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JP5034221B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents
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JP5034221B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Description

この発明は、放射線検出手段から検出された放射線に基づいて放射線撮影を行う放射線撮影装置に係り、特に、撮影条件として放射線照射手段の電流値を求める技術に関する。
放射線撮影装置の例としてX線断層撮影装置を例に採って説明する。X線断層撮影装置では、断層撮影中にX線検出器での検出面への入射X線量が連続的に変化する、あるいは被検体のX線透過厚さが変化することにより、検出データごとにS/N比のバラツキが発生する。その結果、断層撮影によって得られた断層画像の画質が劣化する。これを解消する目的で、X線検出器への入射角度および透過データに基づいて、断層撮影中にX線管電流の制御を行うことにより、高画質な断層画像を得る技術が開示されている。
例えば、断層撮影よりも事前に断層面を設定する目的で撮影を行い、断層面の位置や範囲や形状を設定する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、同じく断層撮影よりも事前に所定の入射角度(ここでは入射角度が0°)のときの最適な透過X線基準値(画素基準値)を予め設定し、その画素基準値に基づいて入射角度に応じてX線管電流を設定して制御する装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−350767号公報(第2,4−8頁、図1,2) 特開2005−34436号公報(第2−5頁、図1−3)
しかしながら、上述した特許文献1では、断層撮影よりも事前の設定撮影の目的は、断層面の位置や範囲や形状を設定するためである。また、設定された断層面に基づいて断層撮影条件(X線絞り条件、X線管電圧、X線管電流、X線管の走査条件)を設定することも示されているが、上述した特許文献2のように入射角度に応じてX線管電流を制御することについては示されておらず、設定された断層面を解析することでX線管電圧およびX線管電流の組み合わせを求めることが単に示されているのみである。
一方、特許文献2における画素基準値は経験的によって決定されるものであって(特許文献2の段落番号『0029』を参照)、被検体固有の情報(例えば身長や体厚や骨密度や年齢など)や撮影セッティングなどの原因による変動が考慮されていない。したがって、最適な断層撮影条件であるX線管電流を安定して得ることが難しい。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、放射線撮影時における放射線照射手段の電流値を安定して得ることができる放射線撮影装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、前記被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線照射手段および前記放射線検出手段の相対的な位置関係の変化を制御するように放射線照射手段および放射線検出手段を駆動させる駆動制御手段とを備え、放射線照射手段および放射線検出手段の相対的な位置関係を駆動制御手段によって変化させて、放射線検出手段から検出された放射線に基づいて放射線撮影を行う放射線撮影装置であって、前記放射線撮影よりも事前に放射線照射手段の電流値設定のための設定用撮影を前記放射線撮影と同じ被検体に対して行う設定用撮影手段と、前記設定用撮影で得られた設定用画像における各々の画素値の平均値に対する画素値の標準偏差の比率を、または前記設定用撮影で得られた各々の画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値を、画素ノイズとして求める画素ノイズ算出手段と、画素ノイズ算出手段で求められた画素ノイズおよび前記設定用撮影時における放射線照射手段の電流値に基づいて、放射線照射手段から放射線検出手段へ放射線が入射する入射角度について所定の入射角度のときを基準とした前記放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を求める基準電流値算出手段とを備え、基準電流値算出手段で求められた放射線照射手段の基準電流値に基づいて放射線撮影を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、放射線照射手段および放射線検出手段の相対的な位置関係の変化を制御するように駆動制御手段は放射線照射手段および放射線検出手段を駆動させて、放射線検出手段から検出された放射線に基づいて放射線撮影を行う。この放射線撮影よりも事前に放射線照射手段の電流値設定のための設定用撮影を対象となる被検体に対して設定用撮影手段がそれぞれ行う。そして、設定用撮影で得られた設定用画像における各々の画素値の平均値に対する画素値の標準偏差の比率、または設定用撮影で得られた各々の画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値に基づいて画素ノイズ算出手段は画素ノイズを求める。さらに、画素ノイズ算出手段で求められた画素ノイズおよび設定用撮影時における放射線照射手段の電流値に基づいて、放射線照射手段から放射線検出手段へ放射線が入射する入射角度について所定の入射角度のときを基準とした放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を基準電流値算出手段は求める。この基準電流値算出手段で求められた放射線照射手段の基準電流値に基づいて上述した放射線撮影を行う。このとき、対象となる被検体に対して設定用撮影を行っているので、被検体固有の情報に依存し、撮影セッティングなどの原因による変動を考慮した画素ノイズを得ることができる。また、設定用画像における各々の画素値の統計量(画素値の平均値に対する標準偏差の比率、画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値)に基づいて画素ノイズは得られるので、信頼性も高くなる。このように、画素ノイズおよび設定用撮影時における放射線照射手段の電流値に基づいているので、所定の入射角度のときを基準とした放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を安定して得ることができる。
上述した発明の一例は、上述した設定用撮影で得られた設定用画像に対して関心領域を設定する関心領域設定手段を備え、その関心領域における画素ノイズおよび上述の所定の入射角度のときを基準とした設定用撮影時における放射線照射手段の基準電流値に基づいて、基準電流値算出手段は放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を求めることである(請求項2に記載の発明)。関心領域を設定することで、関心領域において放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を安定して得ることができる。
