JP3753545B2 - 部品吸着ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子部品の電子回路基板に対する装着等に適用される部品装着装置において、部品を吸着して装着する部品吸着ヘッドに関し、特にその真空封止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子回路基板に電子部品を自動的に装着する部品装着装置における部品吸着ヘッドは、電子部品を吸着して電子回路基板上に装着するためのノズルを備えている。近年では、確実に電子部品を吸着して作業能率を高め、また高価な電子部品を落下させることがないようにノズルの吸着力を安定させることが要望されている。
【0003】
以下、従来の電子部品装着装置について、図7を参照しながら説明する。図7において、電子部品装着装置は、電子部品を吸着するノズルを備えた吸着ヘッド部51と、電子部品をノズルにて吸着するための吸引装置52と、吸着ヘッド部51をX,Y方向に移動させるXYロボット53と、吸着ヘッド部51、吸引装置52及びXYロボット53の動作制御を行う制御装置54とを備えている。なお、図7においては、吸着ヘッド部51の主要な構成部品のみを示し、例えばボディ部等の図示を省略している。
【0004】
55はスプラインシャフトで、その軸芯方向に移動可能に2つのナット56、57が嵌合して取付けられ、これらナット56、57がベアリング58、59を介して吸着ヘッド部51のボディ部(図示せず)に支持されている。これによって、スプラインシャフト55は軸芯方向に移動可能にかつ軸芯回りに回転可能であり、吸着ヘッド部51に装着されたモータ60によってプーリ61、ベルト62、プーリ63を介して回転駆動される。
【0005】
スプラインシャフト55の先端部55aには、電子部品64を吸着するノズル65が設けられている。このノズル65の内部には吸引時にゴミの侵入を防ぐためのフィルタ66を備えている。
【0006】
スプラインシャフト55はボイスコイルモータ67にて昇降駆動可能に構成され、その加圧力によりスプラインシャフト55、即ちノズル65を下降させて電子部品64の吸着、装着作業を行うように構成されている。ボイスコイルモータ67は、閉鎖箱としてのケーシング68の軸芯部にスプラインシャフト55を貫通させ、このスプラインシャフト55にマグネット70を固定し、ケーシング68の内周に配設したボイスコイル69に通電することでマグネット70、即ちスプラインシャフト55を上下に駆動するように構成されている。
【0007】
ノズル65は、スプラインシャフト55に設けられた中空穴71、及び連通穴72を通してケーシング68内の空間73に連通され、この空間73はケーシング68に設けた連通穴74、エアジョイント75を介して吸引装置52に接続されている。従って、部品吸着時には吸引装置52にてエアジョイント75を介して真空吸引してノズル65に真空圧を与え、電子部品64を吸着する。ケーシング68の上下端におけるスプラインシャフト55の貫通部は、極く柔らかい環状円板状のパッキン76を蓋77で止めて真空封止されている。
【0008】
なお、スプラインシャフト55の上端部にはNS極に着磁した磁気スケール78が固定され、磁気センサ79で磁気スケール78の位置を読み取ることによりノズル65の位置を検出し、また磁気スケール78の先端を透過センサ80で読み取り、原点位置を検出するように構成されている。
【0009】
以上の構成の部品装着装置の動作を説明すると、制御装置54の制御動作によりXYロボット53が動作して吸着ヘッド部51が電子部品の吸着場所である部品吸着位置に移動する。そして、制御装置54にて磁気スケール78を読み取りながらボイスコイルモータ67に対する通電を制御してノズル65を下降させ、電子部品64にノズル65が接触すると吸引装置52を作動してエアジョイント75、連通穴74、ケーシング68内の空間73、連通穴72、中空穴71を介してノズル65に真空圧を与え、電子部品64を吸着する。電子部品64の吸着後ノズル65が上昇する。次に、XYロボット53が吸着ヘッド部51を部品認識カメラ上に移動させ、電子部品64の吸着位置を撮像し、その情報をもとに位置補正する。このときモータ60にてプーリ61、ベルト62、プーリ63、ナット56を介してスプラインシャフト55を回転させる。次に、XYロボット53が吸着ヘッド部51を電子回路基板上に移動させる。次に、ボイスコイルモータ67に通電されてノズル65が下降し、電子回路基板上に電子部品64が接触するとノズル65の吸引装置52との連通を遮断して大気圧に戻し、電子部品64を電子回路基板上に装着する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では以下のような問題がある。装着される電子部品64は1mm角以下の微小なものから60mm角まで多種多様であり、しかもそれらを確実に吸着しかつ装着位置まで移載する間にノズル65と密着して位置ずれを生じないようにする必要がある。そのためにはノズル65に対して安定して真空吸引しなければならない。
