Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP4404376B2 - 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP4404376B2 - 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法 - Google Patents

繊維強化シートによるコンクリートの補強方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4404376B2
JP4404376B2 JP2003178070A JP2003178070A JP4404376B2 JP 4404376 B2 JP4404376 B2 JP 4404376B2 JP 2003178070 A JP2003178070 A JP 2003178070A JP 2003178070 A JP2003178070 A JP 2003178070A JP 4404376 B2 JP4404376 B2 JP 4404376B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
concrete
resin composition
type epoxy
pack type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003178070A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005015517A (ja
Inventor
政典 千足
仁 辻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konishi Co Ltd filed Critical Konishi Co Ltd
Priority to JP2003178070A priority Critical patent/JP4404376B2/ja
Publication of JP2005015517A publication Critical patent/JP2005015517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4404376B2 publication Critical patent/JP4404376B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の一液型エポキシ樹脂組成物をコンクリート表面に含浸して、当該コンクリート表層を強化した後に、下地材の塗布及び繊維強化シートの接着を行ってコンクリートを補強する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリートを補強し、各種構造物の耐力を向上させるため、以下のような方法が施工されている。すなわち、コンクリート表面に、エポキシ樹脂系プライマーやエポキシ樹脂系不陸調整材などの下地材を塗布した後、繊維強化シートを接着させる方法が採用されている。この補強方法は、コンクリートに繊維強化シートを接着貼合することにより、全体として、コンクリートの強度の向上を図ろうというものである。
【0003】
しかしながら、この補強方法は、結局、繊維強化シートによる補強であるから、コンクリート本体自体が強化されているわけではない。したがって、過度の負荷がかかった場合には、コンクリートの最も強度が低い部位である、コンクリート表層の破壊が始まり、繊維強化シートによる補強を十分に活かせないという憾みがあった。
【0004】
このため、コンクリート表面にエポキシ樹脂を含浸し、当該コンクリート表層を強化することが行われている。しかしながら、従来の二液型エポキシ樹脂溶液は、主剤と硬化剤を混合した直後から反応が開始し、増粘が始まるため、これをコンクリート表面に塗布含浸させても、コンクリート表層の中まで、十分にエポキシ樹脂が含浸されなかった。また、この二液型エポキシ樹脂溶液に、湿気を吸収してエポキシ樹脂の硬化剤として機能するオキサゾリジン化合物を添加した後、これをコンクリート表面に塗布することも提案されている(特許文献1)。この特許文献1に記載されている方法は、コンクリートに朝露などの湿気が含まれている場合に、オキサゾリジン化合物を脱水剤としても機能させようというものである。しかし、従来の二液型エポキシ樹脂溶液を用いた場合の欠点、すなわち、主剤と硬化剤を混合した直後から反応が開始し、増粘が始まるため、コンクリート表面の中までエポキシ樹脂を含浸できないという欠点は克服されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−60230号公報(第2頁の特許請求の範囲、特に請求項2又は3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者などは、二液型エポキシ樹脂溶液で用いられているアミン系化合物に代えて、硬化速度の遅いケチミン化合物を含んでなる一液型湿気硬化性エポキシ樹脂溶液を用いて、コンクリート表層を強化することを試みた。しかしながら、硬化速度の遅いケチミン化合物を用いると、硬化後のエポキシ樹脂が軟らかく、コンクリート表層を十分に強化することができなかった。また、硬化速度の速いケチミン化合物を含んでなる一液型湿気硬化性エポキシ樹脂溶液を用いることも試みたが、この場合は、従来の二液型エポキシ樹脂溶液の場合と同様に、コンクリート表層の中まで、十分にエポキシ樹脂が含浸されなかった。
【0007】
