JP3755658B2 - Hbtの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタ(以下「HBT」という)の高速化に関する。
【0002】
本明細書では三元系半導体を「InAlAs」、「InGaAs」のように表すが、これらの表記はその構成元素を単に並べたものであり、三つの元素の割合を示すものではない。また、「上」、「下」という用語は基板を基準とした方向を意味し、素子の使用時の方向や製造プロセス中の方向とは無関係である。
【0003】
【従来の技術】
図6はHBTの基本的な構造を示す断面図である。
図において、10は基板であり、この基板10上には低抵抗のサブコレクタ層11を介してコレクタ層12が形成され、このコレクタ層12上にベース層14が形成されている。
【0004】
このベース層14の上面にはべ一ス層14とはバンドギヤップの異なる材料で形成されたエミッタ層16と、コレクタ層12にサブコレクタ層11を介して接続されたコレクタ電極13が形成されている。
また、ベース層14の上面にはべース電極15が形成され、エミッタ層16の上面にはエミッタ電極17が形成されている。
【0005】
そして、コレク夕層12のベース電極15とサブコレクタ層11とに挟まれた領域には空隙Eが設けられている。この空隙はHBTの寄生成分の低減に寄与するものでベース・コレクタ容量を減らすためのものである。
【0006】
各層の材料は、例えば、基板10:半絶縁性InP、サブコレクタ層11:n+型InGaAs、コレクタ層12:n型InP、ベース層14:p+型InGaAs、エミッタ層16:n型InAlAsである。
【0007】
図7はこの従来例の製造方法を示す概略工程図である。
まず、図(a)に示すように、半絶縁性InP基板20上に、InAlAs層28、n+型InGaAs層21、n型InP層22、p+型InGaAs層24、n型InP層29、n型InAlAs層26およびn+型InGaAs層30を順番にエピタキシャル成長させる。
【0008】
n+型InGaAs層21、n型InP層22、p+型InGaAs層24およびn型InAlAs層26はそれぞれ、図6に示したサブコレク夕層11、コレクタ層12、ぺ一ス層14およびエミッタ層16を形成するための層である。
【0009】
InAlAs層28、InP層29およびn+型InGaAs層30は図では省略してあるが、これらはそれぞれ、InP上にInGaAsを成長させるためのバッファ層、エミッタ形成時のエッチングを停止させるための層、およびオーミック接触のための層である。
【0010】
次に、図7(b)に示すように、InP層29をエッチングストッパ層としてn+型InGaAs層30およびn型InAlAs層26をエッチングし、エミッタ層16を形成する。この後、露出したInP層29を除去し、エミッタ電極17を形成した後にサイドウオール18を形成し、べ一ス電極15を形成する。
【0011】
続いて、図(c)に示すように、ウエットエッチングによりp+型In GaAs層24、n型InP層22、n+型In GaAs層21をエッチングする。エッチャントとしては塩酢酸溶液HCl:CH3COOH=1:2を用い、エッチング時間を延ばしてベース電極15下のInP層22を取り除く。
【0012】
塩酢酸溶液は選択性があり、InPは溶けるが、InGaAsは溶けない。選択性はほぼ100%である。したがって、オーバエッチングが可能である。エッチング後、露出したn+型InGaAs層21にコレクタ電極13を取り付ける。
【0013】
この後、図7(d)に示すように、n+型InGaAs層21、InAlAs層28および半絶縁性InP基板20をエッチングし、素子間分離を行う。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上述の従来例ではベース及びサブコレクタの材質としてInGaAsを用い、この間に挟まれたコレクタの材質としてInPを用いている。このような材料の組み合わせでは、エッチング液として塩酢酸溶液HCl:CH3COOH=1:2を用い、エッチング時間を延ばしてベース電極15下のInP層22を取り除くことができ、選択性がほぼ100%なので他の層までエッチングされることはない。
【0016】
しかしながら、HBTの特性に多様性を持たせる場合、ベースとコレクタの材料として同系統のものを用いることがある。
図8はその一例を示すもので、この場合、ベースの材質としてp+GaAs、サブコレクタ11の材質としてn+GaAsを用いこの間に挟まれたコレクタ12の材質としてn−GaAsを用いている。
【0017】
そして図8(a)に示すように公知の手段を用いてベース電極15を含んでマスキング50aを施し、ベース層をエッチングする。
