JP3721282B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ、複写機、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、潜像を担持する潜像担持体と、光ビームの照射により該潜像担持体に該潜像を担持させるビーム照射手段と、該潜像を顕像化する顕像化手段と、該潜像担持体に移動力を伝達するための歯車を有する移動力伝達手段と、該移動力伝達手段を介して該潜像担持体に移動力を付与する移動力付与手段とを備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル電子写真方式の画像形成装置において、潜像担持体である感光体の表面を無端移動させながら一様に帯電させた後、この表面に対してレーザダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)などから発した光ビームを照射して静電潜像を形成するものが知られている。
【0003】
このような無端移動を実現する感光体の駆動方式としては、DDモータ駆動方式やギア駆動方式などが知られている。DDモータ駆動方式は、感光体である感光ドラムの軸や、同じく感光体である感光ベルトを張架駆動するための駆動ローラ等に直結されたモータにより、これら感光ドラムや駆動ローラ等を回転駆動させる方式である。また、ギア駆動方式は、移動力伝達手段としてのギア列やギアプーリーとタイミングベルトとの組み合わせなどを介して、モータの駆動力を感光ドラムの軸や駆動ローラ等に伝達することで、モータ周速とは異なる周速でこれら感光ドラムの軸や駆動ローラ等を回転駆動させる方式である。
【0004】
これら駆動方式のうち、DDモータ駆動方式は、一般に、モータに対してその一回転毎や、駆動電源の高調波成分に起因する所定周期毎に回転ムラが生じ、この回転ムラにより画像の位置ずれが生じ易い。
【0005】
また、ギア駆動方式は、歯車としてのギアの歯ピッチに相当する1[mm]前後の周期の画像位置上にバンディングと称される濃淡差が生じ易い。このバンディングは、主に、移動力伝達手段(駆動伝達機構)内で最も感光体側に位置するギアやギアプーリー(以下、これらをまとめて単にギアという)と他の部材との噛み合わせに起因して生ずる。例えば、駆動伝達機構がギア列である場合には、中間ギア間の間隙の緩衝作用によって中間ギア同士の噛み合わせに起因するバンディングは発生し難いが、感光体に駆動力を直接伝達する最終段のギアにはこのような緩衝作用が発揮されない。このため、ギア列の中で最も感光体側に位置するギアの歯数に対応した周期のバンディングが画像に生じ易い。また、駆動力伝達機構がギアプーリーとタイミングベルトとの組み合わせである場合においても、同様の理由により、最も感光体側に位置するギアプーリーの歯数に対応した周期のバンディングが画像に生じ易い。
【0006】
そこで、従来では、最も感光体側に位置するギアに緩衝部材を設けたり、感光体の回転軸にフライホイールを設けたりして、該ギアと他の部材との噛み合わせに起因するバンディングの発生を低減する対策が講じられていた。
【0007】
しかしながら、このような対策はコストアップを招来するばかりでなく、感光体の移動速度の変動を完全になくすことができない。
【0008】
LDやLEDの照射条件の調整により画像の濃度階調を再現する画像形成装置においては、次の理由により、感光体の移動速度をわずかに変動させただけでもバンディングを生ずる場合がある。即ち、一般に、LDやLEDを用いる画像形成装置においては、感光体に対して、その電位を十分に減衰させ得る強度の光ビームを照射して画像の高濃度部分に対応する静電潜像部分を形成し、且つ該強度や照射時間等を変調して該画像の中間調部分やハイライト部分に対応する中間的な電位の静電潜像部分を形成することで、該画像の濃度階調を調整している。ところが、ギアの噛み合わせに起因して感光体の移動速度に変動が生ずると、該感光体に正規の照射時間で照射されない部分が1[mm]前後の周期で発生する。そして、この部分が上述のような中間的な電位の静電潜像部分である場合には電位ムラを生ずる。一方、感光体と顕像化手段である現像装置との間の現像領域に形成される現像電界のフーリエ成分(MTF)は、1[mm]前後の周期で強調(enhance)される。このようにフーリエ成分が強調されると、1[mm]前後の周期で生ずる上記電位ムラがより強調される。そして、このように電位ムラが強調されることにより、現像工程における現像ムラが強調されてバンディングが発生してしまう。
【0009】
また、1[mm]前後の周期の濃度ムラに対するヒトの視覚的な検知感度は非常に高いことがわかっている。図5は、画像上に出現する濃度ムラの空間周波数(X軸)と、ヒトに対する該濃度ムラの許容濃度差(Y軸)との関係を示すグラフである。図示のように、濃度ムラの空間周波数と、該濃度ムラに対するヒトの許容濃度差とには相関があり、1[mm]オーダーの周期で生ずる濃度ムラに対するヒトの許容濃度差は、他の周期で出現する濃淡ムラに対するものよりも低くなる。このため、ギアの歯ピッチに起因して1[mm]前後の周期で生ずるバンディングは、たとえその濃度差が低くても目立ってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者が鋭意研究したところ、バンディングの目立ち易さは、該バンディングの空間周波数の他、感光体表面におけるビーム径とも相関があることを見出した。具体的には、本発明者は、感光体表面上でのビームスポット内のうち、そのビーム強度がピーク値の1/eになる領域の感光体移動方向(以下、副走査方向という)における径と、バンディングの目立ち易さとに相関があることを見出した。従来、感光体表面上におけるビームスポット内の有効ビーム範囲を示すビーム径としては、該ビームスポット内でのビーム強度が1/e2となる領域の副走査方向における径が一般に用いられてきた。しかし、本発明者の研究によれば、このビーム径とバンディングの目立ち易さとには明確な相関が認められず、バンディングの目立ち易さは、ビームスポット内でのビーム強度がピーク値の1/eになる領域の副走査方向におけるビーム径と相関があることがわかった。このことは、従来のビーム径の定義が不適切であったことを示唆していると考えられる。
【0011】
更に、本発明者が鋭意研究したところ、バンディングの目立ち易さは、感光体表面の感光層の厚さや、例えばトナーチリの度合いなど記録体上の非画像部における汚れの度合いとも相関があることを見出した。
【0012】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、歯車の噛み合わせに起因して生ずるバンディングを目立ち難くすることができる画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸を中心にして回転する表面に潜像を担持するドラム状の潜像担持体と、該表面に対して光ビームを照射して該潜像を担持させるビーム照射手段と、該潜像を顕像化させる顕像化手段と、該潜像担持体に回転力を伝達するために該回転軸に固定された歯車を有する移動力伝達手段と、該移動力伝達手段を介して該潜像担持体に移動力を付与する移動力付与手段とを備える画像形成装置において、上記歯車の直径をDg[mm]、モジュールをM[mm]とし、且つ、上記潜像担持体の直径をDp[mm]、円周率をπ、該表面上のビームスポット内でのビーム強度がそのピーク値の1/eになる領域の該表面移動方向における径をLb[mm]とした場合に、Lb/0.05+(π×Dp×M/Dg)/1.5<1[mm]という条件式を具備させたことを特徴とするものである。
【0014】
この画像形成装置は、Lb/0.05+(π×Dp×M/Dg)/1.5<1[mm]という条件式を具備している。本発明者は鋭意研究により、このような条件式を具備させることで、潜像担持体の回転軸に固定された歯車の噛み合わせに起因して生ずるバンディングを目立ち難くし得ることを見出した。
【0017】
請求項2の発明は、上記潜像担持体が感光体である請求項1の画像形成装置において、該感光体の表面における感光層の厚みを15[μm]以下に形成したことを特徴とするものである。
【0018】
この画像形成装置は、感光体表面の感光層の厚みが15[μm]以下に形成されている。本発明者は鋭意研究により、感光層の厚みをこのように形成することで、潜像担持体の回転軸に固定された歯車の噛み合わせに起因して生ずるバンディングをより確実に目立ち難くし得ることを見出した。
【0021】
請求項3の発明は、画像データを中間調処理する画像データ処理手段を備え、中間調処理したデータに基づいて上記潜像担持体に上記光ビームを照射する請求項1又は2の画像形成装置において、誤差拡散方式により該画像データを中間調処理させるように該画像データ処理手段を構成したことを特徴とするものである。
【0022】