本発明者などは、さらに試行錯誤による実験を繰り返していたところ、硬化速度の遅い特定のケチミン化合物と、特定のオキサゾリジン化合物とを併用添加した一液型湿気硬化性エポキシ樹脂溶液を用いると、コンクリート表層の中まで、十分にエポキシ樹脂が含浸されると共に、硬化後のエポキシ樹脂が硬くなり、コンクリート表面を十分に強化しうることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、コンクリート表面に下地材を塗布した後、繊維強化シートを接着させるコンクリートの補強方法において、前記下地材を塗布する前に、特定の一液型エポキシ樹脂組成物を、前記コンクリート表面に含浸し、硬化させて、コンクリート表層を強化することを特徴とする繊維強化シートによるコンクリートの補強方法に関するものである。そして、特定の一液型エポキシ樹脂組成物とは、(A)エポキシ樹脂と、(B)ポリオキシアルキレンポリアミンとケトンとの脱水反応によって得られたケチミン化合物と、(C)N−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンとを含むものである。
【0009】
本発明で用いる(A)エポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂であれば、どのようなもので使用しうる。例えば、ビフェニール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等とエピクロールヒドリンを反応させて得られるビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等や、これらを水添化あるいは臭素化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、メタキシレンジアミンやヒダントインなどをエポキシ化した含窒素エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0010】
本発明で用いる(B)ケチミン化合物は、ポリオキシアルキレンポリアミンとケトンとの脱水反応によって得られたものである。ポリオキシアルキレンポリアミンとは、主鎖がポリオキシアルキレン基であって、この主鎖にアミノ基が二つ又は三つ以上結合しているものである。例えば、以下の化2や化3で表される化合物である。
【化2】
Figure 0004404376
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、nは1〜20の任意の整数を表す。なお、Rは上記範囲内の各種のアルキレン基の混合であってもよい。)
【化3】
Figure 0004404376
(式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素残基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、x,y及びzは0又は任意の整数であり、x+y+z=1〜20である。なお、Rは上記範囲内の各種のアルキレン基の混合であってもよい。)
【0011】
一方、このポリオキシアルキレンポリアミンと反応するケトンとしては、モノアルキルケトン〔RHCO〕やジアルキルケトン〔(R)2CO〕などが用いられる。したがって、ポリオキシアルキレンポリアミンとケトンとが脱水反応して得られるケチミン化合物の代表例としては、下記化4や化5のような構造のものが挙げられる。
【化4】
Figure 0004404376
(式中、R2は水素原子又はアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、nは1〜20の任意の整数を表す。なお、各R2がアルキル基であるとき、各々は同一のアルキル基であっても別個のアルキル基であってもよく、また、Rは上記範囲内の各種のアルキレン基の混合であってもよい。)
【化5】
Figure 0004404376
(式中、R1は炭素数1〜6の炭化水素残基を表し、R2は水素原子又はアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、x,y及びzは0又は任意の整数であり、x+y+z=1〜20である。なお、各R2がアルキル基であるとき、各々は同一のアルキル基であっても別個のアルキル基であってもよく、また、Rは上記範囲内の各種のアルキレン基の混合であってもよい。)
【0013】
本発明で用いるオキサゾリン化合物は、(C)N−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンである。
【0014】
本発明において、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の各配合量は、以下のようであるのが好ましい。すなわち、(B)成分であるケチミン化合物は、ケチミン化合物の活性水素の当量が、(A)成分であるエポキシ樹脂のエポキシ基の当量に比べて、0.3〜1.2倍となるように配合するのが好ましい。ケチミン化合物の配合量がこの範囲から外れると、目的とする硬化物特性が得られない傾向が生じる。
【0015】
(C)成分であるオキサゾリジン化合物は、(A)成分であるエポキシ樹脂100重量部に対して、5〜30重量部程度であるのが好ましい。オキサゾリジン化合物が5重量部未満であると、硬化後のエポキシ樹脂の硬さが不十分である傾向が生じる。また、オキサゾリジン化合物は30重量部程度配合すれば、硬化後のエポキシ樹脂に所望の硬さを与えることができる。
【0016】
