[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明に係る光学ユニット及び虚像表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、画像表示装置300の装着状態を説明する図である。画像表示装置300は、頭部装着型の虚像表示装置すなわちヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する。)301であり、これを装着する観察者又は装着者USに虚像としての映像を認識させる。図1等において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、+X方向は、HMD301を装着した観察者又は装着者USの両眼EYの並ぶ横方向に対応し、+Y方向は、装着者USにとっての両眼EYの並ぶ横方向に直交する上方向に相当し、+Z方向は、装着者USにとっての前方向又は正面方向に相当する。±Y方向は、鉛直軸又は鉛直方向に平行になっている。
画像表示装置300は、装着者USの眼前を覆うように配置される本体装置300aと、本体装置300aを支持するテンプル状の一対の支持装置300bとを備える。装置本体300aは、機能的に見た場合、左眼用の第1表示装置100aと、右眼用の第2表示装置100bとを含む。第1表示装置100aは、上部に配置される第1表示駆動部102aと、メガネレンズ状で眼前を覆う第1コンバイナー103aとで構成される。第2表示装置100bも同様に、上部に配置される第2表示駆動部102bと、メガネレンズ状で眼前を覆う第2コンバイナー103bとで構成される。
図2を参照して、画像表示装置300の本体装置300aの構造等について説明する。図2中で、領域AR1は、本体装置300aの外観斜視図であり、領域AR2は、本体装置300aの内部を露出させた斜視図である。
本体装置300aのうち、+Y側すなわち上側に配置される一対の表示駆動部102a,102bは、連結されて一体化されており、横方向に細長くしたドーム状の上外装部材107aと、平坦な板状の下外装部材107bとによって覆われている。第1コンバイナー103a及び第2コンバイナー103bは、前方すなわち+Z方向に突起した半球の上部をカットしたような形状を有し、下外装部材107bから下方に突き出すように配置されている。
左眼用の第1表示装置100aは、第1映像素子41aと、第1光学系20aと、第1フレーム61aと、第1コンバイナー103aとを備える。第1光学系20aや第1コンバイナー103aは、第1フレーム61aに固定され、第1映像素子41aは、第1光学系20aに固定されている。右眼用の第2表示装置100bは、第2映像素子41bと、第2光学系20bと、第2フレーム61bと、第2コンバイナー103bとを備える。右眼用の第2表示装置100bは、左眼用の第1表示装置100aと同一の構造及び機能を有する。つまり、第2映像素子41bは、第1映像素子41aと同様のものであり、第2光学系20bは、第1光学系20aと同様のものであり、第2コンバイナー103bは、第1コンバイナー103aと同様のものである。
第1表示装置100aと第2表示装置100bとは、内部において固定部材78を介して連結され固定されている。つまり、固定部材78は、一対の表示装置100a,100bに組み込まれた一対のフレーム61a,61bを中央で支持し、第1表示装置100aと第2表示装置100bとが相対的に位置決めされた状態を維持している。一方の第1フレーム61aは、半円板状の金属部材であり、第2フレーム61b寄りの内側端部において、金属製で棒状の固定部材78の一端に接続されている。他方の第2フレーム61bは、半円板状の金属部材であり、第1フレーム61a寄りの内側端部において、棒状の固定部材78の他端に接続されている。一対のフレーム61a,61bは、下外装部材107bに形成され同様の輪郭を有する一対の開口を塞ぐように配置されている。
固定部材78の上方であって左右の表示装置100a,100bの間には、矩形板状の回路基板91が配置されている。回路基板91は、第1映像素子41a及び第2映像素子41bの表示動作を制御する制御装置92を含む。制御装置92は、左右の映像素子41a,41bに対して表示画像に対応する駆動信号を出力し左右の映像素子41a,41bの表示動作を制御する。制御装置92は、表示画像にティストーションのような補正処理を行うことができる。制御装置92は、例えばIF回路、信号処理回路等を備え、外部から受け取った画像データ又は画像信号に応じて、左右の映像素子41a,41bに2次元的な画像表示を行わせる。制御装置92は、図示を省略するが、不図示の外部装置との間で通信するインターフェース機能や、第1表示装置100aの動作と第2表示装置100bの動作とを連携させる統合機能を有するメイン基板を含む。
図3及び4は、第1表示装置100aを構成する光学ユニット100を示している。図3中で、領域BR1は、光学ユニット100の平面図であり、領域BR2は、光学ユニット100の側面図である。図4中で、領域CR1は、光学ユニット100の正面図であり、領域CR2は、光学ユニット100の側面図である。光学ユニット100は、結像光学系であり、第1光学系20aと、第1フレーム61aと、第1コンバイナー103aとを備え、光学モジュールとも呼ぶ。光学ユニット100に第1映像素子41aを組付けることにより、第1表示装置100aとなる。光学ユニット100は、第1映像素子41aから入射した映像光を虚像として結像する。
光学ユニット100において、第1光学系20aは、板状の第1フレーム61aの上面に接着等によって固定され、第1コンバイナー103aは、その上端で第1フレーム61aの周囲のうち前半分に接着等によって固定されている。第1光学系20aは、光学要素を支持するバレル31を含む。バレル31は、プリズムミラー22と第1コンバイナー103a等との間に配置される支持部材であり、+Y側の上部においてプリズムミラー22を支持し、下部において楔型光学素子23を介して第1フレーム61aに固定されている。プリズムミラー22は、前方すなわち+Z側において投射レンズ21を支持し、投射レンズ21は、プリズムミラー22の反対側の端部において第1ホルダー72aを介して第1映像素子41aを支持している。
投射レンズ21は、第1レンズ21p及び第2レンズ21qを含む。第1レンズ21pには、突起状の部分である第1測定基準部材11が形成され、第2レンズ21qには、突起状の部分である第2測定基準部材12が形成され、プリズムミラー22には、突起状の部分である第3測定基準部材13が形成されている。また、楔型光学素子23には、突起状の部分である第4測定基準部材14が形成され、第1コンバイナー103aであるシースルーミラー25には、突起状の部分である第5測定基準部材15が形成されている。第1測定基準部材11、第2測定基準部材12、第3測定基準部材13、第4測定基準部材14、及び第5測定基準部材15は、形状的な特徴によって基準を与える意味で或いは相互の配置関係について方向が統一され(図3、図4の矢印参照)、上方すなわち+Y側から外観として一括して観察可能になっており、後方すなわち-Z側からも外観として一括して観察可能になっている。つまり、これらの測定基準部材11~15は、一括した計測によって相対的な配置関係を与えることができ、投射レンズ21、プリズムミラー22、楔型光学素子23、及び第1コンバイナー103aの配置関係を決定するために用いられる。第1レンズ21p、第2レンズ21q、プリズムミラー22、及び楔型光学素子23は、それぞれ、第1光学部材、第2光学部材、第3光学部材、及び第4光学部材に対応する。シースルーミラー25又は第1コンバイナー103aは、第5光学部材に対応する。これらの光学部材は、それぞれ、接続部を有している。第1光学部材及び第2光学部材は、接続部において直接固定され、第2光学部材及び第3光学部材は、接続部において直接固定され、第3光学部材及び第4光学部材は、接続部において直接固定され、第4光学部材及び第5光学部材は、接続部において直接固定されている。第1測定基準部材11、第2測定基準部材12、第3測定基準部材13、第4測定基準部材14、及び第5測定基準部材15は、それぞれの光学部材の接続部以外の非接続部に形成される。
図5は、第1表示装置100aの光学的構造を説明する側方断面図である。第1表示装置100aは、第1映像素子41aと光学ユニット100とを備える。光学ユニット100は、光学的な要素として、投射レンズ21と、プリズムミラー22と、楔型光学素子23と、シースルーミラー25とを備える。光学ユニット100のうち、投射レンズ21とプリズムミラー22と楔型光学素子23とは、図2に示す第1光学系20aに対応し、シースルーミラー25は、第1コンバイナー103aに対応する。光学ユニット100において、楔型光学素子23は、第1フレーム61aの光学開口OAに形成された段差に嵌め込むように配置されている。
第1映像素子41aは、自発光型の表示デバイスである。第1映像素子41aは、例えば有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)ディスプレイであり、2次元の表示面41dにカラーの静止画又は動画を形成する。第1映像素子41aは、有機ELディスプレイに限らず、マイクロLEDディスプレイ、又は無機EL、有機LED、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等を用いた表示デバイスに置き換えることができる。第1映像素子41aは、自発光型の画像光生成装置に限らず、LCDその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライトのような光源によって照明することによって画像を形成するものであってもよい。第1映像素子41aとして、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoSは登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
投射レンズ21は、第1レンズ21p及び第2レンズ21qを含む。第1レンズ21pは、入射面21aと出射面21bとを有し、第2レンズ21qは、入射面21cと出射面21dとを有する。投射レンズ21は、第1映像素子41aから出射された映像光MLを受けて、プリズムミラー22に入射させる。投射レンズ21は、第1映像素子41aから出射された映像光MLを平行光束に近い状態に集光する。プリズムミラー22は、入射面22aと、内反射面22bと、出射面22cとを有する。プリズムミラー22は、前方から入射する映像光MLを、入射方向を反転させた方向(プリズムミラー22から見た光源の方向)に対して下側に傾斜した方向に折り返すように出射する。楔型光学素子23は、入射面23aと出射面23bとを有し、プリズムミラー22から出射されシースルーミラー25に向かう映像光MLを通過させる。シースルーミラー25は、反射面25aと外側面25oとを有する。シースルーミラー25は、プリズムミラー22の光出射側に形成された中間像を拡大する。
光学ユニット100は、シースルーミラー25が凹面鏡であること等に起因して、軸外し光学系OSとなっている。本実施形態の場合、光学部材、具体的には投射レンズ21、プリズムミラー22、楔型光学素子23、及びシースルーミラー25は、非軸対称に配置され、非軸対称な光学面を有する。この光学ユニット100つまり軸外し光学系OSでは、紙面に対応する軸外し面(YZ面に平行な面)に沿って光軸AXが延びるように光軸AXの折り曲げが行われ、かかる軸外し面に沿って光学部材21,22,23,25が配列されている。光軸AXは、YZ面に平行な横断面で見た場合、反射面の前後で互いに傾斜する複数の光軸部分AX1,AX2,AX3によって、Z字状の配置となっている。つまり、YZ面に平行な軸外し面において、投射レンズ21から内反射面22bまでの光路P1と、内反射面22bからシースルーミラー25までの光路P2と、シースルーミラー25から瞳位置PPまでの光路P3とが、Z字状に2段階で折り返される配置となっている。基準面である軸外し面(YZ面に平行な面)は、縦のY方向に平行に延びる。この場合、第1表示装置100aを構成する光学部材21,22,23,25が縦方向に高さ位置を変えて配列される。
投射レンズ21を構成する第1レンズ21pの入射面21aと出射面21bとは、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。投射レンズ21を構成する第2レンズ21qの入射面21cと出射面21dとは、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。第1レンズ21p及び第2レンズ21qは、樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。第1レンズ21pの入射面21aと出射面21bとは、例えば自由曲面である。入射面21aと出射面21bとは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。第2レンズ21qの入射面21cと出射面21dとは、例えば自由曲面である。入射面21cと出射面21dとは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。詳細な図示は省略するが、入射面21a,21c及び出射面21b,21d上には、反射防止膜が形成されている。
プリズムミラー22は、ミラーとレンズとを複合させた機能を有する屈折反射光学部材であり、投射レンズ21からの映像光MLを屈折させつつ反射する。プリズムミラー22は、映像光MLを入射面22aを介して内部に入射させ、入射した映像光MLを内反射面22bによって非正面方向に全反射させ、入射した映像光MLを出射面22cを介して外部に出射させる。プリズムミラー22を構成する光学面である入射面22aと内反射面22bと出射面22cとは、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。プリズムミラー22は、樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。プリズムミラー22の本体の屈折率は、映像光MLの反射角も参酌して内面での全反射が達成されるような値に設定される。プリズムミラー22の光学面、つまり入射面22aと内反射面22bと出射面22cとは、例えば自由曲面である。入射面22aと内反射面22bと出射面22cとは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。内反射面22bについては、全反射によって映像光MLを反射するものに限らず、金属膜又は誘電体多層膜からなる反射面とすることもできる。この場合、内反射面22b上に、例えばAl、Agのような金属で形成された単層膜又は多層膜からなる反射膜を蒸着等によって成膜し、或いは金属で形成されたシート状の反射膜を貼り付ける。詳細な図示は省略するが、入射面22a及び出射面22c上には、反射防止膜が形成されている。
楔型光学素子23は、プリズムミラー22とシースルーミラー25との間に配置され、結像状態を改善する役割を有する。楔型光学素子23の入射面23aと出射面23bとは、YZ面に平行な縦方向に関して光軸AXを挟んで非対称性を有し、YZ面に垂直なX方向すなわち横方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。楔型光学素子23は、樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。楔型光学素子23の入射面23aと出射面23bとは、例えば自由曲面である。入射面23aと出射面23bとは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。詳細な図示は省略するが、入射面23a及び出射面23b上には、反射防止膜が形成されている。楔型光学素子23は、前側である+Z側で厚みが増している。これにより、プリズムミラー22等に起因する歪曲収差の発生を抑制することができる。楔型光学素子23の屈折率は、プリズムミラー22の屈折率と異なる。これにより、楔型光学素子23とプリズムミラー22等との間で屈折や分散の程度を調整することができ、例えば色消しの達成が容易になる。
シースルーミラー25は、凹面ミラーとして機能する湾曲した板状の光学部材であり、プリズムミラー22からの映像光MLを反射する。つまり、シースルーミラー25は、第1光学系20aからの映像光MLを瞳位置PPに向けて反射する。シースルーミラー25は、眼EY又は瞳孔が配置される瞳位置PPを覆うとともに瞳位置PPに向かって凹形状を有し、外界に向かって凸形状を有する。シースルーミラー25は、視界のうち画面の有効領域の全体をカバーする。シースルーミラー25は、収束機能を有するコリメーターであり、表示面41dの各点から出射された映像光MLの主光線であって、第1光学系20aの出射領域の近傍で結像によって一旦広がった映像光MLの主光線を瞳位置PPに向けて反射し瞳位置PPに収束させる。シースルーミラー25は、板状体25bの表面又は裏面上に透過性を有するミラー膜25cを形成した構造を有するミラー板である。シースルーミラー25や反射面25aは、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。シースルーミラー25の反射面25aは、例えば自由曲面である。反射面25aは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。
シースルーミラー25は、反射に際して一部の光を透過させる透過型の反射素子であり、シースルーミラー25のミラー膜25cは、半透過性を有する反射層によって形成されている。これにより、外界光OLがシースルーミラー25を通過するので、外界のシースルー視が可能になり、外界像に虚像を重ねることができる。この際、ミラー膜25cを支持する板状体25bが数mm程度以下に薄ければ、外界像の倍率変化を小さく抑えることができる。ミラー膜25cの映像光MLや外界光OLに対する反射率は、映像光MLの輝度確保や、シースルーによる外界像の観察を容易にする観点で、想定される映像光MLの入射角範囲において10%以上50%以下とする。シースルーミラー25の基材である板状体25bは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。板状体25bは、これを周囲から支持する支持板83と同一の材料で形成され、支持板83と同一の厚みを有する。ミラー膜25cは、例えば膜厚を調整した複数の誘電体層からなる誘電体多層膜で形成される。ミラー膜25cは、膜厚を調整したAl、Ag等の金属の単層膜又は多層膜であってもよい。ミラー膜25cは、積層によって形成できるが、シート状の反射膜を貼り付けることによっても形成できる。板状体25bの外側面25oには、反射防止膜が形成されている。
以上において、投射レンズ21を構成するレンズ21p,レンズ21q、プリズムミラー22、楔型光学素子23、及びシースルーミラー25を自由曲面又は非球面とすることにより、収差低減を図ることができ、特に自由曲面を用いた場合、偏芯系の光学性能を高めることが容易となるので、非共軸の軸外し光学系OSである光学ユニット100の収差を低減することが容易になる。
光路について説明すると、第1映像素子41aからの映像光MLは、投射レンズ21に入射して略コリメートされた状態で投射レンズ21から出射される。投射レンズ21を通過した映像光MLは、プリズムミラー22に入射して入射面22aを屈折されつつ通過し、内反射面22bによって100%に近い高い反射率で反射され、出射面22cで再度屈折される。プリズムミラー22からの映像光MLは、楔型光学素子23を介してシースルーミラー25に入射し、反射面25aによって50%程度以下の反射率で反射される。シースルーミラー25で反射された映像光MLは、装着者USの眼EY又は瞳孔が配置される瞳位置PPに入射する。瞳位置PPには、シースルーミラー25やその周囲の支持板83を通過した外界光OLも入射する。つまり、第1表示装置100aを装着した装着者USは、外界像に重ねて、映像光MLによる虚像を観察することができる。
図示を省略しているが、投射レンズ21、プリズムミラー22、楔型光学素子23、及びシースルーミラー25のうち、隣り合う要素間の適所には、遮光部材が配置されている。
以下、図3等に示す第1光学系20a又は光学ブロックOBを構成するプリズムミラー22、楔型光学素子23、投射レンズ21等の要素間の位置決め及び固定について説明する。
図6は、プリズムミラー22及び楔型光学素子23をバレル31を介して固定する方法を説明する図である。図6中で、領域DR1は、バレル31によって一体化された光学ブロック本体30の側面図であり、領域DR2は、光学ブロック本体30の平面図である。なお、光学ブロックOBのうち、プリズムミラー22及び楔型光学素子23をバレル31によって一体化したものを、光学ブロック本体30と呼ぶ。
プリズムミラー22は、バレル31に対して、嵌合及び片寄を用いて位置決めされた状態で固定される。具体的には、バレル31の上部31aに形成された一対の嵌合部31yの上面と制限板31zの内面とが、プリズムミラー22のフランジ部22fの下面等に当接し、プリズムミラー22を傾斜させた状態で嵌合部31y上に支持しつつ、嵌合部31yの内面間にフランジ部22fの段差側面22gを挟む。これにより、バレル31に対して、プリズムミラー22が3軸方向(X、Y、及びZ方向)の配置と3軸の回転姿勢とに関して位置決めされる。プリズムミラー22とバレル31との接合には、光硬化型の接着材や超音波融着法等を用いることができる。
プリズムミラー22のフランジ部22fには、四角柱状の第3測定基準部材13が形成されている。第3測定基準部材13は、プリズムミラー22の外側に設けられた枠FL3であるフランジ部22fのうち、内部構造である光学ブロックOBの外観として露出する側面領域において、フランジ部22fから側方に突起するように設けられている。第3測定基準部材13が形成されている箇所は、段差側面22gのうち当接面や後述する凹部22sのような接続部を除いた領域、つまり非接続部PNとなっている。
楔型光学素子23は、バレル31に対して、嵌合を用いて位置決めされた状態で固定される。具体的には、バレル31の下部31bの4辺に相当する嵌合部31xの内面及び下端面と、楔型光学素子23のフランジ部23fの段差側面23g及び段差上面23hとが嵌合する。これにより、バレル31に対して、楔型光学素子23が3軸方向の配置と3軸の回転姿勢とに関して位置決めされる。楔型光学素子23とバレル31との接合には、光硬化型の接着材や超音波融着法等を用いることができる。
楔型光学素子23のフランジ部23fには、三角柱状の第4測定基準部材14が形成されている。第4測定基準部材14は、楔型光学素子23の外側に設けられた枠FL4であるフランジ部23fのうち、光学ブロックOBの外観として露出する側面領域において、フランジ部23fから側方に突起するように設けられている。第4測定基準部材14が形成されている箇所は、段差側面23g及び段差上面23hのうち当接面のような接続部を除いた領域、つまり非接続部となっている。
図7を参照して、光学ブロック本体30に対する投射レンズ21の固定について説明する。図7中で、領域ER1は、投射レンズ21の固定前の光学ブロック本体30の斜視図である。図7中で、領域ER2は、投射レンズ21が固定された光学ブロック本体30及び投射レンズ21の斜視図である。
投射レンズ21は、光学ブロック本体30のプリズムミラー22に対して直接固定される。この際、投射レンズ21は、プリズムミラー22に対して、嵌合と片寄とを用いて位置決めされた状態で固定される。具体的には、投射レンズ21を構成する第2レンズ21qのフランジ部21fに形成された一対の爪21y(一方のみ図示)が、プリズムミラー22のフランジ部22fに形成された一対の凹部22sを挟むように一対の凹部22sに挿入される。これにより、第2レンズ21qの一対の爪21yがプリズムミラー22のフランジ部22fを把持する。この際、一対の爪21yが一対の凹部22sと嵌合し、かつ、双方に設けた基準面同士を突き当てる片寄が行われる。これにより、プリズムミラー22に対して、第2レンズ21qすなわち投射レンズ21が3軸方向の配置と3軸の回転姿勢とに関して位置決めされる。第2レンズ21qとプリズムミラー22の接合には、光硬化型の接着材や超音波融着法等を用いることができる。
第2レンズ21qのフランジ部21fには、三角柱状の第2測定基準部材12が形成されている。第2測定基準部材12は、第2レンズ21qの外側に設けられた枠FL2であるフランジ部21fのうち、光学ブロックOB(図4参照)の外観として露出する側面領域において、フランジ部21fから側方に突起するように設けられている。第2測定基準部材12が形成されている箇所は、凹部21sのような接続部を除いた領域、つまり非接続部となっている。
投射レンズ21において、第1レンズ21pは、第2レンズ21qに対して直接固定される。この際、第1レンズ21pは、第2レンズ21qに対して、嵌合を用いて位置決めされた状態で固定される。具体的には、第1レンズ21pのフランジ部21nに形成された二組の爪21t(一組のみ図示)が、第2レンズ21qのフランジ部21fに形成された一対の凹部21s(一方のみ図示)を挟むように一対の凹部21sに挿入される。これにより、第1レンズ21pの複数の爪21tが第2レンズ21qのフランジ部21fを把持する。この際、二組の爪21tが一対の凹部21sと嵌合する。これにより、第2レンズ21qに対して、第1レンズ21pが3軸方向の配置と3軸の回転姿勢とに関して位置決めされる。第1レンズ21pと第2レンズ21qとの接合には、光硬化型の接着材や超音波融着法等を用いることができる。
第1レンズ21pのフランジ部21nには、三角柱状の第1測定基準部材11が形成されている。第1測定基準部材11は、第1レンズ21pの外側に設けられた枠FL1であるフランジ部21nのうち、光学ブロックOB(図4参照)の外観として露出する側面領域において、フランジ部21nから側方に突起するように設けられている。第1測定基準部材11が形成されている箇所は、凹部21rのような接続部を除いた領域、つまり非接続部となっている。
投射レンズ21の第1レンズ21pに対しては、第1レンズ21pのフランジ部21nに形成された一対の凹部21rを用いて、第2レンズ21qに対する第1レンズ21pの固定と同様の手法により、第1映像素子41aを支持する第1ホルダー72aが直接固定される。
以上のように、光学ブロックOBを構成するプリズムミラー22や投射レンズ21は、相互に位置決めし合う構造によって直接固定され、鏡枠やケースといった共通の部材を介在させていない。このため、光学ブロックOBを小型化しつつ必要な部材間(具体的にはプリズムミラー22と投射レンズ21との間)の組み立て精度を高めることができる。
図8を参照して、第1フレーム61aに対するシースルーミラー25又は第1コンバイナー103aの固定について説明する。図8中で、領域FR1は、第1表示装置100aの一部を示す側面図であり、領域FR2は、第1表示装置100aの一部を分解して示す側面図である。
シースルーミラー25は、光学ブロック30を支持する板状の第1フレーム61aに対して、嵌合と片寄とを用いて位置決めされた状態で固定される。具体的には、第1フレーム61aには、±X方向つまり左右の端部62において下面側に一対の突起63(一方のみ図示)が形成されている。シースルーミラー25には、上縁83aに沿って-Z方向の内側に左右一対のリブ83d(一方のみ図示)が形成されている。第1フレーム61aに形成された突起63の前端である基準面は、シースルーミラー25に形成されたリブ83dの後端である基準面と当接する。また、第1フレーム61aの端部62の下面及び側面である基準面は、シースルーミラー25のリブ83dの上面や上縁83aの内面である基準面と当接する。以上により、第1フレーム61aに対して、シースルーミラー25が3軸方向の配置と3軸の回転姿勢とに関して位置決めされる。第1フレーム61aとシースルーミラー25との接合には、光硬化型の接着材や超音波融着法等を用いることができる。なお、第1フレーム61aには、光学ブロック本体30の楔型光学素子23が位置決めされた状態で固定されており、結果的に、楔型光学素子23に対してシースルーミラー25が位置決めされた状態で固定される。
シースルーミラー25の上縁83aには、三角柱状の第5測定基準部材15が形成されている。第5測定基準部材15は、シースルーミラー25の外側に設けられた枠FL5である上縁83aのうち、HMD301から取り出された光学ユニット100の外観として露出する領域において、上縁83aから上方に突起するように設けられている。第5測定基準部材15が形成されている箇所は、上縁83aのうち第1フレーム61aと当接する内面のような接続部を除いた領域、つまり非接続部となっている。
第1測定基準部材11、第2測定基準部材12、第3測定基準部材13、第4測定基準部材14、及び第5測定基準部材15は、第1レンズ21p、第2レンズ21q、プリズムミラー22、及びシースルーミラー25の作製に際して、一体成形等によって外部からアクセス可能な状態となるように一括して統一的に形成される。特にこれらの相対的な配置を調整することにより、本体に対する測定基準部材11~15の配置精度が確保されるだけでなく、これら測定基準部材11~15を一括して観察可能になる。測定基準部材11~15のうちいずれか1つについては、光学ユニット100のデータム基準とすることができるが、いずれもデータム基準でなくてもよい。
以下、図9等を参照して、測定基準部材11~15の個々の具体的な形状について説明する。
図9及び10に示すように、第1測定基準部材11は、第1レンズ21pに付随して形成された部材である。第1測定基準部材11は、測定基準形状として、3つの測定基準面RS11,RS12,RS13を含み、3つの測定基準線RL11,RL12,RL13を含む。ここで、測定基準線RL11は、一対の測定基準面RS11,RS12の交線に相当し、測定基準線RL12は、一対の測定基準面RS12,RS13の交線に相当し、測定基準線RL13は、一対の測定基準面RS13,RS11の交線に相当する。第1測定基準部材11は、第1レンズ21pの配置及び姿勢に関し、原点O1と局在座標X1,Y1,Z1とを与える。局在座標X1,Y1,Z1は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応し、相互に直交している。局在座標X1,Y1,Z1は、現物においても近似的には相互に直交していることを前提として計測が行われる。図示の例では、局在座標X1は、測定基準線RL11の延長線上にあり、局在座標Y1は、測定基準線RL12と一致し、局在座標Z1は、測定基準線RL13と一致している。
図9に示すように、第2測定基準部材12は、第2レンズ21qに付随して形成された部材である。第2測定基準部材12は、測定基準形状として、3つの測定基準面RS21,RS22,RS23を含み、3つの測定基準線RL21,RL22,RL23を含む。ここで、測定基準線RL21は、一対の測定基準面RS21,RS22の交線に相当し、測定基準線RL22は、一対の測定基準面RS22,RS23の交線に相当し、測定基準線RL23は、一対の測定基準面RS23,RS21の交線に相当する。第2測定基準部材12は、第2レンズ21qの配置及び姿勢に関し、原点O2と局在座標X2,Y2,Z2とを与える。局在座標X2,Y2,Z2は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応し、設計上は第1測定基準部材11の局在座標X1,Y1,Z1に対して方位を一致させる。局在座標X2,Y2,Z2は、現物において、厳密には局在座標X1,Y1,Z1に対して方位が一致していないことを前提として計測が行われる。図示の例では、局在座標X2は、測定基準線RL21の延長線上にあり、局在座標Y2は、測定基準線RL22と一致し、局在座標Z2は、測定基準線RL23と一致している。
第3測定基準部材13は、プリズムミラー22に付随して形成された部材である。第3測定基準部材13は、測定基準形状として、3つの測定基準面RS31,RS32,RS33を含み、3つの測定基準線RL31,RL32,RL33を含む。ここで、測定基準線RL31は、一対の測定基準面RS31,RS32の交線に相当し、測定基準線RL32は、一対の測定基準面RS32,RS33の交線に相当し、測定基準線RL33は、一対の測定基準面RS33,RS31の交線に相当する。第3測定基準部材33は、プリズムミラー22の配置及び姿勢に関し、原点O3と局在座標X3,Y3,Z3とを与える。局在座標X3,Y3,Z3は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応し、設計上は第1測定基準部材11の局在座標X1,Y1,Z1に対して方位を一致させる。局在座標X3,Y3,Z3は、現物において、厳密には局在座標X1,Y1,Z1に対して方位が一致していないことを前提として計測が行われる。図示の例では、局在座標X3は、測定基準線RL31の延長線上にあり、局在座標Y3は、測定基準線RL32の延長線上にあり、局在座標Z3は、測定基準線RL33の延長線上にある。
第4測定基準部材14は、楔型光学素子23に付随して形成された部材である。第4測定基準部材14は、測定基準形状として、3つの測定基準面RS41,RS42,RS43を含み、3つの測定基準線RL41,RL42,RL43を含む。ここで、測定基準線RL41は、一対の測定基準面RS41,RS42の交線に相当し、測定基準線RL42は、一対の測定基準面RS42,RS43の交線に相当し、測定基準線RL43は、一対の測定基準面RS43,RS41の交線に相当する。第4測定基準部材43は、楔型光学素子23の配置及び姿勢に関し、原点O4と局在座標X4,Y4,Z4とを与える。局在座標X4,Y4,Z4は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応し、設計上は第1測定基準部材11の局在座標X1,Y1,Z1に対して方位を一致させる。局在座標X4,Y4,Z4は、現物において、厳密には局在座標X1,Y1,Z1に対して方位が一致していないことを前提として計測が行われる。図示の例では、局在座標X4は、測定基準線RL41の延長線上にあり、局在座標Y4は、測定基準線RL42の延長線上にあり、局在座標Z4は、測定基準線RL43と一致している。
第5定基準部材15は、シースルーミラー25又は第1コンバイナー103aに付随して形成された部材である。第5測定基準部材15は、測定基準形状として、3つの測定基準面RS51,RS52,RS53を含み、3つの測定基準線RL51,RL52,RL53を含む。ここで、測定基準線RL51は、一対の測定基準面RS51,RS52の交線に相当し、測定基準線RL52は、一対の測定基準面RS52,RS53の交線に相当し、測定基準線RL53は、一対の測定基準面RS53,RS51の交線に相当する。第5測定基準部材53は、シースルーミラー25の配置及び姿勢に関し、原点O5と局在座標X5,Y5,Z5とを与える。局在座標X5,Y5,Z5は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応し、設計上は第1測定基準部材11の局在座標X1,Y1,Z1に対して方位を一致させる。局在座標X5,Y5,Z5は、現物において、厳密には局在座標X1,Y1,Z1に対して方位が一致していないことを前提として計測が行われる。図示の例では、局在座標X5は、測定基準線RL51の延長線上にあり、局在座標Y5は、測定基準線RL52の延長線上にあり、局在座標Z5は、測定基準線RL53と一致している。
図11は、光学ユニット100の測定系1を説明する概念図である。図3等に示す光学ユニット100は、光学的な要素として、複数の光学部材10、具体的にはレンズ21p,レンズ21q、プリズムミラー22、楔型光学素子23、及びシースルーミラー25を含む(図5参照)。測定系1は、2つの計測方法によって、各光学部材10の光学的な精度を含む形状精度を評価し、かつ、複数の光学部材10から組み上げられた光学ユニット100の光学的な精度を評価する。測定系1は、第1計測装置2と、第2計測装置3と、情報処理装置4とを含む。
第1計測装置2は、例えば公知の三次元形状測定装置であり、計測ヘッド2aと、ステージ2bと、駆動制御装置2cとを含む。第1計測装置2が3次元形状測定装置である場合、計測ヘッド2aは、例えば3次元的に変位するプローブを用いた接触式の形状計測を可能にする。ステージ2bは、ホルダー2hを介して光学部材10を支持し、光学部材10の配置や姿勢を所望の状態にセットすることを可能にする。駆動制御装置2cは、計測ヘッド2a及びステージ2bを動作させることによって光学部材10の表面形状を高精度で検出する。駆動制御装置2cは、光学部材10の表面形状の計測結果を一時的に保持するとともに、表面計測データを情報処理装置4に出力する。第1計測装置2により、光学部材10の光学面内又は光学面外に形成された特徴的形状を構成する面や線を計測することができ、特徴的形状の位置や姿勢を決定することができる。第1計測装置2は、光学部材10が複数の光学面を持ち、複数の光学面を同時に計測できないときは、ホルダー2hに対して光学部材10を反転させるようなセットの為直しの後で、光学部材10の再計測を行う。
第2計測装置3は、例えば公知の工具顕微鏡であり、計測ヘッド3aと、ステージ3bと、駆動制御装置3cとを含む。第2計測装置3が工具顕微鏡である場合、計測ヘッド3aは、例えば撮像光学系や画像センサーを用いた非接触式の寸法計測を可能にする。ステージ3bは、ホルダー3hを介して光学ユニット100や光学部材10を支持し、光学ユニット100や光学部材10の配置や姿勢を所望の状態にセットすることを可能にする。駆動制御装置3cは、計測ヘッド3a及びステージ3bを動作させ、得られた画像データの画像処理等によって、光学ユニット100や光学部材10の各部の配置、寸法等の形状情報を高精度で測定する。駆動制御装置3cは、光学ユニット100や光学部材10の形状情報を一時的に保持するとともに、形状計測データを情報処理装置4に出力する。第2計測装置3により、光学ユニット100や光学部材10の光学面内又は光学面外に形成された特徴的形状を構成する面や線を計測することができ、光学ユニット100等に付随する特徴的形状の位置や姿勢を決定することができる。特徴的形状の位置や姿勢の決定に際しては、対象画像にスケール又は図形をフィッティングして計測を補助するといった処理が行われる。また、ステージ3bを利用して光学ユニット100や光学部材10の姿勢を変化させつつ多様な方向から観察することで、特徴的形状の計測精度を向上させることができる。
情報処理装置4は、コンピュータであり、演算処理装置4aと、記憶装置4bとを有する。演算処理装置4aは、第1計測装置2によって得た表面計測データと、第2計測装置3によって得た形状計測データとに基づいて、光学ユニット100や光学部材10の形状及び配置について統一した計測情報を算出し、算出結果を記憶装置4bに保管する。情報処理装置4は、第1計測装置2によって得た複数の光学部材10に関する表面計測データに基づいて光学部材10の光学的形状を評価し、第2計測装置3によって得た光学ユニット100等の各部の形状計測データに基づいて光学ユニット100を構成する光学部材10の配置精度や組立精度、或いは光学ユニット100等の光学特性を評価する。
具体的な測定について説明する。まず、図11に示す第1計測装置2を利用して、組み立て前の各光学部材10を構成する複数の光学面について計測する。光学部材10を構成する光学面は、具体的には、レンズ21pの場合、入射面21a及び出射面21bであり、レンズ21qの場合、入射面21c及び出射面21dであり、プリズムミラー22の場合、入射面22a、内反射面22b、及び出射面22cであり、楔型光学素子23の場合、入射面23a及び出射面23bであり、シースルーミラー25の場合、反射面25aである。各光学部材10を構成する複数の光学面の計測に際しては、例えば測定基準部材11~15やその他の測定基準部材を利用して、各光学部材10を構成する複数の光学面について、上記測定基準部材を介して複数の光学面の相対的な配置を決定することもできる。
次に、複数の光学部材10から光学ユニット100を組み上げた後、図11に示す第2計測装置3を利用して、光学ユニット100に設けられている複数の測定基準部材11~15を一括して計測する。第2計測装置3を用いた計測では、各光学部材10、すなわち光学部材21p,21q,22,23,25について、測定基準部材11~15を一括して計測することにより、第1の局在座標X1,Y1,Z1と、第2の局在座標X2,Y2,Z2と、第3の局在座標X3,Y3,Z3と、第4の局在座標X4,Y4,Z4と、第5の局在座標X5,Y5,Z5とについて、相対的な配置関係に関する情報を取得することができる。この相対的配置関係には、原点O1に対する原点O2~O5の相対的な位置ずれ、第1のX1,Y1,Z1に対する他の局在座標の傾きを含む。情報処理装置4は、第1の局在座標X1,Y1,Z1と、第2の局在座標X2,Y2,Z2と、第3の局在座標X3,Y3,Z3と、第4の局在座標X4,Y4,Z4と、第5の局在座標X5,Y5,Z5とについて得た相対的な配置関係から、各光学部材10の相対的回転量及び並進移動量を算出し評価することができる。つまり、共通する単一の局在座標、具体的には例えば局在座標X1,Y1,Z1基準として、光学ユニット100を構成する各光学部材10の配置や姿勢を決定することができ、光学ユニット100の光学性能を総合的に評価することができる。なお、原点O1~O5は、計測を容易にする観点で同一平面内にあることが望ましいが、X方向に多少ずれて配置されてもよい。
なお、予め複数の光学部材10を光学ユニット100に仮組しつつ僅かな位置ずれを様々に生じさせて計測を行い、測定基準部材11,12,13,14,15の配置関係が多様に変動する場合のディストーションのような結像特性を計測してデータベース化しておくことができる。このようなデータベースを利用することで、組み立て後の光学ユニット100について、光学部材21p,21q,22,23,25を計測して得た相対的な位置ずれに応じ、ディストーションを相殺するように、第1映像素子41aに形成する画像を補正することができる。画像の補正は例えば制御装置92が行う。つまり、制御装置92は、複数の光学部材21p,21q,22,23,25の配置関係の基本からのずれに基づいて、第1映像素子41aに表示させる画像を補正する。この場合、光学部材21p,21q,22,23,25の相対的な位置ずれを許容しつつ精度を高めた虚像を形成することができる。
図12を参照して、光学部材10の一つであるプリズムミラー22を構成する複数の光学面を統一した基準で計測する手法の一例について説明する。プリズムミラー22は、三角柱に近い輪郭を有する本体51と、本体51の±X方向に関する両端部に設けられる一対の枠52(一方のみ図示)とを備える。
本体51は、複数の光学有効面として、既述のように、入射面22aと内反射面22bと出射面22cとを有する。入射面22aの外側の入射軸XP1と、内反射面22bの主軸XP3と、出射面22cの出射軸XP2とは、同一平面上にあるが、互いに傾斜している。ここで、内反射面22bの主軸XP3は、本体11の内部を通り内反射面22bの内面で反射される前後の光軸の二等分線に相当するものとなっている。入射面22aの入射軸XP1を反映した方向Daと、出射面22cの出射軸XP2を反映した方向Dcとは、相互に90°以下の角度をなしている。一方、入射面22aの入射軸XP1を反映した方向Da或いは出射面22cの出射軸XP2を反映した方向Dcは、内反射面22bの主軸XP3を反映した方向Dbに対して、相互に90°以上の角度をなす。
枠52には、入射面22a及び出射面22c側において、突起部54が形成されている。突起部54の光学面側の表面54aは、方向Da,Dcに関して、入射面22aの外縁OE1との段差や出射面22cの外縁OE3との段差を低減させている。このため、入射面22aとこの近傍に配置される表面54aとは、顕微鏡等を用いた非接触式の計測や、プローブ等を用いた接触式の計測において、同一の計測領域内に配置可能であり、かつ、一括計測の対象とすることができる。このように、入射面22aの外縁OE1や出射面22cの外縁OE3の周囲に形成される段差を低減することにより、特に接触式の計測に際して、入射面22a及び出射面22cとこの近傍に配置される表面54aとを一括して計測することが容易になる。
突起部54のうち、入射面22a及び出射面22cの境界に近い一部は、入射面22a及び出射面22cの配置に関する基準を与える測定基準部材16となっていて、測定基準形状16aを含む。測定基準形状16aは、3つの測定基準面LS11,LS12,LS13を含み、3つの測定基準線LL11,LL12,LL13を含む。ここで、測定基準線LL11は、一対の測定基準面LS11,LS12の交線に相当し、測定基準線LL12は、一対の測定基準面LS12,LS13の交線に相当し、測定基準線LL13は、一対の測定基準面LS13,LS11の交線に相当する。測定基準形状16aは、入射面22a及び出射面22cを含む第1面F1に関し、原点OP1と局在座標x1,y1,z1とを与える。局在座標x1,y1,z1は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応する。図示の例では、局在座標x1は、測定基準線LL11の延長線上にあり、局在座標y1は、測定基準線LL12と一致し、局在座標z1は、測定基準線LL13の延長線上にある。
枠52の光学面側の表面52bは、方向Dbに関して、内反射面22bの外縁OE2との段差を低減させている。このため、内反射面22bとこの近傍に配置される表面52bとは、顕微鏡等を用いた非接触式の計測や、プローブ等を用いた接触式の計測において、同一の計測領域内に配置可能であり、かつ、一括計測の対象とすることができる。このように、内反射面22bの外縁OE2の周囲に形成される段差を低減することにより、特に接触式の計測に際して、内反射面22bとこの近傍に配置される表面52bとを一括して計測することが容易になる。
枠52のうち、内反射面22b側の一部は、内反射面22bの配置に関する基準を与える測定基準部材17となっていて、全体基準形状17aを含む。全体基準形状17aは、プリズムミラー22の設計上の基準であるデータム基準に対応する。全体基準形状17aは、3つの測定基準面LS21,LS22,LS23を含み、3つの測定基準線LL21,LL22,LL23を含む。ここで、測定基準線LL21は、一対の測定基準面LS21,LS22の交線に相当し、測定基準線LL22は、一対の測定基準面LS22,LS23の交線に相当し、測定基準線LL23は、一対の測定基準面LS23,LS21の交線に相当する。測定基準形状17aは、内反射面22bを含む第2面F2に関し、原点OP2と局在座標x2,y2,z2と与える。局在座標x2,y2,z2は、全体としての直交座標系X,Y,ZをX軸の周りに回転させたものに対応する。図示の例では、局在座標x2は、測定基準線L21の延長線上にあり、局在座標y2は、一対の測定基準線LL22の延長線上にあり、局在座標z2は、測定基準線LL23の延長線上にある。
プリズムミラー22の具体的な測定について説明する。まず、図11に示す第1計測装置2を利用してプリズムミラー22の第1面F1について計測する。プリズムミラー22の第1面F1の計測結果は、入射面22a及び出射面22cの3次元形状に関する情報とともに、測定基準形状16aの3次元形状に関する情報を含み、情報処理装置4は、測定基準形状16aの3次元形状から、第1面F1の基準情報(具体的には原点OP1及び局在座標x1,y1,z1)を決定し、入射面22a及び出射面22cの3次元形状を局在座標x1,y1,z1を基準とする座標情報に変換する。かかる座標変換には、公知の座標変換手法、つまり回転や並進といった行列及びベクトルを用いた演算処理を利用する。次に、第1計測装置2を利用してプリズムミラー22の第2面F2について計測する。プリズムミラー22の第2面F2の計測結果は、内反射面22bの3次元形状に関する情報とともに、測定基準形状17aの3次元形状に関する情報を含み、情報処理装置4は、測定基準形状17aの3次元形状から、第2面F2の基準情報(具体的には原点OP2及び局在座標x2,y2,z2)を決定し、内反射面22bの3次元形状を局在座標x2,y2,z2を基準とする座標情報に変換する。かかる座標変換には、公知の座標変換手法を利用する。その後、図11に示す第2計測装置3を利用して、第1面F1の測定基準形状16aと第2面F2の測定基準形状17aを一括して計測する。第2計測装置3を用いた計測では、局在座標x1,y1,z1と局在座標x2,y2,z2との相対的な配置関係に関する情報を取得することができ、情報処理装置4は、局在座標x1,y1,z1と局在座標x2,y2,z2との相対的回転量及び並進移動量を算出し評価することができる。これにより、共通する単一の局在座標x2,y2,z2を基準として、つまりデータム基準で、入射面22a、内反射面22b、及び出射面22cに関して、3次元形状を決定することができ、入射面22aと内反射面22bと出射面22cとについて相対的な配置関係を決定することができ、プリズムミラー22の光学性能を総合的に評価することができる。
以上は、プリズムミラー22の測定についての説明であったが、楔型光学素子23についても同様の測定が可能である。この際、楔型光学素子23の入射面23aの測定は、プリズムミラー22の入射面22a及び出射面22cの測定に相当し、楔型光学素子23の出射面23bの測定は、プリズムミラー22の内反射面22bの測定に相当する。つまり、入射面23aを測定基準形状16aに対応する形状とともに計測し、出射面23bを測定基準形状17aに対応する形状とともに計測する。これにより、楔型光学素子23の入射面23aと出射面23bとについて相対的な配置関係を決定することができ、プリズムミラー22の光学性能を総合的に評価することができる。レンズ21p、レンズ21q、及びシースルーミラー25についても、詳細な説明を省略するが、楔型光学素子23と同様の計測が可能である。
以上で説明した第1実施形態に係る光学ユニット100及び虚像表示装置(すなわちHMD301)は、複数の光学部材10を含み(図5参照)、複数の光学部材10は、非接続部において配置に関する基準を与える測定基準部材11~15をそれぞれ有し、複数の光学部材10の複数の測定基準部材11~15は、形状的な特徴によって基準を与える意味で或いは相互の配置関係について方向が統一されている。この場合、複数の光学部材10の配置に関する基準を与える複数の測定基準部材11~15の方向が統一されているので、複数の光学部材10を組み上げた製品における各光学部材10の配置関係、つまり組立精度を簡易に高精度で把握できるようになる。これにより、光学部品の修正や表示状態の補正といったフィードバックが容易になり、虚像の画質の確保や改善が容易になる。
図13を参照して、変形例について説明する。図13は、第2レンズ21qのプリズムミラー22側を示す図であり、第2測定基準部材12の形成箇所を変更した一例を示している。第2測定基準部材12は、第2レンズ21qのフランジ部21f(つまり枠FL2)に形成されている。ただし、第2測定基準部材12は、第2レンズ21qの側面に露出していない。つまり、第2測定基準部材12は、プリズムミラー22に向かっており、組み立て後は爪21yの陰になって外部から観察することができない。変形例の第2測定基準部材12も、第2レンズ21qに付随して形成された部材であり、測定基準形状として、3つの測定基準面RS21,RS22,RS23を含み、3つの測定基準線RL21,RL22,RL23を含む。
図13に示す第2レンズ21qの場合、組み立て後の光学ユニット100において、第2測定基準部材12は、内部に配置されて外観観察できない状態となっているが、内部に配置される結果として光学ユニット100のサイズ増加の回避を容易にする。第2測定基準部材12が内部に配置されていても、X線CTやその他の透視計測技術により第2測定基準部材12の配置や姿勢を計測することができ、第2レンズ21qの配置精度や組立精度を高精度で計測することができる。第2レンズ21q以外の光学部材21p,22,23,25についても、それぞれの測定基準部材11,13,14,15を内部に配置し、X線CTやその他の透視計測技術を用いて、測定基準部材11,13,14,15を外部から計測し、光学部材21p,22,23,25の配置精度や組立精度を計測することができ、光学ユニット100の光学特性を評価することができる。
なお、図13に示す第2測定基準部材12は、第2レンズ21qの接着によって隠れる部品同士の接続部、具体的には爪21yの内側等に設けられる接続箇所を避けて配置されることが望ましい。接続箇所を避けることで透視観察の精度や信頼度を高めることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る光学ユニット及び虚像表示装置について説明する。なお、第2実施形態の光学ユニット等は、第1実施形態の光学ユニット等を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図14は、第2実施形態の光学ユニット100を示す。図14中で、領域GR1は、光学ユニット100の正面図であり、領域GR2は、光学ユニット100の側面図である。この場合、第4測定基準部材14及び第5測定基準部材15の形状や配置が第1実施形態のものと異なる。
図15に示すように、第2実施形態の光学ユニット100において、第4測定基準部材14は、第1実施形態と同様に楔型光学素子23に付随し、測定基準面RS41,RS42,RS43と、測定基準線RL41,RL42,RL43とを含む。第4測定基準部材43は、楔型光学素子23の配置及び姿勢に関し、原点O4と局在座標X4,Y4,Z4とを与える。局在座標X4,Y4,Z4は、設計上、第1測定基準部材12の局在座標X1,Y1,Z1に対して方位を一致させていない。
第5測定基準部材15は、第1実施形態と同様にシースルーミラー25又は第1コンバイナー103aに付随し、測定基準面RS51,RS52,RS53と、測定基準線RL51,RL52,RL53とを含む。第5測定基準部材15は、楔型光学素子23の配置及び姿勢に関し、原点O5と局在座標X5,Y5,Z5とを与える。局在座標X5,Y5,Z5は、設計上、第4測定基準部材14の局在座標X4,Y4,Z4に対して方位を一致させるが、現物において、厳密には局在座標X4,Y4,Z4に対して方位が一致していないことを前提として計測が行われる。
以上から明らかなように、第1測定基準部材11と第2測定基準部材12と第3測定基準部材13とについては、座標系の方位が統一されている。また、第4測定基準部材14と第5測定基準部材15とについては、第1測定基準部材11等と異なるが、座標系の方位が統一されている。つまり、第1レンズ21p、第2レンズ21q、及びプリズムミラー22を含む第1光学部材群G1では、これらに形成された第1測定基準部材11、第2測定基準部材12、及び第3測定基準部材13が特定方向に統一され、楔型光学素子23及びシースルーミラー25を含む第2光学部材群G2では、これらに形成された第4測定基準部材14及び第5測定基準部材1が上記特定方向と異なる別方向に統一されている。換言すれば、第1光学部材群G1を構成する複数の光学部材21p,21q,22にそれぞれ形成された複数の測定基準部材11,12,13は、形状的な特徴によって基準を与える意味で特定の第1方向に統一されており、第2光学部材群G2を構成する複数の光学部材23,25にそれぞれ形成された複数の測定基準部材14,15は、測定基準部材11,12,13とは異なる別方向に統一され、形状的な特徴によって基準を与える意味で第2方向に統一されている。この場合、第1レンズ21pからプリズムミラー22までの第1光学部材群G1に関して一括した計測が容易になり、楔型光学素子23からシースルーミラー25までの第2光学部材群G2に関して一括した計測が容易になる。前段の第1光学部材群G1と後段の第2光学部材群G2とに分けることにより、プリズムミラー22によって映像光MLの光路を大きく折り曲げる前後で測定基準を分けることになり、測定基準部材11,12,13,14,15の作製や計測が比較的容易になり、群単位又は全体での測定精度の確保も容易になる。
以上で説明した第2実施形態に係る光学ユニット100及び虚像表示装置(すなわちHMD301)では、複数の光学部材21p,21q,22を含む第1光学部材群G1と、第1光学部材群G1とは別に、複数の測定基準部材11,12,13とは異なる方向に統一された複数の別の測定基準部材14,15がそれぞれ形成されている複数の別の光学部材23,25を含む第2光学部材群G2とを備える。この場合、光学部材群G1,G2単位で、各光学部材群G1,G2を構成する光学部材21p,21q,22又は光学部材23,25)の配置関係を計測することができる。
図16は、図15の光学ユニット100の変形例を説明する概念図である。この変形例において、第3測定基準部材13は、第1実施形態と同様にシースルーミラー25に付随し、測定基準面RS31,RS32,RS33と、測定基準線RL31,RL32,RL33とを含む。第3測定基準部材13は、楔型光学素子23の配置及び姿勢に関し、原点O3と局在座標X3,Y3,Z43を与える。局在座標X3,Y3,Z3は、設計上、第1測定基準部材12の局在座標X1,Y1,Z1に対して方位を一致させていないが、第4測定基準部材14の局在座標X4,Y4,Z4に対して方位を一致させている。結果的に、第1光学部材群G1を構成する複数の光学部材21p,21qにそれぞれ形成された複数の測定基準部材11,12は、特定方向に統一されており、第2光学部材群G2を構成する複数の光学部材22,23,25にそれぞれ形成された複数の測定基準部材13,14,15は、測定基準部材11,12とは異なる別方向に統一されている。この場合、反射面を含む楔型光学素子23及びシースルーミラー25が同一の第2光学部材群G2にまとめられており、表示品位への影響度が大きい反射面(つまり内反射面22bや反射面25a)間の位置関係を重点的に把握することができる。
〔変形例その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
測定基準部材11,12,13,14,15の形状は、三角錐状のものに限らず、平面又はエッジを組み合わせた様々な形状とすることができる。測定基準部材11,12,13,14,15は、単一の構造体である必要はなく、複数の部分からなるものであってもよる、例えば複数の球面や頂点を組み合わせて特定面を規定するようなものであってもよい。光学部材21p,21q,22,23,25の輪郭形状や光学有効面の形状は、図示のものに限らず、用途に応じて適宜変更することができる。また、光学部材21p,21q,22,23,25のうちいずれか特定の光学部材については、測定基準部材を省略することもできる。
測定基準部材11,12,13,14,15の配置関係を計測した結果、相対的ずれが標準値よりも許容値以上ずれている場合、次の光学ユニット100の製造に際して、相対的ずれを減少させるように光学部材21p,21q,22,23,25を組み立てることができる。また、光学部材21p,21q,22,23,25を仮組し、測定基準部材11,12,13,14,15の配置関係を計測しつつ誤差を低減するように調整し、最終的に光学部材21p,21q,22,23,25の固定を確定させることができる。
測定基準部材11,12,13,14,15の配置関係を変化させつつ得られる結像特性を計測してデータべース化し、相互の配置関係を修正しつつ結像特性を修正することができる。なお、光学部材21p,21q,22,23,25の相対的な位置ずれを反映した画像を映像素子41aに形成してもよい。
測定基準部材11,12,13,14,15は、方向を特定する面や線の配置関係が平行に配置されているものに限らず、例えば90°単位で回転せたものようなものにように、一定の角度差を前提として相関性を持たせたものなどといった観点で、統一性を持たせたものとすることができる。
第1表示装置100aに組み込む光学ユニット100は、図示のものに限らず、様々な構成とすることができる。例えば、光学ユニット100を構成する要素については、図11に示すものは単なる例示であり、レンズの枚数を増減させる、ミラーを追記する、導光部材を追加するといった変更が可能である。
コンバイナー103a,103bの外界側には、コンバイナー103a,103bの透過光を制限することで調光を行う調光デバイスを取り付けることができる。調光デバイスは、例えば電動で透過率を調整する。調光デバイスとして、ミラー液晶、電子シェード等を用いることができる。調光デバイスは、外光照度に応じて透過率を調整するものであってもよい。
コンバイナー103a,103bは、遮光性を有するミラーに置き換えることもできる。この場合、外界像の直接観察を前提としない非シースルー形の光学系となる。
具体的な態様における光学ユニットは、複数の光学部材を含む結像用の光学ユニットであって、複数の光学部材は、接続部において固定して配置され、非接続部において配置に関する基準を与える測定基準部材をそれぞれ有する。
上記光学ユニットでは、非接続部において配置に関する基準を与える測定基準部材をそれぞれ有するので、複数の光学部材を組み上げた製品における各光学部材の配置関係、つまり組立精度を把握できるようになる。これにより、光学部品の修正や表示状態の補正といったフィードバックが容易になり、虚像の画質の確保や改善が容易になる。
具体的な側面において、複数の測定基準部材の方向が統一されている。この場合、各光学部材の組立精度を簡易に高精度で把握することができる。
具体的な側面において、複数の測定基準部材は、複数の平面及び複数の平面の交線のいずれかを含む測定基準形状を有する。この場合、測定基準部材によって規定される基準が、複数の平面或いは複数の平面の交線によって座標情報として特定される。
具体的な側面において、複数の測定基準部材は、それぞれ複数の光学部材の外側に設けられた枠に形成されている。
具体的な側面において、測定基準部材は、光学部材の枠に形成された突起状の部分である。この場合、光学部材の枠を有効活用して各光学部材の配置関係の計測に用いることができる。
具体的な側面において、複数の測定基準部材は、外観として一括して観察可能である。この場合、光学的な計測方法を用いて複数の測定基準部材の配置関係を一括して高精度で計測することができる。
具体的な側面において、複数の光学部材を含む第1光学部材群と、第1光学部材群とは別に、複数の測定基準部材とは異なる方向に統一された複数の別の測定基準部材がそれぞれ形成されている複数の別の光学部材を含む第2光学部材群とを備える。この場合、光学部材群単位で、光学部材群を構成する光学部材の配置関係を計測することができる。
具体的な側面において、複数の光学部材は、第1光学部材、第2光学部材及び第3光学部材を含み、第1光学部材及び第2光学部材は固定され、第2光学部材及び第3光学部材は固定され、第1光学部材、第2光学部材、及び第3光学部材は、それぞれ、第1測定基準部材、第2測定基準部材、及び第3測定基準部材を非接続部に有し、第1測定基準部材、第2測定基準部材、及び第3測定基準部材方向は、方向が統一されている。この場合、第1~第3光学部材の組立精度を簡易に高精度で把握することができる。
具体的な態様における虚像表示装置は、映像光を出射する映像素子と、映像素子から入射した映像光を虚像として結像する上述した光学ユニットとを備える。
具体的な態様における虚像表示装置は、映像素子に表示させる画像を、複数の光学部材の配置関係に基づいて補正する制御装置をさらに備える。
具体的な態様における光学ユニットの計測方法は、複数の光学部材を含む結像用の光学ユニットの計測方法であって、複数の光学部材は、非接続部において配置に関する基準を与える測定基準部材をそれぞれ有し、複数の光学部材の複数の測定基準部材の方向が統一され、複数の測定基準部材を一括して計測することによって、複数の光学部材の相対的な配置関係を決定する。
上記計測方法では、方向が統一された複数の測定基準部材を一括して計測することによって複数の光学部材の相対的な配置関係を決定するので、複数の光学部材を組み上げた製品の組立精度を簡易に高精度で把握できるようになり、光学部品の修正や表示状態の補正といったフィードバックが容易になり、虚像の画質の確保や改善が容易になる。