JP3743535B2 - 改変ザルコシンオキシダーゼ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は改変ザルコシンオキシダーゼ、すなわちザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である新規なザルコシンオキシダーゼおよび該酵素の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ザルコシンオキシダーゼ(EC 1.5.3.1)は、臨床的に筋疾患、腎疾患の診断の指標となっている体液中のクレアチン、クレアチニンの測定用酵素として、例えばクレアチニンアミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼおよびペルオキシダーゼと組み合わせて使用されている。すなわち、試料中のクレアチニンにクレアチニンアミドヒドロラーゼを作用させ、生成するクレアチンにクレアチンアミジノヒドロラーゼを作用させ、さらに生成するザルコシンにザルコシンオキシダーゼを作用させ、かつ、生成する過酸化水素をペルオキシダーゼおよび発色剤(例えば4−アミノアンチピリンとアニリン誘導体)により発色させ、その発色強度を吸光度測定して、試料中のクレアチニン量を測定する。
【0003】
ザルコシンオキシダーゼは、基質であるザルコシンに水および酸素の存在下で作用して、グリシン、ホルムアルデヒドおよび過酸化水素を生成する。このようなザルコシンオキシダーゼは、バチルス属(特開昭54-52789号公報)、コリネバクテリウム属(J. Biochem., 89, 599,1981 )、シリンドロカルボン属(特開昭56-92790号公報)、シュードモナス属(特開昭60-43379号公報)等の細菌が生産することが知られている。とりわけ、アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)の生産するザルコシンオキシダーゼは、従来のザルコシンオキシダーゼよりも熱安定性に優れ、かつミカエリス定数、Km値の小さい実用的な酵素であることが既に知られている(特開平2-265478号公報)。これらのザルコシンオキシダーゼは活性発現に関して塩素イオンや種々の金属イオン等を要求しない。
【0004】
本発明者らは、既に、アースロバクター・エスピーTE1826より抽出した染色体DNAよりザルコシンオキシダーゼ遺伝子の単離に成功し、そのDNAの全構造を決定し(Journal of Fermentation and Bioengineering Vol.75 No.4 pp239-244,1993) 、また、該ザルコシンオキシダーゼを遺伝子工学的手法によって形質転換体に高生産させることに成功し、高純度なザルコシンオキシダーゼを安価に大量供給することを可能にしている(特開平6-113840号公報)。
このザルコシンオキシダーゼは塩素イオンや金属イオンを要求しない。
【0005】
さらに、ザルコシンオキシダーゼはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を補酵素とすることが既に知られており、他のFAD酵素との比較により、ザルコシンオキシダーゼの補酵素結合に関与する部位が同定されている(Journal of Fermentation and Bioengineering Vol.75 No.4 pp239-244,1993) 。
【0006】
一方、塩素イオンは生体内にあって、ナトリウムイオンと共に塩化ナトリウムとして大部分が細胞外液中に存在し、血漿中の総陰イオンの70%を占め、他の電解質との相互関係のもとに、水分平衡、浸透圧の調節、酸塩基平衡の調節などに重要な役割を演じている。
塩素イオンの定量法としては、塩素イオン測定用電極の利用が主流である。しかし、電極では生化学自動分析装置への組み込みが困難である。また、イオン特異性の点でも問題があり、生体中に存在するレベルの重炭酸イオン等の他イオンも計測してしまうことはよく知られている。
そこで、哺乳類由来のアミラーゼを用いた酵素法が開発された(特開昭63-126497号公報など)。これは、アミラーゼとカルシウムイオンとの親和性が塩素イオンにより変化する性質を利用した方法であって、イオン特異性の点で電極利用の場合より優れている。しかしながら、その測定原理よりカルシウムイオンの影響を受けることは避けられない。ヒト検体中に存在する唾液及び膵液由来アミラーゼの影響も当然、受けることとなる。
また、哺乳類由来の酵素を用いるため、細菌の系での遺伝子操作技術による大量生産することも困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、塩素イオン定量に用いることができる酵素、すなわち塩素イオンに活性発現が依存する酵素であって、細菌の系での遺伝子操作技術による大量生産を実施することができ、検体中の夾雑物質の影響が少ない酵素が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、種々検討した結果、補酵素結合に関与する部位のアミノ酸を他のアミノ酸に置換することにより、ザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼを造成し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明はザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼである。
【0010】
また、本発明はザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼをコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、得られた形質転換体を培養し、該培養物から、活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼを採取することを特徴とする改変ザルコシンオキシダーゼの製造法である。
【0011】
【発明の実施態様】
本発明に使用する改変される前のザルコシンオキシダーゼとしては、特に限定されないが、例えばバチルス属由来のザルコシンオキシダーゼ、シュードモナス属由来のザルコシンオキシダーゼなどの細菌由来のザルコシンオキシダーゼが好ましい。
本発明の一具体例としては、アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)由来のザルコシンオキシダーゼを用いた。アースロバクター・エスピーTE1826由来のザルコシンオキシダーゼのアミノ酸配列を配列表・配列番号1に示す。また、これらのアミノ酸配列をコードするDNA配列を配列表・配列番号5に示す。
【0012】
上記ザルコシンオキシダーゼのアミノ酸配列中、第13番目のグリシンから第18番目のグリシンに至るアミノ酸が補酵素結合に関与する部位として同定されている。このうち、第13番目、第15番目、および第18番目のグリシンはすべてのFAD酵素で高度に保存されているため、第14番目、第16番目および第17番目のアミノ酸を改変のターゲットとした。
【0013】
