度間隔をおいて回転軸に取り付けられるから、1本のアーム9については往復回転の角度範囲は90度で済む(上の例では180度であった)。したがって、糸誘導管11へ糸を供給している供給元から見ると、糸誘導管11の移動にともなう糸の振れ角度が小さくなり、その分、糸の絡み合いやもつれといった問題が回避できるのである。また、同様に針床を12群構成にし、それぞれに糸誘導装置を配置すれば、1往復で12枚の編地を編成することができ、生産性を一層高めることができる。ここで、針床の群構成は円筒状の針床17および円輪環形状の針床18の直径を大きくしていけば、理論上はいくらでも増大させることができるが、実用上は、直径を大きくし得る限度(自動横編機の設置スペース、アームの長さ限度など)で決定することが好ましい。なお、計算によれば、上記4群構成や6群構成は充分に実用に耐え得るものである。
【0062】
上記した実施の形態は、各編針15、16を直接駆動するアクチュエータとしてソレノイド23、24を用いた例であるが、前記した特公平1−12855号公報に記載されているような薄型小型リニアモータおよびその他のアクチュエータを同様に本発明の実施のために用いることができ、また制御の方法も同様に上記公報に記載された方法を本発明の実施のために用いることができる。その他、公知の技術を利用して本発明を種々に変更して実施することができる。
【0063】
また、ソレノイド23、24の針前進作動、針後退作動についても、上記の実施の形態では腕杆102をアーム9および糸誘導管11と同期して回転させ、発光素子30、32と受光素子31、33との間をスイッチング部材34、35が通過して光を遮断するのにともなってソレノイド23、24を針前進作動、針後退作動させるようにしている。しかしこのような構成に代えて、発光素子、受光素子、およびスイッチング部材34、35と同様な関係に配置されたスイッチング穴を持った光透過板を回転軸4に固定取り付けしてアーム9と一体的に回転するようにしておき、スイッチング穴に光を通過させることによりソレノイド23、24の針前進作動、針後退作動を制御してもよい。この場合は、発光素子、受光素子、スイッチング穴の関係は、発光素子と受光素子との間では常時光信号が遮断された状態にしておき、スイッチング穴の通過によって受光素子をオン動作させソレノイド23、24が作動するようにする。このような変更は設計の都合により変更可能である。また、発光素子、受光素子から成るセンサーの代わりに磁気センサーを用いてもよい。また、上記実施の形態では編針15、16の上げ、下げを行なうアクチュエータとしてソレノイド23、24を用い、これの代わりに薄型小型リニアモータの使用可能性についても言及しているが、この他にも、空気圧、油圧を利用し、ソレノイド部分の信号入力を空気圧管、油圧管の弁の開閉によって行なう構造としてもよい。このような場合は空気圧や油圧を利用するため、編針15、16の上げ、下げを行なうための原動力として空気圧ポンプ、油圧ポンプなど、別の機器を使用する。
【0064】
なお、ここで、現在一般に使用されている自動横編機(従来機)と本発明の自動横編機(本機)との作業速度(高速性能)を比較してみる。従来機の運転速度は、最新の機械で秒速1.3メートルである。また、従来機を低速運転したときの速度は、インチ8ゲージ(1インチの長さに8本の編針が配置してある)タイプのもので、秒速144本分であるから、その速度は、
144÷8=18 (インチ/秒)
18×2.5=45 (cm/秒)
である。
従来機の普通速度は、上と同じタイプのもので、秒速192本分であるから、その速度は、
192÷8=24 (インチ/秒)
24×2.5=60 (cm/秒)
である。
【0065】
次に本機を上記従来機の速度のうち低速運転に合わせて秒速144本分で運転するものとする。編み動作の1ストローク長さは(編み行程長さ)40インチとするとこの長さの中に設置されている編針の数は、
8×40=320 (本)
である。320本の編針について始端から終端まで編み動作を行なって反転するまでの時間は、
320÷144=2.22 (秒)
である。
【0066】
ここで、例えば1枚のセーターを編み立てるには編み目数で310目が必要であり本機でこれを編み立てるには、糸誘導管11が1個であるとした場合、この糸誘導管が155往復することになる。したがって、本機による編立時間(低速運転による)は、
2.22×310=688.2 (秒)
であり、これを分に直すと、
688.2÷60=11.47 (分)
である。ここまでは、本機と従来機と同じ時間を要し、結局従来機では、1枚当たりの編立時間(低速運転の場合)は、11.47分ということになる。
【0067】
ところが、本機では糸誘導管は1個ではなく、上記実施の形態では6個が取り付けられているから、結局、編立時間は、
11.47÷6=1.9116 (分)
となり、この時間でアーム9の一方の糸誘導管群により1枚の編立時間は完了する。
【0068】
しかも、本機ではアーム9の両端に糸誘導管群は取り付けられ、編み動作のストローク(編み行程)も円の直径方向に対向して2つ設けられているから、上の時間(1.9116分)で2枚の製品が出来上がる。したがって、1枚当たりになおすと、編立時間は、
1.9116÷2=0.9558 (分)
となる。
【0069】
このように、本機は従来にはない、高能率時間で製品を編み上げる生産性の高い編機であり、しかも機械は低速状態で使用しても充分であるから、編針の損傷や編み目の不ぞろいとか、食い違いといったトラブルの少ない高性能な機械である。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、上記したように、編針を円筒状に配列して各編針に1対1に対応するアクチュエータを設け、編針を1本1本独立に駆動できるようにするとともに、編針の駆動に同期して糸を各編針に供給するようにしたものであり、編針を駆動するためのカムや重量の重いキャリッジを使用しないので、消費電力の少ない、生産性の高い、経済効率のよい自動横編機を実現することができ、編針を円筒状に配置したので、装置を小型化することができるという効果を有する。また、さらにこの自動横編機の運転速度を上記低速(秒速144本分)よりもさらに原則スローにすることによって、特殊素材の糸(糸の太さが一様でないもの等、特殊な柄模様や風合いを出すために使用される)も使用可能になる。しかし、本発明の自動横編機の特徴により高能率で編地の編成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す自動横編機の概略正面図である。
