JP3763375B2 - 建設機械の制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等の建設機械の制御回路に係り、特に、作業機のブーム駆動と、車体の旋回駆動の複合操作時の各アクチュエータ速度が適切に制御されるようにした建設機械の制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
先ず、油圧ショベル100について図5により説明する。
下部走行体21は走行モータ24の駆動により前後走行自在となっている。
この下部走行体21の上部にはスイングサークル22を介して上部旋回体(以下、車体と言う。)23が装着され、旋回モータ25の駆動により互いに旋回可能となっている。
この車体23には作業機30、マシンキャブ26、オペレータキャビン27、およびカウンタウエイト28を取着している。
作業機30はブーム31、アーム33、バケット35、ブーム用アクチュエータ32、アーム用アクチュエータ34、バケット用アクチュエータ36から構成されている。
このブーム31は車体23に固着された図示しないブラケットに取着されており、ブーム用アクチュエータ32の駆動により上下揺動自在となっている。ブーム31の先端にはアーム33が取着されており、このアーム33はアーム用アクチュエータ34の駆動により上下揺動自在となっている。また、このアーム33の先端にはバケット35が取着されており、バケット用アクチュエータ36の駆動により回動自在となっている。
これらの各モータ24、25および各アクチュエータ32、34、36は図示しない制御回路により単独に、あるいは複合で操作されて土砂の掘削作業等を行うようになっているいるが、特に複合操作性を向上させる制御回路が要望されている。
【0003】
従来の作業機の複合操作性を改良した先行技術として、例えば、特開平1−250531号が出願されている。この出願内容を図6により説明する。
パイロット弁50をアーム用アクチュエータ55が縮むU方向に操作すると、パイロット管路50Aにパイロット圧が立つ。この時、パイロット弁51がブーム用アクチュエータ56が縮むU方向に操作されていると、パイロット弁51から切換弁52のパイロットポート52Aにパイロット圧が作用し、切換弁52はaからbに位置している。
このため、切換弁52と減圧弁53によりパイロット回路が形成され、パイロット管路50Aに立ったパイロット圧は減圧弁53で所定の圧力に減圧されてから制御弁57に作用することになり、パイロット弁50、パイロット弁51の操作量が等しい場合、パイロット管路50Aの減圧弁53の下流のパイロット圧はパイロット管路51Aのパイロット圧力より低くなるから、制御弁57のスプール開口面積が制御弁58の開口面積よりも小さくなる。
この結果、管路54を通って制御弁58に流れる油量が増加し、アーム用アクチュエータ55とブーム用アクチュエータ56に流れる油量の差が少なくなる。
従って、アクチュエータ55,56の収縮速度が同程度にバランスするので、2つのアクチュエータ55,56は同時に同程度の速度で作動するという技術が記載されている。
【0004】
また、他の先行技術として、特開平8−93000号が出願されている。
この出願内容を図7,図8により説明する。走行モータ24とアーム用アクチュエータ34を複合操作する時は、例えば走行用操縦レバー48を前進位置にすると、走行用パイロット弁48aの減圧弁48bが作動し、走行用制御弁42を中立位置nからb位置に切り換えるパイロット圧は、管路41から走行用制御弁42の操作部42bに作用すると共に、シャトル弁43を介して分岐パイロット管路41aからアーム用制御弁45の操作部45bに作用して、図8に示すピストン47は矢印の方向へ所定量Lだけ移動する。
この時、アーム操縦レバー49を掘削位置にしてアーム用パイロット弁49aの減圧弁49bを作動させ、アーム用制御弁45を中立位置nからa位置に切り換えるために、パイロット圧をパイロット管路44aからアーム用制御弁45の操作部45aに作用させても、図8に示すピストン47が矢印の方向へ所定量L移動しているので、アーム用制御弁45のスプール46は全ストローク作動しないように制限され、スプール46の開口面積が小さくなるようになっている。
従って、アーム用アクチュエータ34への圧油の供給量が減少して、走行モータ24の駆動速度とアーム用アクチュエータ34の駆動速度のマッチングが良くなるという技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧ショベルの各種作業を行う時に2つのアクチュエータを複合操作すると負荷圧の低い方のアクチュエータへ油圧ポンプからの吐出油が多く流れるため2つのアクチュエータ速度のバランスが悪くなるとの問題がある。
