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JP3727597B2 - 表面処理済フィルム、及び該表面処理済フィルムを用いた金属蒸着フィルム、及び金属蒸着フィルムの製造方法 - Google Patents
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JP3727597B2 - 表面処理済フィルム、及び該表面処理済フィルムを用いた金属蒸着フィルム、及び金属蒸着フィルムの製造方法 - Google Patents

表面処理済フィルム、及び該表面処理済フィルムを用いた金属蒸着フィルム、及び金属蒸着フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、表面処理済フィルム、該表面処理済フィルムを用いた金属蒸着フィルム、及び金属蒸着フィルムの製造方法に関するものであり、特にフィルム表面に対して金属蒸着層を形成する時のフィルム表面と金属蒸着層との間に生じる密着力を増加させることを可能とした表面処理済フィルム、及び該表面処理済フィルムを用いた金属蒸着フィルム、さらに該金属蒸着フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な種類のフィルム表面に対して金属蒸着層を形成する時に金属蒸着層をフィルム表面に密着させやすくする為に、即ちフィルム表面と金属蒸着層との間の密着力を増加させるために、フィルム表面に対して予め表面処理を施した後に該処理済表面に対して金属蒸着層を設ける、という方法が用いられる。特に低吸水性等に優れたシクロオレフィン系フィルムに金属蒸着層を設けると、昨今普及している液晶表示装置等に用いられる半透過・半反射膜として利用可能となるので、シクロオレフィン系フィルム表面と金属蒸着層との間に生じる密着性を向上させることが望まれている。
【0003】
さて、この低吸水性等に優れたシクロオレフィン系フィルムの表面にアルミニウム等の金属を蒸着させて金属蒸着層を設けるには、従来は、大気中での放電を利用して表面改質を行うコロナ放電処理や、同じく真空中での放電を利用して表面改質を行うグロー放電処理を最初にフィルム表面に対して行うことによりフィルム表面を易接着化し、次いで上記の処理が済んだフィルム表面に対して金属蒸着層を設けることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したようなコロナ放電処理やグロー放電処理によってシクロオレフィン系フィルムの表面改質を行った後に、その表面に金属蒸着層を設けようとしても、シクロオレフィン系フィルム表面と金属蒸着層との間には必ずしも所望する充分な密着力は生じなかった。シクロオレフィン系フィルムであれば、その構造上極性基が存在しておらず、そのため、コロナ放電やグロー放電処理を行っても密着力の向上はなかなか容易には実現できなかった。
【0005】
そこで、この密着力を増強するという観点から、特開平8−267645号公報では、グロー放電下において特定厚さのアンカー蒸着層を設けることで密着力を増す、という発明が開示されている。しかしこの方法ではグロー放電と金属蒸着を同時に行う必要があり、そのため作業工程は困難であり、ひいては製造コストがかかってしまう、という問題点があった。
【0006】
その他、酸素ガスを用いた直流グロー放電によるプラズマ処理を施す場合であっても、従来はさらに核付け金属蒸着を行う必要のある方法も提示されているが、この方法であれば、核付け金属蒸着を行うという工程が余計に存在するために一層作業工程全体が困難なものとなってしまい、やはり問題であった。
【0007】
本願発明はこのような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、簡潔な方法でシクロオレフィン系フィルム表面と金属蒸着層との間の密着力を充分なものとすることが出来る、表面処理を施されたシクロオレフィン系フィルム、該フィルムを用いた金属蒸着フィルム、及び該金属蒸着フィルムの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の発明は、シクロオレフィン系フィルムの片面若しくは両面に対して、プラズマ放電処理を施してなる、表面処理済フィルムであって、前記プラズマ放電処理は、放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であり、かつ、前記プラズマ放電処理の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下であること、を特徴とする。
【0009】
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表面処理済フィルムの、プラズマ処理を施した面に直接金属蒸着層を設けてなること、を特徴とする。
【0010】
本願発明の請求項3に記載の発明は、シクロオレフィン系フィルムの片面若しくは両面に対して、プラズマ放電処理を施してなる、プラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程を終えたシクロオレフィン系フィルムのプラズマ処理面に対して直接金属蒸着層を設けてなる、蒸着工程と、よりなる工程であって、前記プラズマ処理工程におけるプラズマ放電処理は、放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であり、かつ、前記プラズマ放電処理の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下であること、を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必すしもこの実施の形態に限定されるものではない。(実施の形態1)
本願発明に係る表面処理済フィルムを第1の実施の形態として、説明する。
ここで用いるフィルムはシクロオレフィン系フィルムであり、表面処理フィルムとは、シクロオレフィン系フィルムの表面に対してプラズマ放電処理を施したものを想定しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他のフィルムとすることも考えられる。またフィルム表面とは両面でもよいが、以下の説明ではフィルム片面に対して処理を施した状態を想定して説明する。
【0016】
プラズマ放電処理は公知の方法で構わないが、特に放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電とすると、密着力に関して非常によい効果が得られ、さらにその際のプラ図今放電の強度を220W・min/m 以上700W・min/m 以下とすると、より好適な効果が得られる。つまり、シクロオレフィン系フィルム表面に対してプラズマ処理を施すことによりフィルム表面がクリーニングされ、その結果表面が改質され官能基が形成されるので、この官能基を用いることで密着力が大変好適に向上するのである。そして放電の強度を上記範囲とすることで表面に脆弱層を形成しにくくなる。
【0017】
このようにして形成される表面処理済フィルムを用いた金属蒸着フィルムについて説明する。
シクロオレフィン系フィルムとしては、例えばジシクロペンタジエンを原料として高分子化させたシクロオレフィン系樹脂を主成分とするフィルムであることが好適であるが、これであれば低吸水性であること、加水分解などが起きないために廃棄・燃焼時における環境問題をひきおこさないこと、という点において大変好適な性質を得ることが出来るので好ましい。またこのフィルムを基材として用いると、大変に性能の好適な半透過・半反射フィルムの製造が可能となるが、このようなフィルムは昨今の液晶表示装置の普及に伴い、ニーズが急増しているものである。尚詳述はしないが、シクロオレフィン系フィルムに用いる樹脂としては、上記以外にも、例えばポリエチレン(PE)、又はポリプロピレン(PP)、のいずれか又は双方のポリオレフィンであって、分子骨格中に脂環構造を持たせたシクロオレフィン系樹脂を用いることも考えられる。また、シクロオレフィン系フィルムの厚さは4μmから200μmのものであることが好ましい。この範囲内にあればハンドリング性が好適なものとなるからである。
【0018】
ところで、このシクロオレフィン系フィルムは極性を有していないので、そのままの状態であれば密着力は殆ど無い。そこで本実施の形態においてはその密着力を増すために、フィルム表面に対してプラズマ処理を行うことで表面改質を行い、シクロオレフィン系フィルムとその上に蒸着する層、例えば金属蒸着層、との密着力を向上させるのである。
【0019】
そこでこのプラズマ処理に関して具体的に説明する。
本実施の形態では放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であるものとしている。そしてシクロオレフィン系フィルムの表面に対して酸素ガスを用いたプラズマ放電処理を施すことにより、シクロオレフィンの有する基の一部が切断されて、酸素原子の腕が表面に現れる。この酸素原子の腕を用いることで、本実施の形態に係るシクロオレフィン系フィルムのプラズマ処理を施した表面と金属蒸着層との間の密着力を充分なものとすることが出来るのである。即ち、酸素原子の腕と金属蒸着層を構成する金属分子の腕が化学結合を起こし、それが故に密着力の向上が図れるのであり、また放電ガスとして酸素ガスを用いる理由である。
尚、本実施の形態に係るシクロオレフィン系フィルムに密着させる金属蒸着層を構成する物質としては、アルミニウム、クロム、インジウム、スズ、ニッケル等が考えられ、さらには金属酸化物であるSiO2、ITO、などが考えられるが、本実施の形態においてはこれらに限定するものではない。
【0020】
本実施の形態に係る表面処理済フィルムは以上説明の通りであるが、このフィルムを製造する方法としては、シクロオレフィン系フィルムの片面若しくは両面に対してプラズマ放電処理を施すプラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程を終えたシクロオレフィン系フィルムのプラズマ処理面に対して直接金属蒸着層を設ける蒸着工程と、を備えた製造方法とすることが考えられる。しかし本実施の形態に係るフィルムは上記以外の製法で製造されたものであっても構わない。
【0021】
また、前記プラズマ放電処理は放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であり、さらに前記プラズマ放電の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下であるようにするとより好適な金属蒸着用フィルムを製造することが出来る。蒸着工程については、公知の蒸着方法を用いる事が出来る。
【0022】
以上のように、本実施の形態に係る表面処理済フィルムであれば、表面の密着力を向上させたシクロオレフィン系フィルムを得ることができ、また該シクロオレフィン系フィルムを用いることで金属蒸着層との密着力が向上した
金属蒸着フィルムを得ることが出来る。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本願発明をより具体的に説明するが、必ずしも本願発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、ラミネート強度の評価については、次のように行った。
【0024】
(ラミネート強度の評価方法)
金属蒸着層面に、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体接着剤を固形分で3μm相当をコートし、この塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体接着剤を介して、厚さ200μmの軟質塩ビフィルムと重ね合わせる。そしてこれに対して、125℃下で2.0kg/cm2の圧力をかけて2秒間圧着し、25℃の雰囲気で24時間エージングを行う。エージング終了後、これを15mm×200mmの寸法に切り出し、卓上形精密万能試験機(株式会社島津製作所製 島津オートグラフAGS−100)により、Al蒸着層と接着剤層との間を引張速度200mm/minで90°剥離する。この剥離時の強度を密着強度として評価測定した(以下、これを「ドライ密着強度」と呼ぶ)。また、上記と同様の方法で引っ張り始めた時に剥離面に蒸留水を2〜3滴滴下したものについて、剥離時の強度を密着強度として評価測定した(以下、これを「ウェット密着強度」と呼ぶ)。
【0025】
(実施例及び比較例)
シクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン株式会社性「ZEONOR」膜厚50μm)表面に対してプラズマ処理を行い、該プラズマ処理面の上に金属層としてアルミニウム層を形成した。具体的には作業ガス圧を0.1Pa〜10Paとし、ロール・ツー・ロール方式の真空蒸着機を用いて、酸素の直流グロー放電によるプラズマ処理を施した上で、該プラズマ処理面上に抵抗加熱による蒸着によってアルミニウムの蒸着を行い、金属層を形成した。その結果について以下に示す。尚、プラズマ処理を行わなかった場合、放電ガスを窒素とした場合、放電ガスをアルゴンとした場合、また放電ガスは酸素であるもののプラズマ強度を220W・min/m 以上700W・min/m 以下の範囲外とした場合、についても同様の試験を行った。その結果も比較例として以下に示す。
【表1】
Figure 0003727597
【0026】
上記図に示されるとおり、酸素プラズマであってプラズマ放電の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下の範囲にある場合は密着強度は高い数値を示すが、それ以外の場合における密着強度は低い数値しか示さないことがわかる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本願発明の請求項1に記載のフィルムによれば、シクロオレフィン系フィルムの片面若しくは両面に対して、プラズマ放電処理を施したので、シクロオレフィンの構造の一部が切断されてシクロオレフィン系フィルムの表面に官能基の腕が出ることになり、この腕を用いることで、金属蒸着層を設けると密着力の増強したものとすることが出来る。
【0028】
また、本願発明によれば、プラズマ放電処理における放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であることし、かつプラズマ放電の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下であることとしたので、官能基の腕として酸素原子の腕を利用できるようになり、より一層密着力を向上させることが可能となり、また表面に脆弱層を形成しなくなるのである。

Claims (3)

  1. シクロオレフィン系フィルムの片面若しくは両面に対して、プラズマ放電処理を施してなる、表面処理済フィルムであって、
    前記プラズマ放電処理は、放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であり、
    かつ、前記プラズマ放電処理の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下であること、
    を特徴とする、表面処理済フィルム。
  2. 請求項1に記載の表面処理済フィルムの、
    プラズマ処理を施した面に直接金属蒸着層を設けてなること、
    を特徴とする、金属蒸着フィルム。
  3. シクロオレフィン系フィルムの片面若しくは両面に対して、プラズマ放電処理を施してなる、プラズマ処理工程と、
    前記プラズマ処理工程を終えたシクロオレフィン系フィルムのプラズマ処理面に対して直接金属蒸着層を設けてなる、蒸着工程と、
    よりなる工程であって、
    前記プラズマ処理工程におけるプラズマ放電処理は、放電ガスを酸素ガスとした直流グロー放電であり、
    かつ、前記プラズマ放電処理の強度が220W・min/m 以上700W・min/m 以下であること、
    を特徴とする、金属蒸着フィルムの製造方法。
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