関心領域設定手段を備えた発明(請求項2に記載の発明)において、撮影条件と撮影位置とが対応付けられた情報に基づいて放射線照射手段から照射される放射線領域が関心領域を含む所定の領域になるように、放射線照射手段の開き角を制御する開き角制御手段を備えるのが好ましい(請求項3に記載の発明)。放射線照射手段の開き角を制御することで、1回の制御のみで放射線照射手段から照射される放射線領域が関心領域を含む所定の領域になる。したがって、関心領域設定時に所定の領域から選択することが可能になり、被検体への無駄な放射線曝射を防止することができる。
また、上述したこれらの発明の好ましい一例は、一連の放射線撮影からなる断層撮影における所定の放射線撮影よりも以前の放射線撮影で行われた入射角度、その以前の放射線撮影で得られた各々の画素値の平均値に対する画素値の標準偏差の比率、または設定用撮影で得られた各々の画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値に基づいて求められた画素ノイズおよび上述の所定の入射角度のときを基準とした設定用撮影時における放射線照射手段の基準電流値に基づいて、上述した所定の放射線撮影時での入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を求める撮影電流値算出手段を備えることである(請求項4に記載の発明)。この一例の場合には、一連の放射線撮影からなる断層撮影における所定の放射線撮影よりも以前の放射線撮影で行われた入射角度や求められた画素ノイズを用いて、所定の放射線撮影時での入射角度に応じて放射線照射手段の電流値をそれぞれ求めることができる。したがって、入射角度に影響されにくい電流値を得ることができる。
上述した撮影電流値算出手段を備えた発明(請求項4に記載の発明)において、上述した所定の放射線撮影時での入射角度および上述の以前の放射線撮影で行われた入射角度に基づいて、撮影電流値算出手段で求められた入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を補正する撮影電流値補正手段を備えるのが好ましい(請求項5に記載の発明)。上述したように、上述の以前の放射線撮影で行われた入射角度や求められた画素ノイズを用いて、所定の放射線撮影時での入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を求めているので、入射角度間で電流値のズレが生じる場合がある。そこで、入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を撮影電流値補正手段が補正することで、入射角度間で生じるズレを低減させることができる。
さらに、上述したこれらの発明の好ましい他の一例は、入射角度および上述の所定の入射角度のときを基準とした設定用撮影時における放射線照射手段の基準電流値に基づいて、その入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を求める撮影電流値算出手段を備えることである(請求項6に記載の発明)。この一例の場合には、入射角度および設定用撮影時における放射線照射手段の基準電流値に基づいて、その入射角度に応じて放射線照射手段の電流値をそれぞれ求めることができる。したがって、入射角度に影響されにくい電流値を得ることができる。
この発明に係る放射線撮影装置によれば、対象となる被検体に対して設定用撮影を行っているので、被検体固有の情報に依存し、撮影セッティングなどの原因による変動を考慮した画素ノイズを得ることができ、設定用画像における各々の画素値の統計量(画素値の平均値に対する標準偏差の比率、画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値)に基づいて画素ノイズは得られるので、信頼性も高くなる。画素ノイズおよび設定用撮影時における放射線照射手段の電流値に基づいているので、所定の入射角度のときを基準とした放射線撮影時における基準放射線照射手段の電流値を安定して得ることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係るX線断層撮影装置のブロック図であり、図2は、X線断層撮影装置を用いた各撮影形態を模式的に表した側面図である。後述する実施例2も含めて、本実施例1では放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採るとともに、放射線撮影装置としてX線断層撮影装置を例に採って説明する。
本実施例1に係るX線断層撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。X線管2は、この発明における放射線照射手段に相当し、FPD3は、この発明における放射線検出手段に相当する。
X線断層撮影装置は、他に、X線管2の開き角を制御するコリメータ4や、X線管2の管電圧や管電流を発生させるX線発生部5や、被検体Mを挟んで互いに対向しながらX線管2およびFPD3が変化する(図2を参照)ようにコリメータ4を含んでX線管2およびFPD3を駆動させる駆動制御部6や、FPD3から検出されたX線検出信号やそれに基づいて後述する演算部8によって演算された各種の画像を記憶するとともに、後述するコントローラ15を介して送られてきた各種のデータを記憶するメモリ部7や、そのメモリ部7から読み出されたX線検出信号について演算して各種の画像を取得する演算部8や、その各種の画像を表示するモニタ9や、後述する設定用撮影で得られた設定用画像に対して関心領域ROI(図2を参照)を設定する関心領域設定部10や、その関心領域ROIにおける画素ノイズを求める画素ノイズ算出部11や、後述する基準管電流値を求める基準管電流値算出部12や、断層撮影時での後述する入射角度に応じた管電流値を求める撮影管電流値算出部13や、その管電流値を補正する撮影管電流値補正部14や、これらを統括・制御するコントローラ15や、オペレータが入力設定を行う入力部16などを備えている。なお、天板1を昇降移動させたり水平移動させたり、あるいは起立姿勢・水平姿勢の間で回転させたりするように、天板1を駆動させる天板用の駆動制御部を備えてもよい。
コリメータ4は、この発明における開き角制御手段に相当し、駆動制御部6は、この発明における駆動制御手段に相当し、関心領域設定部10は、この発明における関心領域設定手段に相当し、画素ノイズ算出部11は、この発明における画素ノイズ算出手段に相当し、基準管電流値算出部12は、この発明における基準電流値算出手段に相当し、撮影管電流値算出部13は、この発明における撮影電流値算出手段に相当し、撮影管電流値補正部14は、この発明における撮影電流値補正手段に相当し、管電流値は、この発明における放射線照射手段の電流値に相当する。
コリメータ4は、X線管2の開き角α(図2を参照)を制御する絞りである。この開き角αを制御することで、開き角αでX線が被検体Mに照射されることで形成されるX線領域の広さを制御する。