【図2】前記実施の形態における自動横編機の編針配置部分を示す概略平面図である。
【図3】(a) 前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の構造を示す底面図である。
(b) 前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の構造を示す側面図である。
【図4】前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の進退運動ストロークの限界を規定する部材の設置状態を説明する側方部分断面図である。
【図5】前記実施の形態における自動横編機の第1の編針の下限編針調整器の具体的な構成例を示すため、針床の内側から見た正面図である。
【図6】(a) 前記実施の形態における自動横編機の第2の編針の構造を示す底面図である。
(b) 前記実施の形態における自動横編機の第2の編針の構造を示す側面図である。
【図7】前記実施の形態における自動横編機の第2の編針の横編装置への取り付け状態および前進端と後退端の調節機構の配置関係を詳細に示す図である。
【図8】前記実施の形態における自動横編機の後退限界編針調整器の具体的な構成例を示す平面図である。
【図9】(a) 前記実施の形態における自動横編機の制御装置の内部に配置されているセンサー機構の概略構成を示す平面図である。
(b) 前記実施の形態における自動横編機の前記センサー機構の、図9 (a)中の線F−Fにおける断面図である。
【図10】前記実施の形態における自動横編機の同自動横編機の制御装置における電子回路例を示す回路図である。
【図11】前記実施の形態における自動横編機のコントロールボックス内に組み込まれ制御電流の流れ方向を切り替える反転制御回路の一具体例を示す回路図である。
【図12】前記実施の形態における自動横編機の編針についての、針前進運動と針後退運動の制御の一具体例を説明する解説図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 モータ
3 回転駆動部
4 回転軸
5 支持台
6 糸パッケージ
7 糸
8 プーリ
9 アーム
10 ガイド
11 糸誘導管
12、13 ブラシ
14 糸誘導装置
15、16 編針
17、18 針床
19、20 レバー
21、22 ロッド
23、24 ソレノイド
27 制御装置
28 光センサー部
29 スイッチ機構
30、31 発光素子
32、33 受光素子
34、35 スイッチング部材
50 上限編針調整器
60 下限編針調整器
70 前進限界編針調整器
80 後退限界編針調整器
Claims (10)
- 円筒状と、放射形状にに配列された複数の編針と、各編針を摺動可能に保持する針床と、各編針を1対1で駆動するアクチュエータと、円筒状の針床の中心を基点として往復回転運動可能に設けられて各編針に順番に糸を供給する糸誘導装置と、糸誘導装置の回転と同期して各アクチュエータを任意に選択して駆動する制御装置とを備えた自動横編機。
- 制御装置が、糸誘導装置と同期して回転して各編み針の作動位置を検出する手段を備えた請求項1記載の自動横編機。
- 制御装置が、糸誘導装置の回転角速度を検出する手段を備えた請求項1記載の自動横編機。
- 円筒状の針床が、それぞれ複数の適宜の糸誘導装置を備えた複数の針床群からなる請求項1から3のいずれかに記載の自動横編機。
- 編針の上限位置および下限位置を設定する手段を備えた請求項1から4のいずれかに記載の自動横編機。
- 円板状に配列された複数の編針を保持する第2の針床を円筒状の第1の針床に対向するように配置し、第2の針床の各編針に対しても1対1で対応するアクチュエータで駆動するようにした請求項1から5のいずれかに記載の自動横編機。
- 針床は、配列された複数の編針を保持する第2の針床を円筒状の第1の針床に対向するように配置し、第2の針床の各編針に対しても1対1で対応するアクチュエータで駆動するようにした請求項1から5のいずれかに記載の自動横編機。
- 円板状に配列された複数の編針を保持する第2の針床を円筒状の第1の針床に対向するように配置し、第2の針床の各編針に対しても1対1で対応するアクチュエータで駆動するようにした請求項1から5のいずれかに記載の自動横編機。
- 編針の前進限界を調整する前進限界編針調整器と、編針の後退限界を調整する後退限界編針調整器とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の自動横編機。
- 編針の後退限界を調整する後退限界編針調整器は、編針の後退位置を変更する手段をさらに有することを特徴とする請求項9記載の自動横編機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04182897A JP3699554B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-26 | 自動横編機 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9-26448 | 1997-02-10 | ||
| JP2644897 | 1997-02-10 | ||
