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JP3754469B2 - テトラクロロ−1,4−ベンゾキノンの製造方法 - Google Patents
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JP3754469B2 - テトラクロロ−1,4−ベンゾキノンの製造方法 - Google Patents

テトラクロロ−1,4−ベンゾキノンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ヒドロキノンを、水性塩酸中で塩素を用いて塩素化し、そして塩素化懸濁液を有機溶剤で後処理することによる、高純度および改善された物理的性質を持つテトラクロロ−1,4−ベンゾキノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)は、染料の製造のための有用な中間体である。それはまた、写真化学および加硫剤として使用され、また、潤滑剤用の添加剤として使用される。
【0003】
ヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)または1,4−ベンゾキノンまたは塩素化1,4−ベンゾキノンからのクロラニルの製造は知られている。
ヨーロッパ特許第0220135号明細書は、例えば、塩酸および塩素を圧力下にまず導入し、そして塩素およびキノン、ヒドロキノンまたはそれらの塩素化誘導体を別個の流れで圧力下に配量する方法を開示している。
【0004】
ヨーロッパ特許第0278378号明細書は、ヒドロキノンの全量を、塩酸と共にまず導入し、次いで塩素をガスとして大気圧で一定の温度・希釈プログラムに従って導入する方法を開示している。
【0005】
特開平5−155804号公報は、ヒドロキノンを、例えば、25%濃度の塩酸および水性塩酸と混和し得ないが耐塩素性の溶剤(例えばo−ジクロロベンゼン)の混合物中で、約2barの塩化水素圧で80℃で7時間塩素ガスで処理する方法を開示している。懸濁液を室温に冷却し、ろ過し、そしてフィルター上のクロラニルを水および最後にメタノールで洗浄する。
【0006】
これらの方法は欠点を有している:
ヨーロッパ特許第0220135号明細書による方法は、3〜12barの塩素圧を使用し、塩素流およびヒドロキノン流の正確な同時添加を必要とする。
【0007】
ヨーロッパ特許第0278378号明細書による方法は次の欠点を有している:
1.)最初に全量のヒドロキノンを導入する結果、反応の過程で反応器壁上にクラスト(crusts)が形成される。さらに、反応混合物は、この方法の間に非常に濃くなるので、よく攪拌できない状態になる。
【0008】
2.)反応混合物に100℃より高い温度で長時間熱を負荷すると、微量の副生成物のために、品質を損ねる。
3.)長期の後塩素化は、空時収量をさらに悪くする。
【0009】
特開平5−155804号公報による方法は、塩素と反応しない溶剤の使用に限定されており、また、溶剤は、1:0.1〜10、好ましくは1:0.5〜5の容積比で添加される。これは、反応器容積を減じ、それ故、空時収量も減ずる。明細書に挙げられた溶剤に溶解している、ポリ塩素化された毒物学的に危険な二次成分(ペンタクロロフェノールなど)は、化学的手段により(例えば、グリコール酸ナトリウムとの反応の際にC−Cl結合を開裂することにより)処理するのが困難である。蒸留残渣中に残る塩素化有機溶剤は、付加的な分解剤の消費を必要とし、分解混合物のアグロメーションのために問題を引き起こす。この日本国出願において同様に挙げられているニトロベンゼンは、分解に必要な約200℃の高温で、熱分解のためのポテンシャルの上昇により危険の増大を引き起こす。
【0010】
この方法で得られる有機溶剤の処理は、ジオキシン問題のために、特別な技術手段を必要とする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、簡単で、かつ技術的に実施するのが容易であって、上述の欠点を避け、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノンを高純度、高収率かつ空時収量、および高かさ密度で入手できるようにするだけでなく、毒物学的に危険な、塩素を含む副生成物の簡単かつ費用有効な処理をも可能にするテトラクロロ−1,4−ベンゾキノンを製造するための方法が必要とされている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的は、使用するヒドロキノンの一部を、触媒量の鉄(III)イオンおよび陰イオン分散剤を含む最初に導入された塩酸に導入し、この溶液に塩素ガスを20〜107℃の温度で導入し、次いでヒドロキノンの残量を固体としてまたは溶液状態で添加し、気体状塩素の導入を続けながら温度を80〜107℃に上昇させ、気体状塩素の導入が終わった後、塩酸と混和し得ない比較的高沸点の有機溶剤を添加し、次いで反応混合物を熱後処理に付することを特徴とする、塩素および濃塩酸をヒドロキノンに作用させることにより高純度のテトラクロロ−1,4−ベンゾキノンを製造する方法によって達成される。
