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JP3755556B2 - 接着フィルムの製造方法 - Google Patents
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JP3755556B2 - 接着フィルムの製造方法 - Google Patents

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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着フィルムの製造方法に関する。詳しくは、熱可塑性又は非熱可塑性ポリイミドフィルムの片面又は両面に熱可塑性フィルムからなる接着層を設けてなるポリイミドフィルム系接着フィルムの製造方法に関する。本発明により製造される接着フィルムは、電子部品、電子回路基板等への使用に際し、固定または絶縁を目的として使用されるために、機械的強度と耐熱性の特性を要求されるフィルムまたはテープに用いられる。特には、多層FPC(フレキシブルプリント基板)や、半導体装置のダイパッドボンディング用、半導体装置のリード固定用、あるいはCOL(Chip on Lead) またはLOC(Lead on Chip) 、TAB(Tape Automated bonding)用等の実装用材料として好適に用いることのできるポリイミドフィルムを基材とする接着フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器の高機能化、高性能化、小型化が進んでおり、それらに伴って用いられる電子部品に対する小型化、軽量化が求められてきている。そのため半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線材料又は配線部品も、より高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになってきた。特に半導体パッケージやMCM(マルチチップモジュール)等の高密度実装材料や多層FPC等のプリント配線板材料、さらには超伝導コイル被覆材料や航空宇宙材料として好適に用いることのできる良好な機械的特性や耐熱特性、絶縁特性を示す接着材料が求められている。
【0003】
従来、半導体パッケージやその他実装材料において、良好な機械的特性や耐熱特性、絶縁特性を示す接着材料として、主にエポキシ樹脂やポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸組成物等が使われていた。
【0004】
しかしながら、エポキシ樹脂やポリアミド酸組成物等は、有機溶媒に溶かした溶液状態またはペーストの状態で使用されるため、乾燥、硬化に長時間を要する。また、基板の表面上等に上記樹脂溶液またはペースト状の樹脂あるいは組成物を塗工する際に厚みムラを生じやすい等作業性に問題がある。さらに、乾燥および硬化時に発生するガスが、ダイパッド等の基板や半導体素子を汚染するためワイヤーボンディング不良等の一因となる等の問題もあった。
【0005】
これら問題点を解決するために、上記のような従来の接着材料に代わるものとして、耐熱特性、機械的特性に優れる絶縁材料であるポリイミドフィルムに、熱可塑性ポリイミド樹脂や高耐熱性エポキシ樹脂等からなる接着層を設けたポリイミドフィルムを基材とする接着フィルムが提案されている(特開平2−272077号、特開平2−272078号、特開平5−112760号、特開平8−250532号)。
【0006】
この接着フィルムを用いれば、フィルムを介して半導体素子とダイパッド等の基板とを熱圧着することにより、瞬時に接着できる等作業性を大幅に改善することができるとともに、熱圧着時にガスの発生を伴わないため半導体素子や基板の汚染の問題も改善できるという利点がある。
【0007】
また、前記の接着フィルムを使用することにより、従来の様なダイパッドや実装基板に樹脂溶液やペーストを直接塗工する方法に見られたような接着層の膜厚の不均一をきたすおそれがないため、引き続くワイヤボンディングに支障をきたしたり、半導体素子に不均一な歪みを生じさせる問題を持たず、この点からも高信頼性の半導体装置を得ることが期待できる。
【0008】
以上のことから、ポリイミドフィルムを基材とする接着フィルムは、半導体パッケージやその他実装材料用途向けの機械的特性や耐熱特性を示す接着材料として好適に用いることができる素材である。
【0009】