この画像形成装置においては、画像データを誤差拡散方式で中間調処理することで、該中間調処理の方法として例えばディザ方式を用いる画像形成装置に生じ易い、濃度階調部分のマトリクス形状の際立ちによる画像のいわゆるザラツキ感を低減する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置であるデジタル電子写真方式のプリンタに適用した一実施形態について説明する。
まず、このプリンタ全体の概略について説明する。図1は本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図1において、1は潜像担持体としての感光ドラムを、2は感光ドラム1の表面の感光層を一様に帯電させる帯電チャージャ2を、3はビーム照射手段としての光書き込みユニットを、4は顕像化手段としての現像装置を、5は転写手段としての一次転写装置を、6は同じく転写手段としての二次転写ローラを、7は該感光層を除電する除電装置を、8は感光ドラムをクリーニングするクリーニングブレードをそれぞれ示すものである。
【0024】
このプリンタにおいて、感光ドラム1の端面から突出する図示しない回転軸には、同じく図示しない、移動力伝達手段としてのギヤ列と、移動力付与手段としてのドラム用モータとが連結している。このドラム用モータの駆動力により、ギア列を介して図中矢印方向(時計回り)に回転される感光体1の表面には、感光層が被覆されている。即ち、本プリンタにおいては、感光ドラム1の駆動方式としてギア駆動方式を用いている。
【0025】
感光ドラム1の上記感光層は、まず、感光ドラム1の回転に伴って帯電チャージャ2との対向位置を通過する際に一様に帯電される。次いで、光書き込みユニット3との対向位置を通過する際に、該光書き込みユニット3の図示しないレーザダイオードにより、同じく図示しない画像処理部からの画像信号に基づいた光ビームが照射され、ビーム照射部分が例えばプラス極性の電荷を帯びて静電潜像を担持する。
【0026】
一方、現像装置4は、画像形成物質としてのトナーを内包しており、これを攪拌等により例えばマイナス極性に帯電させながら図中矢印方向(反時計回り)に回転する現像ローラ4a上に担持させる。現像装置4の開口から一部を露出させているこの現像ローラ4aには、図示しないバイアス印加手段により現像バイアスが印加されており、この印加により感光ドラム1と現像ローラ4aとの間には図示しない現像電界が形成されている。
【0027】
また、上記一次転写装置5は、図示しない駆動装置により図中反時計回りに回転駆動される一次転写ローラ5b、張架ローラ5c、5dや、これら3本のローラに張架されながら同じく反時計回りに回転駆動される可撓性の中間転写ベルト5aなどで構成されている。一次転写ローラ5bは、現像装置4よりも感光ドラム1の回転方向下流側において、この中間転写ベルト5aを介して感光ドラム1と当接して一次転写ニップを形成している。この一次転写ローラ5bには、図示しないバイアス印加手段により一次転写バイアスが印加されており、この印加により上記一次転写ニップ内に一次転写電界が形成されている。また、張架ローラ5dは、一次転写装置5の下方でこの中間転写ベルト5aを介して二次転写ローラ6と当接して二次転写ニップを形成している。この二次転写ローラ6には、図示しないバイアス印加手段により二次転写バイアスが印加され、この印加により上記二次転写ニップ内に二次転写電界が形成されている。
【0028】
上記感光層に担持されたプラス極性の静電潜像は、感光ドラム1の回転に伴って上記現像位置を通過する際に、現像ローラ4a上でマイナス極性に帯電しているトナーが現像電界の影響により移動・付着され、この付着により顕像化してトナー像となる。そして、上記一次転写ニップを通過する際に、該一次転写ニップ内での押圧力や上記一次転写電界の影響を受けて中間転写ベルト5a上に一次転写される。
【0029】
このような一次転写のタイミングを見計らって、図示しない給紙装置は記録体としての転写紙11を上記二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト5a上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト5aの回転に伴って上記二次転写ニップを通過する際に、該二次転写ニップ内での押圧力や上記二次転写電界の影響を受けてこの転写紙11上に二次転写される。
【0030】
トナー像が二次転写された転写紙11は、定着装置9内に送られる。そして、この定着装置内で、加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟まれ、加熱によりトナー像の定着処理が施された後、プリンタ外に排出される。
【0031】
上記一次転写ニップを通過した上記感光層は、感光ドラム1の回転に伴って除電装置7との対向位置を通過する際に除電される。そして、クリーニングブレード8との対向位置を通過する際に、一次転写されずに残留した未転写トナーが機械的に掻き取り除去されて、次の画像形成に備えられる。
【0032】
以上の構成のプリンタにおいては、図示しない上記ギア列内で感光ドラム回転軸に直結されたギア(以下、単にギアという)の歯ピッチに相当する1[mm]前後の周期の画像位置上にバンディングが生じ易い。このようにギアの歯ピッチに起因して1[mm]前後の周期で生ずるバンディングは、たとえその濃度差が低くても目立ってしまうことがわかっており、該歯ピッチの変更等によりこれとは異なる周期でバンディングを発生させれば、該バンディングを目立ち難くすることができる。通常の画像形成装置においては、感光ドラムの径、周速などに起因してギアの歯ピッチを1[mm]オーダーよりも大きくすることが困難であるので、これより小さくしてバンディングを目立ち難くすることになる。しかしながら、ギアの歯ピッチを小さくするには限界があり、また、ギアの強度を高める必要が生ずるなどコスト上の問題もある。
【0033】
そこで、本発明者は、次の表1に示すような種々の条件にプリンタを設定したときに生ずるバンディングの目立ち易さについて実験を行った。
【表1】
【0034】
すると、バンディングの目立ち易さは、ギアの歯ピッチ(モジュールM)の大きさに加えて、潜像担持体上の光ビーム照射位置における曲率半径の2倍(=感光ドラム1の直径Dp)、ギアの直径(Dg)、ビーム強度のピーク値が1/eとなる領域のビーム径(Lb)などとも相関があることがわかった。
【0035】
図2は、上記表1の条件において、バンディングの発生周期Lg(π×Dp×M/Dg)と、ビーム強度が1/eとなる領域のビーム径Lb(以下、1/e径Lbという)との関係を示すグラフである。図2のグラフにおいて、直線Aは方程式Lb/0.06+Lg/2=1[mm]の解を示し、方程式Lb/0.05+(π×Dp×M/Dg)/1.5=1[mm]の解を示している。また、×、△及び○印は、それぞれバンディングの目立ち易さの評価結果を示している。図示のように、直線Aよりも下側の領域においては、バンディングが目立ち難くなることがわかる。更に、直線Bよりも下側の領域においては、より確実にバンディングが目立ち難くなることがわかる。
【0036】
上述した各方程式の解を1[mm]より小さくしてバンディングを目立ち難くするためには、各方程式の左辺第一項の1/e径Lbを小さくしたり、左辺第二項の感光ドラムの直径Dp、ギアの直径Dg、ギアのモジュールMなどを小さくすればよい。
【0037】
従来、ビーム径としては、ビーム強度のピーク値の1/e2になる領域の副走査方向における径(以下、1/e2径という)が一般に用いられてきたが、本発明者の実験によれば、この1/e2径とバンディングの目立ち易さとには明確な相関は認められなかった。例えば、所定のLD光学系を用い、このLD光学系のパラメータを最適条件よりずらしてビームスポットのビーム強度分布を変化させた場合、1/e2径が変化してもバンディングの目立ち易さはあまり変わらなかった。また、光学系としてLDではなく、LED光学系を用い、LEDの発光部の大きさを変えて1/e2径を変化させても、この変化に伴うバンディングの目立ち易さの変化量は測定誤差中に含まれるくらい小さいものであった。
【0038】
一方、それぞれパラメータの異なる複数のLD光学系を用い、各光学系における1/e2径を最小にするパラメータ条件で実験した場合には、各光学系の1/e径Lbとバンディングの目立ち易さとに良好な相関が認められた。また、LED光学系においては、主走査方向のドット形成数に対応した個数のLEDとレンズとを有するLEDアレイとセルフォックスレンズアレイとの組み合わせを使用することになり、各LEDからのビーム強度分布を統一することには技術上の限界がある。このため、各LEDにおいて1/e2径や1/e径Lbにはバラツキがあるが、バンディングの目立ち易さに対して、1/e2径については相関が認められなかったが、1/e径Lbについては良好な相関が認められた。即ち、光書き込みユニットの光学系がLDであるかLEDであるかにかかわらず、1/e径Lbとバンディングの目立ち易さとに良好な相関が認められた。
【0039】
このように、1/e2径ではなく1/e径Lbとバンディングの目立ち易さとに良好な相関が認められる理由については定かではないが、次のようなことが関連していると考えられる。即ち、図3に示すように、1/e径Lbはビーム強度がピーク値の約36.8[%]以上となる領域であり、ビーム強度分布曲線の変化が急峻に(測定点の変化に対する光量の変化が大きく)なる領域である。これに対し、1/e2径はビーム強度がピーク値の約13.5[%]以上となる領域であり、ビーム強度分布曲線の裾引き部分になる領域である。ここで、光学系のパラメータを僅かに変化させた場合、1/e径Lbについてはそれほど変化させないが1/e2径については大きく変化させることになる。特に、LD光学系でビームスポットを小さく絞った場合には、この傾向が強くなる。これは、LD光の干渉の結果、いわゆるサイドローブと呼ばれる第二の山がビーム強度分布曲線のピーク値付近に生まれ、この山がビーム強度分布曲線の裾引き部分を持ち上げて、1/e2径を大きく変化させるためであると考えられる。静電潜像の形成には上記裾引き部分の強度のビーム部分はあまり寄与しておらず、専ら1/e径Lb内のビーム部分で光書き込みして該静電潜像を形成しており、この1/e径Lbが大きくなると隣接画素に対する光書き込み量も大きくなる。逆に。1/e径が小さくなると、隣接画素に対する光書き込み量が小さくなる。そして、このことにより、感光ドラムの速度変動により生ずるバンディングの濃度差も小さくなって、バンディングが目立ち難くなると考えられる。
【0040】
図2に示したように、バンディングを目立ち難くするためには、1/e径Lbを小さくしたり、左辺第二項の感光ドラムの直径Dp、ギアの直径Dg、ギアのモジュールMなどを小さくすればよい。しかし、1/e径Lbを小さくするためには、例えばLD光学系のレンズ系を大きくしたり、LDの発光波長を小さくしたりなどする必要があるが、これらはコストアップを招来するばかりでなく、感光ドラム上で安定的に30[μm]以下の1/e径Lbを実現することが極めて困難である。また、感光ドラムの直径Dpを小さくし過ぎると、帯電チャージャ2、光書き込みユニット3、現像装置4、一次転写装置5、除電装置7、クリーニングブレード8など、感光ドラム1の周囲における各ユニットの配設が困難になるので、直径Dpの低減にも限界がある。また、ギアの直径Dgには装置の大きさ上の制約があり、特に、中間転写ベルトの周囲に複数の感光ドラムを並列的に配設したいわゆるドラタンデム方式の画像形成装置の場合には、感光ドラム同士の間隔によりこのギアの直径Dgが大きく制約される。また、ギアのモジュールMを小さくし過ぎると、コストアップを招来するばかりでなく強度上の問題が生ずるので、モジュールMの下限値は、実質的に0.5[mm]程度である。以上のことを考慮すると、1/e径Lb、モジュールMの下限値をそれぞれ30[μm]、0.5[mm]とする条件で、感光ドラムに配設する各ユニットの大きさなどに応じて感光ドラムの直径Dpやギアの直径Dgを低減して、上述した各方程式の解を1[mm]より小さくすることが望ましい。
【0041】
また、本発明者の実験によれば、感光ドラム2の上記感光層の厚みを15[μm]以下に形成することにより、1/e径Lbを小さくしたときと同様の効果が認められた。このような効果が発揮される理由としては、上記感光層の厚みを小さくすることにより、該感光層内での電荷の拡散を小さくするためであると考えられる。また、上記感光層の厚みが薄いことにより、現像電界のMTF強調領域がより1[mm]よりも短い周期側にシフトし、小さなドットや細いラインを十分な濃度で現像できるようになったことも関与していると考えられる。
【0042】
また、本発明者は次のような実験を行った結果、副走査方向における1/e径Lbと、上記感光層の厚みと、感光ドラム1のギアの噛み合わせによる速度変動とが同じであっても、転写紙11の非画像部に適度なトナーチリを発生させた方が、バンディングを目立ち難くし得ることがわかった。即ち、図4に示すように、転写紙11上における主走査方向(図面左右方向)に延在する各画素列L1、L2、L3、L4に対し、L1とL4とにライン画像を形成し且つL2とL3とを非画像部とするような条件(実際には、2つの画素列からなる非画像部を介してライン画像を形成する繰り返し)で作像を行った。そして、この転写紙11の200倍の顕微鏡写真を撮影し、非画像部の画素間に中心線A−A’を引き、トナーチリによってこの中心線A−A’上に掛かるトナーの割合を測定した。トナーチリの発生度合いを変化させながらこのような測定を繰り返し実行した結果、中心線A−A’対して全体の20[%]以上の部分にトナーを付着させるようなトナーチリが生ずると、バンディングが目立ち難くなることがわかった。このようにバンディングが目立ち難くなる理由は定かでないが、ライン画像間の非画像部にある程度のトナーが存在しないと、該非画像部の白抜きラインが際立つためであると考えられる。
【0043】
但し、副走査方向における非画像部の長さが130[μm]以下になるような場合に、該非画像部の中心線上に20[%]を超える割合でトナーが存在する場合には、非画像部の白抜きラインにおける片幅65[μm]以上の範囲にライン画像からのトナーが飛散・付着し、これにより該ライン画像が滲んだように見えて画像のシャープネスが低下することがわかった。具体的には、副走査方向における画素の長さ(画素の中心間隔)をLとし、主走査方向に延在するn列の画素列における片端列に1本のライン画像を形成する動作を繰り返した場合において、L×(n−1)<130[μm]となる条件で作像した場合に、画像のシャープネスが低下することがわかった。従って、副走査方向における非画像部の長さが130[μm]以下になるような場合に、該非画像部の中心線上に20[%]以下の割合でトナーが存在させるようにトナーチリ量を制御する必要がある。例えば、600[dpi]の解像度で図4に示したようなライン画像を形成する場合には、副走査方向における画素の長さLは、25400÷600=42.3[μm]となる。このような場合に上記中心線上に20[%]を超える割合でトナーが付着すると、白抜きラインの太さ42.3×(3−1)=84.6[μm]が130[μm]よりも小さくなって画像のシャープネスが低下する。また例えば、1200[dpi]の解像度で2本のライン画像を形成する場合には、副走査方向における画素の長さLは、25400÷1200=21.2[μm]となる。このため、図4に示したように3つの画素列の片端にライン画像を形成する動作を繰り返す場合には、白抜きラインの太さ21.2×(3−1)=42.4[μm]は130[μm]よりも小さくなる。但し、4、5、6、7つの画素列の片端にライン画像を形成する動作を繰り返す場合にも、白抜きラインの太さはそれぞれ63.6、84.8、106.0、127.2[μm]となり130[μm]よりも小さくなる。このような場合には、3、4、5、6、7つの画素列の片端にライン画像を形成する動作を繰り返す場合の何れかにおいて、上記中心線上に20[%]以下の割合でトナーを付着させれば、画像のシャープネスの低下を回避することができる。
【0044】
なお、トナーチリの発生度合いについては、例えば、添加剤との混合によるトナー(現像剤)流動性の調整、トナー粒径の調整、中間転写ベルトの電気抵抗値の調整、感光ドラムの直径(感光ベルトの場合にはベルト表面のビーム照射位置における曲率)の調整、一次転写ニップや二次転写ニップにおける転写電界領域の大きさの調整などにより調整が可能である。
【0045】
次に、濃度階調表現のための画像データの処理方法について説明する。
従来、電子写真方式の画像形成方法で用いられてきた濃度階調表現のための一般的な画像データの処理方法としては、ディザ法や誤差拡散法などがある。
【0046】
このディザ法は、マトリックス単位で階調を表現するものである。具体的には、複数の基本画素からなるマトリックスを設定するとともに、各基本画素毎に濃度の閾値を設定し、画像データでこの閾値以上の濃度が示される基本画素部分を画像部であるとみなし、この閾値よりも低い濃度が示される基本画素部分を非画像部(地肌部)であるとみなす。このようなディザ法において、濃度の閾値の設定方法としては、電子写真方式特有の現像特性にマッチングしたドット集中型が用いられることが多い。このドット集中型においては、中間電位になる感光層領域が少なくなるので、感光体の速度変動により生ずる中間電位の領域の電位変動に起因するバンディングは発生し難い。しかしながら、濃度階調表現のマトリックスの形状が際立って画像のザラツキとして認識され易いという欠点がある。
【0047】
一方、誤差拡散法は、インクジェット方式などで広く用いられている処理法であり、形成すべき画素の濃度を複数画素にわたって累積していき、その濃度レベルが閾値を超える毎に一定あるいは数レベルの大きさと濃度のドットを形成していく方法である。この誤差拡散法においては、低濃度の画像部におけるドット間隔が大きくなり、高濃度の画像部におけるドット間隔が小さくなる。このため、ドットが視認できないものになっていればそのほんどが独立しているため、ザラツキを感じさせない良好な画像が得られる。しかしながら、ディザ法とは反対に中間領域の潜像が各ドットの周囲にできるため、バンディングが発生し易いという欠点がある。
【0048】
そこで、濃度階調表現のための画像データの処理方法として誤差拡散法を採用し、且つ、上述のような各方程式、感光層の厚さ、あるいはトナーチリの発生度合いの要件を具備させることで、バンディングを目立ち難くしながらザラツキのない画像を得ることができる。
【0049】
本発明は、以上の検討の中から生まれた新たな技術的思想であり、従来の電子写真に適用することで、バンディングの目立たない画像を形成することができる。
【0050】
なお、実施形態において、移動力伝達手段としてギア列を備える画像形成装置について説明したが、例えば歯車としてのギアプーリとタイミングベルトからなるものなど、少なくとも歯車を有する移動力伝達手段を備える画像形成装置であれば本発明の適用が可能である。
【0051】
また、潜像担持体として感光ドラムを備える画像形成装置について説明したが、他の潜像担持ドラムや潜像担持ベルトを備える画像形成装置についても本発明の適用が可能である。潜像担持ベルトを備える画像形成装置においては、該潜像担持ベルトの光ビーム照射位置での曲率半径をDpとすればよい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1、2又は3の発明によれば、潜像担持体の回転軸に固定された歯車の噛み合わせに起因して生ずるバンディングを目立ち難くすることができるという優れた効果がある。
【0054】
また特に、請求項3の発明によれば、画像のザラツキ感を低減するので、該ザラツキ感を低減しながら、移動力伝達手段内で最も潜像担持体側に位置する歯車の噛み合わせに起因して生ずるバンディングを低減することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】バンディングの発生周期Lg(π×Dp×M/Dg)と、1/e径Lbとの関係を示すグラフ。
【図3】ビーム強度分布曲線を示すグラフ。
【図4】転写紙上のライン画像を示す拡大図。
【図5】画像上に出現する濃度ムラの空間周波数(X軸)と、ヒトに対する該濃度ムラの許容濃度差(Y軸)との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電チャージャ
3 光書き込みユニット
4 現像装置
5 一次転写装置
6 二次転写ローラ
7 除電装置
8 クリーニングブレード
9 定着装置
Claims (3)
- 回転軸を中心にして回転する表面に潜像を担持するドラム状の潜像担持体と、該表面に対して光ビームを照射して該潜像を担持させるビーム照射手段と、該潜像を顕像化させる顕像化手段と、該潜像担持体に回転力を伝達するために該回転軸に固定された歯車を有する移動力伝達手段と、該移動力伝達手段を介して該潜像担持体に移動力を付与する移動力付与手段とを備える画像形成装置において、
上記歯車の直径をDg[mm]、モジュールをM[mm]とし、且つ、上記潜像担持体の直径をDp[mm]、円周率をπ、該表面上のビームスポット内でのビーム強度がそのピーク値の1/eになる領域の該表面移動方向における径をLb[mm]とした場合に、次の数1で示した条件式を具備させたことを特徴とする画像形成装置。
- 上記潜像担持体が感光体である請求項1の画像形成装置において、
該感光体の表面における感光層の厚みを15[μm]以下に形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 画像データを中間調処理する画像データ処理手段を備え、中間調処理したデータに基づいて上記潜像担持体に上記光ビームを照射する請求項1又は2の画像形成装置において、誤差拡散方式により該画像データを中間調処理させるように該画像データ処理手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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