JP3757718B2 - インクジェットプリンタ用水性インク組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット印刷用水性インク組成物、より具体的には、スピロノナンジオールの2つのヒドロキシル官能基が別々の脂環式環部分上に存在する、スピロノナンジオールのアルキレンオキシド縮合化合物を、界面活性剤添加物として含有する、水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット印刷は、デジタル信号(例えば、コンピューターが発生する信号)に応じてプリンタがインクの液滴を製造するノンインパクト印刷方法である。インクの液滴を、基材媒体(例えば、紙又は透明フィルム)上に付着させる。インクジェットプリンタは、それらの印刷品質、低コスト、比較的静かな運転、及びグラフィックス能力を理由として、幅広く商業的に受け入れられている。サーマル(バブルジェット)プリンタ、及び圧電ドロップ−オン−デマンドプリンタが、特に市場で成功し、そして事務所内及び家庭内のパーソナルコンピューター用のプリンタとして幅広く利用されている。
【0003】
インクジェット技術を支配する3つの主要な問題点として、(1)信頼性、(2)乾燥速度、及び(3)印刷品質が存在する。これらの3つの問題点は、以下のように一般化することができる。第1の問題点である信頼性は、水性インク組成物中での着色剤の水性溶解性又は分散性、及び共溶媒添加物の存在の両者に、強く影響されている。インクの乾燥速度は、プリンタのスループット速度の決定に重要な要素である。シート供給プリンタでは、印刷されたシート上のインクが、次のシートと接触する前に乾燥されていなければならない。インクが乾燥していないと、汚れが発生することになる。充分速い乾燥速度を得るには、水性インク組成物に、特別な共溶媒を加える必要がある。その代表的な例は、ブチルカルビトール(商品名)(ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)である。前記の特別な共溶媒は、媒体へのインクの浸透を促進するので、浸透剤として知られている。一般的に、浸透剤は、インクの信頼性に悪影響がある。この速乾性と信頼性とが相互に反する性質であるにもかかわらず、市販のインクジェットインクの大部分が浸透剤を含有しており、従って迅速に乾燥する。本発明のインクも、例外ではない。一般的には、速い乾燥速度を有するインクジェットインクに関する印刷品質は、インク組成物中に含まれる共溶媒によってわずかに影響されるが、主に、着色剤と印刷媒体表面との相互作用の性質に依存する。
【0004】
本発明は、界面活性剤添加物として作用する新規化合物を含有する水性インク組成物に関する。界面活性剤添加物の効果は、着色剤及び共溶媒添加物の効果に比べると、より微かである。一般的には、界面活性剤添加物の効果としては、界面活性剤添加物含有インクの信頼性における僅かな変化及び印刷品質における僅かな変化を観察することができる。従って、本明細書に記載の新規化合物を含有するインクの利点は、信頼性及び印刷品質に関して強調される。
【0005】
一般的に、信頼性は、以下の5つの基準に関して評価される。第1の基準は、連続的印刷条件に関する堅牢性(robustness)、すなわち、インク液滴重量が長時間変化せず、そして良好な指向性が維持されるか否かである。良好な指向性とは、ノズルから吐出したインク液滴の角度偏差が、ノズル平面の垂直線から±約0.5゜の範囲内であることを意味する。第2の基準は、断続的印刷条件に関する堅牢性、すなわち、印刷を中断している間隔にノズルが詰まらないか否かである。第3の基準は、プリントヘッド中におけるインクの長期保存に関する堅牢性、すなわち、ノズルに対して限定量の吸引を実施した後に、元来の印刷挙動(インク液滴重量及び良好な指向性)と変わらない印刷挙動を回復することができるか否かである。第4の基準は、プリントヘッドへのインクの信頼性のある装填(最初のインクカートリッジからプリンタヘッドへの最初の装填)、すなわち、全てのノズルが良好な指向性を有して印刷されるか否かである。第5の基準は、極端な2つの温度での保存、並びに前記の極端な2つの温度間での長期にわたる循環におけるインクの化学的及び物理的安定性である。
【0006】
連続的印刷に関する堅牢性、断続的印刷条件に関する堅牢性、及びプリントヘッド中におけるインクの長期保存に関する堅牢性は、一般的に、高い相関関係がある。気体と液体との接触面(これは、プリントヘッド上の全てのノズル中に存在する)における固形物の結晶化及び/又は溶媒の蒸発によって発生する沈殿により、必要な堅牢性を得ることに失敗することがある。着色剤として顔料分散物を含むインクにおいては、溶媒又は共溶媒が蒸発した際の溶媒組成物の変化によって起きる顔料分散物のフロキュレーションにより、必要な堅牢性を得ることに失敗することがある。連続的印刷、断続的印刷、及びプリントヘッド中におけるインクの長期保存に関して必要な堅牢性を達成するのに貢献する典型的な共溶媒は、湿潤剤として分類される。湿潤剤は、水に対する高い親和性、及び比較的高い沸点を有する。
【0007】
全てのノズルが良好な指向性を示して印刷されるようなインクのプリントヘッドへの信頼性のある装填(プリントヘッドへの最初の装填)は、プリントヘッド内の狭い流路中にインクを装填した際の泡形成の容易性によって影響される。装填は、典型的に、印刷メカニズム及びノズルに適用する限定量の吸引を使用する複雑なシーケンスを包含する。インク中で泡が容易に形成されるインクについては、典型的に、多くのノズルからインクが吐出されないか又は良くない指向性を有するインクが吐出される結果となる。泡を分解するか又は泡形成を阻害する界面活性剤添加物をインク組成物中に含有させて、最初のインク装填に関して必要な信頼性を達成することは、当業界で周知である。当業界で周知のように、非イオン界面活性剤だけが、泡の分解及び/又は泡形成の阻害に有効である。
【0008】
2つの極端な温度での保存におけるインクの化学的及び物理的安定性、並びに前記極端な2つの温度間での循環におけるインクの化学的及び物理的安定性は、着色剤として水溶性染料を使用しているインクに対して比較的容易に達成される。顔料分散物を含むインクに対して、一般的に使用される多くの共溶媒及び界面活性剤添加物は、特に極端な高温において、一般的な顔料分散物の脱安定化を起こすことがある。
【0009】
印刷品質は、典型的に、2つの一般的要素:(1)色特性及び(2)非色画像特性に関して規定される。インクの色特性は、色相を決定するカラーコーディネート及び光学濃度によって測定する。画像の明瞭度を決定する非色特性は、(a)解像度(単位領域当たりの液滴数)、(b)1滴当たりの面積被覆量、(c)端部尖鋭度及びフェザリングの程度、並びに(d)周辺欠陥、例えばサテライト(印刷した文字の周囲か逸脱した液滴)の程度である。本発明のインクの印刷品質は、それらの非色−画像特性に関して評価する。
【0010】
インクジェット印刷における大きな関心が、普通紙上で得ることのできる印刷品質のレベル(最小のフェザリングを有する画像の端部尖鋭度又は鮮鋭度で規定される)に寄せられている。「普通紙」とは、幅広い市販紙、特にエレクトログラフィックコピーで使用するために市販されている紙を意味する。前記市販紙は、インクジェットプリンタのみが前記紙の特性を最良に利用することができるようには、独特の構造、組成、又は限られた一群の特性に依存していない。前記のように、界面活性剤添加物の効果は僅かである。特にインクジェットインク用に設計された特別紙においては、印刷品質に対する界面活性剤添加物の効果は、殆ど検出できない。一般的に、これらの僅かな効果は普通紙上の印刷画像でのみ観察することができる。従って、本明細書に記載の新規化合物を含むインクの利点は、普通紙の印刷画像に関して強調される。
【0011】
前記の3つの主要な問題点はしばしば対立するので、商業的利用に対して最適化されたインク配合物は、いくつかの妥協に基づいている。界面活性剤添加物含有インクに対して妥協しなければならない点としては、印刷品質と信頼性(特に、プリントヘッドへのインクの最初の装填に関する信頼性)との相互に相反する点を挙げることができる。印刷品質は、一般的に、界面活性剤添加物の濃度が増加するにつれて悪化する。対照的に、プリントヘッドの最初の装填の際にプリントヘッド中へのインクの信頼性のある装填を得るためには、或る界限値を超える界面活性剤添加物濃度が要求される。一般的に、この界限値濃度は、界面活性剤添加物を全く含まないかほとんど含まない相当するインクの印刷品質よりも著しく印刷品質が悪くなるような濃度である。従って、優れた印刷品質を有する印刷画像を産生し、そして信頼性のある印刷性能(特に、プリントヘッドへのインクの最初の装填に関して)を有する界面活性剤添加物含有インク組成物に対するニーズが存在する。
【0012】
米国特許第4,184,881号明細書には、水溶性染料の水溶液及びアセチレン系ジオールのエチレンオキシドアダクトを含むインクジェット印刷用のインク組成物が記載されている。この特許明細書の実施例1に記載のインクは、アセチレン系ジオールのエチレンオキシドアダクト14重量%を含む。このインクは、プロトタイプのインクジェットプリンタにおいて、6日間に亘ってプリンタのアイドリング状態をオン及びオフする条件下で満足に印刷するものとして請求項に記載されている。アセチレン系ジオール界面活性剤のエチレンオキシドアダクトの前記濃度において、市販プリンタのインクヘッドへのインクの信頼できる装填(前記プリンタヘッドの最初の装填)が得られるものと予想される。しかしながら、その界面活性剤濃度では、現在の最良のプラクティスに従って配合した速乾性染料系インクと比較して、有意に乏しい印刷品質が予想される。この予想は、前記のように、界面活性剤添加物濃度が増加するに従って印刷品質が、一般的に悪化するという事実に基づいている。
【0013】
米国特許第5,156,675号明細書には、界面活性剤を含まず、染料、水、及び特定の共溶媒(好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとグリセロールとの混合物)を含むインク組成物が記載されている。このインク組成物は、25℃で、1.6〜2.5センチポイズの範囲の粘度を有する。この特許明細書の実施例2に記載のインクは、乾燥速度の観点によって評価されている。前記インクは全て優秀な浸透剤であるButyl Carbitol(商品名;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)を含有するので、予想通りの迅速な乾燥挙動が得られた。印刷品質も、そして最初にプリントヘッドが装填される際の前記プリントヘッドへのインクの装填に関する信頼性も、これらのインクに対して評価されていない。しかしながら、当業者の中には、これらのインクの印刷品質は、現在の最良のプラクティスに従って配合した速乾性染料系インクと同等又はそれ以上に良好な印刷品質を予想する者がいるであろう。この予想は、インク組成物が界面活性剤を含まないという事実に基づいている。前記のように、一般的に、界面活性剤添加物含有インクの印刷品質は、界面活性剤添加物を含まない相当するインクの印刷品質よりも著しく悪い。一方、最初にプリントヘッドが装填される際の前記プリントヘッドへのインクの装填に関して、当業者の中には、前記実施例2に記載のインクには、必要な信頼性が欠落することを予想するだろう。この予想は、前記のように、必要な信頼度を達成するためには、泡を分解するか又は泡形成を阻害する非イオン界面活性剤添加物を組成物中に含ませなければならないという事実に基づいている。
【0014】
また、米国特許第5,156,675号明細書には、染料、水、界面活性剤(0.02〜0.06重量%)、及び特定の共溶媒(好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとグリセロールとの混合物)を含むインク組成物が記載されている。このインク組成物は、25℃で、1.6〜2.5センチポイズの範囲の粘度を有する。この特許明細書の実施例1に記載の界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムであり、0.02〜0.06重量%の濃度範囲で使用される。クメンスルフェートナトリウム塩、アルコールスルフェートナトリウム塩、アルコールエーテルスルフェートナトリウム塩、及びアルコールスルフェートアミン塩も、前記明細書に含まれている。実施例1のインク(ラウリル硫酸ナトリウムを含有する)は、最小のフェザリングで良好な印刷品質を産生するとものとして請求の範囲に記載されている。これらの界面活性剤は、非イオン界面活性剤でなくアニオン界面活性剤であるので、最初にプリントヘッドが装填される際の前記プリントヘッドへのインクの装填において、容易に泡が形成されることが予想される。結果的に、プリントヘッドの最初の装填に関して必要な信頼性が得られないことが予想される。
