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JP3700603B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システム、特に起動用燃焼器を備えた燃料電池システムの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
起動用燃焼器を備えた燃料電池システムとして、例えば特開2000−63104号公報に記載のものがある。これは、起動用燃焼機構がインジェクタ48とグロープラグ49とを備え、改質器26が起動して改質用燃料ガスが改質触媒層に供給された時点でインジェクタ48からの燃料噴射を停止することで始動用燃焼機構の運転を中止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような燃料電池システムにおいては、始動用燃焼機構を停止するときにはインジェクタからの燃料噴射のみを停止する構成となっており、起動用燃焼機構を燃料リッチの空燃比で運転した場合には、完全に停止するまでの間に空燃比がリッチ側からリーン側へと変化していき、その途中で理論空燃比となる時期が発生し、このときに発生する高温燃焼ガスによって改質器の改質触媒が失活する可能性があるという問題がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決する燃料電池システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、燃料と水とを原燃料とする原燃料蒸気から水素を含む改質ガスを生成する改質触媒と、起動時に燃料と酸化剤との混合気を燃焼させた燃焼ガスを改質触媒に導入する起動用燃焼器と、改質ガスと空気とを用いて発電する燃料電池スタックとを備える燃料電池システムにおいて、前記起動用燃焼器停止時における起動用燃焼器内の混合気の空燃比が、起動用燃焼器運転時の空燃比と理論空燃比との差をさらに大きくした空燃比となるように起動用燃焼器に対する燃料と空気の供給を停止するコントロールユニットを備える。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、前記コントロールユニットは、前記起動用燃焼器がリッチ空燃比で運転されている場合、起動用燃焼器に供給される空気、燃料の停止は空気、燃料の順に停止するように制御する。
【0007】
第3の発明は、第2に記載の発明において、前記コントロールユニットは、空気供給停止後に起動用燃焼器停止時の空燃比が可燃限界空燃比よりリッチ空燃比となる量の燃料を起動用燃焼器に供給した後に燃料の供給を停止するように制御する。
【0008】
第4の発明は、第2の発明において、前記コントロールユニットは、空気供給停止後に前記起動用燃焼器内のガス温度が燃料の自着火温度以下となる燃料量を起動用燃焼器に供給した後に燃料の供給を停止するように制御する。
【0009】
第5の発明は、第2から4のいずれか一つの発明において、前記起動用燃焼器の停止後に起動用燃焼器内に残留した燃料を気化させるガスを導入する。
【0010】
第6の発明は、第5の発明において、前記燃料電池スタックから排出される排ガスを燃焼する燃焼触媒を備え、前記起動用燃焼器から排出される残留気化燃料は燃焼触媒に供給される。
【0011】
第7の発明は、第5の発明において、前記ガスは改質ガスである。
【0012】
第8の発明では、第5の発明において、前記ガスは空気である。
【0013】
第9の発明は、第5の発明において、前記ガスはアノード排ガスまたはカソード排ガスの少なくとも一方である。
【0014】
第10の発明は、第1の発明において、前記起動用燃焼器がリーン空燃比で運転されている場合、起動用燃焼器に供給される燃料、空気の停止は燃料、空気の順に停止される。
【0015】
第11の発明は、第10の発明において、燃料供給停止後に前記起動用燃焼器内のガス温度が燃料の自着火温度以下となる量の空気を供給した後に空気の供給を停止する。
【0016】
【発明の効果】
第1の発明では、燃料電池システムにおいて、起動用燃焼器停止時における起動用燃焼器内の混合気の空燃比は、コントロールユニットが起動用燃焼器運転時の空燃比と理論空燃比との差が大きくなるように、つまり、運転時の空燃比がリッチ空燃比のときにはよりリッチ側に、リーン空燃比のときにはよりリーン側になるように起動用燃焼器に供給される燃料と空気とを制御するので、起動用燃焼器内の燃焼温度を運転時の燃焼温度以上にすることなく停止することができ、下流に位置する改質触媒に高温の燃焼ガスが導入されることがなく、改質触媒の失活を防止できる。