【0013】
有機溶剤は、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン1部あたり0.05〜2部の量で添加するのが有利である。
使用するヒドロキノンの一部を、最初に導入された4〜6倍のモル量──ヒドロキノンの全量に対して──の20〜37%濃度の、触媒量の鉄(III)イオンおよび陰イオン分散剤を含む水性塩酸に導入し、この溶液に、1.5〜2.0倍のモル量──全ヒドロキノンに対して──の塩素ガスを20〜90℃の温度で導入し、次いでヒドロキノンの残量を固体としてまたは溶液状態で添加し、1.5〜2.0倍のモル量の塩素ガスを、水の添加により塩酸の濃度をはじめには25〜31%に保ちながら導入し、気体状塩素(1.3〜1.9倍のモル量)の導入を続けながら、かつ、塩酸濃度を水で20〜22%に希釈しながら、温度を100〜107℃に上昇させ、気体状塩素の導入が終わったら、塩酸と混和し得ない比較的高沸点の有機溶剤を、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン1部あたり0.15〜1.0部の量でまたは反応混合物に対して約2〜10重量%の量で添加し、次いで反応混合物を熱後処理に付する手順が適当であることがわかった。
【0014】
多くの場合、22〜33%濃度、特に31%濃度の塩酸、または約20〜22%のHClを含む母液(再循環酸)を使用すること、および、塩素化の第一段階を40〜90℃、特に50〜80℃の温度で行なうことが適当であることがわかった。使用するヒドロキノンの30〜70%、特に40〜60%、好ましくは45〜55%を最初に導入すること、および、塩酸の濃度を22〜28%、特に23〜25%に調整することが有利であるとわかった。
【0015】
塩素化の時間は、5〜15時間、特に8.5〜10.5時間であるのが有利である。
塩酸と混和し得ない有機溶剤を、テトラクロロベンゾキノン1部あたり0.2〜0.5部の量で、または、反応混合物に対して2〜4重量%の量で添加するのが有利であることがわかった。
【0016】
適当な溶剤は、芳香族炭化水素、特にキシレン、トルエンまたはジイソプロピルナフタレンである;原則的に、もちろん、ハロゲン化芳香族化合物、例えば、クロロベンゼンも使用できるが、これらは上述した理由から利点を持たない。
【0017】
熱後処理は、90〜100℃で大気圧下に行なうのが有利である。
本法により、ヨーロッパ特許第0278378号明細書による方法に比べて、空時収量および生成物品質の、驚くほど、実質的改善が達成される。本法で変更した点は、もはや全量のヒドロキノンを最初に導入しないで、代わりにヒドロキノンを混合物に2回に分けて、すなわち、最初の投入として、塩酸と一緒の第一の部分、および、気体状塩素の最初の導入後に一回の添加として高められた温度で、固体としてのまたは約10〜20%、特に15〜18%の濃度の水溶液状態の第二の部分に分けて、添加することである。その際、水は、一定の流れで、流し込み、その結果、塩酸の濃度は約25〜31%で維持される。最初の塩素化段階が終わった後、気体状塩素の導入を続けるが、今度は、温度を共沸塩酸の沸点(約105〜107℃)の近くまで上昇させてであり、約20〜約22%の塩酸濃度が水の添加によって調節される。
【0018】
特開平5−155804号公報による方法に比べて本法の変更した点は、有機溶剤は、塩素化の後まで添加されず、どんな場合にも実質的により少量、いわゆる「触媒量」(例えば、反応混合物に対して約2〜4重量%)で添加されることである。
【0019】
ヨーロッパ特許第0278378号明細書による方法より優れた本法の利点は、反応の工業的実施が容易になることである:塩酸の使用が減ぜられるにもかかわらず攪拌がより容易にできるようになり、熱伝達が改善され、冷却ブラインが不必要であり、クラストが存在しないことにより反応混合物が均質になり、塩素化および酸化の際の時間の消費が減ぜられ、塩素ガス、それ故塩素による廃ガス汚染が減ぜられ、そして生成物の品質(HPLC中のより少数の成分から明らかな)およびその再現性が改善される。
【0020】
特開平5−155804号公報による方法より優れた本法の利点は、有機溶剤が非常に少量、いわゆる「触媒量」でのみ添加されることである。このことは、反応器容積のより良い利用を生じさせる。有機溶剤は、耐塩素性である必要がなく、利用できる溶剤の範囲が広がる。溶剤範囲の広がりは、灰化または化学分解によるポリ塩素化二次成分の処理のための「特注の」方法条件を可能にする。
【0021】