【0015】
また、米国特許第5,156,675号明細書には、染料、水、重合体界面活性剤(0.01〜5.0重量%)、及び特定の共溶媒(好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとグリセロールとの混合物)を含むインク組成物が記載されている。このインク組成物は、25℃で、1.6〜2.5センチポイズの範囲の粘度を有する。この特許明細書の実施例1で得られる「重合体界面活性剤」(4重量%の濃度で使用されている)は、一般式:(C2H4N)n−(PO)x−(EO)y−OH(式中、POは、プロピレンオキシドを意味し、そしてEOは、エチレンオキシドを意味する)で表される。前記明細書に記載の別の「重合体界面活性剤」としては、ポリオキシアルキレンアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレン化ノニルフェノール、ポリオキシエチレン化脂肪族アミン、1−ビニル−3−メチルイミダゾリウムクロライドとビニルピロリドンとの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル−メタクリレートとの四級化した共重合体、ポリオキシエチレン化エチレンジアミン、ポリエチレンオキシド、(C2H4N)n−C2H4N−{(AO)x(EO)y−OH}2(式中、AOはアルキレンオキシドを意味する)、ポリオキシエチレン化アルキルホスフェート、ポリオキシアルキレン化プロピレングリコール、及びポリオキシエチレン化脂肪族アルコールが例示されている。式:(C2H4N)n−(PO)x−(EO)y−OHで表される「重合体界面活性剤」を含む前記実施例1に記載のインクは、最小のフェザリングを有する良好な印刷品質を産生するものとして請求の範囲に記載されている。しかしながら、この「重合体界面活性剤」は最良でも表面活性が弱いので、プリントヘッドが最初に装填される際の前記プリントヘッドへのインクの信頼性のある装填を得ることが予測されない。その理由は、この「重合体界面活性剤」が、良好な界面活性剤が有する別個の疎水性成分及び親水性成分を欠いているからである。(C2H4N)n及び(EO)y−OHフラグメントは親水性であるが、(PO)xフラグメントは弱親水性であり、せいぜい弱疎水性でしかない。この特許明細書に列挙された「重合体界面活性剤」はこのタイプであり、プリントヘッドへの信頼性のある最初の装填に必要な湿潤性、並びに脱泡性及び消泡性を欠如している。この特許明細書中に列挙された「重合体界面活性剤」の大部分と比較すると、ポリオキシエチレン化ノニルフェノール、ポリオキシエチレン化脂肪族アミン、ポリオキシエチレン化アルキルホスフェート、及びポリオキシエチレン化脂肪族アルコールは、別個の疎水性及び親水性成分を有する。これら通常の非イオン界面活性剤は、プリントヘッドへの信頼性のある最初の装填を得るために必要な比較的高い濃度において、良くない印刷品質が得られる結果となるという相反する現象が有意に発生するタイプの界面活性剤である。
【0016】
米国特許第5,196,056号明細書には、水溶性染料、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(1.5〜10重量%)、及びアセチレン系ジオールのエチレンオキシドアダクト(1〜3重量%)の水溶液を含むインクジェット印刷用のインク組成物が記載されている。前記アセチレン系ジオールは、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールである。請求の範囲に記載されたこのインク組成物の利点は、印刷する際の紙上に液滴が衝突する際に、異なる色の隣接する液滴との間の色混合が減少することである。この特許明細書に記載の前記アセチレン系ジオールのエチレンオキシドアダクト界面活性剤は、前記濃度範囲で、プリントヘッドが最初に装填される際の市販プリンタのプリントヘッドへのインクの信頼性のある装填を得ることが予想される。しかしながら、前記濃度範囲では、相反する現象が目に見える程度に発生する。すなわち、1重量%より低い濃度で同じ界面活性剤を含む相当するインクの印刷品質よりも目に見えて低い印刷品質が予想される。界面活性剤濃度が1重量%より低い場合には、プリントヘッドへの最初の装填に関する信頼性が得られないことが予想される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
前記の例から明らかなように、インクジェットインク用の改良された界面活性剤添加物に対する要求が存在する。市販のインクジェットプリンタに要求されるニーズを満たすために、優れた湿潤性、並びに脱泡性及び消泡性を有し、従って、低い界面活性剤濃度においてもプリントヘッドへのインクの最初の装填に関する信頼性が得られる、改良された界面活性剤が望まれている。インクジェット技術を使用する高品質印刷画像に対して要求されるニーズを満たすために、低濃度で機能して優れた印刷品質を有する画像を産生する改良された界面活性剤が望まれている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、インクジェット印刷で使用する水性インク組成物であって、信頼性のある印刷性能を提供しそして優れた印刷品質を有する印刷画像を産生する前記組成物を提供することにある。
【0019】
本発明は、(a)主溶媒としての水;
(b)顔料分散物又は染料;及び
(c)一般式(I):
【化3】
〔式中、式:
【化4】
で表される部分は、スピロノナンジオールの2つの脂環式環部分によって共有されるスピロ炭素原子であり;
nは、2、3、又は4であり;
Xは、水素原子又はメチル基であり;
Yは、水素原子又はメチル基であり;そして
aとbとを足した和は、2〜50である〕で表されるスピロノナンジオールのアルキレンオキシド縮合化合物である界面活性剤;を含む、インクジェット印刷用の水性インク組成物を提供する。
【0020】
本発明のインクは、特にインクのプリントヘッドへの最初の装填に関して、良好な信頼性を有する。更に、本発明のインクは、優秀な印刷品質を有する印刷画像を産生する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物は、プリントヘッドに含まれる複数のノズルを通じてインクを吐出する技術において公知の任意の方法を用いるインクジェットプリンタでの使用に適している。本発明のインク組成物は、インクジェット印刷の使用条件よりは厳しさが求められない使用条件下で、筆記用具(例えば、ペン)にも用いることができる。
本発明の水性インク組成物としては、顔料系インク及び染料系インクの両方を挙げることができる。顔料系インクは、水性担体媒体、スピロノナンジオールのアルキレンオキシド縮合化合物(これは、界面活性剤として作用する)、及び顔料分散物(これは、顔料粒子の水性分散液である)を含有する。染料系インクは、水性担体媒体、スピロノナンジオールのアルキレンオキシド縮合化合物(これは、界面活性剤として作用する)、及び染料を含有する。染料系インクは、大部分の適用に関して充分であるが、一般的に耐光堅牢度及び耐水性が乏しい。顔料系インクは、優秀な耐光堅牢度及び耐水性を有するものを製造することができる。合理的耐久度を有する印刷書類を得る目的には、染料系インクよりも顔料系インクの方が好ましい。本発明のインクは、特定のインクジェットプリンタの要求(特に、粘度、表面張力、及びプリントヘッドを構成する材料との適合性に関する要件)に適応させることができる。
【0022】
《スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤》
本発明のスピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤は、以下の式(I):
【化5】
〔式中、式:
【化6】
で表される部分は、スピロノナンジオールの2つの脂環式環部分によって共有されるスピロ炭素原子であり;
nは、2、3、又は4であり;
Xは、水素原子又はメチル基であり;
Yは、水素原子又はメチル基であり;そして
aとbとを足した和は、2〜50である〕
で表される。これらの化合物は、2つのヒドロキシ官能基が別々の脂環式環部分にあるスピロノナンジオールと、アルキレンオキシドとの反応生成物である。
【0023】
前記構造式において、nが2の場合には、スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤のスピロノナン部分は、非対称的なスピロ[2.6]ノナンである。同様に、nが3の場合には、スピロノナン部分は、非対称的なスピロ[3.5]ノナンである。nが4の場合には、スピロノナン部分は、対称的なスピロ[4.4]ノナンである。本発明の好ましい態様は、nが4の場合であり、従ってアルキレンオキシド縮合化合物のスピロノナンジオール部分がスピロ[4.4]ノナンジオールである。
【0024】
スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤のスピロノナン成分がスピロ[2.6]ノナンの場合には、2つのヒドロキシル官能基が別々の脂環式環部分上に存在する、構造的に異なった3種のスピロ[2.6]ノナンジオール、すなわち、スピロ[2.6]ノナン−1,4−ジオール、スピロ[2.6]ノナン−1,5−ジオール、及びスピロ[2.6]ノナン−1,6−ジオールが存在し得る。スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤のスピロノナン成分がスピロ[3.5]ノナンの場合には、2つのヒドロキシル官能基が別々の脂環式環部分上に存在する、構造的に異なった6種のスピロ[3.5]ノナンジオール、すなわち、スピロ[3.5]ノナン−1,5−ジオール、スピロ[3.5]ノナン−1,6−ジオール、スピロ[3.5]ノナン−1,7−ジオール、スピロ[3.5]ノナン−2,5−ジオール、スピロ[3.5]ノナン−2,6−ジオール、及びスピロ[3.5]ノナン−2,7−ジオールが存在し得る。スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤のスピロノナン成分がスピロ[4.4]ノナンの場合には、2つのヒドロキシル官能基が別々の脂環式環部分上に存在する、構造的に異なった4種のスピロ[4.4]ノナンジオール、すなわち、スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール、スピロ[4.4]ノナン−1,7−ジオール、スピロ[4.4]ノナン−2,6−ジオール、及びスピロ[4.4]ノナン−2,7−ジオールが存在し得る。本発明の好ましい態様は、nが4の場合であり、アルキレンオキシド縮合化合物のスピロノナンジオール部分がスピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオールである。
【0025】
本発明のスピロノナンジオール化合物は、当業界で公知の任意の方法で調製することができる。一例としては、Brain A.Keay及び共同研究者が、1,6−ジケトスピロ[4.4]ノナン〔これは、続いて種々の還元剤を使用して、相当するジオール(すなわち、スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール)に還元することができる〕の効率的な合成方法を出版している(Nieman,J.A.;Parvez,M.;Keay,B.A.TetrahedronAsymmetry 1993,4,1973)。この方法に従って、テトラヒドロフラン中の水素化カリウム(1.1当量)で処理することによって、β−ケトエステル(エチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレート)のアニオンを形成する。次に、このカリウムカルバニオンを、エチル−4−ブロモブチレートでアルキル化して、所望のジエステル(収率=97%)を得る。次に、10%HCl中で12時間還流させることによって前記ジエステルを加水分解及び脱カルボキシル化して、収率86%で4−(2−オキソシクロペンチル)−酪酸を得る。これらの4工程、すなわち脱プロトン化、アルキル化、加水分解、及び脱カルボキシル化を、一つの瓶中で連続して実施して、4−(2−オキソシクロペンチル)−酪酸(収率=80%)を得ることができる。次に、水(1当量)を共沸除去しながら、還流トルエン中で、p−トルエンスルホン酸(0.5当量)で処理することによって、4−(2−オキソシクロペンチル)−酪酸の環化を実施する。環化生成物、すなわち1,6−ジケトスピロ[4.4]ノナンを収率72%で得る。触媒としてラネーニッケルを使用して水素化することによって、1,6−ジケトスピロ[4.4]ノナンを還元する。このジオンの水素化は、100℃、1650psi、16時間で実施する。生成物のスピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオールは、シス,シス−;シス,トランス−;及びトランス,トランス−の3種のジアステレオマーの混合物であり、蒸留によって95%の収率で無色油状体として単離することができる。ジアステレオマーの割合は、おおよそ1:2:1である。この水素化生成物は、「Cram,D.J;Steinberg,H.Journal of the American Chemical Society 1954,76,2753」に記載されている。出発材料のエチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレート及びエチル−4−ブロモブチレートから得られるスピロノナンジオール生成物の全収率は、約55%である。