【0011】
ところで、スプラインシャフト55の断面には、図8に示すように、ナット56、57に設けられたボール81が転動するように溝82等が設けられており、それを密閉しなければケーシング68からエア漏れが発生し、ノズル65に対して充分な真空圧を与えられない。そこで、従来は極く柔らかいパッキン76をスプラインシャフト55の貫通部に配置し、さらに高粘度の真空用グリス等を塗布することによって、この溝82の密閉性を高めている。
【0012】
しかし、塗布したグリスは度重なる真空引きによりやがてケーシング68内に吸い込まれて無くなってしまい、また極く柔らかいパッキン76はその柔軟性の故に劣化し、経時変化後はエア漏れが起こり、ノズル65の真空圧を十分に確保できず、吸着姿勢を補正して装着位置まで移動する間に位置ずれして装着異常を発生する原因になるという問題があった。また、異型部品など十分広い吸着スペースを持たない電子部品の場合には、特に吸着が安定し難いため、装着の作業効率が著しく低下するという問題があった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、ノズルによる真空吸着を安定化して装着品質の向上を図れる部品吸着ヘッドを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の部品吸着ヘッドは、部品を吸着して装着する部品装着装置の部品吸着ヘッドにおいて、外周面に嵌合させたナットにて軸芯方向に移動可能に支持されるとともに外周面に形成された溝とナットの係合にて回転方向に規制されたシャフトを設け、このシャフトの下端部に部品を吸着するノズルを設けるとともに、シャフトの軸芯部にノズルに連通する中空穴を設け、シャフトの中間部に中空穴に連通する連通穴を設け、この連通穴を囲むように閉鎖箱を設け、閉鎖箱のシャフトが貫通する部分に、シャフトの断面形状と同形状の穴を持つパッキンを設け、閉鎖箱を真空吸引手段に接続した部品吸着ヘッドであって、前記パッキンはシャフトの断面形状と同形状の穴を持ってシャフトに密着する柔らかい第1パッキンと、シャフトの溝と噛み合いかつシャフトの溝以外の箇所は隙間を有した剛性の高い第2パッキンとを重ねて配設したものであり、閉鎖箱のシャフト貫通部でシャフトに対して同形状の穴を持つ第1パッキンが密着しているので、閉鎖箱の外部に対する密閉が確保され、真空吸引手段による真空吸引が洩れずにノズルに到達し、ノズルに十分な真空度を確保することができ、さらにシャフトの回転に伴って第2パッキンが回転し、この第2パッキンとともに第1パッキンが回転することにより、シャフトが回転しても第1パッキンとシャフトの回転位相がずれず、柔らかい第1パッキンの密着によって密閉が確保され、真空吸引手段による真空吸引が洩れずにノズルに到達し、ノズルに十分な真空度を確保することができる。
【0015】
また、上記閉鎖箱に接触する上記第2パッキンと上記第1パッキンとの間に設けられ、上記第2パッキンを上記閉鎖箱に押圧する付勢部材をさらに備えると、より真空吸引が洩れず効果的である。
【0016】
さらにまた、上記閉鎖箱に接続され、上記閉鎖箱内、上記連通穴、及び上記中空穴を介して上記ノズル内を大気圧状態に復帰させ上記部品の吸着を解除するブロー装置を備える場合に、このブロー装置にて上記閉鎖箱内を大気圧状態に復帰させたときに、上記付勢部材が、上記第2パッキンを上記閉鎖箱に押圧し、上記第2パッキンと上記閉鎖箱との接触面部分に生じた空気通路をつぶして真空吸引手段による吸引動作のときの空気漏れを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の部品吸着ヘッドの参考例について、図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
まず、本参考例の部品吸着ヘッドを備えた電子部品装着装置の全体構成を図1を参照して説明する。図1において、電子回路基板1は搬送部2にて搬入、搬出され、また生産時には所定位置で保持される。3及び4はともに電子回路基板1に装着する電子部品を収納し、供給する電子部品供給部であり、電子部品供給部3は電子部品をリールに収めたリール式の電子部品供給部であり、電子部品供給部4は電子部品をトレイに収めたトレイ式の電子部品供給部である。