特に、油圧ショベルの作業の中で、頻繁に用いられる、ブームの上げ駆動と車体の旋回駆動(所謂、ホイスト旋回とい言う)の複合操作時は、ブームの上げ駆動のアクチュエータの負荷圧に対して、車体の旋回駆動のアクチュエータの負荷圧の方が低い。
このブームの上げ駆動と車体の旋回駆動の複合操作時は、負荷圧の低い方の旋回用アクチュエータへ油圧ポンプからの吐出油が多く流れるので車体の旋回が速く駆動するのに対して、ブームの上げ駆動が遅くなり、複合操作時の2つのアクチュエータ速度のバランスが悪くなる。これは2つのアクチュエータがパラレル回路で接続されているためである。このため、オペレータは旋回用アクチュエータへの油圧ポンプからの吐出油を絞るために、旋回用操作レバーの操作ストロークを調整して、旋回用制御弁のスプールの開口面積を小さくなるようにしながら、ブームの上げ操作を行って2つのアクチュエータ速度がバランスするようにしている。
このため、運転者は操作レバーの操作量を調整する必要があり操作が煩雑であった。
【0006】
上記の先行技術である特開平1−250531号に記載されているパイロット操作回路では、複合操作時に常時2つのアクチュエータ55,56は同程度の速度となり、作業速度が遅いとの問題がある。
また、複合操作時のアーム用制御弁57のスプール開口面積は常に制限され、解除できないという問題がある。
上記の先行技術である特開平8−93000号に記載されているパイロット操作回路も同様に、登坂走行とアームの複合操作等には有用であっても、アーム用制御弁のスプール開口面積は常に制限され、解除できないという問題がある。
これらの先行技術はいずれも油圧ショベルの作業の中で例えば、速い作業速度が要求されるダンプ積込作業等でのブーム上げと車体の旋回操作を行う複合操作には適用できないという問題がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に着目し、負荷圧の異なる2つのアクチュエータの複合操作時に、負荷圧の低い方の一方のアクチュエータの速度を遅くして、他方のアクチュエータの速度とのバランスを良くするように制御するとともに、その制御を解除することも可能にして複合操作性を向上する建設機械の制御回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用効果】
本発明に係る建設機械の制御回路の第1発明は、油圧ポンプから吐出する圧油を第1アクチュエータへ供給する第1制御弁、および、第2アクチュエータへ供給する第2制御弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受け、操作レバーの操作に連動して第1制御弁または第2制御弁の操作部にそれぞれ作用させて第1制御弁または第2制御弁を切換える複数の操作パイロット弁とを備えた建設機械の制御回路において、第1アクチュエータ32と第2アクチュエータ25の複合操作時に、第1アクチュエータ32の作動速度を、第2アクチュエータ25の作動速度よりも速くするために第2制御弁5へ指令を出力するモード選択手段を備え、前記モード選択手段は、前記第1制御弁2の操作部2aに作用する第1操作パイロット弁8aの出力パイロット圧を前記第2制御弁5の両操作部5a,5bに作用させて第2制御弁5のスプールのストロークを規制する電磁式切換弁18と、第1アクチュエータ32の作動速度を第2アクチュエータ25の作動速度よりも優先させるモードを選択するモード選択スイッチ16と、モード選択スイッチ16からの信号を受けて電磁式切換弁18へ開位置または閉位置に制御する指令信号を出力するコントローラ15とを備えた構成としたものである。
上記構成によれば、従来は、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作時に、第2アクチュエータ(旋回)の負荷圧に対して、第1アクチュエータ(ブーム)の負荷圧が高い場合、第2アクチュエータの作動速度が速く、第1アクチュエータの作動速度が遅くなり複合操作時の速度のバランスが悪いので、運転者は、第2アクチュエータの作動速度を遅くするために、操作レバーの操作量を調整する必要があり操作が煩雑であったが、本発明の制御回路では、モード選択手段を用いて第2アクチュエータの作動速度を遅くして、第2アクチュエータの作動速度より第1アクチュエータの作動速度を速くすることにより、2つのアクチュエータの複合操作速度のバランスが良くなるようにしたものである。すなわち、モード選択スイッチで選択された信号で電磁式切換弁を開位置に制御することにより、この電磁式切換弁を介して第2制御弁の操作部に第1操作パイロット弁の出力パイロット圧を作用させることができる。これにより、第2制御弁のスプールのストローク規制が行われるので、第2制御弁のスプールの開口面積が小さくなり、第2アクチュエータの流量が減少して作動速度を遅くすることができる。したがって、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作性が向上するので、各種の作業を行う建設機械として有用である。