【0017】
第2の発明では、起動用燃焼器がリッチ空燃比で運転されている場合、起動用燃焼器に供給される空気、燃料の停止は空気、燃料の順で停止されるので、確実に燃料リッチな状態を維持したまま起動用燃焼器を停止し、かつ起動用燃焼器内の温度を低下させて停止できる。
【0018】
第3の発明では、空気供給停止後に起動用燃焼器停止時の空燃比が可燃限界空燃比よりリッチ空燃比となる量の燃料を起動用燃焼器に供給した後に燃料の供給を停止するので、確実に燃料リッチな状態を維持したまま起動用燃焼器を停止できる。
【0019】
第4の発明では、起動用燃焼器内のガス温度が燃料の自着火温度以下となる燃料量を空気供給停止後に起動用燃焼器に供給した後に燃料の供給を停止するので、確実に燃料リッチな状態を維持したまま起動用燃焼器を停止できるとともに、起動用燃焼器内に空気等の酸化ガスが流入する場合にも確実に着火を防止できる。
【0020】
第5の発明では、起動用燃焼器の停止後に起動用燃焼器内に残留した燃料を気化させるガスを導入するので、起動用燃焼器の温度を速やかに低下させることができるとともに起動用燃焼気内に燃料を残留させることがなく、次回の起動時に残留燃料による着火性、運転性の悪化を抑制できる。
【0021】
第6の発明では、燃料電池スタックから排出される排ガスを燃焼する燃焼触媒を備え、起動用燃焼器から排出される残留気化燃料は燃焼触媒に供給されるので、燃料を有効利用でき、燃料電池システムの効率を向上できる。
【0022】
第7の発明では、ガスは改質ガスであるので、酸素のほとんど含まない改質ガスも導入して燃料を気化することにより燃料に着火することなく燃料を掃気することができる。
【0023】
第8の発明では、ガスは空気であるので、新たな配管等の追加を抑制でき、燃料電池システムのコスト上昇を抑制できる。
【0024】
第9の発明では、ガスはアノード排ガスまたはカソード排ガスの少なくとも一方であるので、比較的多量に燃料を追加供給する場合でも比較的長時間に渡って起動用燃焼器内を掃気できるため起動用燃焼器内に燃料が残留することがなく、次回の起動時に残留燃料による着火性、運転性の悪化を抑制できる。
【0025】
第10の発明では、起動用燃焼器がリーン空燃比で運転されている場合、起動用燃焼器に供給される燃料、空気の停止は燃料、空気の順に停止されるので、確実に燃料リーンな状態を維持したまま起動用燃焼器を停止し、かつ起動用燃焼器内の温度を低下させて停止できる
第11の発明では、燃料供給停止後に前記起動用燃焼器内のガス温度が燃料の自着火温度以下となる量の空気を供給した後に空気の供給を停止するので、燃料リーンな状態を保ちつつ燃焼温度の上昇を伴わずに確実に燃焼を停止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池システムの構成を添付図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明の第1実施形態の構成を説明する図である。本燃料電池システムは、カソード極1aとアノード極1bを備えた燃料電池スタック1と、カソード極1aに酸化剤としての空気を供給するコンプレッサ2と、アノード極1bに供給される改質ガスの生成および改質ガスの一酸化炭素(以下、COと示す。)を除去する改質触媒部3およびCO除去部4と、改質触媒部3に気化原燃料を供給する蒸発器5と、蒸発器5に原燃料としてのメタノールと水を供給するメタノールタンク6と水タンク7と、原燃料を気化するための燃焼ガスを生成して、蒸発器5に導入する燃焼触媒部9と、燃焼触媒部9にアノード排ガス、カソード排ガス、あるいは改質ガスと空気を供給する混合器8を備える。さらにメタノールと空気をメタノールリッチ状態で燃焼させる起動用燃焼器10と、この燃焼ガスを改質触媒部3での改質反応に必要な成分に調整する予混合器11とを備える。
【0028】
コンプレッサ2から供給される空気はカソード極1aに供給されるとともにその一部が混合器8、起動用燃焼器10および予混合器11に供給されるように構成されており、それぞれの供給経路には流量制御弁12a、12b、12c、12dが設置される。
