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JP3737211B2 - 地下防水構造および地下防水工法 - Google Patents
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地下防水構造および地下防水工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下鉄工事等の際に用いられる地下防水構造に関わり、コスト的に有利でかつ工期も短縮できる地下防水構造および地下防水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下通路の敷設工事における防水施工は大きく分けて二種類の工法があり、ほぼ地下通路のコンクリート駆体と同サイズの掘削孔を地面に堀り、掘削孔の側壁にあたる部分にH鋼を打ち込んでコンクリートで側壁を形成し、先にその側壁に防水を施してからコンクリート駆体を形成する先やり工法と呼ばれる工法と、コンクリート駆体よりも大きめの掘削孔を堀り、コンクリート駆体を形成してからその周囲に防水を施して、コンクリート駆体の周囲を埋め戻す後やり工法と呼ばれる2種類の方法がある。
【0003】
後やり工法であると、コンクリート駆体は比較的表面が滑らかであることから防水材の種類に係わらず防水を施すのは、容易であると言える。一方、先やり工法の場合、H鋼を打ち込んでセメントで形成した側壁は、極めて凹凸の激しい不陸面であり、防水を施す前に滑らかな下地を形成する必要があった。
【0004】
具体的には、側壁に金網などのラスをクギ等のアンカー部材を用いて固定し、吹付モルタルまたはモルタルなどの下地調整材を塗布して乾燥させる。下地調整材が固まって滑らかな下地を形成した後に塗膜防水材を塗布し、アスファルトエマルション系塗膜防水材などの防水材を塗布したり、ゴムシートや、アスファルトなどの防水材を敷設することによって防水を施していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような方法で滑らかな下地を形成することによって、はじめて防水材の塗布や敷設が可能になる。
しかし、側壁にラスを固定し、下地調整材を塗布し、それが乾燥して硬化するまでには約7日程度の日数を要し、工期を長引かせる原因となっていた。
【0006】
また、先やり工法ではできあがったコンクリート駆体に防水材を施すので、例えばシート防水材を用いる場合でも接着剤を使用して防水シートとコンクリート駆体との間の接着強度を十分に高めることができるが、後やり工法では、防水材を施した側壁に型枠を用いてコンクリート駆体を形成するという方法であるために、特に接着するということがなされていないのが現状である。通常、防水材は側壁とコンクリート駆体に挟まれているので、接着されていなくても問題はない。
【0007】
しかし、地震などが原因でコンクリート駆体が動いた場合、防水材は防水すべきコンクリート駆体側ではなく、最初に接着した側壁側にとられてしまうため、防水材とコンクリート駆体との間に間隙ができ、そこから漏水が発生することも考えられる。
そこで、本発明では、後やり工法で防水材を不陸面である側壁に施す場合であっても、短い工期で防水を施すことができるとともに、コンクリート駆体が移動して側壁との間に間隙ができるようなことがあっても、防水材がコンクリート駆体側に被着した状態を保ち、漏水などの問題を防止した地下防水構造の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために請求項1では地面に掘った掘削孔に埋め込み地下通路を形成するコンクリート駆体の地下防水構造において、掘削孔の側壁である下地に複数のアンカー部材を打ち込むことによって固定した不織布の上にポリマーセメント系塗膜防水材を含浸積層し、該塗膜防水材にコンクリート駆体を密着配置し、前記ポリマーセメント系塗膜防水材は下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の少なくとも2層からなり、軟質防水層は防水在中のセメントフィラーの割合が15〜50%の範囲で混合したものを用いており、硬質防水層は防水材中のセメントフィラーの割合が40〜65%の範囲で混合したもので、かつ軟質防水層のセメントフィラーの割合よりも硬質防水層のセメントフィラーの割合を大きく設定したことを特徴としており、塗膜防水材を塗布できるようにするために下地を平滑にするという作業が不織布を打ち込むという比較的簡単な作業に変わっており、従来の方法と比べて工期を大きく短縮することができる。