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JP3752477B2 - 金属箔成形体、金属箔成形体の製造方法及び調理用油除けパネル - Google Patents
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JP3752477B2 - 金属箔成形体、金属箔成形体の製造方法及び調理用油除けパネル - Google Patents

金属箔成形体、金属箔成形体の製造方法及び調理用油除けパネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は金属箔成形体、金属箔成形体の製造方法及び調理用油除けパネルに関し、特に2枚のパネルが相互にスライド可能となる金属箔成形体及び金属箔成形体の製造方法並びに調理中の油の飛散防止のためにコンロ部の少なくとも2方を囲むように設置される調理用油除けパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来の調理用油除けパネルの使用状態の一例を示した斜視図である。
【0003】
図を参照して、システムキッチンレンジ70はビルトインコンロとしてレンジトッププレート71に四角枠形状のガードプレート72が埋込まれ、その内部に複数のバーナー部73が平面的に配列されている。バーナー部73の各々には、ポットや鍋等をその上方に載置するための五徳部として、複数の五徳の脚74が配置されている。更に、コンロ部の後方には、レンジトッププレート71におけるグリル、オーブン等からの熱気を排出するためのグリル排気口75が配置されている。
【0004】
調理用油除けパネル101はほぼ矩形形状の右側面パネル111と、正面パネル110の両側の各々に折曲げ自在に接続される正面パネル110及び左側面パネル112とから構成される。これらはいずれもアルミニウム箔をプレス成形加工することによって形成されるものである。
【0005】
正面パネル110はその上方部が緩やかな山形形状を有している平板部17よりなり、平板部17の上端部及び下端部は各々曲げ加工されて縁巻32及び縁巻33が形成されている。尚、平板部17の両端部は折曲げ自在の固定パネル115a及び固定パネル115bが接続されているが、これらは右側面パネル111及び左側面パネル112の一部を構成するものである。
【0006】
左側面パネル112は、上述のように正面パネル110に折曲げ自在に接続された固定パネル115aと、固定パネル115aの内方面にその外方面が対向した状態で固定パネル115aに対して正面パネル110に向かってスライド可能な可動パネル116aとから構成される。
【0007】
固定パネル115aは、矩形平板形状の平板部とその両側縁に形成された縁巻とから構成される。
【0008】
可動パネル116aは、1つの角が丸みを帯びた矩形平板形状の平板部と、その両側縁に形成された縁巻とから構成される。尚、平板部の下方部には、内方側に折曲げられて油受として機能する折曲げ部113aが形成されている。
【0009】
固定パネル115aと可動パネル116aとは、固定パネル115aの縁巻と、可動パネル116aの縁巻の各々とが係合することによって、これらはスライド可能となっている。このスライド構造の詳細については後述する。
【0010】
一方、右側面パネル111も同様に固定パネル115b及び可動パネル116bによって構成され、これらは固定パネル115bの縁巻と、可動パネル116bの縁巻の各々が係合することによって、互いにスライド可能となっている。
【0011】
図12は図11の“Y”部分の拡大斜視図であり、図13は図12のXIII−XIIIラインの端面図であり、図14は図12のXIV−XIVラインの端面図である。
【0012】
これらの図を参照して、まず固定パネル115aの縁巻34と可動パネル116aの縁巻36との係合状態について説明する。図13に示されているように、縁巻36の先端部は外方方向に折り返されて、“C”の範囲において外層縁巻54と内層縁巻55との二層構造の縁巻となっている。一方、縁巻34の先端部分は内方側に折り返されて、“A”部分の範囲において外層縁巻47及び内層縁巻48との二層構造の縁巻となっている。すなわち、“C”の範囲においては縁巻36の外層縁巻54は縁巻34の内面に摺動自在に当接した状態となっている。そして、“A”の範囲においては縁巻34の内層縁巻48は縁巻36の外面に摺動自在に当接した状態となっている。又、“B”の範囲においては縁巻34と縁巻36とは密着することなく隙間が形成されている。