【0029】
またメタノールタンク6から供給されるメタノールはポンプ13によって蒸発器5に流量制御弁14を介して供給されるとともに、その一部は起動用燃焼器10に備えられた燃料用インジェクタ15および予混合器11に備えられた燃料用インジェクタ16に供給される。
【0030】
水タンク7の水はポンプ17によって蒸発器5に供給され、その供給経路の途中に流量制御弁18を備える。
【0031】
燃料電池スタック1から排出されるカソード排ガスとアノード排ガスは混合器8に導入されて、燃焼触媒部9で燃焼される。これら排ガスが混合器8に導入される経路の途中にはそれぞれ流量制御弁19、20が設置される。
【0032】
さらには起動用燃焼器10から排出される燃焼ガスの温度を検出する温度センサ21、予混合器11から排出される気化原燃料の温度を検出する温度センサ22、蒸発器5内の温度を検出する温度センサ23および蒸発器5から排出される気化原燃料の温度と圧力を検出する温度センサ24と圧力センサ25が備えられる。さらに改質触媒部3から排出された改質ガスの濃度を検出する濃度センサ26が設けられて、その下流には改質ガスの流れを制御する制御弁27が設置されて、改質ガスのガス組成(例えば、CO濃度)に基づき燃料電池スタック1または混合器8へ改質ガスを供給する。
【0033】
なおこれら各種センサ、制御弁、インジェクタ、ポンプ類はコントロールユニット50によって制御される。
【0034】
燃料電池システム起動時においては、流量制御弁12cが開き、コンプレッサ2からの空気が起動用燃焼器10に供給される。またメタノールタンク6からのメタノールがインジェクタ15から起動用燃焼器10内に噴射され、コンプレッサ2からの空気と燃料リッチ状態で混合し、グロープラグ28によって着火され、燃焼ガスを生成する。
【0035】
この燃焼ガスは起動用燃焼器10の下流に位置する予混合器11に導入され、コンプレッサ2から供給された空気とメタノールタンク6から供給されたメタノールとが燃焼ガスと混合し、この混合によって燃焼ガスの温度が改質触媒部3の耐熱温度以下になるように調整され、同時に改質触媒部3での改質ガス生成に用いられるガス組成に調整されて改質触媒部3に導入される。
【0036】
改質触媒部3では燃焼ガスが改質触媒によって部分酸化反応を生じ、改質ガスを生成する一方、この反応熱によって改質触媒部3が昇温する。
【0037】
改質ガスはCO除去部4に供給されて、所定のCO濃度までCOが除去される。しかしながら起動時等CO濃度の低減が十分でないときには、改質ガスは燃料電池スタック1に供給されず、混合器8に導入される。
【0038】
混合器8では改質ガスとコンプレッサ2からの空気とが混合して、この混合ガスが燃焼触媒部9に供給されて燃焼し、この燃焼熱がメタノールタンク6と水タンク7から供給されたメタノールと水を気化する。なおこのメタノールと水の蒸発器5への供給は温度センサ23によって検出される蒸発器5の温度が所定温度以上に達したときに開始される。
【0039】
蒸発器5で気化した原燃料は改質触媒部3に供給されて改質触媒によって改質反応を生じて改質ガスを生成する。
【0040】
蒸発器5から改質触媒部3に供給される気化原燃料の温度と圧力を温度センサ24と圧力センサ25によって検出し、この温度あるいは圧力が所定の基準値以上となった時点で、蒸発器5の暖機が終了したと判断し、起動用燃焼器10への空気とメタノールの供給を停止するとともに、予混合器11へのメタノールの供給を停止し、CO除去部4から排出される改質ガスのCO濃度が所定濃度よりも低いことが確認された時点で通常運転に移行する。
【0041】
燃料電池システムの通常運転時は、CO除去部4から排出される改質ガスのCO濃度が所定濃度より低く、改質ガスは燃料電池スタック1のアノード極1bに供給される。一方、流量制御弁12aが開きコンプレッサ2から空気がカソード極に供給され燃料電池スタック1は発電する。
【0042】
燃料電池スタック1から排出される排ガス(アノード排ガスとカソード排ガス)は混合器8に導入され、燃焼器触媒部9で燃焼し、この燃焼ガスの熱によって蒸発器5で原燃料を気化し、気化原燃料が改質触媒部3に供給され、改質ガスを生成し、CO除去部4がCO低濃度の改質ガスに調整することで燃料電池システムの通常運転が行われる。
【0043】