このポリイミドフィルムを基材とする接着フィルムの製造方法としては、ポリイミドフィルムの片面または両面に溶液状態のエポキシ樹脂やポリアミド酸組成物を塗工し乾燥させて製造する塗工法と、ポリイミドフィルムと熱可塑性フィルムとを加熱貼り合せ加工し製造する熱ラミネート法がある。
【0010】
このうち、塗工法による接着フィルムの製造方法は、接着層が熱可塑性ポリイミド樹脂の場合、熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体溶液をポリイミドフィルムの片面または両面に塗工し、溶媒が乾燥する程度に数時間乾燥させ、さらに他面に同溶液もしくは異なる種類の溶液を同様にして、塗工、乾燥させる。そして、高温で数時間乾燥させることにより、接着層のポリイミド前駆体をイミド化させてポリイミドフィルムとして、接着フィルムを得ている。
【0011】
しかし、上記のような塗工法による方法は、乾燥及び硬化のために比較的長い時間を要する。また、塗工前の接着樹脂は有機溶媒の溶液の状態であるため工程中で溶媒が蒸気となり、この蒸気で作業環境を悪化させないために排気設備が必要となり、装置自体が大きくなる等の問題を有していた。
【0012】
一方、熱ラミネート方法による接着フィルムの製造方法では、基材となるフィルムの両面または片面に熱可塑性フィルムを加熱圧着することによって接着フィルムを得ている。
【0013】
この製造方法を用いると、有機溶媒を含まないため、乾燥、硬化の必要がない熱可塑性フィルムを使用することにより、短時間で接着フィルムを製造できるだけでなく、更に用途に適する特性を有する熱可塑性フィルムを選定するだけで、所望の接着フィルムを容易に得られるという汎用性にも優れている。
【0014】
以上のことから、接着フィルムの製造方法として、熱ラミネート方法は、作業性、汎用性の面で塗工法と比較して優れていることは明らかである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的にポリイミドフィルムは、種々の樹脂フィルムとの密着性に乏しいという特性を有する。従って、上記熱ラミネート法によるポリイミドフィルムを基材とする接着フィルムの製造方法においても、ポリイミドフィルム基材と接着層の熱可塑性フィルムとの十分な密着性が得られにくいという問題点を有していた。ポリイミド基材と接着層の密着性が不充分であると、打ち抜き加工時にバリの発生を起こしたり、リードフレーム、ダイパッドとの接着時に基材と接着層間で剥離したりまたパッケージクラックの原因となるパッケージ内における剥離を起こす等、加工性やパッケージング信頼性が劣ることになる。
【0016】
そこで、上記従来の問題点を解決し、機械的特性や耐熱性、絶縁性に優れ、さらに基材のポリイミドフィルムと接着層の熱可塑性フィルムの密着性が良好な接着フィルムの製造方法を提供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る接着フィルムの製造方法の要旨とするところは、基材の片面又は両面に接着層を加熱圧着してなる接着フィルムの製造方法において、熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルムを基材とし、熱可塑性フィルムを接着層として用い、前記基材の圧着面を表面改質剤(A)、前記接着層の圧着面を表面改質剤(B)により処理する接着フィルムの製造方法であって、前記表面改質剤(A)及び(B)は、反応性基を有するシランカップリング剤、または反応性基を有するシロキサンオリゴマーであり、前記表面改質剤(A)に含まれる反応性基と、前記表面改質剤(B)に含まれる反応性基は、互いに異なる官能基からなり、かつ、互いに反応しうる官能基からなることにある。
【0018】
また、前記互いに異なる官能基が、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、イソシアナートエステル基の群から選択される任意の2種類の組み合わせから構成されるにある。
【0019】
また、前記互いに異なる官能基の組み合わせが、アミノ基とエポキシ基、またはアミノ基とビニル基であることにある。さらに、前記接着層である熱可塑性フィルムが、熱可塑性ポリイミドフィルムであることにある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る接着フィルムの製造方法の実施の形態の一例について説明する。
【0021】
本発明に係る接着フィルムの製造方法は、熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルムを基材として、その片面もしくは両面に熱可塑性フィルムからなる接着層を設け、ラミネートする方法である。まずその材料である、基材となる熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルム及び接着層に使用される熱可塑性フィルムについて説明する。
【0022】
本発明において、基材となるポリイミドフィルムは、優れた耐熱性、低誘電率等のポリイミドフィルムの一般的な諸特性を有しているポリイミドフィルムであればよく、熱可塑性であると非熱可塑性であるとを問わず、特にその種類は限定されないが、具体的に例をあげると、非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、例えば、宇部興産株式会社製のユーピレックスシリーズ、鐘淵化学工業株式会社製のアピカルシリーズ、DuPont社製のカプトンシリーズ、日東電工株式会社製のU−フィルムシリーズ等が好適に用いることができる。また、熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、例えば、ガラス転移温度が接着層の熱可塑性フィルムのガラス転移温度以上であることが望ましく、さらに該ポリイミドのガラス転移温度で貯蔵弾性率が0.1GPa以上を保持する熱可塑性ポリイミドフィルムであればさらに好ましい。
【0023】
上記基材となるポリイミドフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、12.5μm、25μm、30μm、40μm、50μm、75μm、100μm、125μm等が挙げられる。
【0024】
また、本発明において、接着層となる熱可塑性フィルムとしては、加熱により接着性を発現するもので、かつ200℃の加熱で分解を生じないフィルムであれば、本質的には、どのようなフィルムであってもよいが、具体的には、例えば、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、アクリル樹脂フィルム、塩化ビニリデン樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリパラフェニレンサルファイドフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアリレートフィルム、およびポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリエーテルアミドイミド等の屈曲基を有するイミドであり熱可塑性を示すポリイミド系樹脂フィルム等が挙げられる。特に、熱可塑性ポリイミドフィルムは、耐熱性、高絶縁性の点から好適に接着フィルムとして用いることができる。
【0025】
なお、この接着層となる熱可塑性フィルムは、ポリイミドフィルム基材に加熱貼合せ加工する際、ガラス転移温度以上で加熱しなければならない。従って、熱可塑性樹脂のガラス転移温度が300℃より高い場合、加熱温度を300℃よりさらに上げるための加熱装置は高価なものになるため、経済的にはガラス転移温度が300℃以下の熱可塑性樹脂によるフィルムを用いることが好ましい。
【0026】
また、上記の条件を満たせば、基材と接着層と同一の熱可塑性フィルムを使用してもよい。
【0027】
上記熱可塑性フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、例えば12.5μm、25μm、30μm、40μm、50μm、75μm、100μm、125μm等が挙げられる。
【0028】
次に、表面改質剤について説明する。本発明において、基材となる熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルム及び接着層となる熱可塑性フィルムの圧着面を処理するのに用いられる表面改質剤としては、フィルム表面に塗布する等の処理により、フィルムの耐熱性、機械的特性等の諸特性を損なうことがなく、フィルム表面を改質しポリイミドフィルム基材と接着層となる熱可塑性フィルムの密着性を向上できるものであれば、限定されないが、具体的には、例えば、アルコキシシラン基を有する化合物であるシランカップリング剤、反応性基を有するシロキサンオリゴマー、シロキサン構造を分子鎖中に有するシロキサンジアミン、その他チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、低分子量のヘキサメチレンジアミン等脂肪族ジアミンオリゴマー、イソフォロンジイソシアネート等脂肪族ジイソシアネートオリゴマー等が挙げられる。
【0029】
特に、フィルム面の溶媒可溶性、塗工安定性、耐熱性等の点から反応基を有するシランカップリング剤や反応性基を有するシロキサンオリゴマーが表面改質剤として好適に用いられる。
【0030】
塗工安定性が悪いと、塗工時の塗りむらを生じ、安定的に十分な接着強度を発現しない。また、耐熱性に劣ると、加熱圧着する際に分解し接着強度が発現しなかったり、接着強度を低下させることになる。従って、汎用性の溶媒に可溶で、かつ高分子フィルムに対する濡れ性に優れ、塗工時の塗りむら等を生じ難い等塗工安定性に優れている等の点、さらに、熱分解温度が高く、加熱圧着する際に分解し難い等耐熱性に優れている等の点から、表面改質剤として反応性基を有するシランカップリング剤や反応性基を有するシロキサンオリゴマーが表面改質剤として好適である。
【0031】
具体的に反応性基の種類は、アミノ基、ビニル基等の不飽和結合基、エポキシ基、アクリル基、イソシアナートエステル基等が挙げられる。
【0032】
基材側と熱可塑性フィルム側にそれぞれ用いられる表面改質剤の組合せとしては、互いに反応し得る反応性基を有する表面改質剤の組合わせであればどのような組合せでもよく、なんら限定されるものではないが、具体例としては、エポキシ基を有するシランカップリング剤とアミノ基を有するシランカップリング剤、脂肪族ジアミンオリゴマーとエポキシ基を有するシランカップリング剤等の組合せが挙げられる。
【0033】
前記の表面改質剤の反応基同士は、一般的な加熱圧着時の温度において十分に反応することができる。具体的には、熱可塑性フィルムのガラス転移温度よりも20℃〜100℃高い温度で、熱可塑性ポリイミドフィルムの場合は、180℃〜300℃の温度範囲が好ましい。
【0034】
反応例を示すと、例えば、アミノ基とエポキシ基は、数1
【0035】
【数1】
Figure 0003755556
【0036】
アミノ基とビニル基は、数2
【0037】
【数2】
Figure 0003755556
【0038】
ビニル基とアクリル基は、数3
【0039】
【数3】
Figure 0003755556
【0040】
のように反応しうる。
【0041】
また、前記の表面改質剤の反応性基は、反応基同士の反応だけでなく、フィルムとの反応も起こりうる。
【0042】
例えば、フィルムがポリイミドフィルムである場合、ポリイミドフィルム表面のアミノ基やカルボン酸基等と反応する。
【0043】
反応例を示すと、例えば、ポリイミド中のカルボン酸基と表面改質剤のアミノ基は、数4
【0044】
【数4】
Figure 0003755556
【0045】
ポリイミドのアミノ基と表面改質剤のビニル基は、数5
【0046】
【数5】
Figure 0003755556
【0047】
のように反応しうる。
【0048】
これらの表面改質剤の反応性基の組合せは、上記のように種々あるが、特にアミノ基とエポキシ基、アミノ基とビニル基が、反応性に優れる点において、特に好ましい。
【0049】
上記化学的結合によって、基材であるフィルム及び接着層であるフィルムとの結合性、また改質剤同士の結合性が向上し、結果的に接着フィルムの基材と接着層との圧着面の密着性が高まることになる。
【0050】
また、同様な反応性を有する表面改質剤であれば、2種あるいはそれ以上混合して使用してもかまわない。
【0051】
具体的には、アミノ基を含むシランカップリング剤の混合例としては、例えば、化1
【0052】
【化1】
Figure 0003755556
【0053】
と、化2
【0054】
【化2】
Figure 0003755556
【0055】
の混合が、考えられる。
【0056】
また、エポキシ基を含むシランカップリング剤の混合例としては、例えば、化3
【0057】
【化3】
Figure 0003755556
【0058】
と、化4
【0059】
【化4】
Figure 0003755556
【0060】
の混合が、考えられる。
【0061】
上記表面改質剤は、溶媒に溶解した液体の状態で用いることができる。この表面改質剤を溶解する溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はこれらの混合溶媒であるソルミックス等のアルコール溶媒、アセトン、MEK、2−ペンタノン、3−ペンタノン等のケトン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらは、単独で用いても、数種を混合させて用いてもよく、また水と混合して用いてもよい。特には、メタノールが好ましく用いられる。
【0062】
また、処理溶液の濃度は、特に限定されないが、濃度が高すぎるとフィルム表面にむらが生じ外観上好ましくなく、また濃度が低すぎると十分な接着性向上の効果を発現することができなくなる。
【0063】
