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JP3729966B2 - 接合シートおよびその製造方法 - Google Patents
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JP3729966B2 - 接合シートおよびその製造方法 - Google Patents

接合シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗トイレットの清掃用、除菌または殺菌用、あるいは人体のおしり拭き用、あるいは室内の清掃用やおしぼり用などの、ウエットまたはドライな拭き取りシートなどとして使用される接合シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレットや室内の清掃、あるいはおしぼりなどとして、ウエットシートが使用される。このウエットシートは、木材パルプ繊維などで形成された紙、または吸水性繊維により形成された不織布に、清浄薬液が含浸されたものである。前記清浄薬液には、水とアルコールに界面活性剤、清浄成分や防腐剤、香料などが含まれる。また、水洗トイレットの清掃用のウエットシートでは、水解性シート(水解紙)に、水解を抑制する薬液が含浸されたものが使用される。
これらの拭き取りシートとして、手で持ったときのボリューム感を与えるように、複数のシートを重ねて接合し、嵩高としたものがある。また、複数のシート間を部分的に接合する接合方法として、接着剤を用いるものがある。特に、水洗トイレットに流すことのできるウエットシートでは、水解性シートが水溶性の接着剤により接合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
紙または不織布などのシートを接着剤で接合する場合、シートの表面に接着剤を塗布する工程が必要になる。この接着剤塗布工程において、接着剤をシートの表面の所定の面積の範囲に均一に塗布することは比較的容易である。しかし、広い面積に塗布された接着剤を介してシートを接合したものでは、シートの面積に対する接着接合部の面積の占有率が広くなり、全体としてごわごわした感じとなって軟質感が乏しくなり、手での保持感触が悪くなる。また接着接合面積が広くなりすぎると、シート表面での汚れの拭き取り効果も低下する。
したがって、シートどうしを接着剤で接合する場合には、シート表面に間隔を開けて所定のパターンで接着剤を塗布し、接着剤の塗布パターンに合わせたエンボスを用いて、接着剤の塗布領域を加圧し、接着剤の塗布パターンに合わせた接着接合部を形成することが好ましい。シートが間隔を開けて部分的に接合されたものでは、シート全体に軟質感を与えることができ、また接着接合領域の面積率を低下させ、シート表面での拭き取り効果を高くできる。
【0004】
また、本発明の発明者は、平成8年特許願第257032号において、クレープ率の相違するシートを部分的な接合部により互いに接合し、薬液を含浸させたときのクレープ復元によるシートの伸び率の相違により、接合部間でシートに膨らみを形成し、これにより嵩高の拭き取りシートを形成することを提案した。この場合も、シート表面に規則的な膨らみを発生させるために、シートどうしを接合する接合部を、所定の間隔を開けて形成することが必要である。
しかしながら、シートの表面に接着剤を所定のパターンで間隔を開けて塗布するには、スクリーン印刷法などの特殊な工程が必要になる。またこの場合には、シート表面に塗布された接着剤の塗布パターンと、シートを加圧するためのエンボスロールの加圧エンボスを、互いに位置合わせしなければならず、作業設備の設定および調整が複雑なものになる。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、複数のシートが部分的な接合部により接合されたものにおいて、接着剤の塗布パターンを単純な形状にし、しかも間隔を開けた部分的な接合部を形成できるようにした接合シートおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のシートが部分的に接合された接合シートにおいて、
シートどうしの合わせ面に、接着剤が帯状に連続して塗布された帯状塗布領域が間隔を開け且つ互いに交叉することなく形成されて、前記帯状塗布領域と帯状塗布領域との間に接着剤が塗布されていない非塗布領域が設けられ、
それぞれの前記帯状塗布領域に沿って複数の接合部が間隔を開けて列を成し、個々の前記接合部では前記帯状塗布領域上でシートどうしが部分的に加圧されて前記接着剤で固定されており、
第1のシートはクレープ加工された紙または不織布であって、クレープが復元したときに前記帯状塗布領域に沿って伸びることが可能で、第2のシートは前記第1のシートよりも低クレープ率の紙または不織布、あるいはクレープを有しないシートであり、
前記第1のシートの前記クレープが復元されて、前記帯状塗布領域上で前記接合部と接合部との間で弛みが生じるとともに、前記第1のシートに前記帯状塗布領域と帯状塗布領域との間で前記非塗布領域を横断する皺が形成され、前記皺の凹凸が前記接合部のピッチに対応して形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記において、前記加圧領域の幅寸法が、接着剤の帯状の塗布領域の幅寸法よりも大きいことが好ましい。
【0008】
例えば、接合される複数のシートは、クレープ加工された1枚以上の第1のシートと、前記第1のシートよりも低クレープ率のまたはクレープを有しない第2のシートとから成り、前記第1のシートのクレープが復元され、前記接合部間で膨らみが形成されて、全体が嵩高とされているものである。この嵩高のシートを拭き取りシートとして使用すると、手での保持感触に優れ、また薬液の含浸率も高くなる。
【0009】
また、水洗トイレットに流すことのできる拭き取りシートとして使用する場合には、シートは、水溶性または水膨潤性のバインダーを含んだ水解性シートであり、且つ接着剤が水溶性接着剤である。
【0010】
この場合に、前記バインダーと前記水溶性接着剤が同系の物質から成り、且つシートに、前記バインダーと水溶性接着剤の双方の溶解を抑制する薬液が含浸されているものとすることが好ましい。
【0011】
本発明の接合シートは、複数枚のシートが重ねられて部分的に接合されたものであり、嵩高のウエットまたはドライの拭き取りシートとして使用される。または、拭き取りシート以外の他の用途の軟質のシートとして使用される。前記シートは、湿式抄紙法などで形成された紙または吸水性繊維を含む不織布などである。
【0012】
この接合シートでは、シートの合わせ面に、接着剤が帯状に塗布されているが、実際の接合部または主な接合部あるいは最も接合強度の高い接合部は、接着剤の帯状の塗布領域に沿って間隔を開けて部分的に加圧領域を設けることにより形成される。したがって、接着剤をシート表面に連続塗布できるようになり、接着剤の塗布工程を簡単にでき、また比較的粘度の高い接着剤を均一に塗布することが可能になる。しかも、シート間を強固に接着接合している接合部は間隔を開けて形成されるために、接合部の面積率が低くなり、シート全体の軟質性を維持でき、手で保持して拭き取りなどを行なうときの感触がよくなる。また接着接合部の面積率を低くできるため、シート表面において、汚れの拭き取りに使用される面を広く確保できる。
【0013】
本発明の好ましい例では、図2(A)に示すように、製造工程でのシートの流れ方向(MD;Machine Direction)に沿って接着剤が複数列で帯状に形成されており、この帯状の接着剤塗布領域に沿って接合部が列をなして等ピッチにて形成される。また接合された第1のシートはクレープ加工が施された紙であり、これに接合される第2のシートは、前記第1のシートよりもクレープ率の低いまたはクレープを有しない紙である。接合後にシートに薬液を含浸させると、第1のシートのクレープが復元して伸びが発生し、前記接合部のピッチに応じた膨らみによる凹凸皺が形成される。
【0014】
この接合シートを拭き取りシートとして使用すると、全体が嵩高で手で保持しやすく、また拭き取り作業では、前記凹凸皺により汚れを有効に除去できるようになる。