ところで、蒸発器5の暖機が終了したときには、起動用燃焼器10への燃料と空気の供給を停止するが、このとき、停止過程において、空燃比が理論空燃比となって、燃焼ガスの温度が基準値以上となることのないようにコントロールユニット50では以下のような制御が行われる。
【0044】
燃料電池システム起動時の起動燃焼器10へのメタノールと空気の供給を停止する際のコントロールユニット50の制御内容について図2を参照して説明する。まず起動時燃焼器10への空気供給停止直前の空気供給量と燃料供給量から空燃比を求め、時間t1で空気の供給停止と同時にメタノールの供給量を増加させる。メタノールの増加量は空燃比が燃焼限界空燃比よりもリッチな空燃比となるまでメタノール量を増量する。時間t2で空燃比が燃焼限界空燃比よりリッチに達したときにメタノールの供給を停止する。可燃限界を超えたことで燃焼に必要な空気が不足した状態となり燃焼は停止していき、しかも空気の供給を先に停止しているので、空燃比はリーン側に変化することがない。
【0045】
このような制御とすることで、起動用燃焼器10内の燃焼温度を運転時の燃焼温度、すなわちリッチ空燃比での燃焼温度以上になることなく停止することができ、空燃比が理論空燃比となって燃焼ガスの温度が上昇して下流の改質触媒部3の失活を防止することができる。
【0046】
なお本発明は起動時に限定されるものではなく、例えば、通常運転時に改質触媒部3が急激な負荷の変化を伴う場合に起動用燃焼器10にメタノールを供給して燃焼し、改質触媒部3に供給して負荷の変化に対応させるために起動用燃焼器10を運転し、その停止の際の制御に採用することができる。
【0047】
図3に示すものは起動用燃焼器10の停止時のコントロールユニット50の制御の異なった実施形態を示すもので、具体的には停止時の目標値を空燃比からガス温度にしたものである。
【0048】
まず起動時燃焼器10への空気供給停止直前の起動時燃焼器10内のガス温度を求め、時間t1で空気の供給を停止するとともに、メタノールの供給量を増加する。空燃比のリッチ化により燃焼温度が低下していき、時間t2でガス温度が自着火温度以下になるとメタノールの供給が停止される。
【0049】
このように起動用燃焼器10の停止時にガス温度を自着火温度以下に制御することで必要最小限のメタノール供給量で確実に起動用燃焼器10を停止し、改質触媒部3の損傷を防止するとともに、起動用燃焼器10内に空気等の酸化ガスが流入した場合にも確実に着火を抑制することができる。
【0050】
図4に示した燃料電池システムは、本発明の第3実施形態を示すもので、起動用燃焼器10へのメタノール供給を停止した後に起動用燃焼器10内に残留するメタノールを、改質ガスの一部を起動用燃焼器10内に導入することで、気化・掃気し、このガスを燃焼触媒部9に供給するようにしたものである。
【0051】
本実施形態の構成を説明すると、CO除去部4とその下流の制御弁27との間に改質ガスを起動用燃焼器10に導入する経路30が設けられ、その経路の途中に流量制御弁29が設置される。さらに起動用燃焼器10と予混合器11とを連通する経路から分岐して混合器8と連通する経路31を設け、その分岐点に制御弁32が設置される。ここで説明した以外の構成については図1に示した構成と同様である。なお、図示しないが制御弁29と32はコントロールユニット50によって制御されるものである。
【0052】
作用について説明すると、起動用燃焼器10運転時には改質ガスは燃料電池スタック1に供給されず、燃焼触媒部9に供給されている。前述のように蒸発器5から排出される気化原燃料の温度もしくは圧力から蒸発器5の暖機が終了したと判断でき、起動用燃焼器10を停止する際には、例えば図2に示したような制御によって、メタノールリッチの空燃比の状態で停止する。停止後に流量制御弁29を開くと、CO除去部4から排出された改質ガスの一部は経路30から起動用燃焼器10に導入する。この改質ガスの導入により起動用燃焼器10内に残留したメタノールが気化・掃気されて燃焼触媒部9に送られて燃焼される。
【0053】
したがって、起動用燃焼器10の温度を速やかに低下させるとともに、起動用燃焼器10内に残留メタノールが存在せず、次回の起動用燃焼器10の起動時に残留メタノールが存在することによる着火性、運転性の悪化を防止することができる。また、酸素をほとんど含まない改質ガスを用いて長時間に渡り残留メタノールを気化・掃気するので、残留メタノールが着火することなく、気化・掃気し、燃焼触媒部9に導入されて燃焼し、その熱は原燃料の気化に用いられ、システムの効率向上を図ることができる。