【0009】
第2発明は、油圧ポンプから吐出する圧油を第1アクチュエータへ供給する第1制御弁、および、第2アクチュエータへ供給する第2制御弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受け、操作レバーの操作に連動して第1制御弁または第2制御弁の操作部にそれぞれ作用させて第1制御弁または第2制御弁を切換える複数の操作パイロット弁とを備えた建設機械の制御回路において、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作時に、第1アクチュエータの作動速度を、第2アクチュエータの作動速度よりも速くするために第2制御弁へ指令を出力するモード選択手段を備え、前記モード選択手段は、前記第1制御弁の操作部に作用する第1操作パイロット弁の出力パイロット圧を前記第2制御弁の両操作部に作用させて第2制御弁のスプールのストロークを規制する電磁式切換弁と、第1アクチュエータの第1制御弁を切換える第1操作パイロット弁の出力パイロット圧を検知する第1検知手段と、第2アクチュエータの第2制御弁を切換える第2操作パイロット弁の出力パイロット圧を検知する第2検知手段と、第1検知手段と第2検知手段からの2つの信号が入力された時は、第2制御弁のスプールのストロークを規制するように電磁式切換弁へ指令を出力するコントローラとを備えた構成としたものである。
上記構成によれば、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作時に、第1制御弁および第2制御弁のパイロット管路にパイロット圧が発生するので、それぞれのパイロット圧をコントローラが受けて、第2制御弁のスプールのストロークを規制するように電磁式切換弁を制御する。これにより、第1および第2アクチュエータを複合操作したときは自動的に、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作性が向上する。
【0010】
第3発明は、第1発明または第2発明に記載の構成において、第2制御弁のスプールのストローク規制量を可変に調整する可変調整器を備え、前記コントローラは、可変調整器からの信号に応じて電磁式切換弁の開口量を制御する指令信号を出力する構成としたものである。
上記構成によれば、可変調整器を用いて電磁式切換弁の開口量を制御するようにしたので、第2制御弁の操作部に作用するパイロット圧を可変にして、第2制御弁のスプールのストロークの規制量を調整することができる。これにより、建設機械の各種作業に応じて、第2制御弁のスプールのストロークの規制量を調整することにより、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作性が向上する。
【0011】
第4発明は、第1発明または第2発明に記載の構成において、前記第2制御弁の操作部は、第1制御弁を切換える第1操作パイロット弁の出力パイロット圧が導入される第1パイロットポートと、第2制御弁を切換える第2操作パイロット弁の出力パイロット圧が導入される第2パイロットポートとを設けたパイロットケースと、このパイロットケース内に配設されるとともに、第2制御弁のスプールの端部に所定距離を有して対向し、かつ、前記第1制御弁からの第1操作パイロット弁の出力パイロット圧により押動するピストンとを有し、電磁式切換弁を介する前記第1操作パイロット弁の出力パイロット圧により前記ピストンを押動して第2制御弁のスプールのストロークを規制する構成としたものである。
上記構成によれば、第2制御弁の操作部は、第2制御弁のスプールのストロークを規制するために、第1制御弁を切換えるパイロット圧が導入される第1パイロットポートと、この第1制御弁を切換えるパイロット圧により押動するピストンとを備え、このピストンの移動により、第2制御弁のスプールのストロークを規制することができる。したがって、簡単な構造で第2制御弁のスプールのストロークを規制することができるので、コストが安価である。
【0012】
第5発明は、第2発明に記載の構成において、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作時に、第2制御弁のスプールのストローク規制を解除する解除手段を備えた構成としたものである。
上記構成によれば、建設機械の各種作業の中で、車体の旋回と、ブーム、アーム、バケットからなる作業機との複合操作は、例えば、ダンプトラックへの積込み作業(旋回+ブーム上げ)以外にブーム+アーム、あるいはアーム+バケット等の各種の組合わせにより複合操作が行われるが、第2制御弁のスプールのストローク規制が必要のない作業では、解除できるようにしたものである。これにより、運転者は解除手段により第2制御弁のスプールのストローク規制を解除することにより、各種の作業によって運転者の技量により自由に作業できるようにしてあるので、作業性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る建設機械の制御回路の実施例を図1乃至図4により説明する。
先ず、本発明に係る建設機械の制御回路の第1実施例を図1乃至図3により説明する。図1は、ブームアクチュエータ32と、旋回アクチュエータ25とのパラレル回路を示している。油圧ポンプ1は、管路4を介してブーム用制御弁2(以下、第1制御弁2と言う)と接続している。この第1制御弁2は管路3A,3Bを介してブームアクチュエータ32(以下、第1アクチュエータ32と言う)と接続している。また、油圧ポンプ1は、管路4から分岐する管路4aを介して旋回用制御弁5(以下、第2制御弁5と言う)と接続している。この第2制御弁5は管路6A,6Bを介して旋回アクチュエータ25(以下、第2アクチュエータ25と言う)と接続している。
【0016】
ブーム操作レバー8の操作により連動するパイロット弁8aは、上げ用パイロット管路11(以下、パイロット管路11と言う)を介して第1制御弁2の操作部2aと接続している。また、パイロット弁8aは、下げ用パイロット管路12(以下、パイロット管路12と言う)を介して第1制御弁2の操作部2bと接続している。
旋回操作レバー9の操作により連動するパイロット弁9aは、左旋回用パイロット管路13(以下、パイロット管路13と言う)を介して第2制御弁5の操作部5aと接続している。また、パイロット弁9aは、右旋回用パイロット管路14(以下、パイロット管路14と言う)を介して第2制御弁5の操作部5bと接続している。これらのパイロット弁8a,9aは、管路10を介してパイロットポンプ7と接続している。
このように構成されるパイロット操作回路は、ブーム操作レバー8、および旋回操作レバー9の操作により、パイロットポンプ7からのパイロット圧を、管路10からそれぞれパイロット弁8a、およびパイロット弁9aを介して、各パイロット管路11,12,13,14を通って、それぞれ第1制御弁2の操作部2a(上げ側)または操作部2b(下げ側)と、第2制御弁5の操作部5a(左旋回側)の第2パイロットポート66aまたは操作部5b(右旋回側)の第2パイロットポート66bに作用させて、第1制御弁2および第2制御弁5を切換えるようになっている。
【0017】
次に、図1に示す第2制御弁5のスプール61のストロークを規制するモード選択手段について説明する。
モード選択手段は、モード選択スイッチ16と、可変調整器17と、電磁式切換弁18と、コントローラ15とから構成されている。
モード選択スイッチ16をONにし、可変調整器17を所定値に設定すると、可変調整器17からの信号量に応じて、コントローラ15から電磁式切換弁18の開口量を制御するように同弁18の操作部18aに指令信号が出力されるようになっている。
このため、電磁式切換弁18はa位置に切換わり開口する。その開口量は、可変調整器17からの信号量によって決められているので、その開口量によってパイロット圧が調整されるようになっている。
これにより、ブーム操作レバー8を操作してパイロット弁8aからパイロット管路11を介して第1制御弁2の操作部2a(上げ側)にパイロット圧が出力されると、このパイロット圧が管路11から電磁式切換弁18のa位置を通って管路11bから第2制御弁5の操作部5a(左旋回側)の第1パイロットポート65aおよび操作部5b(右旋回側)の第1パイロットポート65bに作用するようになっている。
したがって、例えば、第2制御弁5の操作部5aは図2に示すように、ピストン67はパイロット圧に応じた量だけ矢印の方向に押動して、第2制御弁5のスプール61のストローク規制を行うようになっている。
【0018】