【0026】
本発明のスピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤は、スピロノナンジオールとアルキレンオキシドとの反応によって調製する。前記の反応で使用するアルキレンオキシドは、(1)エチレンオキシドだけであるか、又は(2)プロピレンオキシド2当量以下と、その反応の完了後に使用するエチレンオキシドである。アルキレンオキシドがエチレンオキシドだけである場合には、オキシアルキレン化度の最小値は4であり、これは、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、そしてaとbとを足した和が2である前記式(I)で表される。同様に、同じエチレンオキシドだけである場合には、オキシアルキレン化度の最大値は52であり、これは、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、そしてaとbとを足した和が50である前記式(I)で表される。本発明の好ましい態様では、nは4であり、アルキレンオキシド縮合化合物のスピロノナンジオール部分が、スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオールであり、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、そしてaとbとを足した和が2〜20である。単一のアルキレンオキシドとの反応でも、典型的に、種々のオキシアルキレン化度を有する化合物の混合物が生成される。従って、前記のスピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤の構造式は、或る範囲のアルキレンオキシド単位を含む平均的組成を意味する。
【0027】
アルキレンオキシドが、プロピレンオキシド2当量と、その反応完了後に使用するエチレンオキシドである場合には、オキシアルキル化度の最小値は4であり、これは、Xがメチル基であり、Yがメチル基であり、そしてaとbとを足した和が2である前記式(I)で表される。同様に、オキシアルキル化度の最大値は52であり、これは、Xがメチル基であり、Yがメチル基であり、そしてaとbとを足した和が50である前記式(I)で表される。プロピレンオキシド2当量の反応完了(Xがメチル基、及びYがメチル基)は、最初に出発材料のスピロノナンジオールとアルカリ金属水素化物2当量とを反応させ、次にプロピレンオキシド2当量を加える。ジ−オキシプロピレン化スピロノナンジオールとエチレンオキシドとの次の反応は、典型的に、種々のオキシアルキレン化度の化合物の混合物を生成する。
【0028】
前記のアルキレンオキシド縮合反応は、塩基性条件下で実施する。これらの反応は、典型的に、80℃〜150℃の範囲の温度で、若干高めた圧力下で実施する。実験室規模では、前記のアルキレンオキシド縮合反応を、ステンレス鋼オートクレーブ中で、自己発生圧力下で実施することができる。前記反応用の典型的塩基触媒としては、第3アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属水素化物、及びアルカリ金属アルコキシドを挙げることができる。真空蒸発によって、最終生成物を単離及び精製することができる。
以下の理論によって限定されるものではないが、本発明の界面活性剤は、他の通常の非イオン界面活性剤と比較して特に独特な構造を有するので、優秀な印刷信頼性(特に、プリントヘッド内へのインクの装填、すなわち、プリントヘッドの最初の装填に関する)の達成に貢献するものと考えられる。
【0029】
典型的な非イオン界面活性剤は、1つの親水性成分及び1個以上の別個の疎水性成分から構成される。エチレンオキシド縮合物タイプの非イオン界面活性剤では、ポリエチレンオキシド鎖1個以上が親水性成分として作用する。このタイプの界面活性剤で最も単純な形態は、高級アルコールのエチレンオキシド縮合生成物である。前記高級アルコールの脂肪属炭化水素部分は、疎水性成分として作用する。このタイプの界面活性剤では、疎水性部分と親水性部分とが相互に関して採用可能な配座への制約が、最小限のものだけである。構造への制約が欠如しているので、これらの界面活性剤は、湿潤能力、並びに脱泡能力及び消泡能力が比較的乏しい。従って、このタイプの界面活性剤を含み、濃度が約1重量%のインク配合物は、泡が立ち、そしてそれらが充分に早い時間に消えないので、プリントヘッドが最初に装填される際の、プリントヘッドへのインクの信頼できる装填を与えることができない。
【0030】
エチレンオキシド縮合物タイプの非イオン界面活性剤の別の単純な形態は、アルキルフェノールのエチレンオキシド縮合生成物である。前記アルキルフェノールのアルキル置換アリール部分は、疎水性成分として作用する。高級アルコールのエチレンオキシド縮合物タイプの界面活性剤に比較して、疎水性部分と親水性部分とが相互に採用可能な配座は、剛性アリール基を含有することにより、僅かにより制約される。しかしながら、構造的制約の程度は最小である。このように、大きい構造的制約が欠如しているので、これらの界面活性剤は、高級アルコールのエチレンオキシド縮合生成物よりも僅かに良好な湿潤能力並びに僅かに良好な脱泡及び消泡能力しか持たない。従って、このタイプの界面活性剤を含み、濃度が約1重量%のインク配合物は、泡が立ち、そしてそれらが充分に早い時間に消えないので、プリントヘッドが最初に装填される際の、プリントヘッドへのインクの信頼できる装填を与えることができない。
【0031】
エチレンオキシド縮合物タイプの非イオン界面活性剤の別の単純な形態は、アセチレン系ジオールのエチレンオキシド縮合生成物である。一般的に使用されるアセチレン系ジオールは、アルキル置換の2−ブチン−1,4−ジオールである。前記アセチレン系ジオールのアルキル置換アセチレン部分は、疎水性成分として作用する。高級アルコール及びアルキルフェノールのエチレンオキシド縮合物タイプの界面活性剤に比較して、アルキル置換の2−ブチン−1,4−ジオールのエチレンオキシド縮合生成物では、疎水性部分と親水性部分とが相互に採用可能な配座が有意に制約される。この構造的制約は、アセチレン系ジオール中の直線三重結合、及びその三重結合に隣接する炭素原子上のヒドロキシル官能基の位置の結果として発生する。これらの界面活性剤中におけるこの重大な構造的制約のために、それらは、優れた湿潤能力及び優れた脱泡及び消泡能力を有する。従って、このタイプの界面活性剤を濃度約1重量%で含むインク配合物は、泡が簡単に形成されず、そして形成されたとしても充分に速い速度で消えるので、プリントヘッドが最初に装填される際の、プリントヘッドへのインクの信頼性のある装填を与える。しかしながら、インク中のアセチレン系ジオール/エチレンオキシド縮合物界面活性剤の濃度が1重量%より低い場合には、それにつれて湿潤能力及び脱泡及び消泡能力も減少する。多くのインク配合物に対する結果として、アセチレン系ジオール/エチレンオキシド縮合物界面活性剤の濃度が1重量%よりも低い場合には、プリントヘッドが最初に装填される際の、プリントヘッドへのインクの信頼できる装填は達成されない。
【0032】
本発明のスピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤において、前記スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤のスピロノナン成分は、疎水性成分として作用する。前記のアセチレン系ジオールのエチレンオキシド縮合生成物のように、疎水性部分と親水性部分とが相互に採用可能な配座は、有意に制約されている。しかしながら、アセチレン系ジオール/エチレンオキシド縮合物界面活性剤と比較すると、スピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤では、疎水性部分と親水性部分とが相互に採用可能な配座が、更により制約されている。こうした一層大きな構造的制約は、スピロ炭素原子が、相互に関して剛性的に直交している脂環式環部分2個を制約する結果として発生する。更に、前記脂環式環部分は構造的自由度が制限されている。これらの界面活性剤における顕著な構造的制約のために、それらは優秀な湿潤能力並びに優秀な脱泡及び消泡能力を有する。従って、このタイプの界面活性剤を1重量%よりも低い濃度で含むインク配合物は、泡が簡単に形成されず、そして形成されたとしても充分に速い速度で消えるので、プリントヘッドが最初に装填される際の、インクのプリントヘッドへの信頼性のある装填を与える。
【0033】
以下の理論に限定されるものではないが、本発明の界面活性剤は、別の通常の非イオン界面活性剤よりも低い濃度で使用することができるので、優れた印刷品質の達成に貢献し、更にプリントヘッドが最初に装填される際のプリントヘッドへのインクの装填に関する信頼性を達成するものと考えられる。一般的に、インク中の界面活性剤添加物の濃度が増加するにつれて、印刷品質は悪化する。特に、印刷画像の鮮鋭度が悪化し、そしてフェザリングを示す特徴が見られるようになる。本発明の界面活性剤は、別の通常の非イオン界面活性剤よりも低い濃度で使用することができるので、界面活性剤添加物を僅かしか含まないか又は全く含まない相当するインクの印刷品質と顕著な差異がない印刷品質を得ることができる。
本発明のインク組成物中のスピロノナンジオール/アルキレンオキシド縮合物界面活性剤の量は、約0.01重量%〜4重量%、より好ましくは0.01重量%〜2重量%である。
【0034】
《顔料分散剤》
顔料分散物は、典型的に、顔料及び顔料分散剤を含む。顔料分散剤を含まず、その代わりに表面官能化顔料を含む顔料分散物も、本発明の範囲内に含まれる。このタイプの例を、「顔料」の欄でいくつか列挙する。典型的な顔料分散物中に含まれる顔料分散剤は、重合体分散剤又は界面活性剤化合物であることができる。前記界面活性剤化合物は、アニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性であることができる。本発明のインク組成物中の顔料分散剤の量は、約0.1重量%〜30重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。
【0035】
《重合体分散剤》
本発明を実施するのに適した重合体分散剤としては、疎水性ポリマーがポリウロン酸の還元性末端に共有結合しているポリウロン酸誘導体を挙げることができる。前記ポリウロン酸誘導体は、疎水性セグメント及び親水性セグメントを含む2部分タイプ分散剤である。ポリウロン酸が、前記親水性セグメントであり、そしてポリウロン酸の還元性末端に共有結合した疎水性ポリマーが、前記疎水性セグメントである。前記誘導体の疎水性セグメントは、顔料表面に接着して、分散剤を顔料に結合させる。前記親水性ポリウロン酸セグメントは、水性媒体中に展開して、顔料を前記媒体中に分散させる作用を有する。この分散機能に加えて、前記親水性ポリウロン酸セグメントは、多価カチオンへの結合に最適化した構造を有する。具体的には、前記ポリウロン酸は、カルボキシル基及びヒドロキシ基が一列に並べた凹凸交互ポケットからなるねじれた鎖構造を有する。ポリウロン酸の構造研究によって、前記ポケットのサイズが、2価カチオンのカルシウムイオンとの結合に丁度適切なサイズであることが示されている。本明細書に記載のタイプのポリウロン酸誘導体を分散剤として含む顔料分散物を、普通紙の表面に接触させると、前記ポリウロン酸セグメントは、普通紙表面上に存在する多価カチオンに結合する。この結合の結果、顔料分散物が脱安定化し、顔料着色剤が普通紙表面上に広がるのを防止する。これらの全ての結果として、優れた印刷品質を有する印刷画像となる。