続いて図8(b)に示すようにマスキング50bをコレクタ層12のエッチングを行う。ここで、エッチング液としてはGaAsに対してサイドエッチングが可能なクエン酸(300g):過酸化水素(15cc):水(450cc)の混合液を使用する。
【0018】
その結果、コレクタ層が下方向に除去されるとともにサイドエッチングによりベース層14の下部も除去されて記号Mで示す部もエッチングされベース層14が薄くなってしまう。
その結果、半導体の機能に悪影響が生じ、トランジスタの特性(例えば高速性能)に悪影響を与えるとともにデバイスの信頼性を低下させるという間題があった。
本発明は上述の間題点を解決するためになされたもので、オーバエッチングがべ一ス層まで及ぶことがなく、半導体の機能に悪影響が生じることのないHBTの製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の構成は、請求項1においては、
基板(10)上にサブコレクタ層(11)、コレクタ層(12)、ベース層(14)及びエミッタ層(16)が順次積層され、上記ベース層(14)と上記サブコレクタ層(11)に挟まれたコレクタ層のコレクタとなる部分を残し前記ベース層の下部に空隙が設けられたヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法であって、
前記コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液が存在するコレクタ層とベース層の構成において、
上記ベース層とサブコレクタ層とに挟まれたコレクタ層に前記空隙を形成するに際しては下記の工程を含んで形成したことを特徴とするへテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法。
記
工程1:基板上にサブコレクタ層、コレクタ層、ベース層及びエミッタ層を順次積層する。
工程2:上記工程1で順次積層したエミッタ層にエミッタ電極を形成し、該エミッタ電極の下部のエミッタ層以外のエミッタ層をエッチングしてベース層を露出させ、前記エミッタ電極の近傍のベース層にベース電極を形成し、前記エミッタ電極の下部のエミッタ層とベース層およびベース電極の下部のベース層以外のベース層をエッチングして前記コレクタ層を露出させる。
工程3:コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液を用い、ベース層の下部を除くコレクタ層をエッチングにより除去している途中でエッチングをストップさせる。
工程4:エミッタ電極及びベース電極を含むコレクタ層の工程3で除去した部分のコレクタ層の側面を覆ってマスキングを施す。
工程5:上記工程3で用いたコレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液を用い、上記コレクタ層の側面を覆ったマスキングの下端より上方で、かつ、ベース層の下面がエッチングされないようにコレクタ層をサイドエッチングしてベース層の下部に空隙を形成する。
【0020】
請求項2においては、請求項1記載のヘテロジヤンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法において、
上記ベース層、コレクタ層及びサブコレクタ層はGaAs系化合物半導体からなることを特徴とする。
【0023】
請求項3においては、請求項1または2に記載のヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法において、
上記空隙が上記コレクタ層を構成する材料より誘電率の小さい材料で充填された工程を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の一例を示す断面図である。図に示すようにベース層14の下のコレクタ層12はサイドエッチングされて空隙Eが形成されているがベース層14の下部はエッチングされていない。
【0025】
次に、このようなHBTの製造方法について図2を用いて説明する。
図2においてGaAs基板上にサブコレクタ、コレクタ,ベース,エミッタを順次積層する工程および各層の材質は図8に示す従来例と同様公知なものとする。また、図2(a)に示すようにベース電極15を含んでマスキング50aを施し、ベース層をエッチングするまでは公知の技術である。
【0026】
次に、図2(b)に示すようにベース層14上にマスキング50bを施した後コレクタ層12のエッチングを行うが、本発明ではコレクタ層12の厚さの1/2程度(実施例ではコレクタ層の厚さを6000オングストロームとしたので3000オングストローム程度)を除去した時点でエッチングを中止する。
【0027】
次に図2(c)に示すように除去したコレクタ層12の側面を含んでマスキング50cを施し残りのコレクタ層をエッチングにより除去する。
その結果図1に示すようにベース層下のコレクタ層も除去されるがベース層がエッチングされるまでには至らない。
【0028】
なお、コレクタ層12の厚さをどの程度にしたときに図2(b)におけるコレクタ層12の掘り込み厚さをどの程度にするかはコレクタ層を構成する材料や不純物の程度及びエッチング液の種類により異なるので、予め実験などにより求めておくものとする。
上述の製造方法によれば、ベース層14の厚さに影響を与えることなくコレクタ層12に空隙Eを形成することができる。
なお、ベース層の下部の空隙をコレクタ層を構成する材料より誘電率の小さい材料で充填してもよい。
【0029】
次に本発明の請求項3の発明について説明する。先にも述べたように所望のHBT特性を得るためには種々の化合物半導体の組み合わせが用いられるが、コレクタ層12にサイドエッチングが困難な材質が用いられる場合がある。
【0030】
図3はその一例を示すHBTの積層例を示すもので半絶縁性InP基板を用い、その上にサブコレクタ層31(n+InGaAs)、コレクタ層32(n−InP)、バッファ層34a(InAlAs/InGaAs)、ベース層34(p+InGaAs)、エッチングストッパ層36b(n−InP)、エミッタ層36(n+InAlAs)、エミッタキャップ層(n+InGaAs)36aを積層する。なお、各層の厚さは望ましいHBT機能に応じて決定する。
【0031】
上述において、コレクタ層32はn−InPであり、この層は、バッファ層34a(InAlAs/InGaAsのCSL …Charped Super Lattice)とサブコレクタ層31(n+InGaAs)で挟まれている。これらの層は共にAs系材料であり、コレクタ層とは異種材料である。従ってコレクタ層をエッチングする際はAs系材料は削れずInPのみが削れるような選択性をもったエッチング液が望ましい。
【0032】
そして、その望ましいエッチング液として塩酸とりん酸の混合液(例えばHCl:H3PO4=1:25)がある。
しかしながら、このエッチング液では通常の面方位のウエハーでOF(オリエンテーションフラット)と平行或いは垂直な方向に対してコレクタ層(InP)へのサイドエッチングができない。
【0033】
サイドエッチングを行う方法としてバッファ層にサイドエッチングを行い除去したい余剰コレクタ部の表面を露出させて、その後選択エッチングで余剰コレクタ部を除去する方法が考えられるがバッファ層のエッチングの際に図8に示す従来例と同様ベース層もエッチングされるので、特性劣化の原因となる。
請求項3はこのような問題点を解決する為のものである。
なお、図3に示すサブコレクタ層31(n+InGaAs)、コレクタ層32(n−InP)、ベース層34(p+InGaAs)、エミッタ層36(n+InAlAs)はそれぞれ、図4に示したサブコレク夕層11、コレクタ層12、ぺ一ス層14およびエミッタ層16を形成するための層である。
【0034】
はじめに、図4(a)に示すように公知の手法を用いてベース層14及びベース電極15を形成する。そしてベース層14、ベース電極15の上部にマスキング(51a)を施しエッチングを行ってコレクタ層12を露出させる。
【0035】
次に図4(b)に示すようにベース層14、ベース電極15の上部及びベース層の側面を覆ってマスキング51bを施しベース層の下部のコレクタ12層を残して他の部分のコレクタ層を除去し、サブコレクタ層11を露出させる。
【0036】
次に図4(c)に示すようにコレクタ層の側面を覆ってマスキング51(c)を施し、例えばクエン酸過水溶液を用いてサブコレクタ層11(n+InGaAs)のエッチングを行う。その結果、コレクタ層の下部にアンダーカットを形成することができる。
【0037】
続いて図5に示すようにInP系のエッチング液(例えば、塩酸とりん酸の混合液)を用いて下方から上方へ向けてエッチングを行う。その結果、ベース層の下のコレクタに空隙Eを形成することができる。
【0038】
本発明の以上の説明は、説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明はその本質から逸脱せずに多くの変更、変形をなし得ることは当業者に明らかである。例えばHBTの材質は実施例に限ることなく所望の機能に合わせて適宜選択可能であり、エッチング液も材料系によって適宜選択可能である。特許請求の範囲の欄の記載により定義される本発明の範囲は、その範囲内の変更、変形を包含するも
のとする。
【0039】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、
基板上にサブコレクタ層、コレクタ層、ベース層及びエミッタ層を順次積層する工程と、エミッタ層にエミッタ電極を形成し、該エミッタ電極の下部のエミッタ層以外のエミッタ層をエッチングしてベース層を露出させ、エミッタ電極の近傍のベース層にベース電極を形成し、エミッタ電極の下部のエミッタ層とベース層およびベース電極の下部のベース層以外のベース層をエッチングしてコレクタ層を露出させる工程と、コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液を用い、ベース層の下部を除くコレクタ層をエッチングにより除去している途中でエッチングをストップさせる工程と、エミッタ電極及びベース電極を含むコレクタ層の側面を覆ってマスキングを施す工程と、コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液を用い、コレクタ層の側面を覆ったマスキングの下端より上方で、かつ、ベース層の下面がエッチングされないようにコレクタ層をサイドエッチングする工程によりベース層の下部に空隙を形成するので、コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液が存在するコレクタ層とベース層の構成において、オーバエッチングがべ一ス層まで及ぶことがなく、高速化を図ったHBTの製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のHBTの実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】 図1の製造工程の一例を示す断面図である。
【図3】 本発明のHBTの実施形態の他の積層例を示す断面図である。
【図4】 図3積層例のHBTの製造工程の一例を示す断面図である。
【図5】 図3の積層例の製造工程の一例を示す断面図である。
【図6】 一般的なHBTの一例を示す断面図である。
【図7】 図6の製造工程を示す断面図である。
【図8】 他のHBTの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 基板
11 サブコレクタ層
12 コレクタ層
14 ベース層
16 エミッタ層
Claims (3)
- 基板(10)上にサブコレクタ層(11)、コレクタ層(12)、ベース層(14)及びエミッタ層(16)が順次積層され、上記ベース層(14)と上記サブコレクタ層(11)に挟まれたコレクタ層のコレクタとなる部分を残し前記ベース層の下部に空隙が設けられたヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法であって、
前記コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液が存在するコレクタ層とベース層の構成において、
上記ベース層とサブコレクタ層とに挟まれたコレクタ層に前記空隙を形成するに際しては下記の工程を含んで形成したことを特徴とするへテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法。
記
工程1:基板上にサブコレクタ層、コレクタ層、ベース層及びエミッタ層を順次積層する。
工程2:上記工程1で順次積層したエミッタ層にエミッタ電極を形成し、該エミッタ電極の下部のエミッタ層以外のエミッタ層をエッチングしてベース層を露出させ、前記エミッタ電極の近傍のベース層にベース電極を形成し、前記エミッタ電極の下部のエミッタ層とベース層およびベース電極の下部のベース層以外のベース層をエッチングして前記コレクタ層を露出させる。
工程3:コレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液を用い、ベース層の下部を除くコレクタ層をエッチングにより除去している途中でエッチングをストップさせる。
工程4:エミッタ電極及びベース電極を含むコレクタ層の工程3で除去した部分のコレクタ層の側面を覆ってマスキングを施す。
工程5:上記工程3で用いたコレクタ層を構成する材質とベース層を構成する材質がどちらもエッチング可能なエッチング液を用い、上記コレクタ層の側面を覆ったマスキングの下端より上方で、かつ、ベース層の下面がエッチングされないようにコレクタ層をサイドエッチングしてベース層の下部に空隙を形成する。 - 上記ベース層、コレクタ層及びサブコレクタ層はGaAs系化合物半導体からなることを特徴とする請求項1記載のヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法。
- 上記空隙が上記コレクタ層を構成する材料より誘電率の小さい材料で充填された工程を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタの製造方法。
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