JP3708142B2 - 液晶用スペーサの製造方法および液晶用スペーサ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は液晶が内部に充填される一対の配向基板に介在する液晶用スペーサの製造方法および該製造方法により製造された液晶用スペーサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の液晶用スペーサとしては、シリカ粒子、金属酸化物粒子の表面に、配向基板に付着性を有する低融点の合成樹脂やワックス等の付着物を被覆したものが提供されていた(特開昭63−94224号)。上記液晶用スペーサを用いると、該スペーサは配向基板表面に該付着層を介して固定され、切断時や液晶注入時、あるいは振動が及ぼされてもスペーサが移動しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の液晶用スペーサにあっては粒子表面から付着層が剥離し易く、剥離した付着層は液晶側に混入して液晶の性能を妨害すると云う問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として表面に活性水素を有する粒子に重合性ビニル基を有するイソシアナート化合物を反応付加せしめることによって重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合することによって配向基板に対して付着性を有するグラフト重合鎖を形成し、更に該グラフト重合鎖の側鎖に重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合することによって更に配向基板に対して付着性を有する一次側鎖を形成することによって粒子表面に付着層を形成する液晶用スペーサの製造方法および該製造方法により製造された液晶用スペーサを提供するものである。
【0005】
本発明の製造方法による液晶用スペーサとしては、更に該グラフト重合鎖に形成された該一次側鎖に更に二次側鎖が形成されたもの、および該二次側鎖に更にポリアルキレングリコール三次側鎖が形成されたものが含まれる。
【0006】
〔配向基板〕
配向基板としては通常ガラス板またはプラスチック板またはプラスチックフィルムあるいはポリイミドコーティングされたガラス板またはプラスチック板またはプラスチックフィルムが用いられる。ポリイミドコーティングはポリイミドをコーティングするか、またはポリイミド前駆体をコーティングして加熱することによってイミド化することによって行なわれる。
【0007】
〔粒子〕
本発明においては、表面に活性水素を有する粒子に重合性ビニル基を有するイソシアナート化合物を反応付加せしめて重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合することによって配向基板に対して付着性を有するグラフト重合鎖を形成する。
上記表面に活性水素を有する粒子は、例えば表面にシラノール基(Si−OH)、アルコール性OH基、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH2)、酸アミド基(−CONH2)、イミノ基(−NH)、メルカプト基(−SH)等の活性水素を有する官能基を有する粒子であり、このような粒子は上記活性水素を有する官能基を有する重合性ビニル単量体、加水分解または付加、縮合、開環等の反応により上記活性水素を有する官能基となるような官能基を有する重合性ビニル単量体、あるいは活性水素を有する官能基または加水分解または付加、縮合、開環等の反応により上記活性水素を有する官能基となるような官能基を有する化合物と反応可能な官能基を有する重合性ビニル単量体を含む単量体混合物を、該単量体混合物は溶解し、該単量体混合物にもとづく重合体は溶解しない溶剤中で該単量体混合物を重合して重合体粒子を析出せしめる析出重合法、上記析出重合法によって得られた重合体粒子を上記単量体混合物によって膨潤せしめ、該重合体粒子に内蔵されているラジカルによって該単量体混合物を重合せしめて二次重合体を得るシード重合方法等が適用される。
【0008】
上記析出重合およびシード重合にあっては単量体の一部としてジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン等の多価ビニル化合物を用いた架橋重合体粒子が望ましい。架橋重合体粒子は耐溶剤性、耐熱性が良好である。
【0009】
上記析出重合およびシード重合にあっては、液晶用スペーサとして適当な真球状でかつ均一な粒度分布を有する粒子が得られ、特にシード重合にあっては粒子の大きな真球状粒子が得られる。
【0010】
このようにして重合体粒子を製造した後そのまゝ、あるいは必要ならば加水分解または付加、縮合、開環等の反応によりあるいは活性水素を有する官能基または加水分解または付加、縮合、開環等の反応によって活性水素を有する官能基となるような官能基を有する化合物を反応させ必要ならば更に加水分解または付加、縮合、開環等をして、本発明の表面に活性水素を有する粒子を製造する。
【0011】
〔ビニル基の導入〕