各種の撮影のための撮影条件の1つとして管電流値を設定するために、X線発生部5は、基準管電流値算出部12や撮影管電流値算出部13や撮影管電流値補正部14でそれぞれ求められた管電流値を求め、その管電流値で管電流を発生させる。
駆動制御部6は、X線管2およびFPD3の相対的な位置関係の変化を制御する。本実施例には、図2に示すように、被検体Mを挟んで互いに対向しながらX線管2およびFPD3が変化するように制御する。より具体的には、上述したX線領域が関心領域ROIを含む領域になるように、X線管2、FPD3並びにコリメータ4を駆動制御部6がそれぞれ制御する。
X線管2およびFPD3については、図2(b)に示すように、FPD3を図中の左側から右側へ水平移動させると、X線が関心領域を透過するようにX線管2を図中の右側から左側へ曲線移動させる。逆に、FPD3を図中の右側から左側へ水平移動させると、X線が関心領域を透過するようにX線管2を図中の左側から右側へ曲線移動させる。
コリメータ4については、X線領域が常に関心領域ROIを含む領域になるように、駆動制御部6がコリメータ4を制御する。具体的には、被検体M固有の情報(身長、体厚、骨密度、年齢など)ごとに撮影条件と撮影位置とが対応付けられたデータテーブルをメモリ部7に予め書き込んで記憶して、そのデータテーブルに基づいてX線領域が常に関心領域ROIを含む領域になるようにコリメータ4を制御する。撮影条件としては、上述したX線絞り条件(すなわち開き角α)、管電圧、管電流、X線管2の走査条件があり、撮影位置としては、X線管2の位置、FPD3の位置、被検体Mの位置がある。
X線管2からFPD3へX線が入射する角度を入射角度θし、本明細書では、FPD3の検出面に対する垂直の軸とX線の入射中心軸とがなす角度を入射角度θとする。後述する実施例2も含めて、本実施例1では、FPD3の検出面が水平面なので、検出面に対する垂直の軸は鉛直軸となる。したがって、図2(a)に示すようにX線が鉛直方向にFPD3へ入射する場合には、鉛直軸とX線の入射中心軸とがなす角度は0°となり、入射角度θは0°となる。したがって、図2(b)の実線に示すようにX線が斜め方向にFPD3へ入射する場合には、鉛直軸とX線の入射中心軸とがなす角度は0°以外となり、入射角度θは0°以外となる。
実際の断層撮影よりも事前の撮影であって、X線管2の管電流値設定のためのみの撮影(すなわち被検体Mの断層撮影を目的としない撮影)を、本明細書では『設定用撮影』とする。図2(a)は設定用撮影時の形態であって、図2(b)は実際の断層撮影時の形態である。また、設定用撮影時での入射角度θを基準とし、断層撮影時のための撮影条件の1つとして設定される管電流値を、本明細書では『基準管電流値』とする。後述する実施例2も含めて、本実施例1では、図2(a)に示すように設定用撮影時での入射角度θは0°なので、入射角度θが0°のときを基準とする。なお、基準とする入射角度θは本実施例1のような0°に限定されず、所定の入射角度θであれば0°以外であってもよい。
メモリ部7は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。上述したように、本実施例1のメモリ部7は、FPD3から検出されたX線検出信号を記憶するとともに、そのX線検出信号に基づいて演算部8によって演算された各種の画像を記憶する。その他に、コントローラ15を介して送られてきた各種のデータをメモリ部7は記憶する。
メモリ部7に記憶される各種の画像としては、上述した設定用撮影で得られた設定用画像や実際の断層撮影で得られた断層画像などがある。また、各種の撮影で得られた関心領域ROIにおける各々の画素値の統計量に基づく画素ノイズもメモリ部7は記憶する。
メモリ部7に記憶され、かつコントローラ15を介して送られてきた各種のデータとしては、上述した基準管電流値算出部12や撮影管電流値算出部13や撮影管電流値補正部14でそれぞれ求められた管電流値や、上述した撮影条件と撮影位置とが対応付けられたデータテーブルや、各々の断層撮影時での入射角度θや、上述した関心領域設定部10で設定された関心領域ROIや、上述した入力部16で入力設定された入力データや、後述する入射角度θ、画素ノイズおよび基準管電流値を互いに対応付けたデータテーブルなどがある。なお、図示を省略するネットワークを介して外部装置(例えば放射線情報システム)から転送されたデータについても、コントローラ15を介してメモリ部7に記憶することが可能である。
演算部8は、関心領域設定部10や画素ノイズ算出部11や基準管電流値算出部12や撮影管電流値算出部13や撮影管電流値補正部14やコントローラ15とともに、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。上述したように、演算部8は、FPD3から検出されたX線検出信号について演算して各種の画像を取得する。設定用撮影においてFPD3から検出されたX線検出信号については、演算部8は設定用画像を取得し、断層撮影においてFPD3から検出されたX線検出信号については、演算部8は断層画像を取得する。
モニタ9は、演算部8によって各種の画像を表示する。上述したように、関心領域設定部10は、設定用撮影で得られた設定用画像に対して関心領域ROIを設定する。具体的には、モニタ9に表示された設定用画像に対してオペレータが、入力部16で関心領域ROIの範囲を入力設定し、コントローラ15を介して関心領域設定部10に送ってもよいし、モニタ9に表示された設定用画像に対して関心領域設定部10が関心領域ROIを自動的に設定してもよい。自動的に設定するときには、例えば関心領域ROIは、他の領域と比較すると画素値が大きく異なる場合があるので、画素値の閾値を予め作成し、その閾値よりも大きい、あるいは小さい画素値の群の領域を関心領域ROIとして設定してもよい。
画素ノイズ算出部11は、設定用撮影で得られた設定用画像における各々の画素値の統計量に基づいて画素ノイズを求めるとともに、本実施例1では断層撮影で得られた断層画像における各々の画素値の統計量に基づいて画素ノイズを求める。基準管電流値算出部12は、入射角度θについて所定の入射角度θ(本実施例1では0°)のときを基準とし、かつ断層撮影時におけるX線管2の基準管電流値を求める。撮影管電流値算出部13は、対象となる断層撮影よりも以前の撮影(設定用撮影や前の断層撮影を含む)で行われた入射角度θ、その撮影で得られた各々の画素値の統計量に基づいて求められた画素ノイズおよび設定用撮影時におけるX線管2の基準管電流値に基づいて、その対象となる断層撮影時での入射角度θに応じた管電流値を求める。撮影管電流値補正部14は、その対象となる断層撮影時での入射角度θおよび対象となる断層撮影時よりも以前の撮影で行われた入射角度θに基づいて、撮影管電流値算出部13で求められた入射角度θに応じたX線管2の管電流値を補正する。これらの具体的な機能については、図3のフローチャート等で後述する。
入力部16は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。また、ハンドスイッチやレバーやボタン等で入力部16を構成してもよい。
次に、本実施例1に係る設定用撮影および断層撮影からなる一連の撮影について、図3〜図5を参照して説明する。図3および図4は、本実施例1に係る設定用撮影および断層撮影からなる一連の撮影処理を示すフローチャートであって、図5は、断層撮影時の各形態の流れを模式的に表した側面図である。なお、図3中のステップS1〜S6までは設定用撮影に係る一連の処理であって、図4中のステップS7〜S16までは断層撮影に係る一連の処理である。
(ステップS1)設定用撮影に係る撮影条件の設定
設定用撮影のための撮影条件を設定する。具体的には、コントローラ15からX線発生部5や駆動制御部6に撮影条件を与え、その撮影条件にしたがってX線発生部5はX線管2の管電圧や管電流を発生させ、駆動制御部6はコリメータ4を含みX線管2やFPD3を駆動させる。撮影条件としては、X線絞り条件(開き角α)、管電圧、管電流、X線管2の走査条件などがある。これらのうち、管電圧や管電流の設定については、コントローラ15からX線発生部5に指令を与え、X線絞り条件(開き角α)やX線管2の走査条件の設定については、コントローラ15から駆動制御部6に指令を与えることになる。このステップS1の段階においては、これらの各撮影条件については、被検体Mの撮影部位ごとに適当な値に設定すればよく、厳密な値に設定する必要はない。
これらの撮影条件については、オペレータによって入力部16に入力設定された撮影条件に係る入力データを、コントローラ15を介してX線発生部5や駆動制御部6に転送するものであってもよい。また、例えば放射線情報システムのような外部装置からネットワークを介して、さらにコントローラ15を介してX線発生部5や駆動制御部6に転送するものであってもよい。
(ステップS2)関心領域を含む所定の領域の設定
関心領域ROIを含む所定の領域の設定を行うときには、図2(a)に示すような設定用撮影時の形態になるように、所定の入射角度θ(本実施例1では0°)でX線を入射させるべくX線管2およびFPD3をそれぞれ移動させる。この設定の際、オペレータがX線管2を移動させたときに、その移動に連動してFPD3がX線管2の対向位置に自動的に移動するように、駆動制御部6がFPD3を制御してもよい。逆に、オペレータがFPD3を移動させたときに、その移動に連動してX線管2がFPD3の対向位置に自動的に移動するように、駆動制御部6がX線管2を制御してもよい。もちろん、所定の入射角度θでX線を入射させるべくX線管2およびFPD3がそれぞれ自動的に移動するようにしてもよいし、オペレータが手動でX線管2およびFPD3をそれぞれ移動させてもよい。
後述する実際の断層撮影において、コリメータ4を制御せずにX線管2の開き角αがそのままの角度で、図2(b)のようにX線管2およびFPD3を移動させた場合には、X線が被検体Mに照射されることで形成されるX線領域が、関心領域ROIを含む領域に一致しなくなる。そこで、X線管2およびFPD3を移動させても、X線領域が、関心領域ROIを含む領域に常になるように、X線管2、FPD3並びにコリメータ4を駆動制御部6がそれぞれ制御する。上述したように、被検体M固有の情報ごとに撮影条件と撮影位置とが対応付けられたデータテーブルに基づいて、X線管2の位置、FPD3の位置、被検体Mの位置の撮影位置に合わせて開き角αの大きさを操作して、X線領域が関心領域ROIを含む所定の領域になるように制御する。
(ステップS3)設定用撮影
次に、X線発生部5に付随するハンドスイッチ(入力部16の1つ)等を押下することで、設定用撮影を開始する。具体的には、ハンドスイッチなどに代表される入力部16に撮影開始の指令に係る入力データを、コントローラ15を介してX線発生部5に与える。すると、図2(a)の形態でX線管2から対象となる被検体Mに向けてX線を照射して、その被検体Mを透過したX線をFPD3が検出する。この検出されたX線に基づいて設定用撮影を行う。
より具体的には、FPD3から検出されたX線検出信号をアナログ値からX線透過量に応じたディジタル値に変換して、メモリ部7に一旦書き込んで記憶する。そして、メモリ部7からディジタル値に変換されたX線検出信号について演算部8は各種の演算処理を行って画像を取得する。このステップS3の場合には設定用撮影なので、演算部8は設定用画像を取得する。取得された設定用画像をメモリ部7に書き込んで記憶する。なお、演算部8による各種の演算処理としては、後述する画素ノイズ算出や基準管電流値算出や撮影管電流値算出や撮影管電流値補正を除く、ゲイン補正や欠損補正やオフセット補正などに代表される画像処理がある。また、このステップS3では、X線管2、FPD3並びに演算部8が、この発明における設定用撮影手段の機能を果たす。
(ステップS4)関心領域設定
設定用撮影で得られた設定用画像をモニタ9に表示する。この設定用画像は、関心領域ROIを含んだX線領域に相当する広さを有する。具体的には、メモリ部7から設定用画像を読み出して、コントローラ15を介して関心領域設定部10に送り込む。一方でメモリ部7から読み出されてモニタ9に表示された設定用画像に対して関心領域設定部10は関心領域ROIを設定する。具体的には、上述したように、モニタ9に表示された設定用画像に対してオペレータが、入力部16で関心領域ROIの範囲を入力設定し、コントローラ15を介して関心領域設定部10に送る。また、モニタ9に表示された設定用画像に対して関心領域設定部10が関心領域ROIを自動的に設定することも可能である。
(ステップS5)画素ノイズ算出
その関心領域ROIにおける各々の画素値の統計量に基づいて画素ノイズ算出部11は画素ノイズを求める。具体的には、関心領域設定部10で設定された関心領域ROIと、メモリ部7から読み出された設定用画像とを画素ノイズ算出部11に送り込む。後述する実施例2も含めて、本実施例1では、関心領域ROIにおける各々の画素値の統計量として、各々の画素の平均値に対する画素値のバラツキ(標準偏差)の比率を採用する。そして平均値に対する画素値の標準偏差の比率を画素ノイズとして求める。なお、本実施例1では、平均値に対する画素値の標準偏差の比率を画素ノイズとして求めたが、最大値やヒストグラム解析による値などでもよく、画素値の統計量に基づくものならば算出方法に特に限定されない。
この比率で画像のS/N比を表現する。一般的に撮影線量が少ないと画素ノイズが大きくなってS/N比が悪くなり、画像の画質が劣化する。ここでは撮影線量はX線管2の管電流値にほぼ等しいとみなせる。したがって、画素ノイズが大きいと管電流値が小さくなり、逆に画素ノイズが小さいと管電流値が大きくなる。このように、画素ノイズと管電流値とは所定の相関関係があり、例えば反比例の相関関係で表される。
(ステップS6)基準管電流値算出
画素ノイズ算出部11で求められた画素ノイズと、ステップS1で設定された設定用撮影時におけるX線管2の管電流値とに基づいて、所定の入射角度θ(本実施例1では0°)のときを基準とし、かつ断層撮影時におけるX線管2の基準管電流値を求める。具体的には、画素ノイズ算出部11で求められた画素ノイズを基準管電流値算出部11に送り込む。基準管電流値算出部11は、画素ノイズおよび管電流値に基づいて基準管電流値を求める。
上述したように画素ノイズと管電流値とが反比例の相関関係にあるのを利用して、基準管電流値を求める。なお、画素ノイズ量の増減要因として、(1)入射角度θによるX線透過量のパス長の変化(幾何学的な量)、(2)X線透過パスに沿った被検体M内部の組織構造の違いによる変化がある。なお、ステップS5で求められた画素ノイズのみで管電流値を決定すると、上述した(1)・(2)の要因の分離ができずに、正確な断層画像が得られなくなる。特に、上述した(1)の要因を考慮する場合には、設定用撮影時における管電流値は必須である。