反応混合物からろ過し次いで有機溶剤で後処理する(「仕上げる」)ことにより単離される湿ったクロラニルフィルター生成物は、水および「仕上げ剤」を含む。これらの成分は共に、例えばアルコール、好ましくはメタノールまたはエタノールで洗い除かれる。アルコールは、洗浄濾液から分別蒸留により回収できる。蒸留残渣は、濃縮した形でポリ塩素化二次成分を含み、その際、有機溶剤の存在のために、蒸留の底部生成物が攪拌できるままでありその結果それを容器から容易に取り除くことができることが有利である。この形で、ポリ塩素化二次成分は処理される。
【0022】
この残渣をエチレングリコールおよび/またはブチルポリグリコールのナトリウム塩で、グリコール/テトラエチレングコールジメチルエーテル/場合によりジイソプロピルナフタレンの混合物中で185〜195℃の温度で処理すると、7時間後に、約97%までのC−Cl結合が開裂して塩素が生じるという結果が得られる。
【0023】
塩素含有有機溶剤を使用すると、その一部は蒸留の際に底部生成物中に同様に集まり、分解剤(グリコラート)の消費が高められる。
本法は、温度制御の点で、また、ヒドロキノンの第二の部分の添加の方法において可変性がある。
【0024】
引用された先行技術に比べて方法制御が改善され、また、再現性が改善された理由は次の通りである。
a)大気圧での作業(安全面)。
【0025】
b)配量添加のより簡単な条件(塩素は過剰に存在するヒドロキノンにより緩衝されるので、塩素の一時的過添加は廃ガス汚染の点で無害である)。ヒドロキノンの第二の部分は、固体としてまたは水溶液として気体状塩素がさらに導入される前に素早く、または気体状塩素がさらに導入されるのと同時にゆっくりと添加され得る。
【0026】
c)より簡単な冷却技術(より高温水準での冷却)、
d)減ぜられた最初の塩酸の投入にもかかわらず懸濁液の改善された攪拌可能性。
【0027】
e)クラストの形成へのより低い傾向。
f)廃ガス中の塩素の減少。
g)廃ガス中の塩化水素の不存在。
【0028】
h)中間体として形成されるポリ塩素化キノヒドロンおよびヒドロキノンの塩素によるより素早い酸化。
i)後塩素化の際のより低い熱負荷。
【0029】
j)反応器中のガス雰囲気(空気または窒素)の組成への依存からの自由。
k)単離されたクロラニルの一定の品質──これは再結晶化が不必要であることを意味する──。
【0030】
l)より大きい結晶の形で、それ故より高いかさ密度でのクロラニルの製造。それに加えて静電荷が消失している。
本発明により製造されるクロラニルは高純度(融点、HPLC)であり、また、引用したヨーロッパ特許第0278378号明細書中に示された結果に比べて、より少ない二次成分を含み、それと同時に、高められた空時収量を示す。
【0031】
さらに、有機溶剤での後処理(以下「仕上げ」と称する)は、平均粒度をかなり増大させる(約10〜20μmから約50〜100μmに)が、粒度分布の幅に関するファクターは著しく減少する(約2.3から1.3に)。光学顕微鏡または走査電子顕微鏡の下でこの違いは目にはっきりわかる。従って、結晶粉末の「軽くたたいて詰めた容積(tamping volume) 」は減少する(またはかさ密度および振動密度は増大する)。さらに、後処理(仕上げ)なしで観察される静電荷は、全表面積の減少のために、消失している。流動性は改善され、粉体爆発傾向は減ぜられる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明による方法を例を用いて説明するが、本発明はこれらの例により限定されない。これらの例中、部は重量による。
【0033】
例1
第一段階
27.7部のヒドロキノン(0.25モル)を固体として287部の31%塩酸(2.4モル)──これは酸化触媒として0.12部の塩化鉄(III)および0.50部の陰イオン分散剤を含む──に導入する。125部の塩素(1.76部)をガスとして70℃で3時間にわたって導入する。同時に250部の熱水(70℃)を流し込む。塩素のおよび水の50%を添加したら、さらに固体の形の27.7部のヒドロキノン(0.25モル)を一回で添加する。
【0034】
ヒドロキノンの第二の部分は、125部の熱水(70℃)中の溶液の形で配量することもでき、その際、配量添加速度(好ましくは10分、最高1.5時間)は決定的な役割を果たさない。この場合、溶液水の量は、流し込む水の量に算入され、その結果125部の水だけを上述の250部の代わりに流し込む。容易に攪拌できる、クラストのない、茶色がかった黄色の懸濁液が得られる。廃ガスを監視する。塩素も塩化水素も廃ガスに入ってはいけない。塩酸の濃度は約25%である。
【0035】
第二段階
反応混合物をさらに45部の気体状塩素(=0.63モル)を導入しながら3時間にわたって90℃に加熱する。塩酸の濃度は約28%である。容易に攪拌できる、クラストのない、淡い黄色の懸濁液が生じる。
【0036】
廃ガスを監視する。なお塩素はもれても廃ガスに入ってもいけない。
水での希釈
200部の水を15分にわたって流し込む。そのあとでHCl濃度は約21%である。
【0037】
第三段階