【0019】
5は電子部品を吸着するノズル6の昇降回転動作を行う部品吸着ヘッド部であり、この部品吸着ヘッド部5をX,Y方向に移動させるXYロボット7に装着されている。電子部品の吸着時には、XYロボット7にて部品吸着ヘッド部5、即ちノズル6を、電子部品供給部3又は4における電子部品保持位置へ移動させた後、ノズル6を下降して電子部品を吸着し、吸着後にノズル6を上昇させる。
【0020】
ノズル6による電子部品の吸着状況は、部品認識カメラ8にて撮像され、その撮像情報に基づいて電子回路基板1への装着前に電子部品の吸着角度の補正等の要否が判断される。ノズル6に吸着された電子部品はXYロボット7による部品吸着ヘッド部5の移動によりX,Y方向に移動されて電子回路基板1上の所定位置まで移動される。そして、部品吸着ヘッド部5の動作によりノズル6が下降し、電子回路基板1上の所定の部品装着位置へ電子部品を装着し、電子部品の吸着を解除する。以上の動作を繰り返すことで、各電子部品が電子部品供給部3又は4から電子回路基板1上へ装着される。
【0021】
図2に、部品吸着ヘッド部5の詳細構成、及びXYロボット7、ノズル6にて電子部品を吸着するための吸引装置9、及び部品吸着ヘッド部5とXYロボット7と吸引装置9の動作制御を行う制御装置10とを示す。なお、図2で、便宜上、XYロボット7にて直接スプラインシャフト11を駆動するように図示しているが、実際にはXYロボット7にて部品吸着ヘッド部5が移動される。
【0022】
部品吸着ヘッド部5において、スプラインシャフト11にはその軸芯方向に移動可能に2つのナット12、13が嵌合されている。スプラインシャフト11にはナット12、13に設けられたボールが転動する溝が軸芯方向に形成され、軸芯方向に摺動自在に支持されるとともに回転方向に係合されている。そして、ナット12、13がベアリング14、15を介して吸着ヘッド部5のボディ部(図示せず)に支持されており、スプランイシャフト11は軸芯方向に移動可能にかつ軸芯回りに回転可能に支持され、部品吸着ヘッド部5に装着されたモータ16によってプーリ17、ベルト18、プーリ19を介して回転駆動される。
【0023】
スプラインシャフト11の先端部11aには、電子部品20を吸着するノズル6が設けられている。このノズル6の内部には吸引時にゴミの侵入を防ぐためのフィルタ21を備えている。
【0024】
スプラインシャフト11はボイスコイルモータ22にて昇降駆動可能に構成され、その加圧力によりスプラインシャフト11、即ちノズル6を下降させて電子部品20の吸着、装着作業を行うように構成されている。ボイスコイルモータ22は、閉鎖箱としてのケーシング23の軸芯部にスプラインシャフト11を貫通させ、このスプラインシャフト11にマグネット24を固定し、ケーシング23の内周に配設したボイスコイル25に通電することでマグネット24、即ちスプラインシャフト11を上下に駆動するように構成されている。
【0025】
ノズル6は、スプラインシャフト11に設けられた中空穴26、及び連通穴27を通してケーシング23内の空間28に連通され、この空間28はケーシング23に設けた連通穴29、エアジョイント30を介して吸引装置9に接続されている。従って、部品吸着時には吸引装置9にてエアジョイント30を介して真空吸引してノズル6に真空圧を与え、電子部品20を吸着する。
【0026】
ケーシング23の上下端におけるスプラインシャフト11の貫通部には、パッキン31が配置されて蓋32で止めて真空封止されている。パッキン31は、図3に詳細に示すように、スプラインシャフト11の断面形状と同じ形状の穴を持っており、蓋32で押さえ付けられてケーシング23の外面に密着している。これにより空間28と外部が密封され、吸引装置9による吸引時に外気が空間28内に漏れ込んで真空が低下することなく、ノズル6の十分な真空状態が確保される。
【0027】
スプラインシャフト11の上端部にはNS極に着磁した磁気スケール33が固定され、磁気センサ34で磁気スケール33の位置を読み取ることによりノズル6の位置を検出し、また磁気スケール33の先端を透過センサ35で読み取り、原点位置を検出するように構成されている。
【0028】
以上の構成の部品装着装置の動作を説明する。制御装置10の制御動作によりXYロボット7が動作して部品吸着ヘッド部5が電子部品の吸着場所である部品吸着位置に移動する。そして、制御装置10にて磁気スケール33を読み取りながらボイスコイルモータ22に対する通電を制御してノズル6を下降させ、電子部品20にノズル6が接触すると吸引装置9を作動してエアジョイント30、連通穴29、ケーシング23内の空間28、連通穴27、中空穴26を介してノズル6に真空圧を与え、電子部品20を吸着する。電子部品20の吸着後ノズル6が上昇する。次に、XYロボット7が部品吸着ヘッド部5を部品認識カメラ8上に移動させ、電子部品20の吸着位置を撮像し、その情報をもとに位置補正する。このときモータ16にてプーリ17、ベルト18、プーリ19、ナット12を介してスプラインシャフト11を回転させる。次に、XYロボット7が部品吸着ヘッド部5を電子回路基板1上に移動させる。次に、ボイスコイルモータ22に通電されてノズル6が下降し、電子回路基板1上に電子部品20が接触するとノズル6の吸引装置9との連通を遮断して大気圧に戻し、電子部品20を電子回路基板1上に装着する。
【0029】
次に、本発明の第1の実施形態について、図4〜図6を参照して説明する。なお、図4において、上記参考例と同一の構成要素については同一参照番号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。ケーシング23の上下端におけるスプラインシャフト11の貫通部には、スプラインシャフト11の断面形状と同じ形状の穴を持ってスプラインシャフト11に密着する柔らかい第1のパッキン41と、スプラインシャフト11のボール溝と噛み合って回転方向にずれない高剛性の一対の第2のパッキン42とを、第2パッキン42で第1のパッキン41をサンドイッチした状態で蓋43でケーシング23の外面に止めて真空封止されている。第1のパッキン41は、参考例のパッキン31と同様のものである。第2のパッキン42は、スプラインシャフト11が回転したときにそれと追従して回転するようにスプラインシャフト11のボール溝44と噛み合えば良いので、図5に示すように、丸穴加工を利用して加工コストを下げ、また接触部分を少なくして摺動抵抗を低減し、長寿命を確保できるように工夫している。なお、真空密閉性をより高めるために若干のグリス等が塗布されている。
【0030】
本実施形態において、第1のパッキン41は、参考例のパッキン31と同様にスプラインシャフト11の断面形状に完全に密着しているが、密着性を高めるためにウレタンゴム系の柔らかい素材を使っているため、そのままケーシング23や蓋43と密着させた場合、スプラインシャフト11が回転すると、図6に示すように、スプラインシャフト11に設けてあるボールの溝44と、これと噛み合うパッキン41の突起部45の回転方向の位相がずれてしまい、それによって密閉が崩れてしまって真空圧が上がらない恐れがある。そこで、本実施形態ではスプラインシャフト11に設けてあるボール溝44に係合する高剛性の第2のパッキン42でパッキン41をサンドイッチすることにより、この第2のパッキン42がケーシング23及び蓋43に接触した状態でスプラインシャフト11に伴って回転するようにしている。かくして、第1のパッキン41がこの第2のパッキン42と同期して回転するので、スプラインシャフト11との回転位相がずれず、ノズル6の真空圧が十分に確保される。
【0031】
次に、本発明の第2の実施形態について、図9〜図12を参照して説明する。
【0032】
尚、上記第1の実施形態と同一の構成要素については同一参照番号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0033】
図9に示すように、ボイスコイルモータ22のケーシング23には、ケーシング23内の空間28、連通穴27、中空穴26を介してノズル6内を大気圧状態に復帰し、電子部品20の吸着を解除するためのブロー装置301を設けることができる。尚、ブロー装置301は、エアジョイント30を介してケーシング23に接続されるとともに、制御装置10に接続され動作制御される。
【0034】
このように構成される部品吸着ヘッドでは、ボイスコイルモータ22の空間28には上記ブロー装置301により空気が注入されるが、上記ケーシング23におけるスプラインシャフト11の貫通部分では、上記注入された空気はスプラインシャフト11の溝44を通りボイスコイルモータ22の空間28から外部へ流れようとする。このとき、図10を参照するが、上記第2パッキン42と、ボイスコイルモータ22のケーシング23との接触面部分501を通り、上記注入された空気が上記外部へ漏れる場合がある。一旦、接触面部分501を通り空気漏れが発生してしまうと、該接触面部分501には空気通路が形成されてしまい、上記吸引装置9による吸引動作が困難になるという問題を生じる可能性も考えられる。
【0035】