(ステップS7)θ=θ0での断層撮影に係る撮影条件の設定
所定の入射角度θ(本実施例1では0°)を含んだ各入射角度θごとの断層撮影を行うためにの撮影条件を設定する。ステップS7以降の断層撮影では、図5に示すように入射角度θ=θ0,θ1,…,θK,…,θN-1,θNの順に行うものとして説明する。また、入射角度θに応じて断層撮影を行う際には、X線管2およびFPD3を各入射角度θに合わせるようにそれぞれ移動させる。移動方法については、ステップS2で述べたのと同じ方法を用いる。
先ず、入射角度θ=θ0での断層撮影のための撮影条件を設定する。ステップS1でも述べたように、コントローラ15からX線発生部5や駆動制御部6に撮影条件を与え、その撮影条件にしたがってX線発生部5はX線管2の管電圧や管電流を発生させ、駆動制御部6はコリメータ4を含みX線管2やFPD3を駆動させる。撮影条件のX線絞り条件(開き角α)、管電圧、管電流、X線管2のうち、管電流については、以下のように設定する。ステップS6で求められた基準管電流値をIBASEとして、ステップS7で設定すべき管電流値をI0とすると、下記(1)式のように表される。
0=IBASE×(1/cosθ0) …(1)
上記(1)式で求められたI0を、入射角度θ=θ0での断層撮影のための管電流値として設定する。
撮影条件の開き角αについては、ステップS2でも述べたように、図5(a)に示す入射角度θ=θ0の形態でX線を照射してもX線領域が関心領域ROIを含む領域に常になるように開き角αを設定する。
(ステップS8)θ=θ0での断層撮影
ステップS3と同様にX線発生部5に付随するハンドスイッチ等を押下することで、入射角度θ=θ0での断層撮影を開始する。すると、図5(a)(あるいは図2(b))の形態でX線管2から対象となる被検体Mに向けてX線を照射して、その被検体Mを透過したX線をFPD3が検出し、それに基づいて入射角度θ=θ0での断層撮影を行う。ステップS3と同様に、メモリ部7への記憶や演算部8による演算を行う。そして、入射角度θ=θ0での断層画像を取得する。
(ステップS9)θ=θ0での画素ノイズ算出
入射角度θ=θ0での断層撮影で得られた断層画像での関心領域ROIにおける各々の画素量の統計量に基づいて画素ノイズ算出部11は入射角度θ=θ0での画素ノイズを求める。画素ノイズの算出方法については、ステップS5と述べたのと同じ方法を用いる。入射角度θ=θ0での画素ノイズをN0とする。
(ステップS10)Kの値を1つ増やす
ここで、入射角度θや入射角度θに応じた撮影管電流値Iや画素ノイズNの下付き添え字を表すK(Kは0〜Nまでの値をとる)の値を1つずつインクリメントして増やす。ステップS9からステップS10に移行した場合には、K=0の値をインクリメントしてK=1にする。なお、ステップS9以外にも、後述するステップS16からこのステップS10に移行する。このステップS10でX線管2およびFPD3を、インクリメントされたKでの入射角度θKに合わせるようにそれぞれ移動させる。移動方法については、ステップS2で述べたのと同じ方法を用いる。
撮影条件の開き角αについても、ステップS2でも述べたように、図5(b)に示す入射角度θ=θKの形態でX線を照射してもX線領域が関心領域ROIを含む領域に常になるように開き角αを設定する。
(ステップS11)θ=θKでの撮影管電流値算出
K=1の場合(すなわちステップS9からステップS10に移行した場合)について説明する。次の対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θ1での断層撮影)よりも以前の撮影(ここでは入射角度θ=θ0での断層撮影)で行われた入射角度(ここでは入射角度θ=θ0)、その断層撮影で得られた各々の画素値の統計量に基づいて求められた画素ノイズ(ここではステップS9で求められた画素ノイズN0)および設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、その対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θ1での断層撮影)での入射角度(ここでは入射角度θ=θ1)に応じた撮影管電流値(ここではI1)を求める。
ステップS16からこのステップS10に移行する場合も含めた一般的なK(K=1〜N)の場合に拡げて説明する。次の対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)よりも以前の撮影(ここでは入射角度θ=θK-1での断層撮影)で行われた入射角度(ここでは入射角度θ=θK-1)、その断層撮影で得られた各々の画素値の統計量に基づいて求められた画素ノイズ(ここではステップS9で求められた画素ノイズNK-1)および設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、その対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)での入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を求める。
ステップS6でも述べたように、画素ノイズ(ここでは画素ノイズNK-1)と管電流値とが反比例の相関関係にあるのを利用して、入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を求める。反比例を表す関数をFとしたときに、入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKは、下記(2)式のように表される。
K=F(IBASE,cosθK-1,NK-1) …(2)
上記(2)式で求められたIKを、入射角度θ=θKでの断層撮影のための管電流値として設定する。
(ステップS12)θ=θKでの撮影管電流値補正
ステップS11で求められた入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKを用いて、入射角度θ=θKでの断層撮影に係る撮影条件の設定(ステップS13)および入射角度θ=θKでの断層撮影(ステップS14)を行ってもよいが、このステップ12のように補正を行うのが好ましい。
上記(2)式からも明らかなように、式の左辺は対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)に関するパラメータで、式の右辺はそれよりも以前の撮影(ここでは入射角度θ=θK-1での断層撮影)に関するパラメータである。このことから、対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)よりも以前の撮影(ここでは入射角度θ=θK-1での断層撮影)で行われた入射角度(ここでは入射角度θ=θK-1)や求められた画素ノイズ(ここではNK-1)を用いて、対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)での入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を求めているので、入射角度間(ここでは入射角度θ=θK-1およびθKの間)で管電流値のズレが生じる場合がある。そこで、入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を撮影管電流補正部14が補正する。
補正後の撮影管電流値をI´Kとすると、撮影管電流値I´Kは、下記(3)式のように表される。
I´K=IK×(cosθK-1/cosθK) …(3)
上記(3)式で補正された補正後の撮影管電流値I´Kを補正前の撮影管電流値IKに代入する。以後、説明の便宜上、補正後の撮影管電流値をIKとする。
(ステップS13)θ=θKでの断層撮影に係る撮影条件の設定
ステップS12で補正された撮影管電流値IKを、入射角度θ=θKでの断層撮影のための管電流値として設定する。
(ステップS14)θ=θKでの断層撮影
ステップS8と同様に、入射角度θ=θKでの断層撮影を開始して、その断層撮影によって入射角度θ=θKでの断層画像を取得する。
(ステップS15)θ=θKでの画素ノイズ算出
入射角度θ=θKでの断層撮影で得られた断層画像での関心領域ROIにおける各々の画素量の統計量に基づいて画素ノイズ算出部11は入射角度θ=θKでの画素ノイズを求める。画素ノイズの算出方法については、ステップS5やS9と述べたのと同じ方法を用いる。入射角度θ=θKでの画素ノイズをNKとする。
(ステップS16)K=N?
インクリメントされたKがNに達したか否かを判断する。KがNに達していなければ、最後の断層撮影である入射角度θ=θNでの断層撮影が終了していないと判断して、ステップS10に戻って、インクリメントされた状態で同じステップS10〜S16を繰り返す。KがNに達していれば、最後の断層撮影である入射角度θ=θNでの断層撮影(図5(c)を参照)が終了したとして、一連の撮影を終了する。
各ステップS1〜S16において求められた値や設定された値などについては、適宜コントローラ15を介して、メモリ部7に一旦記憶するように構成すればよい。なお、撮影の対象となる被検体Mが複数の場合には、ステップS1〜S16の一連の撮影を繰り返して行う。
以上のように構成された本実施例1によれば、X線管2およびフラットパネル型X線検出器(FPD)3の相対的な位置関係の変化を制御するように駆動制御部6はX線管2およびFPD3を駆動させて、FPD3から検出されたX線に基づいてX線の断層撮影を行う。この断層撮影よりも事前にX線管2の管電流値設定のための設定用撮影を対象となる被検体Mに対してそれぞれ行う。そして、設定用撮影で得られた設定用画像における各々の画素値の統計量(本実施例1では平均値に対する画素値の標準偏差の比率)に基づいて画素ノイズ算出部11は画素ノイズを求める。さらに、画素ノイズ算出部11で求められた画素ノイズおよび設定用撮影時における管電流値に基づいて、X線管2からFPD3へX線が入射する入射角度θについて所定の入射角度θ(本実施例1では0°)のときを基準とし、かつ断層撮影時における基準管電流値を基準管電流値算出部12は求める。この基準管電流値算出部12で求められた基準管電流値に基づいて上述した断層撮影を行う。
このとき、対象となる被検体Mに対して設定用撮影を行っているので、被検体M固有の情報(身長、体厚、骨密度、年齢など)に依存し、撮影セッティングなどの原因による変動を考慮した画素ノイズを得ることができる。また、設定用画像における各々の画素値の統計量に基づいて画素ノイズは得られるので、信頼性も高くなる。このように、画素ノイズおよび設定用撮影時における管電流値に基づいているので、所定の入射角度θ(本実施例1では0°)のときを基準とした断層撮影時における基準管電流値を安定して得ることができる。
本実施例1では、設定用撮影で得られた設定用画像に対して関心領域ROIを設定する関心領域設定部10を備え、その関心領域ROIにおける画素ノイズおよび設定用撮影時における基準管電流値に基づいて、基準管電流値算出部12は断層撮影時における基準管電流値を求めている。関心領域ROIを設定することで、関心領域ROIにおいて断層撮影時における基準管電流値を安定して得ることができる。
さらに、本実施例1では、被検体M固有の情報(身長、体厚、骨密度、年齢など)ごとに撮影条件と撮影位置とが対応付けられたデータテーブルに基づいてX線管2から照射されるX線領域が関心領域ROIを含む所定の領域になるように、X線管2の開き角αを制御するコリメータ4を備えている。X線管2の開き角αを制御することで、1回の制御のみでX線管2から照射されるX線領域が関心領域ROIを含む所定の領域になる。したがって、関心領域ROI設定時に所定の領域から選択することが可能になり、被検体Mへの無駄なX線曝射を防止することができる。
また、本実施例1では、対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)よりも以前の撮影(ここでは入射角度θ=θK-1での断層撮影)で行われた入射角度(ここでは入射角度θ=θK-1)、その撮影で得られた各々の画素値の統計量に基づいて求められた画素ノイズ(ここではNK-1)および設定用撮影時における基準管電流値(ここではIBASE)に基づいて、上述した対象となる断層撮影時(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)での入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を求める撮影管電流値算出部13を備えている。このような撮影管電流値算出部13を備えている場合には、対象となる断層撮影よりも以前の撮影で行われた入射角度θや求められた画素ノイズを用いて、対象となる断層撮影時での入射角度θに応じて撮影管電流値をそれぞれ求めることができる。したがって、入射角度θに影響されにくい撮影管電流値を得ることができる。
さらに、本実施例1では、対象となる断層撮影時での入射角度θおよび対象となる断層撮影時よりも以前の撮影で行われた入射角度θに基づいて、撮影管電流値算出部13で求められた入射角度θに応じた撮影管電流値を補正する撮影電流値補正部14を備えている。上述したように、対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)よりも以前の撮影(ここでは入射角度θ=θK-1での断層撮影)で行われた入射角度(ここでは入射角度θ=θK-1)や求められた画素ノイズ(ここではNK-1)を用いて、対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)での入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を求めているので、入射角度θ間(ここでは入射角度θ=θK-1およびθKの間)で管電流値のズレが生じる場合がある。そこで、入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を撮影管電流値補正部14が補正することで、入射角度θ間で生じるズレを低減させることができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
上述した実施例1と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。図6は、本実施例2に係るX線断層撮影装置のブロック図である。
本実施例2では、上述した実施例1のような撮影間電流値補正部14を備えておらず、それ以外の構成については、図6に示すように、実施例1と同じ構成である。また、撮影管電流値算出部13の機能が実施例1と相違するので、その機能について図7を参照して説明する。図7は、本実施例2に係る断層撮影での一連の撮影処理を示すフローチャートである。なお、設定用撮影での一連の撮影処理については、実施例1で述べた図3中のステップS1〜S6と同じなのでその説明を省略して、断層撮影に係る一連の処理(ステップS7〜S16)のみについて説明する。
(ステップS7)θ=θ0での断層撮影に係る撮影条件の設定
上述した実施例1でのステップS7と同じなので、その説明を省略する。なお、入射角度θ=θ0での撮影管電流値I0を求めるには、実施例1でのステップS7と同様に上記(1)式を用いる。
(ステップS8)θ=θ0での断層撮影
上述した実施例1でのステップS8と同じなので、その説明を省略する。
上述した実施例1でのステップS9(θ=θ0での画素ノイズ算出)については、本実施例2での撮影管電流値算出部13による撮影管電流値の算出時には必須でないので、必ずしも行う必要はない。もちろん、本実施例2においても実施例1でのステップS9を行ってもよい。
(ステップS10)Kの値を1つ増やす
上述した実施例1でのステップS10と同じなので、その説明を省略する。
(ステップS´11)θ=θKでの撮影管電流値算出
本実施例2では、撮影管電流値算出部13は、入射角度θ=θKおよび設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、その入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKを求める。入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKは、下記(4)式のように表される。
K=IBASE×(1/cosθK) …(4)
上記(4)式で求められたIKを、入射角度θ=θKでの断層撮影のための管電流値として設定する。この(4)式から、本実施例2での撮影管電流値算出部13による撮影管電流値の算出時には、入射角度θ=θKおよび設定用撮影時における基準管電流値IBASEのみが必須で、実施例1のように以前の撮影で得られた画素ノイズが必須でないことがわかる。この(4)式は、上記(1)式について、K=0の場合から一般的なK(K=0〜N)の場合に拡張した式となる。つまり、(4)式のK=0の場合が(1)式となる。
上述した実施例1でのステップS12(θ=θKでの撮影管電流値補正)については、上述したように実施例1のような撮影間電流値補正部14を備えていないので行わない。
(ステップS13)θ=θKでの断層撮影に係る撮影条件の設定
上述した実施例1でのステップS13と同じなので、その説明を省略する。ただし、実施例1では補正された撮影管電流値IKを、入射角度θ=θKでの断層撮影のための管電流値として設定したのに対して、本実施例2ではステップS´11で求められた撮影管電流値IKを、入射角度θ=θKでの断層撮影のための管電流値として設定する。
(ステップS14)θ=θKでの断層撮影
上述した実施例1でのステップS14と同じなので、その説明を省略する。
上述した実施例1でのステップS15(θ=θKでの画素ノイズ算出)については、本実施例2での撮影管電流値算出部13による撮影管電流値の算出時には必須でないので、必ずしも行う必要はない。もちろん、本実施例2においても実施例1でのステップS15を行ってもよい。
(ステップS16)K=N?
上述した実施例1でのステップS16と同じなので、その説明を省略する。
以上のように構成された本実施例2によれば、入射角度θ=θKおよび設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、その入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKを求める撮影管電流値算出部13を備えている。このような撮影管電流値算出部13を備えている場合には、入射角度θ=θKおよび設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、その入射角度θに応じて撮影管電流値をそれぞれ求めることができる。したがって、入射角度θに影響されにくい撮影管電流値を得ることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、図1に示すようなX線断層撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、X線透視撮影装置に適用してもよい。
(2)上述した各実施例では、フラットパネル型X線検出器(FPD)3を例に採って説明したが、イメージインテンシファイア(I.I)やTVカメラからなる受像機に例示されるように、通常において用いられるX線検出手段であれば、この発明は適用することができる。
(3)上述した各実施例では、X線を例に採って説明したが、X線以外の放射線(例えばγ線)でも、この発明は適用することができる。
(4)上述した各実施例では、所定の入射角度θ(各実施例ではθ=0°)のときを基準とした基準電流値(各実施例では基準管電流値)を求めた後に、入射角度θを順に変えながら入射角度に応じた電流値(各実施例では撮影管電流値)を求めて、入射角度θごとの断層撮影を行ったが、基準電流値を求めた後に、ある入射角度θでの透視撮影を1回のみ行ってもよい。ある入射角度θは、所定の入射角度θとは別の角度であってもよいし、所定の入射角度θと同じ角度であってもよい。
(5)上述した各実施例では、所定の入射角度θ(各実施例ではθ=0°)のときを基準とした基準電流値(各実施例では基準管電流値)を求めた後に、入射角度θを(各実施例では入射角度θ=θ0,θ1,…,θK,…,θN-1,θNの)順に変えながら入射角度に応じた電流値(各実施例では撮影管電流値)を求めて、入射角度θごとの断層撮影を行ったが、基準電流値を求めた後に、最初に所定の入射角度θでの断層撮影を行い、さらにそれ以外の入射角度θごとの断層撮影を行ってもよい。
(6)上述した各実施例では、画素ノイズと管電流値とは反比例に代表される所定の相関関係があり、そのような相関関係を利用して管電流値を求めたが、画素ノイズと管電流値とが対応付けられたデータテーブルをメモリ部7に予め書き込んで記憶して、そのテーブルを参照して管電流値を求めてもよい。
(7)上述した各実施例では、関心領域ROIを設定してその関心領域ROIにおける画素ノイズを用いたが、必ずしも関心領域ROIを設定する必要はない。特に、上述した変形例(4)のようにある入射角度θでの透視撮影を1回のみ行う場合には、所定の入射角度でX線管2から照射されるX線領域全体に相当する画像における各々の画素値の統計量に基づいて画素ノイズを求めてもよい。