【0013】
縁巻36と縁巻34とは以上のように係合しているため、使用時には係合状態、すなわち“B”の範囲を増減するように縁巻36の縁巻34に対する挿入程度を変化させる。この場合、縁巻36及び縁巻34の各々は、“A”と“C”の範囲における2ヵ所で常時当接しているため、これらの係合状態が安定し、スムーズな挿入動作が保証される。
【0014】
次に図14を参照して、固定パネル115aの平板部20と可動パネル116aの平板部21との係合状態について説明する。平板部20の先端部は、平板部21側に折り返されて“A”の範囲ににおいて折返し片87となり、平板部21に当接した状態となっている。一方、平板部21の先端部も、平板部20側に折り返されて“C”の範囲において折返し片88が形成され、平板部20に当接した状態となっている。
【0015】
平板部20及び平板部21はこのように構成されているため、“B”の範囲においてはそれらは互いに密着せず微視的な隙間が形成されている。従って、平板部20と平板部21とは、それらの端部は互いに当接した状態でありながら内方における微視的な隙間の存在によって平板部20に対して平板部21をスライドさせた場合に生じる接触抵抗を軽減することが可能となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の調理用油除けパネルでは、固定パネルと可動パネルのスライド機能はスムーズに発揮されるが、各々のパネルのスライド部の端部の処理が充分ではなかった。
【0017】
図15はこの問題を説明するための図であって、図11で示した調理用油除けパネルの右側面パネルにおける固定パネルと可動パネルとの重なり端部を拡大した斜視図である。
【0018】
図を参照して、固定パネル115bの平板部20aの端部89は、折返し片87bが折り返されているだけなので、図のように可動パネル116bの平板部21に対して外方に撓むように変形しやすい。すると、可動パネル116bの平板部21と固定パネル115bの平板部20aの端部89との間に、隙間90が生じてしまうことになる。この隙間90は、調理用油除けパネルの美観を損なうばかりかその間から油はね等が浸入しやすくなり、機能上の品質の低下をもたらす。この問題は調理用油除けパネルのみだけでなく、このようなスライド機構を採用した金属箔成形体においても同様である。
【0019】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、縁巻を利用してスライドする機構を有するパネル相互の端部における隙間の発生を抑える金属箔成形体、金属箔成形体の製造方法及び調理用油除けパネルを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、プレス加工によって形成され、スライド自在の金属箔成形体であって、金属箔からなり、第1平板部と第1平板部の両側縁に形成された第1縁巻とからなるほぼ矩形平板形状の第1パネルと、金属箔からなり、第2平板部と第2平板部の両側縁に形成された第2縁巻とからなるほぼ矩形平板形状の第2パネルとからなり、第1縁巻が第2縁巻に摺動自在に収納されることによって第1平板部と第2平板部との重なり具合が変化し、第1平板部の重なり部分における端部は、第1平板部の第1平板面の一方側に折り返され、且つ折り返された端部のうち第1平板面の一方側の面から最大に離れた部分と平板面の一方側の面との間に所定空間を有し、第2平板部の重なり部分における端部は、第2平板部の第2平板面の一方側に折り返され、且つ折り返された端部のうち第2平板面の一方側の面から最大に離れた部分と第2平板面の一方側の面との間に所定空間を有するものである。
【0021】
このように構成すると、第1平板部及び第2平板部の各々の重なり部分における端部の剛性が高まるので、幅方向に対する直交方向への撓みや変形が少なくなる。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1平板部及び第2平板部の各々の端部は、第2平板部及び第1平板部の各々の側に向かって折り返され、第2平板面及び第1平板面の各々に当接するものである。
【0023】
このように構成すると、折返し部分は外方に露出することはない。
【0024】
