JP3735720B2 - 走行支援システムにおけるシステム安全性確保の方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路側のシステムと車載のシステムとが協調してドライバに情報を提供することにより、安全な走行を支援するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械が故障したり、人がミスをしたときに、人に危害を加えないようにする安全装置については、例えば、JIS B 9705-1 機械類の安全性 制御システムの安全関連部 第1部:設計のための一般原則に、その考え方と設計の手順などが示されている。一般の産業機械や原子力などの大規模システムでは、人はミスをするものであるという考え方から、出来るだけ人が介入しないようにして安全を確保している。また、人の介入がどうしても必要な場合には、十分に訓練された特定の人が操作するようにして安全性を確保している。
【0003】
これに対して、自動車交通システムは、免許制度があるとはいえ、プロではない一般ドライバの交通ルールの遵守と注意力により、その安全性が確保されている。このようなシステムの安全性を確保するための方法としては、交通取り締まりやドライバ教育などに頼ることが一般的であった。
【0004】
最近、ドライバのうっかりミスを低減するために、車両の周辺の障害物を検出するセンサを搭載して、ドライバに警告するシステムが普及してきたが、さらに、事故が多発する危険な場所での危険な状態を道路側に設置したセンサで検出して、車両やドライバに伝える安全走行支援システムが開発されている。
【0005】
この発明は、このような道路側に設置したシステムから、車両やドライバに危険な状況を伝える安全走行支援システムに関するものである。特に、道路側からの情報において、危険な状況があるのに、危険がないという誤った情報を提供したときに、ドライバがそれを信じて危険な状況に陥ることがあれば問題である。この発明はこのようなときの対策に関するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、走行支援システムの安全性確保に有効なシステム安全性確保の方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、道路側のシステムが所有する情報を、車両やドライバに提供することにより、車両の安全走行を支援するシステムにおいて、道路側が危険であるにも拘らず危険な状況をセンサが検出していないとき、システムの動作に限界があるとき、システムの一部が故障しているときなどに、そのシステムの状況から道路の情報を提供できないことを車両側やドライバに伝えて、ドライバに慎重な運転を促すシステム安全性確保の方法であって、少なくとも危険な状況があること、危険な状況があるかもしれないので慎重な運転を促すこと、情報が伝達できないことの3状態がドライバに理解できる情報を路側表示板や車内の情報機器などを通じて提供し、これら提供する情報において、前記道路側のシステムが所有する情報のうち、間違った情報ではあるが安全側の情報の場合には、そのまま提供する情報とし、間違った情報であって、安全側でない情報の場合には、前記危険な状況があるかもしれないので慎重な運転を促す情報とすることを特徴とする。請求項2に記載の発明は、請求項1において、道路側のシステムが設置される場所の特徴的な危険性を路側表示板や車内の情報機器などを通じてドライバに提供することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、詳細に述べる。
【0009】
走行支援システムは、図1に示すように、道路状況把握センサ2、路側装置3、路車間通信装置4、路側表示板6、の道路側システムと、車両5のシステムとで構成されている。このシステムは、例えば図2のようなカーブなどのドライバから見えにくくて事故が多い場所に設置される。
【0010】
このシステムは以下のように動作する。まず、道路状況把握センサ2が路上に停車した障害物1を検出して路側装置3に、障害物の位置や大きさなどの情報を伝達する。路側装置3は、その情報に基づき、路側表示板6に障害物があることを表示するとともに、路車間通信装置4を通して車両5に情報を伝達する。車両5は、受けた情報を車両の運行状態やドライバの操作状態に応じて、適切なタイミングでその情報をドライバに伝達する。このようにして、ドライバは、障害物がある現場に到達する前に状況を知ることができるので、余裕をもって障害物を回避できる。
【0011】