【0015】
また図2(B)に示すように、接着剤の帯状の塗布領域よりも、加圧領域の幅寸法が大きく設定されると、接着剤の塗布領域と、エンボスロールなどによる加圧領域とがX方向へ若干位置ずれしても、接着剤の塗布領域が確実に加圧領域内に入り、加圧領域内で接合部の面積を設定通り確保でき、シート全体の接着強度の低下を防止できる。
【0016】
またシートは2枚接合されていてもよいし、あるいは高クレープ率の第1のシートが2枚で、その中間に低クレープ率またはクレープを有しない第2のシートが接合された3枚構造であってもよい。
【0017】
本発明でのシートは、吸水性繊維として木材パルプ,木綿繊維,麻繊維,竹繊維などの天然繊維が含まれた紙、または前記天然パルプ繊維とレーヨンなどの化学繊維とが含まれた紙であり、あるいはこれらの繊維から形成された不織布である。
【0018】
シート間の接合に用いられる接着剤として、EVA系などのホットメルト接着剤を使用することが可能である。またウエットな拭き取りシートとして使用されるときには、シートに清浄薬液が含まれる。清浄薬液としては、水とアルコールに界面活性剤、清浄成分や防腐剤、香料などが含まれたものが使用される。あるいはドライの状態で販売し、使用の際に、ユーザーが水または前記清浄薬液を含浸させるものであってもよい。
【0019】
また、シートが、天然パルプなどの繊維とカルボキシルメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロースなどの水溶性または水膨潤性のバインダーとから成る水解性シート(水解紙)で、水洗トイレットに流せるものである場合には、シート間がカルボキシメチルセルロースなどの水溶性接着剤により接着されて前記接合部が形成される。この場合に、シートに含ませる清浄薬液は、水にアルコール、およびカルシウムやストロンチュームなどの金属イオンが含まれたものなどが使用される。この金属イオンによりシートに含浸された薬液によるシートの解離および接着剤の溶解が抑制され、使用中は、シート強度を保つことができ、水洗トイレットに流した後は、清浄薬液が水で希釈化され、シートの水解および接着剤の解離が可能になる。
【0020】
本発明では、帯状に塗布された水溶性接着剤に対し、加圧領域が間隔を開けて形成されているため、加圧領域以外では、水溶性接着剤によるシートどうしの接合力が弱くなっている。あるいは加圧領域以外で、シートがほとんど接合されていない。よって薬液が多くの水で希釈されるときに、加圧領域以外の部分での水溶性接着剤の溶解が速く起こり、シートの水解が促進されることになる。
【0021】
上記の水解性シートを使用する場合、シートに含まれる水溶性または水膨潤性のバインダーと、シートを接合する水溶性接着剤との組合せはどのようなものであってもよいが、前記バインダーおよび水溶性接着剤として同系の物質を用いることが好ましい。バインダーと水溶性接着剤として同系のものを用いると、薬液に含ませた同種の金属イオンにより、バインダーと水溶性接着剤の双方の溶解を抑制することが可能である。
【0022】
バインダーとしては、カルボキシルメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロース−Na、ポリビニールアルコール、アルギン酸ナトリウム、デンプンなどが使用可能であり、この場合に、水溶性接着剤としても同種のものが用いられる。
【0023】
バインダーと水溶性接着剤が、カルボキシルメチル化パルプと、カルボキシメチルセルロース−Naの組合せ、または共にカルボキシメチルセルロース−Naの場合、薬液にはCaCl2,ZnSO4,MgSO4から選ばれる1種以上の金属イオンを含ませる。前記バインダーおよび接着剤は、前記金属イオンと架橋コンプレックスを起こし、シートどうしの接合の解離およびシートの解離とが抑制される。またこのシートが水洗トイレットに流されると、前記金属イオンが水で希釈化されて、シートが解離される。
【0024】
バインダーと水溶性接着剤が、ポリビニールアルコールの場合、薬液にはNa2SO4,KCl,K2SO4から選ばれる1種以上の金属イオンを含ませる。前記バインダーおよび水溶性接着剤は、前記金属イオンにより塩析を起こし、薬液に対する溶解が抑制される。このため、シートの強度および接合強度を高くできる。この場合も、水洗トイレットに流すと、前記金属イオンが水で希釈化され、シートの接着が解離し、且つシートが水解する。
【0025】
次に本発明の接合シートの製造方法は、
複数のシートが部分的に接合された接合シートの製造方法において、
複数のシートが部分的に接合された接合シートの製造方法において、
高クレープ率の紙または不織布である第1のシートと、低クレープ率の紙または不織布、あるいはクレープを有しないシートである第2のシートを、クレープが復元したときにシートが伸びる方向に沿って送り出し、いずれかのシートの表面に、接着剤を前記送り出し方向に沿って連続して帯状に塗布して帯状塗布領域を形成し、且つ前記帯状塗布領域を前記送り出し方向と直交する方向へ間隔を空け且つ互いに交叉することなく形成する接着剤塗布工程と、
前記シートの接着剤塗布面に他方のシートを重ね、前記帯状塗布領域上でシートどうしを加圧して前記接着剤で固定された接合部を形成し、この接合部を前記帯状塗布領域に沿って間隔を空けて列を成すように形成する加圧接合工程と、
前記第1のシートのクレープを復元させて、前記帯状塗布領域上で前記接合部と接合部の間で弛みを生じさせるとともに、前記第1のシートに、前記帯状塗布領域と帯状塗布領域との間を横断し前記接合部のピッチに対応する凹凸を有する皺を形成する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0026】
上記接着剤塗布工程では、吐出スリットを有するコーターが使用され、前記吐出スリットがシート表面に接触した状態で、前記吐出スリットからシート表面に、粘度が200〜20,000(cps;センチポアズ)の接着剤を供給して塗布することが好ましい。
【0027】
この接着剤塗布工程では、吐出スリットをシート表面に接触させているため、比較的粘度の高い接着剤を、シート表面に確実に塗布できる。また、粘度の高い接着剤を帯状に塗布しているため、この接着剤がシート表面で必要以上に広がることがなく、各接合部において、シート間の接着強度を十分に確保できる。
【0028】
また、加圧接合工程では、接着剤の帯状の塗布領域よりも幅寸法の大きいエンボスを有するエンボスロールを用い、前記エンボスにより、接着剤の帯状の塗布領域を間隔を開けて部分的に加圧することが好ましい。
【0029】
この工程では、接着剤の帯状の塗布領域がエンボスによって確実に加圧されることになる。
【0030】
さらに、接合シートとしてウエットな拭き取りシートを製造する場合に、加圧接合工程の後に、接着されたシートを折り畳む折り工程と、折り畳まれたシートの1枚ずつに薬液を含浸させる薬液含浸工程と、を設けることが好ましい。
【0031】
シートに対して1枚ずつ薬液を含浸させ、その後に密封包装することにより、1枚ずつのシートに薬液が確実に含浸されることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の接合シートの一例としての拭き取りシートの構造を示す斜視図、図2(A)はこの拭き取りシートの平面図、図2(B)は図2(A)の一部拡大図である。
この拭き取りシート1は、トイレットや台所などの室内の清掃用、またはおしり拭き用、あるいはおしぼりなどとして使用されるものであり、清浄用の薬液が含浸された非水解性のウエットシート、または、汚れを拭き取った後に水洗トイレットに流すことができる水解性のウエットシート、または乾いた状態で使用されるドライシートである。
【0033】
前記拭き取りシート1は、2枚の第1のシートS1の中間に第2のシートS2が介装されて接合された3層のサンドイッチ構造である。第1のシートS1は、パルプ繊維などから湿式で抄紙形成された原紙シートに高クレープ率のクレープ加工が施されたものであり、第2のシートS2は、前記第1のシートS1よりも低クレープ率のクレープ加工が施されたものあるいはクレープ加工が施されていないものである。
【0034】
3枚のシートを互いに接着接合している接着接合部Aは、X方向へ一定の間隔を開け、Y方向(列方向)に沿って直線状に形成されている。前記接着接合部Aでは、上下に位置する第1のシートS1,S1と、中間の第2のシートS2との合わせ面に、接着剤2が帯状に塗布されている。この接着剤2の帯状の塗布領域は、X方向(CD;Cross Direction)に所定の幅寸法bを有して、シートの流れ方向(MD)(Y方向)に沿って直線状に延びている。
【0035】
Y方向に延びる接着剤2の塗布領域は、一定のピッチpで間隔を開けて加圧されている。図2(A)(B)ではこの加圧領域を符号3で示している。この加圧領域3は、図4(A)に示す熱エンボス5aにより加圧され且つ加熱されて形成されたものであり、個々の加圧領域3は、X方向とY方向の双方に対して、傾斜して形成されている。
【0036】
接着剤2の帯状の塗布領域のうち、前記加圧領域3にて加圧され且つ加熱された部分(ハッチングを付した部分)が、シート間を接着接合した短接合部aである。この短接合部aにおいて、第1のシートS1と第2のシートS2は互いに強固に接着接合されている。また加圧領域3以外の接着剤2の塗布領域(cで示す領域)では、シート間が接着されないか、または接着されたとしても、その接着強度は、前記短接合部aに比べてきわめて弱くなっている。
【0037】
前記接着接合部Aにおいて接着接合された各シートS1,S1,S2に清浄薬液などの液体が含浸されると、第1のシートS1のクレープ加工の微細な皺がY方向へ膨んで復元し伸びを生じる。このとき第1のシートS1と第2のシートS2は短接合部aできわめて強固に接着されているため、短接合部aでは第2のシートS2にY方向への伸びが発生しにくい。これに対し短接合部aと短接合部aで挟まれた領域cでは、シート間が接着されておらず、または接着されていたとしてもその接着強度がきわめて弱いため、この領域cに弛みが発生する。その結果、接着接合部Aと接着接合部Aとで挟まれた領域、すなわち短接合部aの成す列の列間の領域Lでは、両側の短接合部aを結ぶ谷部▲3▼が帯状に形成され、また領域cを結ぶ帯状の山部▲4▼が現れる。よって、短接合部aの成す列間に挟まれたLの領域では、短接合部aの配列ピッチpとほぼ一致したピッチで凹凸を繰り返し、皺Bが形成される。
【0038】
この皺Bが現れることにより、図1に示すような拭き取りシート1の全体にボリューム感が出る。また、この皺Bにより、拭き取りシートが手で掴みやすくなり、またこの皺Bによりシート1に凹凸ができるため汚れを拭き取る効果を高くできる。
【0039】
水解性のウエットシートを構成する場合には、第1のシートS1と第2のシートS2は、天然パルプ繊維(例えば90重量%)と、水膨潤性のバインダーとしてのカルボキシルメチル化パルプ(10重量%)とが配合されて湿式抄紙されたものである。そしてシート間を接合する接着剤2としてはカルボキシメチルセルロース−Naなどの水溶性接着剤が用いられる。また拭き取りシート1に含浸される薬液には、CaCl2,ZnSO4,MgSO4などから選ばれる1種以上の金属イオンが含まれる。前記バインダーおよび水溶性接着剤はこの金属イオンと架橋コンプレックスを起こす。このため、前記バインダーと水溶性接着剤の薬液に対する溶解が抑制されて、拭き取り時のシートの強度を維持できる。使用後に水洗トイレットに流されると、多量の水により前記金属イオンが希釈化され、短接合部aでのシート間の接着接合が解離され、またバインダーが膨潤して、パルプ繊維が解離する。
【0040】
短接合部aの間において第1のシートS1に適度に膨らみを持たせるためには、第2のシートS2と第1のシートS1とのクレープ皺の復元による伸び率の差を、20%以上で80%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは30%以上で60%以下である。
また、第1のシートS1および第2のシートS2の目付が大きすぎるとシートの柔軟性が低くなり、ごわごわして汚れを拭き取りにくく、また小さすぎてもシートの強度が小さくなり拭き取り動作の途中でシートが破れるなどの問題がある。したがって、第1および第2のシートのそれぞれの目付は20g/m2以上で100g/m2以下であることが好ましい。このようなシートを使用したとき、第1のシートと第2のシートの2層構造のものではシートの全目付は40g/m2以上で200g/m2以下となり、第2のシートS2の表裏両面に第1のシートS1が接合された3層構造のシートでは、全目付が60g/m2以上で300g/m2以下となる。
【0041】
次に、上記の接合シートの一例としての拭き取りシート1の製造方法を説明する。
図3は前記拭き取りシート1の製造設備を示す側面図、図4(A)(B)(C)は、製造工程の説明図であり、拭き取りシート1に関しては図2(A)でのIV−IV線の断面図に相当している。
図3に示すように、原紙原反10bおよび10cからは、高クレープ率の第1のシートS1が供給され、原紙原反10aからは、低クレープ率のまたはクレープを有しない第2のシートS2が供給される。
【0042】
接着剤塗布工程Iでは、第2のシートS2の表裏両面、すなわち第1のシートS1との合わせ面に、接着剤2が塗布される。この接着剤塗布工程Iでは、塗工機として2個のコーター11aと11bが設けられている。コーター11aと11bには、幅寸法がほぼbの吐出スリット12a,12bが複数列にて開口しているものであり、この吐出スリット12a,12bは、第2のシートS2の表裏両面に接触させられている。なお吐出スリット12a,12bのY方向(MD)の隙間幅寸法は1mmから3mm程度である。
【0043】
カルボキシメチルセルロース−Naなどの接着剤は、タンク13から、ギヤポンプなどの定量ポンプ14により各コーター11aと11bに供給される。前記定量ポンプ14により、接着剤は、第2のシートS2のY方向(MD)への送り速度に合わせて定量にて供給され、接着剤は各コーター11aと11bの吐出スリット12a,12bから第2のシートS2の表裏両面に塗布される。
ここで、接着剤の粘度は、200cps(センチポアズ)以上で20,000cps以下の比較的高粘度のものが使用される。この粘度の測定は、芝浦システム(株)のB型粘度計を用い、20℃で6rpmの条件で行なわれたものである。前記吐出スリット12aと12bが第2のシートS2の表面に接触していることにより、比較的高粘度の接着剤を第2のシートS2に均一に塗布することができる。比較的高粘度の接着剤を用いることにより、吐出スリット12aと12bから第2のシートS2に与えられた接着剤2は、ほぼ吐出スリット12a,12bの開口幅寸法に一致して、図2(A)(B)に示すように、幅寸法bとなるように帯状に且つ均一に塗布される。
【0044】
接着剤の粘度が200cps未満であると、第2のシートS2の表面で接着剤が拡散し、第2のシートS2に塗布する接着剤2が幅寸法bよりもさらに左右に拡散しやすくなる。また粘度が低いと、接着剤がシート内部に浸透しやすくなり、幅が広がりすぎるのみならず、シート表面に強固な接着に必要な接着剤層を形成できなくなる。また、接着剤の粘度が20,000cpsを越えると、コーター11a,11bから、シート表面に接着剤を均一に塗布できなくなる。よって、接着剤の粘度は200cps以上で20,000cps以下であることが好ましく、さらに好ましくは200cps以上で10,000cps以下である。
このように、コーター11aと11bを第2のシートS2に接触させることにより、比較的高い粘度の接着剤を均一に塗布できるため、完成後の接合シートでは、短接合部aの接着強度を高くでき、また個々の短接合部aでの接着強度を均一にできる。
【0045】
なお、図3に示す例では、コーター11aと11bが、第2のシートS2の両面に接触しているが、これらのコーターが、上側の第1のシートS1の合わせ面、および下側のシートS1の合わせ面に接触していてもよい。
また、上記のコーターは比較的粘度の高い接着剤を一定の幅で且つ均一に塗布するための好ましい例であるが、前記コーター以外の手段、例えばグラビアコーティングやフレキソコーティングなどの手段を用いることも可能である。
【0046】
第2のシートS2の表裏両面に接着剤2が帯状に塗布された後に、3枚のシートが重ねられ、加圧接合工程IIにて加圧接着される。
加圧接合工程IIでは、表面が平坦な加熱ロール4と、表面にエンボス5aが形成された加熱エンボスロール5が設けられており、3枚に重ねられたシートは前記両ロール4と5とで挟持され、ロールの回転でY方向へ送られる。前記エンボスロール5の表面のエンボス5aのパターンは、図2(A)(B)に示す加圧領域3とほぼ同じ形状の凸部である。
【0047】
前記熱ロール4および熱エンボスロール5で、シートS1,S1とシートS2とが加熱されながら、前記エンボス5aにより、帯状の接着剤2の塗布領域が間隔を開けて加圧される。その結果、図4(B)に示すように、接着剤2の塗布領域と、エンボス5aによる加圧領域3との重なり部分が加熱され且つ加圧されて強固に接着されて短接合部aが形成される。また接着剤の塗布領域のうちのエンボス5aが当たらない領域cでは、シート間が接着されず、または接着されたとしてもその接着強度はわずかである。
【0048】
接着接合工程IIを経たシートは、折り工程IIIへ送られる。折り工程IIIに設けられた折り機15では、接着後のシートが所定の長さに切断され、且つ四つ折りまたは八つ折りなどに折り畳まれる。
折り畳まれたシートは薬液含浸工程IVへ送られる。この薬液含浸工程IVでは、折り畳まれたシートの1枚づつに塗布スプレー16により薬液が与えられる。そして、薬液が与えられたシートは密封包装される。シートの1枚ずつに薬液が含浸されるため、密封包装されたときに、折り畳まれたシートに薬液が確実に浸透する。前記薬液は、水とアルコール、界面活性剤、防腐剤および消臭剤や芳香剤などが混合された清浄薬液であり、また水解性シートの場合には金属イオンなどのシートS1およびS2のバインダーおよびシートS2に塗布される接着剤2の水解を抑制する成分が含まれる。
【0049】
図4(C)に示すように接着接合されたシートに清浄薬液が含浸されると、第1のシートS1のクレープ加工の微細な皺がY方向へ膨らむ。このとき短接合部aでは、シートS1とS2が強固に接着固定されているために、短接合部aではシートの伸びが抑制されるが、短接合部aに挟まれた領域cでは、接着強度が弱いために第1のシートS1の伸びが抑制されない。よって、接着接合部Aと接着接合部Aとで挟まれたLの領域において、短接合部aを結ぶ谷部▲3▼および、領域cを結ぶ山部▲4▼が現出し皺Bが形成される。
なお、本発明は上記に示したものに限られず、図5に示すように、低伸び率のクレープ加工が施され、またはクレープ加工が施されていない第2のシートS2と、高伸び率のクレープ加工が施された第1のシートS1とがそれぞれ一枚ずつ重ねられて2層構造となったものであってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明では、部分的な接着接合部を形成するに際し、接着剤は帯状に塗布されるため、接着剤塗布工程が簡単である。また接着剤を均一に塗布できる。
【0051】
また、シートどうしが固定される接着部は、間隔を開けて形成されるため、シート全体の軟質性を確保できる。また図1と図2に示すような凹凸皺を形成するための、接合部のパターン形成も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拭き取りシートの全体の構造を示す斜視図、
【図2】(A)は図1の一部を拡大して、接着接合部の形状とこれにより現れる皺の状態を示す平面図、(B)は(A)の部分拡大図、
【図3】本発明の接合シートの製造設備を示す側面図、
【図4】(A)(B)(C)は本発明の拭き取りシートの製造工程の一部を順に示すものであり、図2(A)のIV−IV線の断面図、
【図5】シートの積層構造の他の構成例を示す断面図、
【符号の説明】
1 拭き取りシート
2 接着剤
3 加圧領域
4 熱ロール
5 エンボスロール
11a,11b コーター
12a,12b 吐出スリット
15 折り機
16 薬液塗布スプレー
S1 第1のシート
S2 第2のシート
