JP3766154B2 - Ct用撮影条件決定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線コンピュータ断層撮影装置(以下、「CT」と略称する)に用いられ、最適な撮影条件を決定するCT用撮影条件決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような装置の従来例としては、本願出願人の出願にかかる特公平6−36793号公報(特願昭63−124493)に記載のX線CTスキャナがある。このX線CTスキャナは、被検体の体軸方向におけるスライス位置設定にのみ用いられてきたスキャノグラムを用いて撮影条件を自動的に決定するものである。すなわち同スキャナは、撮影されたスキャノグラム上に線ROIを配置し、この線ROI上におけるX線透過データの積算値(面積)に基づいて撮影条件を決定している。
【0003】
一般にCTでは、スライス幅を変化させてスライス像を撮影することが可能となっている。しかしながら上記従来例においては、スライス幅の変化に応じた最適な撮影条件を得ることができず、例えば被検体に対し不必要な被爆を与えてしまうという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に対処すべくなされたものであり、スライス幅の変化といった吸収指標の変化によらず画像ノイズ(SD)を一定とした上で、被検体に対し不必要な被爆を与えることがないような撮影条件を決定できるCT用撮影条件決定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るCT用撮影条件決定装置は、画像ノイズ及び第1の画像に対するスライス幅を指定する指定手段と、X線透過データ量と画像ノイズと撮影条件とを対応付けた撮影条件データを記憶する記憶手段と、前記第1の画像に対する前記スライス幅に対応する領域内のX線透過データ量と前記撮影条件データとから、スライス幅が小さくなるとX線量を上昇させ、又はスライス幅が大きくなるとX線量を低下させて、指定された前記画像ノイズの画像を得るように指定された前記スライス幅に応じて管電流を決定する撮影条件決定手段と、を具備するものとなっている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明によるCT用撮影条件決定装置の一実施形態を説明する。図1は本実施形態の概略構成を示すブロック図である。本実施形態は、所望のスライスを指定するためのスキャノグラム撮影を行った後、指定されたスライスにおける被検体のスライス像撮影を行なうCTシステムである。
【0007】
本実施形態によるCTは、被検体3がその上に載置される寝台2と、被検体3に扇状のX線ビ−ムを曝射するX線管1と、複数の検出素子が円弧状に配列された検出器アレイ4とを有している。X線管1と検出器アレイ4とは被検体3を挟むように対向して図示しない回転リングに装備されている。データ収集部5は後述するシステム制御部8により制御され、検出器アレイ4の各素子の出力を個々に増幅し、これをディジタル値に変換して出力するものである。
【0008】
スキャノグラムは、X線管1と検出器4とを定位置に固定させた状態(回転を停止した状態)において寝台2を移動させながらX線の曝射及びデータ収集を繰返すことによって得られる。つまりスキャノグラムとは、X線管1から曝射されたX線のパスに対応するX線吸収情報の二次元分布として定義する。スライス像撮影とは、寝台2を駆動することにより所定のスライス位置に被検体3を移動させ、このスライス位置に被検体3を静止させた状態において、X線管1と検出器4とを保持するガントリを回転駆動させ、被検体3に多方向からX線を曝射して撮影を行うことを言う。
【0009】
X線管制御部6はシステム制御部8により制御されX線管1に高電圧を供給すると共に、システム制御部8から指示された撮影条件に従ってX線管1を制御する。X線撮影における「撮影条件」とは、一般に、X線管の管電圧、管電流、スキャン時間等を指すものであるが、特に本実施形態では撮影条件として「管電流」を考慮する。すなわち本実施形態において撮影条件を変化させることはX線管1の管電流を変化させることに相当する。機構制御部7はシステム制御部8により制御され上述の回転リングを含むガントリ機構を制御するものである。なおスキャノグラム撮影のために、機構制御部7はX線管1および検出器4を停止させたまま寝台2を駆動制御することもできるように構成されている。システム制御部8は上記CT各部(データ収集部5、X線管制御部6、機構制御部7)の動作タイミングを制御するものであると共に、撮影条件決定部12により決定された撮影条件に基づいて上記X線管制御部6を制御するものとなっている。
【0010】
スキャノグラム作成部9は、データ収集部5から出力された各素子の出力データに、その素子の位置及び寝台の位置を与えることによりスキャノグラムを作成する。画像再構成部10は、スライス像撮影を行なった際にデータ収集部5から出力された多方向の投影データに対し画像再構成に必要なフィルタ関数とのコンボリューション演算、バックプロジェクション演算を含む再構成演算を行って被検体3のスライス像(断層像)を再構成するものである。
【0011】