本発明の一実施態様は、アースロバクター・エスピーTE1826(FERMP−10637)が産生するザルコシンオキシダーゼを構成するアミノ酸配列(配列表・配列番号1)の第14番目のアラニン、第16番目のセリンおよび/または第17番目のメチオニンが他の中性アミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する改変ザルコシンオキシダーゼである。また該改変ザルコシンオキシダーゼは、配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列の第14番目のアラニン、第16番目のセリンおよび/または第17番目のメチオニンが他の中性アミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する改変ザルコシンオキシダーゼである。
【0014】
本発明の具体例としては、配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列の第14番目のアラニンがイソロイシン、ロイシン、チロシンまたはトリプトファンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号2)を有する改変ザルコシンオキシダーゼA14I、A14L、A14Y、A14Wがある。
【0015】
また、別な具体例としては、配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列の第16番目のセリンがプロリンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号3)を有する改変ザルコシンオキシダーゼS16Pがある。
さらに別な具体例としては、配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列の第17番目のメチオニンがグリシンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号4)を有する改変ザルコシンオキシダーゼM17Gがある。
【0016】
本発明の改変ザルコシンオキシダーゼは、以下に示す手順で製造することが可能である。
ザルコシンオキシダーゼ活性を有する蛋白質を構成するアミノ酸配列を改変する方法としては、通常、行われる遺伝情報を改変する手法が用いられる。すなわち、ザルコシンオキシダーゼ活性を有する蛋白質の遺伝情報を有するDNAの特定の塩基を変換することにより、或いは特定の塩基を挿入または欠失させることにより、改変蛋白質の遺伝情報を有するDNAが作成される。DNA中の塩基を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(TransformerTM;Clonetech 製、EXOIII/Mung Bean Deletion Kit; Stratagene 製)の使用、或いはPCR法の利用が挙げられる。
【0017】
作成された改変蛋白質の遺伝情報を有するDNAは、プラスミドと連結された状態にて宿主微生物中に移入され、改変蛋白質を生産する形質転換体となる。この際のプラスミドとしては、例えばエシェリヒア・コリーを宿主微生物とする場合には pBluescript、pUC18などが使用できる。
【0018】
宿主微生物としては、例えばエシェリヒア・コリー W3110、エシェリヒア・コリーC600、エシェリヒア・コリーJM109 、エシェリヒア・コリー DH5αなどが利用できる。
【0019】
宿主微生物に組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア属に属する微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下で組換えDNAの移入を行なう方法などを採用することができ、更にエレクトロポレーション法を用いても良い。
【0020】
このようにして得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量の改変蛋白質を安定して生産し得る。形質転換体である宿主微生物の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すればよく、通常多くの場合は液体培養で行うが、工業的には通気撹拌培養を行うのが有利である。
培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよく、例えばグルコ−ス、シュークロース、ラクトース、マルトース、フラクトース、糖蜜、ピルビン酸などが使用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物であればよく、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物などが使用される。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。
【0021】
培養温度は菌が発育し、改変蛋白質を生産する範囲で適宜変更し得るが、エシェリヒア・コリーの場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条件によって多少異なるが、改変蛋白質が最高収量に達する時期を見計らって適当時期に培養を終了すればよく、通常は6〜48時間程度である。培地pHは菌が発育し改変蛋白質を生産する範囲で適宜変更し得るが、特に好ましくはpH 6.0〜9.0 程度である。
【0022】
培養物中の改変蛋白質を生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し、利用することもできるが、一般的には常法に従って改変蛋白質が培養液中に存在する場合は濾過、遠心分離などにより、改変蛋白質含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。改変蛋白質が菌体内に存在する場合には、得られた培養物から濾過または遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いでこの菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤及びまたは界面活性剤を添加して改変蛋白質を可溶化し、水溶液として分離採取する。
【0023】
このようにして得られた改変蛋白質含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、更に硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、或いは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈澱法により沈澱せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。吸着剤或いはゲル濾過剤などによるゲル濾過,吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーにより、精製された活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼを得ることができる。
【0024】
本発明の改変ザルコシンオキシダーゼを用いた塩素イオンの測定法としては、該ザルコシンオキシダーゼの酵素反応により生じる物質を直接或いは間接的に測定する方法であれば、如何なる方法も利用することができる。例えば、ザルコシンオキシダーゼの酵素反応により生じる過酸化水素に対し、ペルオキシダーゼの作用によりキノン色素を生成させ、その発色量より定量する方法、酵素反応により生じるホルムアルデヒドにホルムアルデヒド脱水素酵素を作用させ、生成するNADHを紫外部の吸光度により測定する方法などがある。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例中、酵素特性を示す指標であるミハエル数Km、kcatを求める際のオキシダーゼ活性の測定は以下のように行なった。