請求項3記載の発明は、プレス加工によって形成され、スライド自在の金属箔成形体の製造方法であって、金属箔からなり、ほぼ矩形形状の第1平板の一方端部を折返して第1平板の面とに所定空間を有する第1折返し片を形成する工程と、金属箔からなり、第1平板の幅とほぼ同一幅の第2平板の一方端部を折返して第2平板の面とに所定空間を有する第2折返し片を形成する工程と、第1折返し片を含む第1平板と第2折返し片を含む第2平板とを重ね合わせ、第1平板と第2平板とを幅方向の両端縁で揃える工程と、重ね合わされた状態で、第1平板および第2平板の両端縁の各々から幅方向の所定範囲の第1折返し片及び第2折返し片の各々の一部を押し潰すように平坦化する工程と、重ね合わされた状態で、平坦化された第1折返し片及び第2折返し片の各々の一部を巻き込むようにして縁巻を形成する工程とからなるものである。
【0025】
このように構成すると、第1平板及び第2平板の端部の折返し片の各々は縁巻部以外の部分に残存する。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、第1平板と第2平板とを幅方向で揃える工程において、第1平板と第2平板とは、第1折返し片が第2平板の平面部に、第2折返し片が第1平板の平面部に、互いに当接するように重ね合わせられるものである。
【0027】
このように構成すると、第1折返し片及び第2折返し片が外方に露出しない。
【0028】
請求項5記載の発明は、ガスレンジのバーナー部等の両側の少なくとも一方と奥側とを囲むようにして設置する形式の調理用油除けであって、金属箔からなり、ほぼ矩形平板状の正面パネルと、金属箔からなり、正面パネルに折曲げ自在に接続される、ほぼ矩形平板形状の側面パネルとからなり、側面パネルは請求項1又は請求項2記載の金属箔成形体により構成されるものである。
【0029】
このように構成すると、側面パネルの正面パネルからの突出し長さが変化するとともに、側面パネルを構成する第1パネルと第2パネルとの重なり部分の端部の隙間が拡大しない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1平板部及び第2平板部の端部の剛性が高まるので、互いの重なり部分の端部と平板部との隙間が大きくなる虞がないので美観及び品質が向上する。
【0031】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、折返し部分は外方に露出することがないため、すっきりとした外観となるとともに、重なり部分の第1平板部と第2平板部とは折返し部分を除いてスペースがあるため、よりスムーズなスライドが可能となる。又、折返し部分によって、脱落防止のストッパーとしての機能がより発揮される。
【0032】
請求項3記載の発明は、第1平板及び第2平板の端部の折返し片の各々は縁巻部以外に残存するため、重なり部分の端部の剛性は低下することなく、スムーズな伸縮を可能とする金属箔成形体が製造される。
【0033】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、第1折返し片及び第2折返し片が外方に露出しないため、すっきりとした外観となるとともに重なり部分の第1平板部と第2平板部とは折返し部分を除いてスペースがあるため、よりスムーズなスライドが可能となる。
【0034】
請求項5記載の発明は、使用状況に応じて側面パネルの突出し長さを調整できるので使い勝手が向上する。そして、第1パネルと第2パネルとの重なり部分から油跳ねが浸入することはないため品質が向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態による金属箔成形体によって構成される調理用油除けパネルの外観形状を示した斜視図である。
【0036】
図を参照して、調理用油除けパネル101はほぼ矩形形状の正面パネル110と、正面パネル110の両側の各々に折曲げ自在に接続される右側面パネル111及び左側面パネル112とから構成される。これらはいずれもアルミニウム箔をプレス成形加工することによって形成される金属箔成形体である。正面パネル110は必要に応じてその上方部が緩やかな山形形状を有している平板部17よりなり、平板部17の上端部及び下端部は各々曲げ加工されて縁巻32及び縁巻33が形成されている。尚、平板部17の両端部は折曲げ自在の固定パネル115b及び固定パネル115aが接続されているが、これらは右側面パネル111及び左側面パネル112の一部を構成するものである。
【0037】
右側面パネル111は、上述のように正面パネル110に折曲げ自在に接続された固定パネル115bと、固定パネル115bの内方面にその外方面が対向した状態で固定パネル115bに対して正面パネル110に向かってスライド可能な可動パネル116bとから構成される。
【0038】
固定パネル115bは、矩形平板形状の平板部20bと平板部20bの両側縁に形成された縁巻34b及び縁巻35bとから構成される。