A 接着接合部
a 短接合部
c 接合されていない領域
p 短接合部のピッチ

Claims (9)

  1. 複数のシートが部分的に接合された接合シートにおいて、
    シートどうしの合わせ面に、接着剤が帯状に連続して塗布された帯状塗布領域が間隔を開け且つ互いに交叉することなく形成されて、前記帯状塗布領域と帯状塗布領域との間に接着剤が塗布されていない非塗布領域が設けられ、
    それぞれの前記帯状塗布領域に沿って複数の接合部が間隔を開けて列を成し、個々の前記接合部では前記帯状塗布領域上でシートどうしが部分的に加圧されて前記接着剤で固定されており、
    第1のシートはクレープ加工された紙または不織布であって、クレープが復元したときに前記帯状塗布領域に沿って伸びることが可能で、第2のシートは前記第1のシートよりも低クレープ率の紙または不織布、あるいはクレープを有しないシートであり、
    前記第1のシートの前記クレープが復元されて、前記帯状塗布領域上で前記接合部と接合部との間で弛みが生じるとともに、前記第1のシートに前記帯状塗布領域と帯状塗布領域との間で前記非塗布領域を横断する皺が形成され、前記皺の凹凸が前記接合部のピッチに対応して形成されていることを特徴とする接合シート。
  2. 前記接合部を形成するために前記シートどうし加圧する加圧領域の幅寸法が、前記帯状塗布領域の幅寸法よりも大きい請求項1記載の接合シート。
  3. 前記第1のシートは、前記第2のシートの両面に配置されている請求項1または2記載の接合シート。
  4. 前記第1のシートと第2のシートは、水溶性または水膨潤性のバインダーを含んだ水解性シートであり、且つ前記帯状塗布領域に塗布された接着剤が水溶性接着剤である請求項1ないし3のいずれかに記載の接合シート。
  5. 前記バインダーと前記水溶性接着剤は同系の物質から成り、且つ前記シートに、前記バインダーと水溶性接着剤の双方の溶解を抑制する薬液が含浸されている請求項4記載の接合シート。
  6. 複数のシートが部分的に接合された接合シートの製造方法において、
    高クレープ率の紙または不織布である第1のシートと、低クレープ率の紙または不織布、あるいはクレープを有しないシートである第2のシートを、クレープが復元したときにシートが伸びる方向に沿って送り出し、いずれかのシートの表面に、接着剤を前記送り出し方向に沿って連続して帯状に塗布して帯状塗布領域を形成し、且つ前記帯状塗布領域を前記送り出し方向と直交する方向へ間隔を空け且つ互いに交叉することなく形成する接着剤塗布工程と、
    前記シートの接着剤塗布面に他方のシートを重ね、前記帯状塗布領域上でシートどうしを加圧して前記接着剤で固定された接合部を形成し、この接合部を前記帯状塗布領域に沿って間隔を空けて列を成すように形成する加圧接合工程と、
    前記第1のシートのクレープを復元させて、前記帯状塗布領域上で前記接合部と接合部の間で弛みを生じさせるとともに、前記第1のシートに、前記帯状塗布領域と帯状塗布領域との間を横断し前記接合部のピッチに対応する凹凸を有する皺を形成する工程と、
    を有することを特徴とする接合シートの製造方法。
  7. 前記接着剤塗布工程では、吐出スリットを有するコーターが使用され、前記吐出スリットがシート表面に接触した状態で、前記吐出スリットからシート表面に、粘度が200〜20,000cps(センチポアズ)の接着剤を供給して塗布する請求項6記載の接合シートの製造方法。
  8. 前記加圧接合工程では、前記帯状塗布領域よりも幅寸法の大きいエンボスを有するエンボスロールを用い、前記エンボスでシートどうしを加圧して前記接合部を形成する請求項6または7記載の接合シートの製造方法。
  9. 前記加圧接合工程の後に、接着されたシートを折り畳む折り工程と、折り畳まれたシートに薬液を含浸させる薬液含浸工程と、が設けられ、この薬液含浸工程で前記第1のシートのクレープが復元される請求項6ないし8のいずれかに記載の接合シートの製造方法。
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