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JP3757035B2 - 新旧コンクリート打継ぎ工法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有利な新旧コンクリート打継ぎ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、旧コンクリートに新コンクリートを打継いでコンクリート構造物を作製する場合には、旧コンクリート面に樹脂系接着剤を塗布後、その上にフレッシュコンクリートを打設する工法がとられている。そして、この樹脂系接着剤として、二液硬化型エポキシ樹脂接着剤が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、二液硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いる場合には、可使時間が短く、二液の混合作業に手間がかかって作業能率が悪い上に、混合時に計量ミス等も生じ易く、また、硬化剤が人体に毒性のあるアミン化合物であるため、このアミン化合物が作業の安全性等作業環境上好ましくなかった。さらに、二液硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いる場合には、新旧コンクリート打継ぎ面間に微小な水路が形成され易く、この水路に外部から水が浸入してコンクリート内部の鉄筋を錆させるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、一液湿気硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いるために可使時間が十分に長く取れると共に、現場での混合作業が不要であり、二液混合の場合のように計量ミス等が生じるのを回避できるので作業能率の向上をはかることができ、硬化剤としてアミン化合物を用いないため作業の安全性を確保でき、さらに、新旧コンクリート打継ぎ面間の接着力に優れかつその打継ぎ面間に微小な水路が形成されることのない新旧コンクリート打継ぎ工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の新旧コンクリート打継ぎ工法は、新コンクリートと旧コンクリートとを打継ぐに際し、分子中に2個以上のケチミン基を有する下記式からなるポリケチミン化合物エポキシ樹脂及び鱗片状フィラーからなり、かつ前記ポリケチミン化合物を前記エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基に対する活性水素当量にして0.5〜3当量含有するエポキシ樹脂接着剤を使用し該エポキシ樹脂接着剤を旧コンクリート面に塗布し、ついで該エポキシ樹脂接着剤の表面が硬化しかつ内部が未硬化の段階で新コンクリートを該エポキシ樹脂接着剤の表面に打設することにより、これら両コンクリートを一体化することを特徴とする。
【化3】
Figure 0003757035
(式中、R 1 は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、もしくは脂環式炭化水素基、フェニレン基、又はポリオキシアルキレンポリアミンの残基を、R 2 およびR 3 はそれぞれが炭素数1〜11のアルキル基又はフェニル基を表わし、R 2 およびR 3 は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは2以上の整数を表わす。)
【0006】
このようにポリケチミン化合物とエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂接着剤を用いるために、すなわち、ポリケチミン化合物が水の存在下にエポキシ樹脂と反応する一液湿気硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いるために、作業能率の向上をはかることが可能となる。また、硬化剤としてポリケチミン化合物を用いるため、従来におけるようにアミン化合物を使用しなくともよいので、作業環境の改善をはかることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によって新旧コンクリートが打継がれた様子を示す断面図である。図1において、旧コンクリート1と新コンクリート2とがエポキシ樹脂接着剤3を介して一体化されている。図1は順継ぎの場合であって、旧コンクリート1の上にエポキシ樹脂接着剤3を塗布し、その上に新コンクリート2を打設しているエポキシ樹脂接着剤3の塗布は、スプレー、刷毛、コテ等により行うことができ、その塗膜厚さは3mm以内であるとよい。このエポキシ樹脂接着剤3の硬化は、大気中の水分およびコンクリート中の水分を介して行うことができる。
【0008】
エポキシ樹脂接着剤を構成するポリケチミン化合物は、下記式を有する化合物である。
【0009】
【化2】
Figure 0003757035
【0010】