希薄な、淡い黄色の懸濁液を、12.5部の気体状塩素(=0.18モル)を導入しながら2時間にわたって105℃に加熱する。この段階で、反応混合物は、TLC分析によれば、10モル%未満のトリクロロベンゾキノンを含む。
【0038】
第四段階
反応混合物の温度を1.5時間103〜106℃、好ましくは105℃で保つ。この間、さらに最大10部=0.14モルの気体状塩素を導入する。反応混合物は5モル%未満のトリクロロベンゾキノンを含む。
【0039】
全ての段階は、開放系で行なわれる(廃ガスユニットを介する換気)ので、圧力の増加は生じ得ない。塩素化時間は全部で最高10時間であり、この時間で、全部で192.5部の気体状塩素(2.71モル)が導入される。
【0040】
キシレンでの処理
25部のキシレンを温度が100℃の生成物懸濁液に流し込む。数分後、懸濁液の粘性は明らかにより低くなる。飛散により容器壁に付着する生成物懸濁液は、キシレンを還流することによって、素早く下へ洗い戻す。攪拌は100℃で1〜2時間続ける。反応混合物は、今や、1モル%未満のトリクロロベンゾキノンを含む。
【0041】
キシレンでの処理は一方ではクロラニルの品質を改善し、他方では、結晶の大きさを実質的に増大させる。
クロラニルの単離
混合物を保護ガス(窒素)で覆って、30℃に冷却して、廃ガス吸収からの塩素の逆吸引を妨げ、また、ガス雰囲気を反応混合物を介して解毒する。30℃でろ過し、そしてまず200部のメタノールで、次いで500部の熱水で洗浄した後、115部のクロラニルが99.0%(=0.463モル)の純度で得られ、これは、理論量の92.6%の収率に相当する。テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物は検出され得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率はせいぜい1.0モル%(HPLC)である。ペンタクロロフェノールの含有率は0〜せいぜい10μg/g(HPLC)である。粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は100μmで最大値を示す。生成物は容易に流動できる。
【0042】
母液は、約21%の濃度の塩酸である。メタノール性洗浄濾液は、ほぼ全量のキシレンを含む。メタノール性洗浄濾液から蒸留によりメタノールを再生する。蒸留からの底部生成物は、灰化により処理され得る。それはペンタクロロフェノールと、有機的に結合した塩素を含む他の二次成分を含む。これらはもちろん、化学手段によって、例えばグリコラートでの処理によって同様に処理され得、その際、キシレン──それはそれ自体塩素を含まない──の存在は、障害にならない。
【0043】
21%のHClを含む母液は、非常に少量のキシレンを、例えば活性炭で除去した後再循環され得るか、または通常の方法で処理され得る。
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約95%である。
【0044】
塩素転換率は、理論量の約99〜100%である。
例2
手順は例1と同様であるが、再循環酸の初期投入物として母液を使用する。例1に記載した287部の31%濃度の塩酸の代わりに、87.5部のHClを含む415部の活性炭で清澄化した例1からの母液(=得られた母液全量の50%)を使用する。この母液は今や125〜130部の付加的な水を含むので、例1の第一段階で記載された水250部の2分の1だけを(1.5時間から)70℃で流し込むか、または、もし──例1に記載されたように──ヒドロキノンの第二の部分を溶液として125部の水の中で使用するならば、第一段階においてさらに水を配量しない。
【0045】
30℃でろ過し、そしてまず200部のメタノールで、次いで500部の熱水で洗浄した後、少なくとも99.0%の純度の110部のクロラニル(=0.443モル)が得られ、これは理論量の88.6%の収率に相当する。テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物はもはや検出され得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率はせいぜい1.0モル%(HPLC)である。ペンタクロロフェノールの含有率は0〜せいぜい10μg/g(HPLC)である。粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は100μmで最大値を示す。生成物は容易に流動できる。
【0046】
母液は、約21%の濃度の塩酸である。メタノール性洗浄濾液は、ほぼ全量のキシレンを含む。メタノール性洗浄濾液から蒸留によりメタノールを再生する;キシレンの含有は障害にならない。蒸留からの底部生成物は、灰化により処理され得る。それはペンタクロロフェノールと、有機的に結合した塩素を含む他の二次成分を含む。これらはもちろん、化学手段によって、例えばグリコラートでの処理によって同様に処理され得、その際、キシレン──それはそれ自体塩素を含まない──の存在は、障害にならない。21%のHClを含む母液は、非常に少量のキシレンを、例えば活性炭で除去して清澄化した後、部分的に再循環され得るか、または通常の方法で処理され得る。