次に、図2に示す、第2制御弁5の操作部5aのスプール61のストローク規制の構造について説明する。なお、同弁5の操作部5bは操作部5aと同一構造であり図と説明は省略する。
弁体60には、スプール61が摺動自在に設けられている。このスプール61の両端には、中立時にスプール61を定位置に保つために、同じ力でバランスするバネ62がスリーブ63を介してパイロットケース64のパイロット室64a内に設けられている。
このパイロットケース64に設けられたプラグ68には、スプール61を切換えるパイロット圧が作用する第2パイロットポート66aが設けられている。
このパイロットケース64には、第1制御弁2の操作部2a(上げ側)に作用するパイロット圧が、図1に示すパイロット管路11bから作用する第1パイロットポート65aが設けられている。
ピストン67の大径部は、パイロットケース64のピストン室64bに摺動自在に嵌挿されている。また、ピストン67の小径部は、プラグ68の内面にOリング69を介して摺動自在に嵌挿されている。ピストン67の中心部には、第2パイロットポート66aに作用するパイロット圧を、パイロット室64aに作用するための穴67aが貫通して設けられている。
【0019】
このように構成されており、第1パイロットポート65aにパイロット圧が作用すると、ピストン67は矢印の方向に移動し、図1に示す可変調整器17の設定値が最大の場合(パイロット圧が最大)は図3に示すように、大径端面67bがピストン室64bの側面64dに当接するまで矢印の方向に押動する。
このため、スプール61の端部に固設されるスリーブ63の端面63aとピストン67の端面67cとの間隔は最小のβとなるので、スプール61は、図1に示す操作部5b(右旋回側)の第2パイロットポート66bにパイロット圧が作用しても、ストロークβしか作動できないようになっている。
なお、モード選択スイッチ16がOFFの時は、図1に示す電磁式切換弁18はバネに付勢されてb位置となり、パイロット管路11aとパイロット管路11bは、同弁18により遮断される。
したがって、図2,図3に示すように、ピストン67は押動されないので、スリーブ63の端面63aとパイロット室64aの側面64cとの間隔はαであり、スプール61は前記第2パイロットポート66bにパイロット圧が作用すると、全ストロークα作動できるようになっている。
【0020】
次に、図1乃至図3の作動について説明する。ブーム操作レバー8を上げ位置に操作すると、パイロットポンプ7からのパイロット圧は、管路10を介してブーム用パイロット弁8aの減圧弁8bの入力ポートと出力ポート間を常時遮断状態に付勢するバネ力に抗して、前記減圧弁8bのパイロット管路11を通って前記第1制御弁2の操作部2a(上げ側)に作用する。
これにより、第1制御弁2は中立位置nからa位置に切換わり、油圧ポンプ1の吐出油は管路4から第1制御弁2を介して管路3Aからて第1アクチュエータ32のボトム側に流入するので、第1アクチュエータ32は伸長して図5で説明したブーム31は上げ操作となる。
ブーム操作レバー8を下げ位置に操作すると、パイロットポンプ7からのパイロット圧は、管路10を介してブーム用パイロット弁8aの減圧弁8cの入力ポートと出力ポート間を常時遮断状態に付勢するバネ力に抗して、前記減圧弁8cのパイロット管路12を通って前記第1制御弁2の操作部2b(下げ側)に作用する。これにより、第1制御弁2は中立位置nからb位置に切換わり、油圧ポンプ1の吐出油は管路4から分岐する管路4aを通って第1制御弁2を介して管路3Bから第1アクチュエータ32のヘッド側に流入するので、第1アクチュエータ32は短縮して図5で説明したブーム31は下げ操作となる。
【0021】
また、旋回操作レバー9のパイロット弁9aも上記のブーム操作レバー8のパイロット弁8aと同様になっており、旋回操作レバー9を左旋回位置、あるいは右旋回位置に操作すると、パイロット圧は、パイロット弁9aの減圧弁9b、あるいは減圧弁9cからパイロット管路13、あるいはパイロット管路14を通って、前記第2制御弁5の操作部5aの第2パイロットポート66a、あるいは操作部5bの第2パイロットポート66bにパイロット圧が作用するようになっている。これにより、第2制御弁5は中立位置nからa位置、あるいはb位置に切換わり、油圧ポンプ1の吐出油は管路4から第2制御弁5を介して管路6Aから、あるいは管路4から分岐する管路4aから第2制御弁5を介して管路6Bからそれぞれ旋回アクチュエータ25のFポート、あるいはRポートに流入するので、旋回アクチュエータ25は左回転あるいは、右回転し、図5で説明した車体23は左旋回、あるいは右旋回するようになっている。
【0022】