本発明においては、上記表面に活性水素を有する粒子に重合性ビニル基を有するイソシアナート化合物を反応付加せしめることによって重合性ビニル基を導入する。
上記重合性ビニル基を有するイソシアナート化合物としては、例えばアクリロイルイソシアナート、メタクロイルイソシアナート、アリルイソシアナート、m−イソプロペニル−α, α−ジメチルベンジルイソシアナート等がある。
【0012】
〔グラフト重合鎖の形成〕
上記粒子表面に導入されたビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上を重合開始剤を使用してグラフト重合することによって、該粒子表面に配向基板に対して付着性を有するグラフト重合鎖を形成する。
【0013】
上記重合性ビニル単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソアミルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフロロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメタクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等のモノマーが使用される。
また重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサナート、t−ブチルパーオキシパバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびジクミルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスメチルブチロニトロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−シクロプロピルプロピオニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2−フェニラゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチラミジン等アゾ系重合開始剤のような主として油溶性重合開始剤が使用される。
【0014】
上記グラフト重合は通常メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンの芳香族系溶剤、セロソルブアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等の有機溶剤の存在下に行われる。
【0015】
〔一次側鎖の形成〕
上記配向基板に対して付着性を有するグラフト重合鎖を表面に形成した粒子はそのまゝ液晶用スペーサとして用いられるが、更に該グラフト重合鎖に上記配向基板に対して付着性を有する一次側鎖を形成してもよい。この場合には該グラフト重合鎖は必ずしも配向基板に対して付着性を有するものである必要はない。
【0016】
上記一次側鎖を形成するには、上記グラフト重合鎖の側鎖に重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合する。上記グラフト重合鎖の側鎖に重合性ビニル基を導入するには、粒子表面に重合性ビニル基を導入する場合と同様に、該グラフト重合鎖中にシラノール基(Si−OH)、Si−H基、アルコール性OH基、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH2)、酸アミド基(−CONH2)、イミノ基(−NH)、メルカプト基(−SH)等の活性水素を有する官能基、あるいは加水分解または付加、縮合、開環等の反応により上記活性水素を有する官能基となるような官能基を導入し、同様な重合性ビニル基を有するイソシアナート化合物を反応付加せしめる方法、あるいは上記活性水素を有する官能基を導入したグラフト重合鎖の該官能基にシラザンを反応せしめてSi−H基を導入し、該Si−H基に更にグリシジル基(エポキシ基)を有するオレフィン化合物を反応付加せしめて低重合性オレフィンを含む重合性グラフト鎖を形成する、上記Si−H基にアクリレートまたはメタクリレートの重合性不飽和結合を有するアルキルアクリレートまたはメタクリレートを反応させる方法、上記Si−OH基に加水分解性シリル基を有する重合性ビニル単量体を反応させる方法、上記Si−OH基に加水分解性シリル基を有するエポキシ化合物を反応させてエポキシ基を導入し、該エポキシ基にアミノ基を有する重合性ビニル単量体を反応させる方法、上記Si−OH基に加水分解性シリル基を有するアミン化合物を反応させてアミノ基を導入し、該アミノ基にエポキシ基を有する重合性ビニル単量体を反応させる方法、上記Si−H基にハロゲン化オレフィンを反応させてハロゲン化し、更にカルボキシル基を有する重合性ビニル単量体を反応させる方法、上記Si−OH基にジビニルシラザンを反応させる方法等が適用される。
【0017】