以上の如き配合量で、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を任意の溶媒に溶解させて配合し、一液型エポキシ樹脂組成物を得る。任意の溶媒としては、トルエンやメチルイソブチルケトンなどが用いられる。また、溶媒の量は任意であるが、(A)成分であるエポキシ樹脂100重量部に対して、20〜200重量部であるのが好ましい。また、これらの他に、シランカップリング剤や着色剤などの任意成分が含有されていてもよい。
【0017】
この一液型エポキシ樹脂組成物は、コンクリート表面に含浸して、コンクリート表層を強化するために用いられる。すなわち、コンクリート表面に、この一液型エポキシ樹脂組成物を塗布すると、一液型エポキシ樹脂組成物がコンクリート表層中に含浸されてゆく。そして、エポキシ樹脂組成物中のケチミン化合物が空気中の湿気及びコンクリート中の湿気によって分解し、アミンを生成し、含浸したエポキシ樹脂を硬化させるのである。硬化したエポキシ樹脂は、コンクリート表層を強化するのに寄与するのである。
【0018】
一液型エポキシ樹脂組成物は、各種構造物のコンクリートを繊維強化シートで補強する際に用いられる。すなわち、従来の繊維強化シートによるコンクリート構造物の補強方法において、コンクリート表面の前処理のために用いられる。具体的には、構造物のコンクリート表面に、一液型エポキシ樹脂組成物を塗布含浸し、エポキシ樹脂を硬化させて、コンクリート表層を強化する。その後、従来の繊維強化シートによる補強方法が施工される。すなわち、強化したコンクリート表面に、エポキシ樹脂系プライマーやエポキシ樹脂系不陸調整材などの下地材を塗布した後、繊維強化シートをエポキシ樹脂系接着剤で接着させるのである。なお、エポキシ樹脂系プライマー,エポキシ樹脂系不陸調整材,エポキシ樹脂系接着剤などは、従来用いられているものを用いればよい。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、特定のケチミン化合物と特定のオキサゾリジン化合物とを併用添加した一液型エポキシ樹脂組成物は、コンクリート表層中への含浸性に優れ、且つ、硬化後の物性に優れているため、コンクリート表層を強化する組成物として好適であり、繊維強化シートでコンクリートを補強する際に用いるのに好適であるとの知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
【0020】
実施例1
以下の組成の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂 100重量部
(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)
ケチミン化合物 70重量部
(ハンツマン社製「ジェファーミンD400」とメチルイソブチルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)
オキサゾリジン化合物 10重量部
(サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」)
溶媒(トルエン(試薬)) 100重量部
なお、サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」は、N−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンよりなるものである。
【0021】
比較例1
オキサゾリジン化合物(サンアプロ社製「MS−PLUS」)を配合しない他は、実施例1と同様にして一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
【0022】
比較例2
以下の組成の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂 100重量部
(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)
ケチミン化合物 50重量部
(ジエチレントリアミン(試薬)とメチルイソブチルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)
溶媒(トルエン(試薬)) 100重量部
なお、比較例2において、ケチミン化合物の重量部を50重量部としたのは、ケチミン化合物が分解して生成するアミンの活性水素数が、実施例1の場合と等量になるようにするためである。
【0023】
比較例3
以下の組成の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂 100重量部
(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)
ケチミン化合物 38重量部
(ノルボルナンジアミン(三井化学社製)とメチルイソプロピルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)
溶媒(トルエン(試薬)) 100重量部
なお、比較例3において、ケチミン化合物の重量部を38重量部としたのは、ケチミン化合物が分解して生成するアミンの活性水素数が、実施例1の場合と等量になるようにするためである。
【0024】
比較例4
ケチミン化合物(ハンツマン社製「ジェファーミンD400」とメチルイソブチルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)を配合しない他は、実施例1と同様にして一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
【0025】
比較例5