また、第1アクチュエータ32と旋回アクチュエータ25を複合操作する時は、先ず、モード選択スイッチ16をONにし、可変調整器17を所定値に設定すると、電磁式切換弁18は可変調整器17からの信号量に応じた量だけ開口する。次に、例えばブーム操作レバー8を上げ位置に操作すると、第1制御弁2を中立位置nからa位置に切り換えるパイロット圧は、パイロット管路11から第1制御弁2の操作部2aに作用すると共に、分岐パイロット管路11aを通って電磁式切換弁18を介して管路11bから第2制御弁5の操作部5aの第1パイロットポート65a、および操作部5bの第2パイロットポート65bに作用する。これにより、図2に示すように、ピストン67に作用して、ピストン67はパイロット圧に応じた量だけ矢印の方向に移動する。
この時、旋回操作レバー9を左旋回位置、あるいは右旋回位置に操作して、第2制御弁5を中立位置nからa位置、あるいはb位置に切り換えるために、パイロット圧をパイロット管路13、あるいは14から第2制御弁5の操作部5aの第2パイロットポート66a、あるいは操作部5bの第2パイロットポート66bに作用させると、図2に示すように、既にピストン67は矢印の方向へ移動しているので、図3に示すように、スリーブ63の端面63aとピストン67の端面67cとの間隔はsとなっているので、第2制御弁5のスプール61はストロークsだけしか作動できない。ここでsはβ≦s≦αである。
従って、スプール61は(α−s)だけストローク規制され、スプール61の開口面積はその分だけ小さくなり、旋回アクチュエータ25の駆動速度は遅くなる。なお、スプール61は最大で(α−β)だけストローク規制される。
【0023】
なお、旋回アクチュエータ25の単独操作時、あるいはモード選択スイッチ16がOFFの時は、前記ピストン67は作動しないので、第2制御弁5を中立位置nからa位置、あるいはb位置に切り換えるために、パイロット圧をパイロット管路13、あるいは14から第2制御弁5の操作部5aの第2パイロットポート66a、あるいは操作部5bの第2パイロットポート66bに作用させると、スプール61は全ストロークα作動し、スプール61の開口面積が大きくなるので、旋回アクチュエータ25は所定の駆動速度で作動することが可能となっている。
【0024】
このような第1実施例によれば、第1アクチュエータ32(ブーム)と第2アクチュエータ25(旋回)を複合操作する時には、モード選択スイッチ16をONすることにより、第2アクチュエータ25への圧油の供給量を減少させて、作動速度を遅くして、旋回+ブーム上げの複合操作時のアクチュエータ速度のバランスが良くなり、複合操作性が向上するので、各種の作業を行う建設機械として有用である。
【0025】
また、可変調整器17を用いて電磁式切換弁18の開口量を制御するようにしたので、第2制御弁5のスプール61のストロークの規制量を任意に調整することができる。
これにより、建設機械の各種作業に応じて、第2制御弁5のスプール61のストロークの規制量を調整することにより、第1アクチュエータ32の上げの作動速度と第2アクチュエータ25の作動速度のバランスが良くなり、複合操作性が向上するので、各種の作業を行う建設機械として有用である。
【0026】
次に、本発明に係る建設機械の制御回路の第2実施例を図1乃至図3を参照して図4により説明する。本実施例は、前記の第1実施例においてモード選択手段部のみ異なり、他は全く同一であるので、モード選択手段部を説明する。
このモード選択手段は、第1制御弁2の操作部2a(上げ側)のパイロット圧を検知するセンサ19aと、第2制御弁5の操作部5a(左旋回側)の第2パイロットポート66a、あるいは操作部5b(右旋回側)の第2パイロットポート66bのパイロット圧をシャトル弁14aを介して検知するセンサ19bと、電磁式切換弁18と、可変調整器17と、解除スイッチ20と、コントローラ15Aとから構成されている。
解除スイッチ20をOFFにし、可変調整器17を所定値に設定すると、コントローラ15Aは可変調整器17からの信号量に応じて電磁式切換弁18の開口量を制御する指令信号を電磁式切換弁18の操作部18aに出力するように待機する。ここで、ブーム操作レバー8が上げ位置に操作され、ブーム用パイロット弁8aから第1制御弁2の操作部2a(上げ側)にパイロット圧が出力されると、このパイロット圧をセンサ19aが検知し、かつ、旋回操作レバー9が左旋回位置、あるいは右旋回位置に操作され、旋回用パイロット弁9aから第2制御弁5の操作部5a(左旋回側)の第2パイロットポート66a、あるいは操作部5b(右旋回側)の第2パイロットポート66bにパイロット圧が出力されると、シャトル弁4を介してこのパイロット圧をセンサ19bが検知した時に、コントローラ15Aから電磁式切換弁18の操作部18aに指令信号が出力されるようになっている。
これにより、電磁式切換弁18はa位置に切換わり開口する。その開口量は前記の可変調整器17からの信号量によって決められる。
電磁式切換弁18がa位置に切換わり開口すると、第1制御弁2の操作部2a(上げ側)のパイロット圧はパイロット管路11からパイロット管路11aを通って電磁式切換弁18を介して管路11bを通って第2制御弁5の操作部5a(左旋回側)の第1パイロットポート65a、および操作部5b(右旋回側)の第2パイロットポート65bに作用するようになっている。
これにより、図2に示すように、ピストン67はパイロット圧に応じた量だけ矢印の方向に押動させて、第2制御弁5のスプール61のストローク規制を行うようになっている。
【0027】
なお、解除スイッチ20をONにすると、コントローラ15Aから電磁式切換弁18の操作部18aに指令信号が出力されないので、同弁18はバネにより付勢されてb位置となりパイロット管路11aとパイロット管路11bは同弁18により遮断される。
したがって、第2制御弁5のスプール61のストローク規制は行われないようになっている。
【0028】
このような第2実施例によれば、第1アクチュエータ32と第2アクチュエータ25を複合操作した時は、自動的に第2制御弁5のスプール61のストローク規制が行われ、第1アクチュエータ32と第2アクチュエータ25の複合操作性が向上し、しかも、解除スイッチ20を用いてストローク規制を解除できるようにしたので、第2制御弁5のスプール61のストローク規制が必要でない作業では、各種の作業によって、運転者の技量により自由に作業ができるので、作業性が向上する。
また、上記の第1実施例と第2実施例で示したモード選択手段を適宜組み合わせることにより、作業内容に適した複合操作性を更に向上することができる。
【0029】
以上の通り本発明に係る建設機械の制御回路を油圧ショベルに適用した一例として、ホイスト旋回(ブーム上げ+車体の旋回)の時に、ブーム上げ時のブーム操作レバーからのパイロット圧を、第2アクチュエータ(旋回)を制御する第2制御弁の操作部に作用させて、第2アクチュエータの第2制御弁スプールのストローク規制を行う。これにより、第2アクチュエータの第2制御弁のスプール開口面積は、ブーム操作レバーからのパイロット圧に応じて調整し、負荷圧の低い第2アクチュエータの速度を遅くするように制御されるので、第1アクチュエータと第2アクチュエータの複合操作性を向上させるものである。
また、上記の制御を解除させる機能が追加することにより迅速な作業が必要な時に作業性が向上する。
このように制御される技術を、油圧ショベル以外の複数のアクチュエータを同時に複合操作させる制御回路を有する建設機械に適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設機械の制御回路の第1実施例を示す図である。
【図2】同、第1制御弁の操作部を示す図である。
【図3】同、図2のピストン部の拡大図である。
【図4】本発明に係る建設機械の制御回路の第2実施例を示す図である。
【図5】油圧ショベルの側面図である。
【図6】従来の油圧ショベルの制御回路の一例を示す図である。
【図7】従来の油圧ショベルの制御回路の他の例を示す図である。
【図8】同、アーム用制御弁の操作部を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ
2 第1制御弁
2a,2b 操作部
3A,3B 管路
4,4a 管路
5 第2制御弁
5a,5b 操作部
6A,6B 管路
7 パイロットポンプ
8 ブーム操作レバー
8a ブーム用パイロット弁
9 旋回操作レバー
9a 旋回用パイロット弁
10〜14 パイロット管路
11a,11b パイロット分岐管路
14a シャトル弁
15,15A コントローラ
16 モード選択スイッチ
17 可変調整器
18 電磁式切換弁
19a,19b センサ
20 解除スイッチ
23 上部旋回体(車体)
25 第2アクチュエータ(旋回)
30 作業機
31 ブーム
32 第1アクチュエータ(ブーム)
60 弁体
61 スプール
62 バネ
63 スリーブ
64 パイロットケース
65a,65b 第1パイロットポート
66a,66b 第2パイロットポート
67 ピストン
Claims (5)