すなわち、0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)または0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)または10mM塩化カリウム含有0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)、任意の濃度の基質(ザルコシン)、0.47mM 4−アミノアンチピリン、2.0mMフェノール、4.5U/mlペルオキシダーゼ中で酵素を37℃,10分反応させ、500nmにおける吸光度を測定する。
【0026】
実施例1 ザルコシンオキシダーゼの改変
ザルコシンオキシダーゼの遺伝情報を有する組換え体プラスミドpSAOEP3(図1参照)を Journal of Fermentation and Bioengineering Vol.75 No.4 pp239-244 (1993)に記載の方法に従い、以下に示すようにして調製した。
アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)の染色体DNAを次の方法で分離した。同菌株を100mlの2×YT培地(1.6%ポリペプトン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム(pH7.2))で37℃一晩振盪培養後、遠心(8000rpm, 10分) により集菌した。15mMクエン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウムを含んだ溶液で菌体を洗浄した後、20%シュークロース、1mM EDTA、50mMトリス塩酸(pH7.6)を含んだ溶液5mlに懸濁させ、0.5mlのリゾチーム溶液(100mg/ml)を加えて、37℃、30分間保温した。次いで11mlの1%ラウロイルサルコシン酸、0.1M EDTA(pH9.6)を含む溶液を加えた。この懸濁液に臭化エチジウム溶液を0.5%、塩化セシウムを約100%加え、撹拌混合し、55,000rpm、20時間の超遠心でDNAを分取した。分取したDNAは、10mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM EDTAを含んだ溶液(TE)で透析し、精製DNA標品とした。
【0027】
精製DNA標品1μgを制限酵素 Sau3AI (東洋紡製)で部分分解反応させ、3kbp以上の断片に分解した後、SalIII(東洋紡製)で切断したpUC18 0.5μgと M.G.Loftus らのBACKFILLING法(Biotechniques Vol12,No.2(1992)) に従い、T4−DNAリガーゼ(東洋紡製)1ユニットで16℃、12時間反応させ、DNAを連結した。連結したDNAは Hanahanの方法により作成したエシェリヒア・コリーJM109のコンピテントセルを用いて形質転換した。使用したDNA1μg 当たり約 1×106 個の形質転換体のコロニーが得られた。得られたコロニーは50μg/mlアンピシリン、0.5%ザルコシン、0.005%パラロースアニリンおよび0.025%ソディウムハイドロジェンサルファイト入りL培地(1%ポリペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)で37℃、18時間培養し、赤色コロニーを指標にザルコシンオキシダーゼ遺伝子の入った組換えDNAをスクリーニングした。
【0028】
その結果、約1,000個のコロニーのうち1株の割合で赤色を示すコロニーを得た。この中の1株が保有するプラスミドには、約8.7kbpの挿入DNA断片が存在しており、このプラスミドをpSAO1とした。次いでpSAO1より挿入DNA断片を種々の制限酵素により切断してpUC18にサブクローニングし、約1.7kbpの挿入DNA断片を有するpSA0EP3を得た。
配列表の配列番号5にpSAOEP3の挿入DNA断片のDNA配列を、配列表の配列番号1にpSAOEP3の挿入DNA断片中にコードされているザルコシンオキシダーゼのアミノ酸配列をそれぞれ記載している。
【0029】
該組換えプラスミドpSAOEP3を基に、配列表の配列番号6、7、8、9、10、11、12、13、14および15の10種のオリゴヌクレオチドとDNA中の塩基を変換するキットである TransformerTM(Clonetech 製)を用い、TransformerTM のプロトコールに従い変異処理操作を行った。その結果、配列表の配列番号1記載の第14番目のアラニンがバリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、トリプトファン、グルタミン酸、リジンにそれぞれ置換された改変蛋白質A14V、A14I、A14L、A14Y、A14W、A14D、A14K(配列表の配列番号2記載)、第16番目のセリンがプロリンに置換された改変蛋白質S16P(配列表の配列番号3記載)、第17番目のメチオニンがグリシンに置換された改変蛋白質M17G(配列表の配列番号4記載)、およびS16PとM17Gの二重変異である改変蛋白質S16P+M17Gの合計10種の改変ザルコシンオキシダーゼの遺伝情報を有するDNAを保持するプラスミドをそれぞれ作成した。
【0030】
それぞれの改変ザルコシンオキシダーゼの遺伝情報を有するDNAを種々の制限酵素で切断してサブクローンを調製し、常法に従い、SEQUENING PRO 7-deaza-dGTP kit(東洋紡製)を用いて塩基配列を決定し、改変されていることを確認した。
【0031】
それぞれの改変ザルコシンオキシダーゼの遺伝情報を有するDNAを保持する組換え体プラスミドでエシェリヒア・コリーJM109のコンピテントセルを形質転換し、形質転換体をそれぞれ得た。
【0032】
実施例2 形質転換体の培養と改変蛋白質の精製
2×YT培地(1.6%ポリペプトン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム(pH7.2))50mlを500mlフラスコに分注し、121℃、15分間オートクレーブを行い放冷後、別途無菌濾過した50mg/mlアンピシリン(ナカライテスク製)を0.1%添加した。この培地に上記と同一組成の培地で予め37℃で18時間振盪培養した形質転換体の培養液1mlを接種し、37℃で通気撹拌培養した。
培養液より改変蛋白質を、Journal of Fermentation and Bioengineering Vol.75 No.4 pp239-244 (1993) 記載のザルコシンオキシダーゼの精製法に従い、超音波破砕、除核酸処理、硫酸アンモニウム塩析、DEAE−Sephdexカラムクロマトグラフィー、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーの工程を順次、実施し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて単一のバンドを形成するまで精製した。
【0033】
実施例3 改変蛋白質の評価
精製された各改変ザルコシンオキシダーゼと野生型ザルコシンオキシダーゼの、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)または10mM塩化カリウム含有0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)におけるミハエル数Km、kcat測定値を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から明らかなように、A14I、A14L、A14Y、A14W、S16P、M17Gの特性は、該酵素の活性発現が塩素イオン濃度に依存的であることを示している。
酵素の反応性を示す指標であるKm、kcatを見ると、野生型ザルコシンオキシダーゼは活性測定系中の塩素イオンの有無にかかわらず、同等の値を示すが、A14Vは塩素イオン存在下で非存在下の約1.3倍、A14Iは塩素イオン存在下で非存在下の約3.7倍、A14Lは塩素イオン存在下で非存在下の約130倍、A14Yは塩素イオン存在下で非存在下の約180倍、A14Wは塩素イオン存在下で非存在下の約34倍、S16Pは塩素イオン存在下で非存在下の約88倍、M17Gは塩素イオン存在下で非存在下の約4600倍であった。
すなわち、改変蛋白質はザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的であることが明らかとなった。
【0036】
参考例1 改変ザルコシンオキシダーゼを用いた塩素イオンの測定
検体中の塩素イオン濃度を、下記試薬を用いて下記測定法により測定した。
試薬
第1試薬(R1)
リン酸カリウム緩衝液(pH6.5) 0.1M
4−アミノアンチピリン 0.012%
フェノール 0.023%
ペルオキシダーゼ 6.3U/ml
ザルコシン 0.1M
第2試薬(R2)
リン酸カリウム緩衝液(pH7.5) 20mM
改変ザルコシンオキシダーゼA14L 1U/ml
【0037】
測定方法
KCl水溶液300mMまたはNaCl水溶液300mMの10段階希釈液を試料として、各試料を5μl採取し、これに上記第1試薬(R1)310μlを加えて、37℃で2分間加温後、上記第2試薬(R2)85μlを加えて、37℃で3分間反応させて、500nmにおける吸光度変化を求めた。なお、ブランクは塩素イオン含有被検液の代わりに蒸留水を用いた。
塩濃度と吸光度との関係(希釈直線性)を図2,3に示す。図2はKCl、図3はNaClの場合を示す。
図2,3から明らかなように、活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼを用いる塩素イオンの定量法により、短時間に正確かつ簡単に塩素イオンを測定することが可能となる。
【0038】
参考例2 他イオンの影響
実施例1の塩素イオンの測定系における他イオンの影響を調査した。表1に示すように、検体(KCl,100mM水溶液)に種々のイオンを含有させ、塩素イオン濃度を測定したところ、カルシウムイオンを含めて、他のイオンの測定値への影響は見られなかった。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
本発明によって、ザルコシンオキシダーゼ活性を有する蛋白質を蛋白工学的手法を用いて改変し、活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼを供給することが可能となった。本発明の改変ザルコシンオキシダーゼは、細菌の系での遺伝子操作技術による大量生産を実施することができる。また、該ザルコシンオキシダーゼでは他のイオンに対する依存性が少なく、検体中に存在するものではない。したがって、検体中の塩素イオン量を正確、迅速に測定するために使用することができる。
【0041】
【配列表】
配列番号:1配列の長さ:389 配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:蛋白質起源生物名:アースロバクター・エスピー(Arthrobacter SP.)株名:TE1826配列Met Ser Ile Lys Lys Asp Tyr Asp Val Ile Val Val Gly Ala Gly Ser 1 5 10 15 Met Gly Met Ala Ala Gly Tyr Tyr Leu Ser Lys Gln Gly Val Lys Thr 20 25 30 Leu Leu Val Asp Ser Phe His Pro Pro His Thr Asn Gly Ser His His 35 40 45 Gly Asp Thr Arg Ile Ile Arg His Ala Tyr Gly Glu Gly Arg Glu Tyr 50 55 60 Val Pro Phe Ala Leu Arg Ala Gln Glu Leu Trp Tyr Glu Leu Glu Lys 65 70 75 80 Glu Thr His His Lys Ile Phe Thr Lys Thr Gly Val Leu Val Phe Gly 85 90 95 Pro Lys Gly Glu Ala Pro Phe Val Ala Glu Thr Met Glu Ala Ala Lys 100 105 110 Glu His Ser Leu Asp Val Asp Leu Leu Glu Gly Ser Glu Ile Asn Lys 115 120 125 Arg Trp Pro Gly Val Thr Val Pro Glu Asn Tyr Asn Ala Ile Phe Glu 130 135 140 Lys Asn Ser Gly Val Leu Phe Ser Glu Asn Cys Ile Arg Ala Tyr Arg 145 150 155 160 Glu Leu Ala Glu Ala Asn Gly Ala Lys Val Leu Thr Tyr Thr Pro Val 165 170 175 Glu Asp Phe Glu Ile Ala Glu Asp Phe Val Lys Ile Gln Thr Ala Tyr 180 185 190 Gly Ser Phe Thr Ala Ser Lys Leu Ile Val Ser Met Gly Ala Trp Asn 195 200 205 Ser Lys Leu Leu Ser Lys Leu Asn Ile Glu Ile Pro Leu Gln Pro Tyr 210 215 220 Arg Gln Val Val Gly Phe Phe Glu Cys Asp Glu Lys Lys Tyr Ser Asn 225 230 235 240 Thr His Gly Tyr Pro Ala Phe Met Val Glu Val Pro Thr Gly Ile Tyr 245 250 255 Tyr Gly Phe Pro Ser Phe Gly Gly Cys Gly Leu Lys Ile Gly Tyr His 260 265 270 Thr Tyr Gly Gln Lys Ile Asp Pro Asp Thr Ile Asn Arg Glu Phe Gly 275 280 285 Ile Tyr Pro Glu Asp Glu Gly Asn Ile Arg Lys Phe Leu Glu Thr Tyr 290 295 300 Met Pro Gly Ala Thr Gly Glu Leu Lys Ser Gly Ala Val Cys Met Tyr 305 310 315 320 Thr Lys Thr Pro Asp Glu His Phe Val Ile Asp Leu His Pro Gln Phe 325 330 335 Ser Asn Val Ala Ile Ala Ala Gly Phe Ser Gly His Gly Phe Lys Phe 340 345 350 Ser Ser Val Val Gly Glu Thr Leu Ser Gln Leu Ala Val Thr Gly Lys 355 360 365 Thr Glu His Asp Ile Ser Ile Phe Ser Ile Asn Arg Pro Ala Leu Lys 370 375 380 Gln Lys Glu Thr Ile 385
【0042】
配列番号:2配列の長さ:389 配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:蛋白質配列の特徴他の情報:Xaaはアラニン以外のアミノ酸配列Met Ser Ile Lys Lys Asp Tyr Asp Val Ile Val Val Gly Xaa Gly Ser 1 5 10 15 Met Gly Met Ala Ala Gly Tyr Tyr Leu Ser Lys Gln Gly Val Lys Thr 20 25 30 Leu Leu Val Asp Ser Phe His Pro Pro His Thr Asn Gly Ser His His 35 40 45 Gly Asp Thr Arg Ile Ile Arg His Ala Tyr Gly Glu Gly Arg Glu Tyr 50 55 60 Val Pro Phe Ala Leu Arg Ala Gln Glu Leu Trp Tyr Glu Leu Glu Lys 65 70 75 80 Glu Thr His His Lys Ile Phe Thr Lys Thr Gly Val Leu Val Phe Gly 85 90 95 Pro Lys Gly Glu Ala Pro Phe Val Ala Glu Thr Met Glu Ala Ala Lys 100 105 110 Glu His Ser Leu Asp Val Asp Leu Leu Glu Gly Ser Glu Ile Asn Lys 115 120 125 Arg Trp Pro Gly Val Thr Val Pro Glu Asn Tyr Asn Ala Ile Phe Glu 130 135 140 Lys Asn Ser Gly Val Leu Phe Ser Glu Asn Cys Ile Arg Ala Tyr Arg 145 150 155 160 Glu Leu Ala Glu Ala Asn Gly Ala Lys Val Leu Thr Tyr Thr Pro Val 165 170 175 Glu Asp Phe Glu Ile Ala Glu Asp Phe Val Lys Ile Gln Thr Ala Tyr 180 185 190 Gly Ser Phe Thr Ala Ser Lys Leu Ile Val Ser Met Gly Ala Trp Asn 195 200 205 Ser Lys Leu Leu Ser Lys Leu Asn Ile Glu Ile Pro Leu Gln Pro Tyr 210 215 220 Arg Gln Val Val Gly Phe Phe Glu Cys Asp Glu Lys Lys Tyr Ser Asn 225 230 235 240 Thr His Gly Tyr Pro Ala Phe Met Val Glu Val Pro Thr Gly Ile Tyr 245 250 255 Tyr Gly Phe Pro Ser Phe Gly Gly Cys Gly Leu Lys Ile Gly Tyr His 260 265 270 Thr Tyr Gly Gln Lys Ile Asp Pro Asp Thr Ile Asn Arg Glu Phe Gly 275 280 285 Ile Tyr Pro Glu Asp Glu Gly Asn Ile Arg Lys Phe Leu Glu Thr Tyr 290 295 300 Met Pro Gly Ala Thr Gly Glu Leu Lys Ser Gly Ala Val Cys Met Tyr 305 310 315 320 Thr Lys Thr Pro Asp Glu His Phe Val Ile Asp Leu His Pro Gln Phe 325 330 335 Ser Asn Val Ala Ile Ala Ala Gly Phe Ser Gly His Gly Phe Lys Phe 340 345 350 Ser Ser Val Val Gly Glu Thr Leu Ser Gln Leu Ala Val Thr Gly Lys 355 360 365 Thr Glu His Asp Ile Ser Ile Phe Ser Ile Asn Arg Pro Ala Leu Lys 370 375 380 Gln Lys Glu Thr Ile 385
【0043】
配列番号:3配列の長さ:389 配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:蛋白質配列の特徴他の情報:Xaaはセリン以外のアミノ酸配列Met Ser Ile Lys Lys Asp Tyr Asp Val Ile Val Val Gly Ala Gly Xaa 1 5 10 15 Met Gly Met Ala Ala Gly Tyr Tyr Leu Ser Lys Gln Gly Val Lys Thr 20 25 30 Leu Leu Val Asp Ser Phe His Pro Pro His Thr Asn Gly Ser His His 35 40 45 Gly Asp Thr Arg Ile Ile Arg His Ala Tyr Gly Glu Gly Arg Glu Tyr 50 55 60 Val Pro Phe Ala Leu Arg Ala Gln Glu Leu Trp Tyr Glu Leu Glu Lys 65 70 75 80 Glu Thr His His Lys Ile Phe Thr Lys Thr Gly Val Leu Val Phe Gly 85 90 95 Pro Lys Gly Glu Ala Pro Phe Val Ala Glu Thr Met Glu Ala Ala Lys 100 105 110 Glu His Ser Leu Asp Val Asp Leu Leu Glu Gly Ser Glu Ile Asn Lys 115 120 125 Arg Trp Pro Gly Val Thr Val Pro Glu Asn Tyr Asn Ala Ile Phe Glu 130 135 140 Lys Asn Ser Gly Val Leu Phe Ser Glu Asn Cys Ile Arg Ala Tyr Arg 145 150 155 160 Glu Leu Ala Glu Ala Asn Gly Ala Lys Val Leu Thr Tyr Thr Pro Val 165 170 175 Glu Asp Phe Glu Ile Ala Glu Asp Phe Val Lys Ile Gln Thr Ala Tyr 180 185 190 Gly Ser Phe Thr Ala Ser Lys Leu Ile Val Ser Met Gly Ala Trp Asn 195 200 205 Ser Lys Leu Leu Ser Lys Leu Asn Ile Glu Ile Pro Leu Gln Pro Tyr 210 215 220 Arg