表面改質剤による処理方法としては、フィルムに表面改質剤の溶媒溶液を液状または霧状に吹き付けたり、または表面改質剤の溶媒溶液を含浸させたローラーや刷毛などによる塗布する等の方法、さらに、両面を処理するために、浸漬させる方法、ラビングする方法等があるが、いずれの方法であってもよく、なんら限定されるものではない。
【0064】
吹き付ける手段としては、例えば、図1に示すように、液体吹き付け装置10は、液体吹き付けノズル12、液タンク14から構成され、さらには、ノズル12は、液タンク14から循環ポンプ16、フィルターを介して設けられていて、吹き付けた液体をフィルム18に吹き付けた後、液タンク14で回収し、繰り返し使用することができるように構成すればよい。
【0065】
塗布する手段としては、例えば、図2に示すように、表面改質剤を塗布するための装置20は、表面改質剤を塗布するバーコータ22、表面改質剤を入れておく溶液槽24、押さえロール26を供え、バーコータ22は、表面改質剤溶液槽24内の溶液にその一部が浸漬されるように構成する方法がある。そして、フィルム18は、押さえロール26により、バーコータ22を回転させるとフィルム表面に表面改質剤を塗布することができるように構成される。
【0066】
このとき、バーコータの基材は、特に限定されず、例えば不織布等の基材で作製したロールや、ゴムロール、網目ロールなどを用いることができるが、フィルム表面に実用上有害な微細な傷をつけないものが適用される。
【0067】
また、上記バーコータによる塗布方法の他、ロールを用いるロールコーター方式や、ドクタナイフを用いるスプレッダ方式を初め、マイヤーバーコーティング、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ブラッシコータ方式、エアブレード方式、スプレーコータ方式、カーテンコータ方式、浸漬コータ方式などその他種々の方式を挙げることができ、いかなる塗布方式により塗布してもよい。
【0068】
フィルムに付着する表面改質剤の量は、塗りむらがなく、かつ表面改質剤によるべとつきを生じない程度が好ましい。
【0069】
表面改質剤による処理後、処理を施したフィルムは、通常乾燥炉30において、乾燥させる。乾燥は、溶剤によるべとつき・だれを、生じない程度まで、乾燥し、例えば、熱風オーブン等により、表面改質剤を溶解した溶媒の沸点より5℃〜50℃高い温度で1分〜5分程度乾燥させる。
【0070】
なお、表面改質剤による処理を施す前のポリイミドフィルム基材表面に火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタリング処理、サンドブラスト処理及び金属Na処理等を施すことによって、熱可塑性フィルムの更なる密着性を向上することができる。また、熱可塑性フィルムの表面に、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタリング処理、サンドブラスト処理及び金属Na処理等の処理を施した後に、表面改質剤による処理を施して、接着層として使用し、ポリイミドフィルム基材との更なる密着性を向上することもできる。
【0071】
本発明に係る接着フィルムの製造方法は、上記表面改質剤により処理を施した基材と、接着層のフィルムを、熱ラミネーション法により加熱圧着する方法である。本発明の製造方法である熱ラミネーション法は、基材のポリイミドフィルムと接着層の熱可塑性フィルムとを、加熱及び加圧して貼り合わすことができる方法であればあらゆる方法であってもよく何ら限定されるものではないが、具体的には、例えば、加熱可能なエンドレスベルトによる貼り合わせ方法や、熱ロールによる貼り合わせ方法等が挙げられる。
【0072】
加熱圧着条件は、通常の条件で行えばよい。たとえば、熱可塑性フィルムの場合、そのガラス転移温度よりも20℃〜10℃高い温度で、1分〜10分程度加熱圧着する。しかし、加熱温度が、表面処理剤同士の反応に与える影響、及び表面処理剤の熱処理温度を考慮すると、150℃〜300℃の範囲が好ましい。
【0073】
上記の方法により、製造された熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルムの片面もしくは両面に、熱可塑性フィルムからなる接着層を設けて得られた本発明に係る接着フィルムは、その形態は特に限定されるものではなく、ある一定の長さで裁断されたシート状、あるいは連続的にロール状に巻かれたテープ状のものであってもよい。また、厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、その膜厚は、用途に応じて、12.5μm、25μm、30μm、40μm、50μm、75μm、100μm、125μm等が挙げられる。
【0074】
この本発明にかかる接着フィルムの製造方法によれば、ポリイミドフィルムを基材とする接着フィルムが、経済的かつ、良好な密着性を有する接着フィルムを作製することができる。
【0075】
また、本発明により製造されたポリイミドフィルムを基材とした接着フィルムの用途としては、多層FPC(フレキシブルプリント基板)や半導体装置のダイパッドボンディング用、半導体装置のリード固定用、あるいはCOL(Chip on Lead) またはLOC(Lead on Chip )、TAB(Tape Automated Bonding)用等の実装用材料等が挙げられ、特に耐熱性、接着部の高信頼性、電気絶縁特性等の利点から自動車積載部品の接着用途、電子部品及び半導体装置用接着材料として好適に用いることができる。
【0076】
以上、本発明に係る接着フィルムの製造方法について、実施の形態の一例を説明したが、本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
【0077】
【実施例】
【0078】
以下、本発明に係る接着フィルムの製造方法について、実施例により、説明する。
【0079】
(実施例1)
熱可塑性フィルムとして、Tgが170℃の熱可塑性ポリイミドフィルムである25μm厚のピクシオTP−T(鐘淵化学工業株式会社製)の片面に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A187)の5重量%メタノール溶液を均一に塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。(この処理フィルムをA1とする。)
【0080】
次に、基材となるポリイミドフィルムとして非熱可塑性ポリイミドフィルムである50μm厚のアピカルNPI(鐘淵化学工業株式会社製)の片面に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、A1100)の5重量%メタノール溶液を均一に塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。更にもう一方の面にも同様の処理を施した。(この処理フィルムをB1とする。)
【0081】
上記で得られた、2枚のA1とB1の両面に処理面同士が合わさるように配し、ロールラミネーターを用い、条件は、ロール温度220℃、ライン速度1.0m/minでラミネートを行い接着フィルムを得た。得られたポリイミド系接着フィルムのA1とB1との密着性を、JICS6481に準拠してA1とB1の界面引き剥がし強さを測定することにより評価し、結果を表1に示した。
【0082】
【表1】
Figure 0003755556
【0083】
(実施例2〜7)
熱可塑性フィルムに用いた表面改質剤(以下S1とする。)とポリイミドフィルム基材に用いた表面改質剤(以下S2とする。)を表1に示したS1及びS2を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、接着フィルムを作製し、続いて密着性を評価した。評価結果を表1に示した。
【0084】
(比較例1)
基材となるポリイミドフィルムとして非熱可塑性ポリイミドフィルムである50μm厚のアピカルNPI(鐘淵化学工業株式会社製)の片面に3−アミノプロキルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、A1100)の5重量%メタノール溶液を均一に塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。さらにもう一方の面にも同様の処理を施した。(この処理フィルムをB2とする。)
【0085】
表面改質剤で処理を施していないTgが170℃の熱可塑性ポリイミドフィルムである25μm厚のピクシオTP−T(鐘淵化学工業株式会社製)を上記B2の両面に配し、ロールラミネーターを用いて、ロール温度220℃、ライン速度1.0m/minでラミネートを行い接着フィルムを得た。以下、実施例1と同様にして密着性を評価し、結果を表1に示した。
【0086】
この結果より、接着面の片面にのみ表面改質剤で処理した比較例1に比較して、実施例が、飛躍的に接着強度が向上したことがわかる。
【0087】
(比較例2)
熱可塑性フィルムとして、Tgが170℃の熱可塑性ポリイミドフィルムである25μm厚のピクシオTP−T(鐘淵化学工業株式会社製)の片面に3−グリシドキシプロピルメトキシシラン(日本ユニカー社製、A187)の5重量%メタノール溶液を均一に塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。(この処理フィルムをA3とする。)