式中、R1 は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、もしくは脂環式炭化水素基、フェニレン基、又はポリオキシアルキレンポリアミンの残基である。直鎖状炭化水素基は、例えば、ポリメチレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等)である。分岐状炭化水素基は、例えば、2,5-ジメチルヘキサメチレン基、トリメチルヘキサメチレン基等である。脂環式炭化水素基は、例えば、ジアミノメチルノルボルネン基の残基、イソホロン基、ジシクロヘキシルメタン基、ビスアミノメチルシクロヘキサンの残基である。ポリオキシアルキレンポリアミンの残基は、例えば、炭素数5〜20のポリオキシアルキレンジアミンの残基である。
【0011】
2 およびR3 はそれぞれが炭素数1〜11のアルキル基又はフェニル基を表わし、R2 およびR3 は互いに同一であっても異なっていてもよい。アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基等である。
nは2以上の整数を表わすが、好ましくは2〜3の整数がよい。
【0012】
また、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、ビスフェノールAD型、ノボラック型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型などのエポキシ樹脂、ポリオキシプロピレンやポリオキシエチレンのグリシジルエーテル、或いは構造中にウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、NBRやCTBN等で変性されたエポキシ樹脂、ポリサルファイド樹脂で変性されたエポキシ樹脂を用いることができる。
【0013】
本発明で用いるエポキシ樹脂接着剤は、上記エポキシ樹脂と上記ポリケチミン化合物からなる。このエポキシ樹脂接着剤においては、エポキシ樹脂100重量部に対しポリケチミン化合物を該エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基に対する活性水素当量にして0.5〜3当量含有する。0.5当量未満では硬化物の物性が低くなるか或いは硬化速度が遅くなり、一方、3当量超ではアミンブラッシュによるしみだしや白化現象が生じたりして物性的にも低下し、また、コスト的にも不利である。
【0014】
このエポキシ樹脂接着剤は、一液湿気硬化型であるために、二液硬化型に比して可使時間が長く、コンクリートの硬化収縮に追随してゆっくりと硬化する。このため、新旧コンクリート打継ぎ面間に緻密な水密接着部が形成されるので、打継ぎ面間の接着力に優れかつ打継ぎ面間に微小な水路は生じない。さらに、このエポキシ樹脂接着剤に鱗片状フィラーを含有させるとなおよい。この鱗片状フィラーによる迷宮効果(拡散経路の延長効果)によりエポキシ樹脂接着剤の深部における硬化を遅延させることができるから、エポキシ樹脂接着剤の硬化がコンクリートの硬化収縮にいっそう追随し易くなるからである。
【0015】
鱗片状フィラーは、例えば、フレーク状ガラス、雲母などである。特殊な充填剤(重防食塗料用)として販売されているものをそのまま使用すればよい。この鱗片状フィラーのサイズは、10mm〜0.1mm程度のものである。また、エポキシ樹脂接着剤100重量部に対する鱗片状フィラーの配合量は、5重量部〜30重量部であるとよい。
【0016】
新旧コンクリートをエポキシ樹脂接着剤を介して打継ぐに際しては、エポキシ樹脂接着剤を、旧コンクリート面に塗布し、ついで該エポキシ樹脂接着剤の表面が硬化しかつ内部が未硬化の段階で新コンクリートを該エポキシ樹脂接着剤の表面に打設するのがよい。これにより、エポキシ樹脂接着剤の内部がコンクリートの硬化収縮に追随して硬化するようになるからである。また、新旧コンクリート打継ぎ面間の微小な水路の形成をいっそう抑制するために、新旧コンクリートをエポキシ樹脂接着剤を介して打継いだ後、打継ぎ部の周囲の膠線に沿ってその周囲にエポキシ樹脂接着剤を塗布するとよい。
【0017】
【実施例】
下記のようにして新旧コンクリートを打継ぎ(実施例1比較例1、従来例1)、これらの場合につき打継ぎ面間の接着力および微小水路形成の有無を下記により評価した。この結果を表1に示す。
【0018】
(1)比較例1
図1に示すように旧コンクリート1と新コンクリート2とをエポキシ樹脂接着剤3を介して打継ぎ、40mm×40mm×80mmのコンクリートブロックを調製した。この調製に際しては、エポキシ樹脂接着剤3を旧コンクリート1の面に塗布し(塗膜厚さは1mm)、ついでエポキシ樹脂接着剤3の表面が硬化しかつ内部が未硬化の段階で新コンクリート2をエポキシ樹脂接着剤3の表面に打設するようにした。
【0019】
エポキシ樹脂接着剤3としては、シエル化学(株)製のエピコート828(ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂)100重量部に対し、ポリケチミン化合物(前記式において、R1 =ビスアミノシクロヘキサンの残基、R2 =メチル基、およびR3 =イソプロピル基、n=2)を33重量部配合してなる(エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基に対する活性水素当量にして1.0当量のポリケチミン化合物)。それに補強剤として、沈降性炭酸カルシウム100重量部を含む。
【0020】
(2)実施例1
エポキシ樹脂接着剤3の100重量部にガラスからなる直径約3mm、厚さ約50μmの鱗片状フィラーを20重量部配合することを除いて、比較例1に同じ。
【0021】
(3)従来例1
エポキシ樹脂接着剤3の代わりに、A成分(エピコート828を100重量部)とB成分(ポリアミドアミン(三和化学(株)製サンマイト325)を60重量部)からなる二液硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いること、およびA成分とB成分とを混合した後、得られる混合物をすぐに旧コンクリート1の面に塗布し、ついでその混合物の表面が硬化し始めた後、直ちに新コンクリート2をその混合物の表面に打設することを除いて、比較例1に同じ。
【0022】
打継ぎ面間の接着力の評価方法
図2に示すように、新コンクリート打設後28日目に旧コンクリート1と新コンクリート2とエポキシ樹脂接着剤3からなるコンクリートブロック10を台11の上に置き、荷重12をかけることにより、JIS A1106に準拠して三等分曲げ試験を行った。この結果、曲げ応力55kgf/cmで従来例1では打継ぎ面間の接着剤が破壊されたが、実施例1および比較例1では変化がなかった。曲げ応力60kgf/cmの荷重12をかけたときに本発明例1ではエポキシ樹脂接着剤3の付近の新コンクリート2にひびが入り、曲げ応力67kgf/cmの荷重12をかけたときに実施例1ではエポキシ樹脂接着剤3の付近の新コンクリート2にひびが入った。
【0023】
打継ぎ面間の微小水路形成の有無
接合面の垂直断面を研磨し、顕微鏡観察することによって微小水路形成の有無を確認した。
【0024】
【表1】
Figure 0003757035
【0025】
表1から明らかなように、本発明例1および比較例1では、従来例に比し、新旧コンクリート打継ぎ面間の接着力に優れ、かつその打継ぎ面間に微小水路の形成がないことが判る。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、新コンクリートと旧コンクリートとを打継ぐに際し、分子中に2個以上のケチミン基を有し、かつ前述した式からなるポリケチミン化合物エポキシ樹脂及び鱗片状フィラーからなるエポキシ樹脂接着剤を介して、これら両コンクリートを一体化するために、このエポキシ樹脂接着剤が一液湿気硬化型エポキシ樹脂接着剤であるから可使時間が十分に長く取れると共に、現場での混合作業が不要であり、二液混合の場合のように計量ミス等が生じるのを回避できるので作業能率の向上をはかることができ、また、硬化剤としてポリケチミン化合物を用いていてアミン化合物を用いないため作業の安全性を確保でき、さらに、新旧コンクリート打継ぎ面間の接着力に優れかつその打継ぎ面間に微小な水路が形成されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって新旧コンクリートが打継がれた様子を示す断面図である。
【図2】 新旧コンクリート打継ぎ面間の接着力の評価方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 旧コンクリート
2 新コンクリート
3 エポキシ樹脂接着剤
10 コンクリートブロック
11 台
12 荷重

Claims (2)

  1. 新コンクリートと旧コンクリートとを打継ぐに際し、分子中に2個以上のケチミン基を有する下記式からなるポリケチミン化合物エポキシ樹脂及び鱗片状フィラーからなり、かつ前記ポリケチミン化合物を前記エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基に対する活性水素当量にして0.5〜3当量含有するエポキシ樹脂接着剤を使用し該エポキシ樹脂接着剤を旧コンクリート面に塗布し、ついで該エポキシ樹脂接着剤の表面が硬化しかつ内部が未硬化の段階で新コンクリートを該エポキシ樹脂接着剤の表面に打設することにより、これら両コンクリートを一体化する新旧コンクリート打継ぎ工法。
    Figure 0003757035
    (式中、R 1 は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、もしくは脂環式炭化水素基、フェニレン基、又はポリオキシアルキレンポリアミンの残基を、R 2 およびR 3 はそれぞれが炭素数1〜11のアルキル基又はフェニル基を表わし、R 2 およびR 3 は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは2以上の整数を表わす。)
  2. 新旧コンクリートを前記エポキシ樹脂接着剤を介して打継いだ後、該打継ぎ部の周囲の膠線に沿って、さらに前記エポキシ樹脂接着剤を塗布する請求項1記載の新旧コンクリート打継ぎ工法。
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