Gln Val Val Gly Phe Phe Glu Cys Asp Glu Lys Lys Tyr Ser Asn 225 230 235 240 Thr His Gly Tyr Pro Ala Phe Met Val Glu Val Pro Thr Gly Ile Tyr 245 250 255 Tyr Gly Phe Pro Ser Phe Gly Gly Cys Gly Leu Lys Ile Gly Tyr His 260 265 270 Thr Tyr Gly Gln Lys Ile Asp Pro Asp Thr Ile Asn Arg Glu Phe Gly 275 280 285 Ile Tyr Pro Glu Asp Glu Gly Asn Ile Arg Lys Phe Leu Glu Thr Tyr 290 295 300 Met Pro Gly Ala Thr Gly Glu Leu Lys Ser Gly Ala Val Cys Met Tyr 305 310 315 320 Thr Lys Thr Pro Asp Glu His Phe Val Ile Asp Leu His Pro Gln Phe 325 330 335 Ser Asn Val Ala Ile Ala Ala Gly Phe Ser Gly His Gly Phe Lys Phe 340 345 350 Ser Ser Val Val Gly Glu Thr Leu Ser Gln Leu Ala Val Thr Gly Lys 355 360 365 Thr Glu His Asp Ile Ser Ile Phe Ser Ile Asn Arg Pro Ala Leu Lys 370 375 380 Gln Lys Glu Thr Ile 385
【0044】
配列番号:4配列の長さ:389 配列の型:アミノ酸トポロジー:直鎖状配列の種類:蛋白質配列の特徴他の情報:Xaaはメチオニン以外のアミノ酸配列Met Ser Ile Lys Lys Asp Tyr Asp Val Ile Val Val Gly Ala Gly Ser 1 5 10 15 Xaa Gly Met Ala Ala Gly Tyr Tyr Leu Ser Lys Gln Gly Val Lys Thr 20 25 30 Leu Leu Val Asp Ser Phe His Pro Pro His Thr Asn Gly Ser His His 35 40 45 Gly Asp Thr Arg Ile Ile Arg His Ala Tyr Gly Glu Gly Arg Glu Tyr 50 55 60 Val Pro Phe Ala Leu Arg Ala Gln Glu Leu Trp Tyr Glu Leu Glu Lys 65 70 75 80 Glu Thr His His Lys Ile Phe Thr Lys Thr Gly Val Leu Val Phe Gly 85 90 95 Pro Lys Gly Glu Ala Pro Phe Val Ala Glu Thr Met Glu Ala Ala Lys 100 105 110 Glu His Ser Leu Asp Val Asp Leu Leu Glu Gly Ser Glu Ile Asn Lys 115 120 125 Arg Trp Pro Gly Val Thr Val Pro Glu Asn Tyr Asn Ala Ile Phe Glu 130 135 140 Lys Asn Ser Gly Val Leu Phe Ser Glu Asn Cys Ile Arg Ala Tyr Arg 145 150 155 160 Glu Leu Ala Glu Ala Asn Gly Ala Lys Val Leu Thr Tyr Thr Pro Val 165 170 175 Glu Asp Phe Glu Ile Ala Glu Asp Phe Val Lys Ile Gln Thr Ala Tyr 180 185 190 Gly Ser Phe Thr Ala Ser Lys Leu Ile Val Ser Met Gly Ala Trp Asn 195 200 205 Ser Lys Leu Leu Ser Lys Leu Asn Ile Glu Ile Pro Leu Gln Pro Tyr 210 215 220 Arg Gln Val Val Gly Phe Phe Glu Cys Asp Glu Lys Lys Tyr Ser Asn 225 230 235 240 Thr His Gly Tyr Pro Ala Phe Met Val Glu Val Pro Thr Gly Ile Tyr 245 250 255 Tyr Gly Phe Pro Ser Phe Gly Gly Cys Gly Leu Lys Ile Gly Tyr His 260 265 270 Thr Tyr Gly Gln Lys Ile Asp Pro Asp Thr Ile Asn Arg Glu Phe Gly 275 280 285 Ile Tyr Pro Glu Asp Glu Gly Asn Ile Arg Lys Phe Leu Glu Thr Tyr 290 295 300 Met Pro Gly Ala Thr Gly Glu Leu Lys Ser Gly Ala Val Cys Met Tyr 305 310 315 320 Thr Lys Thr Pro Asp Glu His Phe Val Ile Asp Leu His Pro Gln Phe 325 330 335 Ser Asn Val Ala Ile Ala Ala Gly Phe Ser Gly His Gly Phe Lys Phe 340 345 350 Ser Ser Val Val Gly Glu Thr Leu Ser Gln Leu Ala Val Thr Gly Lys 355 360 365 Thr Glu His Asp Ile Ser Ile Phe Ser Ile Asn Arg Pro Ala Leu Lys 370 375 380 Gln Lys Glu Thr Ile 385
【0045】
配列番号:5配列の長さ:1670配列の型:核酸(DNA)鎖の数:二本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:genomic cDNA起源生物名:アースロバクター・エスピー(Arthrobacter SP.)株名:TE1826配列CTGCAGTTCT TCCTCCAGCT TTTGAATCCT CACGGTAACA TAAGATTGAA CATAATTTAA 60ACTTTTGGCC GCCTTTGAAA CGCTGCCATA TTCAACTACC TTTTGAAAAA TCTGCAAATC 120TTTAATTTCC AAGTATAATC ACTCCCAAAA CGTTCTTTTA CTACTAGCAC TAGAATATTT 180CTAAAAGTGA TAGCTGCTAT CACTTTTAAG CATTTTACAT GATGGCCAAT AGGCCGTATG 240ATGTAAATAG ATAATTAAGA AAATTCAAAT TACCTGTTTG AAAAAGGAGA GGAAACA 297ATG AGT ATT AAA AAA GAT TAT GAT GTA ATT GTG GTT GGC GCT GGT TCC 345Met Ser Ile Lys Lys Asp Tyr Asp Val Ile Val Val Gly Ala Gly Ser 1 5 10 15 ATG GGA ATG GCA GCT GGG TAC TAT CTG TCT AAA CAA GGT GTT AAA ACA 393Met Gly Met Ala Ala Gly Tyr Tyr Leu Ser Lys Gln Gly Val Lys Thr 20 25 30 CTA TTG GTA GAT TCA TTT CAT CCT CCC CAT ACA AAT GGC AGC CAT CAT 441Leu Leu Val Asp Ser Phe His Pro Pro His Thr Asn Gly Ser His His 35 40 45 GGC GAT ACA CGG ATC ATT CGT CAC GCA TAT GGC GAA GGA AGA GAG TAT 489Gly Asp Thr Arg Ile Ile Arg His Ala Tyr Gly Glu Gly Arg Glu Tyr 50 55 60 GTA CCG TTT GCC TTG AGA GCA CAA GAG TTA TGG TAT GAA TTA GAA AAG 537Val Pro Phe Ala Leu Arg Ala Gln Glu Leu Trp Tyr Glu Leu Glu Lys 65 70 75 80 GAG ACT CAT CAT AAA ATA TTT ACA AAA ACA GGT GTA CTC GTT TTT GGT 585Glu Thr His His Lys Ile Phe Thr Lys Thr Gly Val Leu Val Phe Gly 85 90 95 CCT AAA GGA GAA GCT CCT TTC GTT GCC GAA ACA ATG GAA GCC GCA AAG 633Pro Lys Gly Glu Ala Pro Phe Val Ala Glu Thr Met Glu Ala Ala Lys 100 105 110 GAA CAT TCA TTA GAT GTT GAT TTA CTA GAA GGA AGT GAA ATA AAT AAG 681Glu His Ser Leu Asp Val Asp Leu Leu Glu Gly Ser Glu Ile Asn Lys 115 120 125 CGT TGG CCA GGT GTA ACG GTT CCT GAG AAT TAT AAT GCT ATT TTT GAA 729Arg Trp Pro Gly Val Thr Val Pro Glu Asn Tyr Asn Ala Ile Phe Glu 130 135 140 AAA AAT TCT GGT GTC TTA TTT AGT GAA AAT TGT ATT CGC GCT TAC CGT 777Lys Asn Ser Gly Val Leu Phe Ser Glu Asn Cys Ile Arg Ala Tyr Arg145 150 155 160 GAA TTG GCG GAA GCA AAT GGT GCG AAA GTT CTA ACG TAC ACA CCC GTT 825Glu Leu Ala Glu Ala Asn Gly Ala Lys Val Leu Thr Tyr Thr Pro Val 165 170 175 GAA GAT TTC GAG ATT GCC GAG GAC TTC GTC AAA ATC CAA ACC GCC TAT 873Glu Asp Phe Glu Ile Ala Glu Asp Phe Val Lys Ile Gln Thr Ala Tyr 180 185 190 GGC TCC TTT ACA GCC AGT AAA TTA ATT GTT AGC ATG GGC GCT TGG AAT 921Gly Ser Phe Thr Ala Ser Lys Leu Ile Val Ser Met Gly Ala Trp Asn 195 200 205 AGC AAA CTG CTA TCA AAA TTA AAT ATT GAA ATC CCA TTG CAG CCA TAC 969Ser Lys Leu Leu Ser Lys Leu Asn Ile Glu Ile Pro Leu Gln Pro Tyr 210 215 220 CGT CAA GTT GTC GGA TTC TTC GAA TGT GAT GAA AAA AAA TAT AGC AAT 1017Arg Gln Val Val Gly Phe Phe Glu Cys Asp Glu Lys Lys Tyr Ser Asn225 230 235 240 ACA CAT GGT TAT CCG GCG TTC ATG GTC GAA GTC CCA ACT GGC ATC TAT 1065Thr His Gly Tyr Pro Ala Phe Met Val Glu Val Pro Thr Gly Ile Tyr 245 250 255 TAC GGA TTT CCA AGC TTC GGC GGC TGC GGC TTG AAA ATA GGC TAT CAT 1113Tyr Gly Phe Pro Ser Phe Gly Gly Cys Gly Leu Lys Ile Gly Tyr His 260 265 270 ACG TAT GGT CAA AAA ATC GAT CCA GAT ACG ATT AAT CGT GAA TTT GGT 1161Thr Tyr Gly Gln Lys Ile Asp Pro Asp Thr Ile Asn Arg Glu Phe Gly 275 280 285 ATT TAC CCG GAG GAT GAA GGG AAT ATT CGC AAA TTC CTG GAA ACA TAT 1209Ile Tyr Pro Glu Asp Glu Gly Asn Ile Arg Lys Phe Leu Glu Thr Tyr 290 295 300 ATG CCG GGA GCA ACC GGC GAA TTA AAA AGT GGG GCA GTT TGC ATG TAC 1257Met Pro Gly Ala Thr Gly Glu Leu Lys Ser Gly Ala Val Cys Met Tyr305 310 315 320 ACA AAA ACA CCT GAT GAG CAT TTC GTG ATT GAT TTA CAT CCT CAA TTC 1305Thr Lys Thr Pro Asp Glu His Phe Val Ile Asp Leu His Pro Gln Phe 325 330 335 TCG AAT GTC GCG ATT GCA GCC GGA TTC TCC GGA CAT GGG TTT AAA TTC 1353Ser Asn Val Ala Ile Ala Ala Gly Phe Ser Gly His Gly Phe Lys Phe 340 345 350 TCA AGC GTA GTT GGT GAA ACA TTA AGT CAA TTA GCT GTA ACC GGT AAA 1401Ser Ser Val Val Gly Glu Thr Leu Ser Gln Leu Ala Val Thr Gly Lys 355 360 365 ACA GAA CAC GAT ATT TCC ATC TTT TCA ATC AAT CGC CCT GCT TTA AAA 1449Thr Glu His Asp Ile Ser Ile Phe Ser Ile Asn Arg Pro Ala Leu Lys 370 375 380 CAA AAA GAA ACG ATT TAAAAACGCA AGCAAGCCGT ACATAAATTT CGATAGATAT 1504Gln Lys Glu Thr Ile385TATGTACGGC TTACTTTATT TACAACTTAA AAATCTGCAT ATCAATCCTG TCCCTCTACT 1564GATTGAAGCA CAAACTGTAC TTGAACGGCT TTTTTATTAA CTTGTAACGA TAACAGGAAC 1624GCTAAAATAA GAAGACCGCT GCATAAGAAT AGTACGGGAG GAATTC 1670
【0046】
配列番号:6配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCGT TGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0047】
配列番号:7配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCAT TGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0048】
配列番号:8配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCCT TGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0049】
配列番号:9配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCTA TGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0050】
配列番号:10配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCTG GGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0051】
配列番号:11配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCGA TGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0052】
配列番号:12配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列AAAAGATTAT GATGTAATTG TGGTTGGCAA AGGTTCCATG GGAATGGCAG CTGGGTACT 59
【0053】
配列番号:13配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列ATTATGATGT AATTGTGGTT GGCGCTGGTC CCATGGGAAT GGCAGCTGGG TACTATCTG 59
【0054】
配列番号:14配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列GATGTAATTG TGGTTGGCGC TGGTTCCGGA GGAATGGCAG CTGGGTACTA TCTGTCTAA 59
【0055】
配列番号:15配列の長さ:59配列の型:核酸(DNA)鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:合成DNA配列GATGTAATTG TGGTTGGCGC TGGTCCCGGA GGAATGGCAG CTGGGTACTA TCTGTCTAA 59
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミド pSAOEP3の制限酵素地図を示す。
【図2】塩素イオン(KCl)測定の希釈直線性を示す。
【図3】塩素イオン(NaCl)測定の希釈直線性を示す。
Claims (5)
- アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)が産生するザルコシンオキシダーゼを構成するアミノ酸配列(配列表・配列番号1)の第14番目のアラニンが他の中性アミノ酸に置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号2)を有するザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼ。
- アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)が産生するザルコシンオキシダーゼを構成するアミノ酸配列(配列表・配列番号1)の第14番目のアラニンがイソロイシン、ロイシン、チロシンまたはトリプトファンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号2)を有するザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼ。
- アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)が産生するザルコシンオキシダーゼを構成するアミノ酸配列(配列表・配列番号1)の第16番目のセリンがプロリンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号3)を有するザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼ。
- アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)が産生するザルコシンオキシダーゼを構成するアミノ酸配列(配列表・配列番号1)の第17番目のメチオニンがグリシンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号4)を有するザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼ。
- ザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼをコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、得られた形質転換体を培養し、該培養物から、活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼを採取することを特徴とする改変ザルコシンオキシダーゼの製造法であって、ザルコシンオキシダーゼ活性発現が塩素イオン濃度に依存的である改変ザルコシンオキシダーゼをコードする遺伝子が、アースロバクター・エスピーTE1826(FERM P−10637)が産生するザルコシンオキシダーゼを構成するアミノ酸配列(配列表・配列番号1)の第14番目のアラニンが他の中性アミノ酸に置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号2)、第16番目のセリンがプロリンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号3)または第17番目のメチオニンがグリシンに置換されたアミノ酸配列(配列表・配列番号4)を有する改変ザルコシンオキシダーゼをコードする遺伝子である改変ザルコシンオキシダーゼの製造法。
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