【0039】
可動パネル116bは、1つの角が丸みを帯びた矩形平板形状の平板部21bと平板部21bの両側縁に形成された縁巻36b及び縁巻37bとから構成される。尚、平板部21bの下方部には、内方側に折曲げられて油受として機能する折曲げ部113bが形成されていても良い。又折曲げ部113bの下面には、調理用油除けパネル101の設置時に右側面パネル111の不用意な移動を防止するための滑り防止テープが接着されていても良い。
【0040】
固定パネル115bと可動パネル116bとは、固定パネル115bの縁巻34b及び縁巻35bと、可動パネル116bの縁巻36b及び縁巻37bの各々とが係合することによって、従来例で示したようにこれらはスライド可能となっている。
【0041】
一方、左側面パネル112も同様に固定パネル115a及び可動パネル116aによって構成され、これらは固定パネル115aの縁巻34a及び縁巻35bと、可動パネル116aの縁巻36a及び縁巻37aの各々が係合することによって、互いにスライド可能となっている。尚、固定パネル115及び可動パネル116の各々のスライド側の端部の形状は従来例とは異なっているが、これについては後述する。
【0042】
図2は図1の“X”部分の拡大斜視図であり、図3は図2のIII−IIIラインの端面図であり、図4は図2のIV−IVラインの端面図であり、図5は図2のV−Vラインの端面図であり、図6は図2のVI−VIラインの端面図である。
【0043】
これらの図を参照して、まず固定パネル115aの縁巻34aと可動パネル116aの縁巻36aとの係合状態についてであるが、これは従来例で示した図13の端面形状と同一であるのでここでの説明は繰り返さない。
【0044】
次に図3を参照して、固定パネル115aの平板部20aと可動パネル116aの平板部21aとの係合状態について説明する。平板部20aの先端部は、平板部21a側に折返されて折曲げ片18aが形成され、更に平板部21aと平行に折返されて折返し片22aが形成され、平板部21aに当接した状態となっている。一方、平板部21aの先端部も平板部20a側に折返されて折曲げ片19aが形成され、更に平板部20aと平行に折返されて折返し片23aが形成され、平板部20aに当接した状態となっている。
【0045】
すなわち、折返し片22a及び折返し片23aは、従来例のように平板部20a及び平板部21aに密着した状態とならず、折曲げ片18a及び折曲げ片19aの分だけ各々平板部20a及び平板部21aから所定空間61及び所定空間62離れた状態で形成されている。このため図面を貫通する方向を軸方向とした場合、その軸に対して上下に直交する方向に対する曲げ剛性が大きくなることになる。その結果、折返し片22a及び折返し片23aの平板部21a及び平板部20aに対する当接状態が保持され、従来例のようにその間に隙間が生じる虞が低減する。
【0046】
尚、上記の所定空間は大きい程曲げ剛性を高めるが、少なくとも折返し片22a及び折返し片23aの板厚の3倍以上の空間が保持されることが好ましい。これによって平板部20aの折返し片端部24は、外方に露出することなく、又折返し部の曲げ剛性が向上する。
【0047】
同様に平板部21aにおいても折返し片端部25は外方に露出せず、又折返し部の強度が向上する。尚、折返し片22a及び折返し片23aは、各々平板部20a及び平板部21aから離れた位置に形成されているため、スライドさせた場合の脱落を防止するストッパーとしての機能を従来例に比べてより発揮し得る形状となっている。
【0048】
平板部20a及び平板部21aはこのように構成されているため、端部を除いた範囲においてはそれらは互いに密着せず微視的な隙間30が形成されている。従って、平板部20aと平板部21aとは、それらの端部は互いに当接した状態でありながら、微視的な隙間30の存在によって平板部20aに対して平板部21aをスライドさせた場合に生じる接触抵抗を確実に軽減することが可能となる。
【0049】
ここで図4から図6を参照して、縁巻部の係合状態について説明する。
【0050】
図2において“A”部分で示した縁巻部の係合状態は図4の端面図に示されている。すなわち、平板部20aと折返し片22aとは、縁巻34aに近接した位置で傾斜部50a及び傾斜部51aを介して密着状態に変形している。そして縁巻34aにおいて、平板部20aに接続する部分は外層縁巻47となり、折返し片22aに接続する部分は内層縁巻48となっている。一方、平板部21aは折返し片22aに接続する傾斜部51aに沿うように変形して傾斜部52aとなり、それに続く縁巻36aは縁巻34aの内層縁巻48に巻き込まれた状態となっている。これによって可動パネル116aの縁巻36aは、固定パネル115aの縁巻34aを構成する内層縁巻48に対して摺動自在で係合することになる。