【0088】
上記で得られた、2枚のA3を表面改質剤で処理を施していない非熱可塑性ポリイミドフィルムである50μm厚のアピカルNPI(鐘淵化学工業株式会社製)の両面に配し、ロールラミネーターを用いて、ロール温度220℃、ライン速度1.0m/minでラミネートを行い接着フィルムを得た。以下、実施例1と同様にして密着性を評価し、結果を表1に示した。
【0089】
この比較例においては、表面改質剤同士の反応がなされないため、接着性を付与することができなかった。
【0090】
(比較例3)
熱可塑性フィルムとして、Tgが170℃の熱可塑性ポリイミドフィルムである25μm厚のピクシオTP−T(鐘淵化学工業株式会社製)の片面に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、A1100)の5重量%メタノール溶液を均一に塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。(この処理フィルムをA4とする。)
【0091】
次に、基材となるポリイミドフィルムとして非熱可塑性ポリイミドフィルムである50μm厚のアピカルNPI(鐘淵化学工業株式会社製)の片面に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、A1100)の5重量%メタノール溶液を均一に塗布した後、80℃で1分加熱し乾燥させた。更にもう一方の面にも同様の処理を施した。(この処理フィルムをB4とする。)
【0092】
上記で得られた、2枚のA4をB4の両面に処理面同士が合わさるように配し、ロールラミネーターを用いて、ロール温度220℃、ライン速度1.0m/minでラミネートを行いポリイミド系接着フィルムを得た。以下、実施例1と同様にして密着性を評価し、結果を表1に示した。
【0093】
この結果より、互いに反応しない反応性基を有する表面改質剤で処理しても、接着強度の向上は見られないことがわかる。
【0094】
【発明の効果】
熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルムを基材とし、その片面または両面に接着層として熱可塑性フィルムを加熱圧着しポリイミド接着フィルムを製造する方法において、それぞれの圧着面側に互いに異なった表面改質剤により処理を施したフィルムを用いることにより、基材であるポリイミドフィルムと熱可塑性フィルムとの密着性の良好な接着フィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接着フィルムの製造方法による表面改質剤吹き付け装置の1例である。
【図2】本発明に係る接着フィルムの製造方法による表面改質剤塗布装置の1例である。
【符号の説明】
10;表面改質剤吹き付け装置
12;液体吹き付けノズル
14;液タンク
16;循環ポンプ
18;フィルム
20;表面改質剤塗布装置
22;バーコータ
24;溶タンク
26;押さえロール
28;フィルム

Claims (4)

  1. 基材の片面又は両面に接着層を加熱圧着してなる接着フィルムの製造方法において、熱可塑性または非熱可塑性ポリイミドフィルムを基材とし、熱可塑性フィルムを接着層として用い、前記基材の圧着面を表面改質剤(A)、前記接着層の圧着面を表面改質剤(B)により処理する接着フィルムの製造方法であって、
    前記表面改質剤(A)及び(B)は、反応性基を有するシランカップリング剤、または反応性基を有するシロキサンオリゴマーであり、
    前記表面改質剤(A)に含まれる反応性基と、前記表面改質剤(B)に含まれる反応性基は、互いに異なる官能基からなり、かつ、互いに反応しうる官能基からなることを特徴とする接着フィルムの製造方法。
  2. 前記互いに異なる官能基が、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、イソシアナートエステル基の群から選択される任意の2種類の組み合わせから構成されることを特徴とする請求項1に記載の接着フィルムの製造方法
  3. 前記互いに異なる官能基の組み合わせが、アミノ基とエポキシ基、またはアミノ基とビニル基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接着フィルムの製造方法
  4. 前記接着層である熱可塑性フィルムが、熱可塑性ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する接着フィルムの製造方法。
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