JP3720464B2 - 光学素子及びそれを用いた観察系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学素子及びそれを用いた観察系に関し、特に光学素子を例えばプリズム素子等の複数の平面又は曲面より成る反射面及び屈折面より構成し、該光学素子を用いて表示手段に表示した画像情報を観察する観察系の一部に用いるときに該光学素子の一部に設けた位置決め部、例えば突出部(鍔)を利用することにより、該光学素子と他の光学部材とを適切に保持し、又は所定の筐体内に精度良く保持する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリズム素子は入射光束を反射させたり集光させたりして所定方向に導光する為の光学素子の1つとして望遠鏡や観察系、そして撮影系等の各種の光学機器に用いられている。
【0003】
一般にプリズム素子を用いた光学機器として良好なる光学性能を得るにはプリズム素子を筐体内や他の光学素子等に精度良く取り付ける必要がある。
【0004】
プリズムの取り付け方法としては従来より、例えば実公昭61−31290号公報では直角プリズムをプリズムシートに板バネを用いて押圧して筐体内に取り付けている。又複数の光学素子より成る組み合わせ光学素子である複数のプリズムより成る組み合わせプリズムは、例えば双眼鏡等に正立正像用のダハ式プリズムとして用いているが、このような組み合わせプリズムは、まずプリズムホルダーに収納して、その後板バネ等で押圧して筐体内に取り付けている。
【0005】
又2つのプリズムを対向して筐体内に収納するときは0.005〜0.01mm程度に隙間をあけて対向配置し、該対向する面で形成される空隙間に透明な接着剤を充填して双方を固定して取り付けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光学素子や組み合わせ光学素子としてのプリズム素子や組み合わせプリズム等を筐体内に保持する際に位置決めを行う為のプリズムシートや取り付ける為の板バネを用いる方法は、プリズムに押圧力が掛かり、光入射面や反射面等が光学的に歪んでくるという問題点があった。
【0007】
この他、プリズム素子として入射光束を単に所定方向に偏向させるだけではなく、プリズム素子を構成する面を球面や非球面等で形成して、集光作用や結像作用を持たせたものが知られている。このようなプリズム素子では、該プリズム素子を筐体内や他の光学部材と精度良く位置決めして安定して取り付けることが重要になってくる。
【0008】
しかしながら、このような集光作用や結像作用を有したプリズム素子の精度良い位置決め方法は知られていなかった。
【0009】
本発明は、集光作用や結像作用を有した光学素子を画像情報を観察する為の観察系の一部として用いる際に該光学素子の一部に適切に設けた位置決め部を利用することにより他の光学部材や観察系の筐体内に精度良く位置決めすることができ、良好なる光学性能が容易に得られる光学素子及びそれを用いた観察系の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の光学素子は、光入射用の第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させるようにした3つの面と、対向する2つの側面T1,T2とを有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該2つの側面T1,T2には第1位置決め部が設けられている第1光学素子、光入射用の第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面と、対向する2つの側面Y1,Y2とを有し、該2つの側面Y1,Y2には第2位置決め部が設けられている第2光学素子の2つの光学素子を有し、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされていることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明の観察系は、表示手段に表示された画像情報を第1光学素子と第2光学素子とを有する組み合わせ光学素子を介して観察する観察系において、該第1光学素子は該表示手段に表示された画像情報からの光を入射させる第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させて観察者側に導光するようにした3つの面と、対向する2つの側面T1,T2とを有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該2つの側面T1,T2には第1位置決め部が設けられており、該第2光学素子は外界からの光が入射する第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面と、対向する2つの側面Y1,Y2とを有し、該2つの側面Y1,Y2には第2位置決め部が設けられており、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされており、外界からの光は該第2光学素子の第4面と第5面を通過した後に第1光学素子の第3面と第2面を順に通過して観察者側に導光するようにしたことを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴としている。
【0019】
請求項5の発明の光学素子は、光入射用の第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させるようにした3つの面を有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該第3面上の光学性能への影響が少ない箇所に第1位置決め部が設けられている第1光学素子、光入射用の第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面を有し、該第5面上の光学性能への影響が少ない箇所に第2位置決め部が設けられている第2光学素子の2つの光学素子を有し、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされていることを特徴としている。
【0020】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴としている。
【0021】
請求項7の発明の観察系は、表示手段に表示された画像情報を第1光学素子と第2光学素子とを有する組み合わせ光学素子を介して観察する観察系において、該第1光学素子は該表示手段に表示された画像情報からの光を入射させる第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させて観察者側に導光するようにした3つの面を有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該第3面上の光学性能への影響が少ない箇所に第1位置決め部が設けられており、該第2光学素子は外界からの光が入射する第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面を有し、該第5面上の光学性能への影響が少ない箇所に第2位置決め部が設けられており、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされており、外界からの光は該第2光学素子の第4面と第5面を通過した後に第1光学素子の第3面と第2面を順に通過して観察者側に導光するようにしたことを特徴としている。
【0022】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴としている。
【0023】
請求項9の発明のプリズムは、平面又は曲面より成る光入射用の第1面、該第1面からの光束を全反射させる平面又は曲面より成る第2面、該第2面からの光束の少なくとも一部を該第2面側に反射させる平面又は曲面より成る第3面、該第1,第2,第3面以外の光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面T1,T2、そして該側面T1,T2に光学的位置決め用の突出した第1鍔とを有している第1プリズムと該第1プリズムの第3面と略同形状の光透過面、平面又は曲面より成る光入射面、光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面Y1,Y2、そして該側面Y1,Y2に光学的位置決め用の突出した第2鍔とを有した第2プリズムの2つのプリズムを該第1プリズムの第3面と第2プリズムの光透過面とを近接対向配置し、該第1鍔と該第2鍔とを用いて位置決めし、組み合わせたことを特徴としている。
【0024】
請求項10の発明の観察系は、平面又は曲面より成る光入射用の第1面、該第1面からの光束を全反射させる平面又は曲面より成る第2面、該第2面からの光束の少なくとも一部を該第2面側に反射させる平面又は曲面より成る第3面、該第1,第2,第3面以外の光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面T1,T2、そして該側面T1,T2に光学的位置決め用の突出した第1鍔とを有している第1プリズムと該第1プリズムの第3面と略同形状の光透過面、平面又は曲面より成る光入射面、光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面Y1,Y2、そして該側面Y1,Y2に光学的位置決め用の突出した第2鍔とを有した第2プリズムの2つのプリズムを該第1プリズムの第3面と第2プリズムの光透過面とを近接対向配置し、該第1鍔と該第2鍔とを用いて位置決めし、組み合わせた組み合わせプリズムの該第1面近傍に表示手段を設け、該表示手段で表示した画像情報に基づく光束を該第1面より入射させ、該第2面で全反射させ、該第3面で反射させて該第2面より射出させて観察者側に導光し、該画像情報を観察することを特徴としている。
【0025】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記第3面を半透過面より構成し、前記光入射面と光透過面、そして該第3面を介して外景と前記画像情報とを空間的に重畳して同一視野で観察していることを特徴としている。