| JP04182897A JP3699554B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-26 | 自動横編機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10280257A JPH10280257A (ja) | 1998-10-20 |
| JP3699554B2 true JP3699554B2 (ja) | 2005-09-28 |
Family
ID=26364237
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04182897A Expired - Fee Related JP3699554B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-26 | 自動横編機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3699554B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108154570A (zh) * | 2017-11-17 | 2018-06-12 | 福建睿能科技股份有限公司 | 一种对横机生产进度的监控方法、终端及计算机存储介质 |
| CN107904770B (zh) * | 2017-12-07 | 2019-07-02 | 武汉纺织大学 | 一种针织柔性三角系统 |
| JP7307573B2 (ja) * | 2018-03-30 | 2023-07-12 | 株式会社島精機製作所 | 横編機 |
| CN109855665B (zh) * | 2019-03-30 | 2024-05-17 | 嘉兴荣星针纺自动化设备有限公司 | 一种编码器用凸轮驱动组件 |
-
1997
- 1997-02-26 JP JP04182897A patent/JP3699554B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10280257A (ja) | 1998-10-20 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5899094A (en) | Flat knitting machine comprising a set-up device | |
| JP3699554B2 (ja) | 自動横編機 | |
| JPS6257732B2 (ja) | ||
| US4920767A (en) | Annular knitting machine with slide needles | |
| KR100272353B1 (ko) | 낙하판 바아를 구비한 경편기 | |
| JPS6025535B2 (ja) | 編み機用給糸切換装置 | |
| EP1972708B1 (en) | Carriage mountable unit of weft knitting machine | |
| KR920008018B1 (ko) | V 베드 횡편기에 있어서의 편지(編地) 프레서 | |
| US4708002A (en) | Circular knitting machine incorporating a device for setting to work knitting cams, in particular for hose knitting | |
| JP5252894B2 (ja) | 自動横編機 | |
| JP2008280641A (ja) | 給糸切換機におけるストライプ柄編成装置とその方法 | |
| US6109069A (en) | Yarn guide unit especially for circular double cylinder hosiery machines | |
| KR100358929B1 (ko) | 독립 구동형 다두 자수기 | |
| US4267709A (en) | Twin-bedded warp knitting machine | |
| JPS62133160A (ja) | 二重針床編機用糸供給装置 | |
| JPS6047378B2 (ja) | 緯糸マガジンを備えた経編機 | |
| JPS63203852A (ja) | 丸編み機のシンカ半径方向位置を調節する制御装置 | |
| US4127012A (en) | Stitch selector control means | |
| KR100297407B1 (ko) | 횡편기의 자동 편폭조절장치 | |
| JPH05156553A (ja) | 横編機におけるカム出没切り換え装置 | |
| JP2628162B2 (ja) | 多給糸口を有する丸編機 | |
| TWI871312B (zh) | 製作毛圈線圈之圓型針織機及在圓型針織機中製作毛圈線圈之方法 | |
| US4570460A (en) | Warp feeding device for circular knitting machine | |
| CN220099325U (zh) | 横机的针织物压片装置 | |
| CN210002022U (zh) | 一种针织机双针道活动三角装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040223 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050628 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050708 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715 Year of fee payment: 4 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |