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JP3763971B2 - 間接押出方法及び間接押出装置 - Google Patents
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JP3763971B2 - 間接押出方法及び間接押出装置 - Google Patents

間接押出方法及び間接押出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的にはアルミニウム,アルミニウム合金その他の金属の間接押出方法及び間接押出装置に関するものである。
さらに具体的には、押出時の製品表面へのエアーの巻き込みによる製品表面のブリスターの発生や、偏肉などを防止することができる間接押出方法及び間接押出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は間接押出装置の従来例を示す断面図である。
コンテナ1は、ケーシング12と、ケーシング12内に設置されたコンテナ本体10と、コンテナ本体10の内周部へ挿入固定されているコンテナスリーブ11とから構成され、図示しないアクチュエータにより所定範囲内を軸方向に沿って作動するように構成されている。
コンテナ1よりも押出方向上流側には、当該コンテナ1の軸心に沿うように、孔空きのラムノーズ20を先端に有しマンドレル21を内部に有する押出ステム2が設置され、この押出ステム2は、図示しないアクチュエータにより所定範囲内を軸方向に沿って作動するように構成されている。
【0003】
コンテナ1よりも押出方向下流側には、当該コンテナ1に面する側へダイスライド4を有するエンドプラテン3が設置されている。
前記ダイスライド4の前記コンテナ1側の面には、コンテナ1側へ押出ダイス50を有するダイステム5が、当該コンテナ1と軸心が一致するように固定されている。
7はコンテナ1内へビレットbを供給するビレットローダであり、図示しないアクチュエータにより、押出方向に対して直交する方向へ作動するようになっている。
【0004】
前記装置を使用して、間接押出方法により例えばパイプ製品を押し出す場合には、先ずコンテナ1をエンドプラテン3側へ移動させて、コンテナ1内にダイステム5を案内させ、この状態でビレットローダ7を作動させてビレットbをコンテナ1と同じ軸心になるように供給する。
次いで、押出ステム2をコンテナ1の方向へ作動させ、熱間押出加工に適する温度に加熱されたビレットbをコンテナ1内に押し込み、コンテナ1を押出方向の逆方向へ移動させるとともに、マンドレル21をその先端が押出ダイス50へセットされるまで移動させる。
以上のようにマンドレル21の先端を押出ダイス50へセットした後、図7のように押出ステム2によりビレットbを加圧してパイプ状の製品aを押し出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の間接押出方法によれば、コンテナ1(コンテナスリーブ11)の内部の断面積と、押し出される製品aの断面積比が比較的小さい場合、すなわち押出比が小さい製品aを押し出す場合(例えば製品aが棒状である場合)、比較的小さい押出圧力で押し出しが開始されるためビレットbがコンテナ1内で充分に押し潰されず、図7のように、ビレットbとコンテナ1の内周面との間には所々にエアーcが残留する。
このように、コンテナ1の内周面とビレットbとの間にエアーcが残留していると、製品aへのエアーの巻き込みにより製品表面にブリスター等の欠陥が発生する。また、コンテナ1内にビレットbが十分に充満していないと、ビレットbとコンテナ1との接触が不安定でビレットbからコンテナ1への熱伝導が不均一になり、メタルフローが不均一になり易いため、図7のように製品aが曲がり易いとともに、パイプ製品にあっては偏肉が大きくなり易い。
【0006】
例えば直接押出装置の場合には、押出ダイスのコンテナ側に面する部分に製品加工部を有しないブロックをセットし、コンテナ内において前記ブロックと押出ステムとでビレットを軸方向へ加圧して完全に押し潰すことにより、前述のような課題を解決することが可能であった。
しかしながら、間接押出装置では、ダイステム5とダイス50との結合部が構造上脆弱であるため、ダイステム5のダイス50側へ図示しないブロックをセットし、コンテナ1内において、前記ブロックと押出ステム2とによりビレットbが完全に押し潰されるまで軸方向へ加圧すると、押し出しに先立って前記ブロックをコンテナ1内から回収することが困難であった。なぜならば、強引にコンテナ内から前記ブロックを回収すると、ダイステム5とダイス50との取付部分が破壊するからである。