【0054】
図5に示した燃料電池システムは、第4の実施形態を示しており、その構成は第3の実施形態に対して起動用燃焼器10に供給する改質ガスを空気に変更したものである。
【0055】
つまり、起動用燃焼器10に対する空気とメタノールの供給を停止し、完全に燃焼が停止した後に流量制御弁12cを開いてコンプレッサ2からの常温の空気を起動用燃焼器10に導入するものである。
【0056】
したがって、起動用燃焼器10の温度を速やかに低下させるとともに、残留メタノールが空気によって気化・掃気され、起動用燃焼器10内に残留メタノールが存在せず、次回の起動用燃焼器10の起動時に残留メタノールが存在することによる着火性、運転性の悪化を防止することができる。また燃料電池システムの構成は図1に示した構成に起動用燃焼器10と予混合器11との途中と混合器8を連通する経路31と制御弁32を起動用燃焼器10から排出される燃焼ガスの流れを切り換えるために追加するのみで構成されるので、第3の実施形態に対して簡素な構成で起動用燃焼器10内の残留メタノールを掃気できる。さらに残留メタノールは掃気後、燃焼触媒部9に導入されて燃焼し、その熱は原燃料の気化に用いられ、システムの効率低下を防止することができる。
【0057】
図6に示す第5の実施形態は、第4の実施形態において起動用燃焼器10に供給された空気に代えて、燃料電池スタック1のアノード極1bから排出されるアノード排ガスの一部を起動用燃焼器10に導入するようにしたものである。
【0058】
その構成について説明すると、アノード極1bと、その下流に設置された流量制御弁20とを連通する経路33から分岐する経路34は起動用燃焼器10に接続される。経路34にはコントロールユニット50に制御される流量制御弁35が設置されて、アノード排ガスを起動用燃焼器10に導入するときに開弁する。
【0059】
したがってアノード排ガスによって長時間に渡って起動用燃焼器10内の残留メタノールを掃気できるので、起動用燃焼器10内に残留メタノールが存在せず、次回の起動用燃焼器10の起動時に残留メタノールが存在することによる着火性、運転性の悪化を防止することができる。さらに残留メタノールは掃気後、燃焼触媒部9に導入されて燃焼し、その熱は原燃料の気化に用いられ、システムの効率低下を防止することができる。
【0060】
図7に示す第6の実施形態は、第5の実施形態において起動用燃焼器10に供給されたアノード排ガスに代えて、燃料電池スタック1のカソード極1aから排出されるカソード排ガスの一部を起動用燃焼器10に導入するようにしたものである。
【0061】
その構成について説明すると、カソード極1aと、その下流に設置された流量制御弁19とを連通する経路36をから分岐する経路37は起動用燃焼器10に接続される。経路37にはコントロールユニット50に制御される流量制御弁38が設置されて、カソード排ガスを起動用燃焼器10に導入するときに開弁する。
【0062】
したがってカソード排ガスによって長時間に渡って起動用燃焼器10内の残留メタノールを掃気できるので、起動用燃焼器10内に残留メタノールが存在せず、次回の起動用燃焼器10の起動時に残留メタノールが存在することによる着火性、運転性の悪化を防止することができる。さらに残留メタノールは掃気後、燃焼触媒部9に導入されて燃焼し、その熱は原燃料の気化に用いられ、システムの効率低下を防止することができる。
【0063】
図8は第7の実施形態を示す起動用燃焼器の停止時の制御内容を示すものである。これまでの説明では起動用燃焼器10はメタノールリッチの混合気を燃焼させることを前提としてきたが、この実施形態では空燃比がリーンの混合気で起動用燃焼器10を運転していたときの停止について説明するものである。その考え方は第1実施形態と同様で、起動用燃焼器10を停止するときに理論空燃比の状態を避けて、運転時のリーン混合気の状態を維持したまま停止するものである。
【0064】
まず起動時燃焼器10への空気供給停止直前の空気供給量と燃料供給量から空燃比を求め、時間t1でメタノールの供給を停止する(空気の供給量は変化しない)。これにより混合気はさらにリーン化していき、時間t2でガス温度が自着火温度以下になると空気は供給を停止される。このように起動用燃焼器10の停止時にリーン化を進め、ガス温度を自着火温度以下に制御することで、燃焼温度の上昇を伴わず起動用燃焼器10の温度を低下させ、確実に燃焼を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する燃料電池システム概要図である。