【0036】
顔料分散物を安定化させる点では前記ポリウロン酸誘導体程度に有効ではないが、ランダム共重合体を、重合体分散剤として使用することができる。ランダム共重合体の例としては、マレイン酸半エステル/スチレン共重合体、リグニンスルホネート誘導体、アクリル酸/スチレン共重合体、及びメタクリル酸/スチレン共重合体を挙げることができる。米国特許第5,085,698号明細書に記載のタイプのブロック共重合体も、重合体分散剤として使用することができる。
【0037】
《ポリウロン酸セグメント》
前記ポリウロン酸は、主に1,4−結合のポリガラクトロン酸、ポリグルロン酸、ポリイズロン酸、又はそれらの混合重合体からなる。前記ポリウロン酸は、天然材料から入手することができ、非ウロン酸サッカライドも含むことがある。本発明で用いるポリウロン酸のウロン酸含有量は80重量%より大である。より好ましいウロン酸含有量は85重量%より大である。更に好ましいウロン酸含有量は90重量%より大である。
【0038】
ポリガラクトロン酸は、ペクチン(天然のヒドロコロイドであり、果実、例えばレモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジ、マンゴー、リンゴ、ヒマワリ、及びテンサイから得ることができる)の加水分解及び脱エステル化によって得ることができる。ポリグルロン酸は、アルギン酸〔天然の多糖類であって、海藻、例えばジャイアントケルプ(Macrocystis pyrifera)、ホーステイルケルプ(Laminaria digitata)、及びシュガーケルプ(Laminaria saccharina)から得る〕を酸部分加水分解し、続いて選択的に沈殿することによって得ることができる。ポリイズロン酸は、種々の動物性多糖類の加水分解によって調製する。
本発明で使用するポリウロン酸の数平均分子量は、約700以上で、10000以下である。前記ポリウロン酸のより好ましい数平均分子量は、約700以上で、約7000以下である。
【0039】
《疎水性ポリマーセグメント》
或る実施態様において、疎水性ポリマーセグメントは、スチレン又は置換スチレン、ビニルピリジン又は置換ビニルピリジン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、及びイソプレンからなる群から選択したモノマー少なくとも一つから製造した単独重合体又は共重合体である。選択可能な代表的モノマーとしては、以下に限定せずに、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、3−ニトロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−トリメチルシロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、p−トリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェニルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−トリメチルシロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、p−トリルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、及びイソプレンを挙げることができる。
【0040】
前記で列挙したモノマー少なくとも1種類を含む疎水性ポリマーは、従来のアニオン重合技術を用いて調製することができる。アニオン重合は、「活性状態の(リビング)」ポリマーカルボアニオンを使用するので、重合反応の間、酸素、湿気、及び他の不純物の除外に関して厳密な条件を維持しなければならない。従って、溶媒及びモノマーは、重合の前に、厳密に精製されていなければならない。
従来のアニオン重合技術を用いて調製した疎水性ポリマーは、分子量の分布が非常に狭い。典型的なポリマーは、分散度(dispersity)が1.5よりも低く、一般的に1.0〜1.3の範囲内である。分散度は、ポリマー重量平均分子量を、数平均分子量で割ったものである。前記のポリマー重量平均分子量及び数平均分子量は、両方とも、分子量の分かっているポリマー標準で目盛りを定めたカラムを使用するサイズ除外クロマトグラフィーによって得ることができる。
【0041】
アニオン重合に関する業界で周知のように、多くの求電子剤が「リビング」ポリマーカルボアニオンと反応して、官能基末端ポリマーをもたらすことになる。前記ポリウロン酸の還元性末端に共有結合した疎水性ポリマーセグメントの目的には、前記官能基末端ポリマーが望ましい。カルボキシル末端ポリマー、ヒドロキシル末端ポリマー、及びアミノ末端ポリマーは、従来技術によって容易に調製することができる。
【0042】
第2の実施態様では、疎水性ポリマーセグメントは、主に、ポリ(ビス−アルキル−シロキサン)、好ましくはポリ(ジメチルシロキサン)からなる疎水性ポリマーである。
第3の実施態様では、疎水性ポリマーセグメントは、ポリアミドである。具体的に、前記ポリアミド疎水性ポリマーセグメントは、ポリアミン(前記ポリアミン中の50%を超えるアミン官能基が、第1又は第2アミンである)のN−アシル化誘導体である。
【0043】
前記ポリアミン(これから前記ポリアミドを誘導する)は、直鎖状ポリエチレンイミン、分枝鎖状ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリ−N−アルキルアリルアミン、及びポリビニルアミンからなる群から選択したポリアミンである。前記ポリアミドにおいて、式:R−(CO)−で表されるアシル基は、CnH(2n+1)−(CO)−基〔nは、3以上である〕;フェニル−(CO)−基;置換フェニル−(CO)−基;フェニル−CH2−(CO)−基;置換フェニル−CH2−(CO)−基;フェニル−C2H4−(CO)−基;及び置換フェニル−C2H4−(CO)−基から選択したアシル基少なくとも一つを含む。
【0044】
前記ポリアミド疎水性ポリマーセグメントは、第1に、前記ポリアミンを、そのアミン官能基1つを介して、ポリウロン酸の還元性末端に共有結合させることによって調製することができる。この共有結合は、以下の欄(《ポリウロン酸の還元性末端への共有結合》)において詳細に記載する還元的アミノ化によって容易に実施することができる。第2工程では、共有結合したポリアミンセグメントのアミン官能基を、アシル化剤(例えば、有機酸ハライド又は有機酸無水物)を用いて選択的にN−アシル化する。この方法で第1アミンをN−アシル化して、第1アミドを得る。同様に、この方法で第2アミンをN−アシル化して、第2アミドを得る。第3アミンはアシル化されない。ヒドロキシル基存在下におけるアミン官能基の選択的N−アシル化に有用な方法が、Katsutoshi Inoueらによって出版された著作物(Adv.Chitin Science,Vol.:1,271頁,1996年)、及びGunda I.Georgらによって出版された著作物(Bioorganic and MedicinalChemistry Letters,Vol.:4,No.2;335頁,1994年)中に記載されている。
【0045】
第4の実施態様では、疎水性ポリマーセグメントは、疎水性ポリアミンである。具体的に、前記ポリアミド疎水性ポリマーセグメントは、水溶性ポリアミンのポリ−N−アルキル化誘導体である。
疎水性ポリ−N−アルキル化ポリアミンが誘導される水溶性ポリアミンは、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリ(プロピレンイミン)デンドリマー、及びポリ(アミドアミン)デンドリマーからなる群から選択される。分子量が最小の2種のポリエチレンイミンは、トリエチレンテトラミン(H2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2NH2)及びトリス(2−アミノエチル)アミン〔N(CH2CH2NH2)3〕であり、これらは、Sigma−Aldrich社から、高純度(95%を越える)で市販されている。前者の化合物は、エチレンイミン(アジリジン)(3モル)と、塩基性開始剤(アンモニア)との直鎖状ポリエチレンイミン反応生成物である。後者の化合物は、エチレンイミン(3モル)と、前記と同じ塩基性開始剤(アンモニア)との分枝鎖状ポリエチレンイミン反応生成物である。典型的に、ポリアリルアミン及びポリビニルアミンが、ラジカル重合によって調製される。従って、低分子量ポリエチレンイミンと違って、充分に限定された低分子量ポリアリルアミン及びポリビニルアミン化合物は、調製及び単離することが困難である。ポリアリルアミンは、平均分子量が約700より大きいものが日東紡績株式会社から市販されている。ポリビニルアミンは、平均分子量が約5000より大きいものが三菱化成株式会社から市販されている。最も分子量の低いポリ(プロピレンイミン)デンドリマーは、ジェネレーション(Generation)1.0デンドリマー:N,N,N’,N’−テトラキス(3−アミノプロピル)−1,4−ブタンジアミン(DAB Am−4)である。最も分子量の低いポリ(アミドアミン)デンドリマーは、ジェネレーション0デンドリマー:エチレンジアミンテトラ(N−2−アミノエチル−プロピオンアミド)である。前記ポリ(プロピレンイミン)デンドリマー及び前記ポリ(アミドアミン)デンドリマーは、両方ともSigma−Aldrich社から市販されている。
【0046】
前記水溶性ポリアミンのポリ−N−アルキル化誘導体のアルキル基は、一般形態が式:−CHX1X2で表される。前記X1基は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基であることができる。前記X2基も、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基であることができる。共有結合した水溶性ポリアミンのN−アルキル化率は、水溶性ポリアミンの全アミン官能基の10%より大である。より好ましいN−アルキル化率は、20%より大である。更に好ましいN−アルキル化率は、30%より大である。
【0047】
疎水性ポリアミンポリマーセグメントは、第1に、前記水溶性ポリアミンを、そのアミン官能基の1つを介して、ポリウロン酸の還元性末端に共有結合させることによって調製することができる。この共有結合は、以下の欄(《ポリウロン酸の還元性末端への共有結合》)において詳細に記載する還元的アミノ化によって容易に実施することができる。第2工程では、共有結合したポリアミンセグメントの多価のアミン官能基を、アルデヒド及び/又はケトンをアルキル基の供給源として用いる還元的アミノ化によって選択的にN−アルキル化する。水素化ホウ素塩又はシアノ水素化ホウ素塩を用いるか、あるいは触媒水素化を用いて、還元的アミノ化を選択的に実施する。
【0048】
本発明の疎水性ポリマーは、数平均分子量が、15,000以下、より好ましくは10,000以下である。本発明の疎水性ポリマーは、数平均分子量が300以上である。好ましい前記数平均分子量の範囲は、500〜5000である。
【0049】
《ポリウロン酸の還元性末端への共有結合》
ポリウロン酸1分子当たりには独特の官能基(末端アルデヒド基)が1個しかないので、前記末端アルデヒドへの疎水性ポリマーの共有結合が、本明細書に記載のポリウロン酸から顔料分散剤の調製に対して選択される方法である。合成に対する多くのアプローチが可能であるが、好ましい方法は、アミン出発材料として(1)アミノ末端疎水性ポリマー、又は(2)ポリアミンを使用する還元的アミノ化である。前者の場合には、所望のポリウロン酸誘導体が直接得られる。後者の場合には、アミン官能基1つを介して共有結合するポリアミンを、選択的方法を用いて更に機能化して、前記の共有結合したポリアミンを適当に疎水性にしなければならない。多糖類(例えば、ポリウロン酸)に関して周知のことであるが、還元性末端上の前記アルデヒド基は、溶液中で、主に環状ヘミアセタールとして存在する。第1アミン又は第2アミンを用いる還元的アミノ化は、前記環状ヘミアセタールを開環させる。
【0050】