(8)上述した各実施例では、被検体Mへの無駄なX線曝射を防止するために、X線管2から照射されるX線領域が関心領域ROIを含む所定の領域になるように、X線管2の開き角αを制御したが、開き角αを固定にして入射角度θを順に変えたときに常に重なるであろう有効な領域を関心領域ROIとして用いてもよい。また、同じ入射角度θにおいてX線照射を2回以上繰り返して後の方のX線照射で適切な領域になるように開き角αを制御してもよい。
(9)上述した実施例1では、対象となる断層撮影(ここでは入射角度θ=θKでの断層撮影)よりも以前の撮影を、入射角度θ=θK-1での断層撮影として、その断層撮影で行われた入射角度θ=θK-1、その撮影で得られた各々の画素値の統計量に基づいて求められた画素ノイズNK-1および設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、上述した対象となる断層撮影時での入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKを求めた(上記(2)式のIK=F(IBASE,cosθK-1,NK-1)を用いて求める)が、対象となる断層撮影よりも以前の撮影を所定の入射角度θでの設定用撮影として、その所定の入射角度θ、その撮影で得られた各々の画素値の統計量に基づいて求められた画素ノイズNおよび設定用撮影時における基準管電流値IBASEに基づいて、上述した対象となる断層撮影時での入射角度θ=θKに応じた撮影管電流値IKを求めてもよい。式はIK=F(IBASE,cosθ,N)となり、その式を用いて求める。
(10)上述した実施例1では、入射角度間で管電流値のズレを防止するために、入射角度(ここでは入射角度θ=θK)に応じた撮影管電流値(ここではIK)を補正したが、そのズレが画質に影響がない範囲であれば、必ずしも補正を行う必要はない。
実施例1に係るX線断層撮影装置のブロック図である。 X線断層撮影装置を用いた各撮影形態を模式的に表した側面図であって、(a)は設定用撮影時の形態、(b)は実際の断層撮影時の形態である。 実施例1に係る設定用撮影および断層撮影からなる一連の撮影処理を示すフローチャートである。 実施例1に係る設定用撮影および断層撮影からなる一連の撮影処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は断層撮影時の各形態の流れを模式的に表した側面図である。 実施例2に係るX線断層撮影装置のブロック図である。 実施例2に係る断層撮影での一連の撮影処理を示すフローチャートである。
符号の説明
2 … X線管
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
4 … コリメータ
6 … 駆動制御部
10 … 関心領域設定部
11 … 画素ノイズ算出部
12 … 基準管電流値算出部
13 … 撮影管電流値算出部
14 … 撮影管電流値補正部
ROI … 関心領域
θ … 入射角度
M … 被検体

Claims (6)

  1. 被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、前記被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線照射手段および前記放射線検出手段の相対的な位置関係の変化を制御するように放射線照射手段および放射線検出手段を駆動させる駆動制御手段とを備え、放射線照射手段および放射線検出手段の相対的な位置関係を駆動制御手段によって変化させて、放射線検出手段から検出された放射線に基づいて放射線撮影を行う放射線撮影装置であって、前記放射線撮影よりも事前に放射線照射手段の電流値設定のための設定用撮影を前記放射線撮影と同じ被検体に対して行う設定用撮影手段と、前記設定用撮影で得られた設定用画像における各々の画素値の平均値に対する画素値の標準偏差の比率を、または前記設定用撮影で得られた各々の画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値を、画素ノイズとして求める画素ノイズ算出手段と、画素ノイズ算出手段で求められた画素ノイズおよび前記設定用撮影時における放射線照射手段の電流値に基づいて、放射線照射手段から放射線検出手段へ放射線が入射する入射角度について所定の入射角度のときを基準とした前記放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を求める基準電流値算出手段とを備え、基準電流値算出手段で求められた放射線照射手段の基準電流値に基づいて放射線撮影を行うことを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、前記設定用撮影で得られた設定用画像に対して関心領域を設定する関心領域設定手段を備え、その関心領域における前記画素ノイズおよび前記所定の入射角度のときを基準とした設定用撮影時における前記放射線照射手段の基準電流値に基づいて、前記基準電流値算出手段は前記放射線撮影時における放射線照射手段の基準電流値を求めることを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項2に記載の放射線撮影装置において、撮影条件と撮影位置とが対応付けられた情報に基づいて前記放射線照射手段から照射される放射線領域が前記関心領域を含む所定の領域になるように、放射線照射手段の開き角を制御する開き角制御手段を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線撮影装置において、一連の放射線撮影からなる断層撮影における所定の前記放射線撮影よりも以前の放射線撮影で行われた入射角度、前記以前の放射線撮影で得られた各々の画素値の平均値に対する画素値の標準偏差の比率、または前記設定用撮影で得られた各々の画素値の最大値あるいはヒストグラム解析による値に基づいて求められた画素ノイズおよび前記所定の入射角度のときを基準とした前記設定用撮影時における放射線照射手段の基準電流値に基づいて、前記所定の放射線撮影時での入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を求める撮影電流値算出手段を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  5. 請求項4に記載の放射線撮影装置において、前記所定の放射線撮影時での入射角度および前記以前の放射線撮影で行われた入射角度に基づいて、前記撮影電流値算出手段で求められた入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を補正する撮影電流値補正手段を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線撮影装置において、前記入射角度および前記所定の入射角度のときを基準とした前記設定用撮影時における放射線照射手段の基準電流値に基づいて、その入射角度に応じた放射線照射手段の電流値を求める撮影電流値算出手段を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
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