上記グラフト重合鎖に上記活性水素を有する官能基を導入するには、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド等のような活性水素を有する官能基を有する重合性ビニル単量体を使用する。また上記グラフト重合鎖にSi−OH基を導入するには、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルビス(トリメトキシ)メチルシラン、11−メタクリロキシウンデカメチレントリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルテトラメチレントリメトキシシラン、8−ビニルオクタメチレントリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩等のような加水分解性シリル基を有する重合性ビニル単量体を使用する。
【0018】
上記グラフト重合鎖の側鎖に導入されたビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上を重合開始剤を使用してグラフト重合することによって、該グラフト重合鎖に配向基板に対して付着性を有する一次側鎖を形成する。上記重合性ビニル単量体としては上記グラフト重合鎖を形成する際に用いられた重合性ビニル単量体と同種のものが用いられ、また重合開始剤も上記グラフト重合鎖を形成する際に用いられたものと同種のものが用いられる。そして上記グラフト重合は上記グラフト重合鎖の形成の場合と同様に通常有機溶剤の存在下で行われる。
【0019】
〔二次側鎖の形成〕
上記配向基板に対して付着性を有する一次側鎖を有するグラフト重合鎖を表面に形成した粒子はそのまゝ液晶用スペーサとして用いられるが、更に該一次側鎖に上記配向基板に対して付着性を有する二次側鎖を形成してもよい。この場合には該グラフト重合鎖および一次側鎖は必ずしも上記配向基板に対して付着性を有するものである必要はない。
【0020】
上記二次側鎖を形成するには、上記一次側鎖の側鎖に重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合する。側鎖に重合性ビニル基を導入する方法および該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合する方法はグラフト重合鎖に一次側鎖を形成する場合と同様である。
【0021】
〔三次側鎖の形成〕
上記配向基板に対して付着性を有する一次側鎖、二次側鎖を有するグラフト重合鎖を表面に形成した粒子はそのまゝ液晶用スペーサとした用いられるが、更に該二次側鎖に上記配向基板に対して付着性を有するポリアルキレングリコール三次側鎖を形成してもよい。この場合には該グラフト重合鎖、一次側鎖および二次側鎖は必ずしも上記配向基板に対して付着性を有するものである必要はない。
【0022】
上記三次側鎖を形成するには、上記二次側鎖に水酸基またはカルボキシル基と反応可能な官能基を導入し、該官能基にポリアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのモノまたはジカルボン酸を反応させる。上記水酸基と反応可能な官能基としては、例えばカルボキシル基、イソシアナート基、グリシジル基(エポキシ基)等があり、上記カルボキシル基と反応可能な官能基としては、例えば水酸基、イソシアナート基、グリシジル基(エポキシ基)等がある。そして該官能基を二次側鎖に導入するには、該官能基を有する重合性ビニル単量体を該二次側鎖に重合あるいは他の重合性ビニル単量体と混合して共重合する。このような重合性ビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸(以上カルボキシル基含有重合性ビニル単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒロドキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(以上水酸基含有重合性ビニル単量体)、粒子表面に重合性ビニル基を導入するために使用されるものと同様なイソシアナート基含有重合性ビニル単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、脂環式エポキシ基を含有するアクリレートまたはメタクリレート(以上グリシジル基含有重合性ビニル単量体)等がある。
【0023】
【作用】
本発明においては、粒子表面に導入したビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上を重合して配向基板に対して付着性を有するグラフト重合側鎖からなる付着層を形成するから、該付着層は粒子表面と共有結合によって結合されており、該粒子表面から剥離することはない。
更に該グラフト重合鎖に配向基板に対して付着性を有する一次側鎖、二次側鎖、三次側鎖を形成させれば、付着層の厚みが次第に増加して固着性が向上する。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕(SiOHの導入)
分子量1.0×105のヒドロキシプロピルセルロース30g、スチレン単量体8g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4g、エチルアルコール250g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1gを反応器に仕込み、65℃、10時間、窒素気流下で分散重合させることによって平均粒径5.8μm、標準偏差1.5%の均一な粒子を得た。
上記粒子を洗浄後、酸あるいはアルカリ処理することによって粒子内部ではSi−O−Siのシロキサン結合の架橋、粒子表面ではシラノール基(Si−OH)が存在する架橋粒子Aが合成された。
【0025】
〔実施例2〕(−OHの導入)
n−ブチルパーオキサイド2gをラウリル硫酸ソーダ0.15gを溶解した水20g中に油滴径が0.5μm以下になるように乳化微分散せしめた。上記開始剤分散液を5重量%のポリスチレン粒子(粒径1.2μm)の水分散液40g中に投入し、30℃、12時間にわたりゆっくり攪拌することによって該開始剤油滴をポリスチレン粒子に吸収させシード粒子分散液とした。
次いでスチレン45g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート15g、およびジビニルベンゼン10gの単量体混合物をラウリル硫酸ソーダ2.85gを溶解した水350g中に微分散し、該分散液に上記シード粒子分散液を添加混合し、該シード粒子に該単量体混合物を吸収させた。その後上記分散液にポリビニルアルコール10重量%水溶液100gを添加し、80℃に昇温して該シード粒子に吸収されている該単量体混合物を重合させた。昇温してから6時間後に上記単量体は消滅し、平均粒径7μm、標準偏差4.5%の均一真球粒子が得られた。この粒子を酸あるいはアルカリ処理することによって表面にアルコール性OH基が存在する架橋粒子Bが合成された。
【0026】
〔実施例3〕(−COOHの導入)
分子量4×105のヒドロキシプロピルセルロース50g、スチレン10g、ジビニルベンゼン5g、メタクリル酸2g、メチルアルコール300g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを反応器に仕込み、60℃、8時間、窒素気流下で分散重合させることによって、表面に−COOH基を有する平均粒径6.25μm、標準偏差3%の架橋粒子Cが合成された。
【0027】
〔実施例4〕(SiH基の導入)
実施例1〜3によって作成した表面にシラノール基(−SiOH)、あるいはアルコール性OH基、カルボキシル基(−COOH)等の活性水素を有する粒子A〜Cそれぞれの10gに対し、トルエン30g、テトラメチルジシラザン30gを一括に仕込み、80〜90℃で3〜5時間反応させ、表面にSi−H基を有する架橋粒子Dを得た。
【0028】
〔実施例5〕(SH基の導入)
表面にSiOH基を有する粒子A10gに対し、それぞれトルエン20g、加水分解性シリル基とメルカプト基を同時に有する単量体(例えばメルカプトプロピルトリメトキシシラン)30gを一括に仕込み、80〜90℃で5〜7時間反応させ、表面にメルカプト基を有する架橋粒子Eを得た。
【0029】
〔実施例6〕(アミノ基(又はイミノ基)導入粒子の製造)
表面にSiOH基を有する粒子A10gに対し、加水分解性シリル基と同時にアミノ基又はイミノ基を有する単量体(例えば4−アミノブチルトリエトキシシラン)30g、トルエン20gを一括に仕込み、トルエン還流下5〜7時間反応させ、表面にアミノ基又はイミノ基を有する粒子Fを得た。
【0030】
〔実施例7〕(アミド基導入粒子の製造)
実施例3で作成した表面にカルボキシル基(−COOH)を有する粒子C10gに対し、トルエン20g、ジアミン類(例えば2、4−ジアミノトルエン)30gを一括に仕込み、トルエン還流下で生成する水を除去しながら、1〜2時間反応させ、表面にアミド基を有する粒子Gを得た。
【0031】
〔実施例8〕(ビニル基導入粒子の製造)
実施例2で作成した表面にアルコール性OH基を有する架橋粒子B10gに対し、メタクリロイルイソシアナートの30%トルエン溶液3g、メチルエチルケトン20gを一括に仕込み、20〜25℃で30〜60分反応させ、粒子表面にビニル基を導入した。
【0032】
〔実施例9〕(ビニル基導入粒子の製造)
実施例4〜6で作成した表面にSiH基、メルカプト基、アミノ(又はイミノ)基を有する架橋粒子D〜F10gに対し、それぞれメチルエチルケトン20g、メタクリロイルエチルイソシアナートの30%トルエン溶液3gを一括に仕込み、20〜25℃で30〜60分反応させ、粒子表面にビニル基を導入した。
【0033】
〔実施例10〕(ビニル基導入粒子の製造)
実施例7で作成した表面にアミド基を有する粒子G10gに対し、メチルエチルケトン20g、メタクリロイルイソシアナートの30%トルエン溶液3gを一括に仕込み100〜150℃で1〜2時間反応させ、粒子表面にビニル基を導入した。
【0034】
〔実施例11〕(重合性ビニル単量体を用いたグラフト一次側鎖を形成した粒子の製造)
実施例8〜10で作成した表面にビニル基が導入された粒子10gに対し、重合開始剤(例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)1g、メチルセロソルブ100gを仕込み開始剤開裂温度まで昇温し、窒素気流下2時間反応させて粒子表面のビニル基にラジカルを発生させる。2時間後OH基を持ちホモポリマーがメチルセロソルブに溶解し得る重合ビニル単量体(例えば2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等)50gを滴下し、1時間反応させると表面にグラフト重合鎖からなる付着層を有する粒子が製造される。該粒子はメチルセロソルブにより洗浄しその後乾燥される。
該粒子10gに対し、再度メタクリロイルイソシアナート30%トルエン溶液3g、メチルエチルケトン20gを一括に仕込み、20〜25℃で30〜60分反応させ、該グラフト重合鎖の側鎖にビニル基が導入された粒子Hが製造される。該粒子はメチルエチルケトンにより洗浄しその後乾燥される。
該粒子1gに対し、重合開始剤(例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)0.1g、トルエン10gを仕込み開始剤開裂温度まで昇温し、窒素気流下2時間反応させて粒子表面のグラフト重合鎖のビニル基にラジカルを発生させる。2時間後ホモポリマーがトルエンに溶解し得る重合性ビニル単量体(例えばスチレン、メチルメタクリレート、酢酸ビニル等)5gを滴下し、1時間反応させると該グラフト重合鎖には該ビニル基を起点として該重合性ビニル単量体の重合鎖からなる一次側鎖が形成される。このようにして製造された一次側鎖を有するグラフト重合鎖を付着層とした粒子はトルエンにより洗浄しその後乾燥される。該粒子のSEM(走査電子顕微鏡)による測定の結果粒子径増加Δd=0.3μmであった。
【0035】
〔実施例12〕(重合性ビニル単量体を用いたグラフト二次側鎖を形成した粒子の製造)
実施例11において得られたグラフト重合鎖の側鎖にビニル基が導入された粒子H10gに対し、メチルエチルケトン100g、メチルメタクリレート30g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20g、重合開始剤(例えばベンゾイルパーオキサイド)1gを一括に仕込み、窒素気流下80℃で2時間反応させると該グラフト重合鎖には該ビニル基を起点として、OH基を含む該重合性ビニル単量体の重合鎖からなる一次側鎖が形成される。該粒子はメチルエチルケトンにより洗浄しその後乾燥される。
該粒子10gに対し、再度メタクリロイルイソシアナート30%トルエン溶液3g、メチルエチルケトン20gを一括に仕込み、20〜25℃で30〜60分反応させ、該グラフト重合鎖の一次側鎖にビニル基が導入された粒子Iが製造される。該粒子はメチルエチルケトンにより洗浄し、その後乾燥される。
該粒子1gに対し、重合開始剤(例えばベンゾイルパーオキサイド)0.1g、メチルエチルケトン10g、重合性ビニル単量体(例えばグリシジルメタクリレート)5gを一括に仕込み、窒素気流下70〜80℃で2〜3時間反応させると、該グラフト重合一次側鎖には該ビニル基を起点としてグリシジルメタクリレート単量体重合鎖からなる二次側鎖が形成される。このようにして製造された二次側鎖を付着層とした粒子はメチルエチルケトンにより洗浄し、その後乾燥される。該粒子のSEM(走査電子顕微鏡)による測定の結果粒子径増加Δd=0.6μmであった。
【0036】
〔実施例13〕(重合性ビニル単量体とマクロモノマーを用いたグラフト二次側鎖を形成した粒子の製造)
実施例11で作成した重合体鎖の側鎖にビニル基が導入されたグラフト粒子H1gに対しメチルセロソルブ20g、分子中に重合性ビニル基を1つ以上持つ熱可塑性マクロモノマー(例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等)10g、重合開始剤(例えばベンゾパーオキサイド等の過酸化物開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ開始剤等)0.1gを一括に仕込み、窒素気流下60〜80℃まで昇温して1時間反応させその後余分な重合体を除去すれば、表面に熱可塑性重合体層を有するグラフト粒子が製造される。該グラフト粒子はメチルセロソルブにより洗浄しその後乾燥される。該粒子のSEMによる測定の結果粒子径増加Δd=0.25μmであった。
【0037】
〔実施例14〕(ポリアルキレングリコールを用いたグラフト三次側鎖を形成した粒子の製造)
実施例12で作成したグラフト重合鎖の一次側鎖にビニル基が導入された粒子I10gに対し、重合開始剤(例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)1g、メチルセロソルブ100g、水酸基またはカルボキシル基と反応可能な官能基を有する重合性ビニル単量体(例えばグリシジルメタクリレート)50gを一括に仕込み、窒素気流下70〜80℃で2〜3時間反応させると、該グラフト重合一次側鎖には該ビニル基を起点として水酸基またはカルボキシル基と反応可能な官能基を有するグラフト二次側鎖が形成される。
該粒子1gに対し、メチルセロソルブ30g、ポリエチレングリコールジカルボン酸(平均分子量200以上)10gを一括に仕込み、メチルセロソルブ還流下で2〜6時間反応させ、余分なポリエチレングリコールジカルボン酸を除去し、乾燥する。このようにして製造された三次側鎖を付着層とした粒子は水に対して容易に分散し、低温でメルトし、配向膜に対する固着性を示す。該グラフト粒子のSEM(走査電子顕微鏡)による測定の結果、粒子径増加Δd=1.2μmであった。