また、塗膜防水材がセメントフィラーと高分子エマルションからなるポリマーセメント系塗膜防水材であることより、互いに密着するコンクリート駆体と塗膜防水材がどちらもセメント系のものであることから接着性がよく、地震などでコンクリート駆体が移動するようなことがあった場合、下地材が下地から剥がれて塗膜防水材はコンクリート駆体と共に動くことになり、防水状態が保持され漏水などの問題が発生しない。更にポリマーセメント系塗膜防水材が下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の少なくとも2層からなり、軟質防水層は前記防水材中のセメントフィラーの割合が15〜50%の範囲で混合したものを用いており、硬質防水層は前記防水材中のセメントフィラーの割合が40〜65%の範囲で混合したものでかつ軟質防水層のセメントフィラーの割合よりも硬質防水層のセメントフィラーの割合を大きく設定していることより、不陸の下地に沿いやすくしかもコンクリート駆体側は強度が高く保護層としての役割を果たすことができる。
【0009】
請求項2では、不織布の目付量が100〜500g/mの範囲としており、側壁に固定したときに、弛みが生じない程度の強度を持つとともに、段差が大きくなりすぎず塗膜防水材を均一に仕上げることができる。
【0011】
請求項では、不織布を下地に固定するアンカー部材のピッチが100〜500mmの範囲内であることにより、ある程度以上の力によって剥がすことができるので、コンクリート駆体が移動した際に塗膜防水材とコンクリート駆体との接着で塗膜防水材がコンクリート駆体と共に動くのを妨げることがない。
【0012】
請求項では、不織布に補強材を積層もしくは内設することによって不織布の伸びを少なくすることができるので、下地の水分を不織布が吸収したり、塗膜防水材を塗布することによって重量がかかっても、アンカー部材のピッチ間で弛みが発生するのを防止する効果を有する。
【0013】
請求項では、地面に掘った掘削孔に埋め込み地下通路を形成するコンクリート駆体の地下防水工法において、前記掘削孔の側壁に不織布をアンカー部材で打ち込むことによって固定し、その上から下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の少なくとも2層からなり、軟質防水層は防水在中のセメントフィラーの割合が15〜50%の範囲で混合したものを用いており、硬質防水層は防水材中のセメントフィラーの割合が40〜65%の範囲で混合したものを用いたポリマーセメント系塗膜防水材を含浸積層して硬化させ、その後、前記塗膜防水材に密着するようにコンクリート駆体を形成することを特徴としており、請求項1と同様に塗膜防水材を塗布できるようにするために下地を平滑にするという作業が不織布を打ち込むという比較的簡単な作業に変わっており、従来の方法と比べて工期を大きく短縮することができる。また、コンクリート駆体と塗膜防水材との接着性がよく、地震などでコンクリート駆体が移動するようなことがあった場合、下地材が下地から剥がれて塗膜防水材はコンクリート駆体と共に動くことになり、防水状態が保持され漏水などの問題が発生しない。更にポリマーセメント系塗膜防水材が下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の2層からなり、不陸の下地に沿いやすくしかもコンクリート駆体側は強度が高く保護層としての役割を果たすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の地下防水構造であり、本発明の地下防水工法によって得られる地下防水構造の断面図である。
本発明の地下防水構造は、図5に示すような地下鉄などの地下通路8となる、地面に掘った掘削孔9に埋め込んだコンクリート駆体5の防水構造であり、地面に掘った掘削孔9の側面に沿って、図6のようにH鋼10を打ち込んでコンクリート11で固めて形成した側壁とコンクリート駆体5の間に施す防水に関するものである。
掘削孔9に形成した側壁である下地1の上に不織布2をアンカー部材3で打ち込み固定し、その上からポリマーセメント系水和凝固型の塗膜防水材からなる塗膜防水材4を含浸積層することにより形成し、更にその上には前記塗膜防水材4と密着して地下鉄などの通路となるコンクリート駆体5が形成されている。
塗膜防水材4を含浸積層するのは、刷毛やロールを用いて塗布してもよいし、吹き付けによって含浸積層してもよい。
【0015】
以上のような構成を採ることによって、不陸面の下地1であっても下地調整材を塗布して新たに平滑な下地を作るという手間をかけることなく塗膜防水材4を施すことができる。また、塗膜防水材4としてはポリマーセメント系防水材等が用いられる。セメントフィラーと高分子エマルションからなるポリマーセメント系防水材を用いると、塗膜防水材4とその表面に密着するコンクリート駆体5は共にセメント系の材料からなるものであり、両者の接着は十分な接着強度を持ったものになり、下地1と不織布2はアンカー部材3で部分的に打ち込んだ程度の固定なのでコンクリート駆体が地震などで移動したときにも不織布2が下地1から離れて塗膜防水材4はコンクリート駆体5と共に移動し、防水状態は保持される。