【0048】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光学素子の実施形態1の要部斜視図、図2は図1の光学素子を用いたときの観察系の実施形態1の要部概略図である。
【0049】
図中、1は光学素子でありプリズム素子より成っており、プラスチック成形により製造している。プリズム素子1は平面又は球面若しくは非球面等の曲面より成る光入射面としての上面(第1面)1e,球面又はトーリック面より成る一部に全反射を利用した反射及び屈折面として作用する前面(第2面)1f,半透過又は鏡面反射のアジマス角度によって曲率の異なる回転非対称な非球面等、即ち1つの対称面に対してのみ面対称な面形状より成る後面(第3面)1gの全体として光学的作用をする3つの面1f,1g,1eと光学的作用(反射及び屈折作用)をしない2つの面1h,1i(側面T1,T2)を有している。
【0050】
本実施形態において前面1fと後面1gは中心軸(眼球3aの中心軸)Laに対して偏心しているために偏心収差が発生する為に前面1f又は後面1gを回転非対称な非球面として該偏心収差を補正している。1a(1a1,1a2)はプリズム素子1の面1h,1iに突出して設けた位置決め部であり、例えば鍔(突出部)から成っている。
【0051】
本実施形態のプリズム素子1は基準面となる平面が少ない為に面1h,1iに設けた突出部1aを利用して他の部材に対する位置決めを行い、観察系の筐体内の所定位置に配置するようにしている。1bはゲートであり、突出部1aの側面に設けている。1cは突出部1aのイジェクターピン跡、1dは突出部1aに設けた位置決め用の穴部である。
【0052】
本実施形態ではプリズム素子1を筐体内の他部材へ固定する場合に突出部1aに設けた位置決め穴部1dを用いることにより、光学的作用面(1e,1f,1g)に歪等の悪影響を与えずに高精度に位置決めし、保持している。
【0053】
又本実施形態ではプリズム素子1をプラスチック射出成形で製造する際に突出部1aにゲート1bを設けており、これによってプラスチック材料が均一に型内に充填できるようにしている。
【0054】
又、突出部1aをイジェクターピンで突き出すことによって成形品を離型させ、これによって光学的作用面(1e,1f,1g)に歪等の悪影響を与えないようにしている。
【0055】
尚本実施形態において位置決め部としての突出部1aは突出させなくても他部材の突出部と嵌挿して固定するような形成より構成しても良い。これは以下の各実施形態においても同様である。
【0056】
次に本実施形態のプリズム素子1を図2に示すような観察系の一部に利用した構成について説明する。尚、図2ではプリズム素子1に設けた突出部1aは省略している。図中、3は観察者、2は表示手段であり、例えば液晶表示素子等から成り、可視域の映像情報(画像情報)を表示している。表示手段2は、例えばCD−ROMやビデオカメラ等の映像情報供給手段(不図示)からの信号に基づいて映像情報を表示している。
【0057】
本実施形態では表示手段2で表示された映像情報に基づく光束(可視光束)をプリズム素子2にその入射面1eより導入している。そしてプリズム素子1の前面1fで全反射させた後に後面1gで反射集光して前面1fを通過させて観察者3の眼球(アイポイント)3aに導光している。このとき前面1fと後面1gの曲率(形状)を適切に設定することにより、表示手段2に表示した映像情報を途中結像させることなく、即ち1次結像面を設けずに該映像情報の虚像を観察者3の前方に表示している。
【0058】
このように本実施形態ではプリズム素子1を観察系の一部に用い、該観察系を例えば虚像タイプより構成し、これにより観察者3は該映像情報の虚像を観察するようにしている。尚、本実施形態において後面1gを半透過面とし、外景の画像情報と表示手段2の映像情報の虚像とを空間的に重畳して、所謂シースルーとして双方を同一視野で同一視度として観察するようにしても良い。
【0059】
図3は本発明の図1に示す形状の光学素子(第1光学素子)10と他の光学素子(第2光学素子)11とを組み合わせた組み合わせ光学素子の実施形態1の要部斜視図、図4は図3の組み合わせ光学素子を用いたときの観察系の実施形態2の要部概略図である。
【0060】
図3,図4に示した第1光学素子(第1プリズム素子)10の上面10e,前面10f,後面10gは各々図1,図2の上面1e,前面1f,後面1gに相当している。第2光学素子(第2プリズム素子)11は第1プリズム素子10の後面10gと略同形状の光透過面11f、回転非対称な非球面又は回転非球面より成る透明な光入射面11g,光学的作用を行わない対向した側面11h,11iより成っている。
【0061】
図3において10a(10a1,10a2)は第1プリズム素子10の側面(光学的作用をしない面)11h,11iに設けた第1位置決め部としての第1突出部(第1鍔)であり、11a(11a1,11a2)は第2プリズム素子11の側面11h,11iに設けた第2位置決め部としての第2突出部(第2鍔)である。第1突出部10aと第2突出部11aとを用いて2つのプリズム素子10,11の位置合わせを行い、双方を固定している。尚第1プリズム素子10の後面10gと第2プリズム素子11の曲面11fとは0.005〜0.5mm程度の空隙を有して固定している。
【0062】