【0051】
図2において“B”部分で示した縁巻部の係合状態は図5の端面図に示されている。すなわち、この部分には固定パネル115aにおいては折返し片22aが形成されていない。従って、平板部20aは図4で示した形状と同様に傾斜部50aにおいて変形し縁巻34aに接続している。一方、可動パネル116aの平板部21aは、図4で示した形状と同様に傾斜部52aにおいて変形し縁巻36aに接続している。従って、この位置における縁巻部の係合にあっては、縁巻34aと縁巻36aとは実質上当接状態とはならず、折返し片22aの板厚分程度の隙間が空いた状態となって係合している。
【0052】
図2において“C”部分で示した縁巻部の係合状態は図6の端面図によって示されている。この位置にあっては、固定パネル115aの平板部20aは折返し片22aが存在していないため、図5で示したものと同様の形状となっている。すなわち、平板部20aは傾斜部50aで変形し縁巻34aに接続している。
【0053】
一方、可動パネル116aの平板部21aにあっては、この位置においては折返し片23aが形成されている。そして平板部21a及び折返し片23aは縁巻36aの近接位置で傾斜部52a及び傾斜部53aのように変形して互いに密着状態となる。そしてこの密着状態のまま縁巻34aの内方に接するように縁巻36aが形成されている。すなわち傾斜部52aは縁巻36aの内層縁巻55に接続し、傾斜部53aは縁巻36aの外層縁巻54に接続している。そして縁巻36aの外層縁巻54と縁巻34aが摺動可能な状態に係合している。
【0054】
このようにして固定パネル115aの縁巻34aと可動パネル116aの縁巻36aとが、その重なり部分の両端部において摺動自在に係合し、且つその内方部では互いに密着しない状態となっているため、パネルのスライド時における摺動動作がスムーズとなる。
【0055】
尚、図2においては図1の“X”部分のみを示しているが、固定パネル115aの縁巻35aと可動パネル116aの縁巻37aとの係合も同様の構造である。従って、固定パネル115aと可動パネル116aとは、それらの重なり状態を保持しながらスムーズで且つ安定したスライド動作が可能となる。
【0056】
図7は図2で示した平面部と縁巻とを含む左側面パネルの製造方法を示した図である。
【0057】
図7の(1)に示されているように、アルミニウム箔よりなる矩形形状の第1平板26aと、同様にアルミニウム箔よりなる矩形形状の第2平板27aとを各々準備する。尚、第1平板26aの端部59の長さすなわち第1平板26aの幅方向の長さと、第2平板27aの端部60の長さすなわち第2平板27aの幅方向とはほぼ同一長さとなっている。
【0058】
次に、図7の(2)に示されているように、第1平板26aの端部59から所定範囲の部分を第2平板27a側に折返して折曲げ片18aを形成し、更にその端部を第1平板26aに平行となるように折返して折返し片22aを形成する。同様に第2平板27aの端部60から所定範囲の部分を第1平板26a側に折返して折曲げ片19aを形成し、更にその端部を第2平板27aに平行となるように折返して折返し片23aを形成する。この状態で第1平板26aの折返し片22aが第2平板27aの平面部に対して、第2平板27aの折返し片23aが第1平板26aの平面部に対して、互いに接触する状態に重ね合わせる。
【0059】
この重ね合わされた状態で図7の(3)における二点鎖線で示された部分から外方の所定範囲において、第1平板26a及び第2平板27aの部分を折曲げ片18a及び折返し片22a並びに折曲げ片19a及び折返し片23aと共にプレスして平坦化する。これによって、その部分の折曲げ片18aも変形し、折返し片22aの第1平板26aの外方部分には、傾斜部51aと第1平板26aに密着した平坦部57aが形成される。同様に、折返し片23aの第2平板27aの外方部分には、傾斜部53aと第2平板27aに密着した平坦部58aが形成される。図7の(3)は、便宜上この平坦化された状態から第1平板26a及び第2平板27aを離した状態を示している。
【0060】
次に、図7の(4)に示されているように第1平板26aと第2平板27aとを重ね合わせた状態で、矢印で示す方向に第1平板26a及び第2平板27aの外方部の平坦化されている部分を一体的に巻き込むように曲げ加工して縁巻を形成する。このようにして図2で示したような固定パネル115a及び可動パネル116aの係合構造を一度のプレス成形によって得ることが可能となる。これによって、縁巻34aと縁巻36aとの当接状態は良好となり、スムーズな係合状態を確保することができる。
【0061】
又、このようにして平板部及び縁巻を形成するため、固定パネル115aの折返し片22aと可動パネル116aの折返し片23aとが互いにストッパーの役目を果たし、可動パネル116aを引出した時の固定パネル115aからの不用意な脱落を防止する。
【0062】
図8はこの発明の第2の実施の形態による金属箔成形体の係合状態を示した端面図であって、先の実施の形態による図3に対応した図である。
【0063】
図を参照して、平板部20aの端部が折曲げられて折曲げ片18a及び折返し片22aが形成されている点は先の実施の形態と同様であるが、この実施の形態においては、更に折返し片22aの先端が平板部20a側に折曲げられて戻り片40aが形成され、更にその先端が折曲げられて平板部20aに沿うように外方に伸びる延長片42aが形成されている。一方、平板部21aの端部も同様に、折曲げ片19a及び折返し片23aに続く戻り片41a及び延長片43aが形成されている。
【0064】
この実施の形態においても、平板部20aと折返し片22aとの間に所定空間61が、平板部21aと折返し片23aとの間に所定空間62が、各々形成されて端部の曲げ剛性を高めている。しかしこの実施の形態においては更に戻り片40a及び延長片42a並びに戻り片41a及び延長片43aが形成されているため、更に曲げ剛性を向上させている。尚、この実施の形態におけるスライド機能を発揮する縁巻の係合状態は先の実施の形態と同様である。
【0065】
図9はこの発明の第3の実施の形態による金属箔成形体の係合状態を示した端面図であって、第1の実施の形態による図3に対応した図である。
【0066】
図を参照して、この実施の形態においては平板部20aの端部には縁巻部44aが形成されて所定空間61を確保している。一方、平板部21aの端部には縁巻部45aが形成されて所定空間62が確保されている。これによって平板部20a及び平板部21aの端部の曲げ剛性を高めている。この実施の形態においてもスライド機能を発揮する縁巻部の係合状態は第1の実施の形態によるものと同一である。
【0067】
図10はこの発明の第4の実施の形態による金属箔成形体の係合状態を示した端面図であって、第1の実施の形態による図3に対応した図である。
【0068】
図を参照して、この実施の形態においては、平板部20a及び平板部21aの各々の端部に形成されている折曲げ部の形状は図8に示した実施の形態によるものと基本的には同一である。しかし、この実施の形態においてはそれらの折曲げ部が平板部20a及び平板部21aの各々から互いに外方に向かって形成されている点が異なっている。このように外方に向けて平板部20a及び平板部21aの端部を折曲げるように構成しても、同様に端部の曲げ剛性が向上する。尚、この実施の形態によるスライド機能を発揮する縁巻部の係合状態は第1の実施の形態によるものと同一である。
【0069】
尚、上記の各実施の形態では、金属箔成形体として調理用油除けパネルを例示しているが、フィルターカバー等の他の用途の金属箔成形体にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0070】
又、上記の各実施の形態では、平板の折り返し端部の形状を特定しているが、曲げ剛性を高める形状であれば他の折返し形状であっても良い。
【0071】
更に、上記の各実施の形態では、縁巻の中心は平坦部の面と折返し片の面との間の中央の面の延長上に位置しているが、この中心位置は平坦部又は折返し片のいずれか一方に偏心した面上の位置であっても良い。
【0072】
更に、上記の各実施の形態で示した調理用油除けでは、縁巻部の巻き込み方向を特定しているが、反対方向に巻き込むように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による金属箔成形体によって形成された調理用油除けパネルの外観形状を示した斜視図である。
【図2】図1で示した“X”部分の拡大斜視図である。
【図3】図2で示したIII−IIIラインの端面図である。
【図4】図2で示したIV−IVラインの端面図である。
【図5】図2で示したV−Vラインの端面図である。
【図6】図2で示したVI−VIラインの端面図である。