還元的アミノ化は、水性又はアルコール性水性溶液中の水素化ホウ素塩又はシアノ水素化ホウ素塩を使用して、便利に、そして選択的に実施される。典型的に使用される水素化ホウ素塩としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、及び水素化ホウ素テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。典型的に使用されるシアノ水素化ホウ素塩としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、及びシアノ水素化ホウ素テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。水素化ホウ素塩は、約7を超えるpH値で使用しなければならない。シアノ水素化ホウ素塩は、pH値が約3くらいまで低くても使用することができる。便利で選択的な別の方法は、金属触媒を使用する触媒水素化である。典型的な金属触媒としては、任意のVIII族の金属、好ましくはニッケル、パラジウム、白金、及びルテニウムを挙げることができる。前記金属触媒は、支持された形態又は非支持形態で使用することができる。水素圧力は、100psiより大、より好ましくは700psiより大である。反応温度は、10℃〜100℃、より好ましくは30℃〜70℃の範囲内である。還元的アミノ化に対して選択性の低い試薬も使用することができ、例えば(1)亜鉛及び塩酸、(2)五カルボニル鉄及びアルコール性水酸化カリウム、並びに(3)ギ酸を挙げることができる。
前記ポリウロン酸の還元性末端に疎水性ポリマーを共有結合させる結果をもたらす還元的アミノ化以外の合成アプローチも、使用することができる。
【0051】
《着色剤》
本発明を実施するのに有用な着色剤は、顔料及び染料である。
【0052】
《顔料》
本発明の顔料は、有機顔料又は無機顔料からなる群から選択した顔料少なくとも1つを含む。本明細書において「顔料」とは、不溶性の着色剤を意味する。
顔料粒子は、その顔料を分散したインクが、インクジェット印刷装置、特に噴射ノズル(これは、典型的に、10〜50μmの直径を有する)内を自由に流れることができる程度に充分に小さい。前記顔料の粒子直径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは1.0μm以下、最も好ましくは0.3μm以下である。前記顔料の粒子直径は、好ましくは、0.005μm以上である。
選択した顔料を、乾燥又は湿潤形態で使用することができる。顔料は、通常、水性媒体中で製造し、そして水湿潤プレスケーキとして顔料を得る。このプレスケーキ形態では、顔料が固まって乾燥形態となる程度までは凝集しない。湿潤プレスケーキ形態中の顔料は、乾燥顔料において要求される程度よりは、インク製造工程における解膠が要求されない。
【0053】
本発明の顔料としては、以下の顔料を挙げることができる:シミュラー・ファスト・イエローGF(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー12),シミュラー・ファスト・イエローGRF(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー13),シミュラー・ファスト・イエロー5GF(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー14),イルガライト・イエローCG(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントイエロー16),シミュラー・ファスト・イエローHGF(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー17),シミュラー・ファスト・イエロー4117(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー73),シミュラー・ファスト・イエロー4191N(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー74),シミュラー・ファスト・イエロー4181(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー83),クロモフタル・イエロー3G(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントイエロー93),クロモフタル・イエローGR(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントイエロー95),シミュラー・ファスト・イエロー4186(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー97),ハンサ・ブリリアント・イエロー10GX(Hoechst Celanese;C.I.ピグメントイエロー98),パーマネント・イエローG3R−01(Hoechst Celanese;C.I.ピグメントイエロー114),クロモフタル・イエロー8G(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントイエロー128),イルガジン・イエロー5GT(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントイエロー129),ホスタペルム・イエローH4G(Hoechst Celanese;C.I.ピグメントイエロー151),シミュラー・ファスト・イエロー4192(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントイエロー154),ホスタペルム・オレンジGR(Hoechst Celanese;C.I.ピグメントオレンジ43),パリオゲン・オレンジ(BASF;C.I.ピグメントオレンジ51),シミュラー・ブリリアント・カーミン(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントレッド57:1),ファストゲン・スーパー・マゼンタ(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントレッド122),パリオゲン・レッドL3870(BASF;C.I.ピグメントレッド123),ホスタペルム・スカーレットGO(Hoechst Celanese;C.I.ピグメントレッド168),パーマネント・ルビネF6B(Hoechst Celanese;C.I.ピグメントレッド184),モナストラル・マゼンタ(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントレッド202),モナストラル・スカーレット(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントレッド207),ファストゲン・ブルーGP−100(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントブルー15:2),ファストゲン・ブルーGNPR(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントブルー15:3),ファストゲン・ブルーGNPS(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントブルー15:4),マイクラセト・ブルーR(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントブルー60),ファストゲン・グリーンS(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントグリーン7),ファストゲン・グリーン2YK(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントグリーン36),ファストゲン・スーパー・レッド(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントバイオレット19),ファストゲン・スーパー・バイオレット(大日本インキ化学工業株式会社;C.I.ピグメントバイオレット23),モナストラル・マルーンRT−229−D(Ciba−Geigy;C.I.ピグメントバイオレット42),レイバン1170(Columbian Chemicals;C.I.ピグメントブラック7),スペシャル・ブラック4A(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),カラー・ブラックFW 200(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),カラー・ブラックFW2(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),カラー・ブラックFW1(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),カラー・ブラックFW18(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),カラー・ブラックS160(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),カラー・ブラックS170(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),スペシャル・ブラック6(Degussa;C.I.ピグメントブラック7),及びスペシャル・ブラック4(Degussa;C.I.ピグメントブラック7)。表面が機能化されていて顔料分散剤が不要な本発明の顔料としては、以下の顔料を挙げることができる:マイクロジェットC−タイプCW−1(オリエント化学工業株式会社),マイクロジェットC−タイプCW−2(オリエント化学工業株式会社),カボジェット200(Cabot Corporation),及びカボジェット300(Cabot Corporation)。これらの4例は、全てカーボン−ブラック系の顔料分散物である。
本発明のインク組成物中における顔料の量は、約0.1重量%〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0054】
《染料》
本発明の染料は、水溶性染料〔例えば、酸性(アシッド)染料、直接染料、食品染料、及び反応性染料〕からなる群から選択した染料少なくとも1つを含む。
本発明の染料としては、カラーインデックス(Color Index)から、以下のものを挙げることができる:C.I.アシッドブラック7,C.I.アシッドブラック24,C.I.アシッドブラック26,C.I.アシッドブラック48,C.I.アシッドブラック52,C.I.アシッドブラック58,C.I.アシッドブラック60,C.I.アシッドブラック107,C.I.アシッドブラック109,C.I.アシッドブラック118,C.I.アシッドブラック119,C.I.アシッドブラック131,C.I.アシッドブラック140,C.I.アシッドブラック155,C.I.アシッドブラック156,C.I.アシッドブラック187,C.I.ダイレクトブラック17,C.I.ダイレクトブラック19,C.I.ダイレクトブラック32,C.I.ダイレクトブラック38,C.I.ダイレクトブラック51,C.I.ダイレクトブラック71,C.I.ダイレクトブラック74,C.I.ダイレクトブラック75,C.I.ダイレクトブラック112,C.I.ダイレクトブラック117,C.I.ダイレクトブラック154,C.I.ダイレクトブラック163,C.I.ダイレクトブラック168,C.I.フードブラック1,C.I.フードブラック2,C.I.アシッドレッド8,C.I.アシッドレッド17,C.I.アシッドレッド32,C.I.アシッドレッド35,C.I.アシッドレッド37,C.I.アシッドレッド42,C.I.アシッドレッド57,C.I.アシッドレッド92,C.I.アシッドレッド115,C.I.アシッドレッド119,C.I.アシッドレッド131,C.I.アシッドレッド133,C.I.アシッドレッド134,C.I.アシッドレッド154,C.I.アシッドレッド186,C.I.アシッドレッド249,C.I.アシッドレッド254,C.I.アシッドレッド256,C.I.ダイレクトレッド37,C.I.ダイレクトレッド63,C.I.ダイレクトレッド75,C.I.ダイレクトレッド79,C.I.ダイレクトレッド80,C.I.ダイレクトレッド83,C.I.ダイレクトレッド99,C.I.ダイレクトレッド220,C.I.ダイレクトレッド224,C.I.ダイレクトレッド227,C.I.リアクティブレッド4,C.I.リアクティブレッド23,C.I.リアクティブレッド24,C.I.リアクティブレッド31,C.I.リアクティブレッド56,C.I.アシッドバイオレット11,C.I.アシッドバイオレット34,C.I.