又この空隙には第1,第2プリズム素子と略同じ屈折率の接着剤を充填している。接着剤を充填すれば面11fを面10gに完全に一致させなくても適当な面であっても良くなるという効果がある。尚第1プリズム素子10と第2プリズム素子11との中心軸回転方向の位置決めは第1突出部10aと第2突出部11aの合わさる部分に設けた穴部とピン(不図示)により行っている。
【0063】
図4に示した本実施形態の観察系は表示手段12に表示した画像情報を第1プリズム素子10を介して観察者の眼球(アイポイント)3aに導光すると共に外界の景色等の画像情報Gを第2プリズム素子11,第1プリズム素子10を介してアイポイント3aに導光している。観察者は2つの画像情報を空間的に重畳(スーパーインポーズ)させて同一視野で観察する眼鏡型の観察系に好適なものである。
【0064】
次に図4の観察系について説明する。尚、図4では第1,第2プリズム素子11に設けた突出部10a,11aは省略している。図4の観察系において表示手段12に表示した画像情報に基づく光束は図2の観察系と同様に第1プリズム素子10の上面10eより入射し、前面10fの一部で全反射してハーフミラー面を形成した後面10gで反射し、前面10fより射出している。
【0065】
本実施形態では該表示手段12に表示した画像情報をアイポイント13aで観察する光路は図2の実施形態と同じである。
【0066】
外界の景色等の画像情報Gからの光束は、第2プリズム素子11の面11gより入射し、曲面11f,10g、そして前面10fを介してアイポイント13aに入射する。これにより表示手段12に表示した画像情報と外界とを空間的に重畳して同一視野で観察している。
【0067】
本実施形態の観察系では、外界からの光束が第1プリズム素子10の後面10g及び前面10fを介したことによって生ずるプリズム作用や各収差、そして屈折力を第2プリズム素子11自身、特に収差、屈折力に関しては面11gで補正し、これによって等倍の所謂シースルー観察系を構成している。
【0068】
図5は本発明の組み合わせ光学素子の実施形態2の要部斜視図である。図5の実施形態2では図3の実施形態に比べて第1プリズム素子20の第1突出部20aと第2プリズム素子21の第2突出部21aとの間にスペーサー22を挟んで第1突出部20aと第2突出部21aとを固定することにより第1プリズム素子20と第2プリズム素子21を組み合わせて構成している点が異なっており、その他の構成は同じである。
【0069】
図6は本発明の光学素子の実施形態2の要部斜視図、図7は図6の光学素子を用いた観察系の実施形態3の要部概略図である。本実施形態の光学素子(プリズム素子)30を構成する光学作用面(上面30e,前面30f,後面30g)の機能は図1に示した実施形態1と同様なので説明を省略する。
【0070】
本実施形態では後面30gの光学的作用を行う有効部30k以外の部分(光学性能への影響がない箇所)に位置決め部としての突起30jを設けたことが実施形態1と異なっている。この突起30jを利用して光学素子(プリズム素子)30と他の部材との位置決めを行っている。突起30jはプリズム素子30をプラスチック射出成形で製造する際のゲートを利用してもよい。これは後に示す実施形態でも同様である。
【0071】
次に本実施形態のプリズム素子30を図7に示すような観察系の一部に利用した構成について説明する。本実施形態において表示手段2に表示した画像情報をアイポイント3aで観察する光路は図2の実施形態1と同じである。
【0072】
本実施形態で特徴的な構成はプリズム素子30と表示手段2等を収納する筐体34の内側の位置決め穴34aにプリズム素子30の突起30jが嵌入していてプリズム素子30の位置決めを行っている点である。この時弾性部材35によってプリズム素子30は変形しない程度の力で位置決め穴34aの方向に付勢されている。
【0073】
尚本実施形態において位置決め穴34aと突起30jの関係を逆に構成し、プリズム素子30側に位置決め穴を設けても良い。
【0074】
図8は本発明の組み合わせ光学素子の実施形態3の要部概略図であり、第1光学素子(第1プリズム素子)40と第2光学素子(第2プリズム素子)41とを有している。図9は図8の組み合わせ光学素子を用いた本発明の観察系の実施形態4の要部概略図である。
【0075】
図8,図9において略同形状の第1プリズム素子40の後面40gと第2プリズム素子41の曲面41fとは第1位置決め部としての突起40jと第2位置決め部としての穴41jで結合し、相互の位置決めを行っている。後面40gと曲面41fとは0.005〜0.5mm程度の空隙を有して配置している。
【0076】
又この空隙には第1,第2プリズム素子と略同じ屈折率の接着剤を充填している。接着剤を充填すれば面41fの形状を面40gに完全に一致させず適当な面であってもよいという効果がある。
【0077】
本実施形態の観察系は図4に示した実施形態2と同様に表示手段2と外界Gからの2種の画像情報を空間的に重畳(スーパーインポーズ)させて同一視野で観察する眼鏡型の観察系に好適なものである。
【0078】
図10は図8に示した第1プリズム素子40の要部斜視図である。図11は図8の第1プリズム素子40と第2プリズム素子41の位置決め部のみの断面図である。
【0079】
本実施形態において位置決め用の突起40jは2段構造をしているため、径小部が第2プリズム素子41の位置決め穴41jに嵌入して位置決めをするとともに径大部が第2プリズム素子41の曲面41fに当接して、後面40gと曲面41fの間に所定の空隙を設けることができる。
【0080】
図12は本発明の組み合わせ光学素子の実施形態4の一部分の正面図である。図12は、図10に示したプリズム素子40と同形状をしたプリズム素子50の後面50g側からの正面図を示している。
【0081】
本実施形態はプリズム素子50と熱膨張率の異なる他部材との間で位置決めを行う場合の一例である。
【0082】
本実施形態ではプリズム素子50に1ヶ所の穴51aと2ヶ所の長穴51bを設けている。このような構成によりプリズム素子50と他部材とを突起50jと穴51aとで位置決めするとともに双方が熱変形を起こした場合には、長穴51bの長手方向に自由度があるため、熱変形の影響を吸収することができるようにしている。尚、他部材の方に突起を設け、プリズム素子50の方に位置決め用の穴及び長穴を設けてもよい。
【0083】
尚本発明では以上の各実施形態においてプリズム素子(1,10,20,30,40,50)は後面のみを回転非対称な非球面としたが、後面以外の面、あるいは複数の面を回転非対称な非球面としても良く、特に全ての面を回転非対称な非球面形状としても良く、これによれば、より良好に諸収差を補正することができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように、集光作用や結像作用を有した光学素子を画像情報を観察する為の観察系の一部として用いる際に該光学素子の一部に適切に設けた位置決め部を利用することにより他の光学部材や観察系の筐体内に精度良く位置決めすることができ、良好なる光学性能が容易に得られる光学素子及びそれを用いた観察系を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の実施形態1の要部斜視図
【図2】図1の光学素子を用いた本発明の観察系の実施形態1の要部概略図
【図3】本発明の組み合わせ光学素子の実施形態1の要部斜視図
【図4】図3の組み合わせ光学素子を用いた本発明の観察系の実施形態2の要部概略図
【図5】本発明の組み合わせ光学素子の実施形態2の要部斜視図
【図6】本発明の光学素子の実施形態2の要部斜視図
【図7】図6の光学素子を用いた本発明の観察系の実施形態3の要部概略図
【図8】本発明の組み合わせ光学素子の実施形態3の要部斜視図
【図9】図8の組み合わせ光学素子を用いた本発明の観察系の実施形態4の要部概略図
【図10】図8の第1光学素子の要部平面図
【図11】図8の一部分の拡大断面図
【図12】本発明の組み合わせ光学素子の実施形態4の一部分の要部概略図
【符号の説明】
1,30 光学素子
1e 第1面
1f 第2面
1g 第3面
1h,1i 側面
1a,30j,50j 位置決め部
10a,20a,40j 第1位置決め部
11a,21a,41j 第2位置決め部
1b ゲート
1c イジェクターピン
1d 突部
2,12 表示手段
10,20,40,50 第1光学素子
11,21,41 第2光学素子
3 観察者
22 スペーサー
11g 第4面
11f 第5面
35 弾性部材
Claims (11)
- 光入射用の第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させるようにした3つの面と、対向する2つの側面T1,T2とを有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該2つの側面T1,T2には第1位置決め部が設けられている第1光学素子、光入射用の第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面と、対向する2つの側面Y1,Y2とを有し、該2つの側面Y1,Y2には第2位置決め部が設けられている第2光学素子の2つの光学素子を有し、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされていることを特徴とする組み合わせ光学素子。
- 前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴とする請求項1の組み合わせ光学素子。
- 表示手段に表示された画像情報を第1光学素子と第2光学素子とを有する組み合わせ光学素子を介して観察する観察系において、該第1光学素子は該表示手段に表示された画像情報からの光を入射させる第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させて観察者側に導光するようにした3つの面と、対向する2つの側面T1,T2とを有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該2つの側面T1,T2には第1位置決め部が設けられており、該第2光学素子は外界からの光が入射する第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面と、対向する2つの側面Y1,Y2とを有し、該2つの側面Y1,Y2には第2位置決め部が設けられており、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされており、外界からの光は該第2光学素子の第4面と第5面を通過した後に第1光学素子の第3面と第2面を順に通過して観察者側に導光するようにしたことを特徴とする観察系。