【0016】
不織布2は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリビニル繊維、天然繊維等からなり、目付量が100〜500g/m2 の範囲であり、60%以上の伸び率で引張強力が100N/5cm以上のものが用いられる。
目付量が100g/m2 未満であると強度的に不足し耐外傷性が必要なだけ得られない。また、500g/m2 を越えると不織布の接合部において段差が大きくなり、塗膜防水材4が均一にならない問題や、塗膜防水材4の含浸が不足するので塗膜防水材4と不織布2との間の接着力が弱くなり好ましくない。
【0017】
そして、伸び率が60%未満であると下地1の不陸面に沿いにくくなるので好ましくない。また、引張強力が100N/5cm未満になるとやはり強度不足となり好ましくない。
【0018】
アンカー部材3としては、釘やビスやU型ピンなどが挙げられ、H鋼とコンクリートでできた側壁のコンクリートの部分に打ち込み、不織布2を固定する。打ち込み間隔を、100〜500mmピッチの範囲とすることによって下地1と不織布2との固定強度を適当なものにすることができる。もし、アンカー部材3を打ち込むピッチが100mm未満であると、固定強度が大きくなりすぎてコンクリート駆体5が動いたときに塗膜防水材4とコンクリート駆体5との間で剥がれてしまうことがある。また、500mmを越えると不織布2に弛みができてしまうので好ましくない。
【0019】
塗膜防水材4の中でも好適に用いられるポリマーセメント系防水材は、不織布2上に塗膜含浸させ乾燥させることにより硬化するものであり、セメントフィラーと、高分子エマルションとを混合したものである。
セメントとしては、ポルトランドセメント、ジェットセメント、アルミナセメント、コロイドセメント、急硬性セメントなど一般的にセメントと呼ばれるものが使用できる。
【0020】
高分子エマルションとしては、天然ゴム及びスチレン、ビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルのようなビニルシアン化合物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはそれらのエステルのようなモノオレフィン誘導体などより選ばれた一種以上の単量体とイソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどの共役ジオレフィンからなる共重合体、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸またはそれらのエステルより選ばれた一種以上の単量体の重合体、エチレン、プロピレン、ジエン系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体などの重合体ラテックスが用いられる。
【0021】
また、塗膜防水材4は図2に示すように、不織布2に近い側の軟質防水層4aとコンクリート駆体5側の硬質防水層4bの少なくとも2層からなるものでもあり、軟質防水層4aは下地1の不陸面に沿い易いようになっており、硬質防水層4bは防水材の保護の役目を果たしている。
【0022】
軟質防水層4aと硬質防水層4bはセメントフィラーと混和液の混合比率を変えたものであり、軟質防水層4aは全体の量に対してセメントフィラーの割合が25〜50%とし、硬質防水層4bは全体の量に対してセメントフィラーの割合が40〜65%としたものであることが好ましい。前記範囲の中で重複する数値範囲が存在するが、もちろん、軟質防水層4aのセメントフィラーの割合よりも、硬質防水層4bのセメントフィラーの割合を大きくする。
【0023】
軟質防水層4aにおいて、セメントフィラーの割合が25%未満になると防水材が軟らかくなり耐衝撃性不足となり、50%を越えると硬度が高くなり下地1の不陸に沿いにくくなるので好ましくない。また、硬質防水層4bにおいて、セメントフィラーの割合が40%未満であると軟らかく保護の働きが不十分になり、65%を越えると固くなり過ぎて、ちょっとした曲げ力がかかっただけで折れてしまうことになるので好ましくない。また、図示はしないが、硬質防水層4bの上に更にセメントフィラーの割合が同じかもしくは多くした3層目の防水層を設けることも可能である。
【0024】
塗膜防水材4の表面側に当接してもうける地下鉄などの通路となるコンクリート駆体5は、塗膜防水材4を設けた後で型枠を組んでコンクリートを流し込むことによって作られる。
【0025】