アシッドバイオレット75,C.I.ダイレクトバイオレット47,C.I.ダイレクトバイオレット48,C.I.ダイレクトバイオレット51,C.I.ダイレクトバイオレット90,C.I.ダイレクトバイオレット94,C.I.アシッドブルー9,C.I.アシッドブルー29,C.I.アシッドブルー62,C.I.アシッドブルー102,C.I.アシッドブルー104,C.I.アシッドブルー113,C.I.アシッドブルー117,C.I.アシッドブルー120,C.I.アシッドブルー175,C.I.アシッドブルー183,C.I.ダイレクトブルー1,C.I.ダイレクトブルー6,C.I.ダイレクトブルー8,C.I.ダイレクトブルー15,C.I.ダイレクトブルー25,C.I.ダイレクトブルー71,C.I.ダイレクトブルー76,C.I.ダイレクトブルー80,C.I.ダイレクトブルー86,C.I.ダイレクトブルー90,C.I.ダイレクトブルー106,C.I.ダイレクトブルー108,C.I.ダイレクトブルー123,C.I.ダイレクトブルー163,C.I.ダイレクトブルー165,C.I.ダイレクトブルー199,C.I.ダイレクトブルー226,C.I.リアクティブブルー7,C.I.リアクティブブルー13,C.I.アシッドイエロー3,C.I.アシッドイエロー17,C.I.アシッドイエロー19,C.I.アシッドイエロー23,C.I.アシッドイエロー25,C.I.アシッドイエロー29,C.I.アシッドイエロー38,C.I.アシッドイエロー49,C.I.アシッドイエロー59,C.I.アシッドイエロー61,C.I.アシッドイエロー72,C.I.ダイレクトイエロー27,C.I.ダイレクトイエロー28,C.I.ダイレクトイエロー33,C.I.ダイレクトイエロー39,C.I.ダイレクトイエロー58,C.I.ダイレクトイエロー86,C.I.ダイレクトイエロー100,C.I.ダイレクトイエロー142,及びC.I.リアクティブイエロー2。
本発明のインク組成物中における染料の量は、約0.1重量%〜25重量%、より好ましくは0.1〜15重量%である。
【0055】
《水》
水は、本発明のインク組成物の主溶媒である。前記インク組成物中に含ませることのできる追加成分について以下に記載する。水と水溶性有機溶媒との適当な混合物の選択は、具体的な適用の要求(特に、粘度、表面張力、及びプリントヘッドを構成する材料との適合性に関する要件)に従う。本発明のインク組成物中における水性担体媒体の量は、70〜99.8重量%である。
【0056】
《塩基》
水性媒体中の前記顔料分散剤のポリウロン酸セグメントを可溶化するために、ポリウロン酸のカルボン酸官能基の一部又は全部を、中和しなければならないことがある。この目的に適した塩基としては、有機塩基、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物、及びそれらの混合物を挙げることができる。適当な塩基としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−モノエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、及び水酸化セシウムを挙げることができる。
【0057】
《水溶性共溶媒》
前記成分に加えて、前記インクは、場合により水溶性有機溶媒1種以上を含むことができる。水溶性有機溶媒は、周知であり、(1)アルコール、例えばイソプロピルアルコール、及びブチルアルコールなど、(2)ケトン、例えばアセトン、及びメチルエチルケトンなど、(3)エーテル、例えばテトラヒドロフラン、及びジオキサンなど、(4)エステル、例えば酢酸エチル、及びプロピレンカルボネートなど、(5)多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、及びグリセロールなど、(6)多価アルコールの低級アルキルエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−アミルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−アミルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなど、(7)窒素含有化合物、例えば尿素、ピロリドン、及びN−メチル−2−ピロリドンなど、並びに(8)イオウ含有化合物、例えばジメチルスルホキシド、及びテトラメチレンスルホキシドなどを挙げることができる。インク中で使用される共溶媒の合計量は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜40重量%の範囲内で存在させる。
【0058】
《その他の成分》
前記成分の他に、前記インクは、場合により、アニオン又は非イオン界面活性剤からなる群から選択した浸透性付与界面活性剤1種以上を含むことができる。また、前記インクは、添加物、例えばpH緩衝剤、殺生物剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤を含むことができる。インクの全成分の量は、インクの粘度が、20℃で10cpsを下回るように選択する。
【0059】
《インクの調製》
本発明の顔料系インク組成物は、前記の各成分を、許容することのできる方法を用いて、分散及び混合することによって、1工程で調製することができる。あるいは、(1)前記各成分のいくつかを分散及び混合し、次に(2)残りの成分を加えて分散及び混合する2工程で調製することもできる。前記の分散工程は、ボールミル、サンドミル、アトリッター、ロールミル、攪拌機ミル、水平ミニ−ミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、又はアングミル(angmill)を用いて実施して、均質の分散物を得ることができる。染料系インク組成物の場合には、分散剤が存在せず、そして顔料脱凝集が不必要なので、前記組成物の混合は、特別な分散装置中でなく、良好に攪拌された容器中で行えば充分である。
【0060】
最初に、濃縮した形態で着色インクを調製し、続いてその濃縮分散物を、インクジェットプリンタでの使用に適した濃度に希釈することが望ましいであろう。また、一般的に、好ましくは金属メッシュフィルター又はメンブランフィルターを使用して、前記顔料分散水性インク組成物をろ過することが望ましい。ろ過は、インク組成物に加圧するか、又は濾過装置の受容側を減圧することによって実施することができる。また、遠心分離を用いて、インクジェットプリンタのプリントヘッド上のノズルにおいて閉塞を起こすことがある大型粒子を除去することもできる。
【0061】
【実施例】
本発明を、更に、以下の実施例で説明する。
《スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオールの調製》
「Nieman,J.A.;Parvez,M.;Keay,B.A.Tetrahedron Asymmetry 1993,4,1973」の方法に従って、エチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレート及びエチル−4−ブロモブチレートから、1,6−ジケトスピロ[4.4]ノナンを調製した。次に、撹拌器を装備した2リットルオートクレーブに、1,6−ジケトスピロ[4.4]ノナン(40.0g)、95%エタノール(800ml)、及び活性ラネーニッケル触媒の水中50%スラリー(10g)を装入した。アルゴンガスを用いて、前記オートクレーブから酸素を除去し、そして圧力調整装置を使用しながら水素を装入して、圧力を1650psiとした。その混合物を撹拌している間に、前記オートクレーブの温度を100℃に上昇させ、その温度を16時間維持した。その混合物を室温まで冷却した後に、前記オートクレーブを開けて、そして混合物をろ過して触媒を除去した。次に、回転蒸発器を用いて水性エタノールを留去した。オレンジ色油状体残さを、160℃、22mmHgで真空蒸留して、無色油状体として前記生成物37.8gを得た。この生成物の収率は、理論値の92%であった。
【0062】
《スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/6モル−エチレンオキシド縮合物の調製》
攪拌器を装備した500mlオートクレーブに、スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール(12.5g;0.08モル)及び水酸化カリウム(0.2g)を装入した。エチレンオキシド(21.2g;0.48モル)を、攪拌しながら前記ジオール及び前記塩基触媒の混合物中に入れ、0℃で縮合した。一緒にした混合物を冷却している間に、アルゴンガスを用いて前記オートクレーブから酸素を抜き、そして密封した。混合物を撹拌している間に、前記オートクレーブの温度を125℃に上昇させ、その温度を6時間維持した。その混合物を室温まで冷却した後に、前記オートクレーブを開けて、そして粗生成物を250ml丸底フラスコに移した。前記粗生成物を激しく攪拌しながら、その混合物が酸性(リトマス紙で決定)になるまで3N塩酸を滴下した。回転真空ポンプを用いて排気しながら前記フラスコを50℃に加熱することによって、中和した粗生成物から水を除去した。次に、前記生成物を、ジエチルエーテル2リットル中に溶解し、微細多孔性(孔径:16−40μm)ガラス濾過器を通してろ過し、塩化カリウムを除去した。回転蒸発器を用いて蒸発することによって、生成物からジエチルエーテルを除去した。前記生成物を、真空条件下、40℃で、8時間乾燥した。生成物の生産量は28.6g(理論値の85%)であった。以下に記載するインク調製例において、この化合物を「スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/6モル−EO縮合物」と略称する。表1において、この化合物を「スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/6モル−EO」と略称する。
【0063】
《スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/11モル−エチレンオキシド縮合物の調製》
攪拌器を装備した500mlオートクレーブに、スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール(12.5g;0.08モル)及び水酸化カリウム(0.2g)を装入した。エチレンオキシド(38.8g;0.88モル)を、攪拌しながら前記ジオール及び前記塩基触媒の混合物中に入れ、0℃で縮合した。一緒にした混合物を冷却している間に、アルゴンガスを用いて前記オートクレーブから酸素を抜き、そして密封した。その混合物を撹拌している間に、前記オートクレーブの温度を125℃に上昇させ、そしてその温度を6時間維持した。粗生成物の仕上げは、前記のスピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/6モル−エチレンオキシド縮合物に関する記載と同様に行った。生成物の収量は44.1g(理論値の86%)であった。以下に記載するインク調製例において、この化合物を「スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/11モル−EO縮合物」と略称する。表1において、この化合物を「スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/11モル−EO」と略称する。
【0064】
《スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/13モル−エチレンオキシド縮合物の調製》
攪拌器を装備した500mlオートクレーブに、スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール(12.5g;0.08モル)及び水酸化カリウム(0.2g)を装入した。エチレンオキシド(45.9g;1.04モル)を、攪拌しながら前記ジオール及び前記塩基触媒の混合物中に入れ、0℃で縮合した。一緒にした混合物を冷却している間に、アルゴンガスを用いて前記オートクレーブから酸素を抜き、そして密封した。その混合物を撹拌している間に、前記オートクレーブの温度を125℃に上昇させ、そしてその温度を6時間維持した。粗生成物の仕上げは、前記のスピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/6モル−エチレンオキシド縮合物に関する記載と同様に行った。生成物の収量は52.5g(理論値の90%)であった。以下に記載するインク調製例において、この化合物を「スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/13モル−EO縮合物」と略称する。表1において、この化合物を「スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/13モル−EO」と略称する。
【0065】
《ポリグルロン酸の調製》
アルギン酸(150g;製品名:Ultra Low Viscosity Alginic Acid;キブン・フード・ケミファ;日本国)を、1000mlビーカー中で、脱イオン水(600ml)中でスラリー化した。オーバーヘッド機械的攪拌器で攪拌しながら、このスラリーに水酸化リチウム・一水和物(27.65g)を加えた。前記アルギン酸を溶解して、pH値が約4.1の溶液を得た。脱イオン水を加えて、合計容量750mlの溶液を得た。次に、氷浴中で前記溶液を冷却して、温度を5℃より低くした。機械的攪拌器を使用して前記冷却溶液を激しく攪拌しながら、過ヨウ素酸ナトリウム(43.75g)を素早く加えた。前記冷却溶液を1時間激しく攪拌した後に、氷浴を除去し、そしてその攪拌溶液を放置して周囲温度に暖めた。次に、攪拌しながら、濃塩酸溶液8gを加えた。ビーカーを覆い、そして4日間放置した。この間に、固体ヨウ素のかなりの量が、ビーカーの底に沈降した。前記固体ヨウ素から、わずかに曇った上澄みをデカントし、そして厚い壁で囲われた蓋付きの2リットルPFA容器に移した。上澄みをデカントして除いた前記ヨウ素を、標準的な方法で処理して捨てた。PFA容器開口部上のねじ山を、テフロンテープで包み、そして蓋をしっかりと密封した。密封した前記PFA容器を、鉛おもりを用いて90℃の水浴中に8時間沈めた。室温まで冷却した後に、前記密封容器を開けて、そして混合物をワットマン#4ろ紙のシートを通してろ過した。そのろ液を、還流縮合器を取り付けた丸底フラスコに移した。その溶液にn−オクチルアルコール(2ml)を加えた後で、その混合物をスターラーチップによって攪拌し、そして還流温度で2時間加熱した。前記混合物の攪拌及び還流の間に、濃塩酸を、前記還流縮合器を通して、pH値が1.0になるまで徐々に加えた。前記pH値は、ハイドリオンマイクロファイン(Hydrion Microfine)pH試験紙(0.8〜2.0の範囲を有する)を用いて評価した。この酸の添加の結果として、灰白色固形物が沈殿した。その混合物を還流温度で、更に7時間加熱した。混合物を周囲温度まで冷却してから、微細多孔性(孔径:16−40μm)ガラス濾過器を用いる真空ろ過によって固形物を収集した。濡れている前記固形物を、脱イオン水(約600ml)と共に1リットルビーカーに移した。スラリーを攪拌しながら、前記固形物の全部が溶解するまでトリエチルアミンを徐々に加えた。マイクロファインpH試験紙(5.5〜8.0の範囲を有する)を用いて決定したところ、得られた溶液のpHは、約7であった。得られた前記溶液を、ワットマン#2ろ紙のシートを通してろ過した。次に、低分子量ポリグルロン酸及びポリマンヌロン酸の両方を含む溶液に、その混合物のpH値(1.3〜4.4の範囲を有するマイクロファインpH試験紙を用いて決定)が3.1になるまで、徐々に6N塩酸を加えた。沈殿した固形物を、微細多孔性(孔径:16−40μm)ガラス濾過器を用いる真空ろ過によって収集した。濡れている前記固形物を、脱イオン水(約250ml)と共に1リットルビーカーに移した。そのスラリーを攪拌している間に、攪拌しながら95%エタノール(500ml)を徐々に加えた。1時間攪拌した後に、微細多孔性(孔径:16−40μm)ガラス濾過器を用いる真空ろ過によって固形物を収集した。前記固形物を95%エタノールで数回洗浄し、そして風乾した。最後に、前記固形物を真空条件下で乾燥して一定の重量にした。生成物の収量は19gであった。この手順を11回繰り返して、合計で200gを僅かに超えるポリグルロン酸を得た。
【0066】
《トリス(2−アミノエチル)アミンによって還元的アミノ化されたポリグルロン酸[PGA−tren]の調製》
5リットルビーカーに入った脱イオン水(600ml)に、攪拌しながら、ポリグルロン酸(200g)及びトリス(2−アミノエチル)アミン(55g)を溶解した。その溶液に、追加のトリス(2−アミノエチル)アミン(200g)を、攪拌しながら加えた。次に、一緒にしたその溶液のpHを、12N塩酸溶液を激しい攪拌下で滴下することによって、8.95に調節した。脱イオン水を加えて、溶液の合計容量を1200mlにした後に、室温で10日間放置した。その溶液を激しく攪拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(18.0g)を2.0g×9回で、9時間かけて加えた。その溶液を一晩放置した。前記溶液を、再び激しく攪拌し、そして水素化ホウ素リチウム(2.0g)を、0.2g×10回で、10時間かけて加えた。その溶液を、再び一晩放置した。前記溶液を激しく攪拌しながら、12N塩酸溶液を滴下することによって、一緒にした溶液のpHを2.0に調節した。次に、激しく攪拌しながらエタノール(2リットル)を加えた。上澄みを捨て、灰白色固形物として前記生成物を分離した。濡れている前記固形物をメタノールで数回洗浄し、そして真空ろ過によって収集した。その固形物を風乾し、そして真空条件下で乾燥した。乾燥固形物の重量は、172gであった。
【0067】
《顔料分散剤[PGA−tren−(3−フェニルブチル)x]の調製(3−フェニルブチルアルデヒドを用いるPGA−trenの還元的アミノ化)》
N,N−ジメチルエタノールアミン(20g)を攪拌しながら加えることによって、5リットルビーカーに含まれている脱イオン水(900ml)中に、PGA−tren(50g)を溶解した。充分攪拌したわずかに曇った溶液に、3−フェニルブチルアルデヒド(65g)を加えたところ、乳化混合物が形成された。前記混合物を激しく攪拌しながら、シアノ水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム(49.0g;これは、無水エタノール中でシアノ水素化ホウ素ナトリウムとテトラメチルアンモニウムクロライドとを複分解させることによって調製した)を、7.0g×7回で、21時間かけて加えた。第1回目のシアノ水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム(7.0g)の添加の後で、3N塩酸溶液の滴下によって、混合物のpHを8.2に調節した。同様に、2回目の添加の後で、混合物のpHを7.8に調節し;3回目の添加の後でpHを7.4に調節し;4回目の添加の後でpHを7.0に調節し;5回目の添加の後でpHを6.6に調節し;6回目の添加の後でpHを6.2に調節し;そして最後の添加の後でpHを5.8に調節した。シアノ水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムを全て添加した後で、混合物を12時間放置した。次に、攪拌しながらメタノール(1リットル)を加えた。氷浴を用いてその混合物を冷却しながら、充分に通気したヒュームフード内に収容された攪拌混合物に、12N塩酸溶液を滴下した。この滴下は、混合物のpHが3.4の一定値となるまで続けた。塩酸を滴下した結果、オレンジ色油状体が分離された。その酸性化混合物を12時間放置した後で、そのオレンジ色油状体から、デカンテーションによって乳白色懸濁液を分離した。前記油状体を、大容量のメタノールで数回トリチュレートして、その油状体を凝固させた。このトリチュレートした混合物を、100ml遠心分離管に移し、そしてその混合物を3000rpmで30分間遠心分離することによって、固形物を単離した。分離した前記固形物を一緒にし、70%水性メタノールで数回洗浄し、そしてろ過によって収集した。前記固形物を風乾し、そして真空条件下で一定重量に乾燥した。乾燥した前記固形物(30.0g)及び脱イオン水(90.0g)を250mlフラスコに装填した。その混合物を激しく攪拌しながら、水性ジメチルアミン(40重量%)を少しずつ加えた。前記固形物の大部分が溶解した後に、溶液のpHを同時に観察しながら、水性ジメチルアミンを滴下した。溶液のpHが5.8の一定値になったら、水性ジメチルアミンの滴下を終了した。追加の水を加えて、溶液の合計重量を136gとした。最終工程として、得られた溶液を、3マイクロメートルテフロンメンブランフィルターを通してろ過した。
【0068】
《顔料分散物の調製》
以下に列挙した各成分を混合し、そしてその混合物をエイガーモータミル(Eiger Motormill)M250 VSE−EXJ(エイガージャパン,東京,日本国)中に分散した。ミル媒体としてガラスビーズ(直径:1.0mm;ミル媒体の合計容量が175ml)を使用した。4000rpmで4時間ミリングを実施した。
FW 18(カーボンブラック顔料;Degussa
Corp.;C.I.ピグメントブラック7): 38g
顔料分散剤溶液(前記の通り;固形分22重量%): 69g
脱イオン水: 143g
【0069】
顔料分散物の生産量は、195gであった。この手順を4回繰り返し、そしてその5バッチを、ポリエチレン瓶の中で撹拌しながら一緒にした。次に、顔料分散物のpHを同時に観察しながら、水性ジメチルアミン(40重量%)を滴下した。顔料分散物のpHが8.1の一定値になったら水性ジメチルアミンの滴下を終了した。
【0070】
【実施例1】
撹拌しながら、以下に列挙した各成分を、順番に、ビーカーに加えた。一緒にした混合物を2時間撹拌した。次に、その混合物を、3μmメンブランフィルターを通してろ過して、インクジェット印刷に適したインクを得た。
顔料分散物(前記の通り;固形分15重量%): 130.0g
脱イオン水: 168.0g
グリセロール: 40.0g
ジエチレングリコール: 20.0g
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル: 40.0g
スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/6モル−EO縮合物: 2.0g
【0071】
【実施例2】
撹拌しながら、以下に列挙した各成分を、順番に、ビーカーに加えた。一緒にした混合物を2時間撹拌した。次に、その混合物を、3μmメンブランフィルターを通してろ過して、インクジェット印刷に適したインクを得た。
顔料分散物(前記の通り;固形分15重量%): 130.0g
脱イオン水: 168.0g
グリセロール: 40.0g
ジエチレングリコール: 20.0g
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル: 40.0g
スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/11モル−EO縮合物:2.0g
【0072】
【実施例3】
撹拌しながら、以下に列挙した各成分を、順番に、ビーカーに加えた。一緒にした混合物を2時間撹拌した。次に、その混合物を、3μmメンブランフィルターを通してろ過して、インクジェット印刷に適したインクを得た。
顔料分散物(前記の通り;固形分15重量%): 130.0g
脱イオン水: 168.0g
グリセロール: 40.0g
ジエチレングリコール: 20.0g
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル: 40.0g
スピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオール/13モル−EO縮合物:2.0g
【0073】
【比較例1】
撹拌しながら、以下に列挙した各成分を、順番に、ビーカーに加えた。一緒にした混合物を2時間撹拌した。次に、その混合物を、3μmメンブランフィルターを通してろ過して、インクジェット印刷に適したインクを得た。
顔料分散物(前記の通り;固形分15重量%): 130.0g
脱イオン水: 170.0g
グリセロール: 40.0g
ジエチレングリコール: 20.0g
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル: 40.0g
【0074】
【比較例2】
撹拌しながら、以下に列挙した各成分を、順番に、ビーカーに加えた。一緒にした混合物を2時間撹拌した。次に、その混合物を、3μmメンブランフィルターを通してろ過して、インクジェット印刷に適したインクを得た。
顔料分散物(前記の通り;固形分15重量%): 130.0g
脱イオン水: 168.0g
グリセロール: 40.0g
ジエチレングリコール: 20.0g
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル: 40.0g