オキサゾリジン化合物(サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」)の配合量を20重量部とする他は、比較例4と同様にして一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
【0026】
比較例6
オキサゾリジン化合物(サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」)の配合量を30重量部とする他は、比較例4と同様にして一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
【0027】
比較例7
以下の組成の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂 100重量部
(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)
ケチミン化合物 50重量部
(ジエチレントリアミン(試薬)とメチルイソブチルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)
オキサゾリジン化合物 10重量部
(サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」)
溶媒(トルエン(試薬)) 100重量部
【0028】
比較例8
以下の組成の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂 100重量部
(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)
ケチミン化合物 38重量部
(ノルボルナンジアミン(三井化学社製)とメチルイソプロピルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)
オキサゾリジン化合物 10重量部
(サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」)
溶媒(トルエン(試薬)) 100重量部
【0029】
比較例9
二液型エポキシ樹脂組成物であるコニシ社製「ボンドE810LS」を準備した。
【0030】
実施例1及び比較例1〜9に係る各エポキシ樹脂組成物について、薄膜での硬化開始時間の測定及び厚膜での硬化物物性の評価を行った。測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
〔薄膜での硬化開始時間の測定〕
書籍「建設省総合技術プロジェクト コンクリートの耐久性向上技術の開発」(平成元年5月、財団法人土木研究センター発行)の注入材料品質規格試験方法(案)(3)硬化時間の項目中に記載されている方法で、硬化時間を測定した。具体的に説明すれば、以下の手順で測定されるものである。
(i)縦2.5cm×横35cm×厚さ2mmの透明なガラス板を用意する。
(ii)幅2mmで厚さ1mmのテープを、ガラス板の四方に貼りつける。
(iii )ガラス板に、エポキシ樹脂組成物を、テープの厚み上限すれすれまで流し入れ、エポキシ樹脂組成物が厚さ1mmで塗布されているガラス板を作製する。
(iv)ガラス板をドライングレコーダーにセットし、針跡が付き始める時点を硬化開始点とする。
(v)ドライングレコーダーにセットしてから、硬化開始点までの時間を、硬化開始時間(hr)とする。
なお、測定環境は20℃で65%RHとし、ドライングレコーダーとしては、安田精機製作所社製「R.C.I DRYING TIME TESTER」を用いた。
この結果は表1のとおりであった。
【0031】
〔厚膜での硬化物物性〕
高さ0.5cmのポリプロピレン製のカップ型容器に、上限すれすれまで、各エポキシ樹脂組成物を入れ、20℃で65%RHの環境下で28日間養生し、エポキシ樹脂組成物を硬化させた。その後、カップ型容器から硬化物を脱型し、これの硬さを手で確認し、比較例9に係る二液型エポキシ樹脂組成物の硬化物と同等の硬さをもつものを「硬質」と評価し、これよりもかなり軟らかいものを「軟質」と評価した。
この結果は表1のとおりであった。
【0032】
Figure 0004404376
【0033】
表1の結果から明らかなように、比較例2,3,7及び8に係る各エポキシ樹脂組成物は、その硬化開始時間が、比較例9に係る 従来の二液型エポキシ樹脂組成物と大差がない。したがって、従来の二液型エポキシ樹脂組成物と同様に、コンクリート表面に塗布した後、速やかに硬化するため、コンクリート表層中にエポキシ樹脂組成物を十分に含浸させることができず、コンクリート表層の強化が望めない。また、比較例1に係るエポキシ樹脂は、硬化開始時間が長いため、コンクリート表層中にエポキシ樹脂組成物を十分に含浸することができるが、硬化物物性が軟質であるため、コンクリート表層の強化には適さない。また、比較例4〜6に係る各エポキシ樹脂組成物は、硬化開始時間が極端に長く、7日間経過後に未硬化であるため、コンクリート構造物の補強施工の材料として使用するのは、合理的ではない。
【0034】
一方、実施例1に係るエポキシ樹脂組成物は、硬化開始時間も適度に長く、また硬化物物性も硬質であるため、コンクリート表層の強化に用いるのに最適である。実施例1に係るエポキシ樹脂組成物の硬化の状態を観察すると、養生7日の時点では硬化物の物性は軟質であるが、その後、硬化が進むにしたがって、その物性が硬質へと変化する。この理由は定かではないが、ケチミン化合物が分解して生成したアミンによってエポキシ樹脂は硬化するが、その後、オキサゾリジンを介したエポキシ樹脂のアニオン重合が起こり、これによって、当初軟質であった硬化物が硬質へと変化するものと考えられる。