図3および図4は、請求項に係わる実施形態であり、図3では不織布2として下地側にフィルムからなる補強材6を積層したものを用いている。このようにフィルムを下地側に積層した不織布2を用いると、下地1の水分を不織布2が吸収するのを防止することができるとともに、不織布2の伸びを防止することができ、水分と塗膜防水材4の重量によって不織布2がアンカー部材3のピッチ間で弛むのを防ぐ効果を有する。
【0026】
また、図4では繊維質のメッシュ部材からなる補強材7を不織布2に内設しており、下地1の水分を吸収することは防止できないが、不織布2の伸びを防止することができるので、不織布2がアンカー部材3のピッチ間で弛むのを防ぐ効果を有する。
【0027】
補強材6のフィルムとしては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンなど伸びの少ない素材であれば様々なものを用いることができる。補強材7のメッシュ部材としても、伸びの少ない素材であれば素材の種類を限定するものではない。また、フィルムを内設する形態や、メッシュ部材を積層する形態を採ることも可能である。
【0028】
以下、従来の地下防水構造と比べて本発明の地下防水構造であると、工期が大幅に短縮できることを確かめた実施例を説明する。
【0029】
実施例1としては、不織布に目付量を300g/cm2 のポリエステル不織布を用い、アンカー部材としては、2.0mmφで50mm長さの釘を用い、塗膜防水材としては、ポルトランドセメントとエチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルションからなる混和液を混合したポリマーセメント系塗膜防水材を用いた。また、軟質防水層と硬質防水層の2層構造として軟質防水層はセメントフィラーの割合が40%、硬質防水層としてはセメントフィラーの割合が60%のものとした。アンカー部材は300mmピッチで打ち込んでいる。
【0030】
比較例としては、下地の表面にラスを打ち込み固定しその上からモルタルからなる下地調整材を塗布し乾燥硬化させ、塗膜防水材を塗布形成した。塗膜防水材については上記実施例を同様のものを用いた。
両者の構造で100m2 の下地に塗膜防水材を施すのにかかった時間を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003737211
【0032】
表1からわかるように従来の地下防水構造では、ラスを打ち込んで下地調整材で平滑な新しい下地を作るのに120時間かかっているのに対し、本発明の地下防水構造では不織布を打ち込む作業にかかったのは3時間であり、全体で約1/5の工期となっていることがわかる。
【0033】
次に、前記実施例において不織布の目付量を50〜550g/cm2 の間で変化させたものを用い、不織布上に塗膜防水材を吹き付けた後の外観状態を調べた。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003737211
【0035】
表2からわかるように、比較例2では不織布の強度不足により固定ピッチ間で弛みが生じ、比較例3では不織布の接合部である段差で塗膜防水材が均一にならない不具合が生じる。
次に、前記実施例1において、不織布を下地に打ち込むアンカー部材のピッチを50〜600mmの間で変えて塗膜防水材を施工し、表面にコンクリートの板を流し込んで形成した。コンクリートの硬化後にコンクリート板を引っ張って剥離がどの箇所で起こるかを確かめた。
【0036】
【表3】
Figure 0003737211
【0037】
表3からわかるように、下地に打ち込むアンカー部材のピッチが小さいと下地と不織布との固定力が強くなりすぎコンクリート板と塗膜防水材の間で剥離してしまう。また、ピッチが大きすぎると塗膜防水材の塗布後はその重みによってピッチ間で弛みができてしまうという不具合を生じることになる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1では、塗膜防水材を塗布できるようにするために下地を平滑にするという作業が不織布を打ち込むという比較的簡単な作業に変わっており、従来の方法と比べて工期を大きく短縮することができる。また、塗膜防水材がセメントフィラーと高分子エマルションからなるポリマーセメント系塗膜防水材であることより、互いに密着するコンクリート駆体と塗膜防水材がどちらもセメント系のものであることから接着性がよく、地震などでコンクリート駆体が移動するようなことがあった場合、下地材が下地から剥がれて塗膜防水材はコンクリート駆体と共に動くことになり、防水状態が保持され漏水などの問題が発生しない。更にポリマーセメント系塗膜防水材が下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の少なくとも2層からなり、軟質防水層は前記防水材中のセメントフィラーの割合が15〜50%の範囲で混合したものを用いており、硬質防水層は前記防水材中のセメントフィラーの割合が40〜65%の範囲で混合したものでかつ軟質防水層のセメントフィラーの割合よりも硬質防水層のセメントフィラーの割合を大きく設定していることより、不陸の下地に沿いやすくしかもコンクリート駆体側は強度が高く保護層としての役割を果たすことができる。