サーフィノール465(アセチレン系ジオール/
10モル−EO縮合物;Air Products and Chemicals, Inc.): 2.0g
【0075】
【比較例3】
撹拌しながら、以下に列挙した各成分を、順番に、ビーカーに加えた。一緒にした混合物を2時間撹拌した。次に、その混合物を、3μmメンブランフィルターを通してろ過して、インクジェット印刷に適したインクを得た。
顔料分散物(前記の通り;固形分15重量%): 130.0g
脱イオン水: 168.0g
グリセロール: 40.0g
ジエチレングリコール: 20.0g
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル: 40.0g
サーフィノール440(アセチレン系ジオール/
3.5モル−EO縮合物;Air Products and Chemicals, Inc.): 2.0g
【0076】
《初回装填試験》
プリントヘッドへのインクの最初の装填において、全てのノズルが良好な指向性で印刷するようにプリントヘッドに装填されるインクの信頼性を、以下の通りに評価した。最初に、インクをガス抜きし、ヒートシール可能なアルミニウムパック中にシールした。MJ−930Cプリンタ(製品名,セイコーエプソン株式会社)から取り出した空のインクカートリッジを壊して開け、そして接続隔壁を含む部分を、カートリッジ本体から切り離した。エポキシ接着剤を用いて、ピークユニオンジョイント(PEEK union joint)を、前記接続隔壁のカートリッジ内装側に、接着剤で前記ジョイント又は前記隔壁を詰まらせないように注意しながらシールした。ピ−クチューブ(PEEK tube)(長さ:30cm;外径:1/16インチ;内径:0.75mm)を、シリンジ先端(内径:0.7mm)にシールした。接続隔壁に接着した前記ピークユニオンジョイントに接続可能にしたピークフィッティング(PEEK fitting)に、前記チューブの別の端部を取り付けた。インクを充填したアルミニウムパックに前記シリンジ先端を挿入し、そしてインクの少量が前記チューブの端部から排出され、ピークチューブをゆっくりと通過するようにした。続いて、そのチューブを、ピークフィッティングによってピークユニオンジョイントに接続した。次に、前記接続隔壁を、MJ−930Cプリンタ(製品名,セイコーエプソン株式会社)の新品プリントヘッドに取り付けた。プリンタの装填操作を実施し、続いて全てのノズルを使用する線パターンを行った。全てのノズルが良好な指向性を示して印刷されるまで、前記の装填操作及びそれに続く線パターンを繰り返した。以下の標準を使用して、プリントヘッドへの最初の装填に関する信頼度を評価した;全てのノズルから吐出されるインクが良好な指向性で印刷されるのに必要な装填操作の回数が1回である場合は「A」;全てのノズルから吐出されるインクが良好な指向性で印刷されるのに必要な装填操作の回数が2回である場合は「B」;全てのノズルから吐出されるインクが良好な指向性で印刷されるのに必要な装填操作の回数が3回である場合は「C」;そして全てのノズルから吐出されるインクが良好な指向性で印刷されるのに必要な装填操作の回数が4回以上である場合は「F」。この試験の結果を、以下の表1に示す。
【0077】
《断続的印刷試験》
断続的印刷条件下における前記インクの信頼性を、以下の通りに評価した。最初に、インクをガス抜きし、ヒートシール可能なアルミニウムパック中にシールした。次に、MJ−930Cプリンタ(製品名,セイコーエプソン株式会社)のプリントヘッド中に前記インクを装填した。全てのノズルを用いる線パターンを最初に印刷して、良好な指向性で全てのノズルからインクが吐出されていることを確立した。印刷パターンを、各ノズルから液滴1つが逐時的に吐出するものに換え、その後、プリントヘッドにカバーをかけず、インク液滴を吐出しない休息時間を置く。全てのノズルが1ドットを吐出し、続いて休息時間を置くことからなるこのパターンを、休息時間の長さを5秒単位で増やしながら逐時的に繰り返した。例えば、最初の休息時間が5秒であり、2回目の休息時間が10秒であり、3回目の休息時間が15秒間であるようにする。ノズルが最初に失敗する休息時間の間隔を記録した。以下の標準を使用して、断続的印刷試験に関する信頼度を評価した;最初のノズル失敗の前で最短の間隔が90秒より長い場合は「A」;最初のノズル失敗の前で最短の間隔が60秒より長く90秒以下の場合は「B」;そして最初のノズル失敗の前で最短の間隔が60秒以下の場合は「C」。この試験の結果を、以下の表1に示す。
【0078】
《長期保存試験》
前記インクのプリントヘッド中での長期に亘る保存信頼性を、以下の通りに評価した。最初に、インクをガス抜きし、ヒートシール可能なアルミニウムパック中にシールした。次に、MJ−510Cプリンタ(製品名,セイコーエプソン株式会社)のプリントヘッド中に前記インクを装填した。全てのノズルを用いる線パターンを最初に印刷して、全てのノズルが良好な指向性でインクを吐出することを確立した。次に、プリントヘッドからインクサプライを外し、そしてプリンタからプリントヘッドを外した。キャップをしないプリントヘッドを、一定温度オーブン中で、40℃で7日間貯蔵した。前記プリントヘッドを再びプリンタに取り付け、そしてインクサプライを再びプリントヘッドに取り付けた。プリンタのクリーニング操作を実施し、続いて全てのノズルを用いる線パターンを行った。クリーニング操作を行ってから線パターンを行うことを全てのノズルが良好な指向性で印刷するまで繰り返した。以下の標準を使用して、長期保存試験に関する信頼度を評価した;完全な回復に必要なクリーニング操作の回数が3回以下の場合は「A」;完全な回復に必要なクリーニング操作の回数が4又は5回の場合は「B」;完全な回復に必要なクリーニング操作の回数が6回以上10回以下の場合は「C」;そしてクリーニング操作を10回繰り返しても完全に回復しなかった場合は「F」。この試験の結果を、以下の表1に示す。
【0079】
《熱サイクル試験》
2つの極端な温度(−30℃及び60℃)に関する前記インクの信頼性を、以下の通りに評価した。最初に、インクをガス抜きし、そして30mlガラス製サンプルボトル中にシールした。前記サンプルボトルを、60℃の恒温オーブン中に入れ、その温度条件で24時間貯蔵した。前記サンプルをオーブンから取り出し、そして−30℃の恒温冷蔵庫に移して、その温度条件で24時間貯蔵した。この2温度サイクルを、合計で10回、完了するまで繰り返した。最終サイクルの後で、インクを解凍して室温にし、そのガラス製サンプルボトルを振らずに逆さまにし、そしてそのガラス製サンプルボトルの底の沈殿に関して調査した。以下の標準を使用して、熱サイクル試験に関する信頼度を評価した;沈殿がない場合は「A」;沈殿が少量の場合は「B」;そして沈殿が多量の場合は「C」。試験した全てのインクに対して、沈殿が観察されなかった。
【0080】
《印刷品質試験》
MJ−930Cプリンタ(製品名,セイコーエプソン株式会社)を使用して、印刷品質を、以下の方法で評価した。最初に、インクをガス抜きし、ヒートシール可能なアルミニウムパック中にシールした。プリンタの装填操作を実施することによって、インクをプリントヘッドに装填した。前記装填操作を実施した後で、全てのノズルを用いる線パターンを印刷して、全てのノズルが良好な指向性でインクを吐出することを確立した。全てのノズルが良好な指向性で印刷するまでこの順序を繰り返した。8ポイントの文字サイズで、ゴシック体及び明朝体を使用して、日本語漢字の標準セットを印刷した。720dpiでサンプルを印刷した。4タイプの普通紙(Xerox4024、Xerox R、やまゆり、及びConqueror Laid)を使用した。印刷品質における界面活性剤添加物の効果は少ないので、絶対標準ではなく相対標準を使用して、印刷品質を評価した。比較例1のインク(これには界面活性剤添加物が含まれていない)に対して得られた印刷サンプルを、印刷品質を評価するための比較標準として使用した。別のインクの印刷サンプルを、比較例1の印刷サンプルに関する以下の標準に従って評価した;印刷品質が、比較例1のサンプルと同等又はほぼ同等の場合は「A」;印刷品質(特に、端部尖鋭さ及びフェザリングに関する)が、比較例1のものよりも僅かに悪い場合は「B」;そして印刷品質が、比較例1のものよりも有意に悪いために漢字が鮮鋭でなく、そして約15回を超えるストロークで文字中の内部空隙を有意に埋める場合は「C」。この試験の結果を、以下の表1に示す。
【表1】
Claims (20)
- nが4であり、従って、前記アルキレンオキシド縮合化合物のスピロノナンジオール部分がスピロ[4.4]ノナンジオールである、請求項1に記載のインク組成物。
- nが4であり、そして前記アルキレンオキシド縮合化合物のスピロノナンジオール部分がスピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオールである、請求項2に記載のインク組成物。
- nが4であり、前記アルキレンオキシド縮合化合物のスピロノナンジオール部分がスピロ[4.4]ノナン−1,6−ジオールであり、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、そしてaとbとを足した和が2〜20である、請求項3に記載のインク組成物。
- 顔料分散物が、顔料及び顔料分散剤を含む、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記顔料分散剤がポリウロン酸誘導体であって、その誘導体において、疎水性ポリマーがポリウロン酸の還元性末端に共有結合している、請求項5に記載のインク組成物。
- 前記ポリウロン酸が、主に、1,4−結合のポリガラクツロン酸、ポリグルロン酸、ポリイズロン酸、又はそれらの混合重合体から構成されている、請求項6に記載のインク組成物。
- 前記疎水性ポリマーが、スチレン又は置換スチレン、ビニルピリジン又は置換ビニルピリジン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、及びイソプレンからなる群から選択したモノマー少なくとも一つから製造した単独重合体又は共重合体である、請求項6に記載のインク組成物。
- 前記疎水性ポリマーが、主に、ポリ(ジメチルシロキサン)から構成されている、請求項6に記載のインク組成物。
- 前記疎水性ポリマーが、ポリアミドである、請求項6に記載のインク組成物。
- 前記ポリアミドが、ポリアミンのN−アシル化誘導体であって、前記ポリアミン中の50%を超えるアミン官能基が第1又は第2アミンである、請求項10に記載のインク組成物。
- 前記ポリアミンが、直鎖状ポリエチレンイミン、分枝鎖状ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリ(N−アルキル)アリルアミン、及びポリビニルアミンからなる群から選択したポリアミンである、請求項11に記載のインク組成物。
- 前記ポリアミドにおいて、式:
R−(CO)−
で表されるアシル基が、CnH(2n+1)−(CO)−基〔nは、3以上である〕;フェニル−(CO)−基;置換フェニル−(CO)−基;フェニル−CH2−(CO)−基;置換フェニル−CH2−(CO)−基;フェニル−C2H4−(CO)−基;及び置換フェニル−C2H4−(CO)−基から選択したアシル基少なくとも一つである、請求項11に記載のインク組成物。 - 前記疎水性ポリマーが、疎水性ポリアミンである、請求項6に記載のインク組成物。
- 前記疎水性ポリアミンが、水溶性ポリアミンのポリ−N−アルキル化誘導体である、請求項14に記載のインク組成物。
- 前記水溶性ポリアミンが、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリ(プロピレンイミン)デンドリマー、及びポリ(アミドアミン)デンドリマーからなる群から選択した水溶性ポリアミンである、請求項15に記載のインク組成物。
- 顔料0.1〜10重量%、顔料分散剤0.1〜20重量%、及び水性担体媒体70〜99.8重量%を含む、請求項5に記載のインク組成物。
- ポリウロン酸セグメントの数平均分子量が700以上である、請求項6に記載のインク組成物。
- 疎水性ポリマーセグメントの数平均分子量が300以上である、請求項6に記載のインク組成物。
- 有機塩基、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物、及びそれらの混合物からなる群から選択した中和剤によって、顔料分散剤のポリウロン酸セグメントが中和されている、請求項6に記載のインク組成物。
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