【0035】
試験例
まず、以下の組成の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂 100重量部
(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)
ケチミン化合物 70重量部
(ハンツマン社製「ジェファーミンD400」とメチルイソブチルケトン(試薬)との脱水反応によって得られたもの)
オキサゾリジン化合物 10重量部
(サンアプロ社製「ZOLDINE MS−PLUS」)
シランカップリング剤 10重量部
(信越シリコーン社製「KBM403」)
溶媒(メチルイソブチルケトン(試薬)) 40重量部
【0036】
一方、厚さ16cm×幅30cm×長さ120cmの直方体形状で、かぶり厚3cmの鉄筋コンクリート板を準備した。そして、長さ方向の両端15cmを残して、90cmの範囲全面を、ディスクサンダーによりサンディング処理した。そして、このサンディング部分に、上記一液型エポキシ樹脂組成物を、塗布量が200〜300g/m2の範囲内となるよう塗布し、3日間放置した。その後、以下の順序で、従来の繊維強化シートによる補強方法を施工した。
(i)一液型エポキシ樹脂組成物を塗布した部分に、二液型エポキシ樹脂系プライマー(コニシ社製「ボンドE810LW」)を、塗布量150g/m2で塗布し、1日間放置した。
(ii)二液型エポキシ樹脂プライマーを塗布した部分に、二液型エポキシ樹脂系不陸調整材(コニシ社製「ボンドE395W」)を、塗布量600g/m2で塗布し、1日間放置した。
(iii )二液型エポキシ樹脂系不陸調整材を塗布した部分に、二液型エポキシ樹脂系接着剤(コニシ社製「ボンドE2500W」)を、塗布量500g/m2で塗布した。
(iv)二液型エポキシ樹脂系接着剤を塗布した直後に、カーボンシート(新日本石油社製「TUクロスHT300」)を貼りつけて、1日間放置した。
(v)その後、カーボンシートの上から更に、二液型エポキシ樹脂系接着剤(コニシ社製「ボンドE2500W」)を、塗布量300g/m2で塗布した。
以上のようにして、カーボンシートによる鉄筋コンクリート板の補強を行った。
【0037】
得られたカーボンシート付き鉄筋コンクリート板を、図1に示す方法で静的載荷試験を行った。すなわち、上部支点から、1.0mm/minの載荷速度で矢印方向へ荷重を掛けてゆき、鉄筋コンクリート板が破壊するときの最大荷重を測定した。また、破壊するときの破壊形態も観察した。その結果、最大荷重は195kNであり、破壊形態は、剪断方向に亀裂が入り最終的には鉄筋近傍のかぶり部位から破壊した。このことから、充分な含浸補強(コンクリート表層強度の向上)効果とカーボンシートによる補強(コンクリートの曲げ耐力の向上)効果が確認できた。
【0038】
比較試験例1
試験例で準備した直方体形状の鉄筋コンクリート板に、何らの処理も施さずに、上記試験例と同様の静的載荷試験を行った。この結果、最大荷重は110kNであり、破壊形態はコンクリートの曲げ破壊であった。曲げ破壊は、鉄筋コンクリート板の幅方向に亀裂が入って破壊するものである。
【0039】
比較試験例2
一液型エポキシ樹脂組成物を塗布しない他は、試験例と同様にして、鉄筋コンクリートの補強を行った。すなわち、鉄筋コンクリート板に、試験例の(i)〜(v)の処理を行う、従来の補強方法である。そして、試験例と同様にして最大荷重を測定したところ、190kNであった。また、破壊形態は、鉄筋コンクリート板の剪断方向に亀裂は入ったが、最後はコンクリートの表層部分が破壊する表層破壊であった。上記した試験例とこの比較試験例2とを対比すれば明らかなように、最大荷重は両者共に同等であるが、前者は鉄筋近傍のかぶり部位からの破壊であるのに対して、後者はコンクリート表層破壊である。すなわち、従来の方法である比較試験例2は、カーボンシートによる補強によって最大荷重は高くなるが、最後の破壊はコンクリートの最も弱い箇所である表層で起こり、カーボンシートによる補強が十分に活かせられていないことが分かる。
【0040】
【発明の効果】
本発明で用いる一液型エポキシ樹脂組成物は、特定のケチミン化合物と特定のオキサゾリジン化合物とを併用して配合されてなるものであり、その硬化開始時間が比較的長く、また、完全に硬化した後における硬化物は比較的硬いものである。したがって、この一液型エポキシ樹脂組成物をコンクリート表面に塗布すると、硬化開始までに、比較的長時間を要するので、その間に、エポキシ樹脂組成物がコンクリート表層中まで浸透する。そして、浸透した後に硬化し、その硬化物は比較的硬いので、コンクリート表層が強化される。すなわち、この一液型エポキシ樹脂組成物を用いれば、コンクリート表層に十分浸透して、硬い硬化物が形成されるので、コンクリート表層の十分な強化が図れるという効果を奏する。したがって、本発明に係る方法によれば、一液型エポキシ樹脂組成物によるコンクリート表層強度の向上と、繊維強化シートによるコンクリートの曲げ耐力向上により、合理的にコンクリートの補強を行えるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例で用いた静的載荷試験の方法を示す模式図である。

Claims (1)

  1. コンクリート表面に下地材を塗布した後、繊維強化シートを接着させるコンクリートの補強方法において、前記下地材を塗布する前に、下記一液型エポキシ樹脂組成物を、前記コンクリート表面に含浸し、硬化させて、コンクリート表層を強化することを特徴とする繊維強化シートによるコンクリートの補強方法。