【0047】
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約95%である。
塩素転換率は、理論量の約99〜100%である。
例3
手順は例1と同様であるが、結晶の仕上げのために40gのキシレンを、また吸引フィルター上のクロラニルの洗浄のためにエタノールを使用する。生成物懸濁液は30℃でろ過する。フィルター生成物は25℃で200部のエタノールで洗浄する。エタノールで湿ったクロラニルおよびエタノール性洗浄濾液(キシレンの大部分を含む)が得られる。熱水で洗浄し乾燥した後、115部のクロラニルが、少なくとも99.0%(=0.463モル)の純度で得られ、これは理論量の92.6%の収率に相当する。
【0048】
テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物は検出し得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率はせいぜい1.0モル%(HPLC)である。ペンタクロロフェノールの含有率は<5μg/g(HPLC)である。
【0049】
粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は99μmで最大値を示す。生成物は容易に流動できる。
母液は、約21〜22%の濃度の塩酸である。それは、少量のキシレンを、例えば活性炭で除去した後、部分的に再循環され得るか、または通常の方法で処理され得る。エタノール性洗浄濾液から蒸留によりエタノールを再生する。蒸留からの底部生成物は、灰化により処理され得る。それはペンタクロロフェノールと、有機的に結合した塩素を含む他の二次成分を含む。これらはもちろん、化学手段によって、例えばグリコラートでの処理によって同様に処理され得、その際、キシレン──それはそれ自体塩素を含まない──の存在は、障害にならない。
【0050】
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約95%である。
塩素転換は、理論量の約99〜100%である。
例4
手順は例1と同様であるが、結晶の仕上げのためにも吸引フィルター上のクロラニルの洗浄のためにもキシレンを使用する。生成物懸濁液は30℃でろ過する。フィルター生成物は25℃で100部のキシレンで洗浄する。
【0051】
キシレンで湿ったクロラニル(仕上げからのキシレンを含む)およびキシレン性洗浄濾液が得られる。熱水で洗浄し乾燥した後、111.6部のクロラニルが、99.5%(=0.452モル)の純度で得られ、これは理論量の90.3%の収率に相当する。
【0052】
テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物は検出し得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率は0.3モル%(HPLC)である。ペンタクロロフェノールの含有率は5μg/g未満(HPLC)である。
【0053】
粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は100μmで最大値を示す。生成物は容易に流動できる。
母液は、約22%の濃度の塩酸である。それは、微量のキシレンを、例えば活性炭で除去した後、部分的に再循環され得るか、または通常の方法で処理され得る。
【0054】
キシレン性洗浄濾液から蒸留によりキシレンを再生する。蒸留からの底部生成物は、灰化により処理され得る。それはペンタクロロフェノールと、有機的に結合した塩素を含む他の二次成分を含む。これらはもちろん、化学手段によって、例えばグリコラートでの処理によって同様に処理され得、その際、キシレン──それはそれ自体塩素を含まない──の存在は、障害にならない。
【0055】
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約98%である。
塩素転換率は、理論量の約99〜100%である。
例5
手順は例1と同様であるが、結晶の仕上げのためにも吸引フィルター上のクロラニルの洗浄のためにもクロロベンゼンを使用する。クロロベンゼンを20部だけ100℃で添加すると、懸濁液の粘度は明らかにより低くなる。反応器壁に付着した生成物懸濁液を、反応混合物に洗い戻す。結晶の仕上げは、40部のクロロベンゼンで(約1100部の反応混合物に)100℃で2時間以内に行なう。クロラニルは反応混合物から90℃でろ過する。
【0056】
クロロベンゼン(結晶仕上げからの)は定量的にフィルター生成物中に残る。フィルター生成物は、25℃で200部のクロロベンゼンで洗浄する。約150〜155部のクロロベンゼンで湿ったクロラニルおよびクロロベンゼン性洗浄濾液──それはクロロベンゼンの再生およびその中に存在するポリ塩素化二次成分の処理に向かう──が得られる。クロロベンゼンで湿ったクロラニルから、残余クロロベンゼンを水蒸気(=約10〜20部)を用いて追い出す。クロロベンゼンを含まない水性懸濁液を90℃でろ過しそして500部の熱水で洗浄する。
【0057】
112部のクロラニルが、少なくとも99.0%(=0.451モル)の純度で得られ、これは、理論量の90.2%の収率に相当する。
テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物は検出し得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率は0.3モル%〜せいぜい1.0モル%(HPLC)である。ペンタクロロフェノールの含有率は0〜せいぜい5μg/g(HPLC)である。
【0058】
粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は51μmで最大値を示す。生成物は容易に流動できる。
母液は、約20〜21%の濃度の塩酸である。それは、非常に少量のクロロベンゼンを、例えば活性炭で除去して清澄化した後、部分的に再循環され得るか、または通常の方法で処理され得る。クロロベンゼン性洗浄濾液から蒸留によりクロロベンゼンを再生する。蒸留からの底部生成物は、ペンタクロロフェノールおよび、有機的に結合した塩素を含む他の二次成分を含む。これらはもちろん、化学手段によって、例えばグリコラートでの処理によって処理され得るが、その際、残余クロロベンゼンを、まず、水蒸気蒸留によって除去しなければならない。
【0059】
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約95%である。
塩素転換率は、理論量の約99〜100%である。
例6
手順は例1と同様であるが、「仕上げ剤」としてキシレンの代わりにトルエンを用い、また、吸引フィルター上のクロラニルの洗浄のためにメタノールの代わりにトルエンおよびエタノールを使用する。
【0060】
30℃でろ過し、そして、まず50部のトルエンで、次いで200部のメタノールで、最後に500部の熱水で洗浄した後、113部のクロラニルが、少なくとも99.0%の純度で得られ(=0.455モル)、これは、理論量の91.0%の収率に相当する。テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物は検出され得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率は0.4モル%(HPLC)である。
【0061】
ペンタクロロフェノールの含有率は0〜せいぜい10μg/g(HPLC)である。
粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は100μmで最大値を示す。生成物は容易に流動できる。
【0062】
母液は、約22%の濃度の塩酸である。エタノール性洗浄濾液はほぼ全量のトルエンを含む。エタノール性洗浄濾液から蒸留によってエタノールを再生する。この場合、トルエンの含有は障害にならない。蒸留からの底部生成物は灰化により処理され得る。それは、ペンタクロロフェノールおよび、有機的に結合した塩素を含む他の二次成分を含む。これらはもちろん、化学手段によって、例えばグリコラートでの処理によって同様に処理され得、その際、トルエン──それはそれ自体塩素を含まない──の存在は障害にならない。22%のHClを含む母液は、非常に少量のトルエンを、例えば活性炭によって除去して清澄化した後、部分的に再循環され得るか、または通常の方法で処理され得る。
【0063】
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約95%である。
塩素転換率は、理論量の約99〜100%である。
例7
比較例:
(有機溶剤を使用しない手順)
手順は例1と同様であるが、結晶の仕上げのためにも吸引フィルター上のクロラニルの洗浄のためにも有機溶剤を使用しない。
【0064】
119部のクロラニルが、97.0%の純度(=0.469モル)で得られ、これは理論量の93.9%の収率に相当する。
テトラクロロヒドロキノンならびにポリ塩素化キンヒドロンおよびヒドロキノンのような不純物は検出され得ない(TLC)。2,3,5−トリクロロベンゾキノンの含有率は2.5〜3.0モル%(HPLC)である。ペンタクロロフェノールの含有率は220μg/g(HPLC)である。
【0065】
粒度分布(Malvern, レーザ光回折, 超音波処理せず)は12μmで最大値を示す。生成物は流動性に乏しく、また、静電的に帯電している。母液は、約20〜21%の濃度の塩酸である。
塩素の収支バランス(塩化水素+塩素、廃ガスを含めて)は理論量の約97%である。
塩素転換率は、理論量の約99〜100%である。
【0066】
例8
(Ciba特許からの比較例):
ヨーロッパ特許第0220135号明細書、例2を参照。