- 油圧ポンプから吐出する圧油を第1アクチュエータへ供給する第1制御弁、および、第2アクチュエータへ供給する第2制御弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受け、操作レバーの操作に連動して第1制御弁または第2制御弁の操作部にそれぞれ作用させて第1制御弁または第2制御弁を切換える複数の操作パイロット弁とを備えた建設機械の制御回路において、
第1アクチュエータ(32)と第2アクチュエータ(25)の複合操作時に、第1アクチュエータ(32)の作動速度を、第2アクチュエータ(25)の作動速度よりも速くするために第2制御弁(5)へ指令を出力するモード選択手段を備え、
前記モード選択手段は、前記第1制御弁 (2) の操作部 (2a) に作用する第1操作パイロット弁 (8a) の出力パイロット圧を前記第2制御弁 (5) の両操作部 (5a,5b) に作用させて第2制御弁 (5) のスプールのストロークを規制する電磁式切換弁 (18) と、
第1アクチュエータ (32) の作動速度を第2アクチュエータ (25) の作動速度よりも優先させるモードを選択するモード選択スイッチ (16) と、
モード選択スイッチ (16) からの信号を受けて電磁式切換弁 (18) へ開位置または閉位置に制御する指令信号を出力するコントローラ (15) とを備えた
ことを特徴とする建設機械の制御回路。 - 油圧ポンプから吐出する圧油を第1アクチュエータへ供給する第1制御弁、および、第2アクチュエータへ供給する第2制御弁と、パイロットポンプから吐出されるパイロット圧を受け、操作レバーの操作に連動して第1制御弁または第2制御弁の操作部にそれぞれ作用させて第1制御弁または第2制御弁を切換える複数の操作パイロット弁とを備えた建設機械の制御回路において、
第1アクチュエータ (32) と第2アクチュエータ (25) の複合操作時に、第1アクチュエータ (32) の作動速度を、第2アクチュエータ (25) の作動速度よりも速くするために第2制御弁 (5) へ指令を出力するモード選択手段を備え、
前記モード選択手段は、前記第1制御弁 (2) の操作部 (2a) に作用する第1操作パイロット弁 (8a) の出力パイロット圧を前記第2制御弁 (5) の両操作部 (5a,5b) に作用させて第2制御弁 (5) のスプールのストロークを規制する電磁式切換弁 (18) と、
第1アクチュエータ(32)の第1制御弁(2) を切換える第1操作パイロット弁 (8a) の出力パイロット圧を検知する第1検知手段(19a) と、
第2アクチュエータ(25)の第2制御弁(5) を切換える第2操作パイロット弁 (9a) の出力パイロット圧を検知する第2検知手段(19b) と、
第1検知手段(19a) と第2検知手段(19b) からの2つの信号が入力された時は、第2制御弁(5) のスプールのストロークを規制するように電磁式切換弁(18)へ指令を出力するコントローラ(15A)
とを備えた
ことを特徴とする建設機械の制御回路。 - 請求項1または2に記載の建設機械の制御回路において、
第2制御弁(5) のスプールのストローク規制量を可変に調整する可変調整器(17)を備え、
前記コントローラ (15,15A) は、可変調整器(17)からの信号に応じて電磁式切換弁(18)の開口量を制御する指令信号を出力する
ことを特徴とする建設機械の制御回路。 - 請求項1または2に記載の建設機械の制御回路において、
前記第2制御弁(5) の操作部(5a,5b) は、第1制御弁(2) を切換える第1操作パイロット弁 (8a) の出力パイロット圧が導入される第1パイロットポート(65a) と、第2制御弁(5) を切換える第2操作パイロット弁 (9a) の出力パイロット圧が導入される第2パイロットポート(66a) とを設けたパイロットケース(64)と、
このパイロットケース(64)内に配設されるとともに、第2制御弁(5) のスプールの端部に所定距離を有して対向し、かつ、前記第1制御弁(2)からの第1操作パイロット弁 (8a) の出力パイロット圧により押動するピストン(67)とを有し、
電磁式切換弁 (18) を介する前記第1操作パイロット弁 (8a) の出力パイロット圧により前記ピストン(67)を押動して第2制御弁(5) のスプールのストロークを規制する構成からなる
ことを特徴とする建設機械の制御回路。 - 請求項2に記載の建設機械の制御回路において、
第1アクチュエータ(32)と第2アクチュエータ(25)の複合操作時に、第2制御弁(5)のスプールのストローク規制を解除する解除手段(20)を備えた
ことを特徴とする建設機械の制御回路。
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