    (A)エポキシ樹脂と、(B)ポリオキシアルキレンポリアミンとケトンとの脱水反応によって得られたケチミン化合物と、(C)N−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンとを含む一液型エポキシ樹脂組成物。
JP2003178070A 2003-06-23 2003-06-23 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法 Expired - Fee Related JP4404376B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003178070A JP4404376B2 (ja) 2003-06-23 2003-06-23 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003178070A JP4404376B2 (ja) 2003-06-23 2003-06-23 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005015517A JP2005015517A (ja) 2005-01-20
JP4404376B2 true JP4404376B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=34179810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003178070A Expired - Fee Related JP4404376B2 (ja) 2003-06-23 2003-06-23 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4404376B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8580894B2 (en) 2008-10-10 2013-11-12 Incoat Llc Two part, low molecular weight self curing, low viscosity acrylic penetrant, sealant and coating composition, and methods for using the same
JP7447706B2 (ja) * 2020-06-30 2024-03-12 住友大阪セメント株式会社 セメント含有層接着用の接着剤組成物、それを用いた施工方法及び構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005015517A (ja) 2005-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103597050B (zh) 抗冲击性改进的胶粘剂
JP5043256B2 (ja) 硬化可能2成分モルタル物質
EP2826798B1 (de) Verwendung einer Mehrkomponenten-Mörtelmasse auf Epoxid-Amin-Basis
WO2020016372A1 (en) Method for strengthening of metal structures using toughened 2c-epoxy adhesives
CN107001770A (zh) 包含共聚酰胺和具有聚酰胺和聚醚嵌段的嵌段共聚物的环氧组合物
CN1088604A (zh) 氨基多官能环氧树脂类耐热建筑结构胶粘剂
JP4404376B2 (ja) 繊維強化シートによるコンクリートの補強方法
KR102464223B1 (ko) 구조용 접착제 조성물
CN102191000A (zh) 粘合剂组合物
JP4308893B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤組成物
JPS62236879A (ja) エポキシ樹脂系接着剤組成物
EP4015559B1 (en) Structural adhesive having superior compression properties
KR20210009429A (ko) 중합체 촉매 또는 경화제로서 1 차 또는 2 차 아민을 함유하는 헤테로시클릭 아민의 용도
JP4090543B2 (ja) 1液エポキシ樹脂系複合材料による鉄筋コンクリート構造の補強方法
JP6816319B1 (ja) コンクリート接着用の二液混合型接着剤およびコンクリート補強方法
EP4074671A1 (en) Multi-component epoxy resin material with fine fillers
JPS63312381A (ja) コンクリ−ト材料の接着方法
JPH0259168B2 (ja)
JPH11293929A (ja) コンクリート構造物の注入補修工法
JPH05105861A (ja) 接着剤組成物
JP3699148B2 (ja) プリプレグの常温硬化方法並びに構造物の補修補強方法
JP3757035B2 (ja) 新旧コンクリート打継ぎ工法
Garnish Epoxide resins as adhesives: past and present
JP2004204144A (ja) エポキシ系補修用硬化性樹脂組成物
JP3970082B2 (ja) コンクリート構造物の補強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091031

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees