JP3712469B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアセタール樹脂に、1級又は2級アミンを有する特定のアルキレングリコール系重合体、所望により更に潤滑剤を配合し、溶融混練することにより得られる、熱安定性、摩擦摩耗特性が改善されたポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリアセタール樹脂は、バランスのとれた機械的性質を有し、耐摩擦・摩耗特性、耐薬品性、耐熱性、電気特性等に優れるため、自動車、電気・電子製品等の分野で広く利用されており、それ故、市場からの要求レベルも一層高くなってきている。その一例として摺動特性に優れたポリアセタール樹脂の成形性改善の要求がある。
ポリアセタールの摺動特性を飛躍的に改善させる目的で、従来からフッ素樹脂やシリコーン、ポリオレフィンおよび潤滑剤などの配合が行われてきているが、かかる手法は、本来目的とする耐摩耗性や滑り性などの摺動特性をある程度は改善するものの、配合された摺動性改良剤による成形不良や外観不良などの種々の問題があった。
とりわけ、潤滑剤が配合されたポリアセタール樹脂では、成形時に配合されている安定剤の金型堆積物(モールドデポジット)が生じ、成形品外観や、成形品の寸法精度などを大幅に悪化させるケースがあった。かかる安定剤は、潤滑剤自体のモールドデポジットと異なり、金型面からの除去が困難であり、金型メンテナンスに支障をきたす場合が多く、その改善が切望されていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に対して、1級又は2級アミンを有する特定分子量のアルキレングリコール系重合体と特定の潤滑剤を併用配合し溶融混練することにより、摩擦摩耗特性のみならず、モールドデポジットの少ない良成形性を有するポリアセタール樹脂が得られることを見出し、本発明に到ったものである。
即ち、本発明は、(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対し、(B) 1級又は2級アミンを有する数平均分子量が 400〜500000のアルキレングリコール系重合体を0.01〜5重量部、及び (C) シリコーン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィン、置換ジフェニルエーテル、 C 10 以上の脂肪酸誘導体、 C 10 以上の脂肪族アルコール誘導体から成る群より選ばれる1種もしくは2種以上の潤滑剤を 0.1 〜5重量部配合し溶融混練して成るポリアセタール樹脂組成物、及び該組成物を成形してなる摺動部材を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成成分について説明する。
本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A) とは、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、又はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、1,3 −ジオキソラン、1,4 −ブタンジオール等のコモノマー単位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマーの何れにてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、又、他の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンであってもよい。又、その重合度に関しても特に制限はなく、溶融成形加工性を有するものであればよい。
好ましいポリアセタール樹脂は、メルトインデックス(ASTM D1238-89E)が1〜50g/10分、更に好ましくは7〜30g/10分のものである。
【0005】
次に、本発明でポリアセタール樹脂に配合される(B) 1級又は2級アミンを有するアルキレングリコール系重合体とは、エチレングリコール、プロピレングリコル、テトラメチレングリコールを主体とするホモポリマー及びコポリマーの末端又は分子鎖中に1級又は2級アミンを有するポリマーである。
かかる(B) 成分の例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、又はこれらのコポリマーのジプロピルアミン、ジオクチルアミンなどがある。
(B) 成分である1級又は2級アミンを有するアルキレングリコール系重合体の数平均分子量は 400〜500000、好ましくは 400〜100000である。かかる範囲より分子量が小さいと、(B) 成分自体のモールドデポジットの改善効果に乏しく、またかかる範囲を超えて高分子量のアルキレングリコール系共重合体の配合は、ポリアセタール樹脂の分解抑制の点で不十分であり、かえってホルムアルデヒド成分のモールドデポジット発生が促進され、好ましくない。
(B) 成分である1級又は2級アミンを有するアルキレングリコール系重合体の配合量は、(A) 成分100 重量部に対し0.01〜5重量部であり、好ましくは0.05〜2重量部である。(B) 成分が過少であるとポリアセタール樹脂の分解抑制の点で不十分であり、かえってホルムアルデヒド成分のモールドデポジット発生が促進され、好ましくない。また、過剰では、(B) 成分自体のモールドデポジットが生じ好ましくない。
かかる(B) アルキレングリコール系重合体は、その性能を悪化させない範囲で、アルキレングリコール系重合体末端が、更に脂肪酸とのエステル、脂肪族アルコールとのエーテル等で変性された重合体であってもよい。
【0006】
本発明の組成物はこのままで用いても良好な物性を有し、特に摺動特性、成形性等に顕著な効果を有するものであるが、更に(C) 潤滑剤を併用することにより、更に一層の効果を得ることができる。
ここで(C) 成分の潤滑油とは、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、シリンダー油、ギヤ油等の鉱油;流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の脂肪酸;ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、イソトリデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の脂肪族アルコール;ラウリルラウレート、イソトリデシルステアレート、ステアリルステアレート、ベヘニルベヘネート等、上記脂肪酸と脂肪族アルコールより成る脂肪族エステル;エチレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート等、上記脂肪酸と、グリコール類、グリセリン、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールより成る部分及び/又はフルエステル;アジピン酸ジ2エチルヘキシル、フタル酸ジ2エチルヘキシル、リン酸トリステアリル等、上記脂肪族アルコールと、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸とのエステル;ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド等、上記脂肪酸とアンモニア、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等アミン化合物とのアミド;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸;モンタンロウ等の天然ワックス;ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のシリコーン及びその誘導体;アルキル置換ジフェニルエーテル;
等から選ばれる1種もしくは2種以上がいずれも使用可能であるが、かかる潤滑油の内、取扱いの容易さ、加工性、摩擦・摩耗特性、機械的性質等総合的にみると、シリコーン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィン、置換ジフェニルエーテル、C10 以上の脂肪酸誘導体、C10 以上の脂肪族アルコール誘導体から成る群より選ばれる1種もしくは2種以上を基材とした潤滑油が好ましく使用できる。
以下、かかる潤滑油について詳細に説明する。
シリコーンとしては、(1) の構造で示されるポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンが代表として好ましく用いられる。
【0007】
【化1】
【0008】
(ここで、 Rはメチル基であるが、その一部がアルキル基、フェニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化フェニル基、ポリアルキレングリコール等であっても良い。)
また、ジメチルシロキサンのメチル基の一部が、クロロフェニル基に代表されるハロゲン化フェニル基、C8以上のアルキル基、ポリエチレングリコールに代表されるアルキレングリコール、C8以上の脂肪族カルボン酸の誘導体である高級脂肪族エステル基、トリフルオロメチル基に代表されるハロゲン化アルキル基などの各種置換基に代替された変性ポリオルガノシロキサンについても使用可能である。
本発明において、かかるシリコーンは、動粘度(25℃)が 100〜10万cSt の範囲のものが好ましく使用される。
【0009】
α−オレフィンオリゴマーは、主にC6〜C20 のα−オレフィンを単独、もしくはエチレンとC3〜C20 のα−オレフィンを共重合した構造を有する脂肪族炭化水素である。本発明においては、数平均分子量が 400〜4000のエチレン・α−オレフィンコオリゴマーが好ましく使用される。
【0010】
パラフィンは、主に石油留分を精製して得られる、いわゆるパラフィン系鉱油を示す。本発明においては、平均分子量 300〜800 の範囲のものが好ましく使用される。
【0011】
置換ジフェニルエーテルは、下記式(2) で示される如くジフェニルエーテルのフェニル基に、C12 以上のアルキル基、エステル基及びアシル基から選ばれた少なくとも1種の置換基が導入されている化合物を示す。特に分子量の規定はなく、いずれの置換ジフェニルエーテルも好ましく使用される。
【0012】
【化2】
【0013】
(R1は、2〜6位及び2'〜6'位の一部もしくは全部に導入されたアルキル基、エステル基、又はアシル基であり、p及びqはそれぞれ0〜5の整数である。但し、pとqが同時に0であることはない)
かかる置換ジフェニルエーテルの置換基としてのアルキル基は、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの直鎖アルキル基、及び下記式(3) で示される分岐アルキル基等が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】
また、エステル基(QOCO- 又はQCOO- )としては、ドデシロキシカルボニル基、テトラデシロキシカルボニル基、ヘキサデシロキシカルボニル基、オクタデシロキシカルボニル基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトルオキシ基、ステアロイルオキシ基等があげられる。また、アシル基としては、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基等があげられる。さらには、かかるエステル基やアシル基中の脂肪族炭化水素鎖が分岐構造を有する、例えば、イソステアリルアルコールやイソステアリン酸等の誘導体であっても良い。
かかる置換ジフェニルエーテルの効果は、置換基の位置に何ら限定されることはなく、いずれの置換ジフェニルエーテルも好ましく用いられるが、合成上好ましくは、2、4、6、2'、4'、6'位の何れか一部もしくは全部に置換基を有する置換ジフェニルエーテルであり、特に好ましくは、4、4'位の2置換体である。
【0016】
本発明におけるC10 以上の脂肪酸誘導体とは、C10 以上の脂肪酸と1価以上の脂肪族及び/または芳香族アルコールとのエステル、C10 以上の脂肪酸と1級以上のアミンとのアミドである。
かかるエステルを構成する炭素数10以上の脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、モンタン酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸があげられ、また2−ブロモステアリン酸、18ブロモステアリン酸、18ヒドロキシステアリン酸等のかかる脂肪酸の誘導体がいずれも好ましく使用される。
かかる脂肪酸とエステルを構成するアルコールとしては、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、14メチルヘキサデカン1オール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、16メチルヘキサデカノール、18メチルノナデカノール、18メチルイコサノール、ドコサノール、20メチルヘエンエイコサノール、20メチルドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール等の1価の飽和及び不飽和脂肪族アルコール、直鎖及び分岐アルコールなどがあげられ、いずれも好ましく使用される。
【0017】
また、かかるエステルを構成する芳香族アルコールとしては、フェノール、カテコール、ナフトールなどがあげられる。また、脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、 1,4ブタンジオール、 1,5ペンタンジオール、 1,6ヘキサンジオール、 1,2オクタンジオール、ヘキサデカン1,2 ジオール、オクタデカン1,2 ジオール、イコサン1,2 ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、 1,2シクロノナンジオール、 1,2シクロデカンジオール等の多価アルコール類及び、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジグリセロール、トリグリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、かかる多価アルコールの縮合体、及びコハク酸、アジピン酸等の多塩基酸とかかる多価アルコールの部分エステルなどがあげられ、いずれも好ましく使用される。
【0018】
また、アミドとしては、上記炭素数10以上の脂肪酸とアンモニア、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、エタニノールアミン等の1級、2級アミンとのアミドがあげられ、いずれも好ましく用いられる。具体的には、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、テトラメチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0019】
本発明におけるC10 以上の脂肪族アルコール誘導体としては、C10 以上の脂肪族アルコールと、C10 以上の1価以上の脂肪族カルボン酸及び/又は芳香族カルボン酸とのエステルがあげられる。
かかるエステルを構成する炭素数12以上の脂肪族アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、14メチルヘキサデカン1オール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、16メチルヘキサデカノール、18メチルノナデカノール、18メチルイコサノール、ドコサノール、20メチルヘンエイコサノール、20メチルドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール等の、飽和及び不飽和脂肪族アルコール、直鎖及び分岐アルコールなどがあげられ、いずれも好ましく使用される。
かかるアルコールとエステルを構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、モンタン酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸があげられ、また2−ブロモステアリン酸、18ブロモステアリン酸、12ヒドロキシステアリン酸等のかかる脂肪酸の誘導体がいずれも好ましく使用される。
【0020】
また、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸等があげられる。脂肪族多塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12ドデカメチレンジカルボン酸、1,14テトラデカメチレンジカルボン酸、1,16ヘキサデカメチレンジカルボン酸、1,18オクタデカメチレンジカルボン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フマル酸等脂肪族多塩基酸及び、かかるカルボン酸の誘導体などがあげられ、いずれも好ましく使用される。
【0021】
上記カルボン酸とアルコールとから成るエステルは、いずれも好ましく使用されるが、入手の容易さから、以下のエステルがより好ましく使用される。すなわち、ラウリルラウレート、ラウリルステアレート、セチルパルミテート、イソトリデシルステアレート、オレイルオレート、ステアリルステアレート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、ベヘニルベヘネート、エチレングリコールジステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジ,トリステアレート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、ペンタエリスリトールテトライソステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ジイソトリデシルアジペート、ジイソトリデシルフタレートなどがあげられ、かかるエステルの一種もしくは2種以上がいずれも好ましく使用される。
【0022】
本発明において、かかる潤滑剤(C) の添加量は、 (A)成分 100重量部に対し0.1 〜10重量部である。 0.1重量部未満では潤滑剤本来の効果が発揮され難く、また逆に10重量部より多い量では基体であるポリアセタールの性質が損なわれるため好ましくない。より好ましくは、0.5 〜5重量部である。
本発明の組成物は、更に公知の各種安定剤を添加して安定性を補強することができる。また、目的とする用途に応じてその物性を改善するために、更に公知の各種の添加剤を配合し得る。
【0023】
添加剤の例を示せば、各種の着色剤、離型剤(前記の潤滑剤以外)、核剤、帯電防止剤、その他の界面活性剤、異種ポリマー(前記のグラフト共重合体以外)等である。
また、本発明の目的とする組成物の性能を大幅に低下させない範囲内であれば、無機・有機・金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填剤を1種又は2種混合使用することもできる。次に本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられる公知の方法により容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、一軸又は二軸の押出機により練混み押出ししてペレットを調製する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)する方法等、何れも使用できる。
また、斯かる組成物の調製において、各成分の一部又は全部を粉砕し、これとその他の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分散性を良くする上で好ましい方法である。
又、潤滑剤(C) 特に液体状のものを用いる場合は、予め潤滑剤を各成分と混合し、含浸させた後、これを混練し、押出等を行う方法も組成物の調製を容易にし、加工性及び摺動性改善の点で好ましい方法である。
【0024】
【発明の効果】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性、摩擦・摩耗特性が改善され、歯車、軸受け、スライダー、ローラーなどの摺動部品に好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
参考例1〜5、実施例1〜8及び比較例1〜11
表1に示す如く各種ポリアセタール樹脂とアルキレンオキシド共重合体、場合により各種潤滑油を表1に示す割合で混合した後、2軸押出機により溶融混練し、ペレット状の組成物を調製した。次いでこのペレットを用いて射出成形により試験片を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
また比較のため、表2に示す如く、本願(B) 成分に属さないポリエチレングリコール、アミン化合物を用いた材料について評価を行った。結果を表2に示す。
使用した(C) 成分を以下に示す。
(C) 潤滑油
(C-1) ポリジメチルシロキサン;動粘度1000cSt
(C-2) ポリジメチルシロキサン;動粘度600000cSt
(C-3) エチレンα−オレフィンコオリゴマー;分子量1000
(C-4) エチレンα−オレフィンコオリゴマー;分子量2600
(C-5) パラフィンオイル;分子量750
(C-6) アルキル(C18)置換ジフェニルエーテル((株)松村石油化学研究所製モレスコハイループ)
(C-7) イソステアリルステアレート
(C-8) ステアリルステアレート
尚、実施例中の各種物性の評価方法は以下の通りである。
・金型付着物量
射出成形機を用いて下記条件で特定形状の成形品を連続成形し(約24時間)金型付着物の量を目視観察にて5段階で評価した。
<成形条件>
射出成形機 :東芝IS30EPN(東芝機械(株)製)
シリンダー温度:210 ℃
射出圧力 :75MPa
射出時間 :4秒
冷却時間 :3秒
金型温度 :30℃
1−2−3−4−5
微量 多量(全面に付着物あり)
(良好) (不良)
・摩擦摩耗試験
鈴木式摩擦摩耗試験機(オリエンテック(株)製、EFM−III−EN)を用い、ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス(株)社製ジュラコンM90−44)を相手材とした下記摺動条件の試験を行い、8時間摺動後の動摩擦係数を測定した。
・接触面積 2.0cm2
・面圧 0.6kgf/cm2
・線速度 15cm/sec
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
Claims (9)
- (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対し、(B) 1級又は2級アミンを有する数平均分子量が 400〜500000のアルキレングリコール系重合体を0.01〜5重量部、及び (C) シリコーン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィン、置換ジフェニルエーテル、 C 10 以上の脂肪酸誘導体、 C 10 以上の脂肪族アルコール誘導体から成る群より選ばれる1種もしくは2種以上の潤滑剤を 0.1 〜5重量部配合し溶融混練して成るポリアセタール樹脂組成物。
- (C) 成分のシリコーンが、動粘度( 25 ℃)範囲が 100 〜 10 万 cSt のポリジメチルシロキサン又はポリメチルフェニルシロキサンである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C) 成分のα−オレフィンオリゴマーが、平均分子量 400 〜 4000 のα−オレフィンオリゴマー及び/又はエチレン・α−オレフィンコオリゴマーである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C) 成分のパラフィンが、平均分子量 300 〜 800 のパラフィンである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C) 成分の C 10 以上の脂肪酸誘導体が、 C 10 以上の脂肪酸と C 10 以上の1価以上の脂肪族及び/又は芳香族アルコールとのエステル、 C 10 以上の脂肪酸と1級以上のアミンとのアミドである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C) 成分の C 10 以上の脂肪族アルコール誘導体が、 C 10 以上の脂肪族アルコールと、 C 10 以上の1価以上の脂肪族カルボン酸及び/又は芳香族カルボン酸とのエステルである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C) 成分の置換ジフェニルエーテルが、フェニルに炭素数 12 以上のアルキル基、エステル基及びアシル基から選ばれた少なくとも1種が導入されている化合物である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 請求項1〜7の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物を成形して成るポリアセタール摺動部材。
- 摺動部材が、歯車、軸受け、スライダー、ローラー、プーリー、レバー及びカムより成る群から選ばれたものである、請求項8記載のポリアセタール摺動部材。
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