仮に、道路状況把握センサ2が障害物1があるのに、それを検出できなかったときに、「障害物がない」という情報を路側装置3に送る。もしも、路側装置3が路側表示板6に、「障害物なし」と表示したり、あるいは何も表示しなかった場合に、ドライバは障害物がないと認識して注意を怠ることが懸念される。また、路車間通信装置4を通じて「障害物なし」の情報を送り、車両がドライバに対して「障害物なし」または無表示であった場合にも、ドライバは障害物がないと認識して注意を怠ることが懸念される。
【0012】
走行支援システムがこのような危険側の不具合を起こす場合を各動作状態において解析した表を図3に示す。図3において、危険側の不具合はX印で示されている。図3の中で、dに相当する部分は、センサが危険な状態を検出できない不具合である。jに相当する部分は、機械が故障してその状態がドライバに認識されない不具合である。nに相当する部分は、路車間通信装置4から発信された電波が遮蔽されたり、多重反射で干渉したりして、車両に届かない不具合である。pに相当する部分は、車両5の装置が故障して、ドライバに情報が伝えられない不具合である。rに相当する部分は、ドライバが情報を認識していなかったり、故意に無視する不具合である。このような不具合を少なくすることは重要であるが、全くなくすことは、実際上も論理的にも不可能である。
【0013】
この発明は、以上のような不具合があっても、システムの安全性を確保する方法を提供するものである。道路交通システムの安全性はドライバの注意力によって確保されていることは、前に述べた通りである。この発明は、ドライバに働きかけてシステムの安全性を確保しようとするものである。
【0014】
図3に示す各状態で、aは間違った情報ではあるが、安全側の情報である。bは正しい情報である。cからhおよびk,lは正しい情報があるかもしれないが、状況が分からないという状態を含むので、慎重な運転を行うように注意を促す情報をドライバに提供する。i,j,m,nは車両5に情報が伝わらないので、車両側ではサービスできない状態で、何も表示しない。このような3つの状態表示により、例えば、何も表示がなくても、通常はなんらかの表示があるのに、今回表示が出ないのは、装置の故障とドライバは判断して慎重な運転を行う。o,pは車両5の装置が故障した場合で、このときも無表示のときと同じである。q,rへの対応はドライバの教育による方法が考えられる。
【0015】
慎重運転を促すような情報としては、システムを設置する場所の特徴を踏まえた情報が考えられる。ドライビングシミュレータによる実験では、図4に示すように、慎重運転の情報として、「この先カーブ」という情報を提供した。この実験の結果では、情報を提供することにより、間違った危険な状況でも、何も表示しないのに比べて、より安全性を損なうことはなかった。情報の与え方をもっと工夫すれば、何も提供しないときより、さらに安全性が高まることが期待される。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、走行支援システムの安全性確保を有効に行うことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示すシステムのブロック図である。
【図2】同上のシステムの設置状況を説明する図面である。
【図3】同上のシステム各状態における安全性分析の表である。
【図4】ドライビングシミュレータによる実験を説明する図面である。
【符号の説明】
1 障害物
2 道路状況把握センサ
3 路側装置
4 路車間通信装置
5 車両
6 路側表示板
Claims (2)
- 道路側のシステムが所有する情報を、車両やドライバに提供することにより、車両の安全走行を支援するシステムにおいて、道路側が危険であるにも拘らず危険な状況をセンサが検出していないとき、システムの動作に限界があるとき、システムの一部が故障しているときなどに、そのシステムの状況から道路の情報を提供できないことを車両側やドライバに伝えて、ドライバに慎重な運転を促すシステム安全性確保の方法であって、
少なくとも危険な状況があること、危険な状況があるかもしれないので慎重な運転を促すこと、情報が伝達できないことの3状態がドライバに理解できる情報を路側表示板や車内の情報機器などを通じて提供し、これら提供する情報において、前記道路側のシステムが所有する情報のうち、間違った情報ではあるが安全側の情報の場合には、そのまま提供する情報とし、間違った情報であって、安全側でない情報の場合には、前記危険な状況があるかもしれないので慎重な運転を促す情報とすることを特徴とするシステム安全性確保の方法。 - 道路側のシステムが設置される場所の特徴的な危険性を路側表示板や車内の情報機器などを通じてドライバに提供する請求項1記載のシステム安全性確保の方法。
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