【0038】
〔実施例15〕(重合性ビニル単量体とマクロモノマーを用いたグラフト三次側鎖を形成した粒子の製造)
実施例11で作成した重合鎖の側鎖にビニル基が導入されたグラフト粒子H1gに対しメチルエチルケトン20g、分子中に重合性ビニル基を1つ以上持ち、かつ1つ以上のエポキシ基を持つマクロモノマー10g、重合開始剤(例えばベンゾパーオキサイド等の過酸化物開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ開始剤等)0.1gを一括に仕込み、窒素気流下60〜80℃で1時間反応させその後余分な重合体を除去すれば、表面にエポキシ基を含む重合体層を有するグラフト粒子が製造される。該グラフト粒子はメチルエチルケトンにより洗浄し、その後乾燥される。
該グラフト粒子1gに対し、ジメチルホルムアミド10g、分子中に1つ以上のカルボキシル基を持つマクロモノマー(例えば、ステアリン酸、ポリエチレングリコールジカルボン酸等)3gを一括に仕込み、ジメチルホルムアミド還流下で2〜6時間反応させ、表面に熱可塑性重合体層を有するグラフト粒子が製造される。該グラフト粒子はジメチルホルムアミドにより洗浄しその後乾燥される。該粒子のSEMによる測定の結果粒子径増加Δd=0.5μmであった。
【0039】
実施例11〜15によって得られたグラフト粒子について下記の試験を行った。
〔試験1〕(液晶に対する不純物溶出試験)
各グラフト粒子0.1gを1gの液晶(メルク:ZLI−1565)中に分散させ、150℃で24時間放置し、その後液晶を抽出して、示差走査熱量分析(DSC)、ガスクロマトグラフィー(GC)により耐液晶性を調べた。
また、各グラフト粒子0.5gを10mlのiso−プロパノールに浸漬し、10日間室温放置後、分光光度計(UV)を用いて不純物量を測定した。
その結果は表1に示される。
【0040】
【表1】
*比較例:ゾル・ゲル法によって合成された5.3μm粒径のシリカ粒子と0.25μm粒径のメチルメタクリレート樹脂粒子5gとを混合して該樹脂を吸着させた。樹脂を吸着した該シリカ粒子を熱処理することによって被覆させ、厚さ0.1μmの有機接着層を有するシリカ粒子を作成し、該粒子を比較例として用いた。
表1によれば、本発明のグラフト粒子からの液晶への不純物の混入はまったくないことが分かり、一方比較例の粒子では液晶の純度が下がってしまった。このことから、本発明のグラフト固着粒子は液晶の配向性も損なわないことが確認された。
【0041】
〔試験2〕(ポリイミド配向膜付き基板に対する固着性能)
実施例11〜15で作成した粒子並びに比較例の粒子およびシリカ粒子の各粒子0.1gをiso−プロパノール5gに分散させ、超音波分散を10分間行なった後、1.0,2.0kg/cm2の各エアー圧でイミド基板(ポリイミドは日産化学製 サンエバーSE−150をカタログ標準焼成条件にて焼成して用いた)に散布した。基板焼成を100℃、120℃、150℃、180℃の温度条件でそれぞれ10分間行ない、エアーブロー方式によるビーズ残存率により本発明の粒子の固着性を評価した。その結果は表2に示される。
【0042】
【表2】
表2によれば、本発明の粒子の固着性は比較粒子に比べかなり優れていることが分かる。
【0043】
【発明の効果】
したがって、本発明においては配向基板に付着性が良好でかつ付着層が剥離しない液晶スペーサが得られる。
Claims (4)
- 表面に活性水素を有する粒子に重合性ビニル基を有するイソシアナート化合物を反応付加せしめることによって重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合することによって配向基板に対して付着性を有するグラフト重合鎖を形成し、更に該グラフト重合鎖の側鎖に重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合することによって更に配向基板に対して付着性を有する一次側鎖を形成することによって粒子表面に付着層を形成することを特徴とする液晶用スペーサの製造方法。
- 該一次側鎖に重合性ビニル基を導入し、該重合性ビニル基を起点として重合性ビニル単量体の一種または二種以上をグラフト重合することによって配向基板に対して付着性を有する二次側鎖を形成する請求項1に記載の液晶用スペーサの製造方法。
- 該二次側鎖には水酸基またはカルボキシル基と反応可能な官能基が導入されており、該官能基にポリアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのモノまたはジカルボン酸を反応させることによって配向基板に対して付着性を有するポリアルキレングリコール三次側鎖を形成する請求項2に記載の液晶用スペーサの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかの製造方法により製造された液晶用スペーサ。
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