表示部11はスキャノグラム作成部9により作成されたスキャノグラムおよび画像再構成部10により作成されたスライス像を表示するものである。また表示部11はスライスの設定(後述する)を行なう際に用いる矩形ROIマーカを、スキャノグラムに重畳させて表示することが可能となっている。
【0012】
入力部13はキーボードあるいはマウス等の入力手段からなり、上記矩形ROIマーカの制御入力、および所望の画像ノイズの標準偏差(SD:standard deviation)の値、FOV(視野)に係るS、L領域の選択、等を行なうものである。また、メモリ14は所定のアドレスに撮影条件決定用データを記憶保持するものである。
【0013】
撮影条件決定部12は、スキャノグラム作成部9により作成されたスキャノグラムおよび入力部13によるスライス位置、傾き、幅に基づいてメモリ14の記憶内容を参照し撮影条件を決定してシステム制御部8に出力するものである。
【0014】
以上のように構成された実施形態の動作について図2のフロ−図を参照して説明する。ステップS1において、スキャノグラム撮影が行われる。すなわち、システム制御部8はX線管1と検出器4とを定位置に固定させた状態において寝台2を移動させ、X線管1は被検体3にX線をくり返し曝射する。データ収集部5はX線の曝射に同期して検出器アレイ4からの出力データを個々に積分し、X線透過データとして出力する。スキャノグラム作成部9は、データ収集部5から出力されたX線透過データに基づき被検体3のスキャノグラムを作成する。作成されたスキャノグラムは表示部11にて表示に供される。また作成されたスキャノグラムは、撮影条件決定部12にも出力される。
【0015】
図3の(a)は、ステップS1により作成され表示部11により表示された被検体3のスキャノグラムの一例を模式的に示す図である。また同図には、続くステップS2によるスライスの位置、傾き、幅の設定のために用いる矩形ROIがスキャノグラムに重畳されて表示される場合が示されている。なおDPはROIの軸方向、DWはROIの幅方向を表している。なお図3の(b)は矩形ROIに対応する二次元領域におけるX線透過データの空間的変化を示している。なお画素値は、スキャノグラムのX線透過データである。
【0016】
ステップS2において、スライスの位置、傾き、幅を入力することにより操作者によるスライスの設定が行われる。また操作者により、所望の画像ノイズ(SD)の入力、FOV(視野)の領域選択(S領域またはL領域)が行われる。スライスの位置、傾き、幅、の入力は、操作者が入力部13を用いて上記矩形ROIを制御することにより行なう。
【0017】
そしてステップS3において、撮影条件決定部12により撮影条件決定処理が行われ、ステップS4においてスライス像の撮影が行われる。図4は撮影条件決定処理に係る撮影条件決定部12の動作を示すフロー図である。
【0018】
まずステップS10において、スキャノグラム作成部9により作成されたスキャノグラムが撮影条件決定部12に入力される。またステップS11において、操作者が入力部13を用いて入力したスライスの位置、傾き、幅、が撮影条件決定部12に入力される。
【0019】
次にステップS12において、図3(b)に示した矩形ROIに対応する二次元領域内のX線透過データの空間的変化の体積が計算される。つまり、矩形ROI内の透過データが積算される。
【0020】
次にステップS13において、操作者が入力部13を用いて入力した画像ノイズ(SD)の値及びFOV(視野)の領域の選択内容を入力する。
そしてステップS14において、上記ステップS12において計算されたROI内の体積値と、上記ステップS13において入力された画像ノイズ(SD)の値とに基づいてメモリ14の参照アドレスを作成する。メモリ14の参照アドレス先には、上記ROI内の体積値及び画像ノイズ(SD)に応じた撮影条件決定用データ(管電流の値)が記憶されている。
【0021】
図5はROI内の吸収指標に対する画像ノイズ(SD)によって表される撮影条件決定用標準曲線を示すグラフである。ここで吸収指標とは、ROI内の各ピクセルにおける信号値の累積した値である。つまり、ここに示す数値は、ピクセル毎に検出されるX線量を数値化し、これをROI内に含まれるピクセル全てにわたって加算した値である。なお、この吸収指標は、図3(b)の矩形ROIに対応する二次元領域内のX線透過データの空間的変化の体積に相当する。
【0022】
なお、同図(a)は上記FOVのS領域を選択した場合のものであり、同図(b)は上記FOVのL領域を選択した場合のものである。図5において、吸収指標の数値がL領域の方が小さいのは、視野におけるピクセル数はROIの領域の大小に係わらず一定であることと、スキャノグラム特有の線量分布による。
【0023】
つまり、設定されるROIからの情報は所定ピクセル数(例えば512×512ピクセル)からなる情報として後段の画像処理等に供され、ROIの大小とは関係がない。すると、被検体の大きさよりも十分小なるS領域のROI設定の場合は視野内の全てのピクセルにて被検体の吸収情報を得ることとなるが、被検体の大きさよりも大なるL領域のROI設定の場合は視野内の被検体にかかる一部のピクセルから被検体の吸収情報を得るのみである。よって、吸収指標はS領域の方が大きい。また、S領域、L領域ともたとえ被検体の大きさの中に含まれようとも、スキャノグラム特有の線量分布(X線パスの中央部ほどX線強度が高く周辺ほど低い)により、通常中央部付近に設定されるS領域のROIは高い強度分布のX線を多くのピクセルで受容することとなり、よってS領域の吸収指標は大きくなる。
【0024】
図5(a)(b)の各々のグラフには、管電流に応じた複数系列(30mA〜330mA)の曲線が示されている。そして、ROI内の体積値(吸収指標値)と画像ノイズ(SD)の値とによって決まる同グラフ上の点に近接する曲線が最適な撮影条件を与えるものとなっている。さらに詳しく言うと、ROI内の吸収指標値において、指定された画像ノイズ(SD)の値以下の領域で、最も管電流の低い曲線が最適な撮影条件を与える曲線である。
【0025】
一般にCTでは、スライス幅を変化させてスライス像を撮影することが可能となっているが、このスライス幅の変化に応じて、画像ノイズ(SD)が変化してしまう。たとえ同一のX線量であっても、スライス幅を小さくすると、画像ノイズの(SD)が増加し画像情報量が減少する。逆にスライス幅を大きくすると、画像ノイズの(SD)が減少し画像情報量が増加する。つまり同一の画像情報量を得んとする場合、スライス幅を大きくする際はX線量を低下させても良いことを意味する。しかしながら従来ではこのことが考慮されることなく同一の撮影条件(管電流)が用いられており、したがって被検体に対し不必要な被爆を与えるという事態を招いている。
【0026】
しかしながら本実施形態においては、少なくとも指定された画像ノイズ(SD)の画像を得るという前提で、可能な限りX線量を低く抑えるような撮影条件を、上記したような標準曲線に基づいて決定するようにしている。これにより被検体に対して不必要な被爆が与えられることを防ぐことができる。
【0027】
メモリ14はこのような標準曲線に基づく撮影条件決定用データを記憶保持するものである。そしてステップS15において、上記ステップS14において作成された参照アドレスによりメモリ14の所定のアドレスに記憶保持されている撮影条件決定用データを参照することにより最適な撮影条件が決定される。
【0028】
上記ステップS4においてスライス像を撮影するに当たっては、システム制御部8は撮影条件決定部12により決定された撮影条件に基づいてX線管制御部6を制御しX線管1はX線管制御部6により制御された管電流でX線を曝射する。
【0029】
このような本実施形態によれば、画像ノイズ(SD)の値を入力すると、スライス幅の変化といった吸収指標の変化によらず、この画像ノイズ(SD)を実現し、その上で被検体の被爆量を最低限に抑えるような最適な撮影条件を決定できる。さらに本実施形態によれば、FOV(ここではSまたはL領域とした)にも応じているので、より最適な撮影条件決定が行える。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず種々変形して実施可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スライス幅の変化といった吸収指標の変化によらず画像ノイズ(SD)を一定とした上で、被検体に対し不必要な被爆を与えることがないような撮影条件を決定できるCT用撮影条件決定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCT用撮影条件決定装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】上記実施形態の動作を示すフロー図。
【図3】スキャノグラム上に指定されたROIを模式的に示す図および当該ROI上のスキャノグラムの画素値を示すグラフ。
【図4】撮影条件決定部の動作を示すフロー図。
【図5】ROI内の吸収指標に対する画像ノイズ(SD)によって表される撮影条件決定用標準曲線を示すグラフ。
【符号の説明】
1…X線管
2…寝台
3…被検体
4…検出器アレイ
5…データ収集部
6…X線管制御部
7…機構制御部
8…システム制御部
9…スキャノグラム作成部
10…画像再構成部
11…表示部
12…撮影条件決定部
13…入力部
14…メモリ
Claims (3)
- 画像ノイズ及び第1の画像に対するスライス幅を指定する指定手段と、
X線透過データ量と画像ノイズと撮影条件とを対応付けた撮影条件データを記憶する記憶手段と、
前記第1の画像に対する前記スライス幅に対応する領域内のX線透過データ量と前記撮影条件データとから、スライス幅が小さくなるとX線量を上昇させ、又はスライス幅が大きくなるとX線量を低下させて、指定された前記画像ノイズの画像を得るように指定された前記スライス幅に応じて管電流を決定する撮影条件決定手段と、
を具備することを特徴とするCT用撮影条件決定装置。 - スキャノグラムとしての前記X線透過データを収集するスキャノグラム収集手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のCT用撮影条件決定装置。
- 撮影視野を設定する視野指定手段をさらに具備し、
前記撮影条件決定手段は、前記視野指定手段により指定された撮影視野に応じて前記撮影条件を決定すること、
を特徴とする請求項1又は2記載のCT用撮影条件決定装置。
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