- 前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴とする請求項3の観察系。
- 光入射用の第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させるようにした3つの面を有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該第3面上の光学性能への影響が少ない箇所に第1位置決め部が設けられている第1光学素子、光入射用の第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面を有し、該第5面上の光学性能への影響が少ない箇所に第2位置決め部が設けられている第2光学素子の2つの光学素子を有し、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされていることを特徴とする組み合わせ光学素子。
- 前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴とする請求項5の組み合わせ光学素子。
- 表示手段に表示された画像情報を第1光学素子と第2光学素子とを有する組み合わせ光学素子を介して観察する観察系において、該第1光学素子は該表示手段に表示された画像情報からの光を入射させる第1面、該第1面からの光を全反射させる第2面、該第2面で全反射した光の一部を該第2面側に反射させる第3面、該第3面からの光を該第2面より射出させて観察者側に導光するようにした3つの面を有し、該3つの面のうち少なくとも1つは曲面より成り、該第3面上の光学性能への影響が少ない箇所に第1位置決め部が設けられており、該第2光学素子は外界からの光が入射する第4面、該第4面からの光を通過させるとともに該第3面と略同一形状の第5面の2つの面を有し、該第5面上の光学性能への影響が少ない箇所に第2位置決め部が設けられており、該第1光学素子の第3面と該第2光学素子の第5面は対向配置されており、該第1光学素子と該第2光学素子は該第1位置決め部と該第2位置決め部によって位置決めされており、外界からの光は該第2光学素子の第4面と第5面を通過した後に第1光学素子の第3面と第2面を順に通過して観察者側に導光するようにしたことを特徴とする観察系。
- 前記曲面は、1つの対称面に対してのみ面対称な形状であることを特徴とする請求項7の観察系。
- 平面又は曲面より成る光入射用の第1面、該第1面からの光束を全反射させる平面又は曲面より成る第2面、該第2面からの光束の少なくとも一部を該第2面側に反射させる平面又は曲面より成る第3面、該第1,第2,第3面以外の光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面T1,T2、そして該側面T1,T2に光学的位置決め用の突出した第1鍔とを有している第1プリズムと該第1プリズムの第3面と略同形状の光透過面、平面又は曲面より成る光入射面、光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面Y1,Y2、そして該側面Y1,Y2に光学的位置決め用の突出した第2鍔とを有した第2プリズムの2つのプリズムを該第1プリズムの第3面と第2プリズムの光透過面とを近接対向配置し、該第1鍔と該第2鍔とを用いて位置決めし、組み合わせたことを特徴とする組み合わせプリズム。
- 平面又は曲面より成る光入射用の第1面、該第1面からの光束を全反射させる平面又は曲面より成る第2面、該第2面からの光束の少なくとも一部を該第2面側に反射させる平面又は曲面より成る第3面、該第1,第2,第3面以外の光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面T1,T2、そして該側面T1,T2に光学的位置決め用の突出した第1鍔とを有している第1プリズムと該第1プリズムの第3面と略同形状の光透過面、平面又は曲面より成る光入射面、光学的作用を行わない互いに対向した2つの側面Y1,Y2、そして該側面Y1,Y2に光学的位置決め用の突出した第2鍔とを有した第2プリズムの2つのプリズムを該第1プリズムの第3面と第2プリズムの光透過面とを近接対向配置し、該第1鍔と該第2鍔とを用いて位置決めし、組み合わせた組み合わせプリズムの該第1面近傍に表示手段を設け、該表示手段で表示した画像情報に基づく光束を該第1面より入射させ、該第2面で全反射させ、該第3面で反射させて該第2面より射出させて観察者側に導光し、該画像情報を観察することを特徴とする観察系。
- 前記第3面を半透過面より構成し、前記光入射面と光透過面、そして該第3面を介して外景と前記画像情報とを空間的に重畳して同一視野で観察していることを特徴とする請求項10の観察系。
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