そこで本第2実施形態では、ボイスコイルモータ22のケーシング23におけるスプラインシャフト11の貫通部分に、密封部材として図10に示すような圧接型パッキン502を設けている。該圧接型パッキン502は、第3パッキン503と、ボイスコイルモータ22のケーシング23に接触するモータ側パッキン504と、上記蓋352に接触する蓋側パッキン505と、圧接用部材を構成するベース部材506及び付勢部材507とを備える。
【0036】
上記第3パッキン503は、上述の第1パッキン41と同様に、スプラインシャフト11の断面形状と同一形状の穴を有してスプラインシャフト11に密着する柔らかいパッキンであり、ウレタンゴムにて形成されている。
【0037】
上記モータ側パッキン504及び蓋側パッキン505は、上述の第2パッキン42に相当するもので、スプラインシャフト11の上記溝44に係合してスプラインシャフト11の軸周り方向への回転とともに当該モータ側パッキン504及び蓋側パッキン505を回転させてスプラインシャフト11に対して相対的に回転方向へのずれを生じさせない突起部453がそれぞれに形成された、上記第3パッキン503に比して高剛性の一対のパッキンであり、上記第2パッキン42と同様にジュラコンにて形成されている。モータ側パッキン504と蓋側パッキン505との間に上記第3パッキン503が配置される。
【0038】
上記ベース部材506は、図11に示すように、上記第3パッキン503が嵌めこまれスプラインシャフト11が貫通する開口512を有する凹部508と、該凹部508に設けられ付勢部材507が当接するつば部509とを有する。又、凹部508における上記開口512部分には、上記突起部453と同様にスプラインシャフト11の上記溝44に係合しスプラインシャフト11の上記回転に対して当該ベース部材506が相対的に回転方向のずれを生じさせない突起部510が形成されている。
【0039】
上記付勢部材507は、上記第3パッキン503とモータ側パッキン504との間、即ち本実施形態では上記つば部509とモータ側パッキン504との間に設けられ、30〜40gの力にてモータ側パッキン504をボイスコイルモータ22のケーシング23に押圧する。尚、付勢部材507として本実施形態ではスプリングを用いているが、上述のような付勢力を発生するものであればよく、スプリングに限定されるものではない。
【0040】
このように構成される圧接型パッキン502を設けることで、まず第1に上述の第1実施形態の場合と同様に、モータ側パッキン504及び蓋側パッキン505は、スプラインシャフト11が軸周り方向へ回転するときには、ケーシング23及び蓋43に接触した状態でスプラインシャフト11の回転に一致してスプラインシャフト11と一体的に回転する。かくして、第3パッキン503は、モータ側パッキン504及び蓋側パッキン505と同期して回転するので、スプラインシャフト11と第3パッキン503とが回転方向においてずれることはなく、ボイスコイルモータ22の空間28の真空度が低下するという事態の発生を低減でき、よってノズル6による十分な吸引動作が確保される。これに加えてさらに圧接型パッキン502では、たとえボイスコイルモータ22のケーシング23とモータ側パッキン504との接触面部分501を通り、上記ブロー動作により注入された空気が外部へ漏れ出る空気通路が形成された場合でも、モータ側パッキン504は付勢部材507によりボイスコイルモータ22のケーシング23に押圧されているので、ブロー動作が終了したときには、接触面部分501に形成された空気通路はつぶれてふさがれる。よって、上記吸引動作が困難になることはない。
【0041】
尚、上記圧接型パッキン502では、ベース部材506には凹部508を有するが、ベース部材506はこのような形状に限定されるものではない。つまり、凹部508は、第3パッキン503に対するベース部材506の位置ずれ防止作用をするものである。よって、該作用を奏する形状であれば凹状である必要はなく、例えば図12に示すベース部材511のように開口512及びつば部509の機能を有する円環状の板材に上記位置ずれ防止用の部材513を突設するような形状でもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の部品吸着ヘッドによれば、以上の説明から明らかなように、シャフト先端のノズルに対してシャフトの中空穴及びシャフトの中間部の連通穴を介して連通する閉鎖箱を設け、閉鎖箱のシャフトが貫通する部分に、シャフトの断面形状と同形状の穴を持つパッキンを設け、閉鎖箱を真空吸引手段に接続した部品吸着ヘッドにおいて、前記パッキンはシャフトの断面形状と同形状の穴を持ってシャフトに密着する柔らかい第1パッキンと、シャフトの溝と噛み合いかつシャフトの溝以外の箇所は隙間を有した剛性の高い第2パッキンとを重ねて配設したので、閉鎖箱のシャフト貫通部でシャフトに対して同形状の穴を持つ第1パッキンが密着することにより閉鎖箱の外部に対する密閉が確保され、真空吸引手段による真空吸引が洩れずにノズルに到達し、ノズルに十分な真空度を確保することができ、さらにシャフトの回転に伴って第2パッキンが回転し、この第2パッキンとともに第1パッキンが回転することにより、シャフトが回転しても第1パッキンとシャフトの回転位相がずれず、柔らかい第1パッキンの密着によって密閉が確保され、真空吸引手段による真空吸引が洩れずにノズルに到達し、ノズルに十分な真空度を確保することができる。
【0043】
また、上記閉鎖箱に接触する上記第2パッキンと上記第1パッキンとの間に設けられ、上記第2パッキンを上記閉鎖箱に押圧する付勢部材をさらに備えると、より真空吸引が洩れず効果的である。
【0044】
さらにまた、上記閉鎖箱に接続され、上記閉鎖箱内、上記連通穴、及び上記中空穴を介して上記ノズル内を大気圧状態に復帰させ上記部品の吸着を解除するブロー装置を備える場合に、このブロー装置にて上記閉鎖箱内を大気圧状態に復帰させたときに、上記付勢部材が、上記第2パッキンを上記閉鎖箱に押圧し、上記第2パッキンと上記閉鎖箱との接触面部分に生じた空気通路をつぶして真空吸引手段による吸引動作のときの空気漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の部品吸着ヘッドを備えた部品装着装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【図2】 同参考例の部品吸着ヘッドの概略構成を示す部分縦断面図である。
【図3】 同参考例におけるパッキンの平面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の部品吸着ヘッドの概略構成を示す部分縦断面図である。
【図5】 同実施形態における第2のパッキンの平面図である。
【図6】 同実施形態における第1と第2のパッキンの作用説明図である。
【図7】 従来例の部品吸着ヘッドの概略構成を示す部分縦断面図である。
【図8】 図7のA−A矢視横断平面図である。
【図9】 本発明の第2の実施形態の部品吸着ヘッドの概略構成を示す部分縦断面図である。
【図10】 図9に示す部品吸着ヘッドに備わる圧接型パッキンの構造を示す断面図である。
【図11】 図10に示す圧接型パッキンの斜視図である。
【図12】 図10に示す圧接型パッキンの変形例における斜視図である。
【符号の説明】
5 部品吸着ヘッド部
6 ノズル
9 吸引装置
11 スプラインシャフト
12 ナット
13 ナット
20 電子部品
23 ケーシング(閉鎖箱)
26 中空穴
27 連通穴
31 パッキン
41 第1パッキン
42 第2パッキン
301 ブロー装置
502 圧接型パッキン
Claims (3)
- 部品を吸着して装着する部品装着装置の部品吸着ヘッドにおいて、外周面に嵌合させたナットにて軸芯方向に移動可能に支持されるとともに外周面に形成された溝とナットの係合にて回転方向に規制されたシャフトを設け、このシャフトの下端部に部品を吸着するノズルを設けるとともに、シャフトの軸芯部にノズルに連通する中空穴を設け、シャフトの中間部に中空穴に連通する連通穴を設け、この連通穴を囲むように閉鎖箱を設け、閉鎖箱のシャフトが貫通する部分に、シャフトの断面形状と同形状の穴を持つパッキンを設け、閉鎖箱を真空吸引手段に接続した部品吸着ヘッドであって、前記パッキンはシャフトの断面形状と同形状の穴を持ってシャフトに密着する柔らかい第1パッキンと、シャフトの溝と噛み合いかつシャフトの溝以外の箇所は隙間を有した剛性の高い第2パッキンとを重ねて配設したことを特徴とする部品吸着ヘッド。
- 上記閉鎖箱に接触する上記第2パッキンと上記第1パッキンとの間に設けられ、上記第2パッキンを上記閉鎖箱に押圧する付勢部材をさらに備えた請求項1記載の部品吸着ヘッド。
- 上記閉鎖箱に接続され、上記閉鎖箱内、上記連通穴、及び上記中空穴を介して上記ノズル内を大気圧状態に復帰させ上記部品の吸着を解除するブロー装置を備え、このブロー装置にて上記閉鎖箱内を大気圧状態に復帰させたときに、上記付勢部材は、上記第2パッキンを上記閉鎖箱に押圧し、上記第2パッキンと上記閉鎖箱との接触面部分に生じた空気通路をつぶして真空吸引手段による吸引動作のときの空気漏れを防止する請求項2記載の部品吸着ヘッド。
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