【図2】同じく起動用燃焼器停止時の制御内容を説明するタイミングチャート図である。
【図3】第2実施形態の起動用燃焼器停止時の制御内容を説明するタイミングチャート図である。
【図4】第3実施形態を説明する燃料電池システム概要図である。
【図5】第4実施形態を説明する燃料電池システム概要図である。
【図6】第5実施形態を説明する燃料電池システム概要図である。
【図7】第6実施形態を説明する燃料電池システム概要図である。
【図8】第7実施形態の起動用燃焼器停止時の制御内容を説明するタイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 コンプレッサ
3 改質触媒部
4 CO除去部
5 蒸発器
8 混合器
9 燃焼触媒部
10 起動用燃焼器
11 予混合器
50 コントロールユニット

Claims (11)

  1. 燃料と水とを原燃料とする原燃料蒸気から水素を含む改質ガスを生成する改質触媒と、起動時に燃料と酸化剤との混合気を燃焼させた燃焼ガスを改質触媒に導入する起動用燃焼器と、改質ガスと空気とを用いて発電する燃料電池スタックとを備える燃料電池システムにおいて、
    前記起動用燃焼器停止時における起動用燃焼器内の混合気の空燃比が、起動用燃焼器運転時の空燃比と理論空燃比との差をさらに大きくした空燃比となるように起動用燃焼器に対する燃料と空気の供給を停止するコントロールユニットを備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記コントロールユニットは、前記起動用燃焼器がリッチ空燃比で運転されている場合、起動用燃焼器に供給される空気、燃料の停止は空気、燃料の順に停止されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記コントロールユニットは、空気供給停止後に起動用燃焼器停止時の空燃比が可燃限界空燃比よりリッチ空燃比となる量の燃料を起動用燃焼器に供給した後に燃料の供給を停止するように制御することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記コントロールユニットは、空気供給停止後に前記起動用燃焼器内のガス温度が燃料の自着火温度以下となる燃料量を起動用燃焼器に供給した後に燃料の供給を停止するように制御することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記起動用燃焼器の停止後に起動用燃焼器内に残留した燃料を気化させるガスを導入することを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池スタックから排出される排ガスを燃焼する燃焼触媒を備え、
    前記起動用燃焼器から排出される残留気化燃料は燃焼触媒に供給されることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記ガスは改質ガスであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  8. 前記ガスは空気であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  9. 前記ガスはアノード排ガスまたはカソード排ガスの少なくとも一方であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  10. 前記起動用燃焼器がリーン空燃比で運転されている場合、起動用燃焼器に供給される燃料、空気の停止は燃料、空気の順に停止されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  11. 燃料供給停止後に前記起動用燃焼器内のガス温度が燃料の自着火温度以下となる量の空気を供給した後に空気の供給を停止することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
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