【0067】
例9
(特開平5−155804号公報からの比較例、実施例1)
ガラスオートクレーブに、400mlのo−ジクロロベンゼン、400mlの25%濃度の塩酸および81.6gのヒドロキノン(0.74モル)を投入する。混合物を80℃に加熱する。次いで288.6gの気体状塩素を7時間にわたって通す。攪拌を1時間続ける。反応の進行と共に、オートクレーブ内の圧力が高まる。2kg/cm2 の圧力に(ヒドロキノン1モルに対して2モルの塩素の後)達したら直ちに、この圧力を、廃ガスライン中の制限コントロールバルブを用いて反応が終わるまで一定の水準で維持する。それを室温に冷却した後、結晶性生成物を、ガラス吸引フィルターを介してろ過しそして結晶を200mlの水で3回、そして200mlのメタノールで3回洗浄する。
【0068】
178.5gのクロラニルが得られる(収率=98.1%)。GC分析による純度は99.85%である(トリクロロベンゾキノン=0.15%)。

Claims (12)

  1. ヒドロキノンに塩素および濃塩酸を作用させることによって高純度のテトラクロロ−1,4−ベンゾキノンを製造する方法であって、触媒量の鉄(III)イオンおよび陰イオン分散剤を含む最初に導入された塩酸、使用するヒドロキノンの一部を導入し、この溶液20〜107℃の温度において塩素ガスを導入し、次いで、残りの量のヒドロキノンを固体または溶液の状態で添加し、気体状塩素の導入を続けながら温度を80〜107℃に上昇させ、気体状塩素の導入が終った後、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族化合物からなる群から選ばれる有機溶剤を添加し、次いで反応混合物に熱的な後処理を施すことを特徴とする、前記製造方法
  2. 有機溶剤を、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン1部あたり0.05〜2部の量で添加する、請求項1記載の方法。
  3. 触媒量の鉄(III)イオンおよび陰イオン分散剤を含む、ヒドロキノンの全量に基づいて4倍〜6倍モル量の20〜37%濃度の水性塩酸に、使用するヒドロキノンの一部を導入し、この溶液中に20〜90℃の温度において、ヒドロキノンの全量に基づいて1.5〜2.0倍モル量の塩素ガスを導入し、次いで、残りの量のヒドロキノンを固体または溶液の状態で添加し、水の添加により塩酸の濃度をはじめは25〜31%に保ちながら、ヒドロキノンの全量に基づいて1.5〜2.0倍モル量の塩素ガスを導入し、ヒドロキノンの全量に基づいて1.3〜1.9倍モル量の気体状塩素の導入を続けながら、かつ、水で塩酸の濃度を20〜22%に希釈しながら、温度を100〜107℃に上昇させ、気体状塩素の導入が終ったら、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族化合物からなる群から選ばれる有機溶剤を、テトラクロロ−1,4 −ベンゾキノン1部あたり0.15〜1.0部の量で、または反応混合物に基づいて〜10重量%の量で添加し、次いで、この反応混合物に熱的な後処理を施す、請求項1または2記載の方法。
  4. 使用するヒドロキノンの30〜70%を最初に導入する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 22〜33%濃度の水性塩酸を使用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 濃度が20〜22%の再循環酸(=母液)を使用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 気体状塩素を40〜90℃の温度で導入する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ヒドロキノンの残量を10〜20%濃度の水溶液の形で添加する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 塩素化が5〜15時間にわたって行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 気体状塩素の導入が終わった後、前記有機溶剤をテトラクロロベンゾキノン1部あたり0.2〜0.5部の量でまたは反応混合物に基づいて2〜4重量%の量で添加する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 使用する溶剤がキシレン、トルエンまたはジイソプロピルナフタレンである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 熱的な後処理が大気圧下に90〜100℃で行われる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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