請求項2では、不織布を限定しており、不織布を側壁に固定したときに、弛みが生じない程度の強度を持つとともに、段差が大きくなりすぎず塗膜防水材を均一に仕上げることができる。
【0040】
請求項では、不織布を下地に固定するアンカー部材のピッチを限定しており、ある程度以上の力によって剥がすことができるので、コンクリート駆体が移動した際に塗膜防水材とコンクリート駆体との接着で塗膜防水材がコンクリート駆体と共に動くのを妨げることがない。請求項では、不織布に補強材を積層もしくは内設することによって不織布の伸びを少なくすることができるので、下地の水分を不織布が吸収したり、塗膜防水材を塗布することによって重量がかかっても、アンカー部材のピッチ間で弛みが発生するのを防止する効果を有する。
【0041】
請求項5の工法を採ることによって、請求項1と同様に塗膜防水材を塗布できるようにするために下地を平滑にするという作業が不織布を打ち込むという比較的簡単な作業に変わっており、従来の方法と比べて工期を大きく短縮することができる。また、コンクリート駆体と塗膜防水材との接着性がよく、地震などでコンクリート駆体が移動するようなことがあった場合、下地材が下地から剥がれて塗膜防水材はコンクリート駆体と共に動くことになり、防水状態が保持され漏水などの問題が発生しない。更にポリマーセメント系塗膜防水材が下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の2層からなり、不陸の下地に沿いやすくしかもコンクリート駆体側は強度が高く保護層としての役割を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下防水構造の要部断面図である。
【図2】本発明の地下防水構造の別の例を示す要部断面図である。
【図3】本発明の地下防水構造に補強材を用いた例を示す要部断面図である。
【図4】本発明の地下防水構造に補強材を用いた別の例を示す要部断面図である。
【図5】地面の掘削孔にコンクリート駆体を形成したところの断面図である。
【図6】側壁の要部正面図である。
【符号の説明】
1 下地
2 不織布
3 アンカー部材
4 塗膜防水材
4a 軟質防水層
4b 硬質防水層
5 コンクリート駆体
6 補強材
7 補強材
8 地下通路
9 掘削孔
10 H鋼
11 コンクリート

Claims (5)

  1. 地面に掘った掘削孔に埋め込み、地下通路を形成するコンクリート駆体の地下防水構造において、掘削孔の側壁である下地に複数のアンカー部材を打ち込むことによって固定した不織布の上にポリマーセメント系塗膜防水材を含浸積層し、該ポリマーセメント系塗膜防水材にコンクリート駆体を密着配置し、前記ポリマーセメント系塗膜防水材は下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の少なくとも2層からなり、軟質防水層は防水在中のセメントフィラーの割合が15〜50%の範囲で混合したものを用いており、硬質防水層は防水材中のセメントフィラーの割合が40〜65%の範囲で混合したもので、かつ軟質防水層のセメントフィラーの割合よりも硬質防水層のセメントフィラーの割合を大きく設定したことを特徴とする地下防水構造。
  2. 不織布の目付量が100〜500g/mの範囲である請求項1記載の地下防水構造。
  3. 不織布を下地に固定するアンカー部材のピッチが100〜500mmの範囲内である請求項1〜2記載の地下防水構造。
  4. 不織布に補強材を積層もしくは内接した請求項1〜3記載の地下防水構造。
  5. 地面に彫った掘削孔に埋め込み、地下通路を形成するコンクリート駆体の地下防水工法において、掘削孔の側壁に不織布をアンカー部材で打ち込み固定し、その上から下地側の軟質防水層と表面側の硬質防水層の少なくとも2層からなり、軟質防水層は防水在中のセメントフィラーの割合が15〜50%の範囲で混合したものを用いており、硬質防水層は防水材中のセメントフィラーの割合が40〜65%の範囲で混合したものを用いたポリマーセメント系塗膜防水材を含浸積層して硬化させ、その後前記ポリマーセメント系塗膜防水材に密着するようにコンクリート駆体を形成することを特徴とする地下防水工法。
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