【0007】
この発明の目的は、押出比が比較的小さい製品を押出加工する場合、すなわち押出加工度が低い場合でも、押し出しに先立って、ビレットをコンテナ内で軸方向へ加圧して限界まで(完全に)押し潰すことができ、したがって、エアーの巻き込みによる製品表面のブリスター欠陥や、製品の曲がり及び偏肉等を防止することができる間接押出方法を提供することにある。
この発明の他の目的は、前述のような課題を解決し得る間接押出方法を円滑に実施することができる間接押出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による間接押出方法は、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項1に記載の間接押出方法は、
製品加工部を有しない受圧専用ステム6と押出ステム2とによりコンテナ1内でビレットbを軸方向へ加圧してビレットbの全外周面がコンテナ1の内周面へ隙間なく密着した状態になるまで押し潰す第1の工程と、
前記受圧専用ステム6をコンテナ1内から脱出させてコンテナ1の押出方向前方部分を開放し、この開放部分へダイステム5を案内して当該ダイステム5の端部の押出ダイス50を前記ビレットbへ接触させ、ダイステム5の端部の押出ダイス50と前記押出ステム2とにより、コンテナ内で前記ビレットbを加圧して製品aを押し出す第2の工程とを含むことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の間接押出方法は、請求項1の間接押出方法において、前記ビレットbがホロービレットであり、前記第1の工程においては、押出ステム2の内部に備えたマンドレル21を、当該マンドレル21の先端が前記受圧専用ステム6の端部へ到達又は近接するまで前記ビレットbのホローb1内へ挿入し、この挿入状態で前記ビレットbを加圧することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の間接押出方法は、請求項1又は2の間接押出方法において、前記第1の工程の前に、前記受圧専用ステム6のコンテナ1側に面する端部へクリーニング用ブロック8をセットし、前記コンテナ1を軸方向に移動させて当該コンテナ1内のビレットかすを前記クリーニング用ブロック8により除去し、さらに、前記クリーニング用ブロック8を回収する予備工程を含むことを特徴としている。
【0011】
この発明による間接押出装置は、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項4に記載の間接押出装置は、
押出方向に沿って可動に設置されたコンテナ1と、
前記コンテナ1の押出方向上流側へ押出方向に沿って可動に設置された押出ステム2と、
前記コンテナ1よりも押出方向下流側に設置されたエンドプラテン3と、
前記エンドプラテン3の前記コンテン1へ面する側へ前記押出方向と直交する方向へ可動状態に設置されたダイスライド4と、
前記押出方向と直交する方向へ可動に設置され、ビレットbを前記コンテナ1に対して供給するビレットローダ7と、
前記ダイスライド4へ押出方向に沿って固定され、コンテナ1側の端部へ押出ダイス50を有するダイステム5と、
前記ダイスライド4へダイステム5と平行するように固定され、前記コンテナ1が押出方向に沿って移動するときに当該コンテナ1と干渉しないように前記ダイステム5との間隔が設定されている受圧専用ステム6と、
前記ダイステム5と前記受圧専用ステム6とを、前記コンテナ1に対して押出方向へ一致するように選択的に位置させるべく前記ダイスライド4を作動させるアクチュエータ40と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の間接押出装置は、請求項4の間接押出装置において、前記受圧専用ステム6は前記コンテナ1側に面して固定された受圧ブロック60を備えていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図6を参照しながら、この発明による間接押出方法及び間接押出装置の好ましい実施形態を説明する。
第1実施形態
図1はこの発明による第1実施形態の間接押出装置の概略断面図、図2は図1の実施形態の装置においてビレットが受圧専用ステムと押出ステムで挟まれた状態の部分断面図、図3は図2の状態からビレットがコンテナ内において受圧専用ステムと押出ステムにより軸方向へ加圧された状態の部分断面図、図4は図3の状態からコンテナ及び押出ステムが後退し、受圧専用ステムに代わってダイステムがコンテナと同軸上にセットされた状態の部分断面図、図5は図4の状態からビレットが押出ステムにより押出ダイスへ加圧され、製品が押し出されている状態の部分断面図である。
【0014】
ケーシング12と、このケーシング12内に設置されたコンテナ本体10と、コンテナ本体10内に固定されたコンテナスリーブ11とからなるコンテナ1は、軸方向に沿って可動に設置されており、図示しないアクチュエータにより、所定の範囲内を軸方向に沿って移動しうるように構成されている。
コンテナ1の押出方向上流側には、先端に孔開きのラムノーズ20を有するとともに内部にマンドレル21を有する押出ステム2が、同軸上に位置するように可動に設置され、この押出ステム2は、図示しないアクチュエータにより所定範囲内を軸方向に沿って移動し得るように構成されている。
【0015】
コンテナ1よりも押出方向下流側には、同軸上にエンドプラテン3が設置され、このエンドプラテン3のコンテナ1へ面する側には、押出方向と直交する方向へ可動状態にダイスライド4が設置されている。
前記ダイスライド4のコンテナ1側には、押出方向後端部へ押出ダイス50を有するダイステム5と、押出方向後端部へ前記コンテナ1内へ挿入し得る受圧ブロック60を有する受圧専用ステム6とが、押出方向へ沿うように平行に固定されている。受圧ブロック60は、受圧専用ステム6の端部へねじ込まれるか、あるいはボルトその他のネジにより、取替え可能にかつ強固に固定されている。
前記ダイスライド4には、前記ダイステム5と前記受圧専用ステム6のいずれかを、前記コンテナ1と同軸上に一致するように選択的に移動させるべく作動させるアクチュエータ40が設置されている。
【0016】
前記ダイステム5と受圧専用ステム6との間隔は、ダイステム5又は受圧専用ステム6のいずれかの一方がコンテナ1と同軸上に位置する状態で、コンテナ1がダイスライド4へ近接するまで移動したとき、当該コンテナ1がダイステム5又は受圧専用ステム6のいずれかの他方と干渉しない程度に設定されている。
コンテナ1の周方向の近傍にはビレットローダ7が設置され、このビレットローダ7は、アクチュエータ70により、コンテナ1がダイスライド4側へ移動した状態で、当該コンテナ1の押出方向上流側へビレットbを供給するように作動する。
【0017】
次に図1〜図5を参照しながら、前記実施形態の間接押出装置により、アルミニウム合金ビレットを使用した間接押出方法の一例を説明する。
第1の工程
先ず、アクチュエータ40により、受圧専用ステム6がコンテナ1と同軸上に位置するようにダイスライド4を作動させ、コンテナ1を図1の状態からダイスライド4の方向へ移動させて、図2のように受圧専用ステム6をコンテナ1内に案内する。
次いで、ビレットローダ7により、軸心部にホローb1を有し、熱間押出に適する温度に加熱された円筒状のビレットbをコンテナ1と同軸上に位置するように供給し、押出ステム2をコンテナの方向へ移動させて、受圧専用ステム6の受圧ブロック60とラムノーズ20とでビレットbを挟むとともに、コンテナ1を図3のように押出ステム2の方向へ移動させ、マンドレル21をその先端部が受圧ブロック60から約50mm前後に近づくまでビレットbのホローb1内へ挿入する。
さらに押出ステム2により、ビレットbを受圧ブロック60の方向へ加圧し、ビレットbの全外周面が、受圧ブロック60とラムノーズ20との間でコンテナ1の内周面へ隙間なく密着した状態になるまで押し潰す
このようにビレットbをコンテナ1内で軸方向へ加圧して前記のように押し潰すとビレットbとコンテナ1との間にエアー溜りは皆無になる。
【0018】
第2工程
先ず、ラムノーズ20及びマンドレル21を含む押出ステム2とコンテナ1とを、同調して押出方向上流側へ移動させることにより、受圧専用ステム6をコンテナ1内から脱出させてコンテナ1の押出方向前方部分を開放する。その後アクチュエータ40により、図4のようにダイステム5がコンテナ1と同軸上に位置するようにダイスライド4を作動させる。
次いで、ラムノーズ20及びマンドレル21を含む押出ステム2とコンテナ1とを、ビレットbの先端部が押出ダイス50と接触するまで同調して押出方向へへ移動させ、さらに、図5のようにマンドレル21をその先端部が押出ダイス50内にセットされるまで押出方向へ移動させる。
この状態で、押出ステム2によりビレットbを押出ダイス50側へ加圧し、パイプ状の製品aを押し出す。
【0019】
以上の形態の間接押出方法によれば、第1の工程においてビレットbをコンテナ1内で軸方向へ限界まで加圧すると、ビレットbはその全外周面が、受圧ブロック60とラムノーズ20との間でコンテナ1の内周面へ隙間なく密着した状態になり、ビレットbとコンテナ1との間でのエアー溜りは皆無になる。
したがって、第1に、第2の工程で押し出した製品aの表面にはアエーの巻き込みによるブリスター欠陥は生じない。
第2に、メタルフローがより均一になるため、製品aの曲がりが少なくなるとともに、パイプ状の製品の場合には偏肉がより小さくなる。
第3に、第1の工程でビレットbをコンテナ1内で軸方向へ限界まで加圧する時、ダイステム5とは別の受圧専用ステム6を使用するので、ダイステム5の構成上の強度限界に全く左右されないで、コンテナ1内においてビレットbを強く加圧圧縮することができるとともに、ビレットbを加圧圧縮した後に受圧ブロック60を含む受圧専用ステム6のコンテナ1内からの回収が可能になった。
【0020】
前記実施形態の間接押出装置によれば、第1に、ダイスライド4にダイステム5と受圧専用ステム6とを固定し、ダイスライド4を押出方向に対して直交する方向へ作動させることにより、受圧専用ステム6をコンテナ1と同軸上に位置させたり、ダイステム5をコンテナ1と同軸上に位置させたりするように構成したので、コンテナ1に対するダイステム5と受圧専用ステム6とのセットの切換えが非常に円滑に行われる。
したがって、前記形態の間接押出方法を円滑に実施することができる。
第2に、受圧専用ステム6には、コンテナ1側に当該ステムの受圧部を構成する受圧ブロック60を固定したので、受圧専用ステム6の受圧部が磨耗したときには、受圧ブロック60を取り替えることによって受圧専用ステム6の受圧部を更新することができ、そのメンテナンスが極めて容易になる。
【0021】
前記実施形態の装置で説明したように、第1の工程でコンテナ1内においてビレットbを軸方向に加圧して限界まで押し潰した後、コンテナ1及び押出ステム2を押出方向後方へ後退させて受圧専用ステム6をコンテナ1外に回収する(コンテナ1内の押出方向前方側を開放する)必要があるので、受圧専用ブロック6の端部に受圧ブロック60を設ける場合、この受圧ブロック60を受圧専用ステム6に対して充分強固に固定することが必要である。
その固定要領は、前述のようなネジ込みないしはボルトによる固定が好ましいが、通常のダイステムの押出ダイス保持用のツールコンテナを使用することもできる。
【0022】
前記押出装置及び押出方法では、新たなビレットbをコンテナ1内へ供給する都度ダイスライド4を移動させるため、製品aの押し出しが終了する毎に押出ダイズ50から製品aを抜き取る必要がある。
したがって、エンドプラテン3よりも押出方向前方側へ製品抜取装置ないし製品プラーを設置し、ダイスライド4での製品切断による歩留り低下を防止するのが好ましい。
また、受圧専用ステム6及び受圧ブロック60は、ビレットbの加圧時に当該ビレットaの温度低下を防止するためには、コンテナ1内に挿入される前に予熱処理するのが好ましいが、実用上は予熱処理を行わなくても実施できる。
【0023】
前記実施形態の間接押出装置において、パイプ押出には複動式プレスを用いることが望ましいが、受圧専用ステム6の受圧ブロックにあらかじめマンドレル21の端部を差し込む穴(図示しない)を形成しておけば、押出ステムとマンドレルが共通のアクチュエータをもっている単動式プレスによっても実施することができる。
パイプ押出の場合に複動式プレスを使用する場合には、受圧専用ステム6を使用してビレットbを押し潰す際のマンドレル停止位置と、製品押出時のマンドレル停止位置とを別々に設定しておく必要がある。また、ホローを有するビレットbを押し潰す際は、マンドレル先端部をできるだけ受圧ブロック60へ近づけるのが好ましい。
【0024】
第2実施形態
図6の(A),(B),(C)の各図を参照しながら、この発明による間接押出装置及び方法の第2実施形態を説明する。
図6の(A)図は予備工程が行われる直前の状態を示す間接押出装置の部分断面図、同(B)図は予備工程が行われている途中の状態を示す間接押出装置の部分断面図、同(C)図は予備工程が終了して第1工程に移行した状態の間接押出装置の部分断面図である。
【0025】
この実施形態は、直前の押し出しによりコンテナ1内にビレットかすが残留している際に、これを除去し、効率的に第1工程へ移行できるように構成したものである。
予備工程
図6の(A)図のように、製品を押し出した直後には、コンテナ1内にビレットかすb2が残留している。
ラムノーズ20及びマンドレル21を含む押出ステム2とコンテナ1とを、押出方向上流側へそれぞれ必要量後退させ、アクチュエータ40によりダイスライド4を作動させて、(A)図のように、受圧専用ステム6をコンテナ1と同軸上に移動させ、図示しない自動セット装置により、受圧ブロック60の端部へクリーニング用ブロック8をセットする。クリーニング用ブロック8の外径は、室温においてコンテナ1の内径(コンテナスリーブ11の内径)よりもやや大きくなるように設定されている。
次いで、コンテナ1を(B)図のように押出方向下流側へ移動させ、クリーニング用ブロック8によって前記コンテナ1内に残留していたビレットかすb2を、当該コンテナ1の押出方向上流側より回収装置9によって除去するとともに、コンテナ1の押出方向上流側へ露出したクリーニング用ブロック8を、前記自動セット装置により回収する。
この状態で、(C)図のようにビレットローダ7により新たな加熱済のビレットbをコンテナ1の後方に供給し、このビレットbを受圧専用ステム6の受圧ブロック60と押出ステム2とで挟み、前述の第1の工程へ移行する。
【0026】
前述の予備工程により、押出後コンテナ1内からビレットかすなどが除去されて、製品aの押出時にビレットかす片が製品aの表面に付託するのを防止することができるとともに、(C)図でしめすようにクリーニング終了時には受圧専用ステム6がコンテナ1内に案内されているので、前記予備工程から第1の工程へ極めて迅速かつ円滑に移行することができる。
【0027】
第2実施形態では、クリーニング用ブロック8の外径は、冷間においてコンテナスリーブの内径よりも若干大きいのが好ましく、冷間のまま又は適当な温度に予熱して使用することができる。
前記予備工程は、各ビレットbの押出毎に実施するのが好ましいが、ビレットbの合金変更時又はビレット長変更時にのみ実施しても充分効果がある。
【0028】
実施例1
JIS−3003合金による円筒状のホロービレット(外径φ400mm、内径φ102mm、長さ800mm)を2本使用し、以下の要領で製品を押出加工した。先ずビレットそれぞれを450℃に加熱後、受圧専用ステム先端の受圧ブロックと押出ステム先端のラムノーズで挟んでコンテナに挿入し、マンドレルを受圧ブロックの手前50mmまで挿入後、150kg/cm2 で加圧してビレットを限界まで押し潰した(第1の工程)。
次いで、コンテナ,押出ステム,マンドレルを同調させて押出方向後方に後退させた後、ダイスライドを移動させて、φ135mmの製品加工部を有する押出ダイスを結合したダイステムをコンテナと同軸上に位置させた。そして、再度コンテナ,押出ステム及びマンドレルを、ビレット端面が押出ダイス面と接触するまで同調させて押出方向に前進させ、マンドレルをさらに80mm前進させてその先端を押出適正位置にセットし、外径φ135mm,内径φ100mmのパイプ製品を押し出した(第2の工程)。
【0029】
比較例(従来例)1
実施例1と同様な2本のビレットを使用し、各ビレットそれぞれを450℃に加熱後、φ135mmの製品加工部を有する押出ダイス付のダイステムと押出ステム先端のラムノーズで挟んでコンテナ内に挿入し、マンドレル先端を押出適正位置にセットし、外径φ135mm,内径φ100mmのパイプ製品を押し出した。
【0030】
前述の各押出パイプを長さ2000mm毎に切断し、同一断面における製品肉厚の最大値と最小値との差を偏肉値とし、押出長さ方向の偏肉の推移を調べた。その結果は表1のとおりであった。
表1の結果のとおり、押出頭及び各長さ位置での偏肉値及び長さ方向の偏肉のバラツキは、本発明の実施例の方が比較例よりもはるかに小さかった。
【0031】
【表1】
Figure 0003763971
【0032】
実施例2
いずれもJIS−6063合金であって、外径φ400mm,長さ650mmの円柱状のビレット2本と、外径400mm,長さ850mmの円柱状のビレット2本を使用して、製品を以下の要領で押出加工した。
冷間での外径408.8mmのクリーニング用ブロックを使用して、冷間での内径406.0mmのコンテナ内をクリーニングした後、先ず450℃に加熱されたビレットそれぞれを、受圧専用ステム先端の受圧ブロックと押出ステム先端のラムノーズで挟んでコンテナに挿入し、180kg/cm2 で加圧してビレットを限界まで押し潰した(第1の工程)。
次いで、コンテナと押出ステムを同調させて押出方向後方に後退させた後、ダイスライドを移動させて、φ135mmの製品加工部を有する押出ダイスを結合したダイステムをコンテナと同軸上に位置させた。そして、再度コンテナと押出ステムを、ビレット端面が押出ダイス面と接触するまで同調させて押出方向に前進させ、外径φ135mmの丸棒状の製品を押し出した(第2の工程)。
【0033】
比較例(従来例)2
実施例2と同様な各2本のビレットを使用し、各ビレットそれぞれについて、450℃に加熱後、φ135mmの製品加工部を有する押出ダイス付のダイステムと押出ステム先端のラムノーズで挟んでコンテナ内に挿入し、外径φ135mmの丸棒状の製品を押し出した。
【0034】
前述の各押出丸棒を常法により容体化処理した後、長さ650mmのビレットを使用したものについては製品長さ5mについて、長さ850mmのビレットを使用したものについては製品長さ6.5mについて、それぞれ製品表面のブリスター欠陥数を調べた。その結果は表2のとおりであった。
表2の結果のとおり、本発明の実施例では製品表面のブリスター欠陥は認められなかった。これに対し、比較例ではブリスター欠陥が発生し、特にビレット長変更後のビレット長さ850mmのものを使用したケースでブリスター欠陥が多く、ビレット長変更によるコンテナ内のビレットカスの影響が顕著であった。
また、本発明の実施例による製品よりも比較例による製品の曲がりが大きかった。
【0035】
【表2】
Figure 0003763971
【0036】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る間接押出方法によれば、第1の工程においてビレットbをコンテナ1内で軸方向へ限界まで加圧することにより、ビレットbはその外周面がコンテナ1の内周面へ隙間なく密着した状態になり、ビレットbとコンテナ1との間でエアー溜りは生じない。
したがって、第1に、第2の工程で押し出した製品aの表面にはエアーの巻き込みによるブリスター欠陥は生じない。また、メタルフローがより均一になって製品の曲がりがより小さくなる。
第2に、第1の工程でビレットbをコンテナ1内で軸方向へ限界まで加圧する時、ダイステム5とは別の受圧専用ステム6を使用するので、ダイステム5の構成上の強度限界に全く左右されないで、コンテナ1内においてビレットbを強く加圧圧縮することができるとともに、ビレットbを加圧圧縮した後に受圧部材のコンテナ1内からの回収が容易になった。
【0037】
請求項2の発明に係る間接押出方法によれば、パイプ状製品の押出の際メタルフローががより均一になるため、製品の曲がりが少なくなるとともに偏肉がより小さくなる。
【0038】
請求項3の発明に係る間接押出方法によれば、前記第1の工程の前の予備工程によって、ビレットかすがコンテナ1内から完全に除去されるので、製品表面のブリスター欠陥その他の表面欠陥の発生をさらによく防止することができる。
【0039】
請求項4の発明に係る間接押出装置によれば、第1に、ダイスライド4にダイステム5と受圧専用ステム6とを固定し、ダイスライド4を押出方向に対して直交する方向へ作動させることにより、受圧専用ステム6をコンテナ1と同軸上に位置させたり、ダイステム5をコンテナ1と同軸上に位置させたりするように構成したので、コンテナ1に対するダイステム5と受圧専用ステム6とのセットの切換えが非常に円滑に行われる。
したがって、前記形態の間接押出方法を円滑に実施することができる。
【0040】
請求項5の発明に係る間接押出装置によれば、受圧専用ステム6には、コンテナ1側に当該ステムの受圧部を構成する受圧ブロック60を固定したので、受圧専用ステム6の受圧部が磨耗したときには、受圧ブロック60を取り替えることによって受圧専用ステム6の受圧部を更新することができ、そのメンテナンスが極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による第1実施形態の間接押出装置の概略断面図である。
【図2】図1の実施形態の装置においてビレットが受圧専用ステムと押出ステムで挟まれた状態の部分断面図である。
【図3】図2の状態からビレットがコンテナ内において受圧専用ステムと押出ステムにより軸方向へ加圧された状態の部分断面図である。
【図4】図3の状態からコンテナ及び押出ステムが後退し、加圧専用ステムに代わってダイステムがコンテナと同軸上にセットされた状態の部分断面図である。
【図5】図4の状態からビレットが押出ステムにより押出ダイスへ加圧され、製品が押し出されている状態の部分断面図である。
【図6】(A)図は予備工程が行われる直前の状態を示す間接押出装置の部分断面図、同(B)図は予備工程が行われている途中の状態を示す間接押出装置の部分断面図、同(C)図は予備工程が終了して第1工程に移行した状態の間接押出装置の部分断面図である。
【図7】間接押出装置の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
a 製品
b ビレット
b1 ホロー
b2 ビレットかす
1 コンテナ
10 コンテナ本体
11 コンテナスリーブ
12 ケーシング
2 押出ステム
20 ラムノーズ
21 マンドレル
3 エンドプラテン
4 ダイスライド
40 アクチュエータ
5 ダイステム
50 押出ダイス
6 受圧専用ステム
60 受圧ブロック
7 ビレットローダ
70 アクチュエータ
8 クリーニング用ブロック
9 回収装置

Claims (5)

  1. 製品加工部を有しない受圧専用ステム(6)と押出ステム(2)とによりコンテナ(1)内でビレット(b)を軸方向へ加圧してビレット(b)の全外周面がコンテナ(1)の内周面へ隙間なく密着した状態になるまで押し潰す第1の工程と、
    前記受圧専用ステム(6)をコンテナ(1)内から脱出させてコンテナ(1)の押出方向前方部分を開放し、この開放部分へダイステム(5)を案内して当該ダイステム(5)の端部の押出ダイス(50)を前記ビレット(b)へ接触させ、ダイステム(5)の端部の押出ダイス(50)と前記押出ステム(2)とにより、コンテナ(1)内で前記ビレット(b)を加圧して製品(a)を押し出す第2の工程とを含むことを特徴とする、
    間接押出方法。
  2. 前記ビレット(b)はホロービレットであり、前記第1の工程においては、押出ステム(2)の内部に備えたマンドレル(21)を、当該マンドレル(21)の先端が前記受圧専用ステム(6)の端部へ近接するまで前記ビレット(b)のホロー(b1)内へ挿入し、この挿入状態で前記ビレット(b)を加圧することを特徴とする、請求項1に記載の間接押出方法。
  3. 前記第1の工程の前に、前記受圧専用ステム(6)のコンテナ(1)側に面する端部へクリーニング用ブロック(8)をセットし、前記コンテナ(1)を軸方向に移動させて当該コンテナ(1)内のビレットかす(b2)を前記クリーニング用ブロック(8)により除去し、さらに、前記クリーニング用ブロック(8)を回収する予備工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の間接押出方法。
  4. 押出方向に沿って可動に設置されたコンテナ(1)と、
    前記コンテナ(1)の押出方向上流側へ押出方向に沿って可動に設置された押出ステム(2)と、
    前記コンテナ(1)よりも押出方向下流側に設置されたエンドプラテン(3)と、
    前記エンドプラテン(3)の前記コンテン(1)へ面する側へ前記押出方向と直交する方向へ可動状態に設置されたダイスライド(4)と、
    前記押出方向と直交する方向へ可動に設置され、ビレット(b)を前記コンテナ(1)に対して供給するビレットローダ(7)と、
    前記ダイスライド(4)へ押出方向に沿って固定され、コンテナ(1)側の端部へ押出ダイス(50)を有するダイステム(5)と、
    前記ダイスライド(4)へダイステム(5)と平行するように固定され、前記コンテナ(1)が押出方向に沿って移動するときに当該コンテナ(1)と干渉しないように前記ダイステム(5)との間隔が設定されている受圧専用ステム(6)と、
    前記ダイステム(5)と前記受圧専用ステム(6)とを、前記コンテナ(1)に対して押出方向へ一致するように選択的に位置させるべく前記ダイスライド(4)を作動させるアクチュエータ(40)と、を備えたことを特徴とする、
    間接押出装置。
  5. 前記受圧専用ステム(6)は前記コンテナ(1)側に面して固定された受圧ブロック(60)を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の間接押出装置。
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