【図7】この発明の第1の実施の形態による金属箔成形体の製造方法を示した概略工程図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による金属箔成形体の係合状態を示した端面図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態による金属箔成形体の係合状態を示した端面図である。
【図10】この発明の第4の実施の形態による金属箔成形体の係合状態を示した端面図である。
【図11】従来の調理用油除けパネルの使用状態の一例を示した斜視図である。
【図12】図11で示した“Y”部分の拡大斜視図である。
【図13】図12で示したXIII−XIIIラインの端面図である。
【図14】図12で示したXIV−XIVラインの端面図である。
【図15】図11で示した調理用油除けパネルの問題点を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
18,19…折曲げ片
20,21…平板部
22,23…折返し片
26…第1平板
27…第2平板
34,35,36,37…縁巻
57,58…平坦部
59,60…端部
61,62…所定空間
101…調理用油除けパネル
110…正面パネル
111…右側面パネル
112…左側面パネル
113…折曲げ部
115…固定パネル
116…可動パネル
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. プレス加工によって形成され、スライド自在の金属箔成形体であって、
    金属箔からなり、第1平板部と前記第1平板部の両側縁に形成された第1縁巻とからなるほぼ矩形平板形状の第1パネルと、
    金属箔からなり、第2平板部と前記第2平板部の両側縁に形成された第2縁巻とからなるほぼ矩形平板形状の第2パネルとからなり、
    前記第1の縁巻が前記第2の縁巻に摺動自在に挿入されることによって、前記第1平板部と前記第2平板部との重なり具合が変化し、
    前記第1平板部の重なり部分における端部は、前記第1平板部の第1平板面の一方側に折り返され、且つ前記折り返された前記端部のうち前記第1平板面の前記一方側の面から最大に離れた部分と前記第1平板面の前記一方側の面との間に所定空間を有し、
    前記第2平板部の重なり部分における端部は、前記第2平板部の第2平板面の一方側に折り返され、且つ前記折り返された前記端部のうち、前記第2平板面の前記一方側の面から最大に離れた部分と前記第2平板面の前記一方側の面との間に所定空間を有する、金属箔成形体。
  2. 前記第1平板部及び前記第2平板部の各々の端部は、前記第2平板部及び前記第1平板部の各々の側に向かって折り返され、前記第2平板面及び前記第1平板面の各々に当接する、請求項1記載の金属箔成形体。
  3. プレス加工によって形成され、スライド自在の金属箔成形体の製造方法であって、
    金属箔からなり、ほぼ矩形形状の第1平板の一方端部を折返して前記第1平板の面とに所定空間を有する第1折返し片を形成する工程と、
    金属箔からなり、前記第1平板の幅とほぼ同一幅の第2平板の一方端部を折返して、前記第2平板の面とに所定空間を有する第2折返し片を形成する工程と、
    前記第1折返し片を含む前記第1平板と前記第2折返し片を含む前記第2平板とを重ね合わせ、前記第1平板と前記第2平板とを幅方向の両端縁で揃える工程と、
    前記重ね合わされた状態で、前記第1平板及び前記第2平板の前記両側縁の各々から前記幅方向の所定範囲の前記第1折返し片及び前記第2折返し片の各々の一部を押し潰すように平坦化する工程と、
    前記重ね合わされた状態で、前記平坦化された前記第1折返し片及び前記第2折返し片の各々の一部を巻き込むようにして縁巻を形成する工程とからなる、金属箔成形体の製造方法。
  4. 前記第1平板と前記第2平板とを幅方向で揃える工程において、前記第1平板と前記第2平板とは、前記第1折返し片が前記第2平板の平面部に、前記第2折返し片が前記第1平板の平面部に、互いに当接するように重ね合わされる、請求項3記載の金属箔成形体の製造方法。
  5. ガスレンジのバーナー部等の両側の少なくとも一方と奥側とを囲むようにして設置する形式の調理用油除けであって、
    金属箔からなり、ほぼ矩形平板状の正面パネルと、
    金属箔からなり、前記正面パネルに折曲げ自在に接続される、ほぼ矩形平板形状の側面パネルとからなり、
    前記側面パネルは、請求項1又は請求項2記載の金属箔成形体により構成される、調理用油除け。
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